説明

ベンチ

【課題】一部の部材のみの交換が可能である上、交換する際の作業性が良好であり、かつ、リサイクルに非常に適しているベンチを提供することを課題とする。
【解決手段】脚フレーム2と、該脚フレーム2に取り付けられる座面部材3とを有しており、該座面部材3は、金属製の座面芯部材と、該座面芯部材を被覆する合成樹脂製の座面被覆部材8とを有し、該座面被覆部材8は、該座面芯部材に着脱可能に取り付けられているベンチ1を提供する。座面部材3の座面被覆部材8に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として屋外で使用されるベンチに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば公園などの屋外で使用されるベンチとしては、金属製のフレームに木製の座面部材や背もたれ部材が取り付けられたものが一般に提供されている。
しかし、木製の座面部材や背もたれ部材を用いた場合には、ベンチが長年風雨にさらされることにより座部や背もたれが腐食したり、長年の使用によって着座頻度の高い箇所のみが磨耗することがあり、また、使用者の不注意等によって座部や背もたれの一部が損傷したり汚れが付着したりすることがある。
そこで、従来、座部や背もたれ部の素材として樹脂成形品を用いたベンチが提供されている(特許文献1参照)。素材に樹脂成形品を用いたベンチは、長年使用した場合でも朽ちることがなく清潔感があり、また汚れが付着した場合にも素材に染み込むことがなく拭き取りにより容易に汚れを除去することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−208771号公報(第2−7頁、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来のベンチでは、座部や背もたれ部の一部に、長年の使用による磨耗や使用者の不注意等による損傷や汚れの付着があった場合に、ベンチを分解しなければその一部を新しいものに交換することができないという問題があり、結局は、ベンチ全部を新しいものに交換することとなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、脚フレーム2と、該脚フレーム2に取り付けられる座面部材3とを有しており、該座面部材3は、金属製の座面芯部材7と、該座面芯部材7を被覆する合成樹脂製の座面被覆部材8とを有し、該座面被覆部材8は、該座面芯部材7に着脱可能に取り付けられているベンチ1を提供するものである。
該座面部材3または該脚フレーム2には背もたれフレーム4,4Aが取り付けられ、該背もたれフレーム4,4Aには背もたれ部材5が取り付けられており、該背もたれ部材5は、金属製の背もたれ芯部材21と、該背もたれ芯部材21を被覆する合成樹脂製の背もたれ被覆部材22,23とを有し、該背もたれ被覆部材22は、該背もたれ芯部材21に着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
この場合、該脚フレーム2と該背もたれフレーム4Aとは一体であることが望ましい。
また、該座面部材3または該脚フレーム2には肘掛けフレーム6が取り付けられていることが望ましい。
更に、該合成樹脂は、ポリエステル樹脂であることが望ましい。
また更に、該ポリエステル樹脂は、再生ポリエステル樹脂であることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明のベンチ1では、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7に着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8を該座面芯部材7から取り外すことができる。
したがって、座面部材3の座面被覆部材8に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施例1〜実施例8により詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
本発明を図1〜図6に示す一実施例によって説明する。
図1に示すように、本実施例のベンチ1は、左右一対の略角形C字状の脚フレーム2と、該左右一対の脚フレーム2の上に取り付けられる四個の座面部材3と、該座面部材3の中央部の下面に取り付けられる一個の略L字状の背もたれフレーム4と、該脚フレーム2と一体に設けられている左右一対の略L字状の背もたれフレーム4Aと、該背もたれフレーム4,4Aの前面に取り付けられる三個の背もたれ部材5と、該座面部材3の両端に取り付けられる左右一対の略角形C字状の肘掛けフレーム6とを有している。
【0009】
図2および図3に示すように、該座面部材3は、中空の座面芯部材7と、該座面芯部材7を被覆する断面略角形C字状の座面被覆部材8と、該座面芯部材7の両端に取り付けられる左右一対のキャップ部材9とを有している。
該座面芯部材7は、上面部10と下面部11と両側面部12とを有しており、該上面部10と該下面部11の中央部分には連結部13が差し渡されている。また、該両側面部12の中央部分には中央凹部14が凹設されており、該両側面部12と該下面部11との隅角部には隅角凹部15が凹設されている。更に、該左右の両側面部12の内側面の中央部分にはそれぞれ左右一対のビス止め条16が設けられており、該下面部11の内側面には該連結部13を挟んで二条の凸条部17が設けられている。背もたれフレーム4,4Aの取付け位置である該下面部11の凸条部17の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト止め孔17Aが設けられており、該凸条部17のボルト止め孔17Aには挿入ナット17Bが挿着されている。また更に、肘掛けフレーム6が取り付けられる両端二個の座面部材3において、該肘掛けフレーム6の取付け位置である該下面部11の凸条部17の両端にはそれぞれ一個のボルト止め孔(図示せず)が設けられており、該ボルト止め孔には挿入ナット(図示せず)が挿着されている(図1参照)。
【0010】
そして、該座面被覆部材8の下側縁部には、該座面芯部材7の隅角凹部15に係止される係止爪部18が屈曲形成されており、該座面被覆部材8は該座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられている(図3参照)。
また、該キャップ部材9には、左右一対のビス挿通孔19が設けられており、更に、該キャップ部材9の内側面からは、該座面芯部材7の上面部10、下面部11、連結部13に内側から当接して嵌合する複数個の嵌合リブ20が凸設されている(図2参照)。
【0011】
図4および図5に示すように、該背もたれ部材5は、中空の背もたれ芯部材21と、該背もたれ芯部材21を被覆する断面略角形C字状の背もたれ被覆部材22と、該背もたれ芯部材21の両端に取り付けられる左右一対のキャップ部材24とを有しており、上記の座面部材3と同一の構成とされている。
すなわち、該背もたれ芯部材21は、前面部25と後面部26と両側面部27とを有しており、該前面部25と該後面部26の中央部分には連結部28が差し渡されている。また、該両側面部27の中央部分には中央凹部29が凹設されており、該両側面部27と該後面部26との隅角部には隅角凹部30が凹設されている。更に、該左右の両側面部27の内側面の中央部分にはそれぞれ上下一対のビス止め条31が設けられており、該後面部26の内側面には該連結部28を挟んで二条の凸条部32が設けられている。背もたれフレーム4,4Aの取付け位置である該後面部26の凸条部32の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト止め孔32Aが設けられており、該凸条部32のボルト止め孔32Aには挿入ナット32Bが挿着されている。
【0012】
そして、該背もたれ被覆部材22の下側縁部には、該背もたれ芯部材21の隅角凹部30に係止される係止爪部33が屈曲形成されており、該背もたれ被覆部材22は該背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられている(図5参照)。
また、該キャップ部材24には、上下一対のビス挿通孔36が設けられており、更に、該キャップ部材24の内側面からは、該背もたれ芯部材21の前面部25、後面部26、連結部28に内側から当接して嵌合する複数個の嵌合リブ37が凸設されている(図4参照)。
【0013】
上記のように、本実施例では、座面部材3と背もたれ部材5とが同一の構成であるため、該座面部材3を該背もたれ部材5として用いることができる。
したがって、本実施例のベンチ1では、部材(座面部材3および背もたれ部材5)の汎用性が高く、製造コストを削減することができる。
【0014】
一方、脚フレーム2の上辺部38には、四個の座面部材3を取り付けるための八個のボルト挿通孔39が設けられており、該上辺部38の後縁からは背もたれフレーム4Aが一体的に延設されている。また、該脚フレーム2の先端部には、該脚フレーム2を地面に固定するためのアンカーボルト孔40が設けられている。
更に、背もたれフレーム4,4Aの縦辺部41には、三個の背もたれ部材5を取り付けるための六個のボルト挿通孔42が設けられており、また、中央の背もたれフレーム4の横辺部43には、四個の座面部材3を取り付けるための八個のボルト挿通孔44が設けられている。
また更に、肘掛けフレーム6の先端部には、該肘掛けフレーム6を座面部材3に取り付けるためのボルト挿通孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0015】
なお、上記の脚フレーム2、背もたれフレーム4,4A、肘掛けフレーム6、座面芯部材7および背もたれ芯部材21は、機械的強度を向上させるために金属製のものが使用されており、本実施例では、機械的強度に加えて耐候性を向上させるためにアルミニウム製のものが使用されている。
【0016】
また、上記の座面被覆部材8、背もたれ被覆部材22およびキャップ部材9,24は、高い耐候性を得るためにポリエステル樹脂を主成分とする合成樹脂製のものが使用されており、本実施例では、耐候性に加えて高いリサイクル性を得るために再生PET(ポリエチレンテレフタレート)を主成分とする合成樹脂製のものが使用されている。
更に、座面被覆部材8および背もたれ被覆部材22の表面には、周囲の景観との調和を図るために、木質調の色彩および模様が施されている。
【0017】
図6に示すように、上記のベンチ1の座面レベルは、使用者の立ち座りを容易にするために前方に向けて僅かに傾斜されている。本実施例では、使用者の立ち座りを特に容易にするために、座面レベルの前方への傾斜角度θは、4°〜5°に設定されている。
また、上記のベンチ1の座面高さHは、使用者の立ち座りを容易にするために、500mm〜600mmに設定されている。
【0018】
上記のベンチ1を組み立てる場合には、まず、座面部材3と背もたれ部材5を組み立てる。
座面部材3を組み立てる場合には、座面被覆部材8を座面芯部材7に側方からスライド嵌入して、該座面被覆部材8の係止爪部18を該座面芯部材7の隅角凹部15に係止させる。その後、該座面芯部材7の両端にキャップ部材9を嵌合して、該座面芯部材7の上面部10、下面部11、連結部13に該キャップ部材9の嵌合リブ20を内側から当接させ、該キャップ部材9のビス挿通孔19を介してビス45を該座面芯部材7のビス止め条16に螺着して、該キャップ部材9を該座面芯部材7にビス止めして固定する。このとき、該座面被覆部材8は該キャップ部材9によって両側から挟持され、側方にスライドすることが防止されている。
背もたれ部材5を組み立てる場合にも、座面部材3の場合と同様にして、背もたれ被覆部材22を背もたれ芯部材21に側方からスライド嵌入して、該背もたれ被覆部材22の係止爪部33を該背もたれ芯部材21の隅角凹部30に係止させる。その後、該背もたれ芯部材21の両端にキャップ部材24を嵌合して、該背もたれ芯部材21の前面部25、後面部26、連結部28に該キャップ部材24の嵌合リブ37を内側から当接させ、該キャップ部材37のビス挿通孔36を介してビス46を該背もたれ芯部材21のビス止め条31に螺着して、該キャップ部材24を該背もたれ芯部材21にビス止めして固定する。このとき、該背もたれ被覆部材22は該キャップ部材24によって両側から挟持され、側方にスライドすることが防止されている。
【0019】
つぎに、四個の座面部材3に左右一対の脚フレーム2および背もたれフレーム4Aと中央の背もたれフレーム4を取り付けるとともに、該背もたれフレーム4,4Aに三個の背もたれ部材5を取り付ける。
座面部材3に脚フレーム2と背もたれフレーム4を取り付ける場合には、脚フレーム2の上辺部38のボルト挿通孔39または背もたれフレーム4の横辺部43のボルト挿通孔44を介して固定ボルト47を座面芯部材7の凸条部17の挿入ナット17Bに螺着して、該座面部材3の下面に、脚フレーム2の上辺部38と背もたれフレーム4の横辺部43をボルト止めして固定する(図3参照)。
一方、背もたれフレーム4,4Aに背もたれ部材5を取り付ける場合には、背もたれフレーム4,4Aの縦辺部41のボルト挿通孔42を介して固定ボルト48を背もたれ芯部材21の凸条部32の挿入ナット32Bに螺着して、該背もたれ部材5の後面に、背もたれフレーム4,4Aの縦辺部41をボルト止めして固定する(図5参照)。
【0020】
最後に、両端二個の座面部材3に肘掛けフレーム6を取り付ける。すなわち、肘掛けフレーム6のボルト挿通孔を介して固定ボルト49を該両端二個の座面部材3のボルト止め孔の挿入ナットに螺着して、該両端二個の座面部材3に肘掛けフレーム6をボルト止めして固定する。このように、本実施例のベンチ1は容易に組み立てることができる。
そして、脚フレーム2のアンカーボルト孔40を介してアンカーボルト(図示せず)を地面に打ち込んで、組み立てたベンチ1を地面に固定する。
【0021】
上記のベンチ1の座面部材3や背もたれ部材5の一部に、長年の使用による磨耗や使用者の不注意等による損傷や汚れの付着があった場合には、ベンチ1を分解することなく、その磨耗や損傷、汚れの付着があった一部の座面部材3の座面被覆部材8や背もたれ部材5の前側の背もたれ被覆部材22のみを交換する。
座面部材3の座面被覆部材8を交換する場合には、該座面部材3の一方のキャップ部材9のビス45を取り外して、該一方のキャップ部材9を座面芯部材7から取り外す。その後、該座面被覆部材8を一方にスライドさせて該座面芯部材7から取り外す。そして、新しい座面被覆部材8を座面芯部材7に一方からスライド嵌入して、再び、該一方のキャップ部材9を該座面芯部材7にビス止め固定する。
背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22を交換する場合にも、座面部材3の場合と同様にして、該背もたれ部材5の一方のキャップ部材24のビス46を取り外して、該一方のキャップ部材24を背もたれ芯部材21から取り外す。その後、該背もたれ被覆部材22を一方にスライドさせて該背もたれ芯部材21から取り外す。そして、新しい背もたれ被覆部材22を背もたれ芯部材21に一方からスライド嵌入して、再び、該一方のキャップ部材24を該背もたれ芯部材21にビス止め固定する。
【0022】
上記のように、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、四個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【0023】
また、背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22が背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられているので、該背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22をスライドさせて該背もたれ芯部材21から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の背もたれ部材5のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要がない。
【0024】
更に、該座面被覆部材8および該背もたれ被覆部材22の材料が、ポリエステル樹脂を主成分とする合成樹脂であるため、耐候性が高く、該座面被覆部材8および該背もたれ被覆部材22が日光により色褪せしたり、風雨により腐食したりすることがない。
その上、本実施例では、座面被覆部材8および背もたれ被覆部材22の材料が、再生ポリエステル樹脂を主成分とする合成樹脂であるため、リサイクル性が高い。
【0025】
また更に、座面芯部材7や背もたれ芯部材21、脚フレーム2や背もたれフレーム4,4Aや肘掛けフレーム6がアルミニウム製であるため、耐候性が高く、雨水等により錆びることがない。
その上、該座面芯部材7や背もたれ芯部材21、脚フレーム2や背もたれフレーム4,4Aや肘掛けフレーム6の肉厚や外寸を変更することによって、必要に応じて強度設計を容易に変更することができ、また、様々な大きさや形状への設計変更が容易に可能である。
また、両端二個の座面部材3のボルト止め孔の設定位置を変更することにより、使用状況に応じて肘掛けフレーム6の取付け位置を容易に変更することが可能である。
【0026】
本実施例のベンチ1では、座面部材3が金属製の座面芯部材7と合成樹脂製の座面被覆部材8の二層構造とされているので、すべて合成樹脂製の座面部材3に比べて機械的強度を高くすることができる。
また、背もたれ部材5が金属製の背もたれ芯部材21と合成樹脂製の背もたれ被覆部材22の二層構造とされているので、すべて合成樹脂製の背もたれ部材5に比べて機械的強度を高くすることができる。
【0027】
更に、本実施例のベンチ1では、座面レベルが前方に向けて僅かに傾斜されているので、使用者は足腰に負担をかけることなく立ち座りをすることができる。この場合、座面レベルの前方への傾斜角度θが4°〜5°に設定されているので、使用者の足腰への負担を特に軽減することができる。
また更に、ベンチ1の座面高さHが500mm〜600mmに設定されているので、高齢者でも安心してベンチ1に腰を下ろすことができ、再びベンチ1から立ち上がるのも容易である。
【実施例2】
【0028】
本発明を図7〜図12に示す一実施例によって説明する。
図7に示すように、本実施例のベンチ1は、左右一対の略角形C字状の脚フレーム2と、該左右一対の脚フレーム2の上に取り付けられる四個の座面部材3と、該座面部材3の両端部および中央部の下面に取り付けられる三個の略L字状の背もたれフレーム4と、該背もたれフレーム4の前面に取り付けられる三個の背もたれ部材5と、該座面部材3の両端に取り付けられる左右一対の略角形C字状の肘掛けフレーム6とを有している。
【0029】
図8および図9に示すように、該座面部材3は、実施例1と同様、中空の座面芯部材7と、該座面芯部材7を被覆する断面略角形C字状の座面被覆部材8と、該座面芯部材7の両端に取り付けられる左右一対のキャップ部材9とを有している。
該座面芯部材7は、上面部10と下面部11と両側面部12とを有しており、該上面部10と該下面部11の中央部分には連結部13が差し渡されている。また、該両側面部12の中央部分には中央凹部14が凹設されており、該両側面部12と該下面部11との隅角部には隅角凹部15が凹設されている。更に、該左右の両側面部12の内側面の中央部分にはそれぞれ左右一対のビス止め条16が設けられており、該下面部11の内側面には該連結部13を挟んで二条の凸条部17が設けられている。背もたれフレーム4の取付け位置である該下面部11の凸条部17の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト止め孔17Aが設けられており、該凸条部17のボルト止め孔17Aには挿入ナット17Bが挿着されている。また更に、肘掛けフレーム6が取り付けられる両端二個の座面部材3において、該肘掛けフレーム6の取付け位置である該下面部11の凸条部17の両端にはそれぞれ一個のボルト止め孔(図示せず)が設けられており、該ボルト止め孔には挿入ナット(図示せず)が挿着されている(図7参照)。
【0030】
そして、該座面被覆部材8の下側縁部には、該座面芯部材7の隅角凹部15に係止される係止爪部18が屈曲形成されており、該座面被覆部材8は該座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられている(図9参照)。
また、該キャップ部材9には、左右一対のビス挿通孔19が設けられており、更に、該キャップ部材9の内側面からは、該座面芯部材7の上面部10、下面部11、連結部13に内側から当接して嵌合する複数個の嵌合リブ20が凸設されている(図8参照)。
【0031】
一方、図10および図11に示すように、該背もたれ部材5は、中空の背もたれ芯部材21と、該背もたれ芯部材21を被覆する前後一対の断面略角形C字状の背もたれ被覆部材22,23と、該背もたれ芯部材21の両端に取り付けられる左右一対のキャップ部材24とを有している。
該背もたれ芯部材21は、実施例1と同様、上記の座面芯部材7と同一の構成とされている。すなわち、該背もたれ芯部材21は、前面部25と後面部26と両側面部27とを有しており、該前面部25と該後面部26の中央部分には連結部28が差し渡されている。また、該両側面部27の中央部分には中央凹部29が凹設されており、該両側面部27と該後面部26との隅角部には隅角凹部30が凹設されている。更に、該左右の両側面部27の内側面の中央部分にはそれぞれ上下一対のビス止め条31が設けられており、該後面部26の内側面には該連結部28を挟んで二条の凸条部32が設けられている。背もたれフレーム4の取付け位置である該後面部26の凸条部32の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト止め孔32Aが設けられており、該凸条部32のボルト止め孔32Aには挿入ナット32Bが挿着されている。
また本実施例では、該背もたれ芯部材21の両側面部27の中央凹部29の位置は、前面部25および後面部26からの中間位置、すなわち前面部25および後面部26から等距離の位置に設定されている。
【0032】
そして本実施例では、該前側の背もたれ被覆部材22の後側縁部には、該背もたれ芯部材21の中央凹部29の前半部分に係止される係止爪部33が屈曲形成されており、また、該後側の背もたれ被覆部材23の前側縁部には、該背もたれ芯部材21の中央凹部29の後半部分に係止される係止爪部34が屈曲形成されており、該前側の背もたれ被覆部材22は該背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられている(図11参照)。更に、背もたれフレーム4の取付け位置である該後側の背もたれ被覆部材23の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト挿通孔35が設けられている。
また、該キャップ部材24には、上下一対のビス挿通孔36が設けられており、更に、該キャップ部材24の内側面からは、該背もたれ芯部材21の前面部25、後面部26、連結部28に内側から当接して嵌合する複数個の嵌合リブ37が凸設されている(図10参照)。
【0033】
上記のように、本実施例では、座面芯部材7と背もたれ芯部材21とが同一の構成であるため、該座面芯部材7を該背もたれ芯部材21として用いることができる。
したがって、本実施例のベンチ1では、部材(座面芯部材7および背もたれ芯部材21)の汎用性が高く、製造コストを削減することができる。
【0034】
また、該背もたれ芯部材21の両側面部27の中央凹部29の位置が、前面部25および後面部26からの中間位置に設定されているので、前側の背もたれ被覆部材22にボルト挿通孔35を設けるだけで、前側の背もたれ被覆部材22を後側の背もたれ被覆部材23として用いることができる。
したがって、本実施例のベンチ1では、部材(背もたれ被覆部材22,23)の汎用性が高く、製造コストを削減することができる。
【0035】
一方、脚フレーム2の上辺部38には、四個の座面部材3を取り付けるための八個のボルト挿通孔39が設けられており、また、該脚フレーム2の先端部には、該脚フレーム2を地面に固定するためのアンカーボルト孔40が設けられている。
更に、背もたれフレーム4の縦辺部41には、三個の背もたれ部材5を取り付けるための六個のボルト挿通孔42が設けられており、また、該背もたれフレーム4の横辺部43には、四個の座面部材3を取り付けるための八個のボルト挿通孔44が設けられている。
また更に、肘掛けフレーム6の先端部には、該肘掛けフレーム6を座面部材3に取り付けるためのボルト挿通孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0036】
なお、上記の脚フレーム2、背もたれフレーム4、肘掛けフレーム6、座面芯部材7および背もたれ芯部材21は、機械的強度を向上させるために金属製のものが使用されており、本実施例では、機械的強度に加えて耐候性を向上させるためにアルミニウム製のものが使用されている。
【0037】
また、上記の座面被覆部材8、背もたれ被覆部材22,23およびキャップ部材9,24は、高い耐候性を得るためにポリエステル樹脂を主成分とする合成樹脂製のものが使用されており、本実施例では、耐候性に加えて高いリサイクル性を得るために再生PET(ポリエチレンテレフタレート)を主成分とする合成樹脂製のものが使用されている。
更に、座面被覆部材8および背もたれ被覆部材22,23の表面には、周囲の景観との調和を図るために、木質調の色彩および模様が施されている。
【0038】
図12に示すように、上記のベンチ1の座面レベルは、使用者の立ち座りを容易にするために前方に向けて僅かに傾斜されている。本実施例では、使用者の立ち座りを特に容易にするために、座面レベルの前方への傾斜角度θは、4°〜5°に設定されている。
また、上記のベンチ1の座面高さHは、使用者の立ち座りを容易にするために、500mm〜600mmに設定されている。
【0039】
上記のベンチ1を組み立てる場合には、まず、座面部材3と背もたれ部材5を組み立てる。
座面部材3を組み立てる場合には、座面被覆部材8を座面芯部材7に側方からスライド嵌入して、該座面被覆部材8の係止爪部18を該座面芯部材7の隅角凹部15に係止させる。その後、該座面芯部材7の両端にキャップ部材9を嵌合して、該座面芯部材7の上面部10、下面部11、連結部13に該キャップ部材9の嵌合リブ20を内側から当接させ、該キャップ部材9のビス挿通孔19を介してビス45を該座面芯部材7のビス止め条16に螺着して、該キャップ部材9を該座面芯部材7にビス止めして固定する。このとき、該座面被覆部材8は該キャップ部材9によって両側から挟持され、側方にスライドすることが防止されている。
一方、背もたれ部材5を組み立てる場合には、前後一対の背もたれ被覆部材22,23を背もたれ芯部材21に側方からスライド嵌入して、該前後一対の背もたれ被覆部材22,23の係止爪部33,34を該背もたれ芯部材21の中央凹部29にそれぞれ係止させる。その後、該背もたれ芯部材21の両端にキャップ部材24を嵌合して、該背もたれ芯部材21の前面部25、後面部26、連結部28に該キャップ部材24の嵌合リブ37を内側から当接させる。そして、該キャップ部材24のビス挿通孔36を介してビス46を該背もたれ芯部材21のビス止め条31に螺着して、該キャップ部材24を該背もたれ芯部材21にビス止めして固定する。このとき、該背もたれ被覆部材22,23は該キャップ部材24によって両側から挟持され、側方にスライドすることが防止されている。
【0040】
つぎに、四個の座面部材3に左右一対の脚フレーム2と三個の背もたれフレーム4を取り付けるとともに、該三個の背もたれフレーム4に三個の背もたれ部材5を取り付ける。
座面部材3に脚フレーム2と背もたれフレーム4を取り付ける場合には、脚フレーム2の上辺部38のボルト挿通孔39および背もたれフレーム4の横辺部43のボルト挿通孔44を介して固定ボルト47を座面芯部材7の凸条部17の挿入ナット17Bに螺着して、該座面部材3の下面に、脚フレーム2の上辺部38と背もたれフレーム4の横辺部43をボルト止めして固定する(図9参照)。
一方、背もたれフレーム4に背もたれ部材5を取り付ける場合には、背もたれフレーム4の縦辺部41のボルト挿通孔42を介して固定ボルト48を背もたれ芯部材21の凸条部32の挿入ナット32Bに螺着して、該背もたれ部材5の後面に、背もたれフレーム4の縦辺部41をボルト止めして固定する(図11参照)。
【0041】
最後に、両端二個の座面部材3に肘掛けフレーム6を取り付ける。すなわち、肘掛けフレーム6のボルト挿通孔を介して固定ボルト49を該両端二個の座面部材3のボルト孔の挿入ナットに螺着して、該両端二個の座面部材3に肘掛けフレーム6をボルト止めして固定する。このように、本実施例のベンチ1は容易に組み立てることができる。
そして、脚フレーム2のアンカーボルト孔40を介してアンカーボルト(図示せず)を地面に打ち込んで、組み立てたベンチ1を地面に固定する。
【0042】
上記のベンチ1の座面部材3や背もたれ部材5の一部に、長年の使用による磨耗や使用者の不注意等による損傷や汚れの付着があった場合には、ベンチ1を分解することなく、その磨耗や損傷、汚れの付着があった一部の座面部材3の座面被覆部材8や背もたれ部材5の前側の背もたれ被覆部材22のみを交換する。
座面部材3の座面被覆部材8を交換する場合には、該座面部材3の一方のキャップ部材9のビス45を取り外して、該一方のキャップ部材9を座面芯部材7から取り外す。その後、該座面被覆部材8を一方にスライドさせて該座面芯部材7から取り外す。そして、新しい座面被覆部材8を座面芯部材7に一方からスライド嵌入して、再び、該一方のキャップ部材9を該座面芯部材7にビス止め固定する。
一方、背もたれ部材5の前側の背もたれ被覆部材22を交換する場合には、該背もたれ部材5の一方のキャップ部材24のビス46を取り外して、該一方のキャップ部材24を背もたれ芯部材21から取り外す。その後、該前側の背もたれ被覆部材22を一方にスライドさせて該背もたれ芯部材21から取り外す。そして、新しい前側の背もたれ被覆部材22を背もたれ芯部材21に一方からスライド嵌入して、再び、該一方のキャップ部材24を該背もたれ芯部材21にビス止め固定する。
【0043】
上記のように、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、四個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【0044】
また、背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22が背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられているので、該背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22をスライドさせて該背もたれ芯部材21から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の背もたれ部材5のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要がない。
【0045】
更に、該座面被覆部材8および該背もたれ被覆部材22,23の材料が、ポリエステル樹脂を主成分とする合成樹脂であるため、耐候性が高く、該座面被覆部材8および該背もたれ被覆部材22,23が日光により色褪せしたり、風雨により腐食したりすることがない。
その上、本実施例では、座面被覆部材8および背もたれ被覆部材22,23の材料が、再生ポリエステル樹脂を主成分とする合成樹脂であるため、リサイクル性が高い。
【0046】
また更に、座面芯部材7や背もたれ芯部材21、脚フレーム2や背もたれフレーム4や肘掛けフレーム6がアルミニウム製であるため、耐候性が高く、雨水等により錆びることがない。
その上、該座面芯部材7や背もたれ芯部材21、脚フレーム2や背もたれフレーム4や肘掛けフレーム6の肉厚や外寸を変更することによって、必要に応じて強度設計を容易に変更することができ、また、様々な大きさや形状への設計変更が容易に可能である。
また、両端二個の座面部材3のボルト止め孔の設定位置を変更することにより、使用状況に応じて肘掛けフレーム6の取付け位置を容易に変更することが可能である。
【0047】
本実施例のベンチ1では、座面部材3が金属製の座面芯部材7と合成樹脂製の座面被覆部材8の二層構造とされているので、すべて合成樹脂製の座面部材3に比べて機械的強度を高くすることができる。
また、背もたれ部材5が金属製の背もたれ芯部材21と合成樹脂製の背もたれ被覆部材22,23の二層構造とされているので、すべて合成樹脂製の背もたれ部材5に比べて機械的強度を高くすることができる。
【0048】
更に、本実施例のベンチ1では、座面レベルが前方に向けて僅かに傾斜されているので、使用者は足腰に負担をかけることなく立ち座りをすることができる。この場合、座面レベルの前方への傾斜角度θが4°〜5°に設定されているので、使用者の足腰への負担を特に軽減することができる。
また更に、ベンチ1の座面高さHが500mm〜600mmに設定されているので、高齢者でも安心してベンチ1に腰を下ろすことができ、再びベンチ1から立ち上がるのも容易である。
【実施例3】
【0049】
図13および図14には他の実施例が示される。
図7〜図12に示した実施例2に対して、本実施例のベンチ1では、図13および図14に示す背もたれ部材5が使用される。
該背もたれ部材5は、中空の背もたれ芯部材21と、該背もたれ芯部材21を被覆する前後一対の断面略角形C字状の背もたれ被覆部材22,23と、該背もたれ芯部材21の両端に取り付けられる左右一対のキャップ部材24とを有している。
該背もたれ芯部材21は、前面部25と後面部26と両側面部27とを有し、該前面部25と該後面部26の中央部分には連結部28が差し渡されている。また、該両側面部27の中央部分には中央凹部29が凹設されている。更に、該左右の両側面部27の内側面の中央部分にはそれぞれ上下一対のビス止め条31が設けられており、該後面部26の内側面には該連結部28を挟んで二条の凸条部32が設けられている。背もたれフレーム4の取付け位置である該後面部26の凸条部32の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト止め孔32Aが設けられており、該凸条部32のボルト止め孔32Aには挿入ナット32Bが挿着されている。
また、本実施例の背もたれ芯部材21は、実施例1または実施例2の背もたれ芯部材21に比べて若干薄く形成されており、更に、該背もたれ芯部材21の両側面部27の中央凹部29の位置は、前面部25および後面部26からの中間位置、すなわち前面部25および後面部26から等距離の位置に設定されている。
【0050】
そして、実施例2と同様、該前側の背もたれ被覆部材22の後側縁部には、該背もたれ芯部材21の中央凹部29の前半部分に係止される係止爪部33が屈曲形成されており、また、該後側の背もたれ被覆部材23の前側縁部には、該背もたれ芯部材21の中央凹部29の後半部分に係止される係止爪部34が屈曲形成されており、該前側の背もたれ被覆部材22は該背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられている(図14参照)。更に、背もたれフレーム4の取付け位置である該後側の背もたれ被覆部材23の両端部および中央部にはそれぞれ二個のボルト挿通孔35が設けられている。
また、該キャップ部材24には、上下一対のビス挿通孔36が設けられており、更に、該キャップ部材24の内側面からは、該背もたれ芯部材21の前面部25、後面部26、連結部28に内側から当接して嵌合する複数個の嵌合リブ37が凸設されている(図10参照)。
【0051】
上記のように、本実施例では、該背もたれ芯部材21の両側面部27の中央凹部29の位置が、前面部25および後面部26からの中間位置に設定されているので、前側の背もたれ被覆部材22にボルト挿通孔35を設けるだけで、前側の背もたれ被覆部材22を後側の背もたれ被覆部材23として用いることができる。
したがって、本実施例のベンチ1では、部材(背もたれ被覆部材22,23)の汎用性が高く、製造コストを削減することができる。
【0052】
そして、本実施例でも、実施例2とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、実施例2と同様、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、四個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【0053】
また、実施例2と同様、背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22が背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられているので、該背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22をスライドさせて該背もたれ芯部材21から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の背もたれ部材5のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要がない。
【実施例4】
【0054】
図15には他の実施例が示される。
図7〜図12に示した実施例2に対して、本実施例のベンチ1は、図15に示すように、実施例2と同様の左右一対の脚フレーム2と、該左右一対の脚フレーム2の上に取り付けられる実施例2と同様の三個の座面部材3とを有している。
【0055】
そして、本実施例でも、実施例2とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、実施例2と同様、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【実施例5】
【0056】
図16には更に他の実施例が示される。
図7〜図12に示した実施例2に対して、本実施例のベンチ1は、図16に示すように、実施例2と同様の左右一対の脚フレーム2と、該左右一対の脚フレーム2の上に取り付けられる実施例2と同様の三個の座面部材3と、該座面部材3の両端に取り付けられる実施例2と同様の左右一対の肘掛けフレーム6とを有している。
【0057】
そして、本実施例でも、実施例2とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、実施例2と同様、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【実施例6】
【0058】
図17にはまた更に他の実施例が示される。
図1〜図6に示した実施例1に対して、本実施例のベンチ1は、図17に示すように、実施例1と同様の左右一対の脚フレーム2と、該左右一対の脚フレーム2の上に取り付けられる実施例1と同様の三個の座面部材3と、該座面部材3の中央部の下面に取り付けられる実施例1と同様の一個の背もたれフレーム4と、該脚フレーム2と一体に設けられている左右一対の略L字状の背もたれフレーム4Aと、該背もたれフレーム4,4Aの前面に取り付けられる実施例1と同様の二個の背もたれ部材5とを有している。
【0059】
そして、本実施例でも、実施例1とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、実施例1と同様、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【0060】
また、実施例1と同様、背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22が背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられているので、該背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22をスライドさせて該背もたれ芯部材21から容易に取り外すことができる。
したがって、二個の背もたれ部材5のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要がない。
【実施例7】
【0061】
図18には更に他の実施例が示される。
図7〜図12に示した実施例2に対して、本実施例のベンチ1は、図18に示すように、左右一対の略角形C字状の脚フレーム2と、該脚フレーム2の中央部に差し渡される補助フレーム50と、該左右一対の脚フレーム2の補助フレーム50の上に取り付けられる実施例2と同様の三個の座面部材3と、該座面部材3の中央部に取り付けられる実施例2と同様の肘掛けフレーム6とを有している。
【0062】
本実施例のベンチ1では、該両端の脚フレーム2の上辺部38が、両端の肘掛けフレームとして兼用されている。
また、該脚フレーム2の中央部には複数個のボルト孔51が縦列して設けられており、該複数個のボルト孔51のうちの二個を選択することにより、該補助フレーム50は該脚フレーム2に対して高さ調節可能とされている。
【0063】
そして、本実施例でも、実施例2とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【0064】
更に、本実施例では、脚フレーム2に対する補助フレーム50の取付け高さを調節することにより、使用者の体型に応じてベンチ1の座面高さHを容易に調節することができる。
【実施例8】
【0065】
図19にはまた更に他の実施例が示される。
図7〜図12に示した実施例2に対して、本実施例のベンチ1は、図19に示すように、左右一対の略角形C字状の脚フレーム2と、該脚フレーム2の中央部に差し渡される実施例7と同様の補助フレーム50と、該左右一対の脚フレーム2の補助フレーム50の上に取り付けられる実施例2と同様の三個の座面部材3と、該座面部材3の両端部および中央部の下面に取り付けられる三個の略L字状の背もたれフレーム4と、該背もたれフレーム4の前面に取り付けられる三個の背もたれ部材5と、該座面部材3の中央部に取り付けられる実施例2と同様の肘掛けフレーム6とを有している。
【0066】
本実施例のベンチ1でも、実施例7と同様、該両端の脚フレーム2の上辺部38が、両端の肘掛けフレームとして兼用されている。
また、実施例7と同様、該脚フレーム2の中央部には複数個のボルト孔51が縦列して設けられており、該複数個のボルト孔51のうちの二個を選択することにより、該補助フレーム50は該脚フレーム2に対して高さ調節可能とされている。
【0067】
そして、本実施例でも、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、座面部材3の座面被覆部材8が座面芯部材7にスライド着脱可能に取り付けられているので、該座面部材3の座面被覆部材8をスライドさせて該座面芯部材7から容易に取り外すことができる。
したがって、三個の座面部材3のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった座面部材3の座面被覆部材8のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要もない。
その上、該座面部材3の分解作業をする際に、金属製の部分である座面芯部材7と合成樹脂製の部分である座面被覆部材8とを容易に分離することができるので、リサイクルに非常に適している。
【0068】
また、実施例2と同様、背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22が背もたれ芯部材21にスライド着脱可能に取り付けられているので、該背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22をスライドさせて該背もたれ芯部材21から容易に取り外すことができる。
したがって、二個の背もたれ部材5のうちの一部または全部に磨耗や損傷、汚れの付着があった場合であっても、ベンチ1を分解することなく、該磨耗等があった背もたれ部材5の背もたれ被覆部材22のみを新しいものに交換することができ、交換する際の作業性が非常に良好であり、また、ベンチ1全部を新しいものに交換する必要がない。
【0069】
更に、本実施例では、脚フレーム2に対する補助フレーム50の取付け高さを調節することにより、使用者の体型に応じてベンチ1の座面高さHを容易に調節することができる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を実施例1〜実施例8により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
例えば、上記実施例以外、実施例2の座面部材3を背もたれ部材5として使用してもよく、また、実施例2の背もたれ部材5を座面部材3として使用してもよい。
【0071】
また、上記実施例以外、ベンチ1の座面レベルは、水平であってもよく、後方へ向けて緩やかに傾斜されていてもよく、更に、ベンチ1の座面高さHは、500mm未満の通常の高さに設定されていてもよい。
すなわち、上記実施例では、座面レベルが前方に向けて僅かに傾斜されておりかつ座面高さHが500mm〜600mmに設定されているものとして説明したが、上記実施例以外、座面レベルが前方に向けて僅かに傾斜されているだけで座面高さHが500mm未満に設定されているものであってもよく、また、座面高さHが500mm〜600mmに設定されているだけで座面レベルが前方に向けて僅かに傾斜されていないものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、一部の部材のみの交換が可能である上、交換する際の作業性が良好であり、かつ、リサイクルに非常に適しているベンチとして、産業上利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施例1のベンチの斜視図である。
【図2】実施例1の座面部材の分解斜視図である。
【図3】実施例1の座面部材の説明側断面図である。
【図4】実施例1の背もたれ部材の分解斜視図である。
【図5】実施例1の背もたれ部材の説明側断面図である。
【図6】実施例1のベンチの側面図である。
【図7】実施例2のベンチの斜視図である。
【図8】実施例2の座面部材の分解斜視図である。
【図9】実施例2の座面部材の説明側断面図である。
【図10】実施例2の背もたれ部材の分解斜視図である。
【図11】実施例2の背もたれ部材の説明側断面図である。
【図12】実施例2のベンチの側面図である。
【図13】実施例3の背もたれ部材の分解斜視図である。
【図14】実施例3の背もたれ部材の説明側断面図である。
【図15】実施例4のベンチの斜視図である。
【図16】実施例5のベンチの斜視図である。
【図17】実施例6のベンチの斜視図である。
【図18】実施例7のベンチの斜視図である。
【図19】実施例8のベンチの斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1 ベンチ
2 脚フレーム
3 座面部材
4 背もたれフレーム
4A 背もたれフレーム
5 背もたれ部材
6 肘掛けフレーム
7 座面芯部材
8 座面被覆部材
21 背もたれ芯部材
22 背もたれ被覆部材
23 背もたれ被覆部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚フレームと、該脚フレームに取り付けられる座面部材とを有しており、
該座面部材は、金属製の座面芯部材と、該座面芯部材を被覆する合成樹脂製の座面被覆部材とを有し、該座面被覆部材は、該座面芯部材に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするベンチ。
【請求項2】
該座面部材または該脚フレームには背もたれフレームが取り付けられ、該背もたれフレームには背もたれ部材が取り付けられており、
該背もたれ部材は、金属製の背もたれ芯部材と、該背もたれ芯部材を被覆する合成樹脂製の背もたれ被覆部材とを有し、該背もたれ被覆部材は、該背もたれ芯部材に着脱可能に取り付けられている請求項1に記載のベンチ。
【請求項3】
該脚フレームと該背もたれフレームとは一体である請求項2に記載のベンチ。
【請求項4】
該座面部材または該脚フレームには肘掛けフレームが取り付けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のベンチ。
【請求項5】
該合成樹脂は、ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項4のいずれかに記載のベンチ。
【請求項6】
該ポリエステル樹脂は、再生ポリエステル樹脂である請求項5に記載のベンチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−192095(P2006−192095A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7035(P2005−7035)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】