説明

プリンタのロール紙保持装置およびプリンタ

【課題】ロール紙の外形が大きくなることで生じる上側方向への空間の拡張をなくし、しかもロール紙ホルダへのロール紙の装着性を向上させるものである。
【解決手段】ハウジングの外部に配置され、このハウジングの給紙口に供給されるロール紙と、前記ハウジングの給紙口から離間して設けられ、ロール紙の回転軸が鉛直方向に位置して前記ロール紙を回転自在に保持するロール紙ホルダと、前記ロール紙ホルダと前記ハウジングの給紙口との間に配置され、前記ロール紙ホルダからのロール紙を前記ハウジングの給紙口に平行となるようロール紙の向きを変更してガイドするロール紙ガイド部材とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はプリンタのロール紙保持装置およびプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタのロール紙保持装置として、プリンタで使用されるロール紙の外形がハウジング内の用紙収納部のサイズを越えて使用する場合、ハウジングの外側にオプションのロール紙ホルダを装着してプリンタにロール紙を供給するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなロール紙ホルダでは、ロール紙の回転軸はプリンタの印字面、即ちハウジングに形成した給紙口と水平になるように置かれている。このような設置形態では、ロール紙ホルダに装着するロール紙の外形が大きくなるほど、設置場所において上下方向の空間にロール紙の外形サイズ分の空間を必要とし、さらに、ロール紙を装着させるときに必要な空間(最低でもロール紙の直径分の空間)も確保しておかなければならない。上側方向の空間に制約があるところでは、この種のロール紙ホルダは使い勝手が悪いものとなっていた。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ロール紙の外形が大きくなることで生じる上側方向への空間の拡張をなくし、しかもロール紙ホルダへのロール紙の装着性を向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態におけるプリンタのロール紙保持装置は、ハウジングの外部に配置され、このハウジングの給紙口に供給されるロール紙と、前記ハウジングの給紙口から離間して設けられ、ロール紙の回転軸が鉛直方向に位置して前記ロール紙を回転自在に保持するロール紙ホルダと、前記ロール紙ホルダと前記ハウジングの給紙口との間に配置され、前記ロール紙ホルダからのロール紙を前記ハウジングの給紙口に平行となるようロール紙の向きを変更してガイドするロール紙ガイド部材とを備える。
【0007】
また、本発明の実施形態におけるプリンタは、ハウジングの内部に形成され給紙口から排紙口に連なる通紙経路と、前記通紙経路に設けられた印字部と、前記ハウジングの外部に配置され、このハウジングの給紙口に供給されるロール紙と、前記ハウジングの給紙口から離間して設けられ、ロール紙の回転軸が鉛直方向に位置して前記ロール紙を回転自在に保持するロール紙ホルダと、前記ロール紙ホルダと前記ハウジングの給紙口との間に配置され、前記ロール紙ホルダからのロール紙を前記ハウジングの給紙口に平行となるようロール紙の向きを変更してガイドするロール紙ガイド部材とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態にかかるプリンタを概略的に示す縦断側面図。
【図2】実施形態にかかるプリンタの平面図。
【図3】実施形態にかかるプリンタを背面側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるプリンタのロール紙保持装置およびプリンタの詳細を説明する。以下では、プリンタのロール紙保持装置としてラベルプリンタへの適用例を説明する。
【0010】
図1は、実施形態にかかるプリンタを概略的に示す縦断側面図である。図1に示すように、ラベルプリンタ1は、ハウジング2と、このハウジング2の外側に配置されるロール紙保持装置3等から構成されている。そして、このロール紙保持装置3は、ロール紙ホルダベース4と、このロール紙ホルダベース4に設けられたロール紙ホルダ5と、このロール紙ホルダ5に保持されたロール紙6と、ロール紙ホルダベース4に設けられたロール紙ガイド部材7等から構成されている。
【0011】
本実施形態のラベルプリンタ1は、ロール紙ホルダ5に保持されたロール紙6をハウジング2の内部に引き込み、引き込んだロール紙6に対してハウジング2の内部に設けられた印字部8によって所定事項を印字する。本実施形態では、ロール紙6として、連続紙がロール状に巻回されたラベル用紙又はタグ用紙が用いられる。
【0012】
ハウジング2の内部には、給紙口9から排紙口10に連なる通紙経路11が形成されており、この通紙経路11には、給紙口9側に一対の給紙ローラ12と、排紙口10側に一対の排紙ローラ13とがそれぞれ設けられ、ロール紙6は給紙口9から通紙経路11に引き込まれ、排紙口10から排紙されるように案内される。
【0013】
こうしてロール紙6を案内する通紙経路11には、一対の給紙ローラ12と一対の排紙ローラ13との間に位置して、印字部8が設けられている。印字部8は、図示しないステッピングモータによって回転駆動される回転自在なプラテン14と、このプラテン14に通紙経路11を介して当接するサーマルヘッド15等から構成されている。サーマルヘッド15は、プラテン14と平行に配置された支軸に回動自在に支持され、図示しないスプリングによってサーマルヘッド15がプラテン14に押し付けられる方向に付勢されている。そして、印字部8による印字済みのロール紙6は、通紙経路11において印字部8の下流位置に配置されたカッタユニット16によって適宜な長さに切断されラベルを発行する。
【0014】
図2は、実施形態にかかるプリンタの平面図であり、図3は、実施形態にかかるプリンタを背面側から見た斜視図である。図2および図3に示すように、ロール紙保持装置3は、ロール紙ホルダベース4の一方の端部がハウジング2の給紙口9側の外壁に係合して、ハウジング2に固定されている。そして、ロール紙ホルダベース4の他方の端部には、ロール紙6の回転軸を鉛直方向に位置して回転自在に保持するロール紙ホルダ5が設けられている。このロール紙ホルダ5に対して、ロール紙6の装着方向および脱着方向は横方向(即ち、水平方向)からの出し入れとなり、装着動作および脱着動作は非常にやり易く簡単である。そして、ロール紙ホルダベース4上でロール紙ホルダ5とハウジング2の給紙口9との間に位置して、ロール紙ホルダ5からのロール紙6をハウジング2の給紙口9に平行となるようロール紙6の向きを変更してガイドするロール紙ガイド部材7が設けられている。このロール紙ガイド部材7は一対の保持部17、17と、この保持部17、17に回動自在に保持されたローラ18とで構成されている。
【0015】
次に、本件実施形態のラベルプリンタ1におけるロール紙6の紙送り動作について説明する。ロール紙ホルダ5に回転軸を鉛直方向に位置して保持されたロール紙6は、ロール紙ガイド部材7のローラ18により、ハウジング2の給紙口9に対して平行となるようにロール紙6の向きを略90度変更されて、この給紙口9からハウジング2の内部に引き込まれ、印字部8による印字終了後、排紙口10から排紙される。なお、ロール紙6は、プラテン14がステッピングモータにより回転駆動されることにより、給紙口9から引き込まれ通紙経路11に沿って案内される。
【0016】
上記の実施形態をとれば、ハウジングの外部に配置され、このハウジングの給紙口に供給されるロール紙は、ロール紙の回転軸が鉛直方向に位置してロール紙ホルダに回転自在に保持されている。したがって、ロール紙の外形が大きくなることで生じる上側方向への空間の拡張をなくし、しかもロール紙ホルダへのロール紙の装着性を向上させるものである。
【0017】
なお、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0018】
1 ラベルプリンタ(プリンタ)
2 ハウジング
3 ロール紙保持装置
5 ロール紙ホルダ
6 ロール紙
7 ロール紙ガイド部材
8 印字部
9 給紙口
10 排紙口
11 通紙経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの外部に配置され、このハウジングの給紙口に供給されるロール紙と、
前記ハウジングの給紙口から離間して設けられ、ロール紙の回転軸が鉛直方向に位置して前記ロール紙を回転自在に保持するロール紙ホルダと、
前記ロール紙ホルダと前記ハウジングの給紙口との間に配置され、前記ロール紙ホルダからのロール紙を前記ハウジングの給紙口に平行となるようロール紙の向きを変更してガイドするロール紙ガイド部材と、
を備えるプリンタのロール紙保持装置。
【請求項2】
前記ロール紙ガイド部材は、一対の保持部に回動自在に保持されたローラであることを特徴とする請求項1記載のプリンタのロール紙保持装置。
【請求項3】
ハウジングの内部に形成され給紙口から排紙口に連なる通紙経路と、
前記通紙経路に設けられた印字部と、
前記ハウジングの外部に配置され、このハウジングの給紙口に供給されるロール紙と、
前記ハウジングの給紙口から離間して設けられ、ロール紙の回転軸が鉛直方向に位置して前記ロール紙を回転自在に保持するロール紙ホルダと、
前記ロール紙ホルダと前記ハウジングの給紙口との間に配置され、前記ロール紙ホルダからのロール紙を前記ハウジングの給紙口に平行となるようロール紙の向きを変更してガイドするロール紙ガイド部材と、
を備えるプリンタ。
【請求項4】
前記ロール紙ガイド部材は、一対の保持部に回動自在に保持されたローラであることを特徴とする請求項3記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−166940(P2012−166940A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31217(P2011−31217)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】