説明

ペーパーホルダー装置

【課題】ペーパーロールからのペーパーの送り出しと切断を電動手段によって自動的に行うようにしたペーパーホルダー装置において、構造の簡略化及び低コスト化を実現する。
【解決手段】ペーパーロール支持部15と、該ペーパーロールPからペーパーPaを送り出すペーパー送出部20と、ペーパー送出部20から送り出されるペーパーPaを折り畳んで保持するペーパー折畳保持部と、ペーパー送出部20とペーパー折畳保持部の間でペーパーPaを切断するペーパー切断部40とを備えたペーパーホルダー装置において、ペーパー送出部20とペーパー切断部40を、単一の駆動ユニットによって択一的に駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、トイレットペーパーをロール状に巻回してなるペーパーロールを保持し、該ペーパーロールからのペーパーの送り出し、折畳み及び切断を、使用者の要求に応じて自動的に行い得るようにしたペーパーホルダー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会の到来に伴う福祉意識の高まりを背景に、高齢者の日常的な活動を介助支援するための技術が種々提案されており、その一つとして、トイレットペーパー用のペーパーホルダー装置においては、ペーパーの取り出しを容易ならしめるための技術が提案されている(特許文献1〜2参照)。
【0003】
特許文献1に示されるペーパーホルダー装置は、芯棒に支持されたロール紙から紙を一対の送りローラによって挟圧しながら引き出して順次折り畳むとともに、この折り畳み部分と上記挟圧部分の中間に配置したカッターで紙を切断するように構成したものである。この場合、駆動源として、上記送りローラを駆動するモータと、上記カッターを駆動するモータをそれぞれ別個に設けている(2モータ方式)。また、上記カッターは、固定配置された固定側カッターと、クランク機構によって水平方向に往復動される可動側カッターで構成されており、該可動側カッターの揺動機構は複雑なものとなっている。
【0004】
特許文献2に示されるペーパーホルダー装置も、上記特許文献1と同様に、ロール軸に支持されたロール紙から紙を一対の送りローラによって挟圧しながら引き出して順次折り畳むとともに、この折り畳み部分と上記挟圧部分の中間に配置したカッターで紙を切断するように構成したものである。そして、駆動源として、上記送りローラを駆動するモータと、上記カッターを駆動するモータをそれぞれ別個に設けている(2モータ方式)。また、上記カッターは、固定刃と該固定刃に接離するように揺動する可動刃で構成されており、該可動刃の揺動機構は複雑なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−287872号公報
【特許文献2】特開2003−72998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これら特許文献1、2にそれぞれ示されたペーパーホルダー装置では、ロール紙から紙を引き出し、これを折り畳み、さらにこの折り畳まれた紙を切断してロール紙から分離させるという一連の動作が自動的に行われるため、例えば、手でロール紙から紙を引き出して折り畳み、この折畳紙をロール紙から引きちぎって使用するように構成された従来一般的なペーパーホルダー装置に比して、紙の取り出しが容易であり、特に高齢者にとっては好ましいものといえる。
【0007】
しかし、その反面、これら特許文献1、2にそれぞれ示されたペーパーホルダー装置では、駆動源として、紙送り用のモータと紙切断用のモータをそれぞれ個別に備えた2モータ方式の構成であることから、これら各モータの配置スペースが大きく且つその駆動機構も複雑となり、設置場所の関係からコンパクト性が要求されるペーパーホルダー装置としては好適とは言えず、またモータの設置数が多い分だけコストアップになるという問題もあった。
【0008】
そこで本願発明は、ペーパーロールからのペーパーの送り出しと、送り出されたペーパーの切断を電動で自動的に行うようにしたペーパーホルダー装置において、構造の簡略化及び低コスト化を実現することを主たる目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願の第1の発明では、ペーパーロールPを巻戻し可能に支持するペーパーロール支持部15と、該ペーパーロールPからペーパーPaを巻戻して送り出すペーパー送出部20と、上記ペーパー送出部20から送り出されるペーパーPaを順次ジグザグ状に折り畳んでこれを折畳ペーパーPcとして保持するペーパー折畳保持部30と、上記ペーパー送出部20と上記ペーパー折畳保持部30の間で上記ペーパーPaを切断するペーパー切断部40とを備えてなるペーパーホルダー装置において、上記ペーパー送出部20と上記ペーパー切断部40を、単一の駆動ユニット60によって択一的に駆動することを特徴としている。
【0011】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記駆動ユニット6が、可逆回転するモータ62と、該モータ62の駆動力を受けて正転方向と逆転方向へ選択的に回転駆動され且つ上記駆動力によって第1の位置と第2の位置の間で揺動変位する駆動ギヤ65を備え、上記駆動ギヤ65が、上記第1の位置に設定された状態では上記ペーパー送出部20に備えられた送出駆動ギヤ55に噛合して該ペーパー送出部20を回転駆動する一方、上記第2の位置に設定された状態では上記ペーパー切断部40に備えられた切断駆動ギヤ56に噛合して該ペーパー切断部40を回転駆動するように構成したことを特徴としている。
【0012】
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記ペーパー切断部40が、上記ペーパー送出部20によって送り出されるペーパーPaの一方の面側に該ペーパーPaの幅方向に沿って近接状態で配置されるとともに該ペーパーPaに接近する方向へ弾圧付勢された固定刃52と、上記ペーパーPaを挟んで上記固定刃52に対向するように配置された回転軸47にその一端側から他端側に向けて次第に回転方向後方側へ変位するように傾斜状に取付けられた回転刃48を備え、上記回転軸47の回転によって上記回転刃48がその一端側から他端側へ向けて連続的に上記固定刃52と弾圧接触することで上記ペーパーPaを切断するように構成したことを特徴としている。
【0013】
本願の第4の発明では、上記第1の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記ペーパー折畳保持部30の近傍への人の手の接近の有無を検知する第1センサ71と、該ペーパー折畳保持部30における折畳ペーパーPcの有無を検知する第2センサ72を備え、上記駆動ユニット60を、上記第1センサ71が人の手の接近を検知し且つ上記第2センサ72が折畳ペーパーPcの不存在を検知したときにその作動が開始されるように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0015】
(a)本願の第1の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、ペーパーロールPを巻戻し可能に支持するペーパーロール支持部15と、該ペーパーロールPからペーパーPaを巻戻して送り出すペーパー送出部20と、上記ペーパー送出部20から送り出されるペーパーPaを順次ジグザグ状に折り畳んでこれを折畳ペーパーPcとして保持するペーパー折畳保持部30と、上記ペーパー送出部20と上記ペーパー折畳保持部30の間で上記ペーパーPaを切断するペーパー切断部40とを備えたものにおいて、上記ペーパー送出部20と上記ペーパー切断部40を、単一の駆動ユニット60によって択一的に駆動するように構成されているので、上掲各特許文献に示されるような2モータ式の駆動機構を備えた従来のペーパーホルダー装置に比して、モータの設置数の減少によって外観形体のコンパクト化及び低コスト化が図られるとともに、駆動機構の構造の簡略化が促進される。
【0016】
(b) 本願の第2の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明のペーパーホルダー装置では、上記駆動ユニット6を、可逆回転するモータ62と、該モータ62の駆動力を受けて正転方向と逆転方向へ選択的に回転駆動され且つ上記駆動力によって第1の位置と第2の位置の間で揺動変位する駆動ギヤ65で構成し、上記駆動ギヤ65が、上記第1の位置に設定された状態では上記ペーパー送出部20に備えられた送出駆動ギヤ55に噛合して該ペーパー送出部20を回転駆動する一方、上記第2の位置に設定された状態では上記ペーパー切断部40に備えられた切断駆動ギヤ56に噛合して該ペーパー切断部40を回転駆動するように構成しているので、上記モータ62による駆動対象の変更が該モータ62の回転方向の切り換えのみによって自動的に行われ、例えば、ペーパー送出部20とペーパー切断部40をそれぞれ個別のモータによって駆動し、これら各モータの作動制御をそれぞれ個別に行う構成の場合に比して、その制御系が簡略化され、低コスト化が促進されるとともに、駆動対象の変更に伴う作動上の信頼性が向上することになる。
【0017】
(c) 本願の第3の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明のペーパーホルダー装置では、上記第1の発明に係るペーパーホルダー装置において、上記ペーパー切断部40が、上記ペーパー送出部20によって送り出されるペーパーPaの一方の面側に該ペーパーPaの幅方向に沿って近接状態で配置されるとともに該ペーパーPaに接近する方向へ弾圧付勢された固定刃52と、上記ペーパーPaを挟んで上記固定刃52に対向するように配置された回転軸47にその一端側から他端側に向けて次第に回転方向後方側へ変位するように傾斜状に取付けられた回転刃48を備え、上記回転軸47の回転によって上記回転刃48がその一端側から他端側へ向けて連続的に上記固定刃52と弾圧接触することで上記ペーパーPaを切断するように構成しているので、例えば、上掲各特許文献1,2のようにモータと可動刃の間にクランク機構とか揺動機構を配置する構成の場合に比して、上記回転刃48の駆動系の構造が簡略化され、それだけ低コスト化が図れる。
【0018】
また、上記固定刃52が、上記ペーパーPaに接近する方向へ弾圧付勢された構成であることから、例えば、回転刃48と固定刃52の間隔あるいはこれら相互の接触圧が、これら両者の組立誤差とか刃先の摩滅等の原因によって設計値からズレたような場合であっても、上記固定刃52が弾性変位することで該ズレが吸収緩和され、常時適正な間隔あるいは適正な接触圧に維持され、その結果、上記ペーパーPaの切断に際しての作動上の信頼性が向上することになる。
【0019】
(d) 本願の第4の発明に係るペーパーホルダー装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明のペーパーホルダー装置では、上記ペーパー折畳保持部30の近傍への人の手の接近の有無を検知する第1センサ71と、該ペーパー折畳保持部30における折畳ペーパーPcの有無を検知する第2センサ72を備え、上記駆動ユニット60を、上記第1センサ71が人の手の接近を検知し且つ上記第2センサ72が折畳ペーパーPcの不存在を検知したときにその作動が開始されるように構成しているので、例えば、上記ペーパー折畳保持部30に上記折畳ペーパーPcが存在しており、折畳ペーパーPcをさらに作成する必要性がないにも拘らず、上記第1センサ71の検出信号を受けて折畳ペーパーPcの作成動作が開始されるというような事態の発生が未然に且つ確実に回避され、ペーパーホルダー装置1の使用上における利便性及び信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本願発明の実施の形態に係るペーパーホルダー装置の使用状態における外観斜視図である。
【図2】図1に示したペーパーホルダー装置において開閉カバーを開いた状態の外観斜視図である。
【図3】図1に示したペーパーホルダー装置において、一方の側カバーを取り除いた状態の外観斜視図である。
【図4】図1に示したペーパーホルダー装置において、ホルダー本体部の一方の側壁部の図示を省略してその内部構造を現した斜視図である。
【図5】図4に示したペーパーホルダー装置において、開閉カバーを開いた状態の斜視図である。
【図6】図1のVI−VI断面図である。
【図7】図5に示した回転刃ユニットの構造を示す斜視図である。
【図8】図5に示した固定刃ユニットの構造を示す斜視図である。
【図9】図3に示した駆動ユニットの全体構造を示す斜視図である。
【図10】図9に示した駆動ユニットの分解斜視図である。
【図11】図9に示した駆動ユニットの、ペーパー送出部駆動時の作動説明図である。
【図12】図9に示した駆動ユニットの、ペーパー切断部駆動時の作動説明図である。
【図13】モータの制御系の構成を示すブロック図である。
【図14】ペーパーホルダー装置の使用時における作動制御のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0022】
図1及び図2は、本願発明の実施形態に係るペーパーホルダー装置1を示している。このペーパーホルダー装置1は、トイレの壁面に取付けられ、その内部にトイレットペーパーを巻回して成るペーパーロールPを保持し、使用者の必要に応じて該ペーパーロールPからペーパーPaを所定長さだけ送り出し、これをジグザグ状に折り畳んで折畳ペーパーPcを作るとともに、この折畳ペーパーPcを上記ペーパーロールP寄り位置で切り離して使用に供するものであって、上記ペーパーPaの送り出しから切断切り離しまでの一連の動作が自動的に行われるように構成されている。係る自動操作によって、使用者が手でペーパーPaを引き出し、これを折り畳んで切り取る、というような手間が省け、特に高齢者にとっては好適なものとなる。
【0023】
上記ペーパーホルダー装置1は、ホルダー本体部2と該ホルダー本体部2の下面側に固定ブラッケット29を介して連結固定された付設部3を備えて構成される。
【0024】
A:ホルダー本体部2の構成
A−1:ホルダー本体部2
上記ホルダー本体部2は、図1〜図6に示すように、左右一対の側壁部5,6と奥壁部7でなるケース体4を備え、これらの内側の内部スペースSには、後述するペーパーロール支持部15、ペーパー送出部20、ペーパー折畳保持部30、ペーパー切断部40が収納配置される。
【0025】
また、上記ケース体4の奥壁部7の上端には、前面部10aと上面部10bとでなる湾曲板状の開閉カバー10の一端が支点軸11によって枢支され、該開閉カバー10によって上記ケース体4の内部スペースSが開閉蓋されるようになっている。上記内部スペースSへの上記ペーパーロールPの装脱は、上記開閉カバー10を開いて行われる(図2参照)。
【0026】
さらに、上記ケース体4の左右の側壁部5,6の外側には、それぞれ側カバー8,9が装着され、特に上記側壁部6と上記側カバー9で囲まれたスペースは、後述する駆動ユニット60の配置スペースとして利用される(図3参照)。
【0027】
A−2:ペーパーロール支持部15
上記ペーパーロール支持部15は、図4〜図6に示すように、上記内部スペースSの下端部分において上記左右一対の側壁部5,6間に跨って平行配置された前後一対の支持ローラ16,16と、上記奥壁部7の高さ方向中間部と奥側の支持ローラ16の近傍との間に配置された湾曲板状のガイド板17と、手前側の支持ローラ16寄りに配置された後述する回転刃ユニット41に設けられた湾曲板状のガイド板44によって構成される。
【0028】
上記ペーパーロールPは、図6に示すように、上記一対の支持ローラ16,16間に跨るようにその上面側に載置されることで回転可能(即ち、ペーパーPaの送り出しが可能)とされるとともに、該各支持ローラ16,16よりも奥側に位置する上記ガイド板17と手前該に位置する上記ガイド板44によって、前後方向への位置ズレが規制される。
【0029】
即ち、このペーパーロール支持部15は、上記ペーパーロールPに芯棒を通すことなくフリー状態で保持し、その位置ズレは上記各ガイド板17、44で行うようにしたので、該ペーパーロールPの着脱に際して芯棒の着脱作業が不要であり、該作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0030】
尚、上記ガイド板17とガイド板44による上記ペーパーロールPの径方向への位置ズレの規制作用は、該ペーパーロールPの径が大きいとき、即ち、上記ペーパーロールPの上記各支持ローラ16,16間の隙間への落ち込み量が少なく、該各支持ローラ16,16自体による位置ズレの規制作用が小さいときに有効である。上記ペーパーロールPの径が小さくなると、上記ペーパーロールPの上記各支持ローラ16,16間の隙間への落ち込み量が増加するため、該ペーパーロールPの位置ズレの規制作用は専ら上記各支持ローラ16,16自体によって行われることになる。
【0031】
A−3:ペーパー送出部20
上記ペーパー送出部20は、図5に示すように、上記ペーパーロール支持部15に支持された上記ペーパーロールPからペーパーPaを引き出してこれを上記内部スペースSの前面側へ送り出すためのものであって、送出ローラ21と押えローラ22を備えて構成される。
【0032】
上記送出ローラ21は、その表面をラバー等からなる高摩擦係数面としたローラーであって、上記ケース体4の前端上部において上記左右一対の側壁部5,6間に跨って回転可能に取付けられている。そして、この送出ローラ21の一端に設けられたローラ回転軸23は、上記側壁部6を貫通して該側壁部6の外面側まで延出され、この延出端には送出駆動ギヤ55が取付けられている(図3参照)。また、上記送出ローラ21は、上記送出駆動ギヤ55が、これに噛合する後述する駆動ユニット60の駆動ギヤ65によって駆動されることで、矢印a方向(図5参照)へ回転される。
【0033】
上記押えローラ22は、上記送出ローラ21に巻きかけられたペーパーPaをその上方から上記送出ローラ21側へ押し付けて、該送出ローラ21と協働してペーパーPaを送り出させるものであって、上記開閉カバー10の前面部10aと上面部10bのコーナー部分の内側で且つ開閉カバー10の閉蓋状態において上記送出ローラ21に対応する部位に、上記送出ローラ21と平行となるように該開閉カバー10の幅方向両側に位置する側部リブ12,12に跨って回転自在に取付けられている。尚、この押えローラ22は、図示しないバネによって、上記開閉カバー10の内面から離間する方向(換言すれば、上記送出ローラ21に接近する方向に付勢され、該送出ローラ21との間に適正な押圧力を発生させるようになっている。
【0034】
従って、上記開閉カバー10を開けた状態で、上記ペーパーロール支持部15に保持された上記ペーパーロールPからペーパーPaを引き出し、これを上記送出ローラ21の上側を通して下方へ延出させ、この状態で上記開閉カバー10を閉じると、自動的に上記ペーパーPaが上記送出ローラ21と上記押えローラ22の間に挟圧把持される。この状態で、上記送出ローラ21が回転されると、上記ペーパーPaは該送出ローラ21の回転によって上記送出ローラ21から下方側へ順次送り出されることになる。
【0035】
尚、この場合、上記送出ローラ21及び押えローラ22は、平坦な外周面をもつ直棒状に形成する必要はなく、要は摩擦力によって上記ペーパーPaを送り出せれば良く、例えば、上記送出ローラ21及び/又は上記押えローラ22にゴム製のOリングを取付けて、上記ペーパーPaに対して局部的に摩擦力を作用させることもできる。
A−4:ペーパー切断部40
上記ペーパー切断部40は、図4〜図6に示すように、上記送出ローラ21の下方側に配置された回転刃ユニット41と、上記開閉カバー10の上記押えローラ22の下方側に配置された固定刃ユニット42を備えて構成され、上記開閉カバー10を閉じた状態では、回転刃ユニット41と固定刃ユニット42が平行状態で接触するように、これらの取付位置が相対的に設定されている。
【0036】
上記回転刃ユニット41は、図7に示すように、刃物保持部43と回転軸47と回転刃48を備えて構成される。
【0037】
上記刃物保持部43は、上記ケース体4の各側壁部5,6間に跨って配置され且つ固定される横長の箱状体であって、上記ペーパーロール支持部15の一部を構成する湾曲板状のガイド板44と、該ガイド板44の背面側に突設されて該ガイド板44の長手方向に延びる上下一対のフランジ板45、45と、該各フランジ板45、45の両端部に設けられた側板46,46を備える。
【0038】
上記刃物保持部43の内部には、回転軸47が、その軸端47aを上記側板46から外側へ延出させた状態で取付けられるとともに、上記回転軸47の外周面上には、帯板状の形体をもつ回転刃48が、該回転軸47の一端側から他端側に向けて次第に該回転軸47の回転方向後方側へ変位するように傾斜状に取付けられている。そして、上記刃物保持部43を上記ケース体4側に組み付けた状態では、図3に示すように、上記回転軸47の軸端47aが上記側壁部6を貫通してその外面側まで延出され、この延出端には切断駆動ギヤ56が取付けられている。
【0039】
そして、上記回転軸47は、上記切断駆動ギヤ56がこれに噛合する後述する駆動ユニット60の駆動ギヤ65によって駆動されることで、矢印b方向(図7参照)へ回転される。
【0040】
尚、上記回転軸47は、その回転停止状態では上記回転刃48が上記刃物保持部43の奥側へ対向し、回転時にのみ上記回転刃48が上記刃物保持部43の手前側へ露出するように、その回転停止位置が設定される。これは、ペーパーホルダー装置1の使用に際しての準備作業において、上記ペーパーPaを上記回転刃ユニット41の手前側を通して下方へ引き出す際に、人の手が上記回転刃48に触れるのを回避する趣旨である。
【0041】
上記固定刃ユニット42は、図8に示すように、横長箱状の刃物保持部49に帯板状の固定刃52を取付けて構成され、該刃物保持部49に設けられた固定部50を上記開閉カバー10の前面部10aの内面側に締結固定することで、該開閉カバー10に取付けられる。この場合、上記固定刃52は、上記刃物保持部49に対して固定されるのではなく、該固定刃52の両端に設けた支持軸53を中心としてその厚さ方向(矢印e−f方向)に揺動変位可能とされているとともに、図示しないバネによって上記固定部50から離間する方向(矢印方向e方向)に押圧付勢されている。
【0042】
そして、上記回転刃ユニット41と上記固定刃ユニット42は、図4及び図6に示すように、上記開閉カバー10が閉じられた状態では、前後方向に対向し、該回転刃ユニット41の上記回転刃48と上記固定刃ユニット42の固定刃52は、上記回転軸47の回転に伴って当接し、これら両者間で上記ペーパーPaを切断するように作用する。
【0043】
この場合、上記回転刃48が上記回転軸47に対して、該回転軸47の一端側から他端側に向けて次第にその回転方向後方側へ変位するように傾斜状に取付けられていることから、該回転刃48と上記固定刃52はその全域が同時に当接するのではなく、該固定刃52の一端側から他端側へ向けて順次当接点が移動するような形態で当接する。この結果、上記ペーパーPaに対する上記回転刃48と上固定刃52のシヤー角が小さくなり、該ペーパーPaはスムーズに且つ的確に切断されることになる。
【0044】
また、上記固定刃52が、図8の矢印e方向(即ち、回転刃48と固定刃52の間に挿通される上記ペーパーPaに接近する方向(図6参照))へ弾圧付勢された構成であることから、例えば、回転刃48と固定刃52の間隔あるいはこれら相互の接触圧が、これら両者の組立誤差とか刃先の摩滅等の原因によって設計値からズレたような場合であっても、上記固定刃52が弾性変位することで該ズレが吸収緩和され、常時適正な間隔あるいは適正な接触圧に維持されることになる。
A−5:駆動ユニット60
駆動ユニット60は、上記ペーパー送出部20と上記ペーパー切断部40を択一的に駆動するものであって、図3に示すように、上記ケース体4の一方の側壁部6の外面側に配置される。
【0045】
上記駆動ユニット60は、図9及び図10に示すように、上記側壁部6に締結固定される固定ブラケット61に、ウォームギヤ63を備えた可逆回転式のモータ62と、該ウォームギヤ63に噛合するウォームホイール64を取付けるとともに、該ウォームホイール64の支軸68に揺動自在に揺動アーム66を枢支し、さらにこの揺動アーム66の先端側に支軸69を介して駆動ギヤ65を取付け、該駆動ギヤ65と上記ウォームホイール64をOリング67によって連動連結して構成される。また、上記支軸69の端部を上記固定ブラケット61に設けたガイド孔73に係入させており、該支軸69と上記ガイド孔73の端部との係合によって、上記揺動アーム66の揺動範囲が規制される。
【0046】
そして、この駆動ユニット60においては、上記モータ62が正転するときには、その回転力が上記ウォームギヤ63から上記ウォームホイール64に伝達され、さらに該ウォームホイール64の回転が上記Oリング67を介して上記駆動ギヤ65に伝達され、これによって該駆動ギヤ65が矢印n方向へ回転駆動される。この際、上記駆動ギヤ65には、上記Oリング67を介して上記支軸68を回転中心とする回転力が作用するため、該駆動ギヤ65は上記揺動アーム66と一体的に矢印h方向へ回動することになる。このときの上記駆動ギヤ65の位置を「第1の位置」という。
【0047】
逆に、上記モータ62が逆転するときには、その回転力が上記ウォームギヤ63から上記ウォームホイール64に伝達され、さらに該ウォームホイール64の回転が上記Oリング67を介して上記駆動ギヤ65に伝達され、これによって該駆動ギヤ65が矢印m方向へ回転駆動される。この際、上記駆動ギヤ65には、上記Oリング67を介して上記支軸68を回転中心とする回転力が作用するため、該駆動ギヤ65は上記揺動アーム66と一体的に矢印g方向へ回動することになる。このときの上記駆動ギヤ65の位置を「第2の位置」という。
【0048】
このような上記駆動ユニット60の駆動特性を利用して、上記ペーパー送出部20と上記ペーパー切断部40を単一のモータ62によって択一的に駆動するようにしている。即ち、この実施形態では、図3及び図11、図12に示すように、上記ケース体4の上記側壁部6上に配置された上記ペーパー送出部20側の送出駆動ギヤ55と、上記ペーパー切断部40側の切断駆動ギヤ56のほかに、大径ギヤ57aと上記切断駆動ギヤ56に噛合する小径ギヤ57bを備えた中間ギヤ57を設けている。
【0049】
そして、上記駆動ギヤ65が第1の位置に設定された状態では、図11に示すように、該駆動ギヤ65は上記送出駆動ギヤ55に噛合して、該送出駆動ギヤ55を矢印p方向は回動させる。一方、上記駆動ギヤ65が第2の位置に設定された状態では、図12に示すように、該駆動ギヤ65は上記中間ギヤ57を介して上記送出駆動ギヤ55に噛合して、該送出駆動ギヤ55を矢印q方向へ回動させる。
B:付設部3の構成
上記付設部3は、上記ホルダー本体部2の下面側に装着されて、ペーパー折畳保持部30を構成するものであって、図1〜図5に示すように、左右一対の側壁31,31とこれら相互間に跨る底壁32と、該底壁32の前端側において立ち上がる前規制壁34を一体的に形成するとともに、上記底壁32の奥側には板状体でなる後規制壁35を、その上端を後方側へ傾倒させた傾斜状態で配置して構成される。
【0050】
上記前規制壁34と上記後規制壁35は、上記ペーパー送出部20側から上記底壁32側へ順次降下する上記ペーパーPaと当接することで、該ペーパーPaの振れ幅を規制してこれをジグザク状に折り畳んで折畳ペーパーPc(図2、図3参照)を形成させる如く作用するものであって、これら前規制壁34と後規制壁35の対向間隔寸法によって上記折畳ペーパーPcの折り畳み幅が規定される。このため、この実施形態では、図5に示すように、上記底壁32の奥行き方向における上記後規制壁35の配置位置を多段階に調整可能とし、これによって上記折畳ペーパーPcの折り畳み幅を変更できるようにしている。具体的には、上記左右一対の側壁31,31の内面側に、後傾状態で上下に並ぶ一対の突起74,75を、上記底壁32の奥行き方向に所定間隔をもって多段に設け、これら各段間の何れかに上記後規制壁35を選択的に係入させることで、該後規制壁35の装着位置を変更可能としている。
【0051】
また、上記底壁32とこれに連続する上記前規制壁34には、該前規制壁34から上記底壁32の奥側へ向けて切れ込む切欠開口状のペーパー取出部33が設けられている。
【0052】
尚、上記底壁32上において形成された上記折畳ペーパーPcは、上記ペーパー送出部20の下側位置に配置された上記ペーパー切断部40によって上記ペーパーPaが切断されることで上記ペーパーロールP側から切り離されて、使用可能な状態とされる。
C:ペーパーホルダー装置1の作動制御
上記ペーパー折畳保持部30の適所には、図示しない第1センサ71と第2センサ72(図13参照)が配置される。上記第1センサ71は、使用者が上記ペーパー折畳保持部30において形成された上記折畳ペーパーPcの取り出しを意図して該ペーパー折畳保持部30の近傍へ手を差し出したとき、この手の接近を検知するものである。また、上記第2センサ72は、上記ペーパー折畳保持部30に上記折畳ペーパーPcが存在しているか否かを検知するものである。
【0053】
この実施形態のペーパーホルダー装置1においては、上記第1センサ71と第2センサ72の検出信号に基づいて上記モータ62の作動を制御することで、上記ペーパーPaの送り出しから上記折畳ペーパーPcの形成、さらに上記ペーパー切断部40によるペーパーPaの切断に至る一連の動作が自動的に行われるように構成している。以下、これを具体的に説明する。
【0054】
図13に示すように、上記各センサ71,72の検出信号はそれぞれ制御器70に入力される。この制御器70では、上記各センサ71,72の検出信号に基づいて、「ペーパー送り動作」及び「ペーパー切断動作」を、予め設定した制御形態の下で実行すべく、上記モータ62に制御信号を出力してその作動を制御する。
【0055】
ここで、上記制御形態についての基本思想を説明する。
(a) ペーパーホルダー装置1の作動(即ち、モータ62の正転起動によるペーパーPaの送り出し動作)は、上記第1センサ71において人の手の接近の検知によって開始される。これは、人による直接的なスイッチ操作を排除して、使用上の利便性、容易性を確保するためである。
【0056】
但し、第2センサ72がペーパー折畳保持部30に折畳ペーパーPcが存在しないことを検知したことを条件とする。これは、人の不必要な動作に基づくペーパーホルダー装置1の作動開始を回避するためである。
(b) 第1センサ71及び第2センサ72の検知信号を受けて、モータ62の正転起動によるペーパーPaの送り出し動作が開始された後から、下記(e)の動作が完了するまでの間において第1センサ71から検知信号が出力されたとしても、この制御信号は制御上無視する。これは、ペーパーホルダー装置1の作動後における人の動作によって、該ペーパーホルダー装置1の作動に混乱を来たすのを回避し、ペーパーホルダー装置1の一連の作動を円滑に遂行させるためである。
(c) ペーパーPaの送り出し長さ(即ち、折畳ペーパーPcの長さ)は、モータ62によるペーパー送出部20の駆動時間の設定によって調整する。この実施形態では、駆動時間の設定を制御器70においてソフト的に行うが、他の実施形態では手動操作によるタイマー設定で行うことも可能である。
(d) ペーパーPaの送り出し完了後におけるペーパーPaの切断動作は、モータ62の逆転起動によって行う。これは、ペーパーPaの「送り出し」と「切断」は、同時に行われることはなく、必ず択一的に行われる動作であることから、上記モータ62を「送り出し駆動」と「切断駆動」の双方に利用するものである。
(e) ペーパー切断部40におけるペーパーPaの切断後、モータ62を正転駆動してペーパーPaを所定量送り出す。これは、ペーパーPaの切断縁Pb(図2参照)がペーパー切断部40部分に止まっていると、次回の送り出し時に該切断縁Pbがペーパー切断部40部分に引っ掛かって適正な送り出しが阻害される恐れがあるため、予め切断縁Pbをペーパー切断部40部分より先へ送り出しておく趣旨である。この送り出し量(即ち、予送り量)は、モータ62によるペーパー送出部20の駆動時間の設定によって調整する。この実施形態では、駆動時間の設定を制御器70においてソフト的に行うが、他の実施形態では手動操作によるタイマー設定で行うことも可能である。
D:ペーパーホルダー装置1の作動説明
上記「基本思想」に基づくペーパーホルダー装置1の実際の作動を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0057】
上記ペーパーホルダー装置1の使用に先立って、上記開閉カバー10を開いてペーパーロールPを上記ペーパーロール支持部15にセットすると共に、該ペーパーロールPからペーパーPaを引き出して、これを上記送出ローラ21の上側を通り、さらに上記回転刃ユニット41の手前を通ってその下方側まで引き下げる。しかるのち、上記開閉カバー10を閉じる。この開閉カバー10の閉蓋によって、上記押えローラ22は上記ペーパーPaを挟んだ状態で上記送出ローラ21に当接する。また、上記固定刃ユニット42の固定刃52は、上記ペーパーPaを挟んで上記回転刃ユニット41の上記回転軸47に近接対向する。尚、この時点では、上記回転刃ユニット41の回転刃48は、該回転刃ユニット41の背面側へ対向しており、その前面側には露出していない。
【0058】
以上で、上記ペーパーホルダー装置1が使用可能状態とされる。
【0059】
ペーパーホルダー装置1の使用に伴う上記モータ62の制御は、ステップS1において第1センサ71が初回の検知信号を出力し、さらにステップS2において第2センサ72から検知信号が出力されていないことを条件に、開始される。
【0060】
上記条件が満足されると、これを受けてモータ62が正転起動される。このモータ62の正転起動によって、上記駆動ユニット60の駆動ギヤ65が、図9の矢印h方向へ揺動して上記「第1の位置」に設定され、上記ペーパー送出部20側の送出駆動ギヤ55に噛合する。従って、上記送出駆動ギヤ55の回転に伴って上記送出ローラ21が回転し、該送出ローラ21とこれに対応する上記押えローラ22の協働によって上記ペーパーロールPからペーパーPaが送り出される。
【0061】
このペーパーPaの送り出しは、所要送り出し量に対応して予め設定した設定時間「Ta」の間だけ継続される(ステップS4)。この設定時間「Ta」の経過によって、上記モータ62の回転が停止される(ステップS5)が、この停止状態は予め設定した設定時間「Tb」の間だけ継続される。これは、上記モータ62とか上記送出ローラ21の慣性回転を考慮し、次に行われるモータ62の逆転駆動の適正な開始を担保するためである。
【0062】
尚、上記ペーパー送出部20によるペーパーPaの送り出し動作が行われている間に、上記ペーパー折畳保持部30では上方から垂れ下がり状態で送り出されてくるペーパーPaが順次ジグザグ状に折り畳まれて折畳ペーパーPcが形成される。
【0063】
上記所定時間「Tb」の経過とともに、上記モータ62が逆転駆動され(ステップS7)、上記駆動ユニット60の駆動ギヤ65が、図9の矢印g方向へ揺動して上記「第2の位置」に設定され、上記中間ギヤ57に噛合する。従って、該中間ギヤ57に噛合する上記ペーパー切断部40側の切断駆動ギヤ56が回転駆動される。
【0064】
この切断駆動ギヤ56の回転に伴って上記回転刃ユニット41の回転軸47が回転し、これに取付けた上記回転刃48が、上記固定刃ユニット42の固定刃52に対して刃幅方向の一端側から他端側に向けて順次接触することで、該回転刃48と固定刃52の間に挟まれた上記ペーパーPaが切断され、上記ペーパー折畳保持部30側の上記折畳ペーパーPcが上記ペーパーPaから切り離される。
【0065】
このペーパー切断部40の切断動作は、設定時間「Tc」の間継続され(ステップS8)、該設定時間「Tc」の経過とともに上記モータ62の回転が停止する(ステップS9)ことで終了する。
【0066】
上記モータ62の停止状態は、予め設定した設定時間「Td」の間だけ継続される(ステップS10)が、これは、上記モータ62とか上記送出ローラ21の慣性回転を考慮し、次に行われるモータ62の正転駆動の適正な開始を担保するためである。
【0067】
上記設定時間「Td」の経過とともに、上記モータ62の正転駆動が開始され(ステップS11)、再度、上記ペーパー送出部20側の送出ローラ21が回転駆動され、上記ペーパーPaの「予送り出し」が設定時間「Te]の間だけ実行され、上記ペーパー切断部40で切断されたペーパーPaの切断縁Pbが、該ペーパー切断部40より下方へ所定長さだけ送り込まれる。
【0068】
上記設定時間「Te」の経過とともに、上記モータ62の回転が停止され(ステップS13)、これによって上記ペーパーホルダー装置1の一連の動作が終了し、該ペーパーホルダー装置1は次回の使用に備えた待機状態となる。
【0069】
以上のように、上記ペーパーホルダー装置1は、人が折畳ペーパーPcの使用を望んで、手を上記ペーパー折畳保持部30の近傍に位置させることで作動が開始され、所定時間後には自動的に上記付設部3に折畳ペーパーPcが形成されるものであることから、該折畳ペーパーPcを得るための人の動作あるいは操作は殆ど必要とせず、特に高齢者にとってその効果は極めて有用なものとなる。
【符号の説明】
【0070】
1 ・・ペーパーホルダー装置
2 ・・ホルダー本体部
3 ・・付設部
4 ・・ケース体
10 ・・開閉カバー
12 ・・側部リブ
15 ・・ペーパーロール支持部
16 ・・支持ローラ
17 ・・ガイド板
20 ・・ペーパー送出部
21 ・・送出ローラ
22 ・・押えローラ
23 ・・ローラ回転軸
30 ・・ペーパー折畳保持部
33 ・・ペーパー取出部
34 ・・前規制壁
35 ・・後規制壁
40 ・・ペーパー切断部
41 ・・回転刃ユニット
42 ・・固定刃ユニット
47 ・・回転軸
48 ・・回転刃
52 ・・固定刃
53 ・・支持軸
55 ・・送出駆動ギヤ
56 ・・切断駆動ギヤ
57 ・・中間ギヤ
60 ・・駆動ユニット
62 ・・モータ
63 ・・ウォームギヤ
64 ・・ウォームホイール
65 ・・駆動ギヤ
66 ・・揺動アーム
67 ・・Oリング
68 ・・支軸
69 ・・支軸
70 ・・制御器
71 ・・第1センサ
72 ・・第2センサ
P ・・ペーパーロール
Pa ・・ペーパー
Pb ・・ペーパー切断縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパーロール(P)を巻戻し可能に支持するペーパーロール支持部(15)と、該ペーパーロール(P)からペーパー(Pa)を巻戻して送り出すペーパー送出部(20)と、上記ペーパー送出部(20)から送り出されるペーパー(Pa)を順次ジグザグ状に折り畳んでこれを折畳ペーパー(Pc)として保持するペーパー折畳保持部(30)と、上記ペーパー送出部(20)と上記ペーパー折畳保持部(30)の間で上記ペーパー(Pa)を切断するペーパー切断部(40)とを備えてなるペーパーホルダー装置であって、
上記ペーパー送出部(20)と上記ペーパー切断部(40)を、単一の駆動ユニット(60)によって択一的に駆動することを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記駆動ユニット(60)は、可逆回転するモータ(62)と、該モータ(62)の駆動力を受けて正転方向と逆転方向へ選択的に回転駆動され且つ上記駆動力によって第1の位置と第2の位置の間で揺動変位する駆動ギヤ(65)を備え、
上記駆動ギヤ(65)は、上記第1の位置に設定された状態では上記ペーパー送出部(20)に備えられた送出駆動ギヤ(55)に噛合して該ペーパー送出部(20)を回転駆動する一方、上記第2の位置に設定された状態では上記ペーパー切断部(40)に備えられた切断駆動ギヤ(56)に噛合して該ペーパー切断部(40)を回転駆動するように構成されたことを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記ペーパー切断部(40)は、上記ペーパー送出部(20)によって送り出されるペーパー(Pa)の一方の面側に該ペーパー(Pa)の幅方向に沿って近接状態で配置されるとともに該ペーパー(Pa)に接近する方向へ弾圧付勢された固定刃(52)と、上記ペーパー(Pa)を挟んで上記固定刃(52)に対向するように配置された回転軸(47)にその一端側から他端側に向けて次第に回転方向後方側へ変位するように傾斜状に取付けられた回転刃(48)を備え、
上記回転軸(47)の回転によって上記回転刃(48)がその一端側から他端側へ向けて連続的に上記固定刃(52)と弾圧接触することで上記ペーパー(Pa)を切断するように構成されたことを特徴とするペーパーホルダー装置。
【請求項4】
請求項1において、
上記ペーパー折畳保持部(30)の近傍への人の手の接近の有無を検知する第1センサ(71)と、該ペーパー折畳保持部(30)における折畳ペーパー(Pc)の有無を検知する第2センサ(72)を備え、
上記駆動ユニット(60)は、上記第1センサ(71)が人の手の接近を検知し且つ上記第2センサ(72)が折畳ペーパー(Pc)の不存在を検知したときにその作動が開始される構成であることを特徴とするペーパーホルダー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−65957(P2012−65957A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215019(P2010−215019)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(599117255)株式会社 シコク (28)