説明

プレス機械

【課題】連接具とスライドとの間に介在する圧力室に作動流体を含む流体圧シリンダを有し、スライドの偏芯荷重に応じてその圧力室が減容することにより、荷重を緩和する偏芯荷重の緩和機構に関し、応答速度を向上させる。
【解決手段】駆動機構との連接具10,20が第1流体圧シリンダ30,40を介してスライド5と連結され、第1流体圧シリンダは、連接具とスライドとの間に介在する圧力室31,41に作動流体を含むと共に該圧力室が第2流体圧シリンダ100,200と連通する。第2流体圧シリンダは、前記圧力室と連通した受圧室と、受圧室の圧力を受けるピストンと、ピストンの受圧室とは反対側を作動流体で加圧する加圧室と、加圧室に作動流体を送り込む加圧装置Paと、前記圧力室の圧力が所定値以上になるときに、加圧室から作動流体を排出する減圧装置Vと、を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プレス機械におけるスライドの偏芯荷重対策に関する技術が以下に開示される。
【背景技術】
【0002】
ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、コラム上に設置したクラウン内の駆動機構によりスライドを駆動して上下動させるプレス機械が、金属薄板等のワークの成形加工に使用される。加工のための上下金型は、下金型がベッド上のボルスタに固定され、上金型がスライド下に固定される。機械式のプレス機械の場合、スライドは、クランクシャフト式やエキセントリックシャフト式等の駆動機構により駆動される。
【0003】
このようなプレス機械において、スライドは、コンロッド(駆動機構の運動を伝達する部材)を有する複数の連接具によって駆動機構に連接される。この連接具は、スライドとの連結部分に、特許文献1に開示されるようなダイハイト調整機構をそれぞれ含んでいる。特許文献1に示されるように各ダイハイト調整機構は、コンロッドの端部に接続された連結ネジ部材と、この連結ネジ部材をねじ込んで連結する連結ネジ穴部材と、を含んで構成される。その連結ネジ穴部材の雌ネジ部を、ウォームギヤ及びモータによって回転制御することにより、連結ネジ部材の上下位置が変わり、ダイハイトが調整される。
【0004】
また、特許文献1に開示されるように、各連接具は、それぞれ油圧シリンダを介してスライドに連結される。この油圧シリンダは、スライドにかかる過大荷重を逃がすために設けられている。すなわち、油圧シリンダは、連接具とスライドとの間に介在する圧力室に作動油を含み、該圧力室がエアシリンダと連通している。そして、スライドに下死点域で過大荷重がかかったときに、圧力室の作動油がエアシリンダの空気圧に抗してエアシリンダ側へ流れることにより、過大な荷重を逃がすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−312299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スライドにかかった過大荷重に応じて上記連接具の油圧シリンダが作動するとき、当該油圧シリンダは、上述のように圧力室からエアシリンダへ作動油を追い出し、圧力室の減容によって荷重を逃がす。この圧力室からエアシリンダへの作動油の流動はエアシリンダの空気圧に逆らって生じるので、空気圧の抵抗がある分、応答速度は遅い(油圧が逃げ難い)。
【0007】
応答速度を大幅に速めることが可能であれば、稼働中のスライドに動的に偏芯荷重がかかったときに、対応する油圧シリンダの圧力室減容でスライドを一時的に傾けることにより偏芯荷重を緩和することも考えられる。応答速度を速めるには、上記特許文献1の機構の場合、エアシリンダの空気圧を予め低く設定するしかないが、エアシリンダの空気圧を低くすると、過大な荷重でなくても油圧シリンダが作動し得る状態になるので、エアシリンダの空気圧を低い設定にするのは難しい。
【0008】
この点に着目すると、上記のような第1流体圧シリンダ(上記油圧シリンダ等)と第2流体圧シリンダ(上記エアシリンダ等)とを利用した偏芯荷重の緩和機構を実現するために、第1流体圧シリンダの圧力室減容にかかる応答速度を速める工夫が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に対して次のプレス機械を提案する。
本提案に係るプレス機械は、ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、前記コラムに固定したクラウン内の駆動機構により前記スライドを上下動させるプレス機械であって、前記スライドと前記駆動機構とを連接する連接具が、第1流体圧シリンダを介して前記スライドと連結され、該第1流体圧シリンダは、前記連接具と前記スライドとの間に介在する圧力室に第1作動流体を含むと共に該圧力室が第2流体圧シリンダと連通している。
その第2流体圧シリンダは、前記第1流体圧シリンダの圧力室と連通した受圧室と、該受圧室の圧力を受けるピストンと、該ピストンの前記受圧室とは反対側を第2作動流体で加圧する加圧室と、該加圧室に前記第2作動流体を送り込む加圧装置と、前記第1流体圧シリンダの圧力室の圧力が所定値以上になるときに、前記加圧室から前記第2作動流体を排出する減圧装置と、を含んで構成される。
【発明の効果】
【0010】
上記提案に係るプレス機械の第2流体圧シリンダは、第1流体圧シリンダの圧力室の圧力が所定値以上になるときに加圧室を減圧する減圧装置を備える。減圧装置が加圧室を減圧することにより、受圧室の圧力で移動するピストンの抵抗になる圧力が小さくなる。したがって、加圧室が減圧されない場合に比べて、受圧室の圧力に対するピストンの応答速度は速くなる。すなわち、第2流体圧シリンダの加圧室の圧力を予め低く設定する必要はなく、当該加圧室圧力が高く設定してあったとしても、減圧装置の存在により、第1流体圧シリンダの圧力室減容にかかる応答速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プレス機械の全体を概略的に示した図。
【図2】第1流体圧シリンダ及び第2流体圧シリンダを含む、スライドと連接具の連結部分に関し、断面を含めて示した図。
【図3】第2流体圧シリンダの実施形態を示した断面図。
【図4】図3の第2流体圧シリンダについて、第1流体圧シリンダが作動したときの状態を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に側方から見て示すように、本実施形態のプレス機械は、ベッド1にコラム2を立設し、該コラム2の上にクラウン3を設置したフレーム構造を有する。ベッド1の上には、下金型を固定するボルスタ4が載置される。コラム2は、ベッド1の上面四隅に4本立設されており、このコラム2の間にスライド5が摺動支持される。すなわち、各コラム2の内側には摺動面となるギブ6が設けられており、スライド5の角部がギブ6に当接して案内され、スライド5が上下に摺動する。クラウン3の内部には、クランクシャフト式、エキセントリックシャフト式などの図示せぬ駆動機構が設けられ、スライド5を上下に往復運動させる。本実施形態のプレス機械は、長尺のワークを成形加工するもので、横に長く(長手方向)、奥行きは短い。
【0013】
スライド5を駆動機構に連接する2つの連接具10,20が、スライド5の長手方向に互いに離れた2箇所に設けられている。なお、連接具が2つの例を示すが、3個以上の連接具を採用し得る。この連接具10,20の詳細について、断面で図2に示す。
【0014】
連接具10,20はそれぞれ、駆動機構の運動、例えばクランクシャフトの回転運動を往復運動にして伝達する部材であるコンロッド(コネクティングロッド)11,21と、ダイハイト調整機構として、コンロッド11,21の端部に接続された連結ネジ部材12,22と、スライド5に固定された連結ネジ穴部材13,23と、を含んで構成される。連結ネジ部材12,22が連結ネジ穴部材13,23にねじ込まれることで両者が連結され、ダイハイトの調整を可能として駆動機構とスライド5とが連接される。
【0015】
連結ネジ部材12,22は、コンロッド11,21を接続する頭部12a,22aと、連結ネジ穴部材13,23にねじ込まれるネジ部12b,22bと、を有する。頭部12a,22aは、コンロッド11,21の端部を軸12c,22cにより軸支し、回動可能にコンロッド11,21と接続される。また、接続したコンロッド11,21の端面との間に油圧室12d,22dが形成される。ネジ部12b,22bは、周設されたフランジ12e,22eを介して頭部12a,22aにボルト止めされ、その胴部周面にねじ切りが施され、雄ねじが形成されている。
【0016】
連結ネジ穴部材13,23は、スライド5にボルト止め等で固定された油圧シリンダ30,40の上に、ボルト止め等で固定してある。連結ネジ穴部材13,23は、円筒形の雌ネジ部13a,23aを、枠部13b,23bによって回転可能に且つ上下方向へ摺動可能に保持して構成される。雌ネジ部13a,23aは、その内周面にねじ切りが施され、連結ネジ部材12,22のネジ部12b,22bがねじ込まれる。この雌ネジ部13a,23aの外周面には、ウォームホイール13c,23cが、雌ネジ部13a,23a側に固定のキー13d,23dとウォームホイール13c,23c側に凹設のキー溝13e,23eとの係合により上下摺動可能にして、周設される。そして、当該ウォームホイール13c,23cを回転させるウォーム13f,23fが枠部13b,23bに軸支されており、それぞれのモータMにより回転制御される。これらモータ及びウォームギヤによる回転制御で、雌ネジ部13a,23aをそれぞれ回転させて連結ネジ部材12,22の上下位置を調整することができる。すなわち、2つの連接具10,20にそれぞれかかる負荷に応じて各モータ及びウォームギヤを作動させると、連結ネジ部材12,22の位置がそれぞれ別個に調節されて、スライド5の高さと平行度が調整される。なお、モータMを個別に設ける他に、モータMは1つとし、該1つのモータMにより回転する共通の駆動軸を介して、両方のウォーム13f,23fを同時に回転制御する構成とすることもできる。
【0017】
上記連接具10,20は、第1流体圧シリンダとしての油圧シリンダ30,40を介してスライド5に連結されている。なお、油圧を例にして説明するが、第1流体圧シリンダとしては、水圧等の他の液圧シリンダを使用することもできる。
油圧シリンダ30,40は、連接具10,20とスライド5との間に介在する圧力室31,41を有し、この圧力室31,41に、第1作動流体としての作動油が充填される。圧力室31,41の油圧に従って上下動するピストン32,42は、連結ネジ穴部材13,23の雌ネジ部13a,23aの下面に当接する。したがって、圧力室31,41が減容すると、ピストン32,42の移動に伴って雌ネジ部13a,23aが移動することができる。つまり、逆に言うと、圧力室31,41の減容に従って、雌ネジ部13a,23aに対し、枠部13b,23b及び油圧シリンダ30,40が上方へ移動することができる。このように、圧力室31,41が連接具10,20とスライド5との間に介在することによって、スライド5に動的に偏芯荷重がかかったときに、圧力室31,41の減容でスライド5の逃げが可能とされ、荷重が緩和される。
【0018】
油圧シリンダ30,40の圧力室31,41には、油路33,43を通して、オイルポンプPoから作動油が送り込まれ、所定の油圧がかけられる。この油圧は、圧力センサSによって測定される。また、圧力室31,41は、油路34,44を通して第2流体圧シリンダとしての空気圧シリンダ100,200と連通する。なお、第2流体圧シリンダとしては空気圧シリンダが最適であるが、他の気体又は液体を作動流体としたシリンダを使用することもできる。
【0019】
空気圧シリンダ100,200は、スライド5内に立設された支柱101,201上に固定され、可撓性のチューブ等により油路34,44につながる。この空気圧シリンダ100,200の内部構造が図3及び図4に示されている。
【0020】
空気圧シリンダ100,200において、シリンダチューブ102,202から突出するケース103,203内に受圧室104,204が形成され、該受圧室104,204が、油圧シリンダ30,40の圧力室31,41に連通する。したがって、受圧室104,204には、圧力室31,41の作動油が流入し、油圧がかかる。この受圧室104,204内に、プランジャ105,206の先端部分が臨んでおり、該プランジャ105,205が受圧室104,204の油圧を受けることになる。プランジャ105,205は、ケース103,203内を通して、シリンダチューブ102,202内のピストン106,206に接続しており、したがってピストン106,206が、受圧室104,204の油圧を受ける。
【0021】
ケース103,203はパッキンケース107,207を介在させてシリンダチューブ102,202に固定され、円柱状のプランジャ105,205に対し、ウェアリング108,208、ピストンシール109,209、スクレーパ110,210、Oリング111,211、PNYパッキン112,212の各シール材が設けられる。これらシール材を通じてシリンダチューブ102,202内へ延びたプランジャ105,205は径が太くなって、ピストン106,206の中心部位を貫通し、ベアリングナット113,213を使用してピストン106,206に固定される。このプランジャ105,205とピストン106,206との当接面には、Oリング114,214が設けられる。
【0022】
プランジャ105,205が中心部位に固定された円盤状のピストン106,206は、シリンダチューブ102,202の周壁に対するシール材としてウェアリング115,215及びPGYパッキン116,216を有する。このピストン106,206でシリンダチューブ102,202内が仕切られることにより受圧室104,204側に形成される空気室117,217は、サイレンサ118,218を通して外気と通じている。したがって、空気室117,217には、ピストン106,206の動作に応じて外気が入出する。また、この空気室117,217に、検知装置として近接スイッチ119,219が設けられており、ピストン106,206の位置が検知される。すなわち、図3に示すように、ピストン106,206が最も受圧室104,204の側に寄った基準位置にあるか否かが検知される。近接スイッチ119,219によりピストン106,206の近接が検知されない状態が継続する場合は、何らかの異常が発生しいていると判断することができる。
【0023】
ピストン106,206でシリンダチューブ102,202内が仕切られることにより受圧室104,204とは反対側に形成される加圧室120,220には、加圧装置であるエアポンプ(エアコンプレッサ)Paから第2作動流体として圧縮空気が送り込まれ、ピストン106,206を受圧室104,204の方へ加圧する。この加圧室120,220の圧力は、受圧室104,204の油圧に勝る圧力で、正常時(偏芯荷重がないとき)のピストン106,206は常に図3の基準位置に付勢される。したがって正常時、受圧室104,204の容積は固定されている。このように、加圧室120,220の圧力は、正常時に想定される受圧室104,204の油圧よりも高い値を単純に設定すればよい。
【0024】
加圧室120,220には、減圧装置として電磁弁Vが接続される。電磁弁Vは、制御装置Cntからの電気信号に従って開閉し、開となったときに加圧室120,220から空気を排出する。制御装置Cntは、圧力センサSにより測定される圧力室31,41の油圧を監視しており、該油圧が所定値(正常値として予め設定された油圧範囲の上限)以上になるときに、電磁弁Vを開ける信号を出す。つまり、電磁弁Vは圧力室31,41の圧力に従って開閉し、開いたときに加圧室120,220から空気を排出する。なお、制御装置Cntにより制御される電磁弁Vを実施形態として示すが、これに限らず、加圧室120,220の圧力が所定値以上に上昇するときに自動開放するリリーフ弁などを使用することも可能である。
【0025】
本実施形態の空気圧シリンダ100,200は、加圧室120,220内に突出可能で且つその突出量Dを調節可能な受圧室容積決定装置であるストッパ121,221をさらに含む。このストッパ121,221の突出量Dにより、電磁弁Vが開いて加圧室120,220が減圧されたときに、受圧室104,204の油圧によって移動するピストン106,206の移動量dが決定される。すなわち、減容する圧力室31,41から受圧室104,204へ流入可能な作動油の量が、突出量Dによって決められる。これにより、圧力室31,41の減容量が決定され、偏芯荷重が発生したときのスライド5の逃げ量(圧力室減容により持ち上がる量)を、ミリ単位又は1ミリ以下の単位で設定することができる。
【0026】
円柱状のストッパ121,221は、シリンダチューブ102,202に設けられたブッシュ122,222内を摺動する。ブッシュ122,222は、外周面にOリング123,223、内周面にOリング124,224が設けられている。ストッパ121,221の頭部に、円筒状の調整ネジ125,225が、座金126,226によって取り付けられる。調整ネジ125,225は、その外周面がねじ切りされており、ブッシュ122,222上に固定された調整ナット127,227に螺合している。調整ナット127,227は、内周面にねじ切りが施されており、調整ネジ125,225が回転すると、当該調整ネジ125,225が上下に移動する。
【0027】
調整ナット127,227にはモータ取付板128,228が固定され、このモータ取付板128,228の上にステッピングモータ129,229が固定される。ステッピングモータ129,229の出力軸130,230はモータ取付板128,228を貫通して調整ナット127,227内へ突出し、該出力軸130,230に、駆動軸131,231が固定されている。駆動軸131,231は、調整ネジ125,225内へ挿入され、該調整ネジ125,225を回転させる。駆動軸131,231の外周面にはキー132,232が固定される一方、調整ネジ125,225の内周面には軸方向へキー溝133,233が凹設され、該キー132,232及びキー溝133,233の係合により、調整ネジ125,225が回転し且つ回転に伴って上下に移動する。
【0028】
ステッピングモータ129,229は、制御装置Cntにより制御されて回転し、ストッパ122,222を突出させる。その突出量Dは、ワーク、金型等の状態に応じて、試し打ち等を通じ設定される。
【0029】
上記の油圧シリンダ30,40及び空気圧シリンダ100,200を備えたスライド5において、加工中に偏芯荷重がかかると、いずれか一方の油圧シリンダ30,40の圧力室31,41で油圧が異常上昇する。該油圧異常が圧力センサSにより検出されると、制御装置Cntは、該当する油圧シリンダ30,40と連通した空気圧シリンダ100,200において、電磁弁Vを開にする。これにより、電磁弁Vを通して空気が抜け、加圧室120,220が減圧される。その結果、受圧室104,204の油圧で移動するピストン106,206の抵抗になる加圧室120,220の圧力が大幅に小さくなる。したがって、受圧室104,204の油圧によってピストン106,206が迅速に移動し、これに伴ってプランジャ105,205が後退するので受圧室104,204の容積が増加する(図4)。受圧室104,204の容積が増加する分、油圧シリンダ30,40の圧力室31,41から作動油が流入するので、圧力室31,41が減容し、スライド5の逃げにより偏芯荷重が緩和される。
【0030】
このように、本実施形態の空気圧シリンダ100,200によれば、偏芯荷重に対する応答速度を上げるために加圧室120,220の圧力を予め低く設定する必要はない。加圧室120,220の圧力が高く設定してあっても、減圧装置である電磁弁Vの存在により、油圧シリンダ30,40の圧力室31,41の減容にかかる応答速度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 ベッド
2 コラム
3 クラウン
4 ボルスタ
5 スライド
6 ギブ
10,20 連接具
11,21 コンロッド
12,22 連結ネジ部材
13,23 連結ネジ穴部材
30,40 油圧シリンダ(第1流体シリンダ)
31,41 圧力室
32,42 ピストン
100,200 空気圧シリンダ(第2流体シリンダ)
102,202 シリンダチューブ
103,203 ケース
104,204 受圧室
105,205 プランジャ
106,206 ピストン
107,207 パッキンケース
113,213 ベアリングナット
117,217 空気室
118,218 サイレンサ
119,219 近接センサ(検知装置)
120,220 加圧室
121,221 ストッパ(受圧室容積決定装置)
122,222 ブッシュ
125,225 調整ネジ
126,226 座金
127,227 調整ナット
128,228 モータ取付板
129,229 ステッピングモータ
130,230 出力軸
131,231 駆動軸
132,232 キー
133,233 キー溝
Pa エアポンプ(加圧装置)
V 電磁弁(減圧装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、前記コラムに固定したクラウン内の駆動機構により前記スライドを上下動させるプレス機械であって、
前記スライドと前記駆動機構とを連接する連接具が、第1流体圧シリンダを介して前記スライドと連結され、該第1流体圧シリンダは、前記連接具と前記スライドとの間に介在する圧力室に第1作動流体を含むと共に該圧力室が第2流体圧シリンダと連通しており、
当該第2流体圧シリンダは、
前記第1流体圧シリンダの圧力室と連通した受圧室と、
該受圧室の圧力を受けるピストンと、
該ピストンの前記受圧室とは反対側を第2作動流体で加圧する加圧室と、
該加圧室に前記第2作動流体を送り込む加圧装置と、
前記第1流体圧シリンダの圧力室の圧力が所定値以上になるときに、前記加圧室から前記第2作動流体を排出する減圧装置と、
を含んで構成される、
プレス機械。
【請求項2】
前記第2流体圧シリンダは、
前記加圧室内に突出可能で且つその突出量を調節可能な受圧室容積決定装置をさらに含み、
前記減圧装置による前記第2作動流体の排出に応じて前記受圧室の圧力により移動する前記ピストンの移動量が、前記受圧室容積決定装置の突出量によって決定される、
請求項1記載のプレス機械。
【請求項3】
前記減圧装置は、
前記第1流体圧シリンダの圧力室の圧力に従って開閉する電磁弁を含んで構成される、
請求項1又は請求項2記載のプレス機械。
【請求項4】
前記第2流体圧シリンダは、
前記ピストンの位置を検知する検知装置をさらに含む、
請求項1〜3のいずれかに記載のプレス機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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