説明

プログラム更新システム、及びプログラム更新方法

【課題】梱包された電子機器装置が記憶しているプログラムを更新する工程を削減する。
【解決手段】プログラム更新システムは、プログラム更新装置と電子機器装置とを具備する。プログラム更新装置は、電子機器装置に対して非接触給電を開始した後に、識別情報を含む応答情報を要求する応答要求情報を送信し、応答要求情報に対する返信として受信した応答情報に基づいて、プログラムを更新する対象としての電子機器装置を選択し、選択した電子機器装置に認証情報を送信した後に、プログラムを送信する。電子機器装置は、非接触給電を受け、応答要求情報に対する返信として応答情報を送信し、応答情報に対する返信として認証情報を受信した場合、プログラム更新装置から受信したプログラムを用いてプログラムを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム更新システム、及びプログラム更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器装置は、箱などに梱包された後に、バグ修正のためのファームウェアの更新や、仕向け地の変更に伴うファームウェアの更新などが行われることがある。出荷直前の梱包された電子機器装置のファームウェアの更新は、手間のかかる作業である。具体的には、作業員が次の工程を順に行うことにより、電子機器装置に記憶されているファームウェアの更新が行われる。
【0003】
(1)電子機器装置が収められた複数の個装箱が入っている集合箱を開梱し、個装箱を取り出す。(2)個装箱を開梱し、個装箱に収められている電子機器装置を取り出す。(3)電子機器装置に電源を供給する電源線を接続する、又は蓄電池(電池パック)を電子機器装置に取り付ける。(4)電子機器装置の電源をオンにする。(5)電子機器装置に予め設けられているファームウェア更新用の端子に、制御線及びデータ線を接続する。(6)接続した制御線及びデータ線を介して、電子機器装置に記憶されているファームウェアを更新する。(7)制御線及びデータ線と、電源線とを電子機器装置から外す。(8)電子機器装置に、ゴミや、埃、汚れなどを取り除く清掃と、傷等が着いていないかの確認とを行う。(9)電子機器装置を個装箱に収める。(10)各個装箱を集合箱に収める。ここで、個装箱とは、例えば、電子機器装置と、当該電子機器装置に取り付ける蓄電池及び取扱説明書などのセットとを収める箱である。また、集合箱とは、複数の個装箱を収める箱である。
上述のように、一旦、個装箱又は集合箱に収められた電子機器装置のファームウェアを更新する必要が生じた場合には、手間と時間とがかかってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−213351号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「高性能・小型化を可能とするワイヤレス給電の解析・設計技術を開発」、[online]、平成22年9月13日、株式会社富士通研究所、平成23年3月18日検索、インターネット<URL:http://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/09/13-1.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、非接触電源から電源の供給を行う技術が検討されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。例えば、この技術を用いることにより、梱包されている電子機器装置に電池パックが取り付けられていない場合でも、電子機器装置に対して電力を供給することが可能となる。しかしながら、梱包されている電子機器装置のファームウェア等のプログラムを更新することについて、未だ十分な検討等がなされていなかった。
【0007】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、その目的は、梱包された電子機器装置が記憶しているプログラムを更新する際の工程を削減することができるプログラム更新システム、及びプログラム更新方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明は、電子機器装置に記憶されているプログラムを書き換えるプログラム更新装置を具備するプログラム更新システムであって、前記プログラム更新装置は、前記電子機器装置に対して非接触給電を行う送電部と、前記送電部が前記電子機器装置に給電を開始した後に、前記電子機器装置を識別する識別情報を含む応答情報を要求する応答要求情報を送信し、前記電子機器装置から前記応答要求情報に対する返信として受信した前記応答情報に基づいて、前記応答情報を送信した前記電子機器装置のうち、プログラムを更新する対象としての電子機器装置を選択し、プログラムの更新の対象であることを示す認証情報を前記選択した電子機器装置に送信した後に、プログラムを送信する制御部とを備え、前記電子機器装置は、前記送電部から非接触給電を受ける受電部と、自装置において実行されるプログラム、及び自装置の識別情報を記憶している記憶部と、前記受電部を介して電力の供給を受け、前記応答要求情報に対する返信として前記応答情報を前記プログラム更新装置に送信し、前記応答情報に対する返信として前記認証情報を前記プログラム更新装置から受信すると、前記プログラム更新装置から受信したプログラムを用いて、前記記憶部に記憶されているプログラムを更新する更新制御部とを備えていることを特徴とするプログラム更新システムである。
【0009】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記更新制御部は、前記プログラム更新装置から受信したプログラムを正しく受信できたか否かを判定し、判定結果を含む受信結果情報を前記プログラム更新装置に送信し、前記制御部は、前記送信したプログラムを正しく受信できなかったことを示す受信結果情報を前記電子機器装置から受信した場合、前記プログラムを再度送信することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記プログラム更新装置は、前記電子機器装置に対応する前記識別情報を予め記憶している更新対象記憶部を更に備え、前記制御部は、前記更新対象記憶部に記憶されている前記識別情報に対応する前記電子機器装置のうち、前記応答情報を用いた返信していない電子機器装置を不良製品として判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記応答情報には、前記電子機器装置が記憶しているプログラムのバージョンを示すバージョン情報が含まれており、前記制御部は、前記バージョン情報に基づいて、前記応答情報を返信した前記電子機器装置を、プログラムを更新する対象にするか否かを判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電子機器装置に記憶されているプログラムを書き換えるプログラム更新装置を具備するプログラム更新システムにおけるプログラム更新方法であって、前記プログラム更新装置が、前記電子機器装置に対して非接触給電を行うステップと、前記電子機器装置が、前記プログラム更新装置から非接触給電を受けるステップと、前記プログラム更新装置が、前記電子機器装置を識別する識別情報を含む応答情報を要求する応答要求情報を送信するステップと、前記電子機器装置が、前記プログラム更新装置から電力の供給を受け、前記応答要求情報に対する返信として前記応答情報を前記プログラム更新装置に送信するステップと、前記プログラム更新装置が、前記電子機器装置から前記応答要求情報に対する返信として受信した前記応答情報に基づいて、前記応答情報を送信した前記電子機器装置のうち、プログラムを更新する対象としての電子機器装置を選択し、プログラムの更新の対象であることを示す認証情報を前記選択した電子機器装置に送信した後に、プログラムを送信するステップと、前記電子機器装置が、前記応答情報に対する返信として前記認証情報を前記プログラム更新装置から受信すると、前記プログラム更新装置から受信したプログラムを用いて、自装置に記憶されているプログラムを更新するステップとを有することを特徴とするプログラム更新方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、非接触給電を行うとともに、無線通信によりプログラムを伝送するので、集合箱及び個装箱を開梱することなく、個装箱に収められている電子機器装置のプログラムを更新できる。これにより、集合箱及び個装箱を開梱して電子機器装置の梱包を開き、プログラムを更新した後に電子機器装置を個装箱及び集合箱に梱包する工程を省くことができ、梱包された電子機器装置のプログラムを更新する工程を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】プログラム更新システム1の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】プログラム更新装置11の動作を示す第1のフローチャートである。
【図3】プログラム更新装置11の動作を示す第2のフローチャートである。
【図4】電子機器装置12の動作を示すフローチャートである。
【図5】ファームウェア更新処理の一例を示す第1のシーケンス図である。
【図6】ファームウェア更新処理の一例を示す第2のシーケンス図である。
【図7】ファームウェア更新処理の一例を示す第3のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるプログラム更新システム、及びプログラム更新方法を説明する。
図1は、本実施形態におけるプログラム更新システム1の構成を示す概略ブロック図である。プログラム更新システム1は、プログラム更新装置11と、少なくとも1つの電子機器装置12とを具備している。図1では、プログラム更新システム1は、N(Nは自然数)個の電子機器装置12−1、12−2、…、12−Nを具備している場合を示している。以下、電子機器装置12−1〜12−Nのいずれか一つ、あるいはすべてを代表して示す場合、電子機器装置12という。
【0014】
図1に示すように、プログラム更新装置11は、バージョン情報記憶部111と、更新プログラム記憶部112と、入力部113と、制御部114と、送電部115と、通信部116とを備えている。
バージョン情報記憶部111は、各電子機器装置12を一意に識別する製造番号を示す製造番号情報と、当該製造番号情報を用いて識別される電子機器装置12に記憶されているファームウェア(プログラム)のバージョンを示すバージョン情報とを対応付けて記憶する。
更新プログラム記憶部112には、電子機器装置12に送信するファームウェアが複数に分割されて、予め記憶されている。以下、本実施形態では、電子機器装置12に送信するファームウェアが5つのプログラムに分割されている場合について説明する。ファームウェアを分割する数は、プログラム更新装置11と電子機器装置12との間の無線通信において用いられる通信方式に応じて定められる。例えば、パケット通信が行われる場合、ペイロード長に応じて、パケット数が最も少なくなるようにファームウェアを分割する。
【0015】
入力部113には、作業員の操作に応じて、電子機器装置12を示す製造番号情報と、バージョン情報とが対応付けて入力される。ここで、入力されるバージョン情報は、各電子機器装置12に記憶されているファームウェアのバージョンを示す情報である。
制御部114は、作業員の操作に応じて入力部113に製造番号情報及びバージョン情報が入力されると、入力された製造番号情報及びバージョン情報をバージョン情報記憶部111に記憶させる。また、制御部114は、バージョン情報記憶部111に記憶させた製造番号情報及びバージョン情報に基づいて、各電子機器装置12に記憶されているファームウェアを更新する制御を行う。
【0016】
送電部115は、外部より供給される交流電流が通電されるコイルを有している。また、送電部115は、制御部114の制御に応じて、コイルに交流電流を通電するか否かを切り替える。送電部115がコイルに通電すると、当該コイルに交流磁界が発生し、各電子機器装置12が有するコイルに誘導電流を発生させることにより、各電子機器装置12に電力を供給する非接触給電を行う。
通信部116は、予め定められた無線通信方式を用いて、各電子機器装置12と通信を行う。通信部116が用いる無線通信方式として、例えば、IEEE802.11シリーズで規定されている無線LANや、Bluetooth(登録商標)などを適用してもよい。
【0017】
電子機器装置12−1〜12−Nは、それぞれが同じ構成を有しており、受電部121と、更新制御部122と、機器通信部123と、機器制御部124と、記憶部125と、電圧制御部126と、蓄電池127とを備えている。
受電部121は、コイルを有しており、当該コイルとプログラム更新装置11のコイルと電磁誘導によりプログラム更新装置11から電力の供給を受け、供給された電力を更新制御部122に出力する。
更新制御部122は、受電部121又は電圧制御部126から電力の供給を受け、記憶部125に記憶されているファームウェアを更新する制御を行う。
【0018】
機器通信部123は、電圧制御部126から電力の供給を受け、更新制御部122又は機器制御部124の制御に応じて、プログラム更新装置11の通信部116が用いる無線通信方式と同じ無線通信方式を用いて、プログラム更新装置11と通信を行う。
機器制御部124は、更新制御部122の制御に応じて、記憶部125に記憶されているファームウェアを更新する。機器制御部124は、例えば、マイクロプロセッサなどの集積回路を用いて構成される。
記憶部125は、ファームウェア、当該ファームウェアのバージョン情報、自装置に割り当てられた製造番号を示す製造番号情報を記憶しているプログラム記憶領域と、ファームウェアの更新をする際に用いられる作業領域とを有している。記憶部125は、例えば、不揮発性メモリなどの記憶装置を用いて構成される。
【0019】
電圧制御部126には、更新制御部122を介して受電部121から電力が入力され、また、蓄電池127から電力が入力される。また、電圧制御部126は、更新制御部122の制御に応じて、入力された電力の電圧を予め定められた電圧に保って電子機器装置12内の各部に電力を供給する。
蓄電池127は、電子機器装置12に対して脱着可能であり、電圧制御部126を介して電子機器装置12内の各部に電力を供給する。
【0020】
図2及び図3は、本実施形態のプログラム更新装置11におけるファームウェア更新処理の動作を示すフローチャートである。
プログラム更新装置11において、作業員の操作に応じて、電子機器装置12のファームウェア更新処理の開始を示す情報が入力部113に入力されると、制御部114は、送電部115に対して、電子機器装置12への給電を開始させる制御を行い(ステップS101)、応答要求情報を各電子機器装置12に送信する(ステップS103)。ここで、応答要求情報は、各電子機器装置12に対して応答情報の返信を要求する情報である。また、応答情報は、製造番号情報と、バージョン情報とを含む情報である。
【0021】
制御部114は、通信部116を介して、各電子機器装置12から応答情報を受信すると(ステップS105)、受信した応答情報ごとに、当該応答情報に含まれる製造番号情報がバージョン情報記憶部111に記憶されているか否かの判定、及び、当該応答情報に含まれるバージョン情報と、当該製造番号情報に対応するバージョン情報とを比較し、応答情報を返信した電子機器装置12がファームウェアの書換え対象(更新対象)であるか否かを判定する(ステップS107)。
【0022】
受信した応答情報に含まれる製造番号情報がバージョン情報記憶部111に記憶されており、かつ当該応答情報に含まれるバージョン情報が、バージョン情報記憶部111に記憶されている当該製造番号情報に対応するバージョン情報より古いバージョンを示している場合(ステップS107:Yes)、制御部114は、応答情報を返信した電子機器装置12をファームウェアの書換え対象であると判定し、当該電子機器装置12に対して認証情報を送信する(ステップS109)。
一方、受信した応答情報に含まれる製造番号情報がバージョン情報記憶部111に記憶されていない、又は当該応答情報に含まれるバージョン情報がバージョン情報記憶部111に記憶されている当該製造番号情報に対応するバージョン情報と同じバージョン又は新しいバージョンを示している場合(ステップS107:No)、制御部114は、応答情報を返信した電子機器装置12をファームウェアの書換え対象でないと判定し、当該電子機器装置12に対して否認証情報を送信する(ステップS111)。
ここで、認証情報はファームウェアの書換え対象であることを示す情報であり、否認証情報はファームウェアの買い替え対象でないことを示す情報である。また、認証情報及び否認証情報は、送信先を示す情報としての製造番号情報を含み、各電子機器装置12が誤って他の電子機器装置12に対する認証情報及び否認証情報を受信しないようになっている。
【0023】
制御部114は、所定の時間が経過した後に、バージョン情報記憶部111に製造番号情報が記憶されている電子機器装置12のうち、応答情報を返信していない電子機器装置12があるか否かを判定する(ステップS113)。
応答情報を返信していない電子機器装置12がある場合(ステップS113:Yes)応答していない電子機器装置12に対して応答要求情報を再度送信し(ステップS115)、処理をステップS105に戻す。
一方、応答情報を返信していない電子機器装置12がない場合(ステップS113:No)、複数に分割したファームウェア(プログラム)の送信を開始することを示す送信開始情報を各電子機器装置12に対して送信する(ステップS117)。送信開始情報には、プログラム更新装置11が各電子機器装置12に対して送信するファームウェアの個数、及び送信するファームウェアの識別子が含まれている。
【0024】
制御部114は、更新プログラム記憶部112に記憶され、複数に分割された新しいファームウェア(プログラム)を順に各電子機器装置12に送信し(ステップS119)、すべてのファームウェアの送信が終了すると、送信が終了したことを示す送信終了情報を各電子機器装置12に送信する(ステップS121)。
制御部114は、通信部116を介して、送信終了情報に対する応答としての受信結果情報を各電子機器装置12から受信し(ステップS123)、所定の時間が経過した後に、ファームウェアを書き換える対象の電子機器装置12すべてから受信結果情報を受信したか否かを判定する(ステップS125)。ここで、受信結果情報は、送信されたファームウェアそれぞれを正しく受信したか否かを示す情報を含んでいる。
【0025】
受信結果情報を返信していない電子機器装置12がある場合(ステップS125:Yes)、制御部114は、通信部116を介して、受信結果情報の返信を要求する情報を当該電子機器装置12に送信し(ステップS127)、処理をステップS123に戻す。
一方、電子機器装置12すべてが受信結果情報を返信している場合(ステップS125:No)、制御部114は、受信した受信結果情報に基づいて、ファームウェアを正しく受信できなかった電子機器装置12があるかを検出し、ファームウェアを再送する必要があるか否かを判定する(ステップS129)。
【0026】
電子機器装置12すべてがファームウェアを正しく受信して、ファームウェアを再送する必要がない場合(ステップS129:No)、制御部114は、通信部116を介して、ファームウェアの更新する処理が終了したことを示す更新終了情報を各電子機器装置12に送信し(ステップS131)、送電部115に対して、各電子機器装置12への電力の供給を停止させる制御を行い、ファームウェア更新処理を終了する(エンド)。
一方、電子機器装置12のいずれかがファームウェアを正しく受信しておらず、ファームウェアを再送する必要がある場合(ステップS129:Yes)、制御部114は、各電子機器装置12に再送開始情報を送信する(ステップS135)。再送開始情報には、プログラム更新装置11が各電子機器装置12に対して再送するファームウェアの個数、及び再送するファームウェアの識別子が含まれている。
制御部114は、受信結果情報による再送要求のあったファームウェアを更新プログラム記憶部112から読み出し、通信部116を介して、読み出したファームウェアを各電子機器装置12に再送する(ステップS137)。
【0027】
制御部114は、再送対象のファームウェアを再送し終えると、再送が終了したことを示す再送終了情報を各電子機器装置12に送信する(ステップS139)。
制御部114は、通信部116を介して、再送終了情報に対する応答としての再送結果情報を、再送対象の電子機器装置12から受信し(ステップS141)、再送対象の電子機器装置12すべてから再送結果情報を受信したか否かを判定する(ステップS143)。ここで、再送結果情報は、受信結果情報と同様に、再送されたファームウェアそれぞれを正しく受信したが否かを示す情報を含んでいる。
再送結果情報を返信していない電子機器装置12がある場合(ステップS143:Yes)、制御部114は、通信部116を介して、再送結果情報の返信を要求する情報を当該電子機器装置12に送信し(ステップS145)、処理をステップS141に戻す。
一方、電子機器装置12すべてが再送結果情報を返信している場合(ステップS143:No)、制御部114は、処理をステップS129に戻して、ステップS129以降の処理を再び行う。
【0028】
図4は、本実施形態の電子機器装置12におけるファームウェア更新処理の動作を示すフローチャートである。
電子機器装置12において、受電部121は、プログラム更新装置11に備えられている送電部115から電力の供給を受けると、受電した電力を更新制御部122に出力する。更新制御部122は、入力された電力を電圧制御部126に出力し、電圧制御部126に対して、機器通信部123に電力を供給させる制御を行う(ステップS201)。これにより、機器通信部123はプログラム更新装置11との無線通信が可能になる。
更新制御部122は、機器通信部123を介して、プログラム更新装置11から応答要求情報を受信すると、自装置の製造番号情報、及び記憶部125に記憶されているバージョン情報を読み出す。また、更新制御部122は、読み出した製造番号情報及びバージョン情報を含む応答情報を、機器通信部123を介してプログラム更新装置11に送信する(ステップS205)。
【0029】
更新制御部122は、機器通信部123を介して、応答情報に対する応答としての認証情報又は否認証情報を受信し(ステップS205)、受信した情報が認証情報であるか否かを判定する(ステップS207)。
認証情報を受信せずに、否認証情報を受信した場合(ステップS207:No)、更新制御部122は、電圧制御部126に対して、機器通信部123及び機器制御部124への電力の供給を停止させる制御を行い(ステップS223)、ファームウェア更新処理を終了する(エンド)。
一方、認証情報を受信した場合(ステップS207:Yes)、更新制御部122は、電圧制御部126に対して、機器制御部124への電力の供給を開始させる制御を行う。また、更新制御部122は、受電部121を介して電力の供給を受けていることを示す受電情報と、ファームウェアの更新を開始させることを示すファームウェア更新要求情報とを機器制御部124に出力する(ステップS209)。
【0030】
機器制御部124は、更新制御部122からファームウェア更新要求情報が入力され、かつ機器通信部123を介して送信開始情報を受信した後に、機器通信部123を介して受信する情報をファームウェア(プログラム)として、記憶部125が有する作業領域に順次記憶させる(ステップS211)。
機器制御部124は、機器通信部123を介してプログラム更新装置11から送信終了情報を受信すると、正しくファームウェアを受信したか否かの判定を行う(ステップS213)。このとき、ファームウェアを正しく受信したかの判定は、例えば、送信開始情報に含まれるファームウェアの数と、受信したファームウェアの数との比較や、受信した各ファームウェアに対して公知の誤り検出方式を用いた誤りが検出などにより行う。
【0031】
機器制御部124は、機器通信部123を介して、ステップS213における判定の結果を示す受信結果情報をプログラム更新装置11に送信し(ステップS215)、処理をステップS217に進める。
機器制御部124は、ファームウェアを正しく受信した場合(ステップS217:Yes)、記憶部125の作業領域に記憶されているファームウェアで、記憶部125のプログラム記憶領域に記憶されているファームウェアを上書きして、プログラム記憶領域のファームウェア及びバージョン情報を更新する(ステップS219)。
更新制御部122は、機器通信部123を介して、更新終了情報をプログラム更新装置11から受信すると、機器制御部124に対して、ファームウェアの更新を終了させる制御を行い(ステップS221)、電圧制御部126に対して、機器通信部123及び機器制御部124への電力の供給を停止させる制御を行い、ファームウェア更新処理を終了する(エンド)。
【0032】
一方、ステップS217において、ファームウェアを正しく受信しなかった場合(ステップS217:No)、機器制御部124は、機器通信部123を介して再送開始情報を受信すると、機器通信部123を介して受信する情報をファームウェア(プログラム)として、記憶部125が有する作業領域に順次記憶させる(ステップS225)。
機器制御部124は、機器通信部123を介してプログラム更新装置11から再送終了情報を受信すると、送信されたファームウェアを正しく受信したか否かの判定を行い(ステップS227)、機器通信部123を介して、判定結果を示す送信結果情報をプログラム更新装置11に送信し(ステップS229)、処理をステップS217に戻してステップS217以降の処理を繰り返して行う。
【0033】
続いて、プログラム更新装置11及び電子機器装置12におけるファームウェア更新処理の例を示して、説明する。
図5、図6、及び図7は、本実施形態におけるファームウェア更新処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、プログラム更新システム1は5つの電子機器装置12を有し、各電子機器装置12をUT1〜UT5とし、電子機器装置12(UT1〜UT4)がファームウェア(プログラム)を更新する対象であり、電子機器装置12(UT5)がファームウェアを更新する対象でない場合について説明する。すなわち、プログラム更新装置11において、電子機器装置12(UT1〜UT4)の製造番号情報及びバージョン情報がバージョン情報記憶部111に予め記憶されている場合について説明する。また、バージョン情報記憶部111に記憶されているバージョン情報が示すバージョンは、更新プログラム記憶部112に記憶されているプログラムのバージョン、すなわち各電子機器装置12に記憶させるファームウェアのバージョンより古いものとする。
また、この例では、電子機器装置12(UT1〜UT5)それぞれが収められている5つの個装箱が、集合箱に入れられている状態である。また、各電子機器装置12(UT1〜UT5)を収めている集合箱が、プログラム更新装置11から電力の供給を受けることができる位置に置かれている。
【0034】
プログラム更新装置11において、制御部114が各電子機器装置12に電力を供給させる制御を送電部115に対して行い(ステップS301)、応答要求情報を各電子機器装置12に送信する(ステップS303)。
各電子機器装置12において、機器通信部123が応答要求情報を受信すると、更新制御部122が返信としての応答情報をプログラム更新装置11に送信する(ステップS305〜ステップS313)。なお、電子機器装置12において、応答要求情報を受信してから応答情報を送信するまで期間は、ランダムに決定される。例えば、更新制御部122に乱数発生器とタイマとが設けられ、応答要求情報を受信すると乱数発生器が発生した数値をカウントした後に応答情報を送信するようにしてもよい。
この例では、各電子機器装置12(UT1〜UT5)は、UT2、UT4、UT3、UT5、UT1の順で応答情報を送信する。このとき、プログラム更新装置11は、電子機器装置12(UT3)からの応答情報の受信に失敗している。
【0035】
プログラム更新装置11において、制御部114は、各電子機器装置12(UT1〜UT5)から応答情報を受信すると、応答情報に基づいて当該応答情報を送信した電子機器装置12がファームウェアの更新対象であるか否かの判定をする。
制御部114は、応答情報を返信した電子機器装置12(UT1、UT2、UT4、UT5)のうち、バージョン情報記憶部111に製造番号情報が記憶されている電子機器装置12(UT1、UT2、UT4)を更新対象として判定し、判定結果としての認証情報を電子機器装置12(UT1、UT2、UT4)に送信する(ステップS315、S317、S321)。
また、制御部114は、応答情報を返信した電子機器装置12(UT1、UT2、UT4、UT5)のうち、バージョン情報記憶部111に製造番号情報が記憶されていない電子機器装置12(UT5)を更新対象でないと判定し、判定結果としての否認証情報を電子機器装置12(UT5)に送信する(ステップS319)。
【0036】
また、制御部114は、所定の時間が経過した後に、バージョン情報記憶部111に製造番号情報が記憶されている電子機器装置12(UT1〜UT4)のうち、電子機器装置12(UT3)から応答情報を受信していないことを検出し、応答要求情報を電子機器装置12(UT3)に送信する(ステップS331)。
電子機器装置12(UT3)は、機器通信部123がプログラム更新装置11から応答要求情報を受信すると、更新制御部122が応答情報をプログラム更新装置11に送信する(ステップS333)。
プログラム更新装置11は、通信部116が電子機器装置12(UT3)から応答情報を受信すると、制御部114が当該応答情報に基づいて電子機器装置12(UT3)を更新の対象であると判定して認証情報を送信する(ステップS335)。
【0037】
制御部114は、ファームウェアを更新する対象の電子機器装置12(UT1〜UT4)すべてから応答情報を受信すると送信開始情報を送信し(ステップS341)、その後に、分割されたファームウェア(プログラム1〜5)を順に送信する(ステップS343〜ステップS351)。
制御部114は、分割されたファームウェアすべてを送信し終えると、送信終了情報を各電子機器装置12に送信する(ステップS353)。
【0038】
電子機器装置12(UT2)において、機器制御部124は、受信したプログラム1〜5すべてを正しく受信できたと判定し、正しく受信できたことを示す受信結果情報(OK)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS355)。このとき、機器制御部124は、記憶部125に記憶されているファームウェアを更新する。
電子機器装置12(UT4)において、機器制御部124は、受信したプログラム1〜5のうち、プログラム3及び5を正しく受信できなかったと判定し、プログラム3及び5を正しく受信できなかったことを示す受信結果情報(NG)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS357)。
電子機器装置12(UT3)において、機器制御部124は、受信したプログラム1〜5のうち、プログラム2を正しく受信できなかったと判定し、プログラム2を正しく受信できなかったことを示す受信結果情報(NG)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS359)。このとき、各電子機器装置12は、応答情報を送信した順序と同じ順序で、受信結果情報をプログラム更新装置11に送信する。
【0039】
プログラム更新装置11において、制御部114は、所定の時間が経過した後に、電子機器装置12(UT1)から受信結果情報を受信していないことを検出し、電子機器装置12(UT1)に対して受信結果情報を要求する情報を送信する(ステップS361)。
電子機器装置12(UT1)において、機器制御部124は、受信結果情報を要求する情報をプログラム更新装置11から受信すると、プログラム1〜5すべてを正しく受信できたことを示す受信結果情報(OK)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS363)。このとき、機器制御部124は、記憶部125に記憶されているファームウェアを更新する。
【0040】
プログラム更新装置11において、制御部114は、更新対象の電子機器装置12(UT1〜UT4)すべてから受信結果情報を受信すると、受信した受信結果情報に基づいて、プログラム2〜4を再送する必要があると判定する。この例においては、制御部114は、電子機器装置12(UT3、UT4)からプログラム2〜4を正しく受信できていないことを示す受信結果情報を受信しているので、プログラム2〜4を再送の対象とする。
そして、制御部114は、プログラム2〜4を再送することを示す再送開始情報を送信し(ステップS365)、プログラム2〜4を再送する(ステップS367〜ステップS371)。
制御部114は、プログラム2〜4を再送し終えると、再送終了情報を各電子機器装置12(UT3、UT4)に送信する(ステップS373)。
【0041】
電子機器装置12(UT4)において、機器制御部124は、プログラム3を正しく受信できなかったと判定し、プログラム3を正しく受信できなかったことを示す再送結果情報(NG)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS375)。
電子機器装置12(UT3)において、機器制御部124は、プログラム2を正しく受信できたと判定し、プログラム2を正しく受信できたことを示す再送結果情報(OK)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS377)。このとき、機器制御部124は、記憶部125に記憶されているファームウェアを更新する。また、各電子機器装置12(UT3、UT4)は、応答情報を送信した順序と同じ順序で、受信結果情報をプログラム更新装置11に送信する。
【0042】
プログラム更新装置11において、制御部114は、所定の時間が経過した後に、再送対象の電子機器装置12(UT3、UT4)すべてから再送結果情報を受信したと判定し、受信した再送結果情報に基づいて、プログラム3を再送する必要があると判定する。そして、制御部114は、プログラム3を再送することを示す再送開始情報を送信し(ステップS381)、プログラム3を再送し(ステップS383)、再送終了情報を送信する(ステップS385)。
【0043】
電子機器装置12(UT4)において、機器制御部124は、プログラム3を正しく受信できたと判定し、プログラム3を正しく受信できたことを示す再送結果情報(OK)をプログラム更新装置11に送信する(ステップS387)。このとき、機器制御部124は、記憶部125に記憶されているファームウェアを更新する。
プログラム更新装置11において、制御部114は、更新対象の電子機器装置12(UT1〜UT4)すべてがプログラム1〜5を正しく受信して再送の必要がないと判定し、更新終了情報を各電子機器装置12(UT1〜UT4)に送信し(ステップS389)、電力の供給を停止させる制御を送電部115に対して行い、ファームウェア更新処理を終了する。また、各電子機器装置12において、機器通信部123が更新終了情報を受信すると、更新制御部122が機器通信部123及び機器制御部124への電力の供給を停止させる制御を電圧制御部126に対して行い、ファームウェア更新処理を終了する。
【0044】
上述のように、本実施形態のプログラム更新システム1は、プログラム更新装置11が電子機器装置12に対して非接触給電が行え、かつ無線通信を用いてファームウェア(プログラム)を伝送することができる範囲に位置し、個装箱及び集合箱に収められている電子機器装置12に記憶されているファームウェアを更新することができる。これにより、集合箱及び個装箱を開梱して電子機器装置12の梱包を開き、プログラム更新後に電子機器装置12を個装箱及び集合箱に梱包する工程を省くことができ、梱包された電子機器装置12のプログラムの更新における工程を削減することができる。
また、プログラム更新システム1では、集合箱及び個装箱を開梱する必要がないため、ファームウェアを更新する作業において、集合箱及び個装箱や、電子機器装置12を誤って破損させてしまうことがなくなり、集合箱及び個装箱や、電子機器装置12を破棄するなどの無駄を生じさせることがない。
【0045】
また、プログラム更新システム1は、ファームウェア(プログラム)を更新する対象となる電子機器装置12であるか否かの認証を行い、更新の対象となっている電子機器装置12が記憶しているファームウェアを更新するようにしている。これにより、ファームウェアの更新を意図していない電子機器装置12のファームウェアが誤って更新されてしまうことを防ぐことができる。
また、プログラム更新システム1は、ファームウェア更新処理において、電子機器装置12が正しくファームウェアを受信したか否かの判定を行った上で、ファームウェアの更新を行っている。これにより、無線通信において誤りの生じたファームウェアを用いて更新を行われることを防ぐことができる。
また、プログラム更新装置11からの給電できる範囲を広くし、プログラム更新装置11と各電子機器装置12とが無線通信できる範囲を広くすることにより、複数の集合箱を載せたパレット単位で、多数の電子機器装置12に記憶されているプログラムを更新することができ、更に、プログラムの更新における工程を削減することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、電子機器装置12を識別するために製造番号を用いる構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、製造番号に替えて、予め定められた番号と製造番号とから算出され、電子機器装置12を一意に識別する機体固有番号を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ファームウェアを更新する処理について説明したが、これに限ることなく、アプリケーション・プログラムなど、電子機器装置12に記憶されている情報を更新するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ファームウェアを更新する対象の電子機器装置12の製造番号情報をバージョン情報記憶部111に予め記憶させる構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、制御部114は、応答要求情報に応答して応答情報を送信した電子機器装置12を、応答情報のバージョン情報に基づいて、更新の対象にするか否かを判定するようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、プログラム更新装置11が各電子機器装置12に記憶されているファームウェアのバージョンと、各電子機器装置12に送信するファームウェアのバージョンとを比較して、ファームウェア更新の対象となる電子機器装置12を判定する構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、プログラム更新装置11が送信するファームウェア(プログラム)のバージョンを含む応答要求情報を送信し、各電子機器装置12が自装置に記憶しているファームウェアのバージョンと、応答要求情報のバージョンとを比較し、ファームウェアを更新するか否かを判定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数の電子機器装置12のファームウェアを同時に更新する例を示したが、機種の異なる電子機器装置12のファームウェアを更新する場合、機種ごとに、ファームウェアの更新を順に行うようにしてもよい。この場合、各機種のファームウェアを更新する順番を示す順番情報を予め入力部113を介して入力し、制御部114は、入力された順番情報に基づいて各機種の電子機器装置12のファームウェアを更新するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、プログラム更新装置11が更新の対象の電子機器装置12すべてから応答情報を受信するまで応答情報を要求する構成(図2におけるステップS115)について説明したが、これに限らずともよい。例えば、応答情報を要求する情報を所定の回数送信したのちに、応答情報を返信しない電子機器装置12を不良製品と判定して、不良製品として判定された電子機器装置12の製造番号情報を出力するようにしてもよい。これにより、作業員は、出力された製造番号情報に基づいて、不良製品と判定された電子機器装置12が収められている集合箱及び個装箱を開梱して製品の状態を把握することができる。
【0049】
また、本実施形態では、電子機器装置12が応答情報を送信した順序と同じ順序で受信結果情報及び再送結果情報を送信する構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、プログラム更新装置11は、応答情報、受信結果情報、及び再送結果情報を送信する順序又は送信するタイミングを示す情報を、応答要求情報、送信開始情報、及び再送開始情報とともに各電子機器装置12に送信するようにしてもよい。
また、本実施形態では、電子機器装置12に送信するファームウェアを複数に分割し、分割されたファームウェア(プログラム1〜5)を順に送信する構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、電子機器装置12に送信するファームウェアを分割せずに送信してもよい。
【0050】
また、本実施形態では、プログラム更新装置11は、プログラムを電子機器装置12に送信する前に、送信開始情報又は再送開始情報を送信する構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、分割されたファームウェアのうち最初に送信されるプログラムと、送信開始情報又は再送開始情報とを合わせて送信するようにしてもよし、最初に送信されるプログラムに送信開始情報又は再送開始情報を含めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、プログラム更新装置11は、プログラムを電子機器装置12に送信した後に、送信終了情報又は再送終了情報を送信する構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、分割されたファームウェアのうち最後に送信されるプログラムと、送信終了情報又は再送終了情報とを合わせて送信するようにしてもよいし、最後に送信されるプログラムに送信終了情報又は再送終了情報を含めるようにしてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、電子機器装置12は、プログラム更新装置11から電力の供給を受けると、ファームウェア更新処理を実行する構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、更新制御部122は、図4のステップS201の後に、蓄電池127が自装置に取り付けられているか否かを判定し、蓄電池127が取り付けられていない場合にステップS203に処理を進め、蓄電池127が取り付けられている場合にステップS213に処理を進めるようにしてもよい。一般に、個装箱に収められている電子機器装置12には、蓄電池127が取り付けられていないので、蓄電池127が取り付けられていない電子機器装置12をファームウェア更新処理の対象にすることができる。
【0052】
また、本実施形態において、電子機器装置12は、プログラム更新装置11と無線通信を行う機器通信部123を備える構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、電子機器装置12が携帯電話などのように製品として無線通信を行う機能を備えている場合、当該機能を用いて、プログラム更新装置11と通信するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態に記載の識別情報は、実施の形態に記載の製造番号情報に対応する。また、本発明に記載の更新対象記憶部は、実施の形態に記載のバージョン情報記憶部に対応する。
【0054】
上述のプログラム更新装置、及び電子機器装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述したファームウェア(プログラム)更新処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0055】
1…プログラム更新システム、11…プログラム更新装置、12、12−1、12−2、12−N…電子機器装置、111…バージョン情報記憶部、112…更新プログラム記憶部、113…入力部、114…制御部、115…送電部、116…通信部、121…受電部、122…更新制御部、123…機器通信部、124…機器制御部、125…記憶部、126…電圧制御部、127…蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器装置に記憶されているプログラムを書き換えるプログラム更新装置を具備するプログラム更新システムであって、
前記プログラム更新装置は、
前記電子機器装置に対して非接触給電を行う送電部と、
前記送電部が前記電子機器装置に給電を開始した後に、前記電子機器装置を識別する識別情報を含む応答情報を要求する応答要求情報を送信し、前記電子機器装置から前記応答要求情報に対する返信として受信した前記応答情報に基づいて、前記応答情報を送信した前記電子機器装置のうち、プログラムを更新する対象としての電子機器装置を選択し、プログラムの更新の対象であることを示す認証情報を前記選択した電子機器装置に送信した後に、プログラムを送信する制御部と
を備え、
前記電子機器装置は、
前記送電部から非接触給電を受ける受電部と、
自装置において実行されるプログラム、及び自装置の識別情報を記憶している記憶部と、
前記受電部を介して電力の供給を受け、前記応答要求情報に対する返信として前記応答情報を前記プログラム更新装置に送信し、前記応答情報に対する返信として前記認証情報を前記プログラム更新装置から受信すると、前記プログラム更新装置から受信したプログラムを用いて、前記記憶部に記憶されているプログラムを更新する更新制御部と
を備えている
ことを特徴とするプログラム更新システム。
【請求項2】
前記更新制御部は、
前記プログラム更新装置から受信したプログラムを正しく受信できたか否かを判定し、判定結果を含む受信結果情報を前記プログラム更新装置に送信し、
前記制御部は、
前記送信したプログラムを正しく受信できなかったことを示す受信結果情報を前記電子機器装置から受信した場合、前記プログラムを再度送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム更新システム。
【請求項3】
前記プログラム更新装置は、
前記電子機器装置に対応する前記識別情報を予め記憶している更新対象記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記更新対象記憶部に記憶されている前記識別情報に対応する前記電子機器装置のうち、前記応答情報を用いた返信していない電子機器装置を不良製品として判定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプログラム更新システム。
【請求項4】
前記応答情報には、前記電子機器装置が記憶しているプログラムのバージョンを示すバージョン情報が含まれており、
前記制御部は、前記バージョン情報に基づいて、前記応答情報を返信した前記電子機器装置を、プログラムを更新する対象にするか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプログラム更新システム。
【請求項5】
電子機器装置に記憶されているプログラムを書き換えるプログラム更新装置を具備するプログラム更新システムにおけるプログラム更新方法であって、
前記プログラム更新装置が、前記電子機器装置に対して非接触給電を行うステップと、
前記電子機器装置が、前記プログラム更新装置から非接触給電を受けるステップと、
前記プログラム更新装置が、前記電子機器装置を識別する識別情報を含む応答情報を要求する応答要求情報を送信するステップと、
前記電子機器装置が、前記プログラム更新装置から電力の供給を受け、前記応答要求情報に対する返信として前記応答情報を前記プログラム更新装置に送信するステップと、
前記プログラム更新装置が、前記電子機器装置から前記応答要求情報に対する返信として受信した前記応答情報に基づいて、前記応答情報を送信した前記電子機器装置のうち、プログラムを更新する対象としての電子機器装置を選択し、プログラムの更新の対象であることを示す認証情報を前記選択した電子機器装置に送信した後に、プログラムを送信するステップと、
前記電子機器装置が、前記応答情報に対する返信として前記認証情報を前記プログラム更新装置から受信すると、前記プログラム更新装置から受信したプログラムを用いて、自装置に記憶されているプログラムを更新するステップと
を有することを特徴とするプログラム更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−230474(P2012−230474A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97156(P2011−97156)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】