説明

プリンタおよびプリンタの電源装置

【課題】プリンタの電源装置において、1次側から2次側への変換の際に、パワー電源およびロジック電源をそれぞれ独立してAC−DC変換し生成させる
【解決手段】印字ヘッドを用いて印字を行うプリンタの電源装置において、印字ヘッドにヘッド駆動回路を介して印字用の電力を供給するパワー電源と、ヘッド駆動回路に印字信号を送り制御する制御部に電力を供給するロジック電源とを備え、パワー電源とロジック電源とはAC電源からそれぞれ独立してAC−DC変換し生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はプリンタおよびプリンタの電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタの電源装置は、印字ヘッド、ステップモータおよびDCモータ等の駆動系へ電源を供給するパワー電源と、制御部、通信部およびセンサ部等のロジック系へ電源を供給するロジック電源とから構成されている。そして、これらの電源は、AC電源(1次側)からAC−DC変換してパワー電源(2次側)を生成し、このパワー電源からロジック電源を生成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−4427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この方式では、常に2つの電源(パワー電源とロジック電源)が動作しているため、特にパワー電源の損失が大きく、電源単体での消費が大きいものとなっていた。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、プリンタの電源装置において1次側から2次側への変換の際に、パワー電源およびロジック電源をそれぞれ独立してAC−DC変換し生成させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態におけるプリンタは、印字ヘッドを用いて印字を行うプリンタにおいて、前記印字ヘッドにヘッド駆動回路を介して印字用の電力を供給するパワー電源と、前記ヘッド駆動回路に印字信号を送り制御する制御部に電力を供給するロジック電源とを備え、前記パワー電源と前記ロジック電源とはAC電源からそれぞれ独立してAC−DC変換し生成する。
【0007】
また、実施形態におけるプリンタの電源装置は、印字ヘッドを用いて印字を行うプリンタの電源装置において、前記印字ヘッドにヘッド駆動回路を介して印字用の電力を供給するパワー電源と、前記ヘッド駆動回路に印字信号を送り制御する制御部に電力を供給するロジック電源とを備え、前記パワー電源と前記ロジック電源とはAC電源からそれぞれ独立してAC−DC変換し生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態にかかるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態にかかるプリンタの電源装置の動作時の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるプリンタおよびプリンタの電源装置を説明する。以下ではバーコードプリンタへの適用例を説明する。
【0010】
図1は、実施形態にかかるプリンタの構成を示すブロック図である。図1に示すように、プリンタ1はバーコードプリンタであり、電源装置2と、制御部10と、モータ駆動回路A11と、DCモータ12と、モータ駆動回路B13と、ステップモータ14と、ヘッド駆動回路15と、サーマルヘッド16と、通信部17と、センサ部18とからなる。
【0011】
そして、電源装置2は、AC電源3と、トランス4と、スイッチング回路5と、パワー電源6と、ロジック電源7とからなる。このAC電源3はトランス4の一次コイル(図示せず)に接続され、パワー電源6はトランス4の2次コイルA(図示せず)にスイッチング回路5を介して接続され、ロジック電源7はトランス4の2次コイルB(図示せず)に直接接続されている。
【0012】
制御部10は、モータ駆動回路A11、モータ駆動回路B13、ヘッド駆動回路15およびスイッチング回路5を制御するものであり、CPU、I/Oポート、タイマ等で構成されている。モータ駆動回路A11は、制御部10から与えられるコントロール信号に応じてインクリボン送り用のDCモータ12へ駆動電流を供給する。モータ駆動回路B13は、制御部10から与えられるコントロール信号に応じて用紙送り用のステップモータ14へ駆動電流を供給する。ヘッド駆動回路15は、制御部10から与えられる印字信号に応じてサーマルヘッド16に駆動電流を供給する。そして、このサーマルヘッド16は、ヘッド駆動回路15の駆動電流によりデータの印字を行う。それから、通信部17は、外部機器(パソコン等)19から転送された印字データをインターフェースを介して取り込んでおり、この取り込んだ印字データは制御部10のメモリ(図示せず)に展開されている。センサ部18は、赤外線センサ等により構成され、用紙の位置合せや用紙の有無等を検出するものである。
【0013】
パワー電源6(例えば、DC27V)は、DCモータ12、ステップモータ14およびサーマルヘッド16に電源を供給するものである。DCモータ12への電源の供給はモータ駆動回路A11を介して行われ、ステップモータ14への電源の供給はモータ駆動回路B13を介して行われ、サーマルヘッド16への電源の供給はヘッド駆動回路15を介して行われる。このパワー電源6は、トランス4の2次コイルA(図示せず)にスイッチング回路5を介して接続されており、スイッチング回路5のオン・オフ動作により、AC電源3及びトランス4側からパワー電源6への電源の供給が制御される。スイッチング回路5は、制御部10から与えられるコントロール信号に応じてオン・オフ動作を行い、パワー電源6への電源の供給を制御する。
【0014】
ロジック電源7(例えば、DC5V)は、制御部10、通信部17、センサ部18およびスイッチング回路5に電源を供給するものである。このロジック電源7は、トランス4の2次コイルB(図示せず)に直接接続されており、AC電源のオン・オフ動作に連動してオン・オフされる。したがって、AC電源がオンされている状態では、ロジック電源は常にオンされており、制御部10、通信部17、センサ部18およびスイッチング回路5に対して動作に必要な電源を供給している。
【0015】
次に、上述したプリンタ1の電源装置2の動作を説明する。図2は、プリンタ1の電源装置2の動作時の処理手順を示すフローチャートである。
【0016】
先ず、印刷の開始に際して、プリンタ1の電源(AC電源3)をオンする(ステップS21)。同時にロジック電源7もオンする(ステップS22)。次に、プリンタ1が印字データを受信したか否かを調べる(ステップS23)。プリンタ1の通信部17が印字データを受信した場合、制御部10からコントロール信号が出力され、このコントロール信号によりスイッチング回路5はオフからオンに切り替り(ステップS24)、AC電源3からの電源がパワー電源6に供給され、パワー電源6はオン状態となる(ステップS25)。なお、プリンタ1の通信部17が印字データを受信しない場合は、印字データの受信の有無を監視しながら待機する(ステップS23)。
【0017】
次に、DCモータ12、ステップモータ14およびサーマルヘッド16には、パワー電源6からの電源がそれぞれの駆動回路11,13,15を介して供給され、印字が開始される(ステップS26)。そして、プリンタ1の印字が終了すると(ステップS27)、プリンタ1は印刷待機状態となる。この印刷待機状態でプリンタ1通信部17が印字データを受信した場合は印字が開始される(ステップS28)。そして、所定時間内に印字データの受信がない場合(ステップS29)、制御部10からコントロール信号が出力され、このコントロール信号によりスイッチング回路5はオンからオフに切り替り(ステップS30)、パワー電源6はオフ状態となる(ステップS31)。そして、印刷の終了に際して、プリンタ1の電源(AC電源3)をオフすると(ステップS32)、同時にロジック電源7もオフする(ステップS33)。
【0018】
以上説明したように、上述した実施形態によれば、プリンタ及びプリンタの電源装置において、AC電源からパワー電源への電源の供給を必要に応じて切り替え遮断するので、懸念であった待機状態にあるパワー電源の損失分を極力抑えることができる。
【0019】
なお、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0020】
1 プリンタ
2 電源装置
3 AC電源
5 スイッチング回路
6 パワー電源
7 ロジック電源
10 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ヘッドを用いて印字を行うプリンタにおいて、
前記印字ヘッドにヘッド駆動回路を介して印字用の電力を供給するパワー電源と、前記ヘッド駆動回路に印字信号を送り制御する制御部に電力を供給するロジック電源とを備え、
前記パワー電源と前記ロジック電源とはAC電源からそれぞれ独立してAC−DC変換し生成したことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記パワー電源は、AC電源にスイッチング回路を介して接続され、このスイッチング回路のオン・オフ動作により、AC電源側からの電源の供給が制御されることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記ロジック電源は、AC電源に直接接続され、AC電源のオン・オフ動作に連動してオン・オフされることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のプリンタ
【請求項4】
印字ヘッドを用いて印字を行うプリンタの電源装置において、
前記印字ヘッドにヘッド駆動回路を介して印字用の電力を供給するパワー電源と、前記ヘッド駆動回路に印字信号を送り制御する制御部に電力を供給するロジック電源とを備え、
前記パワー電源と前記ロジック電源とはAC電源からそれぞれ独立してAC−DC変換し生成したことを特徴とするプリンタの電源装置。
【請求項5】
前記パワー電源は、AC電源にスイッチング回路を介して接続され、このスイッチング回路のオン・オフ動作により、AC電源側からの電源の供給が制御されることを特徴とする請求項4記載のプリンタの電源装置。
【請求項6】
前記ロジック電源は、AC電源に直接接続され、AC電源のオン・オフ動作に連動してオン・オフされることを特徴とする請求項4あるいは請求項5記載のプリンタの電源装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−166461(P2012−166461A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29605(P2011−29605)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】