説明

ペーパーホルダー装置

【課題】回転刃方式のペーパー切断機構を備えたペーパーホルダー装置において、ペーパー切断機構の安全性と切断性の両立を図る。
【解決手段】ペーパー切断機構7を、回転刃71を備えホルダー本体部2側に取付けられた回転刃ユニット7Aと、固定刃83を備え開閉カバー4側に取付けられる固定刃ユニット7Bで構成し、開閉カバー4の開状態では固定刃83の刃先83aが支持ブラケット80側に収納され、開閉カバー4の閉状態では固定刃83の刃先83aが支持ブラケット80から突出して回転刃71の刃先71aに接触し得るように構成する。係る構成によれば、固定刃83の刃先83a部分に作業者の手が触れることが未然に且つ確実に防止され、安全性の高いペーパーホルダー装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ペーパーロールを保持し、該ペーパーロールからのペーパーの送り出し、折畳み及び切断を、使用者の要求に応じて自動的に行い得るようにしたペーパーホルダー装置に関し、さらに詳しくは該ペーパーホルダー装置におけるペーパー切断機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペーパーホルダー装置におけるペーパー切断機構は、二枚の板状の刃を相対的に直線移動させてペーパーを切断する直線刃方式(例えば、特許文献1参照)と、板状の固定刃と揺動変位する可動刃を備え、該可動刃の揺動によって固定刃との間でペーパーを切断する揺動刃方式(例えば、特許文献2参照)と、板状の固定刃と所定のシャー角をもって回転する回転刃を回転方向に接触させてペーパーを切断する回転刃方式(例えば、特許文献3参照)に大別される。
【0003】
これら各方式のうち、回転刃方式は可動領域が小さく切断機構をコンパクトに構成できることから、限られたスペース内へのレイアウト性が要求されるペーパーホルダー装置のペーパー切断機構として主流となりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−287872号公報
【特許文献2】特開平7−246592号公報
【特許文献3】特開2003−72998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ペーパーホルダー装置においては、ペーパーロールが保持されるホルダー本体部と、該ホルダー本体部の上面から前面に至る部分を覆い且つ必要に応じて(例えば、ペーパーロールの補給時、内部機構のメンテナンス時に)開閉される開閉カバーを備えるのが一般的である。そして、回転刃方式のペーパー切断機構においては、駆動機構が併設される回転刃はスペース的に余裕のあるホルダー本体部に、駆動機構を要しない固定刃は開閉カバーに、それぞれ配置し、上記開閉カバーを閉じた状態(即ち、ペーパーホルダー装置の使用時形態)において回転刃と固定刃が該回転刃の回転に伴って接触するように構成される。
【0006】
ところが、このような回転刃方式のペーパー切断機構では、上記開閉カバーの開状態、即ち、ペーパーロールの補給作業時とか内部機構のメンテナンス作業時には、上記回転刃は上記ホルダー本体部側において、上記固定刃は上記開閉カバー側において、それぞれ外部に露出していることから、上記作業時に誤って作業者の手が回転刃とか固定刃に触れる可能性があり、操作の安全性の確保という点において改善の余地が有る。
【0007】
また、回転刃方式のペーパー切断機構では、固定刃の刃先に対して回転刃の刃先が所定のシャー角を保持した状態で且つ最適な接触圧で接触することが必須であって、この接触性が損なわれた場合には所要の切断性能が得られないことになる。例えば、接触圧が過小であると、切断されない部分が生じ、極端な場合には全く切断できないということも起こり得る。また、接触圧が過大であると、回転刃の回転方向最前端の刃先部分が固定刃の刃先に接触する際の衝撃が大きく使用者に不安感を与える恐れがあるとともに、刃先の摩耗が大きくその耐久性が低下する等の問題の発生が懸念される。
【0008】
そこで本願発明は、回転刃方式のペーパー切断機構を備えたペーパーホルダー装置において、ペーパー切断機構の安全性を高めるとともに、良好な切断性を確保することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願の第1の発明では、ホルダー本体部2と該ホルダー本体部2に開閉可能に取付けられた開閉カバー4で囲まれた保持空間内に巻き戻し可能にペーパーロール10を保持し、該ペーパーロール10から送り出されるペーパー10aをペーパー切断機構7によって所定長さに切断するようにしたペーパーホルダー装置において、上記ペーパー切断機構7を、所定のシャー角をもって回転する回転刃71を備え上記ホルダー本体部2側に取付けられた回転刃ユニット7Aと、板状の固定刃83を備え上記開閉カバー4側に取付けられた固定刃ユニット7Bを備えて構成するとともに、上記固定刃8を、上記開閉カバー4が開状態にあるときには少なくともその刃先83aが該固定刃83を支持する支持ブラケット80側に収納され、上記開閉カバー4が閉状態にあるときにはその刃先83aが上記支持ブラケット80から突出して上記回転刃ユニット7Aの上記回転刃71の刃先71aに接触し得るように構成したことを特徴としている。
【0011】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記固定刃83を、その両端に設けた支軸84によって上記支持ブラケット80に枢支させるとともに、上記支軸84に揺回動可能に取付けられた揺動レバー88に対しては該揺動レバー88との相対回動位置が常時一定となるように第1の付勢手段85によって弾圧付勢する一方、上記揺動レバー88を、第2の付勢手段87によって常時上記固定刃83を収納させる方向に付勢し、上記開閉カバー4が開状態から閉状態へ変化するときに上記揺動レバー88が上記回転刃ユニット7A側に設けたストッパー78との係合によって上記第2の付勢手段87の付勢力に抗して上記固定刃83を突出させるように構成したことを特徴としている。
【0012】
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記固定刃ユニット7Bを、上記開閉カバー4に対して、第3の付勢手段42により該開閉カバー4に接離する方向へ移動可能に弾性支持したことを特徴としている。
【0013】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記回転刃ユニット7Aを、上記回転刃71の刃先円に略合致する外周面77aをもつガイド輪77を備え、上記開閉カバー4の閉状態では上記ガイド輪77の外周面77aに上記固定刃83の刃先83aが接触することで該刃先83aの突出量が常時一定に保持されるように構成したことを特徴としている。
【0014】
本願の第5の発明では、ホルダー本体部2と該ホルダー本体部2に開閉可能に取付けられた開閉カバー4で囲まれた保持空間内に巻き戻し可能にペーパーロール10を保持し、該ペーパーロール10から送り出されるペーパー10aをペーパー切断機構7によって所定長さに切断するようにしたペーパーホルダー装置において、上記ペーパー切断機構7を、所定のシャー角をもって回転する回転刃71を備え上記ホルダー本体部2側に取付けられた回転刃ユニット7Aと、板状の固定刃83を備え上記開閉カバー4側に取付けられた固定刃ユニット7Bを備えて構成するとともに、上記回転刃ユニット7Aを、上記回転刃71の回転方向における特定位置を基準とし、該回転刃71が上記特定位置から回転を開始し、一回転後に上記特定位置で停止するように構成するとともに、上記回転刃71の背面側に該回転刃71を背面側から覆うプロテクター76を備え、上記回転刃71の上記特定位置での停止状態においては上記プロテクター76によって上記回転刃71の外部露出を阻止するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0016】
(a)本願の第1の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記開閉カバー4が開状態にあるとき、即ち、ペーパーロールの補給作業時とか内部機構のメンテナンス作業時には、上記固定刃83の少なくとも刃先83aが支持ブラケット80側に収納されるため、該刃先83a部分に作業者の手が触れることが未然に且つ確実に防止され、上記作業時における安全性が確保され、延いては安全性の高いペーパーホルダー装置を提供することができる。また、上記開閉カバー4が閉状態にあるとき、即ち、ペーパーホルダー装置の使用時には、上記固定刃83の刃先83aが上記支持ブラケット80から突出して上記回転刃71の刃先71aに接触することで、ペーパー10aを的確に切断することができ、高い切断性能が確保される。
【0017】
(b) 本願の第2の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明のペーパーホルダー装置では、上記固定刃83を、その両端に設けた支軸84によって上記支持ブラケット80に枢支させるとともに、上記支軸84に揺回動可能に取付けられた揺動レバー88に対しては該揺動レバー88との相対回動位置が常時一定となるように第1の付勢手段85によって弾圧付勢する一方、上記揺動レバー88を、第2の付勢手段87によって常時上記固定刃83を収納させる方向に付勢し、上記開閉カバー4が開状態から閉状態へ変化するときに上記揺動レバー88が上記回転刃ユニット7A側に設けたストッパー78との係合によって上記第2の付勢手段87の付勢力に抗して上記固定刃83を突出させるように構成しているので、
(b−1)上記開閉カバー4の開状態では、上記揺動レバー88は上記第2の付勢手段87の付勢力によって上記固定刃83を収納位置に位置決めした状態で保持されており、該開閉カバー4の開状態において上記固定刃83が不用意に突出することが確実に防止され、該開閉カバー4を開いた状態でのペーパーロールの補給作業等の作業時における安全性の確保がより一層確実となる、
(b−2)上記開閉カバー4の閉状態においては、上記揺動レバー88が、上記第2付勢手段87の付勢力に抗して、上記固定刃83を突出位置に位置決めした状態で保持されているが、この場合、上記固定刃83は上記第1付勢手段85の付勢力によって上記揺動レバー88との相対回動位置が常時一定となるように付勢されているので、例えば、何らかの原因で上記固定刃83の刃先83aとこれに接触する上記回転刃71の刃先71aの間の接触圧が過大となったような場合には、上記第1付勢手段85の付勢力に抗して上記固定刃83が収納側へ変位し、これによって適正な接触圧が回復され、ペーパー切断機構7における切断性能が良好状態に維持される、
等の効果が得られる。
【0018】
(c) 本願の第3の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明のペーパーホルダー装置では、上記固定刃ユニット7Bを、上記開閉カバー4に対して、第3の付勢手段42により該開閉カバー4に接離する方向へ移動可能に弾性支持しているので、
(c−1)上記開閉カバー4を開いてペーパーロールの補給作業等の作業を行っている場合において誤って作業者の手が固定刃ユニット7B側に触れたときには、該固定刃ユニット7Bが上記開閉カバー4に対して弾性的に相対変位することで作業者の手への衝撃が緩和され、作業時の安全性がさらに高められる、
(c−2)上記開閉カバー4を閉じた使用状態において、上記固定刃83の刃先83aと上記回転刃71の刃先71aの間の接触圧が何らかの原因によって過大となり、且つこの過大な接触圧を上記第1付勢手段85の弾性変位のみでは解消仕切れなかったような場合には、上記固定刃ユニット7B全体が上記開閉カバー4側へ弾性的に相対変位することで過大な接触圧の負荷状態が解消され、これによって良好な切断性能が回復される、
等の効果が得られる。
【0019】
(d) 本願の第4の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明のペーパーホルダー装置では、上記回転刃ユニット7Aを、上記回転刃71の刃先円に略合致する外周面77aをもつガイド輪77を備え、上記開閉カバー4の閉状態では上記ガイド輪77の外周面77aに上記固定刃83の刃先83aが接触することで該刃先83aの突出量が常時一定に保持されるように構成しているので、該固定刃83の刃先83aと上記回転刃71の刃先71aとの衝突が未然に且つ確実に防止され、これら両者は常時適正な接触圧で接触することとなり、これによって切断性能が長期に亘って良好に維持されるとともに、上記固定刃83及び回転刃71の耐久性が高められる。
【0020】
(e) 本願の第5の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記開閉カバー4が開状態にあるとき、即ち、ペーパーロールの補給作業時とか内部機構のメンテナンス作業時には、上記回転刃ユニット7Aが外部に露出しているが、上記回転刃71は上記プロテクター76によって外部露出が阻止されているので、上記作業中において作業者の手が上記プロテクター76に触れたとしても、上記回転刃71には触れることがなく、該作業における安全性が確保され、延いては安全性の高いペーパーホルダー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本願発明の実施の形態に係るペーパーホルダー装置の使用状態における外観斜視図である。
【図2】図1に示したペーパーホルダー装置において開閉カバーを開いた状態の外観斜視図である。
【図3】図1に示したペーパーホルダー装置において、一方の側部カバーを取り除いた状態における内部構成を示す斜視図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】回転刃ユニットの回転刃収納状態における斜視図である。
【図6】図5のVI矢視図である。
【図7】回転刃ユニットの回転刃露出状態における斜視図である。
【図8】図7のVIII矢視図である。
【図9】図5の斜視図において視点位置を変更した場合の斜視図である。
【図10】固定刃ユニットの固定刃収納状態における斜視図である。
【図11】図10のXI−XI断面図である。
【図12】固定刃ユニットの固定刃突出状態における斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII断面図である。
【図14】回転刃ユニットと固定刃ユニットの位置決め状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1〜図4には、本願発明の実施形態に係るペーパーホルダー装置1が示されている。このペーパーホルダー装置1は、例えば、トイレの壁面に取付けられ、その内部にトイレットペーパーを巻回して成るペーパーロール10を保持し、使用者の必要に応じて該ペーパーロール10からペーパー10aを所定長さだけ送り出し、これをジグザグ状に折り畳むとともに、この折り畳まれたペーパー1aを上記ペーパーロール10寄り位置で切断して使用に供するものであって、上記ペーパー10aの送り出しから切断までの一連の動作が自動的に行われるように構成されている。係る自動動作によって、使用者が手でペーパー10aを引き出し、これを折り畳んで切り取る、というような手間が省け、特に高齢者にとっては好適なものとなる。
【0024】
このような一連の動作を自動的に行う上記ペーパーホルダー装置1は、次述するホルダー本体部2と、該ホルダー本体部2の下部に配置されたペーパー受部3と、上記ホルダー本体部2の前面から上面に至る部位を必要に応じて開閉蓋する開閉カバー4を備えて構成される。以下、これら各部の構成を具体的に説明する。
【0025】
「ホルダー本体部2」
上記ホルダー本体部2は、図1〜図4に示すように、左右一対の側壁21,21と背面壁23を備えるとともに、該各側壁21,21の外側をそれぞれ側部カバー22,22で覆って構成される。また、このホルダー本体部2の前面及び上面は連続した開口部とされており、この開口部には次述の開閉カバー4が取付けられる。さらに、上記ホルダー本体部2の底面側も開口され、ここには後述のペーパー受部3が配置されている。
【0026】
そして、上記ホルダー本体部2の内室20(即ち、上記左右一対の側壁21,21と、背面壁23と、上記ペーパー受部3と上記開閉カバー4で囲まれた空間部)には、次述のペーパー支持機構5とペーパー送り機構6とペーパー切断機構7及びペーパー折畳機構8が配置されている。
【0027】
「ペーパー支持機構5」
上記ペーパー支持機構5は、ペーパーロール10をその下側から巻き戻し可能に支持するものであって、上記内室20の下部位置において上記左右一対の側壁21,21に跨って回転自在に支承された前後一対の支持ロール11,11を主体部として構成されるが、さらに上記支持ロール11,11に支持されたペーパーロール10の前後方向への揺動を規制する付帯部として、上記ホルダー本体部2の背面壁23の前面側に付設された湾曲板状のロールガイド15と、後述するペーパー切断機構7の回転刃ユニット7A側に付設された湾曲板材16を備えている。
【0028】
「ペーパー送り機構6」
上記ペーパー送り機構6は、図3及び図4に示すように、上記ホルダー本体部2の内室20の前側上部において、上記左右一対の側壁21,21間に跨って上下方向に接近配置された上側の駆動ロール51と下側の従動ロール52、及び上記開閉カバー4のコーナ部近傍に横設配置された押えロール53を備えて構成される。上記駆動ロール51は、上記ホルダー本体部2の一方の側壁21の外側に配置された駆動機構(図示省略)によって回転駆動される。上記従動ロール52は、ベルト54によって上記駆動ロール51から回転力を受けて該駆動ロール51と一体的に且つ同一方向へ回転される。上記押えロール53は、図4に示すように、上記開閉カバー4の閉状態において上記駆動ロール51に押圧接触され、該駆動ロール51からの回転力を受けて該駆動ロール51とは反対方向へ回転される。
【0029】
従って、上記開閉カバー4を開いた状態において、上記ペーパー支持機構5の上記支持ロール11,11に支持されたペーパーロール10から引き出したペーパー10aを上記駆動ロール51及び従動ロール52の外側を通して下方へ引き出し(図2、図4参照)、この状態で上記開閉カバー4を閉じて上記押えロール53を上記駆動ロール51に押圧接触させることで、該ペーパー10aは上記駆動ロール51と押えロール53の間に挟持される(ペーパー10aのセット状態)。このセット状態から、上記駆動ロール51が回転されると、上記ペーパー10aは該駆動ロール51と押えロール53によって順次下方へ送り出されることになる。なお、上記従動ロール52は、上記駆動ロール51と押えロール53によって送り出されるペーパー10aの揺れを抑えるものである。
【0030】
このペーパー10aは、一回の操作によって所定長さだけ送り出される。具体的には、使用者が、上記ホルダー本体部2の一方の側部カバー22の上面に設けた動体感知センサ9部分に手を近づけると、この手の動きを動体感知センサ9が感知して駆動モータ(図示省略)を所定時間だけ回転させるように構成される。また、このペーパー送り機構6と次述するペーパー切断機構7は同じ駆動機構によって駆動されるが、この駆動機構は上記ホルダー本体部2の側部カバー22に設けた接近センサ12によって上記開閉カバー4が閉状態にあることが検知されることを作動条件としており、該開閉カバー4の閉状態が検知されていない限り、たとえ上記動体感知センサ9が動体を感知したとしても駆動機構は作動しない。これによって、上記開閉カバー4の開状態時、即ち、ペーパーロール10の補給作業時とか内部機構のメンテナンス作業時において、不用意にペーパー送り機構6とかペーパー切断機構7が作動するということが確実に防止され、ペーパーホルダー装置1の使用上における安全性が確保される。
【0031】
「ペーパー折畳機構8」
上記ペーパー折畳機構8は、上記ホルダー本体部2の下端側に取付けられて、上記ペーパー送り機構6から送り出されるペーパー10aをその厚さ方向へ交互に折り畳んで使用に供させるものであって、図1〜図4示すように、手前側から奥側へ下降傾斜する平坦な底壁31と、該底壁31の周囲を囲むとともに前面側においては所定幅でその上端から上記底壁31向けて切り込まれた切込部34が設けられた周壁33を備えて成るペーパー受部3で構成される。なお、上記周壁33の切込部34に対応して、上記底壁31の前端部分も切り込まれており、これら周壁33から底壁31に掛けて連続した切込部分が、折り畳まれたペーパー10aを掴んで取り出す際の取出し口となる。
【0032】
また、上記ペーパー受部3の奥側には、ペーパー10aの折畳幅を規定する規定板35が配置される。この規定板35は、上記周壁33側に設けた調整部36の複数の嵌合溝37の何れかに選択的に嵌合されることで、ペーパー10aの折畳幅を増減設定できるようになっている。
【0033】
「ペーパー切断機構7」
上記ペーパー切断機構7は、図4に示すように、回転刃ユニット7Aと固定刃ユニット7Bを備えて構成される。
【0034】
「回転刃ユニット7A」
上記回転刃ユニット7Aは、図5〜図9に示すように、支持ブラケット70に回転部69を組み付けて構成される。
【0035】
上記支持ブラケット70は、略S字形の湾曲断面形状をもつ横長の湾曲板材16と、該湾曲板材16の湾曲方向中段の左右両端部において該湾曲板材16の凸面側へ延出する延設部72を備えて構成される。また、上記湾曲板材16の上端部16aは上記延設部72の延出側へ湾曲させて該延設部72と上下方向に離間対向するようにしている。従って、上記支持ブラケット70には、上記延設部72と上記湾曲板材16の上端部16aの間に所要の空間が形成される。そして、この空間部分に後述の回転部69が収納配置される。
【0036】
さらに、左右一対の上記延設部72、72には、上方へ突出する楔状形体をもつ突起73がそれぞれ形成されている。また、上記湾曲板材16の上端部16aの左右両端部には、上下方向に延びる受け溝79が形成されている。さらに、図9に示すように、一方の延設部72の側部には、手前側に向かって下降傾斜する面で構成されるストッパー78が設けられている。
【0037】
上記回転部69は、丸棒体の外周面の一部をその軸方向の全長に亘って略L形に切落した異形棒体でなり(図14参照)且つその両端にはそれぞれ軸方向外方へ延出する支軸75が設けられた刃ホルダー74を備えて構成される。この刃ホルダー74の円弧状の外周面をもつ部分(即ち、非切落し部分)には、帯板状の回転刃71が、上記回転部69の回転に伴って所定のシャー角をもつように、その一端側と他端側との間に所定の回転位相が確保された状態で取付けられている。なお、この回転刃71は、その刃先71aの回転軌跡円が、該回転刃71の軸方向の何れの位置においても一致するようにその取付状態が設定されることは言うまでもない。
【0038】
また、上記刃ホルダー74の一端側には、円形リング状のガイド輪77が該刃ホルダー74と同軸上に取付けられている。このガイド輪77の外周面は、上記回転刃71の刃先71aの回転軌跡円に合致するように設定されている。
【0039】
さらに、上記刃ホルダー74の略L形の切落し面の部分には、略T形の断面形状をもつプロテクター76が取付けられており、上記回転刃71は上記刃ホルダー74の軸心位置を挟んで上記プロテクター76の反対側に位置している。従って、上記回転刃71は、上記プロテクター76側から見た場合、常に該プロテクター76の背面側に位置し、図6に示すように、上記プロテクター76が前面に臨んだ回転位置では、該プロテクター76に覆われて外部への露出が阻止された状態となる。
【0040】
上記回転部69の回転方向は、図5及び図6に示すように、上記回転刃71が該回転部69の上方側から手前側を通って下方側へ移動するような方向(矢印r方向)に設定されている。そして、この回転部69は、図示しない駆動機構によって一回転ずつ回転駆動されるが、その回転の開始位置(即ち、停止位置)は、図6に示すように、上記プロテクター76が上記支持ブラケット70の手前側において起立し、上記回転刃71が上記プロテクター76の背面側で後方に向かって延出した位置とされる。上記回転部69は、上記停止位置から回転を開始し、図8に示すように上記回転刃71が上記支持ブラケット70の手前側を下降移動し、再度図6に示す停止位置に達するまでの一回転だけ回転駆動される。従って、上記停止位置においては、上記回転刃71は上記プロテクター76によって外部への露出が阻止されることになる。
【0041】
なお、この回転部69の回転駆動は、上記ペーパー送り機構6の送り動作が停止された時点、あるいは停止時点より所定時間だけ早い時点から開始されるが、このペーパー送り機構6の作動と連動した上記回転部69の回転制御は、上記駆動機構の制御手段(図示省略)によって自動的に行われる。
【0042】
「固定刃ユニット7B」
上記固定刃ユニット7Bは、上記開閉カバー4側に配置されて、該開閉カバー4の閉状態時、即ち、ペーパーホルダー装置1の使用状態時において、上記回転刃ユニット7Aの上記回転刃71と協働してペーパー10aを切断するものであって、図10〜図13に示すように、支持ブラケット80に固定刃83を取付けて構成される。
【0043】
上記支持ブラケット80は、横長湾曲板状で且つその湾曲方向略中央に横長の開口93を設けた湾曲板部81aと該湾曲板部81aの上端から上方へ立ち上がる平板状のガイド板部81bからなる本体部81と、上記湾曲板部81aの左右両端部において手前側へ延出する縦壁部82、82を備えて構成される。また、上記湾曲板部81aの内面上部には、上記ガイド板部81bの下端位置から背面側へ向けて凹入する凹部95が形成されている。
【0044】
さらに、上記支持ブラケット80の上記各縦壁部82、82の底面には、上方へ向かって切り込む嵌合溝90がそれぞれ形成されるとともに、上記各縦壁部82の上端部には、下方へ向かう楔状のガイド突起89がそれぞれ設けられている。
【0045】
上記固定刃83は、所定長さの帯板材で一体形成されるものであって、一の稜線部分に刃先83aを設けている。この固定刃83の長さ方向両端部にはそれぞれ支軸84が軸方向外方へ向けて突設されており、該固定刃83はこれら各支軸84を上記支持ブラケット80の上記各縦壁部82、82に回転自在に枢支させることで該支持ブラケット80側に取付けられる。
【0046】
また、上記固定刃83の一方の支軸84には、揺動レバー88が回動自在に取付けられている。そして、上記固定刃83は、上記支軸84に取付けられたバネ85(特許請求の範囲の「第1の付勢手段」に該当する)の付勢力によって、該固定刃83の刃先83a側の側面が上記揺動レバー88に設けたストッパー91に当接するように付勢されることで、該刃先83aが上記凹部95側から手前側へ突出す方向における、該揺動レバー88に対する最大回動位置が規定されている。なお、このストッパー91との当接によって上記固定刃83の最大回動位置が規制された状態で、例えば、該固定刃83の刃先83aにこれを奥側へ押し込むような外力が掛かった場合には、上記固定刃83は上記バネ85の付勢力に抗して上記凹部95側へ回動される。
【0047】
一方、上記揺動レバー88は、上記枢支点から適宜離間した位置に設けた支軸86に取付けられたバネ87(特許請求の範囲中の「第2の付勢手段」に該当する)の付勢力によって、上記固定刃83を上記支持ブラケット80の上記凹部95内に収納させる方向に揺動付勢されている。また、この揺動レバー88の先端部は、上記開閉カバー4の閉状態においては、上記回転刃ユニット7A側の上記ストッパー78と係合し、該ストッパー78側から押し込み方向への外力を受けるようになっている。
【0048】
従って、図11に示すように、上記揺動レバー88の先端側に外力が作用していない状態、即ち、上記開閉カバー4が開状態にあって上記揺動レバー88の先端側が自由端とされている状態では、上記揺動レバー88が上記バネ85によって上記支軸84を中心として矢印b方向へ回動付勢され、該揺動レバー88に連結された上記固定刃83は矢d方向へ回動して上記本体部81の凹部95側に収納され、その刃先83aは該凹部95の口縁と略面一とされる。
【0049】
これに対して、図13に示すように、上記開閉カバー4が閉状態にあって上記揺動レバー88の先端部が上記回転刃ユニット7A側のストッパー78と係合した状態では、上記揺動レバー88が上記ストッパー78によって押し込まれて矢印a方向に回動し、この揺動レバー88の回動と共に上記固定刃83は上記支軸84回りに矢印c方向へ回動し、上記凹部95から手前側へ突出し、その刃先83aは上記回転刃ユニット7A側の回転刃71の刃先71aに接触し得る状態とされる(図14参照)。
【0050】
一方、上述のように構成された上記固定刃ユニット7Bは、図13及び図14に示すように、上記支持ブラケット80の背面側に突設した取付ボス92を上記開閉カバー4の取付部41にビス43で固定することで該開閉カバー4側に取付けられるが、この場合、上記取付ボス92と上記取付部41との間にはバネ42(特許請求の範囲中の「第3の付勢手段」に該当する)が介在されており、このバネ42の弾性変形に対応して上記固定刃ユニット7Bは上記開閉カバー4に対して接離方向に相対移動可能とされている。
【0051】
「回転刃ユニット7Aと固定刃ユニット7Bの位置決め」
上記回転刃ユニット7Aと固定刃ユニット7Bの相対的な位置決めは、図14に示すとおりである。即ち、上記回転刃ユニット7Aは上記ホルダー本体部2側に固定されており、該ホルダー本体部2への取付け位置は予め固定的に設定されている。これに対して、上記固定刃ユニット7Bは、上記開閉カバー4側に取付けられており、該開閉カバー4側への取付け位置は、上記バネ42の弾性変形の範囲内で変位可能であり、固定的には設定されていない。従って、上記開閉カバー4を閉じた状態においては、上記回転刃ユニット7Aと固定刃ユニット7Bが適正な相対位置関係に有り且つこれが維持されるようにする必要がある。
【0052】
このため、この実施形態のペーパーホルダー装置1では、以下のような二つの位置決め手法を採用している。
【0053】
第1の位置決め手法
上記回転刃ユニット7Aの支持ブラケット70の左右一対の延設部72,72に上記突起73を形成する一方、上記固定刃ユニット7Bの左右一対の縦壁部82の下端には上方へ切れ込む嵌合溝90を形成し、上記開閉カバー4の開状態からの閉作動に際して、上記回転刃ユニット7A側の上記各突起73、73に上記固定刃ユニット7B側の上記各嵌合溝90を嵌合させることで、上記回転刃ユニット7Aと固定刃ユニット7Bの上下方向及び前後方向の位置決めを行うようにしている。
【0054】
第2の位置決め手法
上記回転刃ユニット7Aの上記支持ブラケット70の左右両端部に受け溝79をそれぞれ設ける一方、上記固定刃ユニット7Bの上記支持ブラケット80の左右両端部に上記ガイド突起89をそれぞれ設け、上記開閉カバー4の開状態からの閉作動に際して、上記回転刃ユニット7A側の上記各受け溝79に上記固定刃ユニット7B側の上記各ガイド突起89を嵌合させることで、上記回転刃ユニット7Aと固定刃ユニット7Bの左右方向(横幅方向)の位置決めを行うようにしている。
【0055】
これら二つの手法による位置決めによって、上記開閉カバー4を閉じた状態、即ち、上記ペーパーホルダー装置1の使用時状態においては、図14に示すように、上記固定刃83の刃先83aが前方側に突出し、その刃先83aは上記回転刃ユニット7A側の上記ガイド輪77の外周面に接触し、該回転刃71の刃先71aと固定刃83の刃先83aの相対位置が適正に設定される。
【0056】
「ペーパーホルダー装置1の作動及びその作用効果」
以上のように構成された上記ペーパーホルダー装置1の上記ペーパー切断機構7における作動及び作用効果は以下の通りである。
【0057】
(イ)この実施形態のペーパーホルダー装置1におけるペーパー切断機構7では、上記開閉カバー4が開状態にあるとき、即ち、上記ペーパーロール10の補給作業時とか内部機構のメンテナンス作業時のように上記開閉カバー4が開放されて上記内室20内に人が手を差し入れて所要の作業を行う場合、上記開閉カバー4側、即ち、上記固定刃ユニット7B側においては、上記固定刃83が上記支持ブラケット80側の凹部95側に収納されるため、該固定刃83の刃先83a部分に作業者の手が触れることが未然に且つ確実に防止される。また、上記ホルダー本体部2側、即ち、上記回転刃ユニット7A側においては、上記回転刃ユニット7Aそのものは上記内室20内に露出しているが、上記回転部69が停止状態にあって上記回転刃71は上記プロテクター76によって外部露出が阻止されているので、上記作業中に作業者の手が上記プロテクター76に触れることはあっても、上記回転刃71には触れることは未然に且つ確実に防止される。これら両者の安全機能の相乗効果によって、ペーパーロール10の補給等の作業時における高い安全性が確保され、安全性に優れたペーパーホルダー装置1を提供することができ、延いては上記ペーパーホルダー装置1の商品価値の向上が期待できる。
【0058】
(ロ)この実施形態のペーパーホルダー装置1におけるペーパー切断機構7では、上記固定刃83を、その両端に設けた支軸84によって上記支持ブラケット80に枢支させるとともに、上記支軸84に揺回動可能に取付けられた揺動レバー88に対しては該揺動レバー88との相対回動位置が常時一定となるように上記バネ85によって弾圧付勢する一方、上記揺動レバー88を、上記バネ87によって常時上記固定刃83を収納させる方向に付勢し、上記開閉カバー4が開状態から閉状態へ変化するときに上記揺動レバー88が上記回転刃ユニット7A側に設けたストッパー78との係合によって上記バネ87の付勢力に抗して上記固定刃83を突出させるように構成しているので、上記開閉カバー4の開状態では、上記揺動レバー88は上記バネ87の付勢力によって上記固定刃83を収納位置に位置決めした状態で保持されており、該開閉カバー4の開状態において上記固定刃83が不用意に突出することが確実に防止され、その結果、上記開閉カバー4を開いた状態でのペーパーロールの補給作業等の作業時における安全性の確保がより一層確実となる。
【0059】
また、上記開閉カバー4の閉状態においては、上記揺動レバー88が、上記バネ87の付勢力に抗して、上記固定刃83を突出位置に位置決めした状態で保持されているが、この場合、上記固定刃83は上記バネ85の付勢力によって上記揺動レバー88との相対回動位置が常時一定となるように付勢されているので、例えば、何らかの原因で上記固定刃83の刃先83aとこれに接触する上記回転刃71の刃先71aの間の接触圧が過大となったような場合には、上記バネ85の付勢力に抗して上記固定刃83が収納側へ変位し、これによって適正な接触圧が回復され、ペーパー切断機構7における切断性能が良好状態に維持されることになる。
【0060】
(ハ)この実施形態のペーパーホルダー装置1におけるペーパー切断機構7では、上記固定刃ユニット7Bを、上記開閉カバー4に対して、上記バネ42により該開閉カバー4に接離する方向へ移動可能に弾性支持しているので、例えば、上記開閉カバー4を開いてペーパーロールの補給作業等の作業を行っている場合において誤って作業者の手が固定刃ユニット7B側に触れたときには、該固定刃ユニット7Bが上記開閉カバー4に対して弾性変位することで作業者の手への衝撃が緩和され、作業時の安全性がさらに高められる。
【0061】
また、上記開閉カバー4を閉じた使用状態において、上記固定刃83の刃先83aと上記回転刃71の刃先71aの間の接触圧が何らかの原因によって過大となり、且つこの過大な接触圧を上記バネ85の弾性変位のみでは解消仕切れなかったような場合には、上記固定刃ユニット7B全体が上記開閉カバー4側へ弾性変位することで過大な接触圧の負荷状態が解消され、これによって良好な切断性能が回復される。
【0062】
これら両者の相乗効果として、常時良好な切断性能を発揮するペーパー切断機構7を提供でき、延いては該ペーパー切断機構7を備えた上記ペーパーホルダー装置1の商品価値の更なる向上が期待できる。
(ニ)この実施形態のペーパーホルダー装置1におけるペーパー切断機構7では、上記回転刃ユニット7Aを、上記回転刃71の刃先円に略合致する外周面77aをもつガイド輪77を備え、上記開閉カバー4の閉状態では上記ガイド輪77の外周面77aに上記固定刃83の刃先83aが接触することで該刃先83aの突出量が常時一定に保持されるように構成しているので、該固定刃83の刃先83aと上記回転刃71の刃先71aとの衝突が未然に且つ確実に防止され、これら両者は常時適正な接触圧で接触することとなり、これによって切断性能が長期に亘って良好に維持されるとともに、上記固定刃83及び回転刃71の耐久性が高められ、その結果、切断性能と耐久性に優れたペーパー切断機構7を提供でき、延いては該ペーパー切断機構7を備えた上記ペーパーホルダー装置1の商品価値の更なる向上が期待できる。
【符号の説明】
【0063】
1 ・・ペーパーホルダー装置
2 ・・ホルダー本体部
3 ・・ペーパー受部
4 ・・開閉カバー
5 ・・ペーパー支持機構
6 ・・ペーパー送り機構
7 ・・ペーパー切断機構
7A ・・回転刃ユニット
7B ・・固定刃ユニット
8 ・・ペーパー折畳機構
9 ・・動体感知センサ
10 ・・ペーパーロール
11 ・・支持ロール
12 ・・接近センサ
15 ・・ロールガイド
16 ・・湾曲板材
20 ・・内室
21 ・・側壁
22 ・・側部カバー
23 ・・背面壁
31 ・・底壁
32 ・・規制板
33 ・・周壁
34 ・・切込部
41 ・・取付部
42 ・・バネ(第3の付勢手段)
43 ・・ビス
51 ・・駆動ロール
52 ・・従動ロール
53 ・・押えロール
70 ・・支持ブラケット
71 ・・回転刃
72 ・・延設部
73 ・・突起
74 ・・刃ホルダー
75 ・・支軸
76 ・・プロテクター
77 ・・ガイド輪
78 ・・ストッパー
79 ・・受け溝
80 ・・支持ブラケット
81 ・・本体部
82 ・・縦壁部
83 ・・固定刃
84 ・・支軸
85 ・・バネ(第1の付勢手段)
86 ・・支軸
87 ・・バネ(第2の付勢手段)
88 ・・揺動レバー
89 ・・ガイド突起
90 ・・嵌合溝
91 ・・ストッパー
92 ・・取付ボス
93 ・・開口部
95 ・・凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダー本体部(2)と該ホルダー本体部(2)に開閉可能に取付けられた開閉カバー(4)で囲まれた保持空間内に巻き戻し可能にペーパーロール(10)を保持し、該ペーパーロール(10)から送り出されるペーパー(10a)をペーパー切断機構(7)によって所定長さに切断するようにしたペーパーホルダー装置であって、
上記ペーパー切断機構(7)が、所定のシャー角をもって回転する回転刃(71)を備え上記ホルダー本体部(2)側に取付けられた回転刃ユニット(7A)と、板状の固定刃(83)を備え上記開閉カバー(4)側に取付けられた固定刃ユニット(7B)を備えるとともに、
上記固定刃(83)は、上記開閉カバー(4)が開状態にあるときには少なくともその刃先(83a)が該固定刃(83)を支持する支持ブラケット(80)側に収納され、上記開閉カバー(4)が閉状態にあるときにはその刃先(83a)が上記支持ブラケット(80)から突出して上記回転刃ユニット(7A)の上記回転刃(71)の刃先(71a)に接触し得るように構成されていることを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記固定刃(83)は、その両端に設けた支軸(84)によって上記支持ブラケット(80)に枢支されるとともに、上記支軸(84)に揺回動可能に取付けられた揺動レバー(88)に対しては該揺動レバー(88)との相対回動位置が常時一定となるように第1の付勢手段(85)によって弾圧付勢される一方、
上記揺動レバー(88)は、第2の付勢手段(87)によって常時上記固定刃(83)を収納させる方向に付勢されており、上記開閉カバー(4)が開状態から閉状態へ変化するときに上記揺動レバー(88)が上記回転刃ユニット(7A)側に設けたストッパー(78)との係合によって上記第2の付勢手段(87)の付勢力に抗して上記固定刃(83)を突出させるように構成されていることを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記固定刃ユニット(7B)は、上記開閉カバー(4)に対して、第3の付勢手段(42)により該開閉カバー(4)に接離する方向へ移動可能に弾性支持されていることを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3において、
上記回転刃ユニット(7A)は、上記回転刃(71)の刃先円に略合致する外周面(77a)をもつガイド輪(77)を備え、上記開閉カバー(4)の閉状態では上記ガイド輪(77)の外周面(77a)に上記固定刃(83)の刃先(83a)が接触することで該刃先(83a)の突出量が常時一定に保持されるように構成されていることを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項5】
ホルダー本体部(2)と該ホルダー本体部(2)に開閉可能に取付けられた開閉カバー(4)で囲まれた保持空間内に巻き戻し可能にペーパーロール(10)を保持し、該ペーパーロール(10)から送り出されるペーパー(10a)をペーパー切断機構(7)によって所定長さに切断するようにしたペーパーホルダー装置であって、
上記ペーパー切断機構(7)が、所定のシャー角をもって回転する回転刃(71)を備え上記ホルダー本体部(2)側に取付けられた回転刃ユニット(7A)と、板状の固定刃(83)を備え上記開閉カバー(4)側に取付けられた固定刃ユニット(7B)を備えるとともに、
上記回転刃ユニット(7A)は、上記回転刃(71)の回転方向における特定位置を基準とし、該回転刃(71)が上記特定位置から回転を開始し、一回転後に上記特定位置で停止するように構成されるとともに、上記回転刃(71)の背面側に該回転刃(71)を背面側から覆うプロテクター(76)を備え、上記回転刃(71)の上記特定位置での停止状態においては上記プロテクター(76)によって上記回転刃(71)の外部露出を阻止するように構成されていることを特徴とするペーパーホルダー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−55638(P2012−55638A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204740(P2010−204740)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(599117255)株式会社 シコク (28)