説明

プレート熱交換器および給湯機

【課題】プレート熱交換器のスケール付着の防止効果を、より確実に、信頼性がより高く、効率よく得る。
【解決手段】プレート熱交換器1は、中心面どうしが対向して空間を挟んで積層された3枚以上のプレート2と、その3枚以上のプレート2の側面を密閉する積層側面25とから構成される熱交換器本体を備え、隣り合う2枚のプレート2に挟まれる空間がプレート2ごとに交互に、高温流体が流通する高温流体流路4と、低温流体が流通する低温流体流路9と、に形成される。付勢して振動する振動体20が、熱交換器本体の端にあるプレート2の中心面に平行な熱交換器本体の外面に、かつプレート2の外縁から離れた位置に固着される。そして、振動体による振動の振幅が熱交換器本体の外面で極小である低振動部に接触して、外部から固定して保持する保持部29を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレートが積層され、プレートを挟んで流通する流体間で熱交換するプレート熱交換器に関し、さらにはプレート熱交換器を用いる給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
プレート熱交換器の流路にスケールが付着するのを防止するために、シェルアンドプレート式熱交換器のシェルの胴板に超音波振動子を取付け、熱プレート間の通路に入る直前で流体が超音波を受けるようにした熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、熱交換器のスケール付着防止効果が十分に発揮され、加えてシェルの胴板が共振作用をなすので同効果が一層増大する、と説明されている。
【0003】
また、流路ブロック内に流れる冷媒を直接振動させる振動子ブロックと、振動子ブロックによる冷媒の振動を制御する振動子駆動制御装置とを備える熱交換器が知られている。(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、超音波照射によって生じる定在波・音響流に起因した2次流れのマクロな撹乱作用により、伝熱性能を向上させることができる、と説明されている。
【0004】
その他、高温水を供給するポンプの吐出側に設けられている吐出弁の開閉制御により、高温水を脈動させて高温室に供給し、プレートを振動させるプレート式熱交換器が開示されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、運転を停止することなく、プレートを振動させて高温水側に堆積している異物を除去できる、と説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−83593号公報
【特許文献2】特開2004−132580号公報
【特許文献3】特開2005−221109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の熱交換器は、シェル内に設けられ、積層されたプレートの積層の側面側から、しかも流体を介して超音波振動を付与する構成である。特許文献1の熱交換器では、距離が離れると振動が減衰されるので、プレートの平面方向に振動面から離れた場所では、スケール付着の防止効果が低くなり、プレート全体としても同効果が不確実で限定的となる問題点があった。また振動が付与された流体とプレートを挟んだ別の流体側には振動は直接付与できず、後者の流体側ではスケール付着の防止効果はより低くなるので、スケール付着の防止が必要な流体は実質上前者の流体だけに限定されていた。
【0007】
特許文献2の熱交換器は、流路を流れる流体に、超音波振動子が付属した振動面が直接触れるように構成されている。特許文献2の熱交換器では、伝熱性能向上効果とともに、特許文献1におけるスケール付着の防止効果も得られるものと考える。しかし一方で、特許文献2では、個々の積層単位に流体間の隔壁を兼ねた振動子を設置することが必要である上、それぞれ振動子を付勢する電源が必要なため、積層時には複雑かつ専用の構造となり、そのため高コストとなる問題点がある。また振動子が埋め込まれる構成であり、振動子の厚みの分、スペースが増大する上、熱抵抗も増え、伝熱性能向上効果は限定的となる問題点がある。さらに振動子が少なくとも接している流体の温度程度に加熱されるのは避けられず、振動子の使用寿命が短くなる、使用できる流体の温度が限定される、高温に耐える振動子を選択する必要から高コストになる、などの問題点があった。
【0008】
特許文献3の技術は、プレート式熱交換器全体を機械的に振動し、それによって熱交換器中のプレートを振動させるというものである。そのため、プレート式熱交換器は加振されて空間的に動けるようにした構成とする必要があり、実施例では加振式台座の上にプレート式熱交換器を載せた構成が示されている。特許文献3では、プレート式熱交換器の中の水とプレートが基本的に同一に加振されるので、水に対するプレートの振動には繋がり難く、プレート上などの異物の除去の効果は限定的であるという問題点があった。また少なくとも、加振させるための動力に比してプレートが振動するために費やされる動力が低くなり、プレートを振動させるための動力効率が低い、という問題点があった。また、プレート式熱交換器全体が加振されて空間的に動くので、流体配管との接合部も動き、接合部や流体配管の寿命や信頼性が低下する問題点があった。
【0009】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、プレート熱交換器のスケール付着の防止効果を、より確実に、信頼性がより高く、効率よく得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るプレート熱交換器は、中心面どうしが対向して空間を挟んで積層された3枚以上のプレートと、その3枚以上のプレートの側面を密閉する側部とから構成される熱交換器本体を備え、隣り合う2枚のプレートに挟まれる空間がプレートごとに交互に、高温流体が流通する高温流体流路と、低温流体が流通する低温流体流路と、に形成されたプレート熱交換器であって、熱交換器本体の端にあるプレートの中心面に平行な熱交換器本体の外面に、かつプレートの外縁から離れた位置に固着され、付勢して振動する振動体を備える。そして、振動体による振動の振幅が熱交換器本体の外面で極小である低振動部に接触して、外部から固定して保持する保持部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレート熱交換器において、スケール抑制と除去、汚れ抑制と除去が確実に安定して信頼性高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプレート熱交換器の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係るプレート熱交換器の低振動部を説明するための図である。
【図3】プレート熱交換器の一部の側面断面概念図である。
【図4】プレート熱交換器の高温流体入口側の側面断面概念図である。
【図5】プレート熱交換器の低温流体出口側の側面断面概念図である。
【図6】プレート熱交換器の奇数番のプレートの平面図である。
【図7】プレート熱交換器の偶数番のプレートの平面図である。
【図8】実施の形態1に係るプレート熱交換器の振動子を振動させる動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係るプレート熱交換器の一部の側面断面概念図である。
【図10】実施の形態2に係るプレート熱交換器の弾性体の平面図である。
【図11】実施の形態2に係るプレートと弾性体とを積層した様子を示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るプレート熱交換器の構成図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るプレート熱交換器の側面断面概念図である。
【図14】本発明の実施の形態5に係るプレート熱交換器の側面断面概念図である。
【図15】本発明の実施の形態6に係る給湯機である蓄熱給湯空調機の構成図である。
【図16】本発明の実施の形態7に係る給湯機である蓄熱給湯機の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るプレート熱交換器の斜視図である。本実施の形態1のプレート熱交換器1では、プレート2の中心面どうしが対向して空間を挟んで積層されている。ここで、プレート2の中心面とは、プレート2を最も広く見る方向に平面視したときの、平面視の方向のプレート2の厚さの中心または平均を通る面をいう。後述するようにプレート2は平板ではないが、図1ではプレート2を平面に見立てて、中心面を積層面26で表している。
【0015】
実施の形態1では、積層方向24へ板状のプレート2が7枚積層されている。積層したプレート2の側面(積層側面25)は、ろう付けなどの溶接やカシメなどによりプレート2の外縁27(図2参照)どうしを密着したり、図示しないあて板などを外縁27に密着させて、外部に対して流体が洩れないように水密にしている。積層したプレート2の間は、外縁27以外は流体が流通する空間が形成されており、高温流体が流通する3つの高温流体流路4と低温流体が流通する3つの低温流体流路9とが積層方向24へプレート2ごとに交互に形成されている。プレート2を積層して、側面を密閉した構造が、熱交換器本体である。
【0016】
プレート熱交換器1には、熱交換器本体の積層方向24の端のプレート2に、プレート2の外縁から離れた位置に振動体20が固着されている。振動体20は、振動面がプレート2の中心面にほぼ平行に固着される。振動体20が固着されている方から数えて奇数番のプレート2をプレート2a、振動体20が固着されている方から数えて偶数番のプレート2をプレート2bとする。
【0017】
図3は、プレート熱交換器の一部の側面断面概念図である。図4は、プレート熱交換器の高温流体入口側の側面断面概念図である。図5は、プレート熱交換器の低温流体出口側の側面断面概念図である。図3〜5に示すように、各プレート2の外縁27以外の積層面26は波状の凹凸形状を有しており、積層面26の凹凸形状のパターンが異なる2種類のプレート2a、2bが交互に積層されている。
【0018】
図6は、プレート熱交換器の奇数番のプレートの平面図である。図7は、プレート熱交換器の偶数番のプレートの平面図である。図6または図7は、プレート2aまたはプレート2bを振動体20の反対側から見た平面図である。図6および図7の斜めに平行に描かれた点線は、プレート2の凹凸の山線(または谷線)の方向を示す。図6および図7に示すように、プレート2aとプレート2bでは、凹凸の方向がクロスしている。このようにすると高温流体と低温流体が、積層面26の凹凸形状に沿って積層方向24に対して上下へ流動するとともに、積層面26側から見て低温流体流れ方向9aと高温流体流れ方向4aとが多くの部分でクロスして流動し、熱交換の効率が高くなるようになっている。なお、積層面26の平面方向への流量分配がより均一になるように、或いはより熱交換の効率が高くなるように、複雑な凹凸の形状パターンや平面方向への配置パターンが提案されており、図示したパターンは一例に過ぎないことはいうまでもない。
【0019】
積層方向24へ隣接したプレート2aとプレート2bの積層面26の間で、積層面26の外縁以外の部分は、振動体20による振動の振幅(10μm程度)以上の間隔を開けて非接触に形成されている。このようにすると、熱交換効率の低下を抑制しつつ、積層面26の剛性を低くして、より一層減衰少なく小さいエネルギーで積層面26を振動できる。また振動した時に、プレート2どうしが接触しないので、隣接積層面26間の経時的な衝突による破損や衝突音を抑制できる。
【0020】
プレート2の積層面26の4隅の近傍には、高温流体入口5、高温流体出口7、低温流体入口10および低温流体出口12が開口される。図1に示すように、端部のプレート2(プレート2a)にはそれぞれの開口部に合わせた位置に高温流体流入路6、高温流体流出路8、低温流体流入路11および低温流体流出路13が接続されている。図4、図5に示すように、この開口部の積層方向への構成は、積層方向24へ交互に高温流体流路4あるいは低温流体流路9が流出入するように構成されており、マニホールドの機能を果たしている。
【0021】
図1および図3に示すように、積層方向24の一方端のプレート2(この実施の形態1では2a)の積層面26の(プレート2の中心面に平行な)外面に振動体20を固着している。実施の形態1では、積層面26の対向する2方の外縁27から等距離になる位置に、すなわち積層面26の重心位置に、間に固着部23を挟んで円筒体形状の振動体20の一方端の底部を積層面26に固着している。固着部23は、固まるまでは一定の流動性のある接着剤としてのエポキシ樹脂(耐熱性が望ましい)などで形成された層である。固着部23は、振動体20と積層面26との間に空隙が生じないようにすることと接着とを兼ねたものとなっている。なお、固着部23に空隙があると振動が減衰し易くなる上、振動によって空隙部の境界で発熱することで接着が剥がれやすくなる。
【0022】
振動体20は、振動体20の半分程度の高さの円筒体形状をした金属製の2つの狭持体22と、ほぼ同径の薄い円盤状の圧電素子である振動子21とを備える。圧電素子21と狭持体22との間は、ゴム製のシートなどがさらに挟まれており、絶縁されている。狭持体22および振動子21の軸心にねじ穴が開いており、そのねじ穴にボルトを差し込んで、振動子21を2つの狭持体22で挟んで締め付けた構成である。これは、超音波振動子などで用いられているいわゆるボルト締めランジュバン型といわれる構造である。
【0023】
圧電素子である振動子21の両端に接続した高周波導線31により、電源32から高周波電源30を通して高周波数で通電すると、振動子21が振動し、定在波を形成する振動周波数で振動体20が振動する。この振動はこの実施の形態1では、積層方向への振幅による振動で、振動周波数20kHz(一般にこの周波数以上が超音波振動である)、最大振幅数μm程度としている。なお、振動周波数は、これに限らず、また超音波振動でなくてもよいが、振動周波数が20kHz以下であると、可聴音域となるので、騒音が問題となる可能性がある。実験では、振動周波数が低い方が洗浄の効果は大きくなる結果を得ている。これは、動力が同じであれば振幅が大きくなることによるのが原因と考えられる。これらのことから上記の値程度とするのが好ましい。ただし、振動体20がプレート2に固着されると、振動体20単体での振動周波数と違う周波数になる(振動周波数が単体より高くなる)ので、振動体20単体では20kHz前後の振動周波数としておけばよい。振動体20の保持のされ方や流路を流れる流体の流量や温度でも振動周波数は変化するので、高周波電源30は、振動子21に印加する電源周波数を可変にできるようにしておくと、保持された状態のプレート熱交換器1の振動面26を効率よく振動できる適切な周波数に合わせることができる。
【0024】
図2は、実施の形態1に係るプレート熱交換器の低振動部を説明するための図である。本実施の形態1では、外部から保持された断面L型の金具である保持体29を8ヶ所の角部28に接触させて、プレート熱交換器1の位置を固定して保持している。少なくとも、振動体20による振動の振幅が熱交換器本体の外面で極小である低振動部に接触して、外部から固定して保持することが好ましい。外面で振幅が極小である低振動部は、その周囲より振幅が小さい箇所である。
【0025】
角部28は、振動体20による振動の振幅が極小であって、振幅が無いかまたは低くなる低振動部の1つである。低振動部は他に、図2の中に示す、4本の線上の側面角部28a、8本の線上の外縁27、4ヶ所の積層側面25、積層面26の4隅に接続された高温流体流入路6、高温流体流出路8、低温流体流入路9、高温流体流出路11である。プレート熱交換器1が直方体でない形状であっても上記に相当する場所が低振動部である。積層面26の振動体20が固着された場所が最も振動の振幅が大きいが、上記の低振動部では、構造的な影響などで剛性が高く、ほとんどかまったく振動しない。逆に低振動部以外で固定すると、振動体20の振動そのものが抑制され、振動が阻害されるので、低振動部以外では固定しないようにすることが望ましい。
【0026】
低振動部は、実際に振動子21を振動させて振幅を測定することで簡単に判明するので、測定した結果、振幅をしない上記以外の場所を低振動部(保持体29を接触して保持する場所)としてもよい。また保持体29は、接触してプレート熱交換器1を固定位置で保持できれば、上記以外の形状であってもよい。
【0027】
プレート熱交換器1は、図1の制御器50によって、高周波電源30への通電ON/OFF指令により振動体20を振動する時機および振動体20の振動を停止する時機を制御する。図1では、制御器50から各部への線を省略している。プレート熱交換器1は、高温流体流路4、高温流体流入路7、高温流体流出路8、低温流体流路9、低温流体流入路11、低温流体流出路13などに、図示しない温度センサを備え、制御器50は、各部の温度を計測できるようにしてもよい。プレート熱交換器1は、高温流体流入路7、高温流体流出路8、低温流体流入路11、低温流体流出路13などに、図示しない流量センサを備え、制御器50で各部の流量を計測できるようにしてもよい。また、制御器50は、時間を計測するタイマを備え、高周波電源の通電時間、高温流体または低温流体の流通する時間などの経過時間を計測する。制御器50は、各センサおよび高周波電源30への入出力とタイマを備える、論理回路またはマイクロコンピュータで構成できる。
【0028】
実施の形態1では、下記3つの場合に振動体20を振動するようにしている。1つ目は凍結の可能性があるとき、2つ目は高温流体を所定時間以上流通したとき、3つ目は顕著にスケール生成が進行する温度以上の高温流体が所定時間以上流通したとき、である。このようにするのは、振動によって振動体20やプレート熱交換器1の各部に金属疲労などが蓄積するのを抑制するため、振動体20の振動時間を必要最小限に抑制して、振動体20自体およびプレート熱交換器1の使用寿命を延ばすことが目的である。以下、振動体20による振動の作用について説明する。
【0029】
振動体20に高周波電源30から高周波数で通電すると、振動体20が積層方向24へ振幅する振動が発生する。それに伴い、振動体20が固着されたプレート2aの積層面26が積層方向24へ振幅する振動が発生する。熱交換器本体の振動は、外縁27に近づくにしたがって、その振幅は減少する。この振動によって、このプレート2aの積層面26に面した低温流体流路9側の低温流体中には、積層面26近傍の低温流体中でキャビテーションの泡が生じる。さらにはたとえば積層方向24への音響直進流が生じ、低温流体とキャビテーションの泡ともども低温流体流れ方向9aとは異なる方向への撹拌が生じる。その結果、音響直進流やキャビテーションの泡が崩壊するときの物理的な衝撃により低温流体が面しているプレート2aおよび2bの表面の異物を除去したり微生物を不活化する作用が生じる。
【0030】
なお、キャビテーションの泡は、中は水蒸気であり、短時間で泡は崩壊する。その時の局部的な高エネルギー変化で低温流体が水道水などであれば一時的にたとえば亜硝酸を生成する作用(何が生成されるかは流体中に含まれる物質による)なども報告されている。その点でも微生物不活化に利用できる、あるいは洗浄効果を上げる化学的作用が得られる。
【0031】
上記のような物理的な衝撃は、表面ならず、積層面26そのものへも作用をなす。その結果、上記の低温流体から積層方向24へ隣接したプレート2bの積層面26が振動することとなり、プレート2bの積層面26の積層方向24へ面した高温流体流路4でも上記同様な作用を生じる。このときさらに、熱交換する際に通常生じる低温流体および高温流体の積層方向24への温度境界層の生成が、音響直進流などにより、抑制される作用が生じる。そのため、低温流体と高温流体間で効率よく熱伝達することが可能となる。
【0032】
さらに、順次積層方向24へ隣接したプレートへ振動が伝達され、それに面した流路やプレートにおいて、上記同様な作用、効果を及ぼす。ただし、振動体20から積層方向24へ離れるにしたがって、振動は減衰し、効果が減少することになるので、最後の流体流路で必要な作用と効果が得られるように、振動体20を振動させる強度を高周波電源30に設定しておくことが好ましい。
【0033】
なお、積層方向24の最後、積層面26の外面が空気に面したプレート2a(すなわち図1の最も下のプレート2a)では、プレートと空気の音速が大きく違うことにより、空気に面した部分で振動の一部は熱に代わる。そのため、この実施の形態1よりもう一層積層するプレートを増やしてそこに低温流体流路9を追加で形成することが望ましい。このようにすると、低温流体の方が振動での発熱分を回収しやすいので、多少なりとも放熱の無駄が減り、熱効率を向上できる。
【0034】
図8は、実施の形態1に係るプレート熱交換器の振動子を振動させる動作の一例を示すフローチャートである。制御器50に電源が入った段階から、振動処理を開始する(ステップ51)。振動処理は、周期処理部(ステップ52)によって一定周期でステップ53以下の処理が進行する。周期処理部から高温流通判断部へ処理が進み、高温流体が流通していなければ(ステップ53;NO)、高温流通時間判断部(ステップ57)へ処理が進む。高温流体が流通していれば(ステップ53;YES)、高温流通時間積算部で高温流通積算時間を積算し(ステップ54)、スケール判断部へ処理が進む。高温流体温度がスケール温度以上でなければ(ステップ55;NO)、高温流通時間判断部(ステップ57)へ処理が進む。高温流体温度がスケール温度以上であれば(ステップ55;YES)、スケール積算時間を積算して(ステップ56)、高温流通時間判断部(ステップ57)へ処理が進む。
【0035】
高温流通時間判断部で、高温流通積算時間が予め設定された積算時間を超えれば(ステップ57;YES)、振動開始部(ステップ60)へ処理が進む。高温流通積算時間が積算時間を超えてなければ(ステップ57;NO)、スケール時間判断部(ステップ58)へ処理が進む。スケール時間判断部で、スケール積算時間が予め設定された積算時間を超えれば(ステップ58;YES)、振動開始部(ステップ60)へ処理が進む。スケール積算時間が積算時間を超えていなければ(ステップ58;NO)、凍結判断部(ステップ59)へ処理が進む。
【0036】
凍結判断部で、外気温が予め設定された凍結する可能性のある凍結温度以下であれば(ステップ59;YES)、振動開始部(ステップ60)へ処理が進む。外気温が凍結温度より高ければ(ステップ59;NO)、振動判断部(ステップ61)へ処理が進む。振動開始部(ステップ60)では、振動体20の振動を開始し、その後振動判断部(ステップ61)へ処理が進む。
【0037】
振動判断部で、振動体20が振動していなければ(ステップ61;NO)、周期処理部(ステップ52)に戻って、次周期まで待機する。振動体20が振動していれば(ステップ61;YES)、振動時間積算部(ステップ62)へ処理が進み、振動積算時間を積算する。振動時間判断部63で、振動積算時間が予め設定された連続振動時間に達してなければ(ステップ63;NO)、周期処理部(ステップ52)へ戻り、次周期まで待機する。すなわちその間、振動体20の振動が継続される。
【0038】
振動積算時間が連続振動時間を超えれば(ステップ63;YES)、振動後処理で、振動積算時間をリセットし、振動体20の振動を停止する(ステップ64)。その後、高温流通時間判断部(ステップ65)、スケール時間判断部(ステップ67)を介して、振動体20の振動が、高温流通積算時間が超過したことが要因であった場合は(ステップ65;YES)、高温流通積算時間をリセットして(ステップ66)、周期処理部(ステップ52)へ戻る。
【0039】
高温流通積算時間が超過しておらず(ステップ65;NO)、スケール積算時間が超過したことが振動開始の要因であった場合は(ステップ67;YES)、スケール積算時間をリセットして(ステップ68)、周期処理部(ステップ52)へ戻る。高温流通積算時間とスケール積算時間のどちらでもない場合(ステップ65;NO、ステップ67;NO)、単に周期処理部(ステップ52)へ戻り、次周期まで待機となる。
【0040】
なお、図8では、振動体20の振動開始の要因が、高温流通積算時間が超過したことによる場合、スケール積算時間が超過したことによる場合、外気温が凍結温度以下となったことによる場合も、同一の振動積算時間後に振動体20が停止するものとしている。ただし、外気温が凍結温度以下であれば、次の周期で振動体20が再度振動開始することになる。また、要因によって異なる振動積算時間後に振動体20が停止するようにしてもよい。
【0041】
以上、説明したように、保持部29によって低振動部である8ヶ所の角部28でプレート熱交換器1を保持するので、振動減衰を抑制しつつ確実な保持ができる。積層面26の2方向の外縁27から等距離になる中心位置に振動体20を固着しているので、積層面を減衰少なく振動し易くできる。その結果、配管を接合する部位の経時的な破断や漏水の可能性を抑制して信頼性を高くできる。また無駄少なく効率よく積層面を振動できるので、省エネルギーとなり、スケール抑制と除去、汚れ抑制と除去、伝熱性能向上と持続、がより高い効果で得られる。また、スケールや汚れなどの除去と同様に、流路の壁の表面に形成された初期の錆なども除去できる効果が実験では見られ、錆の抑制と除去の効果も得られる。そしてキャビテーションでの雑菌の成育抑制と除去、振動と熱での凍結の抑制と除去によるプレート2の破損防止、がより高い効果で得られる。また振動が最終的に変換される熱の逃げ道が少ないので振動の結果による熱を効率良く活用でき、よりエネルギー効率が高い。上記のような各効果が得られるプレート熱交換器1が従来の構造を大きく変えずに得られ、省スペースかつ低コストに形成できる。さらに、外面固着の振動体20は外部へ放熱し易く過熱され難いので、寿命が向上し、より高温流体の使用が可能となり、あるいは高温向でない安価な振動体20を採用し易い、という効果が得られる。またプレート熱交換器1は熱交換の機能を確保すると同時に上記各効果が得られ、利便性が高い。
【0042】
保持部29で保持するプレート熱交換器1の部分は角部28には限らず、プレート2の外縁27または積層した側面25、側面角部28a、あるいは高温流体または低温流体の出入りのための配管である高温流体流入路6、高温流体流出路8、低温流体流入路11、低温流体流出路13などでの低振動部であってもよい。さらに、保持部29の一部(保持部29の途中や低振動部との接触部)または全体を、弾性材料または弾性構造で形成すると、確実な保持をしながら振動減衰をより一層抑制できる。
【0043】
本実施の形態1のプレート熱交換器1では、前記振動体20が固着された前記プレート2の積層面26の反対面に前記低温流体流路13を形成するように構成したので、振動体20は、熱伝導で加熱され難くなり、寿命が向上する。
【0044】
本実施の形態1のプレート熱交換器1では、高温流体の流通積算時間が所定値以上になったときに、一定時間、振動体20を振動するようにしたので、振動する時間を限定して振動する時間を抑制し、スケール付着防止に要するエネルギー効率が高い。また、キャビテーションによるプレート2の減肉を抑制でき、プレート2や振動体20の使用寿命を向上できる。必要最小限の時間間隔で振動するので、積層した側面の振動による疲労破壊をより抑制でき、プレート熱交換器1の寿命が向上する。
【0045】
実施の形態1では、振動体20を流通積算時間で振動するようにしたが、さらに高温流体が流通しているときに限定してもよい。このようにすると、高温流体が流通しているので、高温流体側から除去したスケール、汚れ、雑菌を、流通によって外部へ排出でき易く、除去したものでの閉塞を抑制でき、より一層プレート熱交換器1の使用寿命が向上する。このとき、流通を直接検知せずに運転モードとして流通している筈であるという条件で間接検知して振動体20を振動するようにしてもよい。
【0046】
また実施の形態1では、高温流体の温度が、スケールが生成する温度以上であるときに限定して、さらにその積算時間が所定の時間を超えたときに、振動体20を振動するようにしている。このため、より一層振動する時間を抑制できるとともに、スケール生成を効率よく抑制でき、振動に要するエネルギーを削減できる。そして、キャビテーションによるプレート2の減肉を抑制でき、プレート2や振動体20の使用寿命を向上できる。また振動によるプレート2の積層連結部の疲労破壊を抑制でき、プレート熱交換器1の寿命が向上する。
【0047】
また凍結する可能性を外気温で検知して、外気温が所定温度以下の時に振動体20を振動するようにしている。このようにすると、振動により、振動と熱で凍結を抑制でき、少ないエネルギーで凍結による弊害(運転不可時間の発生、流路破断、流路閉塞)を抑制できる。その結果、熱だけを発生するヒーターなどの使用を抑制でき、振動により凍結核を除去するので省エネとなる他、凍結の弊害が減って利便性を向上でき、プレート型熱交換器1の使用寿命を向上できる。なお、凍結の可能性を外気温で検知する方法に限らず、流量低下や流体の温度で検知することも可能である。さらに、雑菌が繁殖する一定の温度以下あるいは所定の温度範囲の時に振動させるようにしてもよい。その場合、振動時間を抑制しつつ、雑菌発生を抑制できる。
【0048】
また逆に、熱交換器内に流通していない積算時間が所定時間以上となった時に振動体20を振動するようにしてもよい。この場合、流通していないことで、流路の壁面表面に形成される錆が成長する前に、除去することが容易な錆の核を除去でき、その結果、錆の生成を抑制することができる効果がある。このときの流通していない積算時間は、連続的に流通停止している際の積算時間(この場合、途中で流通再開した時点で積算時間はリセットされる)であってもよいし、流通したり流通停止したりする際の流通停止の単純な積算時間(この場合、途中で流通再開しても積算時間はリセットされない)であってもよい。他の要因による積算時間による振動と同様に、振動体20の振動時間が一定時間以上となったときに、振動体20の振動は停止され、積算時間もリセットされる。このとき同時に、除去された錆を外部へ排出するために外部のポンプを稼動するようにして流路内に流通が生じるようにすることがより望ましいが、ただ振動するだけであっても錆の生成を抑制する一定の効果は得られる。また振動していても流通が無い場合は、除去された錆などは排出できないので、再付着を抑制するために、流通がある場合に比べて流通停止の積算時間の判定時間を短くする(すなわち頻繁に振動する)ようにし、途中で流通が再開後は、一旦短くした積算時間の判定時間をもとへ戻すようにしてもよい。
【0049】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係るプレート熱交換器の一部の側面断面概念図である。図10は、実施の形態2に係るプレート熱交換器の弾性体の平面図である。図11は、実施の形態2に係るプレートと弾性体とを積層した様子を示す平面図である。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0050】
実施の形態2では、実施の形態1の構成に加えて、積層方向のプレート2間に弾性体16が狭持されており、7枚のプレートの間に6枚の弾性体16が狭持されている。以上の点が違いであり、他の点は実施の形態1と実施の形態2とは同様である。狭持されている弾性体16は、図10、図11に示すようにプレート2の積層面26の外縁27に沿って一周するように形成されている。弾性体16の材質は、シリコンゴムなどの合成ゴムや天然ゴムなどである。
【0051】
図10、図11では、弾性体16の低温流体の入出口のマニホールドの部分(左上と右下)は開口され、低温流体流路9が形成されている。また図11のプレート2aの裏側の弾性体16は、図10を裏返し、左下と右上に高温流体の開口部が来て高温流体流路4が形成できるように狭持される。このようにすると弾性体16は1種類だけでよくなり、部品の種類が減ることで低コストに形成し易くなる。
【0052】
プレート2が積層され、外縁27で水密のために固定されているとき、プレート2が隙間無く積層されていると、構造物としてのプレート熱交換器1の剛性が高くなり、音響インピーダンスも高くなって、低周波数で振動し難くなり、振動伝達方向(積層方向24)への振動の減衰も大きくなる。一方、プレート2間の隙間が広くなり過ぎると、振動し易くなり、振動の減衰も少なくなるが、水密している外縁27近傍が破断し易くなる(低振動部であっても全く振動していないわけではないので)。
【0053】
実施の形態2のように外縁27に沿った弾性体16をプレート2間に狭持しながらプレート2が積層されることで、積層間隔は空いているのでプレート熱交換器1の剛性が必要以上に高くなることがない。そして、積層方向24への振動が減衰され難くなり、また水密のための外縁27などは振動が抑制され、振動の繰り返しが原因による疲労破壊などが生じにくく、破断し難くなり、プレート熱交換器1の寿命が向上する。さらに、仮に破断したとしても弾性体16があることによって熱交換器外部への水漏れが抑制できる。
【0054】
実施の形態3.
図12は、本発明の実施の形態3に係るプレート熱交換器の構成図である。以下、上記各実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
実施の形態3では、実施の形態1ないし2で説明したような2台の熱交換器本体1a、1bを1組としたプレート熱交換器1となっている。熱交換器本体1aと熱交換器本体1bの間に1つの振動体20が挟まれるように配置され、振動体20の積層方向の両端が熱交換器本体1a、1bのそれぞれの積層面26に固着されている。
【0056】
振動体20を振動すると、積層方向の両方向へ振幅が生じ、実施の形態1および2では、その一方端の振幅しか利用していないが、実施の形態3のようにすることで、振動体20の積層方向の両端の振幅を利用できるようになる。その結果、省スペース、省エネかつ低コストでプレート熱交換器1を構成できる。
【0057】
たとえば、次のような使い方ができる。熱交換能力から考えて81枚(低温流路が40層、高温流路が40層)のプレート2が積層されたプレート熱交換器1が必要な場合に、各41枚(低温流路が20層、高温流路が20層)のプレート2が積層された2つの熱交換器本体1a、1bを用いることができる。プレート2の積層数が増えると振動体20の固着面から離れるに従って振動の減衰も大きくなる。そのため、振動体20が固着された積層面26から積層方向24へ一番遠いプレート2で、洗浄やスケール除去などの必要な効果を得ようとすると、振動の減衰を見越して振動体20を付勢する電力を大きめに投入する必要がある。その結果、振動体20が固着された積層面26に近いプレート2では過剰な振動が生じることになり、減肉などが大きくなり寿命が低下する。
【0058】
図12のように2つの積層に分けることによって、両端の振幅を利用できるので、振動のための無駄な電力投入が減る上、積層数が減った結果減衰が少なくなって減衰を見越した無駄な電力投入も減り、過剰な振動も縮小するので振動体20が固着された積層面26に近いプレート2の減肉も減るという効果がある。
【0059】
実施の形態4.
図13は、本発明の実施の形態4に係るプレート熱交換器の側面断面概念図である。以下、実施の形態1および2との相違点を中心に説明する。
【0060】
実施の形態1および2では、低温流体流路9を形成するプレート2aに固着部23を挟んで振動体20を固着していた。実施の形態4では、積層方向24の最外縁の低温流体流路9を構成するプレート2aのさらに外側に、プレート2の中心面に平行な端部プレート3を設け、端部プレート3に固着部23を挟んで振動体20を固着する。その際、端部プレート3と積層方向24に隣接したプレート2aの間である隙間部14の内、振動体20が固着された面に対応する部分には、たとえばシリカゲルなどのゲル状の封止物15を封入する。隙間部14に気体があることによって振動の伝達が阻害されることがないように構成している。隙間部14全体に封止物15を封入してもよい。また封止物15は固着部23と同様に固まるまでは流動性のあるエポキシ樹脂などであってもよい。
【0061】
実施の形態1の構成では、プレート2aを破損すると漏水する恐れがあるので、低温流体流路9を構成するプレート2aに固着された振動体20を着脱交換できないか、着脱交換できるようにするため、プレート2aの厚みを増す必要があった。実施の形態4では、低温流体流路9を形成するプレート2aとは別に端部プレート3を設け、その端部プレート3に固着部23を挟んで振動体20を固着したので、振動体20を着脱する際に端部プレート3の面を破損しても漏水することはなく、振動体20の着脱交換が容易となる。また隙間部14に封止物15を封入したので、振動の減衰を抑制できる上、高温流体または低温流体から振動体20への伝熱が抑制され、振動体20の過熱が抑制され、振動体20を長寿命に使用し易くなる。
【0062】
実施の形態5.
図14は、本発明の実施の形態5に係るプレート熱交換器の側面断面概念図である。以下実施の形態4との相違点を中心に説明する。
【0063】
実施の形態4は、端部プレート3と振動体20とを固着部23による粘着性によって固着していた。実施の形態5では、振動体20をプレート2の中心面に平行な端部プレート3にボルトで固着する。例えば、振動体20の狭持体22の内部にねじ穴18を積層方向24へ貫通して形成し、その位置に合わせて端部プレート3にも貫通部を形成する。そして、隙間部14からねじ穴18に向けてボルト17を通して、端部プレート3と振動体20とをさらに固着部23を挟んで固着する。この場合、振動体20はボルト17の締め付けで端部プレート3と固着されるので、固着部23は振動の減衰や過熱を生じる空気層の生成が抑制さえできればよく、強い粘着性は無くてもよい。また隙間部14にはボルト17と一体または別体のナット部を設けている。ボルト17と別体のナット部とした場合は、ナット部を端部プレート3の表面や裏面に溶接などで固着したものであってもよい。
【0064】
図14では、積層方向24への長さが短いボルト17で示すが、長いボルトを使用してもよい。振動体20の積層方向24の長さより長いボルトとすると、振動体20の固着面とは反対側からボルトを回転操作できるようになるので、振動体20の端部プレート3への着脱操作がより容易となる。
【0065】
また、実施の形態5では積層方向24への低温流体流路9から隙間部14に対して一部開口して、低温流体を隙間部14へ還流させるように構成し、還流させた低温流体を封止物15aとしている。勿論、隙間部14に高温流体流路4から還流させるように構成して、高温流体を封止物15aとしてもよい。実施の形態4のように、隙間部14にゲル状の封止物15を封入することも可能である。
【0066】
以上のように、隙間部14の空間的余裕を使って、端部プレート3を貫通したボルト17で振動体20と端部プレート3とを固定したので、より一層、端部プレート3と振動体20の固着が確実となる。また振動体20の端部プレート3への着脱操作もより容易となる。さらに、低温流体流路9から還流させた低温流体を封止物15aとしたので、封止物15aの確保が容易である。またプレート熱交換器1の製作時に封止物を確保しなくてよいので、プレート熱交換器1の製作がより容易となり、また低コストに製作できる。
【0067】
実施の形態6.
図15は、本発明の実施の形態6に係る給湯機である蓄熱給湯空調機の構成図である。実施の形態6は、実施の形態1ないし5で示すプレート熱交換器1を用いる蓄熱給湯空調機100である。
【0068】
給湯機である蓄熱給湯空調機100は、ヒートポンプ102、第1熱交換器111、第2熱交換器101、蓄熱槽121および空調熱交換器112から構成される。蓄熱給湯空調機100は、給水源124aから供給される水を加熱して蓄熱槽121に貯湯し、外部の給湯先125aへ給湯する。また、空調熱交換器112で、熱交換により室内空気を冷房または暖房する。第2熱交換器101は、実施の形態1ないし5のいずれかに示すプレート熱交換器1である。
【0069】
蓄熱給湯空調機100は、ヒートポンプ102を温熱および冷熱の熱源とする。第1熱交換器111によって、ヒートポンプ循環路104を循環する第1熱媒体103と第2熱媒体110との間で熱交換する。そして、第1循環路114によって熱媒体である第2熱媒体110が熱需要部140へ供給されることで室内を冷暖房する。また、高温流体であり熱媒体である第2熱媒体110が第1熱交換器111から第2熱交換器101へ供給されて、第2熱交換器101と蓄熱槽121との間の第2循環路123によって循環される低温流体である給湯水142との間で熱交換されて、蓄熱槽121へ高温となった給湯水142が蓄熱される。蓄熱槽121へ蓄熱された給湯水142は、外部の給湯先125aへ必要に応じて給湯路125を通って給湯される。これらの機能を満たすために、ポンプ、弁、圧縮機などの稼働部品を操作することで、必要な各部の温度や流量や熱量などを制御するための制御装置150を備えている。
【0070】
ヒートポンプ102(ヒートポンプ機構、装置とも呼ばれる)は、ヒートポンプ循環路104と、圧縮機105と、循環切替弁106と、膨張弁107と、外気熱交換器109と、第1熱交換器111とを備えている。ヒートポンプ循環路104は、炭化水素系や二酸化炭素など、使用温度圧力範囲内で気液2相化可能な第1熱媒体103を圧縮と膨張とをさせながら循環させる。圧縮機105は、第1熱媒体103を気相の状態で圧送して高温高圧化する。循環切替弁106は、圧縮機105の圧送方向、すなわちヒートポンプ循環路104での第1熱媒体103の循環方向を、冷房と暖房とを切り替えるために変更する。膨張弁107は、高圧の液相の第1熱媒体103を気液混合相へ膨張させて低温低圧化する。外気熱交換器109は、ファン108で送風された外気と第1熱媒体103とを熱交換する。第1熱交換器111は、グリセリン等を水に混ぜて低温まで凝固しないようにした不凍液である第2熱媒体110と第1熱媒体103とを熱交換する。
【0071】
ヒートポンプ102は、ヒートポンプ循環路104内の第1熱媒体103の凝縮と気化とを利用して外気と第2熱媒体110との何れか一方から吸熱した熱を他方へ放熱する。ヒートポンプ102は、圧縮機105の圧縮に要する動力に比して効率よく、第1熱媒体103を介して外気と第2熱媒体110との間で熱を移動させる。第1熱交換器111では、第1熱媒体103と第2熱媒体110とは熱交換するだけで混合されない構成である。
【0072】
第2熱媒体110を冷却する際は、膨張弁107から第1熱交換器111へ気液2相化された低温低圧の第1熱媒体103が流れる(流動方向151の逆方向)。一方、第2熱媒体110を加熱する際は、圧縮機105から第1熱交換器111へ高温高圧の気相の第1熱媒体103が流れる(流動方向151)。このように、ヒートポンプ循環路104の第1熱媒体103の循環方向は加熱時と冷却時では反転する。
【0073】
循環切替弁106は4方弁である。4方弁は、4つの接続路A、B、C、Dが接続されており、接続路Aと接続路B、および接続路Cと接続路Dが流通している状態と、接続路Aと接続路C、および接続路Bと接続路Dが流通している状態とを変更することができるようになっている。すなわち、ヒートポンプ102の加熱時には、外気熱交換器109から圧縮機105の入路へ流通し、圧縮機105の出路からヒートポンプ循環路104へ流通する。ヒートポンプ102の冷却時には、ヒートポンプ循環路104から圧縮機105の入路へ流通し、圧縮機105の出路から外気熱交換器109へ流通する。
【0074】
蓄熱給湯空調機100には、第1熱交換器111と熱需要部140としての空調熱交換器112との間で第1ポンプ113によって第2熱媒体110が循環する第1循環路114が形成されている。すなわち第1循環路114は、第1熱交換器111、蓄熱切替弁119、空調熱交換器112、第1ポンプ113、第1熱交換器111の経路である。第1循環路の往路114aは、第1熱交換器111、蓄熱切替弁119、空調熱交換器112の経路である。第1循環路の復路114bは、空調熱交換器112、第1ポンプ113、第1熱交換器111の経路である。なお、空調熱交換器112の用途は、第2熱媒体110を熱源とした熱交換により室内空気を冷房または暖房することである。
【0075】
第2熱交換器101は、第2熱媒体110と給湯水142とを熱交換する。第1熱交換器111から空調熱交換器112へ第2熱媒体110が流れる第1循環路の往路114aの途中から供給路115が分岐され、供給路115の他端は第2熱交換器101へ接続されている。第2熱交換器101には、供給路115で供給された第2熱媒体110が流出する側に排出路117が接続されている。この排出路117の他端は、空調熱交換器112から第1熱交換器111へ第2熱媒体110が流れる第1循環路の復路114bの途中に合流している。第1熱交換器111、第1循環路の往路114aの供給路115に分岐前の部分、供給路115、第2熱交換器101、排出路117、第1循環路の復路114bの排出路117へ合流後の部分、第1熱交換器111の経路は、蓄熱槽121へ給湯水142を蓄熱するためにまたは給湯先125aへ給湯水142を供給するために、給湯水142を加熱する際に第2熱媒体110が流動する経路である。
【0076】
第2熱交換器101と蓄熱槽121との間には、第2ポンプ122によって給湯水142が循環する第2循環路123が形成されている。すなわち第2循環路123は、第2熱交換器101、蓄熱槽121、第2ポンプ122、第2熱交換器101の経路である。第2循環路の往路123aは、第2熱交換器101、蓄熱槽121の経路である。第2循環路の復路123bは、蓄熱槽121、第2ポンプ122、第2熱交換器101の経路である。第2熱交換器101では、第2熱媒体110と給湯水142とは熱交換するだけで混合されない構成である。
【0077】
第2熱交換器101は、上記実施の形態1〜5で示したようなプレート熱交換器1であり、振動体20aが付設されている。
【0078】
蓄熱槽121は、所定量(たとえば200リットル)の給湯水142が常に収容されている。蓄熱槽121には、槽内上部側から給湯水142を流入したり流出したりするように第2循環路の往路123aが接続されている。また蓄熱槽121には、槽内下部側から給湯水142を流入したり流出したりするように第2循環路の復路123bが接続されている。第2循環路の復路123bの途中に給水路124が、また第2循環路の往路123aの途中に給湯路125が接続されている。蓄熱槽121から給湯水142が給湯先125aへ第2循環路の往路123aの一部と給湯路125とを通って給湯されるに応じて、給水源124aから給水路124と第2循環路の復路123bの一部を通って給湯水142が蓄熱槽121へ流入する。
【0079】
なお、給湯水142が蓄熱槽121へ流入する前提は、給水源124aに給水圧力が充分にあることであるが、給水源124aに充分な給水圧力が無い場合は、給水路124の途上に給水用のポンプ(図示しない)を設ける。また、図15では、給湯路125は第2循環路の往路123aの途上から分岐され、給水路124は第2循環路の復路123bの途上に合流しているが、それぞれ蓄熱槽121に直接接続されていてもよい。
【0080】
空調熱交換器112は、冷房あるいは暖房用の室内機に設けられている。空調熱交換器112では、室内空気と、第1循環路114を循環している第2熱媒体110との間で熱が移動し、第2熱媒体110が温熱を循環している場合は室内が暖房され、第2熱媒体110が冷熱を循環している場合は室内が冷房される。室内空気を空調熱交換器112に対して送風するファン(図示していない)を設けることで熱交換効率をより高くできる。空調熱交換器112による冷暖房は、ファンなど設けずに、輻射によるだけのものであってもよい。
【0081】
第1ポンプ113は、第1循環路の復路114bに排出路117が合流する位置と、第1熱交換器111との間に設けられている。第1ポンプ113は、第1循環路の往路114aと第1循環路の復路114bとによって空調熱交換器112での空調運転(暖房運転または冷房運転)する時に、第1熱交換器111と空調熱交換器112との間で第2熱媒体110を循環する。また、第1ポンプ113は、供給路115、第2熱交換器101、排出路117の経路において、蓄熱運転時や給湯運転時など、第2熱交換器101を流通する給湯水142を加熱運転する時に、第1熱交換器111と第2熱交換器101との間で第2熱媒体110を循環させる。なお、第1ポンプ113は、回転数を可変に調節することができ、第1熱交換器111を流通する第2熱媒体110の流量を変更できるようになっている。
【0082】
実施の形態6では、第1循環路の往路114aから供給路115へ分岐する部分に、3方弁である蓄熱切替弁119が設けられている。3方弁は、3つの接続路A、B、Cが接続されており、接続路Aと接続路Bとを流通させるか、接続路Aと接続路Cとを流通させるか、を変更する。また3方弁は一方向の流通が全開となれば、他方向の流通は全閉となるように、2方向の流通量が排他的に変更される。蓄熱切替弁119は、供給路115へ分岐する第2熱媒体110の流通量と、供給路115に分岐されずに第1循環路の往路114aへ流通する第2熱媒体110の流通量とを排他的に変更できるようになっている。
【0083】
図15の制御装置150は、ヒートポンプ102、各種の弁およびポンプに接続し、それらを制御する。また、制御装置150は、プレート熱交換器としての第2熱交換器101の制御器を兼ねる。図15では、制御装置150から各部への配線を省略している。制御装置150は、各センサからの入力、弁およびポンプならびに振動体20aとの入出力とタイマを備える、論理回路またはマイクロコンピュータで構成できる。
【0084】
以下、種々の運転(蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、冷房運転の単独または組み合わせ)状態における、蓄熱切替弁119、第1ポンプ113、第2ポンプ122などの稼働部の切り替え制御または流量制御(あるいは回転数制御)に基づく第2熱媒体110と給湯水142の流れを説明する。蓄熱切替弁119、第1ポンプ113、第2ポンプ122は、運転状態に合わせて連動または非連動で作動するが、制御装置150によってこれらを制御するのは下記のとおりである。なお、運転状態が切り替わった直後や蓄熱量や給湯量などに変動が生じた場合、あるいは稼働部の制御動作などにより流量、温度などは過渡的には変動するが、下記では主に定常状態での動作を記載している。
【0085】
蓄熱給湯空調機100の蓄熱運転時には、蓄熱切替弁119が供給路115側へ全開となる。このとき第1熱交換器111で加熱された第2熱媒体110は全量が、第2熱交換器101へ供給される。第2熱交換器101で給湯水142と熱交換して冷却された第2熱媒体110は、排出路117へ流れ、第1循環路の復路114bに合流して第1熱交換器111へ再び戻される。また、第2熱交換器101の給湯水142側では、第2循環路123により蓄熱槽121との間で給湯水142が第2ポンプ122によって循環している。第2熱交換器101で第2熱媒体110と熱交換して加熱された給湯水142は、蓄熱槽121の上部側へ流入する。蓄熱槽121の下部側から排出された給湯水142は、第2熱交換器101へ再び戻される。この動作の結果、加熱された給湯水142が蓄熱槽121の上部から徐々に蓄熱される。このような蓄熱方法を温度成層蓄熱という。また、効率よく温度成層蓄熱するには、蓄熱槽121の上部側から流入する給湯水142の温度を一定の高温(蓄熱したい温度、たとえば60℃)へ維持することが必要である。
【0086】
第2ポンプ122の回転数を変更して、第2熱交換器101を流通する給湯水142の流量を変更することで、第2熱交換器101での交換熱量に合わせることができ、蓄熱槽121へ流入する給湯水142の温度を一定に制御している。一方、第2熱交換器101の第2熱媒体110側では、第1ポンプ113の回転数を変更して、第2熱交換器101を流通する第2熱媒体110の流量を変更することで、第1熱交換器111での交換熱量に合わせることができ、第2熱交換器101へ流入する第2熱媒体110の温度を、上記蓄熱したい温度よりも若干高い温度(たとえば63℃)へ制御している。
【0087】
蓄熱運転中の給湯運転時は、第2熱交換器101の第2熱媒体110側の流れは、蓄熱運転時と同じである。一方、給湯水142側の流れは、下記2つの場合がある。
【0088】
(1)給湯先125aへ給湯される給湯水142の流量Aが、第2熱媒体110との熱交換で加熱されて第2熱交換器101から流出する給湯水142の流量Bより少ない場合
第2熱交換器101から流出する給湯水142の流量Bの内、流量Aの給湯水142は給湯路125を通って給湯先125aへ給湯され、流量(B−A)の給湯水142が、蓄熱槽121へ流入し、蓄熱槽121へ蓄熱される。一方、蓄熱槽121へ流入する給湯水142と同量(流量B−A)が蓄熱槽121から流出し、給湯先125aへ給湯されている給湯水142の流量と同量(流量A)が、給水路124から第2循環路の復路123bへ合流する。
【0089】
(2)給湯先125aへ給湯される給湯水142の流量Aが、第2熱媒体110との熱交換で加熱されて第2熱交換器101から流出する給湯水142の流量Bより多い場合
第2熱交換器101から流出する給湯水142の流量Bに加え、流量(A−B)の給湯水142が蓄熱槽121から流出し、徐々に蓄熱槽121の蓄熱分が減っていく。一方、蓄熱槽121から流出する給湯水142と同量(流量A−B)が給水路124から第2循環路の復路123bに合流して蓄熱槽121へ流入し、また、給湯水142の流量と同量(流量B)が、給水路124から第2循環路の復路123bへ合流して第2熱交換器101へ供給される。
【0090】
蓄熱給湯空調機100の暖房運転時は、蓄熱切替弁119は供給路115側へ全閉となっていて、ヒートポンプ循環路104を第1熱媒体103が流動方向151の方向へ流れる。また、外気から外気熱交換器109を通して第1熱交換器111へと熱移動し、第2熱媒体110が熱交換によって第1熱交換器111で加熱される運転となる。第1熱交換器111で加熱され高温(たとえば40℃)になった第2熱媒体110は、空調熱交換器112へ供給され、空調熱交換器112で室内の空気を加熱する暖房運転となる。なお、暖房する部屋の室温により第2熱媒体10の暖房運転時の温度を可変に変えるようにしてより低温で運転するようにするとヒートポンプ102の効率が向上する。
【0091】
蓄熱切替弁119が途中の開度で停止できる調節弁でない場合は、蓄熱運転と暖房運転とは同時運転できず、どちらか一方の運転となる。蓄熱切替弁119が、途中の開度で停止できる調節弁である場合、蓄熱運転しながら暖房運転することが可能である。ただし蓄熱運転中に暖房運転時は、ヒートポンプ102は最大能力で運転し、暖房運転をしつつ、余った能力で蓄熱運転することとなり、そのような熱量比になるように蓄熱切替弁119の開度を調節する。また蓄熱運転中は第2熱媒体110の温度が高くなっているので、暖房運転のため熱需要部140へ供給する第2熱媒体110は温度を低下させるため、たとえば、熱需要部140から排出される低温の第2熱媒体110と混合して供給するなどの手段を採る必要がある。
【0092】
蓄熱給湯空調機100の冷房運転時は、蓄熱切替弁119は供給路115側へ全閉となっていて、ヒートポンプ循環路104を第1熱媒体103が流動方向151の逆方向へ流れ、第1熱交換器111から外気熱交換器109を通して外気へと熱移動し、第2熱媒体110が熱交換によって第1熱交換器111で冷却される運転となる。第1熱交換器111で冷却され低温(たとえば10℃)になった第2熱媒体110は、空調熱交換器112へ供給され、空調熱交換器112で室内の空気を冷却する冷房運転となる。冷房する部屋の室温により第2熱媒体110の冷房運転時の温度を可変に変えるようにしてより高温で運転するようにするとヒートポンプ2の効率が向上する。
【0093】
冷房運転中の給湯運転時(暖房運転中の給湯運転時も同じ)は、第1循環路114と第1ポンプ113とによって冷房運転(暖房運転時も同じ)のための第2熱媒体110が第1熱交換器111と熱需要部140の間で循環されている。給湯運転はその経路とは独立して、蓄熱槽121に高温(たとえば60℃)で蓄熱された給湯水142を給湯路125から給湯先125aへ給湯される。このとき、蓄熱槽121から流出する給湯水142の分だけ、給水路124を通って給水源124aから蓄熱槽121へ給湯水142が補充される。
【0094】
蓄熱給湯空調機100は以上のように構成されるので、蓄熱運転時には第2熱交換器101では高温の給湯水142が生成されるため、給湯水142に含まれるスケール源が常に供給されることとなり、第2熱交換器101の給湯水142の流路の特に高温となる出口にはスケールが生成し易くなる。なお第2熱媒体110はスケール源が新規に補給されない構成であるので、スケール生成は大きくなることはなく、継続的なスケール生成もない。
【0095】
この第2熱交換器101が、上記実施の形態1〜5に示した、振動体20aを付設したプレート熱交換器1であり、高温流体が第2熱媒体110であり、低温流体が給湯水142である。第2熱交換器101では、第2熱媒体110が熱源で加熱された熱媒体である。また給湯水142が、外部の給湯先へ給湯する給湯水あるいは蓄熱運転の場合などに貯湯槽である蓄熱槽121と第2熱交換器101との間で循環する貯湯水である。蓄熱運転時に振動体20aを適宜振動することで、低温流体である給湯水142側にスケールが生成され難くなり、また生成されたスケールを剥離することができるようになる。その結果、第2熱交換器101内の目詰まりを防止し、熱交換器としての使用寿命を向上し、熱交換能力を維持できる。また蓄熱運転時、第2熱媒体110と給湯水142とが流通中に振動体20が振動すると、温度境界層が生成され難くなり、第2熱交換器101の熱交換能力が向上し、第2熱媒体110と給湯水142との熱交換の温度差を縮小でき、第2熱媒体110の供給と排出の温度がともに下げられるようになり、ヒートポンプ102における第1熱媒体103の凝縮温度を低減できて、凝縮温度が低い方が効率向上できるので、ヒートポンプ102の効率が向上する。
【0096】
実施の形態7.
図16は、本発明の実施の形態7に係る給湯機である蓄熱給湯機の構成図である。実施の形態7は、実施の形態1ないし5で示すプレート熱交換器1を用いる蓄熱給湯機200である。
【0097】
給湯機である蓄熱給湯機200は、ヒートポンプ202、第1熱交換器211、追焚熱交換器234、蓄熱槽221および浴槽231から構成される。蓄熱給湯空調機200は、給水源224aから供給される水を加熱して蓄熱槽221に貯湯し、外部の給湯先125aまたは浴槽231へ給湯する。また、追焚熱交換器234で、熱交換により浴槽231の浴槽水を加熱する。第1熱交換器211および追焚熱交換器234は、実施の形態1ないし5のいずれかに示すプレート熱交換器1である。
【0098】
蓄熱給湯機200は、ヒートポンプ202を熱源とする。第1熱交換器211は、ヒートポンプ202の第1熱媒体203と給湯水210とを熱交換する。蓄熱槽221は、給湯水210を蓄熱のために収容する。第1循環路214は、第1熱交換器211と蓄熱槽221との間で給湯水210を循環する。第1循環路214には、第1ポンプ213が取り付けられ、第1循環路214において蓄熱槽221をバイパスする蓄熱バイパス路220、第1循環路214の給湯水210を蓄熱槽221経由で循環するか蓄熱バイパス路220経由で循環するかを切り替える蓄熱切替弁219を備える。
【0099】
追焚熱交換器234は、熱需要部240として浴槽231の浴槽水230を再加熱するために、蓄熱槽221の給湯水210と浴槽水230とを熱交換する。蓄熱槽221と追焚熱交換器234との間で給湯水210を循環する第2循環路223には、第2ポンプ222が取り付けられる。浴槽循環路233は、追焚熱交換器234と浴槽231との間で浴槽水230を循環する。浴槽循環路233には、浴槽ポンプ232が取り付けられる。給水路224は、給水源224aから蓄熱槽221などへ給湯水を給水する。蓄熱槽221の給湯水210と給水路224から分岐された給水バイパス路226の水は、一般給湯混合弁241で所定の温度に混合して、給湯路225を経由して給湯先225aへ給湯される。ふろ給湯混合弁242は、蓄熱槽221の給湯水210と給水路224から分岐された給水バイパス路226の水とを所定の温度に混合して浴槽231へ給湯する。制御装置250は、これらのポンプ、弁、圧縮機などの稼働部品を操作し、温度や熱量や水量などを制御する。
【0100】
図16の制御装置250は、ヒートポンプ202、各種の弁およびポンプに接続し、それらを制御する。また、制御装置250は、プレート熱交換器としての第1熱交換器211および追焚熱交換器234の制御器を兼ねる。図16では、制御装置250から各部への配線を省略している。制御装置250は、各センサからの入力、弁およびポンプならびに振動体20b、20cとの入出力とタイマを備える、論理回路またはマイクロコンピュータで構成できる。
【0101】
以下、蓄熱給湯機200についてより詳しく説明する。ヒートポンプ202は、ヒートポンプ循環路204と、その途上に圧縮機205と、膨張弁207と、外気熱交換器209と、第1熱交換器211とを備えている。ヒートポンプ循環路204は、炭化水素系や二酸化炭素など使用温度圧力範囲内で気液2相化可能な第1熱媒体203を、圧縮と膨張とをさせながら流動方向251へ循環させる。圧縮機205は、第1熱媒体203を気相の状態で圧送して高温高圧化する。膨張弁207は、高圧の液相の第1熱媒体203を気液混合相へ膨張させて低温低圧化する。外気熱交換器209は、ファン208で送風された外気と第1熱媒体203とを熱交換する。第1熱交換器211は、給湯水210と第1熱媒体3とを熱交換して給湯水210を加熱する。
【0102】
ヒートポンプ202は、ヒートポンプ循環路204内の第1熱媒体203の凝縮と気化とを利用して外気から吸熱した熱を給湯水210へ放熱する。ヒートポンプ202は、圧縮機205の圧縮に要する動力に比して効率良く、第1熱媒体203を介して外気と給湯水210との間で熱を移動させる。第1熱交換器211では、第1熱媒体203と給湯水210とは熱交換するだけで混合されない構成である。
【0103】
第1熱交換器211は、実施の形態1〜5で示した、振動体20bが取り付けられたプレート熱交換器であり、高温流体が第1熱媒体203、低温流体が給湯水210である。また追焚熱交換器234は、実施の形態1〜5で示した、振動体20cが取り付けられたプレート熱交換器であり、高温流体が給湯水210、低温流体が浴槽水230である。
【0104】
第1熱交換器211と蓄熱槽221との間の第1循環路214は、第1熱交換器211、蓄熱切替弁219、蓄熱槽221、第1ポンプ213、第1熱交換器211の経路である。第1循環路の往路214aは、第1熱交換器211、蓄熱切替弁219、蓄熱槽221の経路である。第1循環路の復路14bは、蓄熱槽221、第1ポンプ213、第1熱交換器211の経路である。なお、蓄熱槽221の用途は、高温にした給湯水210を溜めておき、浴槽水230を追い焚きするための熱源としたり、給湯することである。
【0105】
所定量(たとえば400リットル)の給湯水210が常に収容されている蓄熱槽221には、上部側から給湯水210を流入したり流出したりするように第1循環路の往路214aが接続され、下部側には給湯水210が流入したり流出したりするように第1循環路の復路214bが接続される。第1循環路の復路214bの途中に給水路224が、また第2循環路の往路214aの途中に第2循環路の往路223aが、第1循環路の復路214bの途中に第2循環路の復路223bが接続されている。さらに第2循環路の往路223aの途中から、一般給湯混合弁241を介して給湯水210を給湯先225aへ、あるいはふろ給湯混合弁242を介して給湯水210を浴槽231へ給湯する構成となっている。そのため、蓄熱槽21から給湯水210が給湯先225aへまたは浴槽231へ、第1循環路の往路214aと第2循環路の往路223aとを通って給湯されるに応じて、給水源224aから給水路224と第2循環路の復路214bの一部を通って、給湯水210が蓄熱槽221へ流入する。なお、給湯水210が蓄熱槽221へ流入する前提は、給水源224aに給水圧力が充分あることであるが、給水源224aに充分な給水圧力が無い場合、給水路224の途上に給水用のポンプ(図示しない)を設けておけばよい。
【0106】
第1循環路の往路214aの途中からは、蓄熱槽221をバイパスする蓄熱バイパス路220が分岐され、第1循環路の復路214bに接続されている。分岐部分に設けられた蓄熱切替弁219によって、第1熱交換器211で加熱された給湯水210が充分な高温に達していないときは蓄熱バイパス弁220側へ流すように切替制御がなされ、高温な給湯水210のみを蓄熱槽221上部から流入するようにして、蓄熱槽221内に確実に温度成層蓄熱ができるようにしている。
【0107】
蓄熱槽221と追焚熱交換器234との間の第2循環路223は、蓄熱槽221、追焚熱交換器234、追焚ポンプ222、蓄熱槽221の経路である。第2循環路の往路223aは、蓄熱槽221、追焚熱交換器234の経路である。第2循環路の復路223bは、追焚熱交換器234、追焚ポンプ222、蓄熱槽221の経路である。第2循環路の往路223aの途中からは、一般給湯混合弁241、ふろ給湯混合弁242へそれぞれ給湯水210を供給する経路が設けられている。
【0108】
追焚熱交換器234と浴槽231との間の浴槽循環路233は、追焚熱交換器234、浴槽231、浴槽ポンプ232、追焚熱交換器234の経路である。浴槽循環路の往路233aは、追焚熱交換器234、浴槽231の経路である。浴槽循環路の復路233bは、浴槽231、浴槽ポンプ232、追焚熱交換器234の経路である。浴槽循環路の往路233aの途中には、給湯水210と給水バイパス路226の水とを混合するふろ給湯混合弁242からの経路が接続され、給湯できるようになっている。
【0109】
一般給湯混合弁241、ふろ給湯混合弁242はともに、3方弁かつ途中の任意の開度で停止できる調節弁である。また一般給湯混合弁241、ふろ給湯混合弁242はともに、第2循環路の往路223aの途中から分岐されて供給される給湯水210と、給水バイパス路226の水とを任意の合流比率で合流させて、給湯先225aまたは浴槽231へ給湯する。一般給湯混合弁241、ふろ給湯混合弁242はそれぞれ合流比率を変えることで、任意の温度の給湯水を生成可能である。なお、給湯先225aや浴槽循環路の往路233aに合流する前には、給湯のための図示しない給湯弁が付いており、この給湯弁を開閉することで初めて流れが生じ、図示しない流量センサや流量スイッチで給湯が必要かどうかを検知する。
【0110】
第1ポンプ213は、回転数を可変に調節することができ、第1熱交換器211を流通する給湯水210の流量を変更できるようになっている。流量を変更することで、第1熱交換器211から流出する給湯水210の温度を所望値(蓄熱槽221へ蓄熱する際は、たとえば90℃)に制御する。
【0111】
追焚ポンプ222、浴槽ポンプ232もともに回転数を可変に調節でき、流量を変更できるようになっている。浴槽ポンプ232の回転数を変えて、追焚熱交換器234から流出する浴槽水230の温度が所定値(たとえば45℃)になるように浴槽水の流量を調節する。追焚ポンプ222の回転数を変えて、追い焚きの熱量を所望値に調節し、高速で追い焚きしたい場合は大きな流量を流す様にし、省エネに追い焚きしたい場合は、追焚熱交換器234から流出する給湯水210の温度をなるべく低くなるように調節する。追焚熱交換器234の熱交換能力にもよるが、たとえば、浴槽循環路233bの浴槽水230の温度より+5℃となるようにする。
【0112】
以上のように、第1熱交換器211を上記実施の形態1〜5で示す、振動体20bが取り付けられたプレート熱交換器として、高温流体を第1熱媒体203、低温流体(この構成を採るエコキュート(登録商標)の場合、低温流体といっても90℃程度であり、スケール生成が促進されやすい)を給湯水210としたので、給湯水210を加熱することで生じるスケール生成を抑制あるいはスケールを除去でき、目詰まりを防止し、熱交換器としての使用寿命を向上し、熱交換能力を維持できる。そして、振動により熱交換能力を向上でき、給湯能力を向上できる。また第1熱媒体203と給湯水210との熱交換の温度差を縮小でき、特に第1熱交換器211へ流入する給湯水210の温度を下げられ、第1熱媒体203の凝縮温度が下がり、熱源としてのヒートポンプ202の運転効率が向上する。
【0113】
なお、第1熱交換器211では、第1熱媒体203が、熱源で加熱された熱媒体である。また給湯水210が、給湯先へ給湯する給湯水であり、あるいは蓄熱運転時に貯湯槽である蓄熱槽221と第1熱交換器211との間で循環する貯湯水である。また特にこの構成の場合の運転状態では、第1熱交換器211内で第1熱媒体203は気液2相の状態が存在するので、プレートの重心位置ではなく、確実に液化されている位置に(第1熱媒体203が第1熱交換器211から流出する位置寄りに)振動子20bを取り付けておく必要がある。これは気相部では振動の伝搬が阻害されることによる。
【0114】
追焚熱交換器234を上記実施の形態1〜5で示す、振動体20cが取り付けられたプレート熱交換器として、高温流体を給湯水210、低温流体を浴槽水230としたので、浴槽水230を再加熱する際に、浴槽水230に含まれる汚れの付着を抑制あるいは汚れを除去でき、目詰まりを防止し、熱交換器としての使用寿命を向上し、熱交換能力を維持できる。また特に浴槽水230中に含まれる雑菌の発生を抑制、除去できる効果も同時に得られ、衛生性と清潔性とを高められる。さらに、振動により熱交換能力を向上でき、再加熱能力を向上できる。また給湯水210と浴槽水230との熱交換の温度差を縮小でき、給湯水210の供給と排出の温度がともに下がり、特に給湯水210の追焚熱交換器234からの排出の温度が下がって、第1熱交換器211で熱交換する第1熱媒体203の温度も下げられ、熱源としてのヒートポンプ202の運転効率が向上する。また一旦蓄熱された熱媒体と熱交換する場合は、蓄熱の減少が抑制され、蓄熱の有効活用ができる。なお、追焚熱交換器234では、追焚熱交換器234へ流入出する給湯水210が熱源で加熱された熱媒体である。また浴槽水230が、追焚熱交換器234と貯湯槽である浴槽231との間で循環する貯湯水である。
【符号の説明】
【0115】
1 プレート熱交換器、1a、1b 熱交換器本体、2、2a、2b プレート、3 端部プレート、4 高温流体流路、4a 高温流体流れ方向、5 高温流体入口、6 高温流体流入路、7 高温流体出口、8 高温流体流出路、9 低温流体流路、9a 低温流体流れ方向、10 低温流体入口、11 低温流体流入路、12 低温流体出口、13 低温流体流出路、14 隙間部、15、15a 封止物、16 弾性体、17 ボルト、18 ねじ穴、20、20a、20b、20c 振動体、21 振動子、22 狭持体、23 固着部、24 積層方向、25 積層側面、26 積層面、27 外縁、28 角部、28a 側面角部、29 保持部、30 高周波電源、31 高周波導線、32 電源、50 制御器、100 蓄熱給湯空調機、101 第2熱交換器、102、202 ヒートポンプ、103、203 第1熱媒体、104、204 ヒートポンプ循環路、105、205 圧縮機、106 循環切替弁、107、207 膨張弁、108、208 ファン、109、209 外気熱交換器、110 第2熱媒体、111、211 第1熱交換器、112 空調熱交換器、113、213 第1ポンプ、114、214 第1循環路、114a、214a 第1循環路の往路、114b、214b 第1循環路の復路、115 供給路、119、219 蓄熱切替弁、121、221 蓄熱槽、122 第2ポンプ、123、223 第2循環路、123a、223a 第2循環路の往路、123b、223b 第2循環路の復路、124、224 給水路、124a、224a 給水源、125、225 給湯路、125a、225a 給湯先、140、240 熱需要部、142、210 給湯水、150、250 制御装置、151、251 第1熱媒体の流動方向、200 蓄熱給湯機、220 蓄熱バイパス路、222 追焚ポンプ、226 給水バイパス路、230 浴槽水、231 浴槽、232 浴槽ポンプ、233 浴槽循環路、233a 浴槽循環路の往路、233b 浴槽循環路の復路、234 追焚熱交換器、241 一般給湯混合弁、242 ふろ給湯混合弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心面どうしが対向して空間を挟んで積層された3枚以上のプレートと、該3枚以上のプレートの側面を密閉する側部とから構成される熱交換器本体を備え、隣り合う2枚の前記プレートに挟まれる空間が前記プレートごとに交互に、高温流体が流通する高温流体流路と、低温流体が流通する低温流体流路と、に形成されたプレート熱交換器であって、
前記熱交換器本体の端にある前記プレートの中心面に平行な前記熱交換器本体の外面に、かつ前記プレートの外縁から離れた位置に固着され、付勢して振動する振動体と、
前記振動体による振動の振幅が前記熱交換器本体の外面で極小である低振動部に接触して、外部から固定して保持する保持部と、
を備えるプレート熱交換器。
【請求項2】
前記プレートの外縁以外の部分は、前記振動体による振動の振幅以上の間隔を開けて前記プレートどうしが非接触に配置されている、請求項1に記載のプレート熱交換器。
【請求項3】
前記振動体が固着された外面を構成する前記プレートの反対面に、前記低温流体流路が形成されている、請求項1または2に記載のプレート熱交換器。
【請求項4】
前記振動体は、前記高温流体流路または前記低温流体流路のいずれか一方を形成する前記プレートの更に前記熱交換器本体の端側に隙間部を形成して積層された板状の端部プレートに固着され、
前記隙間部の、少なくとも前記振動体を固着した前記端部プレートの外面の反対面に接する部分には、液体または固体の封止物を備える、請求項1または2に記載のプレート熱交換器。
【請求項5】
前記封止物は、前記高温流体流路から前記隙間部へ還流する前記高温流体、または、前記低温流体流路から前記隙間部へ還流する前記低温流体、のいずれか一方である、請求項4に記載のプレート熱交換器。
【請求項6】
積層された前記プレート間に狭持される、少なくとも前記プレートの外縁を一周するように形成された弾性体をさらに備える、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項7】
前記高温流体または前記低温流体の少なくともいずれか一方の流通に応じて、前記振動体を付勢する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項8】
前記高温流体または前記低温流体の少なくともいずれか一方の温度に応じて、前記振動体を付勢する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項9】
前記高温流体または前記低温流体の少なくともいすれか一方が流通した積算時間または積算流量の少なくともいずれか一方に応じて、前記振動体を付勢する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項10】
前記高温流体または前記低温流体の少なくともいずれか一方の流通が停止した積算時間に応じて、前記振動体を付勢する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項11】
前記高温流体または前記低温流体の少なくともいずれか一方が凍結する可能性があるときに、前記振動体を付勢する、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項12】
前記熱交換器本体を2つ備え、前記振動体の前記プレートの積層方向の両端が、それぞれの前記熱交換器本体の前記プレートの積層方向の外面側に固着されている、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のプレート熱交換器。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のプレート熱交換器を備え、
前記プレート熱交換器は、外部の給水源から給水され外部の給湯先へ給湯する給湯水と、熱源で加熱された熱媒体とを熱交換する給湯機。
【請求項14】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のプレート熱交換器を備え、
前記プレート熱交換器は、再加熱のために貯湯槽との間で循環される貯槽水と、熱源で加熱された熱媒体とを熱交換して、前記貯槽水を加熱する給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−88044(P2013−88044A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229502(P2011−229502)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】