説明

ペットフード用の食味向上剤およびその製造方法

2−メチルフラン、2−メチルピロール、2−メチル−チオフェン及びジメチルジスルフィドから選択される少なくとも一の香料を動物または植物の消化組成物と混合することを有する、ペットフード製品用食味向上剤の製造方法。本食味向上剤を含むペットフード製品もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットフード用の食味向上剤およびその製造方法に関する。特に、本発明は、肉などの食欲をそそるフレーバーを提供する食味向上剤に関する。さらに特に、本発明は、猫や犬により受け入れられやすいフレーバーを向上することによって水分含量の低いあるいは高いペットフードの食味を向上する方法に関する。
【0002】
本明細書で使用される「乾燥ペットフード」ということばは、水分含量の低いペットフードを含むと解されるべきである。例えば、乾燥ペットフードは、水分含量が0であることは、通常、微生物の成長を支持するのに十分でないため、約20%未満の水分を含んでもよい。高い水分含量のペットフードは、幾分水分を含む(semi-moist)缶詰のペットフードを含むものである。本発明は、全てのタイプに適用できるが、家畜にはあまり魅力的でないことが多い乾燥ペットフードで特に有効である。
【背景技術】
【0003】
乾燥ペットフードに関連した利点としては、通常、水分を含むペットフードに比べて、同じ重量基準では、栄養がより多く、より安価な包装でよく、そして使い勝手がよいことがある。しかしながら、家畜は、しばしば、味に非常にうるさいため、食味を向上することによって、乾燥ペットフードの配達可能性を有意に向上する。味を改善するために、様々な材料が、表面を非被覆するのに用いられおよび/またはフレーバーを改良するために乾燥成分と混合されてきた。例えば、リン酸で、風味向上剤として乾燥したキャットフードの表面を被覆した。より詳細には、米国特許第3,679,429号には、ペットフードのペレットを脂肪やリン酸またはクエン酸などの風味を向上する酸で被覆することによって、乾燥したキャットフードの風味を向上する方法が開示される。
【0004】
乾燥ペットフードの風味は、フレーバーを塗布することによっても向上する可能性がある。一例としては、フレーバーが、肉やチーズの香味料(flavoring)として、米国特許第5,186,964号に記載される。
【0005】
しかしながら、肉やチーズの香味料を使用することでは、必ずしも容易には達成しえない。ペット用のフレーバー剤(flavorant)や食味向上剤を開発する際の厄介な問題の一つに、予測できないことがある。さらに、ヒトでは有効に働くフレーバー剤が、ペットでは同じような効果で働かないことが多い。同様にして、一つの種で効果のあるフレーバー剤が、異なる動物群では同様に働かない可能性がある。さらに、ペットは、自分たちの好みを有効な方法で表現することができない。したがって、食味試験を用いなければならない。
【0006】
焦点となる主要な分野の一つとして、食欲をそそるような肉のフレーバーをペットフードに付与することがある。実際、このような努力は、ヒトの食品にフレーバーをつけることについても同時になされている。動物では、具体的には、ニワトリの内臓、熱及び肝臓消化物を用いて、なされている。しかしながら、ペットフード、特に乾燥ペットフード食味に対して増している要求を満たすことができないため、このようなフレーバーをつけるシステムは幾分望ましくない。
【0007】
ヒトでは、リン脂質が望ましい肉の香りを作りだすことを開示した米国特許第5,039,543号に記載されているように、人工的な肉のフレーバー剤について調査が行なわれている。特に、食欲をそそるような肉の香りやフレーバーを有すると記載されるフレーバー剤は、動物由来のリン脂質やリン脂質との反応性のある硫黄含有化合物から構成される。同様にして、参考で本明細書中に引用される、米国特許第4,045,587号には、一般的に、環状カルボニル化合物から構成される肉のフレーバー剤が開示される。さらに、人工的な肉のフレーバーの説明が、参考で本明細書中に引用される、米国特許第3,892,878号になされている。ここでは、特定のアルカンチオールやアルカンメルカプトスルフィド(alkane mercapto sulfide)が、ヒトにとってはローストした肉の味を提供するように食材のフレーバーを変えると、記載される。
【0008】
興味深いことに、これらの様々な人工的な肉のフレーバーが成功したことは疑わしいものの、多くのヒトの食品は、依然として、天然のフレーバーや酵母の組み合わせに頼っている。さらに、家畜の特有で独特な食味の要求を満たすことに成功したことが示された人工的な肉のフレーバー剤の開発は成功していなかった。
【0009】
したがって、容易に貯蔵でき、保存でき、さらに比較的安価であるが食欲をそそる肉のようなフレーバーを提供する肉のフレーバー剤を利用できることは、動物飼料の分野では望ましいであろう。
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
本発明は、このような必要性を満足する。
【0011】
ペットフード製品用食味向上剤(palatability enhancer)の製造方法が提供される。本方法は、2−メチルフラン、2−メチルピロール、2−メチル−チオフェン及びジメチルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一の香料を動物または植物の消化組成物と混合することを有する。一実施形態においては、本方法は、さらに、(a)少なくとも一の還元糖を前記少なくとも一の香料及び前記消化組成物と混合して混合物を形成し;および(b)前記混合物を加熱して反応プロセスを開始することをさらに有する。他の実施形態においては、前記混合物は、キシロース、ラムノース、グルコース、フルクトース、及びリボースからなる群より選択される少なくとも一の還元糖をさらに含む。別の実施形態は、システイン、シスチン、グルタチオン、メチオニン、チアミン、硫化ナトリウム、及び硫化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一の硫黄含有化合物を、前記混合物に添加することを含む。
【0012】
一実施形態においては、香料を加熱前または加熱後に混合物に添加する。他の実施形態においては、混合物を約60℃〜約180℃に加熱する。さらに他の実施形態においては、混合物を約90℃〜約130℃に加熱する。一実施形態においては、混合物は、約1分〜約4日間加熱される。他の実施形態においては、反応プロセスは、2.5〜10のpHで行なわれる。さらなる他の実施形態においては、反応プロセスは、6〜9のpHで行なわれる。
【0013】
他の実施形態においては、本方法は、食味向上剤をポークベース、チキンベース、野菜ベース、魚ベース、またはこれらの混合物に塗布する(apply)ことをさらに有する。さらなる実施形態においては、動物の消化組成物は、ブタの内臓、ニワトリの内臓、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される内臓を含む。
【0014】
別の実施形態は、食味向上剤を、酸化すると基礎組成物中にアルデヒドまたはケトンを形成する不飽和脂肪酸を亜硫酸水素アニオン源と接触することによって形成される有機亜硫酸塩を含む基礎組成物と、混合することをさらに有する。
【0015】
さらなる他の実施形態においては、本方法は、食味向上剤を基礎組成物と一緒に押し出して、乾燥または半乾燥のキブル(kibble)を形成することをさらに有する。他の実施形態は、キブル(kibble)を押し出した後に、前記食味向上剤をキブルの表面に塗布することを有する。
【0016】
調理された水分を含むペットフード製品を食味向上剤と接触させる調理された水分を含むペットフード製品の食味の向上方法もまた提供される。一実施形態においては、食味向上剤を、調理前に前記ペットフード製品と接触する。
【0017】
他の実施形態においては、ペットフード製品は、別の食味向上組成物を含む。さらなる他の実施形態においては、別の食味向上組成物は、ピロリン酸、ポリリン酸塩、リン酸、リン酸塩、トリポリリン酸、トリポリリン酸塩、ヘキサポリリン酸、ヘキサポリリン酸塩、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、フマル酸、フマル酸塩、乳酸、乳酸塩、酢酸、酢酸塩、ギ酸、ギ酸塩、ヘキサミン酸及びヘキサミン酸塩からなる群より選択される一以上の化合物を、食味を向上できる量、含む。
【0018】
一実施形態においては、ペットフード製品は、食品用の生肉または食肉処理された獣の肉以外の有用物(meat by-product)を含む。他の実施形態においては、肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物は、牛、豚、羊、ラム、鶏、アヒル、マグロ、サケ、タラ、ホワイトフィッシュ及びエビ由来の肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物から選択される。
【0019】
さらなる他の実施態様においては、ペットフード製品は、動物脂肪もしくは油または植物脂肪もしくは油を含む。
【0020】
一実施形態においては、本方法は、バッチプロセスである。他の実施形態においては、本方法は、連続プロセスである。
【0021】
本食味向上剤を含む押出ペットフード組成物もまた提供される。他の実施形態においては、本食味向上剤を含む水分を含む調理されたペットフード組成物が提供される。
【0022】
本発明の他の態様は、下記説明及び特許請求の範囲で指摘され、これらは、本発明の原理、および上記を実施するために現在包含される最良の形態を開示する。
【0023】
図面の簡単な説明
図1は、本発明で使用される代表的な香料の構造を示す。
【0024】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、乾燥したまたは水分含量の高いペットフードに改良された肉のフレーバーを付与する、食味向上剤の製造用法および当該方法で得られる食味向上剤に関する。
【0025】
動物の被検体から直接評価を得ることができないため、ペットフード産業でペットフードのフレーバー性能を一般的に測定する方法としては、食味試験(Palatability Testing): Two- Part Tests, Methods and Data Analysis Techniques; Griffin, R., September/October Pet Food Industry, 1996に記載されるのと同様の、2日間、1回の試験あたり最低20匹の動物(犬または猫)を用いて個々の動物のエサの摂取率に基づいた、2ボウル自由選択法(two bowl, free choice methodology)がある。さらに、動物の挙動を根本的に扱うことによって、ペットフード評価プロセスに関連した複雑性を低減することができる。詳細には、ペットフードの摂取量が多いほど、そのペットフードの食味がよいと判断する。このような判断によって、ペットフードの動物の認識評価に関して結論または推定が下される。
【0026】
本発明は、少なくとも一の香料を、動物または植物の消化組成物(animal or vegetarian digest composition)と混合して、ペットフードの食味性能を有意に改善することのできるフレーバー剤を得ることにかかわる。香料及び消化組成物は、さらに少なくとも一の還元糖とあわせることにより混合物を形成し、これをさらに加熱してフレーバー剤を製造するための反応プロセスを開始してもよい。この混合物は、少なくとも一の硫黄含有化合物をさらに含んでもよい。本発明の方法は、通常、バッチプロセスまたは連続プロセスで行なわれる。
【0027】
さらに、本発明の方法は、通常、高温で行なわれる。反応温度範囲は、通常、約100〜280Kpaの圧力下で、約60℃〜約180℃、好ましくは約90℃〜約130℃で行なわれる。反応プロセスは、通常、2.5〜10のpHで、好ましくは6〜9のpHで行なわれる。
【0028】
反応は、適当な時間、例えば、1分〜数日間にわたって行なわれうる。10分〜5時間が一般的な反応時間である。より詳しくは、反応時間は、所望の最終温度に混合物を加熱するのにかかる時間や反応メカニズムを終了させるのに十分なまで反応物を冷却するのにかかる時間により依存することが多い。しかしながら、反応時間は、どのような反応産物を得るのかに影響されると考えられる。
【0029】
消化物(digest)は、動物の消化物であってもあるいは植物の消化物であってもよい。好ましい動物の消化組成物(digest composition)は、豚、鶏、牛、ラム、または魚の臓物等の、内臓を含む。好ましい内臓としては、ニワトリの心臓がある。動物の消化組成物は、肝臓等の、内臓以外の組織を含んでもよい。
【0030】
好ましい硫黄含有化合物としては、システイン、シスチン、グルタチオン、メチオニン、チアミン、硫化ナトリウム、及び硫化アンモニウムが挙げられる。しかしながら、所望の反応産物を得られるならば、いずれの硫黄含有化合物をプロセスに用いてもよい。硫黄含有化合物の具体的な量は、動物の消化物の、約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.2〜約2重量%である。
【0031】
適当な還元糖としては、キシロース、ラムノース、グルコース、フルクトース、及びリボースが挙げられる。還元糖の具体的な量は、動物の消化物の、約0.1〜約20重量%、好ましくは約1〜約10重量%である。
【0032】
本方法は、組成物を加熱する前に、2−メチルフラン、ジメチルジスルフィド、2−メチル−チオフェン、2−メチルピロールまたはこれらの組み合わせからなる群より選択される香料を、動物の消化組成物に添加することを含む。または、2−メチルフラン、ジメチルジスルフィド、2−メチル−チオフェン、2−メチルピロールまたはこれらの組み合わせを、加熱後に組成物に添加してもよい。添加する際の、香料の具体的な量は、動物の消化物の重量に対して、約5×10−9(ppb)〜約500×10−6(ppm)、好ましくは約20ppb〜約300ppmである。2−メチルフランの好ましい量は、約2〜約1000ppmである。2−メチル−チオフェンの好ましい量は、約0.2〜約1000ppmである。ジメチルジスルフィドの好ましい量は、約0.2〜約1000ppmである。
【0033】
上記方法によって製造される食味向上剤は、製造形態で使用されてもあるいは他の成分と混合して混合フレーバーとしてもよい。食味向上剤はまた、ピロリン酸、ポリリン酸塩、リン酸、リン酸塩、トリポリリン酸、トリポリリン酸塩、ヘキサポリリン酸、ヘキサポリリン酸塩、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、フマル酸、フマル酸塩、乳酸、乳酸塩、酢酸、酢酸塩、ギ酸、ギ酸塩、ヘキサミン酸及びヘキサミン酸塩等の、一以上の化合物を、食味を向上する量、含む別の食味向上組成物と混合してもよい。
【0034】
本発明に係る方法はまた、食味向上剤を、有機亜硫酸塩を含む基礎組成物に添加することを含む。ここで、有機亜硫酸塩は、酸化すると基礎組成物中にアルデヒドまたはケトンを形成する不飽和脂肪酸を亜硫酸水素アニオン源と接触することによって形成される。基礎組成物を処理して有機亜硫酸塩を形成する方法は、2005年6月17日に提出の米国特許出願第60/692,035号に記載され、その開示は参考で全体を本明細書中に引用される。
【0035】
本発明はまた、上記したようにして調製された食味向上剤を含む乾燥または半乾燥のキブル(kibble)および調理された水分を含むペットフードの調製方法を包含する。食味向上剤を含む乾燥または半乾燥のキブル(kibble)および水分を含む調理されたペットフードなどの、食味向上剤を含む組成物もまた提供される。
【0036】
この説明中に称される、「乾燥または半乾燥のペットフード(dry and semi-dry companion animal food)」は、通常、水分含量が約50重量%以下のタンパク性およびデンプン質の材料の栄養的にバランスのとれた混合物に関する。水分を含むペットフード製品(moist companion animal food product)は、通常、水分含量が約50重量%を超えるタンパク性およびデンプン質の材料の栄養的にバランスのとれた混合物に関する。
【0037】
水分を含むペットフード製品中の、タンパク質性及びデンプン質の材料は、一般的に、ゼラチン等の親水コロイドを有する固体塊中に形成される。水分を含むペットフード製品中の肉は、実際の肉の大きな塊によってまたは再形成された乳化された肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物(meat by-product)によって供給されうる。また、水分を含むペットフードは、必要であれば、親水コロイド及び香味料(flavoring)から調製された肉汁成分(gravy component)を含んでもよい。
【0038】
特定のリストに記載される成分は、例えば、特定のタイプのペットの所望の栄養バランス、および製造社の成分の供給力等の要因に左右されるため、本明細書中に記載されるペットフード組成物はこのような成分の特定のリストに限定されるものではない。タンパク質性及びデンプン質性の材料に加えて、ペットフード組成物は、ビタミン、ミネラル、ならびに香味料、保存剤、乳化剤及び保湿剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。ビタミン、ミネラル、脂肪、タンパク質及び炭水化物の相対的比率を含む、栄養バランスは、獣医学分野において既知の栄養基準量に従って決定される。例えば、キャットフード組成物の栄養バランスは、猫の既知の食事の要件(dietary requirement)に従って決定される。
【0039】
適当なタンパク質性材料としては、大豆、綿実、及びピーナッツ等の植物性タンパク質;カゼイン、アルブミン、及び魚肉組織や生魚組織等の生の動物組織等の動物性タンパク質;ならびに魚粉、豚粉(poultry meal)、肉粉、骨粉等の乾燥したあるいは溶かした(rendered)粉(meal)などの、タンパク質含量が少なくとも約15重量%含む材料が挙げられる。他のタイプの適当なタンパク質性材料としては、小麦グルテンまたはトウモロコシグルテン、および酵母等の微生物タンパク質が挙げられる。
【0040】
適当なデンプン質材料は、トウモロコシ、ミロ、アルファルファ、小麦、大麦、米、大豆皮等の穀物、及びタンパク質含量の低い他の穀物などの、タンパク質含量が約15重量%未満でありかつデンプンまたは炭水化物をかなり大きな割合で含む材料を含んでもよい。タンパク質性及びデンプン質材料に加えて、他の炭水化物や乳清や他の乳製品副産物等の他の材料を添加してもよい。加えて、例えば、コーンシロップまたは糖蜜等の既知の香味料を添加してもよい。
【0041】
通常、本明細書中で使用される「ペットフード製品(companion animal food product)」は、実質的にはペットのみのための食べ物を提供することを意図する市販の、栄養のバランスのとれた組成物に適用する。ゆえに、このような組成物は、ペットの健康を維持するような最小限のタンパク質含量を有するものとして記載されてもよい。しかしながら、ペットフードの最小限のタンパク質含量は、動物の年齢や飼育状態によって異なる。
【0042】
例えば、飼育しているメス猫や子猫用の栄養バランスのとれたキャットフードは、乾燥物基準で少なくとも約28重量%の最小タンパク質含量を必要とする。大人の野良猫(non-breeding and adult cat)用の栄養バランスのとれたキャットフードは、乾燥物基準で少なくとも約26重量%の最小タンパク質含量を必要とする。より具体的には、大人の野良猫(adult, non-breeding cat)用の市販のキャットフード組成物のタンパク質含量は、食べ物がどのような猫の栄養上の必要性をも確実に満たすように、乾燥物基準で約30重量%である。
【0043】
加えて、ビタミンやミネラルは、既知のAmerican Association of Feed Control Officials(AAFCO)のガイドラインに従って添加される。このようなAAFCOプロフィールとしては、炭酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化コリン、タウリン、酸化亜鉛、硫酸第一鉄、ビタミンE、ビタミンA,ビタミンB12、ビタミンD3、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビオチン、硝酸チアミン、硫酸銅、葉酸、及びピロキシジン(pyroxidine)が挙げられる。
【0044】
乾燥または半乾燥のペットフードは、様々な方法によって調製されうる。市販ベースで広く使用されるこのような方法の一としては、cooker−extruder法がある。cooker−extruder法では、まず、乾燥成分を一緒に混ぜて混合物を形成する。この混合物を、スチームコンディショナー(steam conditioner)中に移して、ここで押出可能になるように十分湿らせる。次に、混合物をクッカー/エクストルーダー(cooker/extruder)に入れて、ここで高温高圧で短時間調理した後、ダイを通して装置から押し出す。このダイにより、押出物を特定の形状に成形する。
【0045】
押し出された一連の製品の末端を定期的にスライスすることによって、製品の個々のピースを作製する。次に、個々のピース、またはキブル(kibble)を、熱風乾燥機で乾燥する。通常、製品は、約15%未満の水分、及び好ましくは約5〜12%の水分になるまで乾燥する。得られたペブル(pebble)またはキブル(kibble)がペットフード組成物を構成する。
【0046】
乾燥または半乾燥のペットフード製品では、次に、乾燥した粒子またはピースを、バルクコンベヤー(bulk conveyor)でコーティングドラムに移し、これに動物脂肪を噴霧する。または、例えば、クエン酸またはリン酸等の他の液体は、食味向上剤の被膜を実際塗布する間または塗布した後に、ピースに塗布する、あるいは動物脂肪と共にもしくは動物脂肪に加えて塗布してもよい。
【0047】
被膜は連続層である必要はないが、均一であることが好ましい。脂肪を冷却した後は、脂肪被覆を行なわない場合には、食味向上剤は、製品を混合する間、乾燥粉末もしくは液体のいずれとして、または双方で塗布されてもよい。液状の食味向上剤は、通常、噴霧され、一方、乾燥した食味向上剤は、通常、好ましくは粒子またはピース上により均一に塗布できるように、網目スクリーンをとおして、はたく(dusted on)。または、食味向上剤を、脂肪と一緒に混合して、同時に塗布してもよい。被覆の均一性を達成するために多層皮膜を塗布してもよいことに留意する。
【0048】
押出製品では、食味向上剤は、混合するもしくは蒸気で調整する(steam conditioning)間乾燥した食味向上剤を成分に添加する、または食味向上剤の水溶液をクッカー/エクストルーダー(cooker/extruder)に添加することによって、押出前に家畜飼料またはペットフードの成分と接触させてもよい。また、食味向上剤の水溶液を押出された粒子もしくはピースに塗布してもよい。
【0049】
肉汁ベースの水分を含んだペットフード製品は、肉、肉様材料(meat mimetics)または食肉処理された獣の肉以外の有用物(meat by-product)をすりつぶした後、調理するスチームトンネル(steaming tunnel)をとおして低圧押出によりすりつぶした混合物を成形することによって調製される。次に、デンプン及び結合剤を加え、その後、混合物を小片に切断し(cut into pieces)、水または肉汁と混ぜて、缶に密封し、漏水検出器、連続レトルト(continuous retort)またはロータリーステリトルト(rotary steritort)中で調理する。
【0050】
肉汁ベースではない水分を含んだペットフード製品は、肉、肉様材料(meat mimetics)または食肉処理された獣の肉以外の有用物(meat by-product)を液体に浸して柔らかくし、柔らかくした材料を水、デンプン及び結合剤と共に再成形することによって調製する。次に、この混合物を、缶に密封し、漏水検出器、連続レトルト(continuous retort)またはロータリーステリトルト(rotary steritort)中で調理する。
【0051】
半分水分を含んだ製品(semi-moist product)は、肉、食肉処理された獣の肉以外の有用物(meat by-product)または肉様材料(meat mimetics)を液体に浸して柔らかくし、混合物を予め調理した後、これを、グリセロール、ポリソルベート、ツィーン等の保湿剤と混合して、水を保持するように補う。得られた混合物は、成形して、缶もしくはレトルト用の袋に入れてもあるいは圧縮成形して(press-form)、袋内で調理もしくはレトルトしてもよい。
【0052】
本発明の目的で、肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物は、動物種及び魚種由来の肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物を包含するものと定義される。本発明の方法によって食味を向上できる動物の肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物の例としては、下記に限定されるものではないが、牛、豚、羊またはラム、鶏、アヒルなど由来の肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物が挙げられる。使用できる魚加工品及び魚副産物の例としては、下記に限定されるものではないが、マグロ、タラ、ホワイトフィッシュ、エビなど由来の魚加工品及び魚副産物が挙げられる。
【0053】
本発明によって食味を向上できる不飽和動物脂肪及び油ならびに植物油の例としては、獣脂、鶏脂、及びラード等の動物脂肪ならびに菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、綿実油、菜種油、アマニ油、大豆油、オリーブ油、トウモロコシ油等の植物油、ならびにこれらの副産物が挙げられる。動物油の例としては、メンハーデン、ニシン、サバ、カプラン、テラピア、マグロ、イワシ、サンマ、オキアミ、サケ、アンチョビ、ガンギエイ、クジラ、アザラシ、カニ、エビ、ロブスター、ウナギ、軟体動物等の源由来の魚油などの、魚油およびこれらの副産物が挙げられる。また、植物油としては、藻、ケルプ等の海洋植物由来の油が挙げられる。
【0054】
本発明の方法及び組成物は、必要であれば、一以上の別の食味向上化合物を含み、この例としては、ピロリン酸ならびにこのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、リン酸ならびにこのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、トリポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、ヘキサポリリン酸のカリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、またはクエン酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酢酸、ギ酸及びヘキサミン酸等の有機酸ならびにこのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩などが挙げられる。適当な食味向上組成物の例としては、2005年5月19日に公開された米国特許出願公開第2005/0106285号に開示され、これは参考で本明細書中に引用される。
【0055】
好ましくは調理前に、予め食味向上剤と接触させた水分を含んだペットフード組成物もまた包含される。好ましい製品は、原料をペットフード製品に添加する前に原料を接触させることによって食味向上剤と接触させる。
【0056】
本発明の食味向上剤は、約0.1重量%〜80重量%の一以上の食味向上化合物を含み、この例としては、上記例示したとおりである。約5〜約50重量%の食味向上化合物量が好ましく、約10〜約35重量%の量がより好ましく、約15〜約30重量%の量がさらにより好ましい。
【0057】
本食味向上剤は、一以上の食味向上化合物が最終ペットフード製品の約0.01〜約500重量ppmを構成するように、配合、適用される。好ましくは、本食味向上剤は、一以上の食味向上化合物が最終ペットフード製品の約0.1重量ppm〜約0.05重量%、より好ましくは約1〜約100重量ppm、およびさらにより好ましくは約2〜約40重量ppmを構成するように、配合、適用される。
【0058】
約5〜約99wt.%の一以上の製品または上記した肉製品、食肉処理された獣の肉以外の有用物、肉様材料(meat mimetics)、乳製品および乳製品副産物から選択される一以上の製品または副産物が、本発明に係る好ましい食味向上剤に包含される。使用できる乳製品および乳製品副産物の例としては、以下に制限されないが、チーズ、乳タンパク質、乳清等由来の製品及び副産物が挙げられる。
【0059】
好ましい製品および副産物は、単独であるいは組み合わせて存在してもよいが、牛や豚の製品及び副産物である。魚製品や魚副産物もまた好ましい。約20〜約70wt.%の製品または副産物の量が好ましい。
【0060】
約0.01〜約60wt.%の一以上のアミノ酸を含む食味向上剤が本発明に係る同様のあるいは他の好ましい食味向上剤に包含される。使用できるアミノ酸の例としては、以下に制限されないが、アラニン、グリシン、システイン等が挙げられる。単独であるいは組み合わせて存在してもよい、好ましいアミノ酸としては、グリシン、L−アラニンなどがある。約0.1〜約4.0wt.%のアミノ酸量が好ましい。
【0061】
約5〜70wt.%の一以上の微生物または植物タンパク質を含む食味向上剤が、本発明に係る同様のあるいは他の好ましい食味向上剤に含まれる。使用できる微生物のタンパク質の例としては、以下に制限されるものではないが、ビール酵母、パン酵母などが挙げられる。使用できる植物のタンパク質の例としては、以下に制限されるものではないが、トウモロコシグルテン、大豆タンパク質、大豆粉、植物タンパク質加水分解物(HVP)などが挙げられる。約10〜約40wt.%の微生物または植物タンパク質の量が好ましい。
【0062】
約0.01〜約50wt.%の一以上の炭水化物を含む食味向上剤が、本発明に係る同様のあるいは他の好ましい食味向上剤に含まれる。使用できる炭水化物の例としては、以下に制限されるものではないが、グルコース、キシロース、フルクトース、デンプン加水分解物などが挙げられる。約10〜約30wt.%の炭水化物の量が好ましい。
【0063】
好ましい配合の一例としては、固形分が約10〜約40wt.%の一以上の食味向上化合物;約30〜約60wt.%の一以上の動物製品、動物副産物、魚製品、魚副産物、乳製品及び乳副産物から選ばれる一以上の製品または副産物;約25〜約35wt.%の一以上の微生物タンパク質源;約1〜約9wt.%の亜硫酸水素塩;約0.1〜約1.0wt.%の一以上の抗酸化剤;約2〜約4wt.%の一以上のアミノ酸;および約0.5〜約60wt%の一以上の炭水化物を含む。
【0064】
乾燥配合物は、約96wt%の固形分を有する。液状配合物は、水で全固形分が約10wt%と低くなるように希釈してもよく、また、スプレー用途に適する粘度及びレオロジーとなるように、約50wt%以下の固形分にすることが好ましい。
【0065】
また、水分は、亜硫酸水素塩水溶液等の水分を含む成分または液状成分によって供給されてもよく、この際の量は、製品の固形分を維持するための既知の技術によって選択される。本発明に係る液状配合物は、約2〜約9のpHを有する。好ましい液状配合物は、約2〜約3のpHを有する。
【0066】
例えば、本発明に係るチキン副産物(chicken byproduct)由来の食味向上剤の組成は、下記のとおりである。
【0067】
【表1】

【0068】
本発明に係る液状の食味向上剤配合物を作製するためには、例えば、市販の液体成分をミキサーで混合する。水分を含む成分を、粉砕するあるいは乳化してスラリーにし、液体成分をこれと混合する。市販のプロテアーゼをスラリーに加えて、タンパク質を加水分解した後、熱、酸または他の方法で不活性化してもよい。また、ソルビン酸等の保存剤を添加してもよい。水を添加して、スプレー塗布しやすいように、スラリーの粘度や固形分を調節する。水を含む食味向上剤を、均一な被覆になるように製品にスプレーして、乾燥させる。
【0069】
食味向上剤の乾燥配合物は、バッチミキサー中で所望の割合で、食味向上化合物、乾燥メタ重亜硫酸塩、アミノ酸、無機酸塩及び有機材料等の、市販の乾燥成分を合わせ、乾燥する前に均質になるように混合することによって、本発明の一実施形態にしたがって調製される。
【0070】
他の乾燥配合物の実施形態によると、水を含む成分及び乾燥した成分を、均質な混合物が形成されるまで、ミキサー中で水を含む成分を乾燥した成分の全部または一部と混合することによって合わせる。この混合物を、例えば、蒸発または凍結乾燥によって乾燥し、乾燥した粉末状の製品を成形した後、均質な混合物が形成されるまで、タンブラー中で残りの乾燥成分と混合する。
【0071】
下記に記載される以下の実施例により、本発明の特定の概念を詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を制限するものではなく、むしろ、好ましい実施形態を例示するためのものである。すべての「部」及び「%」は、特記しない限り、重量比であり、すべての温度はセ氏温度で記載される。
【0072】
実施例
実施例1:チキン副産物由来の食味向上剤の調製
チキン副産物消化物(chicken byproducts digest)、キシロース溶液、1−システイン塩酸塩、及びチアミンの反応混合物を、下記量を用いて調製した。
【0073】
【表2】

【0074】
混合物のpHを、水酸化ナトリウム溶液を用いて8に調節した。
【0075】
次に、この反応混合物を、90℃〜100℃の温度に蒸気加熱し、反応を開始した。蒸気は、凝縮した膨脹水(condensed expansion water)の形態で式量に寄与した。この反応混合物を、所望の肉の香りを発生させるために、90分間、所望の温度で維持した。得られた食味向上剤を、特定の配合量のリン酸、ソルビン酸溶液、及び混合トコフェエロールを用いて保存した。
【0076】
実施例2:副産物由来の向上剤対肝臓由来の向上剤の食味試験
第1の配合では、市販の標準乾燥ドッグフード(Crosswind Industries, Kansas)を、2%(wt/wt)の実施例1に従って調製された食味向上剤で被覆した。第2の配合では、当該標準的な乾燥ドッグフードを、2%(wt/wt)のブタ肝臓由来の市販の食味向上剤で被覆した。
【0077】
約20匹の犬のパネルに、2日間の標準的な2ボウル自由選択法(a standard two-bowl, two-day, free choice method)で、これら2種の配合物を提示した。被検体である犬による消費量は、これら2種の配合物について、同量であった。
【0078】
実施例3:副産物由来の向上剤対副産物消化物(Byproducts Digest)の食味試験
第1の配合では、市販の標準乾燥ドッグフード(Crosswind Industries, Kansas)を、2%(wt/wt)の、実施例1に記載された食味向上剤を調製するための出発材料として使用されたチキン副産物消化物で被覆した。第2の配合では、当該標準的な乾燥ドッグフードを、2%(wt/wt)のブタ肝臓由来の市販の食味向上剤で被覆した。
【0079】
実施例2に記載されるのと同様にして、食味試験を行なった。被検体である犬は、消費割合が約2.8:1でありかつ第1の配合物を選択する割合が約5.3:1と、副産物消化物に比して肝臓由来のコントロールフレーバーを好んだ。
【0080】
実施例4:2ppmの2−メチルフランを加えた副産物由来の向上剤対肝臓由来の向上剤の食味試験
第1の配合では、市販の標準乾燥ドッグフード(Crosswind Industries, Kansas)を、2%(wt/wt)の予め2ppmの2−メチルフランを入れた実施例1に従って調製された食味向上剤で被覆した。第2の配合では、当該標準的な乾燥ドッグフードを、2%(wt/wt)のブタ肝臓由来の市販の食味向上剤で被覆した。
【0081】
実施例2に記載されるのと同様にして、食味試験を行なった。被検体である犬は、消費割合が約1.7:1でありかつ第1の配合物を選択する割合が約2:1と、2−メチルフラン/副産物由来のフレーバーの方を好んだ。
【0082】
実施例5:0.02ppmの2−メチルフランを加えた副産物由来の向上剤対肝臓由来の向上剤の食味試験
第1の配合では、市販の標準乾燥ドッグフード(Crosswind Industries, Kansas)を、2%(wt/wt)の予め0.02ppmの2−メチルフランを入れた実施例1に従って調製された食味向上剤で被覆した。第2の配合では、当該標準的な乾燥ドッグフードを、2%(wt/wt)のブタ肝臓由来の市販の食味向上剤で被覆した。
【0083】
実施例2に記載されるのと同様にして、食味試験を行なった。被検体である犬は、消費割合が約1.4:1でありかつ第1の配合物を選択する割合が約2:1と、2−メチルフラン/副産物由来のフレーバーの方を好んだ。
【0084】
本発明の様々な実施形態に関する上記説明から、本発明の目的が達成されることは明らかである。本発明を詳細に記載、説明してきたが、これは本発明を詳細に説明するものであり、単なる例示であり、本発明を限定するものではないことは、明らかに解されるであろう。したがって、本発明の概念及び範囲は、特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、本発明で使用される代表的な香料の構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−メチルフラン、2−メチルピロール、2−メチル−チオフェン及びジメチルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一の香料を動物または植物の消化組成物と混合することを有する、ペットフード製品用食味向上剤の製造方法。
【請求項2】
(a)少なくとも一の還元糖を前記少なくとも一の香料及び前記消化組成物と混合して混合物を形成し;および(b)前記混合物を加熱して反応プロセスを開始することをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記香料を加熱前または加熱後に混合物に添加する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記食味向上剤をポークベース、チキンベース、野菜ベース、魚ベース、またはこれらの混合物に塗布する(apply)ことをさらに有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記動物の消化組成物は、ブタの内臓、ニワトリの内臓、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される内臓を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
システイン、シスチン、グルタチオン、メチオニン、チアミン、硫化ナトリウム、及び硫化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一の硫黄含有化合物をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも一の還元糖は、キシロース、ラムノース、グルコース、フルクトース、及びリボースからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記混合物は、約60℃〜約180℃に加熱される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記混合物は、約90℃〜約130℃に加熱される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記混合物は、約1分〜約4日間加熱される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記反応プロセスは、2.5〜10のpHで行なわれる、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記反応プロセスは、6〜9のpHで行なわれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記食味向上剤を、酸化すると基礎組成物中にアルデヒドまたはケトンを形成する不飽和脂肪酸を亜硫酸水素アニオン源と接触することによって形成される有機亜硫酸塩を含む基礎組成物と、混合することをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記食味向上剤を基礎組成物と一緒に押し出して、乾燥または半乾燥のキブル(kibble)を形成することをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
キブル(kibble)を押し出した後に、前記食味向上剤をキブルの表面に塗布することをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
調理された水分を含むペットフード製品を、請求項1に記載の方法に従って調製された食味向上剤と接触することを有する、調理された水分を含むペットフード製品の食味の向上方法。
【請求項17】
前記食味向上剤を、調理前に前記ペットフード製品と接触する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ペットフード製品は、別の食味向上組成物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記別の食味向上組成物は、ピロリン酸、ポリリン酸塩、リン酸、リン酸塩、トリポリリン酸、トリポリリン酸塩、ヘキサポリリン酸、ヘキサポリリン酸塩、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、フマル酸、フマル酸塩、乳酸、乳酸塩、酢酸、酢酸塩、ギ酸、ギ酸塩、ヘキサミン酸及びヘキサミン酸塩からなる群より選択される一以上の化合物を、食味を向上する量、含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ペットフード製品は、食品用の生肉または食肉処理された獣の肉以外の有用物(meat by-product)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
牛、豚、羊、ラム、鶏、アヒル、マグロ、サケ、タラ、ホワイトフィッシュ及びエビ由来の肉及び食肉処理された獣の肉以外の有用物からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ペットフード製品は、動物脂肪もしくは油または植物脂肪もしくは油を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記方法はバッチプロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は連続プロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法に従って調製された食味向上剤を含む押出ペットフード組成物。
【請求項26】
請求項1に記載の方法に従って調製された食味向上剤を含む水分を含む調理されたペットフード組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2009−529922(P2009−529922A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501734(P2009−501734)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/064649
【国際公開番号】WO2007/109761
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508275146)エーエフビー インターナショナル (1)
【Fターム(参考)】