説明

ベッド

【課題】 シート状の飾材が使用可能で、飾材の取り付け後にガタツキや異音発生がなく、従来と比べてコストが低減可能なベッドを提供することを目的とする。
【解決手段】
ベッド1は、ヘッドボード2、フットフレーム3、サイドレール4、5を連結固定してなるベッドフレーム6と、ベッドフレーム6の側面に被覆固定される飾材30と、を備え、フットフレーム3及びサイドレール4、5の側面は、長手方向に延在して飾材30の一辺31が挿入する第1溝20と第1溝20と平行に設けられ飾材30の一辺31と対向する他辺32が挿入する第2溝21とを有し、飾材30はシート状で、フットフレーム3及びサイドレール4、5の側面形状に密着して、着脱可能に設けられる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドフレームのフットボード、サイドボードの側面に被覆固定される飾材を備えたベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、ベッドフレームの側面に幕板(飾材)を装着するベッドで、幕板の裏面に取付具を備え、取付具はベッドフレームに密接する第1の係止枠と、第1係止枠に嵌合する第2の係止枠と、から構成されるものがある(特許文献1を参照)。
【0003】
また、床部を保持するベッドフレームの長手側の側面に幕板(飾材)を装着するベッドで、ベッドフレームの長手側の側面に所要間隔を隔てて複数の穴を形成する一方、幕板側に複数の穴に対応して穴に係止する取付金具と、取付金具を穴にがたつかないように係止させるためのガタ止め部材とを設け、幕板がベッドフレームの長手側の側面の所定の位置に装着固定できるように位置決め固定手段を設けたものがある(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−316673号公報
【特許文献2】特開平8−400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のベッドでは、幕板の裏面に設けた取付具で幕板をベッドフレームに固定するため、剛性の高い幕板(例えば木製)には使用できるが、剛性の低いシート状の幕板は変形するため使用できない問題がある。更に、幕板のベッドフレームへの固定は、取付具の第1係止枠、第2係止枠をベッドフレームに巻き込んで固定するため、ベッドフレーム及び取付具の寸法のバラツキによる隙間の発生又は組付け不良によりガタツキや異音発生の問題がある。
【0006】
また、特許文献2のベッドでは、ベッドフレームは幕板を固定するための長穴を備えるが、ベッドフレーム及び幕板は2m前後と長尺のため、長穴間距離のバラツキによる隙間の発生又は組付け不良によるガタツキや異音発生の問題がある。更に、長穴部での強度がベッドフレームの強度となるため、長穴部の強度低下を加味したベッドフレーム構造が必要であり、コストアップの要因になる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、シート状の飾材の使用が可能で、飾材の取り付け後にガタツキや異音発生の問題がなく、従来と比べてコストが低減できるベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の課題解決手段は、ヘッドボード、フットボード、サイドボードを連結固定してなるベッドフレームと、前記ベッドフレームの側面に被覆固定される飾材と、を備えるベッドであって、前記フットボード及び前記サイドボードの少なくともいずれか一方の側面は、長手方向に延在して前記飾材の一辺が挿入する第1溝と、前記第1溝と平行に設けられ前記飾材の一辺と対向する他辺が挿入する第2溝と、を有し、前記飾材は、シート状で、前記フットボード及び前記サイドボードの少なくともいずれか一方の側面形状に密着し、着脱可能に設けられる構成としたことである。
【0009】
この場合、前記飾材は、前記第1溝と前記第2溝との間を被覆固定する構成であることが好ましい。
【0010】
また、前記飾材は、リバーシブルな構成であることが好ましい。
【0011】
また、前記フットボードと前記サイドボードの長手方向に垂直な断面の形状は同一であり、アルミ材料から構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のベッドでは、フットボード及びサイドボードの少なくともいずれか一方の側面に飾材の一辺が挿入する第1溝と飾材の他辺が挿入する第2溝とを備え、飾材がフットボード及びサイドボードの少なくともいずれか一方の側面形状に密着するため、シート状の飾材の使用が可能であり、飾材の取り付け後にガタツキや異音発生の問題がなく、従来と比べてコストが低減できる。
【0013】
また、飾材は、第1溝と前記第2溝との間を被覆固定する構成のため、使用者はベッドフレームを連結固定し、且つ、マットレスを床板に載置したままフットボード又はサイドボードの側面に飾材の着脱が可能である。
【0014】
また、飾材はシート状で取付具等が不要なため、リバーシブルな構成が可能で、使用者の好みに応じた意匠の飾材(表裏)を選択できる。
【0015】
また、フットボードとサイドボードを長手方向に垂直な断面の形状が同一のアルミ材料で構成することで、第1溝と第2溝を有するサイドボード及びフットボードの押出し成形が可能となり、サイドボード及びフットボードを安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態におけるベッドの平面図である。
【図2】図1に示すベッドの正面図である。
【図3】図2に示すベッドのA−A断面図である。
【図4】ベッドフレームのサイドレールとフットフレームの連結固定状態を示す要所部分拡大図である。
【図5】図3に示すサイドレールのB部での拡大断面図である。
【図6】サイドレールの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のベッド1の平面図である。ベッド1は、ヘッドボード2、フットフレーム3(フットボード)、左右のサイドレール4、5(サイドボード)を連結固定して構成されるベッドフレーム6と、サイドレール4、5の間に架設した床板7とを備える。フットフレーム3、左右のサイドレール4、5の側面には、後述する着脱可能なシート状の飾材30が被覆固定される。
【0019】
図2は、本発明のベッド1の正面図である。フットフレーム3、左右のサイドレール4、5の側面には、長手方向に延在する第1溝20と第1溝20と平行に設けられる第2溝21とが設けられる。床板7には、マットレス8が載置され、左右のサイドレール4、5には脚9が取り付けられる。
【0020】
図3は、本発明のベッド1のA−A断面図である。左右のサイドレール4、5及びフットフレーム3は、内部が中空のアルミ材料から構成される。サイドレール4、5及びフットフレーム3はアルミの押出し加工で成形されたもので、長手方向に垂直な断面の形状は同一である。
【0021】
図4は、フットフレーム3とサイドレール5の連結固定状態を示す部分拡大図である。サイドレール5の内部には、フットフレーム3を取り付けるためのL字形の接続金具10が設けられる。フットフレーム3には、サイドレール5に設けたL字形の接続金具10のネジ穴11に合う位置に穴12が設けられる。フットフレーム3にL字形接続金具10に差し込んで、ボルト13を締結することで、フットフレーム3とサイドレール5が連結固定される。フットフレーム3とサイドレール4の連結固定状態も同様である。また、フットフレーム3とサイドレール4、5との接合部のスキマには、樹脂等のコーナー部材14を取り付けて、使用者から接合部のスキマが見えない構成になっている。
【0022】
図5は、サイドレール5のB部拡大図である。サイドレール5の長手方向に延在する第1溝20には飾材30の一辺31が挿入され、第2溝21には飾材30の一辺31と対向する他辺32が挿入される。飾材30は、表面と裏面が装飾されたリバーシブルな構成で弾力性を有するシート状の樹脂材料(例えば、PET等)で、第1溝20と第2溝21との間を被覆固定する。飾材30は、サイドレール5の側面形状に密着して、着脱可能な構成である。この場合、飾材30の裏面には、サイドレール5の側面形状に密着できるよう吸着面を有していると良い。
【0023】
本実施例のベッド1のサイドレール5に飾材30を取り付ける手順について説明する。サイドレール5が見える状態で第1溝20に飾材30の一辺31を挿入する。次に第2溝21に飾材30の他辺32を挿入する。飾材30が弾力性を有するため、飾材30はサイドフレーム5の曲面の形状に沿って湾曲して密着し、第1溝20と第2溝21に保持されてサイドフレーム5の側面を被覆固定する。飾材30を取り外す場合は、飾材30の第1溝20と第2溝21の間の中央部付近を図面向かって右側(側面外側)に引く。そうすることで、第1溝20と一辺31及び第2溝21と他辺32の係合が外れ、飾材30を取り外すことができる。飾材30はリバーシブルな構成のため、表裏を反対にして、再度取り付けることができる。
【0024】
飾材30がシート状の柔らかな材料の場合は、飾材30の一方の面に取り外し可能な粘着材を塗布することで、サイドフレーム5と飾材30とが密着して、被覆固定が可能である。飾材30のサイドレール5への着脱の手順について説明したが、フットフレーム3、サイドレール4の着脱も同様である。
【0025】
本実施例のベッド1では、フットフレーム3及びサイドフレーム4、5の側面に飾材30の一辺31が挿入する第1溝20と飾材の他辺32が挿入する第2溝21とを備え、飾材30をフットフレーム3、サイドフレーム4、5の側面形状に沿って密着することで、シート状の飾材30の使用が可能であり、飾材30の取り付け後にガタツキや異音発生の問題がなく、従来と比べて飾材30のコストが低減できる。
【0026】
また、飾材30は、第1溝20と第2溝21との間を被覆固定する構成のため、使用者はベッドフレーム6を連結固定し、且つ、マットレス8を床板7に載置した状態でフットフレーム3又はサイドフレーム4、5の側面に飾材30の着脱が可能である。
【0027】
また、飾材30はシート状で取付具等が不要なため、本実施例では一例として表面を木目調の図柄にしているが、リバーシブルな構成が可能で、使用者の好みに応じた意匠の飾材30(例えば、表裏を異なった色、異なった模様、異なった図柄等を設けることができる)を選択できる。また、飾材30は弾性力のある複数のシート状の材質から成るものを張り合わせても良い。
【0028】
また、フットフレーム3とサイドフレーム4、5を長手方向に垂直な断面の形状が同一のアルミ材料から構成することで、第1溝20と第2溝21を有するフットフレーム3とサイドフレーム4、5の押出し成形が可能となり安価に製作できる。
【0029】
図6は、サイドレール5aで、図5のサイドレール5の変形例である。サイドレール5aとサイドレール5の違いは、第1溝20aと第2溝21aの形状の違いであり、その他の構成は、サイドレール5と同様である。同一の構成・作用については、同一の符号を用いて説明する。
【0030】
第1溝20aと第2溝21aの溝の深さ方向は、図面の左側(側面斜め内側)に向かって設けられる。飾材30の一辺31と他辺32は、第1溝20aと第2溝21aと嵌合する。
【0031】
飾材30はサイドフレーム5aの曲面の形状に沿って密着し、第1溝20aと第2溝21aに保持され、第1溝20aと第2溝21aの間を被覆固定する。飾材30がシート状の柔らかな材料の場合は、飾材30の一方の面に粘着力が弱く取り外しが可能な粘着材を塗布することで、サイドフレーム5aと飾材30が密着して、被覆固定が可能になる。その他の効果はサイドフレーム5と同様である。
【符号の説明】
【0032】
1 ベッド
2 ヘッドボード
3 フットフレーム(フットボード)
4 サイドレール(サイドボード)
5 サイドレール(サイドボード)
6 ベッドフレーム
20 第1溝
21 第2溝
30 飾材
31 一辺
32 他辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボード、フットボード、サイドボードを連結固定してなるベッドフレームと、前記ベッドフレームの側面に被覆固定される飾材と、を備えるベッドであって、
前記フットボード及び前記サイドボードの少なくともいずれか一方の側面は、長手方向に延在して前記飾材の一辺が挿入する第1溝と、前記第1溝と平行に設けられ前記飾材の一辺と対向する他辺が挿入する第2溝と、を有し、
前記飾材は、シート状で、前記フットボード及び前記サイドボードの少なくともいずれか一方の側面形状に密着し、着脱可能に設けられる、ことを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記飾材は、前記第1溝と前記第2溝との間を被覆固定する、ことを特徴とする請求項1に記載のベッド
【請求項3】
前記飾材は、リバーシブルである、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベッド。
【請求項4】
前記フットボードと前記サイドボードの長手方向に垂直な断面の形状は同一であり、アルミ材料から構成される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−245085(P2011−245085A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122485(P2010−122485)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)