説明

プリント配線板およびプリント配線板における比誘電率および実効比誘電率の測定方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速デジタル回路用プリント配線基板の絶縁材料部分における比誘電率および実効比誘電率の測定電極形状およびその測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、比誘電率測定電極形状およびその測定方法は、例えば、「JIS C6481−1990:第13頁〜第18頁」、あるいは「MWE92 Microwave Workshop Digest:第87頁〜第102頁」に開示されるものがある。
【0003】文献1におけるブリッジ法,Qメータ法,自動平衡ブリッジ法といった容量法に分類される方法は、多層化前の銅張積層板単体の一部を加工することで測定電極とし、1MHz程度の正弦波を印加して測定を行うものであった。また、文献2における平行導体板形誘電体円柱共振器法といった共振法に分類される方法は、絶縁材料のみを加工することで測定電極とし、1〜数10GHz程度の正弦波を印加して測定を行うものであった。また、反射波法、Sパラメータ法といった伝送法に分類される方法も、共振法と同様であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上述べたいずれの測定方法であっても、製品として一般に多層化してある高速デジタル回路用プリント配線板の絶縁材料の比誘電率および実効比誘電率測定方法としては、以下に示すような問題点があって、技術的に満足できるものではない。
【0005】すなわち、共振法あるいは伝送法の場合、測定時の電磁界モードが実回路パターンの電磁界モードと異なるという問題がある。これは、絶縁材料は一般に基材と樹脂から構成される複合体で、特性に電磁界上の方向性があり、電磁界モードが異なる時の影響を無視できないためである。また、正弦波を基本とする測定しかできないという問題がある。これは、広帯域に及ぶ高調波成分を含むデジタル信号については測定できないためである。
【0006】さらに、測定電極部の厚さに指定があるという問題がある。これは、同種類の絶縁材料であっても、厚さの異なるものはレジンコンテントが異なる場合があり、指定厚さのものだけでは実際の状態を測定しきれないためである。また、容量法の場合、導体部の大きさをあまり大きくできないという問題がある。これは、周波数の高い領域における分散や共振の影響を考慮すると、容量法の測定電極導体部は、その波長に比例してより小さくする必要があり、測定系に対して小さくなるほど測定系のストレーキャパシティの影響が増すためである。
【0007】さらに、非破壊で測定できないという問題がある。これは、測定電極の形状とするために加工が必要であり、実際の工程を受けた製品レベルの測定ができないためである。また、マイクロストリップ導体の実効比誘電率の測定ができないという問題がある。これは、実効比誘電率に対しては、従来測定対象としていないためである。
【0008】本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、比誘電率および実効比誘電率を実際の構造および使用状態に則して測定可能な、プリント配線板における比誘電率/実効比誘電率の測定電極形状およびその測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は、高速デジタル回路用プリント配線板の絶縁材料部分に対する比誘電率あるいは実効比誘電率の測定電極形状を、実際のパターンとして使われるストリップ導体構造あるいはマイクロストリップ導体構造とし、かつ、この構造を製品上に設けるようにしたものである。すなわち、請求項1の発明は、回路パターン部およびテストパターン部を有するプリント配線板において、前記回路パターン部あるいはテストパターン部の少なくとも一方に、1組以上のストリップ導体構造を形成するように導体およびパッドを配置して形成された測定電極を備え、前記測定電極に入力される入力信号の波長をλとするとき、前記測定電極のパターン長Lの単位長当たりの前記入力信号の伝播遅延時間を求め、前記伝播遅延時間から前記プリント配線板の比誘電率および実効比誘電率を求めるために、前記測定電極のパターン長Lを(1)式を満たす長さに設定することとしたものである。
【数1】


請求項2の発明は、回路パターン部およびテストパターン部を有するプリント配線板において、前記回路パターン部あるいはテストパターン部の少なくとも一方に、1組以上のマイクロストリップ導体構造を形成するように導体およびパッドを配置して形成された測定電極を備え、前記測定電極に入力される入力信号の波長をλとするとき、前記測定電極のパターン長Lの単位長当たりの前記入力信号の伝播遅延時間を求め、前記伝播遅延時間から前記プリント配線板の比誘電率および実効比誘電率を求めるために、前記測定電極のパターン長Lを前記(1)式を満たす長さに設定することとしたものである。請求項3の発明は、上述した請求項1または2のプリント配線板において、前記入力信号の立ち上がり時間の劣化が問題とならないときに、測定電極のパターン長Lを、(2)式により求めることとしたものである。
【数2】


請求項4の発明は、上述した請求項1、2または3のプリント配線板において、前記入力信号が正弦波ではなく、高調波成分を有する波形のとき、前記入力信号の最高周波数成分の波長をもって前記入力信号の波長λとすることとしたものである。請求項5の発明は、上述した請求項1または2のプリント配線板において、前記プリント配線板の部品面に前記測定電極を形成する複数のストリップ導体側のパッドを等間隔で一列に並べ、これと平行に、複数のグラウンド導体側のパッドを前記ストリップ導体側のパッドと同じ間隔で一列に並べることとしたものである。請求項6の発明は、上述した請求項1または2のプリント配線板において、前記測定電極を形成するパッド間を結ぶマイクロストリップ導体およびストリップ導体を、前記プリント配線板の厚み方向に重なるように、その長手方向を合わせ、プリント配線板の所望の層に配置することとしたものである。
【0010】また、上述したプリント配線板における比誘電率および実効比誘電率の測定方法を、ストリップ導体あるいはマイクロストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間を時間領域伝送特性の測定から得て、この伝搬遅延時間の値を用いて、計算により求めるものである。すなわち、請求項7の発明は、ストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間Δtを求め、ストリップ導体構造におけるプリント配線板の比誘電率εr を、(3)式により求めることとしたものである。
【数3】


請求項8の発明は、マイクロストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間Δtを求め、マイクロストリップ導体構造におけるプリント配線板の実効比誘電率εeff を、(4)式により求めることとしたものである。請求項9の発明は、上述した請求項7または8のプリント配線板における比誘電率および実効比誘電率の測定方法において、立ち上がり時間を調整可能としたステップ状波によりストリップ導体およびマイクロストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間を求め、この伝搬遅延時間を用いて比誘電率および実効比誘電率を求めることとしたものである。
【数4】


【0011】
【作用】上述した構成を有する本発明は、測定電極の形状を、パターン長Lが(1)式を満たす長さのストリップ導体構造あるいはマイクロストリップ導体構造としてあり、比誘電率あるいは実効比誘電率を測定すべき絶縁材料を挟む導体にステップ状波を通し、この時の伝搬遅延時間を求めて、この伝搬遅延時間の値を用いて計算により比誘電率あるいは実効比誘電率を求める。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して実施例を説明する。図1は本発明の一実施例における測定電極形状を示すプリント配線板の要部平面図、図2は本実施例におけるプリント配線板の全体斜視図であり、まず、図2を用いてプリント配線板の全体構造から説明する。
【0013】図において、1はプリント配線板、2はこのプリント配線板の本体部で、この本体部2には、製造,組み立て用余白部3がミシン目4を介して付属している。そして、本体部2上のA部には、測定電極5が、製造上回路パターンとして配置してある。また、製造,組み立て用余白部3上のB部にも、測定電極5が、製造上テストパターンとして配置してある。
【0014】ここで、測定電極5は、通常は用途や仕様に応じてA部またはB部の一方のみに配置される。なお、本体部2上のA部の場合、該本体部2への部品搭載に支障がない位置に測定電極5が配置される。そして、図1は上述したプリント配線板におけるA部およびB部の拡大平面図である。ここで、測定電極は8層のプリント配線板用を想定したものである。
【0015】プリント配線板1の部品面(第1層とする)には、第1層ストリップ導体6aを配置してある。第3層には第3層ストリップ導体6bが配置してあり、第6層には第6層ストリップ導体6cを配置してある。そして、半田面(第8層)には、第8層ストリップ導体6dを配置してある。この内、内層にある第3層ストリップ導体6bと第6層ストリップ導体6c、および半田面にある第8層ストリップ導体6dは、部品面との導通を図るため、ストリップ導体側バイアホール7に接続してある。そして、このストリップ導体側バイアホール7は、部品面にてストリップ導体導体側パッド8に接続してある。また、これらのストリップ導体に対し、ここでは図示しないグラウンド導体側は、グラウンド導体側バイアホール9によって、部品面のグラウンド導体側パッド10に接続してある。
【0016】ここで、上述した4本のストリップ導体6a,6b,6c,6dは、それぞれ異なる層に配置されているので、その長手方向を合わせて重なるように配置してある。そして、ストリップ導体側パッド8は、4本のストリップ導体6a〜6dのそれぞれ両端に直接あるいはストリップ導体側バイアール7を介して接続され、ストリップ導体6a〜6dと平行に等間隔で一列に並べて配置してある。また、グラウンド導体側パッド10は、ストリップ導体側パッド8と平行に、かつストリップ導体側パッド8と1対1で対応するように等間隔で一列に並べて配置してある。
【0017】図3は図1のC−C線断面図である。図3に示すように、プリント配線板1の第2層には第2層グラウンド導体11aが配置してあり、第4層には第4層グラウンド導体11bが配置してあり、第5層には第5層グラウンド導体11cが配置してあり、第7層には第7層グラウンド導体11dが配置してある。
【0018】これら4つのグラウンド導体11a〜11dは、部品面との導通を図るためと各グラウンド層の電位を同じにするために、グラウンド導体側バイアホール9に接続してある。また、4つのグラウンド導体11a〜11dは、ストリップ導体側バイアホール7に対し、絶縁材料12を介して間隔を持たせてある。上述した図2,図3より、グラウンド導体が配置されていない層にストリップ導体が配置され、部品面から見ると第1層ストリップ導体6aと第2層グラウンド導体11aによりマイクロストリップ導体構造となって、導体間の絶縁材料12の実効比誘電率(εeff1)を求めることができる。
【0019】また、第2層グラウンド導体11aと第3層ストリップ導体6bと第4層グラウンド導体11bによりストリップ導体(トリプレート)構造となって、グラウンド導体間(11a−11b間)の絶縁材料12の比誘電率(εr1)を求めることができる。同様に、第5層グラウンド導体11cと第6層ストリップ導体6cと第7層グラウンド導体11dによりストリップ導体(トリプレート)構造となって、グラウンド導体間(11c−11d間)の絶縁材料12の比誘電率(εr2)を求めることができる。また、第7層グラウンド導体11dと第8層ストリップ導体6dによりマイクロストリップ導体構造となって、導体間の絶縁材料12の実効比誘電率(εeff2)を求めることができる。
【0020】図4は時間領域伝送特性の測定装置を示す説明図である。なお、測定対象は、マイクロストリップ導体,ストリップ導体等不平衡伝送線路を想定している。13はステップ状波発生器で、このステップ状波発生器13は、立ち上がり時間が速く、繰り返し周波数が十分低い台形波、いわゆるステップ状波を発生する。なお、このステップ状波発生器13で発生するステップ状波の立ち上がり時間は調整可能で、所望の立ち上がり時間を得ることができるようになっている。
【0021】このステップ状波発生器13で発生させたステップ状波は、同軸ケーブル14から第1のプローブ15をスルーで通過し、伝送線経路部であるストリップ導体16およびグラウンド導体17へ供給する。ストリップ導体16とグラウンド導体17は、各長さLの等長にしてあり、その対面端にて第2のプローブ18を通じ、終端抵抗19で終端する。
【0022】20は前記ステップ状波発生器13で発生させたステップ状波を検出するサンプリングオシロスコープで、このサンプリングオシロスコープ20へのピックアップは、2か所、ここでは第1のプローブ15および第2のプローブ18とそれぞれ同じ位置で行うこととしており、第3のプローブ21を介してストリップ導体16およびグラウンド導体17の開始端に接続するとともに、第4のプローブ22を介してストリップ導体16およびグラウンド導体17の終端に接続する。なお、第3のプローブ21および第4のプローブ22は、高入力インピーダンスで低ストレーキャパシティである物を使用する。ここで、各プローブを除く全ての測定系は、定インピーダンス化されている。
【0023】図5は上述した第3のプローブ21および第4のプローブ22における波形の変化を示す波形図で、縦軸に電圧変化量、横軸に時間をとっている。t1およびt2はそれぞれステップ波通過時の立ち上がり時間であり、Δtがパターン長Lに対する伝搬遅延時間である。図6〜8は、このような測定装置により、図1〜3で説明したプリント配線板の測定電極を用いて計測したパターン長に対する伝搬遅延時間(単位はns/m)の変化を示すグラフである。ここで、プリント配線板の材質は、ガラス布基材BT(ビスマレイミド+トリアジン樹脂)レジンである。
【0024】なお、図6は、マイクロストリップ導体構造でソルダレジスト付きの場合、図7はマイクロスリップ導体構造でソルダレジスト無しの場合、図8はストリップ導体構造の場合を示している。まず、図4で説明した測定装置の第3のプローブ21,第4のプローブ22、および第1のプローブ15,第2のプローブ18を、図1〜図3で説明したプリント配線板1において、比誘電率あるいは実効比誘電率を測定すべき絶縁材料12を挟むストリップ導体とグラウンド導体に対応するストリップ導体側パッド8およびグラウンド導体側パッド10へ接続する。ここで、図1に示されるように、接続される各パッドは等間隔に部品面に並べられており、測定は効率良く、全て部品面側から行うことができる。また、配線スペースを多く必要とするストリップ導体を層を重ねて構成してあるので、最小限の配線スペースに収めることができる。
【0025】また、図4におけるストリップ導体16およびグラウンド導体17は、図1,3で説明したマイクロストリップ導体構造およびストリップ導体構造に対応する。よって、マイクロストリップ導体構造およびストリップ導体構造において、絶縁材料の比透磁率μr =1、また、伝搬する電磁界がTEMモードと考えられるとき、図4における測定装置を用いて求めた伝搬遅延時間Δtより、比誘電率εr1,εr2および実効比誘電率εeff1,εeff2を以下に示す(5)式および(6)式より求めることができる。
【0026】
【数5】


【0027】ここで、Δtは単位パターン長当たりの伝搬遅延時間、α,βは板厚が厚く、バイアホールの影響が無視できない場合の補正項(通常α,β=0で近似)、Cは光速(3×108 m/s)である。なお、上記(6)式では、ソルダレジスト付きの場合でも適用可能である。これは、測定時の電磁界モードが実回路パターンと同等であるためである。
【0028】さらに、デジタル信号による測定と同等であるため、高調波成分の影響を含んだ形の結果を得ることができ、かつ、図5における立ち上がり時間t1を調整することで、実際の使用条件に合わせることができる。ただし、図6〜図8に示す測定結果より、測定系に下記の条件があることが判別した。
【0029】すなわち、図5に示す立ち上がり時間t1の信号に対してパターンがTEMモードを有し、分布定数回路として扱えるパターンが必要になる点である。そして、分布定数回路として扱える最短のパターン長Lは、信号の最高周波数成分の波長λ-3(材料上の短縮率を含む)により、下記の(7)式および(8)式から、(9)式に表せることがわかった。
【0030】
【数6】


【0031】また、立ち上がり時間の劣化が問題にならない場合は、下記の(10)式のようにするとよい。
【0032】
【数7】


【0033】さらに、高損失の材料では測定しにくいことがわかった。また、立ち上がり時間t1の最小限度は、その最高周波数成分が高次モードを発生ない時間までになる。なお、入力される信号が正弦波の場合は、その波長λをもって上記(9),(10)式を用い、パターン長Lを求めることができる。
【0034】以上の条件を考慮し、実際の測定電極を設計することで、図2に示すプリント配線板1の本体部2のA部における測定電極5および製造,組み立て用余白部3のB部における測定電極5を用いて比誘電率/実効比誘電率を求めることができる。なお、本実施例ではプリント配線板が8層の場合で説明したが、何層構造のものであっても、上述したようにストリップ導体構造あるいはマイクロストリップ導体構造で測定電極を配置することで、絶縁材料の比誘電率および実効比誘電率の測定が可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、測定電極形状をストリップ導体構造およびマイクロストリップ導体構造にすることで、比誘電率および実効比誘電率の測定を実回路パターンと同じ電磁界モードの測定としたので、複合体としての絶縁材料を再現性よく測定することができる。特に、マイクロストリップ導体構造では、実効比誘電率が測定できる。また、厚さの異なる絶縁材料でも測定することができる。
【0036】さらに、最短の測定電極のパターン長を入力信号の波長をλとしたとき、(1)式あるいは(2)式を満たす長さに設定することで、導体部の大きさを分布定数回路として扱える大きさとしたので、測定系のストレーキャパシティの影響を少なくできる。また、入力信号として使用条件に合わせた立ち上がり時間を持つステップ状波を用いて比誘電率および実効比誘電率を測定するので、広帯域におよぶ高調波成分を含むデジタル信号についての測定結果を得られる。
【0037】また、比誘電率および実効比誘電率は伝搬遅延時間から計算により求めるようにしたので、非破壊で実際の製品レベルの測定ができる。さらに、ストリップ導体側パッドをプリント配線板の部品面に等間隔で一列に並べて配置し、かつ、グラウンド導体側パッドをストリップ導体側パッドに1対1で対応するようにプリント配線板の部品面に該ストリップ導体側パッドと同じ等間隔で一列に並べて配置したので、プリント配線板の部品面側から効率良く測定できる。
【0038】また、ストリップ導体をその長手方向を合わせて層を重ねて配置したので、最小限の配線スペースに配置できる。そして、実際の製品に上述した形状のストリップ導体構造およびマイクロストリップ導体構造の測定電極を配置することで、製品個別に比誘電率および実効比誘電率を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における測定電極形状を示すプリント配線板の要部平面図である。
【図2】本実施例におけるプリント配線板の全体斜視図である。
【図3】図1のC−C線断面図である。
【図4】時間領域伝送特性の測定装置を示す説明図である。
【図5】時間領域伝送特性の測定装置における波形の変化を示す波形図である。
【図6】伝搬遅延時間の変化の一例を示すグラフである。
【図7】伝搬遅延時間の変化の一例を示すグラフである。
【図8】伝搬遅延時間の変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プリント配線板
5 測定電極
6a 第1層ストリップ導体
6b 第3層ストリップ導体
6c 第6層ストリップ導体
6d 第8層ストリップ導体
8 ストリップ導体側パッド
10 グラウンド導体側パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路パターン部およびテストパターン部を有するプリント配線板において、前記回路パターン部あるいはテストパターン部の少なくとも一方に、1組以上のストリップ導体構造を形成するように導体およびパッドを配置して形成された測定電極を備え、前記測定電極に入力される入力信号の波長をλとするとき、前記測定電極のパターン長Lの単位長当たりの前記入力信号の伝播遅延時間を求め、前記伝播遅延時間から前記プリント配線板の比誘電率および実効比誘電率を求めるために、前記測定電極のパターン長Lを(1)式を満たす長さに設定することを特徴とするプリント配線板。
【数1】


【請求項2】 回路パターン部およびテストパターン部を有するプリント配線板において、前記回路パターン部あるいはテストパターン部の少なくとも一方に、1組以上のマイクロストリップ導体構造を形成するように導体およびパッドを配置して形成された測定電極を備え、前記測定電極に入力される入力信号の波長をλとするとき、前記測定電極のパターン長Lの単位長当たりの前記入力信号の伝播遅延時間を求め、前記伝播遅延時間から前記プリント配線板の比誘電率および実効比誘電率を求めるために、前記測定電極のパターン長Lを(1)式を満たす長さに設定することを特徴とするプリント配線板。
【数1】


【請求項3】 前記入力信号の立ち上がり時間の劣化が問題とならないときに、測定電極のパターン長Lを、(2)式により求めることを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板。
【数2】


【請求項4】 前記入力信号が正弦波ではなく、高調波成分を有する波形のとき、前記入力信号の最高周波数成分の波長をもって前記入力信号の波長λとすることを特徴とする請求項1、2または3記載のプリント配線板。
【請求項5】 前記プリント配線板の部品面に前記測定電極を形成する複数のストリップ導体側のパッドを等間隔で一列に並べ、これと平行に、複数のグラウンド導体側のパッドを前記ストリップ導体側のパッドと同じ間隔で一列に並べたことを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板。
【請求項6】 前記測定電極を形成するパッド間を結ぶマイクロストリップ導体およびストリップ導体を、前記プリント配線板の厚み方向に重なるように、その長手方向を合わせ、プリント配線板の所望の層に配置したことを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板。
【請求項7】 ストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間Δtを求め、ストリップ導体構造におけるプリント配線板の比誘電率εr を、(3)式により求めることを特徴とするプリント配線板における比誘電率の測定方法。
【数3】


【請求項8】 マイクロストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間Δtを求め、マイクロストリップ導体構造におけるプリント配線板の実効比誘電率εeff を、(4)式により求めることを特徴とするプリント配線板における実効比誘電率の測定方法。
【数4】


【請求項9】 立ち上がり時間を調整可能としたステップ状波によりストリップ導体およびマイクロストリップ導体の単位長当たりの伝搬遅延時間を求め、この伝搬遅延時間を用いて比誘電率および実効比誘電率を求めることを特徴とする請求項7または8記載のプリント配線板における比誘電率および実効比誘電率の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【特許番号】特許第3209309号(P3209309)
【登録日】平成13年7月13日(2001.7.13)
【発行日】平成13年9月17日(2001.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−59512
【出願日】平成6年3月29日(1994.3.29)
【公開番号】特開平7−270461
【公開日】平成7年10月20日(1995.10.20)
【審査請求日】平成9年12月8日(1997.12.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−76964(JP,A)
【文献】実開 平4−116408(JP,U)