説明

プリンタ

【課題】複数枚の印刷指示や、複数の印刷データの印刷指示が送信されて印刷が行われている最中などに、他の印刷データの割り込み印刷を行うことのできるプリンタを提供する。
【解決手段】入力された印刷データに基づき印刷媒体に対する印刷を実行する印刷手段と、一の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷を一時的に停止する一時停止手段と、他の印刷データを選択する選択手段と、印刷が停止されている一の印刷データに換えて、他の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷を実行する割込印刷手段と、他の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷の終了後、印刷が停止されている一の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷を再開する再開手段と、を備えるプリンタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットや飲食店等の店舗では、商品に貼付して商品名や価格等を表示したラベル等を印刷するプリンタが用いられている。このようなプリンタは、商品マスタから商品名や価格などの商品情報等を読み込んでラベル等の印刷媒体に印刷する印字データを生成し、生成した印字データに基づいて印刷を行う。このようなプリンタに対する印刷指示は、店員が持つオーダー端末等の携帯端末から、無線通信等を用いて送信されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、プリンタに複数枚の印刷指示や、複数の情報の印刷指示が送信されて印刷が行われている最中などに、急に他の情報を印刷する必要が生じる場合がある。しかし、従来のプリンタでは、このような場合でも先に送信された印刷指示の処理が全て完了するまで待たねばならず、迅速に対応することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態のプリンタは、入力された印刷データに基づき印刷媒体に対する印刷を実行する印刷手段と、一の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷を一時的に停止する一時停止手段と、他の印刷データを選択する選択手段と、印刷が停止されている一の印刷データに換えて、他の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷を実行する割込印刷手段と、他の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷の終了後、印刷が停止されている一の印刷データに基づく印刷媒体に対する印刷手段による印刷を再開する再開手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、実施形態に係るラベルプリンタを示す斜視図である。
【図2】図2は、ラベルプリンタの電装系の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、ラベルプリンタの初期画面の一例を示す図である。
【図4】図4は、ワンタッチ発行モードの画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、品番呼出発行モードの画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、ラベル発行中の画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、一時停止中の画面の一例を示す図である。
【図8−1】図8−1は、本実施形態に係るラベルプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図8−2】図8−2は、図8−1のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本実施形態に係るプリンタについて、ラベルプリンタを例に説明する。図1は、実施形態に係るラベルプリンタを示す斜視図である。
【0007】
図1に示すように、本実施形態に係るラベルプリンタ1は、下部ケース3と、下部ケース3に対して開閉可能に支持され下部ケース3の上部を覆う上部ケース4と、下部ケース3に対して開閉可能に支持され下部ケース3の前面を覆う前部カバー5とにより主に構成されている。
【0008】
下部ケース3は、上面と前面が開放されている直方体上のケースであり、上面は上部ケース4に、前面は前部カバー5により閉じられることで内部の構成が保護されるようになっている。下部ケース3の内部には、印刷媒体として台紙および台紙に剥離可能に貼付されたラベルにより構成されるラベル連続体を収納する収納部と、入力された印刷データに基づきラベルに印字を行う印字部と、印字ヘッドにラベル連続体を搬送する搬送手段と、印字されたラベルを台紙から剥離する剥離手段が設けられている(いずれも不図示)。また、下部ケース3には、ラベルプリンタ1と外部機器との接続に使われる図示せぬ接続端子や、ラベルプリンタ1に電源を供給するための図示せぬ電源端子等が設けられている。
【0009】
上部ケース4は、それを開くことにより下部ケース3の収納部を開放可能な開閉部材としても用いられている。上部ケース4には、タッチパネルであるディスプレイ41が設けられていて、操作者はこのディスプレイ41を用いて各種操作を行うとともに、各種情報を確認することができる。
【0010】
前部カバー5は、下部ケース3の前面を開閉可能に覆っていて、この開閉により、下部ケース3の内部に収納されている各構成を外部に対して開放または閉鎖する。前部カバー5には、後述するラベル排出口60からのラベルの排出をガイドする排出ガイド53と、ラベルが剥離された台紙を排出する台紙排出口54とが設けられている。
【0011】
前部カバー5の上端部と上部ケース4の前端下部との間には所定の間隔が設けられていて、この間隔に、印字されたラベルが排出されるラベル排出口60が設けられている。
【0012】
排出ガイド53は、前部カバー5の上端部近傍に設けられていて、ラベル排出口60から排出されるラベルがラベルプリンタ1の外部にスムーズに排出されるようにするガイド部材である。
【0013】
台紙排出口54は、前部カバー5の排出ガイド53の下部に設けられていて、ここからラベルが剥離された台紙が排出される。
【0014】
次に、ラベルプリンタ1の電装系の構成について説明する。図2は、ラベルプリンタ1の電装系の構成を示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、ラベルプリンタ1においては、制御部として機能するCPU110に、表示コントローラ111、電源スイッチ102、印刷手段としての印字部106、メモリ112等が各種バスやインタフェースで接続されて構成されている。また、表示コントローラ111には、図1で上述した表示部であるディスプレイ41が接続される。さらに、CPU110は、通信I/F(インタフェース)113等を介してオーダー端末300等と相互に通信可能となっている。なお、オーダー端末300は、店員等の操作者が操作することで、ラベルプリンタ1にラベルの印刷指示を与える等の各種機能が搭載された端末である。以下の実施形態の説明において、このオーダー端末300経由で入力された印刷データに従い行われるラベルの発行を、オンライン発行という。
【0016】
表示コントローラ111は、表示部41における入出力処理を制御する。図2に示すように、表示部41は、LCD41aと、LCD41a上に設けられたタッチパネル41bとを備えている。CPU110が表示コントローラ111を介して表示部41を制御することにより、表示部41はGUI(Graphical User Interface)として機能する。即ち、表示コントローラ111は、メモリ112に格納されている各種表示画面等をLCD41aに表示する。また、表示コントローラ111は、タッチパネル41bにおけるタッチ入力をタッチ位置に対応付けて受け付ける。
【0017】
メモリ112には、CPU110が実行する各種プログラムや、LCD41aに表示される各種表示画面に関するデータが格納されている。
【0018】
CPU110は、メモリ112に格納されているラベル印刷用アプリケーションのプログラムを読み出して実行することにより、一時停止部10と、選択部11と、割込印刷部12と、表示制御部13と、再開部14と、送信部15と、受信部16として機能する。
【0019】
一時停止部10は、後述する一時停止ボタン41v(図6参照)の操作に従い、印字部106によるラベルの印刷を一時的に停止する。
【0020】
選択部11は、後述するメニューボタン41l(図4参照)やテンキー41p(図5参照)の操作に従い、ラベルを発行するメニューに対応する印刷データをメモリ112から選択する。
【0021】
割込印刷部12は、後述する割込発行ボタン41w(図7参照)の操作に従い、ラベルを割り込み発行するための初期画面(図3参照)を表示する。割り込み発行とは、ラベルプリンタ1の印字発行動作中に一時的に印字動作を停止させた後、この一時停止中において、現在一時停止中であって一時停止が解除された後に発行が予定されているラベルに先立ち、別のラベルを割り込んで印字発行することを意味する。
【0022】
表示制御部13は、ラベルプリンタ1における印刷動作時に、ラベル印刷用アプリケーションに従って表示コントローラ111を制御して、後述する各種画面をLCD41aに表示させる。
【0023】
再開部14は、後述する割り込み発行後に表示される初期画面にあるオンライン発行ボタン41h(図3参照)の操作に従い、割り込み発行のために一時的に停止していたオンライン発行を再開する。
【0024】
送信部15は、オーダー端末300等に対して各種データを送信する。受信部16は、オーダー端末300等から印刷データを含む各種データを受信する。
【0025】
次に、図3〜図7を用いて、LCD41aに表示される各種画面について説明する。図3は、ラベルプリンタ1の初期画面の一例を示す図である。図4は、ワンタッチ発行モードの画面の一例を示す図である。図5は、品番呼出発行モードの画面の一例を示す図である。図6は、ラベル発行中の画面の一例を示す図である。図7は、一時停止中の画面の一例を示す図である。
【0026】
図3に示すラベルプリンタ1の初期画面の上部には、「発行」、「設定」、および「セットアップ」の3つの機能に対応するタブである発行タブ41c、設定タブ41dおよびセットアップタブ41eがそれぞれ表示されている。
【0027】
発行タブ41cは、ラベルプリンタ1を操作することで商品を選択しラベルを発行する際に、選択方法を指定するための画面を表示するタブである。本実施形態においては、「ワンタッチ発行」、「品番呼出発行」、および「オンライン発行」の3種類の選択方法が用意されている。図3に示すように、発行タブ41cにより表示される画面には、これら3種類のラベル発行の方法を選択するためのワンタッチ発行ボタン41f、品番呼出発行ボタン41gおよびオンライン発行ボタン41hが表示されている。なお、以降の説明において、ラベルプリンタ1のLCD上に表示されるワンタッチ発行ボタン41fまたは品番呼出発行ボタン41gの操作によるラベル発行方法を「オフライン発行」という。
【0028】
設定タブ41dは、ラベルの各種印字内容の編集を行うための図示しない画面を表示するタブである。この設定タブ41dの画面にて、商品の品番や商品名、価格、消費期限、ラベルに印字される印字イメージ等の編集やこれらの関連付けを行う。
【0029】
セットアップタブ41eは、ラベルプリンタ1のセットアップを行うための図示しない画面を表示するタブである。セットアップタブ41eの画面にて、ラベルプリンタ1の各種設定を行う。例えば、セットアップタブ41eの画面にて、印字発行速度や印字濃度の濃淡を変更する印字設定、サーマルヘッドの断線チェック、現在時刻の設定等を行うことができる。
【0030】
また、タブの上方には、選択中のタブの名称を文字で表示する文字表示部41iが設けられている。更にこの文字表示部41iの上方には、時刻や電池残量、オンライン状態である旨の表示がされる。また、1または複数のラベル印刷指示が選択操作毎にグループ化されるとともに、このグループ化された未処理の印字発行要求数が棒線の数により表現され、未処理表示部43に表示される。図3に示す例では、未処理の印字発行要求数を2つとし、2本の棒が未処理表示部43に表示されている。なお、この未処理表示部43は、図4〜図7に示す他の画面においても表示され、一連の操作のいずれの段階においても未処理の印字発行要求数を容易に把握することができるようになっている。
【0031】
また、図3に示す初期画面の下部には、前に表示された画面に戻るための戻るボタン42a、後述する品番入力画面(図5参照)を呼び出すテンキー(品番)ボタン42b、搬送手段を駆動しラベル連続体を搬送する紙送りボタン42c、入力した内容を確定しラベルプリンタ1にラベル発行を実行させる確定/発行ボタン42d、および一連のラベル発行動作を終了する終了ボタン42eが表示される。
【0032】
初期画面に表示されるワンタッチ発行ボタン41fを押すと、図4に示すように、メニュー毎のボタンが用意されているワンタッチ発行モードの画面が表示される。なお、本実施形態のラベルプリンタ1は、弁当屋に導入されているものを例としている。そして、ワンタッチ発行モードでは、メインメニューである牛丼や豚丼等のメニューボタン41lが表示される丼皿タブ41jや、サイドメニューであるサラダ、味噌汁等のメニューボタン41lが表示されるサイドタブ41k等のタブが用意されている。
【0033】
なお、図4に示すワンタッチ発行モードの画面例では、丼皿タブ41jとサイドタブ41kの他にもタブが用意されているが、図4に示す状態では表示されていない。表示されていないタブを選択するためには、メニューボタン41lの下に表示されている前頁ボタン41mまたは次頁ボタン41nを操作し、他のタブが表示されている画面を表示させればよい。このようなワンタッチ発行モードが用意されていることで、ラベルプリンタ1の操作者は、発行したいラベルを迅速かつ容易に選択することができる。
【0034】
また、図3に示す初期画面において品番呼出発行ボタン41gを押すと、図5に示すように、品番に対応した商品のラベルを発行するための品番呼出発行モードの画面が表示される。品番呼出発行モードの画面には、品番に対応する商品のバーコードを表示するバーコードボタン41q、呼び出した品番の履歴を参照する履歴ボタン41r、品番一覧を表示するリストボタン41sおよびテンキー41pを呼び出すキーボタン41tが設けられている。図5に示す画面は、キーボタン41tが押され、テンキー41pが表示されている状態を示している。図5に示す画面例では、品番として「0001」が入力されると共に、その品番に対応する商品である「牛丼弁当」の名称が表示されている。このような品番呼出発行モードが用意されていることで、ラベルプリンタ1の操作者は、発行したいラベルを迅速かつ容易に選択することができる。
【0035】
また、図3に示す初期画面においてオンライン発行ボタン41hを押すと、ラベルプリンタ1のオフライン発行モードが解除され、オーダー端末300を用いたオンライン発行モードになる。
【0036】
上述したワンタッチ発行モード(図4参照)や品番呼出発行モード(図5参照)によりラベルを発行したい商品を選択した後、画面下部に表示されている確定/発行ボタン42dを押すことにより、選択したラベルが印刷される。これらのワンタッチ発行モード(図4参照)や品番呼出発行モード(図5参照)によるラベルの印字発行モードを「オフライン発行」モードという。
【0037】
上述した携帯端末300またはラベルプリンタ1の操作により印刷データが入力されてラベルの発行が開始されると、図6に示す、ラベル発行中の状態を示す画面が表示部41に表示される。図6に示す例では、ラベルプリンタ1に対して2枚のラベルの印刷指示が行われ、その2枚のラベルの印刷が行われている状態を示している。このとき、表示部41の下方には発行中止ボタン41uと、一時停止ボタン41vが表示される。なお、この2枚のラベルは1つの選択操作において同時に選択され、1つの印字発行要求に含まれているものとする。
【0038】
発行中止ボタン41uは、実行されているラベル発行動作を中止するためのボタンである。発行中止ボタン41uを押すと、その時点で印刷中の1枚のラベルの発行終了までラベル発行動作が継続されるとともに、その後に印刷が予定されているラベルの印刷が全て中止され、図3に示す初期画面に戻る。
【0039】
一時停止ボタン41vは、実行されているラベル発行動作を一時的に停止するためのボタンである。一時停止ボタン41vが押されると、その時点で印刷中の1枚のラベルの発行終了までラベル発行動作が継続されるとともに、その後に印刷が予定されているラベルの印刷が一時停止した状態となる。そして、表示部41に、図7に示す一時停止中の状態を示す画面が表示される。
【0040】
図7に示す一時停止中の画面では、一時停止中である旨が表示されるとともに、中止ボタン41x、再開ボタン41yおよび割込発行ボタン41wが表示される。
【0041】
中止ボタン41xを押すと、以後に予定されているラベルの発行が全て中止され、表示部41の表示が図3に示す初期画面に戻る。再開ボタン41yを押すと、一時停止していた発行動作が再開され、表示部41の表示が図6に示すラベル発行中の画面に戻る。この中止ボタン41xを設けることで、以後のラベル発行が不必要になった場合に、更なるラベル印刷を行うことなくラベル発行を中止することができる。
【0042】
割込発行ボタン41wは、一時停止中であって発行再開後に発行が予定されているラベルに先立ち、別のラベルの割り込み発行を行うためのボタンである。割込発行ボタン41wを押すと、ラベルプリンタ1の初期設定に応じて、図4に示すワンタッチ発行画面や図5に示す品番呼出発行画面など、ラベルを割り込み発行したい商品を指定するための画面が表示される。そして、ワンタッチ発行画面や品番呼出画面などを用いてラベルを発行する商品を選択し、確定/発行ボタン42dを押すと、割り込み発行するラベルの発行が開始されるとともに、表示部41に図6に示すラベル発行中の画面が表示される。
【0043】
また、割込発行ボタン41wを押してワンタッチ発行画面や品番呼出画面などが表示された状態において、戻るボタン42aを押すと、割り込み印刷は行われず、停止していたラベルの印刷が順に再開されるとともに、表示部41に図6に示すラベル発行中の画面が表示される。
【0044】
上述した割り込み発行が終了すると、表示部41の表示が図3に示す初期画面に戻る。そして、初期画面でオンライン発行ボタン41hを押すことで、一時停止していたラベルの発行動作が再開される。
【0045】
次に、上述した一連のラベル発行処理について、図8−1および図8−2を用いて説明する。図8−1および図8−2は、本実施形態に係るラベルプリンタ1の動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、ラベルプリンタ1の電源が投入されると、ステップS1において、CPU110が、印刷の完了していない未処理のラベルの印字発行要求のカウンタをクリアする。
【0047】
次に、ステップS2において、CPU110の表示制御部13が、表示コントローラ111を介してLCD41aを制御し、LCD41aに図3に示す初期画面を表示させる。
【0048】
次に、ステップS3において、CPU110の表示制御部13が、表示コントローラ111を介してLCD41aを制御し、未処理表示部43に印刷の完了していない未処理のラベルの印字発行要求数を、オンライン発行およびオフライン発行に分けて棒線の数により表示させる。なお、印刷が完了していない未処理のラベルが存在しない場合には、未処理表示部43に棒線は表示されない。
【0049】
次に、ステップS4において、CPU110が、オーダー端末300によるオンライン発行要求の有無を確認する。オンライン発行要求が無い場合には、ステップS5に進み、CPU110が、表示部41に図6に示すラベル発行中の画面を表示させる。そして、ラベルプリンタ1のLCD上に表示されるワンタッチ発行ボタン41fまたは品番呼出発行ボタン41gが操作されることで印刷発行要求があった場合、CPU110はLCDの表示を図3の表示から図4乃至図6の表示に遷移させ、印字部106にオフライン発行、すなわちラベルプリンタ1のタッチパネル41bを介する一連のラベル発行動作を行わせて、ステップS6に進む。
【0050】
ステップS6では、図6に示すラベル発行中の画面の表示中において、CPU110が、戻るボタン42aの押圧の有無を判断する。戻るボタン42aが押圧されたと判断した場合には、ステップS7に進む。
【0051】
ステップS7では、CPU110が、上述したオフライン発行が割り込み印刷に該当するか否かの判断をする。ステップS7において割り込み発行に該当する場合には、ステップS8に進み、CPU110が割り込み発行中のステータスをクリアし、後述するステップS27へと進む。割り込み発行に該当しない場合には(ステップS7のNo)、ステップS2に進み、CPU110が、表示部41に図3に示す初期画面を表示させる。
【0052】
一方、上述したステップS4において、CPU110が、オンライン発行要求、すなわちオーダー端末300からラベルを印刷発行する旨のオンライン発行要求があったと判断した場合には、ステップS17に進む。
【0053】
ステップS17では、CPU110が、メモリ112に設けられた印字バッファ領域にオンライン発行要求をキューイングする(バッファリングする)とともに、未処理のオンライン要求の数をカウントするオンライン未処理カウンタをインクリメントする。
【0054】
次に、ステップS18において、CPU110の表示制御部13が、未処理表示部43に棒線の数により表示される、印刷の完了していない未処理のラベルの印字発行要求数を、ステップS17におけるインクリメントに従い更新する。
【0055】
次に、ステップS19において、CPU110が、上述したオフライン発行が割り込み印刷に該当するか否かの判断をする。割り込み発行である場合には、割り込み発行が一連の印刷動作が終了するまで継続される。一方、割り込み発行ではない場合には(ステップS19のNo)、ステップS20へと進む。
【0056】
ステップS20では、CPU110が、メモリ112にキューイング(バッファリング)されているデータの有無の判断を行う。携帯端末からの印字発行要求を受けてキューイングされているデータがある場合には、ステップS21に進み、CPU110がメモリ112にキューイングされているデータを読み込む。そして、CPU110が、表示部41に印刷枚数カウンタの印刷枚数を維持させつつ、ステップS22に進む。一方、キューイングされているデータが無い場合には、上述したステップS2に進み、CPU110が、表示部41に図3に示す初期画面を表示させる。
【0057】
ステップS22では、CPU110が、表示部41に図6に示すラベル発行中の画面を表示させる。そして、次のステップS23で、CPU110が、印字部106にオンライン発行、すなわちオーダー端末300から受信したラベルの印刷発行要求に従ってラベル発行動作を開始させる。
【0058】
ステップS24では、CPU110が、図6に示すラベル発行中の画面において発行中止ボタン41uが押圧されたか否かの判断を行う。発行中止ボタン41uが押圧されていないと判断した場合には、ステップS25に進み、ラベル発行動作を継続する。
【0059】
ステップS25では、CPU110が、発行中の1枚のラベルの印刷が終了したか否かの判断をする。発行中の1枚のラベルの印刷が終了した場合には、ステップS26に進む。
【0060】
ステップS26では、CPU110が、図6に示すラベル発行中の画面において一時停止ボタン41vが押圧されたか否かの判断を行う。一時停止ボタン41vが押圧されていない場合には、ステップS27に進み、CPU110が印刷枚数カウンタの数字をデクリメントし、ステップS28へと進む。
【0061】
ステップS28では、CPU110が、印刷処理中の印字発行要求に含まれるラベルの印刷が全て終了したか否かの判断を行う。印刷処理中の印字発行要求に含まれるラベルの印刷が全て終了している場合には、ステップS29に進み、CPU110が、未処理のオンライン印刷要求の印字発行要求数のカウンタをデクリメントし、前述したステップS18に進む。一方、ステップS28において、印字発行要求に含まれるラベルの印刷が全て終了していない場合には、上述したステップS22に進み、CPU110が、表示部41に図6に示すラベル発行中の画面を表示させるとともに、CPU110が、印字部106にラベルの発行動作を継続させる。
【0062】
また、上述したステップS6において、戻るボタン42aが押圧されていない場合には(ステップS6のNo)、ステップS9に進む。
【0063】
ステップS9では、CPU110が、図3に示すワンタッチ発行画面や品番呼出画面等を用いて印字されるラベルの選択の有無を判断する。印字されるラベルの選択が行われると(ステップS9のYes)、ステップS10に進み、CPU110が、メモリ112に設けられた印字バッファ領域に、ステップS9にてワンタッチ発行画面や品番呼出画面等を用いて選択されたこれから印字されるラベルの印刷発行要求をバッファリングする。また、オフライン未処理カウンタを1だけインクリメントして、ステップS11に進む。一方、ステップS9において印字されるラベルの選択が行われていない場合には(ステップS9のNo)、上述したステップS5に進み、CPU110が、表示部41に図6に示すラベル発行中の画面を表示させるとともに、CPU110が、印字部106にオフライン発行を行わせる。
【0064】
ステップS11では、CPU110が、未処理表示部43に棒線の数により表示される、印刷の完了していない未処理のオフライン印刷の印字発行要求数を更新する。
【0065】
次に、ステップS12において、CPU110は、LCD41aに図6に示すラベル発行中の画面を表示させるとともに、印字部106にステップS9にて印字選択されたラベルの発行を行わせる。
【0066】
次に、ステップS13において、ステップS9にて印字選択されたラベルの印字が終了すると、CPU110は、印字部106の印字動作を終了させる。
【0067】
次に、ステップS14において、CPU110が、未処理のオフライン印刷要求数のカウンタをデクリメントするとともに、未処理表示部43に表示される、印刷の完了していない未処理のオフライン印刷の印字発行要求数を示す棒線の数を更新する。
【0068】
次に、ステップS15において、CPU110が、上述したステップS9にて印字選択されたことに起因した印刷発行処理であるオフライン発行が割り込み印刷に該当するか否かの判断をする。ステップS15において割り込み発行に該当する場合には(ステップS15のYes)、ステップS16に進み、CPU110が割り込み発行中のステータスをクリアし、前述したステップS27へと進み、CPU110が印刷枚数カウンタの数字をデクリメントし、ステップS28へと進む。一方、割り込み発行に該当しない場合には、ステップS2に進み、CPU110が、表示部41に図3に示す初期画面を表示させる。
【0069】
また、上述したステップS26において、一時停止ボタン41vが押されたと判断した場合には(ステップS26のYes)、ステップS30に進み、CPU110が、表示部41に図7に示す一時停止中の状態を示す画面を表示させる。
【0070】
次に、ステップS31において、CPU110が、図7の一時停止画面において中止ボタン41xが押されたか否かの判断を行う。中止ボタン41xが押されていない場合には(ステップS31のNo)、ステップS32へと進む。
【0071】
ステップS32では、CPU110が、図7の一時停止画面において再開ボタン41yが押されたか否かの判断を行う。再開ボタン41yが押されていない場合には(ステップS32のNo)、ステップS33へと進む。
【0072】
ステップS33では、CPU110が、図7の一時停止画面において割込発行ボタン41wが押されたか否かの判断を行う。割込発行ボタン41wが押されたと判断した場合には(ステップS33のYes)、ステップS34に進み、割り込み発行中ステータスとなる。次に、CPU110が、印字部106にオンライン発行を一時停止した状態を継続させつつ、上述したステップS5へと進む。そして、CPU110が、割り込み発行するように選択されたラベルについて、印字部106にオフライン発行を行わせる。
【0073】
一方、ステップS31において中止ボタン41xが押されている場合には、ステップS35へと進み、CPU110が、一時停止中のオンライン発行を全てキャンセルする。そして、上述したステップS18へと進み、CPU110の表示制御部13が、未処理表示部43に棒線の数により表示される、印刷の完了していない未処理のラベルの印字発行要求数を更新する。
【0074】
また、ステップS32において、再開ボタン41yが押されたと判断した場合には(ステップS32のNo)、上述したステップS27に進み、CPU110が、印刷枚数カウンタの数字をデクリメントする。
【0075】
また、ステップS33において、割込発行ボタン41wが押されていない場合には、上述したステップS30へと進み、CPU110が、表示部41に対して図7に示す一時停止中の状態を示す画面の表示を継続させる。
【0076】
上述した実施形態に係るラベルプリンタによると、選択された順番にラベルの印刷が行われている最中に、先に選択されたラベルの発行を一時停止し、一時停止中に順番に含まれないラベルの割り込み印刷をすることができる。そのため、順番に含まれてない他のラベルを急に印刷する必要が生じた場合であっても、先に行われているラベルの発行の終了を待つことなく、迅速に対応することができる。
【0077】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
例えば、上述した実施形態においてはプリンタとしてラベルプリンタを例に挙げて説明したが、本発明においてはこれに限らず、劇場用等の各種チケットを印刷するプリンタや、写真印刷用のプリンタ等であってもよい。また、上述した実施形態においては印刷媒体としてラベル連続体が用いられていたが、普通紙や感熱紙、樹脂カード等、他の種類の印刷媒体であってもよい。なお、他の種類の印刷媒体を用いる場合には、印刷媒体に応じて印字部の種類を変更すればよい。
【符号の説明】
【0079】
1 ラベルプリンタ
3 下部ケース
4 上部ケース
5 前部カバー
41 表示部
41a LCD
41b タッチパネル
41c 発行タブ
53 排出ガイド
54 台紙排出口
60 ラベル排出口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2009−83323号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印刷データに基づき印刷媒体に対する印刷を実行する印刷手段と、
一の印刷データに基づく前記印刷媒体に対する前記印刷手段による印刷を一時的に停止する一時停止手段と、
他の印刷データを選択する選択手段と、
印刷が停止されている前記一の印刷データに換えて、前記他の印刷データに基づく前記印刷媒体に対する前記印刷手段による印刷を実行する割込印刷手段と、
前記他の印刷データに基づく前記印刷媒体に対する前記印刷手段による印刷の終了後、印刷が停止されている前記一の印刷データに基づく前記印刷媒体に対する前記印刷手段による印刷を再開する再開手段と、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記選択手段は、前記印刷データの種類毎に用意されたボタンの操作に従い選択を実行する請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記選択手段は、前記印刷データを指定する番号を入力するテンキーの操作に従い選択を実行する請求項1記載のプリンタ。
【請求項4】
前記印刷の一時停止中に、一時停止している全ての印刷を中止する中止手段を備える請求項1乃至3の何れかに記載のプリンタ。
【請求項5】
印刷の完了していない印字発行要求の数を表示する未処理表示部を備える請求項1乃至4の何れかに記載のプリンタ。
【請求項6】
各種情報と、前記ボタンまたは前記テンキーと、を表示するタッチパネルである表示部を備える請求項1乃至5の何れかに記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【公開番号】特開2013−86485(P2013−86485A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232177(P2011−232177)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】