プロセス制御コントローラ
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロセス制御コントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、プロセス制御の分野においては、アナログ又はディジタルの各種入出力を通じてプロセス現場との通信を行い、制御対象プロセスに対する調節、シーケンス等の制御演算を実行するプロセス制御コントローラが用いられている。このようなデータ収集及びプロセス制御を行うプロセス制御コントローラは、図1010に示すような構成となっている。
【0003】図10において、51は制御コントローラ本体であるメインベースユニット、52はプロセス現場に設置される図示しない入出力機器(センサ、圧力計、流量計、スイッチ、表示器、バルブ又はポンプ等)とのインタフェース処理を行うI/Oモジュールを搭載したI/Oベースユニット、53はメインベースユニット51とI/Oベースユニット52との間を接続する通信ケーブル、54−1,54−2は上記入出力機器との間の情報伝送路となるフィールドケーブル、55−1,55−2はフィールドケーブル54−1,54−2をつなぐためのリモートターミナルパネル、56−1,56−2はI/Oベースユニット52とリモートターミナルパネル55−1,55−2との間を接続するI/Oケーブル、57−1,57−2はI/Oモジュールである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のプロセス制御コントローラでは、I/OモジュールをI/Oベースユニットに搭載すると共に、フィールドケーブルをリモートターミナルパネルに接続し、I/Oベースユニットとリモートターミナルパネルとの間をI/Oケーブルで接続しているため、これらの分だけコストが上昇し、またこれらを収納するための空間がコントローラに必要となり、さらにI/Oケーブルの引き回しや配線に手間がかかるという問題点があった。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、コスト低減、省スペース化及び作業負荷の低減を図ることができるプロセス制御コントローラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のプロセス制御コントローラは、制御用モジュールあるいは外部の入出力機器と通信を行うためのI/Oモジュール(5−1,5−2,5−3)を搭載すると共に、電源ケーブルおよびフィールドケーブル(4−1,4−2,4−3)をつなぐためのフィールドケーブル接続手段(11−1,11−2,11−3)を搭載したターミナルケース(10−1,10−2,10−3)を備えている。そして、モジュールは、ターミナルケースから脱着可能であり、複数のモジュールにわたって配線される通信ケーブルを通すためにモジュールを貫通するように設けられた第1の配線溝(29)と、上記通信ケーブルをつなぐための通信ケーブル接続手段(22−1,22−2,23−1,23−2)と、他のモジュールをターミナルケースから取り外す際に上記他のモジュールの通信ケーブル接続手段から外した通信ケーブルが上記他のモジュールを避けるように、通信ケーブルを一時的に固定するための第2の配線溝(30)とを有する。フィールドケーブル接続手段とモジュールとの間は、プリント配線パターンで接続される。
【0006】
【0007】また、上述のプロセス制御コントローラの1構成例として、上記モジュールは、上記通信ケーブル接続手段を覆う開閉可能なカバー(28)を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態となるプロセス制御コントローラの構成を示すブロック図である。図1において、1は制御コントローラ本体である制御用モジュール(不図示)を搭載したメインベースユニット、2−1,2−2,2−3は複数のモジュールを搭載すると共に、電源ケーブル及びフィールドケーブルをつなぐためのフィールドケーブル接続手段を搭載したマウントベース、3はメインベースユニット1(制御用モジュール)とI/Oモジュールとの間を接続する通信ケーブル、4−1,4−2,4−3はフィールドケーブル、5−1,5−2,5−3はI/Oモジュール、11−1,11−2,11−3はフィールドケーブル接続手段となる端子台である。
【0009】メインベースユニット1に搭載された制御用モジュールは、プロセス現場に設置された入力機器(センサ、圧力計、流量計等)のデータをI/Oモジュール(入力モジュール)5−1,5−2,5−3を介して収集し、このデータを基に制御演算を実行する。そして、制御用モジュールは、プロセス現場に設置された出力機器(スイッチ、表示器、バルブ又はポンプ等)へI/Oモジュール(出力モジュール)5−1,5−2,5−3を介してデータを出力する。こうして、データ収集及びプロセス制御が行われる。
【0010】次に、マウントベース2−1,2−2,2−3の構造についてより詳細に説明する。図2は、マウントベース2−1,2−2(ターミナルケース)及びI/Oモジュール5−1,5−2の回路図、図3は、マウントベース2−1及びI/Oモジュール5−1の外観を示す斜視図である。なお、図2では、I/Oモジュール2個分の回路を示し、図3では、I/Oモジュール1個分のマウントベースを示している。
【0011】図2、図3に示すように、マウントベース2−1,2−2上には、ターミナルケース10−1,10−2が搭載され、ターミナルケース10−1,10−2には、フィールドケーブル4−1,4−2をつなぐための端子台11−1,11−2と、プリント基板12−1,12−2とが設けられている。そして、プリント基板12−1,12−2上には、I/Oモジュール5−1,5−2と電気的接続を得るためのコネクタ13−1,13−2が設けられている。
【0012】端子台11−1,11−2とコネクタ13−1,13−2との間は、プリント基板12−1,12−2上に形成されたプリント配線パターンによって接続されている。また、各端子台11−1,11−2の上端及び下端には、電源端子とGND端子が少なくとも1つずつ設けられている。この電源端子、GND端子は、プリント基板12−1,12−2上に形成されたプリント配線パターンによりコネクタ13−1,13−2の電源ピン、GNDピンとそれぞれ接続されている。
【0013】また、各ターミナルケース10−1,10−2には、図3に示すモジュール挿抜方向と平行な凹部20が複数個形成されている。一方、I/Oモジュール5−1,5−2の背面にはコネクタ13−1,13−2と嵌合するコネクタ21−1,21−2が設けられている。そして、各I/Oモジュール5−1,5−2の筐体上面と下面には、ターミナルケース10−1,10−2の凹部20と嵌合する凸部24が凹部20と同数だけ形成されている(図3では上面の凸部24のみ図示)。
【0014】図4は、マウントベース2−1,2−2(ターミナルケース10−1,10−2)にI/Oモジュール5−1,5−2を装着したときの外観を示す斜視図である。マウントベース2−1,2−2にI/Oモジュール5−1,5−2を装着するには、まずターミナルケース10−1,10−2の複数の凹部20のうち所定位置の凹部に図3(c)のような誤挿入防止キー40を埋め込み固定し、このターミナルケース10−1,10−2に装着するI/Oモジュール5−1,5−2については、誤挿入防止キー40が埋め込まれた凹部20に対応する位置の凸部24を切断して除去する。
【0015】各I/Oモジュール5−1,5−2の形状は製造時点では同一であり、同様に各ターミナルケース10−1,10−2の形状も製造時点では同一である。これに対して、製造後にターミナルケース10−1,10−2の所定位置の凹部20に誤挿入防止キー40を埋め込み、I/Oモジュール5−1,5−2の凸部24を除去することにより、I/Oモジュール5−1,5−2及びターミナルケース10−1,10−2の形状が変化する。
【0016】誤挿入防止キー40を埋め込む上記所定位置はモジュールの種類に応じて変わるので、I/Oモジュール5−1,5−2及びターミナルケース10−1,10−2のかみ合いのパターンは、モジュールの種類に応じて変わることになる。したがって、あるターミナルケースに装着すべきでない別種のモジュールを装着しようとしても、ターミナルケースとモジュールのかみ合いのパターンが一致しないので、モジュールを装着することはできない。こうして、モジュールの誤挿入を防止することができる。
【0017】なお、本実施の形態では、ターミナルケース10−1,10−2に凹部20を形成し、モジュール5−1,5−2に凸部24を形成しているが、ターミナルケース10−1,10−2に凸部を形成し、モジュール5−1,5−2に凹部を形成してもよく、また誤挿入防止キー40を複数本埋め込んでもよい。
【0018】次に、各I/Oモジュール5−1,5−2の筐体側面には、図3(b)に示すように押下部25と、これと一体成形の係止片26とが形成されている。図5(a)はI/Oモジュール5−1の側面を拡大した斜視図であり、図5(b)はターミナルケース10−1にI/Oモジュール5−1を装着したときの側面を拡大した斜視図である。
【0019】押下部25は、係止片26と逆側の端がモジュール5−1の筐体に固定されており、係止片26は、モジュール5−1の筐体から完全に離れており、押下部25によって支持されている。よって、押下部25が押下されると、係止片26は、図5(a)の矢印で示すようにモジュール5−1の内部方向に動く。
【0020】I/Oモジュール5−1,5−2をターミナルケース10−1,10−2に装着する際には、押下部25を押下しながら、I/Oモジュール5−1,5−2をターミナルケース10−1,10−2に押し込む。これにより、上述した凹部20と凸部24がかみ合うと共に、係止片26が、ターミナルケース10−1,10−2に設けられた係止片受溝27とかみ合う(図5(b))。
【0021】こうして、係止片26が係止片受溝27に係止されるので、ターミナルケース10−1,10−2によるI/Oモジュール5−1,5−2の保持を確実にすることができる。なお、I/Oモジュール5−1,5−2を外す場合には、押下部25を押下することで係止片26と係止片受溝27の係止状態が解除されるので、この状態でI/Oモジュール5−1,5−2を引き抜けばよい。
【0022】I/Oモジュール5−1,5−2を図4のようにターミナルケース10−1,10−2に装着した後、フィールドケーブル4−1,4−2は、端子台11−1,11−2の対応する端子にねじ止めされる。また、複数のモジュールのうち1台のモジュールに対しては(図2の例ではI/Oモジュール5−1)、端子台の上端に位置する電源端子、GND端子に外部からの電源ケーブル、GNDケーブルがねじ止めされる。
【0023】ターミナルケース10−1にI/Oモジュール5−1を装着すると、コネクタ13−1と21−1が嵌合するので、フィールドケーブル4−1が端子台11−1、プリント基板12−1のプリント配線パターン、コネクタ13−1,21−1を介してモジュール5−1と接続されると共に、外部から供給された電源電圧(図2の例では24V)が端子台11−1、プリント基板12−1のプリント配線パターン、コネクタ13−1,21−1を介してモジュール5−1に供給される。
【0024】同様に、ターミナルケース10−2にI/Oモジュール5−2を装着すると、コネクタ13−2と21−2が嵌合するので、フィールドケーブル4−2が端子台11−2、プリント基板12−2のプリント配線パターン、コネクタ13−2,21−2を介してモジュール5−2と接続される。一方、I/Oモジュール5−2への電源供給については、図6に示すような電源用ショートピース18、GND用ショートピース19によって行われる。
【0025】つまり、図7のようにターミナルケース10−1,10−2にI/Oモジュール5−1,5−2を装着した場合には、ターミナルケース10−1の端子台11−1の下端に位置する電源端子とターミナルケース10−2の端子台11−2の上端に位置する電源端子とに電源用ショートピン18(18−1)をねじ止めすることで、これらを接続する。さらに、ターミナルケース10−1の端子台11−1の下端に位置するGND端子とターミナルケース10−2の端子台11−2の上端に位置するGND端子とにGND用ショートピン19(19−1)をねじ止めすることで、これらを接続する。
【0026】こうして、電源用ショートピース18−1及びGND用ショートピース19−1を介してI/Oモジュール5−2に電源が供給される。さらに、ターミナルケース10−3にI/Oモジュール5−3を装着した場合には、ターミナルケース10−2の端子台11−2の下端に位置する電源端子とターミナルケース10−3の端子台11−3の上端に位置する電源端子とに電源用ショートピン18(18−2)をねじ止めし、ターミナルケース10−2の端子台11−2の下端に位置するGND端子とターミナルケース10−3の端子台11−3の上端に位置するGND端子とにGND用ショートピン19(19−2)をねじ止めする。
【0027】以上のようにして、複数台のI/Oモジュール5−1,5−2,5−3の電源を連結し、各I/Oモジュール5−1,5−2,5−3に電源を供給することができる。モジュールを4台以上縦続接続する場合も同様にして電源を供給することができる。
【0028】次に、メインベースユニット1とI/Oモジュール5−1,5−2,5−3との接続方法について説明する。図8は、通信ケーブル3をI/Oモジュール5−1に取り付けた様子を示す斜視図である。I/Oモジュール5−1の前面には、開閉可能なトップカバー28が設けられており、このトップカバー28を開くと、I/Oモジュール5−1内に設けられた、通信ケーブル接続手段であるコネクタ22−1,23−1が見えるようになっている。
【0029】メインベースユニット1とI/Oモジュール5−1,5−2,5−3とを接続する通信バスは、2重化構成となっており、例えばコネクタ22−1が現用系の通信バスに対応したコネクタで、コネクタ23−1が待機系の通信バスに対応したコネクタとなっている。
【0030】通信ケーブル3には、各モジュールに対応した位置に現用系の通信バスのコネクタと待機系の通信バスのコネクタがそれぞれ設けられている。そこで、ターミナルケース10−1にI/Oモジュール5−1を装着した後、モジュール5−1のトップカバー28を開き、通信ケーブル3の現用系のコネクタ31−1をモジュール5−1のコネクタ22−1に装着し、通信ケーブル3の待機系のコネクタ32−1をモジュール5−1のコネクタ23−1に装着する。
【0031】これで、メインベースユニット1とI/Oモジュール5−1は、通信ケーブル3を介して通信を行うことができる。同様に、I/Oモジュール5−2は、トップカバー28内に現用系の通信バスに対応したコネクタ22−2、待機系の通信バスに対応したコネクタ23−2を有している。ターミナルケース10−2にモジュール5−2を装着した後、通信ケーブル3の現用系のコネクタ31−2をモジュール5−2のコネクタ22−2に装着し、通信ケーブル3の待機系のコネクタ32−2をモジュール5−2のコネクタ23−2に装着する。
【0032】I/Oモジュール5−3についても全く同様にして通信ケーブル3の配線を行うことができる。なお、通信ケーブル3は、モジュールを縦に貫通するように形成された第1の配線溝29内に収納される(図7、図8)。
【0033】次に、I/Oモジュール5−1,5−2,5−3の外し方について説明する。図9は、I/Oモジュール5−2を外すときの様子を示す斜視図である。I/Oモジュール5−1,5−2,5−3の前面には、通信ケーブル3を一時的に固定するための第2の配線溝30が2つずつ設けられている。
【0034】故障等の理由によりI/Oモジュール5−2をターミナルケース10−2から取り外す場合には、最初にモジュール5−2のトップカバー28を開いて、通信ケーブル3のコネクタ31−2,32−2をモジュール5−2のコネクタ22−2,23−2から外す。
【0035】続いて、コネクタ31−2,32−2を外すことによりI/Oモジュール5−2に対応する部分が宙に浮いた状態となった通信ケーブル3を、I/Oモジュール5−1の下側の配線溝30及びI/Oモジュール5−3の上側の配線溝30に押し込むようにして一時的に固定する。こうして、I/Oモジュール5−2を避けるように通信ケーブル3を一時的に固定することができるので、通信ケーブル3に邪魔されることなくモジュール5−2の挿抜が可能となる。
【0036】なお、本実施の形態では、フィールドケーブル接続手段として、フィールドケーブル4−1,4−2,4−3をねじ止めする端子台11−1,11−2,11−3を用いているが、コネクタを用いてもよいことは言うまでもない。
【0037】また、本実施の形態では、モジュールの例としてI/Oモジュールを例にとって説明しているが、メインベースユニット1に搭載する制御用モジュール(プロセスマネージャモジュール)もI/Oモジュールと同じ構造にすることができる。すなわち、メインベースユニット1を上述したマウントベース2−1,2−2,2−3(ターミナルケース10−1,10−2,10−3)と同じ構造にすることにより、このメインベースユニット1に制御用モジュールを搭載することができる。また、制御用モジュールと一緒にI/Oモジュールをメインベースユニット1に搭載してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、制御用モジュールあるいは外部の入出力機器と通信を行うためのI/Oモジュールを搭載すると共に、電源ケーブル及びフィールドケーブルをつなぐためのフィールドケーブル接続手段を搭載したターミナルケースを設けることにより、リモートターミナルパネルとI/Oケーブルとが不要となる。その結果、リモートターミナルパネルとI/Oケーブルの分だけコストを低減することができ、省スペース化を実現することができる。また、I/Oケーブルの引き回しが不要となるので、配線作業にかかる手間を削減することができる。さらに、モジュールをターミナルケースから脱着可能とすることにより、モジュールが故障した場合、故障したモジュールをターミナルケースから取り外し、新たなモジュールをターミナルケースに取り付けるだけで済むため、モジュールの修理作業にかかる手間を削減することができる。
【0039】また、押下部の押下に応じて動く係止片をモジュールの筐体表面に設け、モジュールが装着されたとき係止片とかみ合う係止片受溝をターミナルケースに設けることにより、モジュールのターミナルケースへの取り付けがワンタッチで可能となり、作業性を向上させることができる。
【0040】また、複数の凸部又は凹部をモジュールの筐体表面に設け、モジュールが装着されたとき上記凸部又は凹部とかみ合う複数の凹部又は凸部をターミナルケースに設け、モジュールの種類に応じてかみ合いのパターンを変えることにより、モジュールの誤挿入を防止することができる。
【0041】また、モジュールとこれに対応するターミナルケースのうち何れか一方の所定位置の凹部に誤挿入防止キーを埋め込み、他方については、誤挿入防止キーが埋め込まれた凹部に対応する位置の凸部を除去することにより、モジュールの種類に応じて異なるかみ合いのパターンを容易に実現することができる。
【0042】また、複数のモジュールにわたって配線される通信ケーブルを通すためにモジュールを貫通するように設けられた第1の配線溝と、通信ケーブルをつなぐための通信ケーブル接続手段と、他のモジュールをターミナルケースから取り外す際に他のモジュールの通信ケーブル接続手段から外した通信ケーブルが他のモジュールを避けるように、通信ケーブルを一時的に固定するための第2の配線溝とをモジュールに設けることにより、通信ケーブルに邪魔されることなくモジュールの挿抜が可能となるので、モジュール挿抜の際の作業性を向上させることができる。
【0043】また、通信ケーブル接続手段を覆う開閉可能なカバーをモジュールに設けることにより、通信ケーブル接続手段を機械的に保護することができ、通信ケーブル接続手段をモジュールの前面に設けることができる。その結果、通信ケーブルを配線する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態となるプロセス制御コントローラの構成を示すブロック図である。
【図2】 マウントベース及びI/Oモジュールの回路図である。
【図3】 マウントベース及びI/Oモジュールの外観を示す斜視図である。
【図4】 マウントベースにI/Oモジュールを装着したときの外観を示す斜視図である。
【図5】 I/Oモジュール及びターミナルケースにI/Oモジュールを装着したときの側面を拡大した斜視図である。
【図6】 電源用ショートピース及びGND用ショートピースの外観を示す斜視図である。
【図7】 マウントベースにI/Oモジュールを装着したときの外観を示す斜視図である。
【図8】 通信ケーブルをI/Oモジュールに取り付けた様子を示す斜視図である。
【図9】 I/Oモジュールを外すときの様子を示す斜視図である。
【図10】 従来のプロセス制御コントローラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…メインベースユニット、2−1,2−2,2−3…マウントベース、3…通信ケーブル、4−1、4−2、4−3…フィールドケーブル、5−1、5−2、5−3…I/Oモジュール、10−1、10−2、10−3…ターミナルケース、11−1、11−2…端子台、12−1、12−2…プリント基板、13−1、13−2、21−1、21−2、22−1、22−2、23−1、23−2、31−1、31−2、32−1、32−2…コネクタ、18、18−1、18−2…電源用ショートピース、19、19−1、19−2…GND用ショートピース、20…凹部、24…凸部、25…押下部、26…係止片、27…係止片受溝、28…トップカバー、29、30…配線溝、40…誤挿入防止キー。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロセス制御コントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、プロセス制御の分野においては、アナログ又はディジタルの各種入出力を通じてプロセス現場との通信を行い、制御対象プロセスに対する調節、シーケンス等の制御演算を実行するプロセス制御コントローラが用いられている。このようなデータ収集及びプロセス制御を行うプロセス制御コントローラは、図1010に示すような構成となっている。
【0003】図10において、51は制御コントローラ本体であるメインベースユニット、52はプロセス現場に設置される図示しない入出力機器(センサ、圧力計、流量計、スイッチ、表示器、バルブ又はポンプ等)とのインタフェース処理を行うI/Oモジュールを搭載したI/Oベースユニット、53はメインベースユニット51とI/Oベースユニット52との間を接続する通信ケーブル、54−1,54−2は上記入出力機器との間の情報伝送路となるフィールドケーブル、55−1,55−2はフィールドケーブル54−1,54−2をつなぐためのリモートターミナルパネル、56−1,56−2はI/Oベースユニット52とリモートターミナルパネル55−1,55−2との間を接続するI/Oケーブル、57−1,57−2はI/Oモジュールである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のプロセス制御コントローラでは、I/OモジュールをI/Oベースユニットに搭載すると共に、フィールドケーブルをリモートターミナルパネルに接続し、I/Oベースユニットとリモートターミナルパネルとの間をI/Oケーブルで接続しているため、これらの分だけコストが上昇し、またこれらを収納するための空間がコントローラに必要となり、さらにI/Oケーブルの引き回しや配線に手間がかかるという問題点があった。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、コスト低減、省スペース化及び作業負荷の低減を図ることができるプロセス制御コントローラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のプロセス制御コントローラは、制御用モジュールあるいは外部の入出力機器と通信を行うためのI/Oモジュール(5−1,5−2,5−3)を搭載すると共に、電源ケーブルおよびフィールドケーブル(4−1,4−2,4−3)をつなぐためのフィールドケーブル接続手段(11−1,11−2,11−3)を搭載したターミナルケース(10−1,10−2,10−3)を備えている。そして、モジュールは、ターミナルケースから脱着可能であり、複数のモジュールにわたって配線される通信ケーブルを通すためにモジュールを貫通するように設けられた第1の配線溝(29)と、上記通信ケーブルをつなぐための通信ケーブル接続手段(22−1,22−2,23−1,23−2)と、他のモジュールをターミナルケースから取り外す際に上記他のモジュールの通信ケーブル接続手段から外した通信ケーブルが上記他のモジュールを避けるように、通信ケーブルを一時的に固定するための第2の配線溝(30)とを有する。フィールドケーブル接続手段とモジュールとの間は、プリント配線パターンで接続される。
【0006】
【0007】また、上述のプロセス制御コントローラの1構成例として、上記モジュールは、上記通信ケーブル接続手段を覆う開閉可能なカバー(28)を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態となるプロセス制御コントローラの構成を示すブロック図である。図1において、1は制御コントローラ本体である制御用モジュール(不図示)を搭載したメインベースユニット、2−1,2−2,2−3は複数のモジュールを搭載すると共に、電源ケーブル及びフィールドケーブルをつなぐためのフィールドケーブル接続手段を搭載したマウントベース、3はメインベースユニット1(制御用モジュール)とI/Oモジュールとの間を接続する通信ケーブル、4−1,4−2,4−3はフィールドケーブル、5−1,5−2,5−3はI/Oモジュール、11−1,11−2,11−3はフィールドケーブル接続手段となる端子台である。
【0009】メインベースユニット1に搭載された制御用モジュールは、プロセス現場に設置された入力機器(センサ、圧力計、流量計等)のデータをI/Oモジュール(入力モジュール)5−1,5−2,5−3を介して収集し、このデータを基に制御演算を実行する。そして、制御用モジュールは、プロセス現場に設置された出力機器(スイッチ、表示器、バルブ又はポンプ等)へI/Oモジュール(出力モジュール)5−1,5−2,5−3を介してデータを出力する。こうして、データ収集及びプロセス制御が行われる。
【0010】次に、マウントベース2−1,2−2,2−3の構造についてより詳細に説明する。図2は、マウントベース2−1,2−2(ターミナルケース)及びI/Oモジュール5−1,5−2の回路図、図3は、マウントベース2−1及びI/Oモジュール5−1の外観を示す斜視図である。なお、図2では、I/Oモジュール2個分の回路を示し、図3では、I/Oモジュール1個分のマウントベースを示している。
【0011】図2、図3に示すように、マウントベース2−1,2−2上には、ターミナルケース10−1,10−2が搭載され、ターミナルケース10−1,10−2には、フィールドケーブル4−1,4−2をつなぐための端子台11−1,11−2と、プリント基板12−1,12−2とが設けられている。そして、プリント基板12−1,12−2上には、I/Oモジュール5−1,5−2と電気的接続を得るためのコネクタ13−1,13−2が設けられている。
【0012】端子台11−1,11−2とコネクタ13−1,13−2との間は、プリント基板12−1,12−2上に形成されたプリント配線パターンによって接続されている。また、各端子台11−1,11−2の上端及び下端には、電源端子とGND端子が少なくとも1つずつ設けられている。この電源端子、GND端子は、プリント基板12−1,12−2上に形成されたプリント配線パターンによりコネクタ13−1,13−2の電源ピン、GNDピンとそれぞれ接続されている。
【0013】また、各ターミナルケース10−1,10−2には、図3に示すモジュール挿抜方向と平行な凹部20が複数個形成されている。一方、I/Oモジュール5−1,5−2の背面にはコネクタ13−1,13−2と嵌合するコネクタ21−1,21−2が設けられている。そして、各I/Oモジュール5−1,5−2の筐体上面と下面には、ターミナルケース10−1,10−2の凹部20と嵌合する凸部24が凹部20と同数だけ形成されている(図3では上面の凸部24のみ図示)。
【0014】図4は、マウントベース2−1,2−2(ターミナルケース10−1,10−2)にI/Oモジュール5−1,5−2を装着したときの外観を示す斜視図である。マウントベース2−1,2−2にI/Oモジュール5−1,5−2を装着するには、まずターミナルケース10−1,10−2の複数の凹部20のうち所定位置の凹部に図3(c)のような誤挿入防止キー40を埋め込み固定し、このターミナルケース10−1,10−2に装着するI/Oモジュール5−1,5−2については、誤挿入防止キー40が埋め込まれた凹部20に対応する位置の凸部24を切断して除去する。
【0015】各I/Oモジュール5−1,5−2の形状は製造時点では同一であり、同様に各ターミナルケース10−1,10−2の形状も製造時点では同一である。これに対して、製造後にターミナルケース10−1,10−2の所定位置の凹部20に誤挿入防止キー40を埋め込み、I/Oモジュール5−1,5−2の凸部24を除去することにより、I/Oモジュール5−1,5−2及びターミナルケース10−1,10−2の形状が変化する。
【0016】誤挿入防止キー40を埋め込む上記所定位置はモジュールの種類に応じて変わるので、I/Oモジュール5−1,5−2及びターミナルケース10−1,10−2のかみ合いのパターンは、モジュールの種類に応じて変わることになる。したがって、あるターミナルケースに装着すべきでない別種のモジュールを装着しようとしても、ターミナルケースとモジュールのかみ合いのパターンが一致しないので、モジュールを装着することはできない。こうして、モジュールの誤挿入を防止することができる。
【0017】なお、本実施の形態では、ターミナルケース10−1,10−2に凹部20を形成し、モジュール5−1,5−2に凸部24を形成しているが、ターミナルケース10−1,10−2に凸部を形成し、モジュール5−1,5−2に凹部を形成してもよく、また誤挿入防止キー40を複数本埋め込んでもよい。
【0018】次に、各I/Oモジュール5−1,5−2の筐体側面には、図3(b)に示すように押下部25と、これと一体成形の係止片26とが形成されている。図5(a)はI/Oモジュール5−1の側面を拡大した斜視図であり、図5(b)はターミナルケース10−1にI/Oモジュール5−1を装着したときの側面を拡大した斜視図である。
【0019】押下部25は、係止片26と逆側の端がモジュール5−1の筐体に固定されており、係止片26は、モジュール5−1の筐体から完全に離れており、押下部25によって支持されている。よって、押下部25が押下されると、係止片26は、図5(a)の矢印で示すようにモジュール5−1の内部方向に動く。
【0020】I/Oモジュール5−1,5−2をターミナルケース10−1,10−2に装着する際には、押下部25を押下しながら、I/Oモジュール5−1,5−2をターミナルケース10−1,10−2に押し込む。これにより、上述した凹部20と凸部24がかみ合うと共に、係止片26が、ターミナルケース10−1,10−2に設けられた係止片受溝27とかみ合う(図5(b))。
【0021】こうして、係止片26が係止片受溝27に係止されるので、ターミナルケース10−1,10−2によるI/Oモジュール5−1,5−2の保持を確実にすることができる。なお、I/Oモジュール5−1,5−2を外す場合には、押下部25を押下することで係止片26と係止片受溝27の係止状態が解除されるので、この状態でI/Oモジュール5−1,5−2を引き抜けばよい。
【0022】I/Oモジュール5−1,5−2を図4のようにターミナルケース10−1,10−2に装着した後、フィールドケーブル4−1,4−2は、端子台11−1,11−2の対応する端子にねじ止めされる。また、複数のモジュールのうち1台のモジュールに対しては(図2の例ではI/Oモジュール5−1)、端子台の上端に位置する電源端子、GND端子に外部からの電源ケーブル、GNDケーブルがねじ止めされる。
【0023】ターミナルケース10−1にI/Oモジュール5−1を装着すると、コネクタ13−1と21−1が嵌合するので、フィールドケーブル4−1が端子台11−1、プリント基板12−1のプリント配線パターン、コネクタ13−1,21−1を介してモジュール5−1と接続されると共に、外部から供給された電源電圧(図2の例では24V)が端子台11−1、プリント基板12−1のプリント配線パターン、コネクタ13−1,21−1を介してモジュール5−1に供給される。
【0024】同様に、ターミナルケース10−2にI/Oモジュール5−2を装着すると、コネクタ13−2と21−2が嵌合するので、フィールドケーブル4−2が端子台11−2、プリント基板12−2のプリント配線パターン、コネクタ13−2,21−2を介してモジュール5−2と接続される。一方、I/Oモジュール5−2への電源供給については、図6に示すような電源用ショートピース18、GND用ショートピース19によって行われる。
【0025】つまり、図7のようにターミナルケース10−1,10−2にI/Oモジュール5−1,5−2を装着した場合には、ターミナルケース10−1の端子台11−1の下端に位置する電源端子とターミナルケース10−2の端子台11−2の上端に位置する電源端子とに電源用ショートピン18(18−1)をねじ止めすることで、これらを接続する。さらに、ターミナルケース10−1の端子台11−1の下端に位置するGND端子とターミナルケース10−2の端子台11−2の上端に位置するGND端子とにGND用ショートピン19(19−1)をねじ止めすることで、これらを接続する。
【0026】こうして、電源用ショートピース18−1及びGND用ショートピース19−1を介してI/Oモジュール5−2に電源が供給される。さらに、ターミナルケース10−3にI/Oモジュール5−3を装着した場合には、ターミナルケース10−2の端子台11−2の下端に位置する電源端子とターミナルケース10−3の端子台11−3の上端に位置する電源端子とに電源用ショートピン18(18−2)をねじ止めし、ターミナルケース10−2の端子台11−2の下端に位置するGND端子とターミナルケース10−3の端子台11−3の上端に位置するGND端子とにGND用ショートピン19(19−2)をねじ止めする。
【0027】以上のようにして、複数台のI/Oモジュール5−1,5−2,5−3の電源を連結し、各I/Oモジュール5−1,5−2,5−3に電源を供給することができる。モジュールを4台以上縦続接続する場合も同様にして電源を供給することができる。
【0028】次に、メインベースユニット1とI/Oモジュール5−1,5−2,5−3との接続方法について説明する。図8は、通信ケーブル3をI/Oモジュール5−1に取り付けた様子を示す斜視図である。I/Oモジュール5−1の前面には、開閉可能なトップカバー28が設けられており、このトップカバー28を開くと、I/Oモジュール5−1内に設けられた、通信ケーブル接続手段であるコネクタ22−1,23−1が見えるようになっている。
【0029】メインベースユニット1とI/Oモジュール5−1,5−2,5−3とを接続する通信バスは、2重化構成となっており、例えばコネクタ22−1が現用系の通信バスに対応したコネクタで、コネクタ23−1が待機系の通信バスに対応したコネクタとなっている。
【0030】通信ケーブル3には、各モジュールに対応した位置に現用系の通信バスのコネクタと待機系の通信バスのコネクタがそれぞれ設けられている。そこで、ターミナルケース10−1にI/Oモジュール5−1を装着した後、モジュール5−1のトップカバー28を開き、通信ケーブル3の現用系のコネクタ31−1をモジュール5−1のコネクタ22−1に装着し、通信ケーブル3の待機系のコネクタ32−1をモジュール5−1のコネクタ23−1に装着する。
【0031】これで、メインベースユニット1とI/Oモジュール5−1は、通信ケーブル3を介して通信を行うことができる。同様に、I/Oモジュール5−2は、トップカバー28内に現用系の通信バスに対応したコネクタ22−2、待機系の通信バスに対応したコネクタ23−2を有している。ターミナルケース10−2にモジュール5−2を装着した後、通信ケーブル3の現用系のコネクタ31−2をモジュール5−2のコネクタ22−2に装着し、通信ケーブル3の待機系のコネクタ32−2をモジュール5−2のコネクタ23−2に装着する。
【0032】I/Oモジュール5−3についても全く同様にして通信ケーブル3の配線を行うことができる。なお、通信ケーブル3は、モジュールを縦に貫通するように形成された第1の配線溝29内に収納される(図7、図8)。
【0033】次に、I/Oモジュール5−1,5−2,5−3の外し方について説明する。図9は、I/Oモジュール5−2を外すときの様子を示す斜視図である。I/Oモジュール5−1,5−2,5−3の前面には、通信ケーブル3を一時的に固定するための第2の配線溝30が2つずつ設けられている。
【0034】故障等の理由によりI/Oモジュール5−2をターミナルケース10−2から取り外す場合には、最初にモジュール5−2のトップカバー28を開いて、通信ケーブル3のコネクタ31−2,32−2をモジュール5−2のコネクタ22−2,23−2から外す。
【0035】続いて、コネクタ31−2,32−2を外すことによりI/Oモジュール5−2に対応する部分が宙に浮いた状態となった通信ケーブル3を、I/Oモジュール5−1の下側の配線溝30及びI/Oモジュール5−3の上側の配線溝30に押し込むようにして一時的に固定する。こうして、I/Oモジュール5−2を避けるように通信ケーブル3を一時的に固定することができるので、通信ケーブル3に邪魔されることなくモジュール5−2の挿抜が可能となる。
【0036】なお、本実施の形態では、フィールドケーブル接続手段として、フィールドケーブル4−1,4−2,4−3をねじ止めする端子台11−1,11−2,11−3を用いているが、コネクタを用いてもよいことは言うまでもない。
【0037】また、本実施の形態では、モジュールの例としてI/Oモジュールを例にとって説明しているが、メインベースユニット1に搭載する制御用モジュール(プロセスマネージャモジュール)もI/Oモジュールと同じ構造にすることができる。すなわち、メインベースユニット1を上述したマウントベース2−1,2−2,2−3(ターミナルケース10−1,10−2,10−3)と同じ構造にすることにより、このメインベースユニット1に制御用モジュールを搭載することができる。また、制御用モジュールと一緒にI/Oモジュールをメインベースユニット1に搭載してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、制御用モジュールあるいは外部の入出力機器と通信を行うためのI/Oモジュールを搭載すると共に、電源ケーブル及びフィールドケーブルをつなぐためのフィールドケーブル接続手段を搭載したターミナルケースを設けることにより、リモートターミナルパネルとI/Oケーブルとが不要となる。その結果、リモートターミナルパネルとI/Oケーブルの分だけコストを低減することができ、省スペース化を実現することができる。また、I/Oケーブルの引き回しが不要となるので、配線作業にかかる手間を削減することができる。さらに、モジュールをターミナルケースから脱着可能とすることにより、モジュールが故障した場合、故障したモジュールをターミナルケースから取り外し、新たなモジュールをターミナルケースに取り付けるだけで済むため、モジュールの修理作業にかかる手間を削減することができる。
【0039】また、押下部の押下に応じて動く係止片をモジュールの筐体表面に設け、モジュールが装着されたとき係止片とかみ合う係止片受溝をターミナルケースに設けることにより、モジュールのターミナルケースへの取り付けがワンタッチで可能となり、作業性を向上させることができる。
【0040】また、複数の凸部又は凹部をモジュールの筐体表面に設け、モジュールが装着されたとき上記凸部又は凹部とかみ合う複数の凹部又は凸部をターミナルケースに設け、モジュールの種類に応じてかみ合いのパターンを変えることにより、モジュールの誤挿入を防止することができる。
【0041】また、モジュールとこれに対応するターミナルケースのうち何れか一方の所定位置の凹部に誤挿入防止キーを埋め込み、他方については、誤挿入防止キーが埋め込まれた凹部に対応する位置の凸部を除去することにより、モジュールの種類に応じて異なるかみ合いのパターンを容易に実現することができる。
【0042】また、複数のモジュールにわたって配線される通信ケーブルを通すためにモジュールを貫通するように設けられた第1の配線溝と、通信ケーブルをつなぐための通信ケーブル接続手段と、他のモジュールをターミナルケースから取り外す際に他のモジュールの通信ケーブル接続手段から外した通信ケーブルが他のモジュールを避けるように、通信ケーブルを一時的に固定するための第2の配線溝とをモジュールに設けることにより、通信ケーブルに邪魔されることなくモジュールの挿抜が可能となるので、モジュール挿抜の際の作業性を向上させることができる。
【0043】また、通信ケーブル接続手段を覆う開閉可能なカバーをモジュールに設けることにより、通信ケーブル接続手段を機械的に保護することができ、通信ケーブル接続手段をモジュールの前面に設けることができる。その結果、通信ケーブルを配線する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態となるプロセス制御コントローラの構成を示すブロック図である。
【図2】 マウントベース及びI/Oモジュールの回路図である。
【図3】 マウントベース及びI/Oモジュールの外観を示す斜視図である。
【図4】 マウントベースにI/Oモジュールを装着したときの外観を示す斜視図である。
【図5】 I/Oモジュール及びターミナルケースにI/Oモジュールを装着したときの側面を拡大した斜視図である。
【図6】 電源用ショートピース及びGND用ショートピースの外観を示す斜視図である。
【図7】 マウントベースにI/Oモジュールを装着したときの外観を示す斜視図である。
【図8】 通信ケーブルをI/Oモジュールに取り付けた様子を示す斜視図である。
【図9】 I/Oモジュールを外すときの様子を示す斜視図である。
【図10】 従来のプロセス制御コントローラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…メインベースユニット、2−1,2−2,2−3…マウントベース、3…通信ケーブル、4−1、4−2、4−3…フィールドケーブル、5−1、5−2、5−3…I/Oモジュール、10−1、10−2、10−3…ターミナルケース、11−1、11−2…端子台、12−1、12−2…プリント基板、13−1、13−2、21−1、21−2、22−1、22−2、23−1、23−2、31−1、31−2、32−1、32−2…コネクタ、18、18−1、18−2…電源用ショートピース、19、19−1、19−2…GND用ショートピース、20…凹部、24…凸部、25…押下部、26…係止片、27…係止片受溝、28…トップカバー、29、30…配線溝、40…誤挿入防止キー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 制御用モジュールあるいは外部の入出力機器と通信を行うためのI/Oモジュールを搭載すると共に、電源ケーブルおよびフィールドケーブルをつなぐためのフィールドケーブル接続手段を搭載したターミナルケースを備え、前記モジュールはターミナルケースから脱着可能なプロセス制御コントローラにおいて、前記モジュールは、複数のモジュールにわたって配線される通信ケーブルを通すためにモジュールを貫通するように設けられた第1の配線溝と、前記通信ケーブルをつなぐための通信ケーブル接続手段と、他のモジュールをターミナルケースから取り外す際に前記他のモジュールの通信ケーブル接続手段から外した通信ケーブルが前記他のモジュールを避けるように、通信ケーブルを一時的に固定するための第2の配線溝とを有することを特徴とするプロセス制御コントローラ。
【請求項2】 請求項1記載のプロセス制御コントローラにおいて、前記モジュールは、前記通信ケーブル接続手段を覆う開閉可能なカバーを有することを特徴とするプロセス制御コントローラ。
【請求項1】 制御用モジュールあるいは外部の入出力機器と通信を行うためのI/Oモジュールを搭載すると共に、電源ケーブルおよびフィールドケーブルをつなぐためのフィールドケーブル接続手段を搭載したターミナルケースを備え、前記モジュールはターミナルケースから脱着可能なプロセス制御コントローラにおいて、前記モジュールは、複数のモジュールにわたって配線される通信ケーブルを通すためにモジュールを貫通するように設けられた第1の配線溝と、前記通信ケーブルをつなぐための通信ケーブル接続手段と、他のモジュールをターミナルケースから取り外す際に前記他のモジュールの通信ケーブル接続手段から外した通信ケーブルが前記他のモジュールを避けるように、通信ケーブルを一時的に固定するための第2の配線溝とを有することを特徴とするプロセス制御コントローラ。
【請求項2】 請求項1記載のプロセス制御コントローラにおいて、前記モジュールは、前記通信ケーブル接続手段を覆う開閉可能なカバーを有することを特徴とするプロセス制御コントローラ。
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【特許番号】特許第3522585号(P3522585)
【登録日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【発行日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−121796
【出願日】平成11年4月28日(1999.4.28)
【公開番号】特開2000−311005(P2000−311005A)
【公開日】平成12年11月7日(2000.11.7)
【審査請求日】平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【参考文献】
【文献】特開 平9−34519(JP,A)
【文献】特開 平8−305412(JP,A)
【文献】特開 平6−21670(JP,A)
【文献】特開 平8−45612(JP,A)
【文献】実開 平7−36161(JP,U)
【文献】実用新案登録2549530(JP,Y2)
【登録日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【発行日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年4月28日(1999.4.28)
【公開番号】特開2000−311005(P2000−311005A)
【公開日】平成12年11月7日(2000.11.7)
【審査請求日】平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【参考文献】
【文献】特開 平9−34519(JP,A)
【文献】特開 平8−305412(JP,A)
【文献】特開 平6−21670(JP,A)
【文献】特開 平8−45612(JP,A)
【文献】実開 平7−36161(JP,U)
【文献】実用新案登録2549530(JP,Y2)
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