説明

ホットプラグ信号入出力装置

【課題】 5V電源ラインがソース機器側5V電源ラインと導通されていない場合に、ソース機器側ホットプラグラインにホットプラグ信号が供給されることを防止する。
【解決手段】 出力制御手段19は、5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ラインと導通されていない場合に、DDCライン26からDDCライン16aに供給された5V電源電圧が抵抗R1及びR2aによって分圧された電圧が、トランジスタQ1aのコレクタに供給され、トランジスタQ1aがオフ状態になる。5V電源部12に制御信号が入力されないので、5V電源部12からディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧が供給されることが阻止される。その結果、DVDプレーヤ20にホットプラグ信号が出力されることが阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンク機器からホットプラグ信号が入力されると共に、ソース機器にホットプラグ信号を出力するホットプラグ信号入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像データ及び音声データ等のコンテンツデータ(以下、HDMIデータという。)を供給するソース機器と、ソース機器から供給されたHDMIデータを受信するシンク機器やリピータ機器等のコンテンツ受信装置とで構成されるAVシステムが普及している。また、複数のソース機器から供給されるHDMIデータの中から1つのHDMIデータを選択して受信し、シンク機器に供給するHDMIスイッチャも存在する。
【0003】
ソース機器は、例えば、DVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、HDDVD(High Definition DVD)プレーヤ等である。また、シンク機器は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、プロジェクタ等である。リピータ機器又はHDMIスイッチャは、例えば、AVアンプや、AVレシーバ等である。これらの機器は、HDMI規格に準拠しており、HDMIケーブルを介して相互に接続される。
【0004】
図7は、従来のAVアンプ(HDMIスイッチャ)50を説明するブロック図である。AVアンプ50は、HDMIスイッチ11と、5V電源部12と、コネクタ13、14とを備えている。コネクタ13にはHDMIケーブルを介して、例えばDVDプレーヤ20が接続される。コネクタ14にはHDMIケーブルを介して、例えばディスプレイ装置30が接続される。
【0005】
AVアンプ50は、HDMIのラインとして、主に、ホットプラグライン15a,15c、DDCライン16a,16c、および5V電源ライン17a,17cを含む。ホットプラグライン15aは、AVアンプ50がDVDプレーヤ20にHDMIケーブルを介して接続されていることを通知するためのホットプラグ信号をDVDプレーヤ20に出力するラインである。すなわち、DVDプレーヤ20は、AVアンプ50から供給されるホットプラグ信号がローレベルであれば、AVアンプ50がアクティブ(HDMIデータを受信して処理できる状態)でない、又は、AVアンプ50が接続されていないと判断し、ホットプラグ信号がハイレベルであれば、AVアンプ50が接続されていると判断する(例えば、下記特許文献1)。
【0006】
DDCライン16a,16bは、AVアンプ50(及びディスプレイ装置30)に関する情報(EDID、認証情報等)をDVDプレーヤ20が取得し、認証するためのラインである。5V電源ライン17a,17bは、DDCライン16a,16bに接続されており、5V電源電圧を供給する。
【0007】
図3は、DVDプレーヤ20を示すブロック図である。DVDプレーヤ20は、HDMI送信部21と、制御部22と、再生部23と、コネクタ24とを有する。また、DVDプレーヤ20は、ホットプラグライン25、DDCライン26及び5V電源ライン27を有する。コネクタ24にはHDMIケーブルを介して、例えばAVアンプ10が接続される。
【0008】
図4は、ディスプレイ装置30を示すブロック図である。ディスプレイ装置30は、HDMI受信部31と、制御部32と、コネクタ33とを有する。また、ディスプレイ装置30は、ホットプラグライン35、DDCライン36及び5V電源ライン37を有する。コネクタ33にはHDMIケーブルを介して、例えばAVアンプ50が接続される。
【0009】
図3,図4及び図7を参照して、各装置がHDMIケーブルを介して接続された際に入出力されるホットプラグ信号について説明する。AVアンプ50にDVDプレーヤ20がHDMIケーブルを介して接続されると、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ50の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給され、HDMIスイッチ11に5V電源電圧が供給される。これにより、HDMIスイッチ11が5V電源部12に電圧出力を許可する制御信号を供給するので、5V電源部12は5V電源ライン17cに5V電源電圧を供給する。
【0010】
AVアンプ50にディスプレイ装置30がHDMIケーブルを介して接続されると、AVアンプ50の5V電源ライン17cからディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧が供給される。5V電源ライン37に供給された電圧は、ホットプラグライン35を介して、AVアンプ50のホットプラグライン15cにハイレベルのホットプラグ信号として供給される。ホットプラグライン15cに供給されたハイレベルのホットプラグ信号は、HDMIスイッチ11及びホットプラグライン15aを介して、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25に出力される。DVDプレーヤ20のHDMI送信部21は、ハイレベルのホットプラグ信号を検出して、AVアンプ50(及びディスプレイ装置30)が接続されたことを認識することができる。
【0011】
しかし、AVアンプ50には以下の問題が存在する。HDMIケーブルのコネクタの各端子の中で、5V電源ラインの端子が他の端子より短くなっているので、AVアンプ50のコネクタ13にHDMIケーブルを介してDVDプレーヤ20のコネクタ24が接続されるとき、HDMIケーブルとコネクタ13又は24との接続が不十分である(もしくはユーザによって接続操作中である)とき、各ラインの中で5V電源ラインだけが導通(電気的に接続)していない状態が起こり得る。すなわち、AVアンプ50のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通され、AVアンプ50のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通され、AVアンプ50の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通されていない状態が起こり得る。
【0012】
この状態は、AVアンプ50とDVDプレーヤ20とが接続されていない状態であるので、AVアンプ50のホットプラグライン15aからDVDプレーヤ20のホットプラグライン25にハイレベルのホットプラグ信号が出力されてはならない。しかし、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ50の5V電源ライン17aには5V電源電圧が供給されないが、DVDプレーヤ20の5V電源電圧が、抵抗R21、DDCライン26を介して、AVアンプ50のDDCライン16aに供給される。AVアンプ50のDDCライン16aに供給された5V電源電圧は、抵抗R1を介してHDMIスイッチ11に供給される。その結果、HDMIスイッチ11が5V電源部12に制御信号を供給するので、5V電源部12は5V電源ライン17cに5V電源電圧を供給し、ディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧が供給される。従って、5V電源ライン37に供給された電圧は、ホットプラグライン35を介して、AVアンプ50のホットプラグライン15cにハイレベルのホットプラグ信号として供給され、HDMIスイッチ11及びホットプラグライン15aを介して、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25に出力される。
【0013】
その結果、DVDプレーヤ20は、AVアンプ50が接続されていないにも関わらず、ハイレベルのホットプラグ信号が供給されることにより、AVアンプ50が接続されたと誤検出する。ハイレベルのホットプラグ信号を誤検出すると、DVDプレーヤ20のHDMI送信部21は、AVアンプ50又はディスプレイ装置30から認証情報を読み出して認証しようとするが認証に失敗するなどの誤動作が生じる。さらに、その後に正常なハイレベルのホップラグ信号が、AVアンプ50からDVDプレーヤ20のホットプラグライン35に供給されても、DVDプレーヤ20はそれに対応した動作を実行できない。なぜなら、ホットプラグ信号のローレベルからハイレベルへの反転が検出された際に、DVDプレーヤが各処理を実行するのであるが、DDCライン16a経由で供給された電圧に基づいてハイレベルのホットプラグ信号を誤検出した場合に、その後、ホットプラグ信号がローレベルに反転することを検出できないからである。
【0014】
【特許文献1】特許第3952077号 [先行出願1]特願2007−317658号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ホットプラグラインがソース機器側ホットプラグラインと導通され、DDCラインがソース機器側DDCラインと導通され、5V電源ラインがソース機器側5V電源ラインと導通されていない場合に、ソース機器側ホットプラグラインにホットプラグ信号が供給されることを防止するホットプラグ信号出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の好ましい実施形態によるホットプラグ信号入出力装置は、シンク機器側ホットプラグライン、シンク機器側データ通信ライン及びシンク機器側電源電圧ラインを有するシンク機器からホットプラグ信号が入力されると共に、ソース機器側ホットプラグライン、ソース機器側データ通信ライン及びソース機器側電源電圧ラインを有するソース機器にホットプラグ信号を出力する。前記ホットプラグ信号入出力装置は、前記ソース機器側ホットプラグライン及び前記シンク機器側ホットプラグラインと接続可能なホットプラグラインと、前記ソース機器側データ通信ライン及び前記シンク機器側データ通信ラインと接続可能なデータ通信ラインと、前記データ通信ラインと接続され、前記ソース機器側電源電圧ライン及び前記シンク機器側電源電圧ラインと接続可能な電源電圧ラインと、前記電源電圧ラインを介して前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧を供給する電源供給部と、出力制御手段とを備える。前記出力制御手段は、前記ホットプラグラインが前記ソース機器側ホットプラグラインと導通され、前記データ通信ラインが前記ソース機器側データ通信ラインと導通され、前記電源電圧ラインが前記ソース機器側電源電圧ラインと導通されていない場合に、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されておらず、前記ソース機器側データ通信ラインから前記データ通信ラインに電圧が供給されていることを検知し、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを阻止する。前記出力制御手段は、前記ホットプラグラインが前記ソース機器側ホットプラグラインと導通され、前記データ通信ラインが前記ソース機器側データ通信ラインと導通され、前記電源電圧ラインが前記ソース機器側電源電圧ラインと導通されている場合、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されていることを検知し、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを許可する。
【0017】
ホットプラグラインがソース機器側ホットプラグラインと導通され、データ通信ラインがソース機器側データ通信ラインと導通され、電源電圧ラインがソース機器側電源電圧ラインと導通されていない場合に、ソース機器側データ通信ラインからデータ通信ラインに供給される電圧に基づいて電源供給部が電源電圧ラインを介してシンク機器側電源電圧ラインに電源電圧を供給することが防止される。従って、シンク機器がシンク機器側電源電圧ラインに供給された電源電圧に基づいてホットプラグ信号をホットプラグラインに出力することが防止され、ホットプラグ信号入出力装置がシンク機器から供給されたホットプラグ信号をソース機器側ホットプラグラインに出力することが防止される。その結果、ソース機器がホットプラグ信号を誤って検出することが防止される。
【0018】
好ましい実施形態においては、前記電源電圧ラインが第1抵抗を介して前記データ通信ラインと接続され、前記出力制御手段が、第1電極が前記電源供給部に接続され前記電源供給部を制御するスイッチ素子と、前記スイッチ素子の第2電極に接続された第2抵抗とを有し、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されておらず、前記ソース機器側データ通信ラインから前記データ通信ラインに電圧が供給されている場合に、前記データ通信ラインに供給された電圧が前記第1抵抗及び前記第2抵抗によって分圧された電圧が前記第2電極に供給され、前記スイッチ素子がオフ状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを阻止し、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されている場合に、前記電源電圧ラインに供給された電圧が前記第2電極に供給され、前記スイッチ素子がオン状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを許可する。
【0019】
ホットプラグラインがソース機器側ホットプラグラインと導通され、データ通信ラインがソース機器側データ通信ラインと導通され、電源電圧ラインがソース機器側電源電圧ラインと導通されていない場合に、ソース機器側データ通信ラインからデータ通信ラインに供給される電圧は第1抵抗及び第2抵抗によって分圧されてスイッチ素子の第2電極に供給され、スイッチ素子がオフ状態になる。スイッチ素子がオフ状態になることにより、電源供給部をシンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されないように制御することができる。
【0020】
好ましい実施形態においては、前記ホットプラグライン、前記データ通信ライン及び前記電源電圧ラインをそれぞれ複数備え、前記出力制御手段が、複数の前記電源電圧ライン毎に、前記スイッチ素子と前記第2抵抗とを有し、複数の前記ホットプラグライン、前記データ通信ライン及び前記電源電圧ラインの中から1つの前記ホットプラグライン、前記データ通信ライン及び前記電源電圧ラインを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記電源電圧ラインに接続されている前記スイッチ素子のみの制御電極に前記スイッチ素子をオン状態に制御可能な制御信号を供給する制御手段とをさらに備える。
【0021】
選択手段によって選択されていない電源電圧ラインに接続されているスイッチ素子の制御電極には制御信号が供給されないので、ソース機器側電源電圧ラインと電源電圧ラインとが導通していても、当該スイッチ素子はオン状態にならない。従って、選択手段によって選択されていないホットプラグライン、データ通信ライン及び電源電圧ラインに接続されているソース機器に対してホットプラグ信号が出力されることを防止することができる。
【0022】
好ましい実施形態においては、前記電源電圧ラインが第1抵抗を介して前記データ通信ラインと接続され、前記出力制御手段が、第1電極が前記電源供給部に接続され前記電源供給部を制御するスイッチ素子と、前記スイッチ素子の制御電極と前記電源電圧ラインとに接続された第2抵抗とを有し、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されておらず、前記ソース機器側データ通信ラインから前記データ通信ラインに電圧が供給されている場合に、前記データ通信ラインに供給された電圧が前記第1抵抗及び前記第2抵抗によって分圧された電圧が前記制御電極に供給され、前記スイッチ素子がオフ状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを阻止し、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されている場合に、前記電源電圧ラインに供給された電圧が前記制御電極に供給され、前記スイッチ素子がオン状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを許可する。
【0023】
ホットプラグラインがソース機器側ホットプラグラインと導通され、データ通信ラインがソース機器側データ通信ラインと導通され、電源電圧ラインがソース機器側電源電圧ラインと導通されていない場合に、ソース機器側データ通信ラインからデータ通信ラインに供給される電圧は第1抵抗及び第2抵抗によって分圧されてスイッチ素子の制御電極に供給され、スイッチ素子がオフ状態になる。スイッチ素子がオフ状態になることにより、電源供給部をシンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されないように制御することができる。
【発明の効果】
【0024】
ホットプラグラインがソース機器側ホットプラグラインと導通され、データ通信ラインがソース機器側データ通信ラインと導通され、電源電圧ラインがソース機器側電源電圧ラインと導通されていない場合に、ソース機器側データ通信ラインからデータ通信ラインに供給される電圧に基づいて電源供給部が電源電圧ラインを介してシンク機器側電源電圧ラインに電源電圧を供給することが防止される。従って、シンク機器がシンク機器側電源電圧ラインに供給された電源電圧に基づいてホットプラグ信号をホットプラグラインに出力することが防止され、ホットプラグ信号入出力装置がシンク機器から供給されたホットプラグ信号をソース機器側ホットプラグラインに出力することが防止される。その結果、ソース機器がホットプラグ信号を誤って検出することが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態によるホットプラグ信号入出力装置としての機能を備えるコンテンツ送受信装置について説明する。コンテンツ送受信装置は、DVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ等のソース機器からコンテンツデータ(HDMI規格に準拠した映像データ及び/又は音声データであり、以下、HDMIデータという。)を受信して、ディスプレイ装置、プロジェクタ等のシンク機器にHDMIデータを送信する機器であり、AVアンプ、AVレシーバ等である。また、コンテンツ送受信装置は、HDMIスイッチャ又はパススルー機器等である。以下、コンテンツ送受信装置がAVアンプ10である場合を例に説明する。
【0026】
[全体構成]
図1は、AVシステムの全体構成を示すブロック図である。AVシステムは、AVアンプ(HDMIスイッチャ)10と、DVDプレーヤ20A,20Bと、ディスプレイ装置30とを備え、これらはHDMIケーブルを介して接続されている。DVDプレーヤ20AはAVアンプ10のコネクタ(入力端子)13aに接続され、DVDプレーヤ20BはAVアンプ10のコネクタ(入力端子)13bに接続され、ディスプレイ装置30はAVアンプ10のコネクタ(出力端子)14に接続されている。HDMIスイッチ11は、DVDプレーヤ20A及び20Bから供給されるHDMIデータの中から1つのHDMIデータを選択して、ディスプレイ装置30に供給する。
【0027】
[AVアンプ(HDMIスイッチャ)10の構成]
図2は、AVアンプ10を説明するブロック図である。AVアンプ10は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠した機器である。AVアンプ10は、HDMIスイッチ11と、5V電源部12と、複数のコネクタ13(例えばコネクタ13a,13b)と、コネクタ14と、制御部18と、出力制御手段19とを備えている。
【0028】
AVアンプ10は、HDMIのラインとして、ホットプラグライン15a〜15c、DDCライン(データ通信ライン)16a〜16c、TMDSライン(図示せず)、及び、5V電源ライン(電源電圧ライン)17a〜17cを有する。ホットプラグライン15a,15bは、HDMIケーブルのホットプラグラインを介して、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25に接続可能である。ホットプラグライン15cは、HDMIケーブルのホットプラグラインを介して、ディスプレイ装置30のホットプラグライン35に接続可能である。DDCライン16a,16bは、HDMIケーブルのDDCラインを介して、DVDプレーヤ20のDDCライン35に接続可能である。DDCライン16cは、HDMIケーブルのDDCラインを介して、ディスプレイ装置30のDDCライン36に接続可能である。5V電源ライン17a,17bは、HDMIケーブルの5V電源ラインを介して、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27に接続可能である。5V電源ライン17cは、HDMIケーブルの5V電源ラインを介して、ディスプレイ装置30の5V電源ライン37に接続可能である。
【0029】
ホットプラグライン15a,15bは、AVアンプ10がDVDプレーヤ20に接続されていることを、AVアンプ10からDVDプレーヤ20に通知するためのホットプラグ信号を出力するラインである。DVDプレーヤ20は、AVアンプ10からのホットプラグ信号がローレベルであれば、AVアンプ10がアクティブ(HDMIデータを受信して処理できる状態)でない、又は、AVアンプ10が接続されていないと判断し、ホットプラグ信号がハイレベルであれば、AVアンプ10が接続されていると判断する。ホットプラグライン15cは、ディスプレイ装置30がAVアンプ10に接続されていることを、ディスプレイ装置30からAVアンプ10に通知するためのホットプラグ信号を受信するラインである。
【0030】
DDC(Display Data
Channel)ライン16a,16bは、AVアンプ10及び/又はディスプレイ装置30に関する情報(認証情報、EDID(Extended Display Identification Data))をDVDプレーヤ20がAVアンプ10から取得するためのラインである。DDCライン16cは、ディスプレイ装置30に関する情報(認証情報、EDID)をAVアンプ10がディスプレイ装置30から取得するためのラインである。なお、DDCラインは通常は、データラインとクロックラインとが存在するが、説明の簡単化のために1つのラインのみを記載する。
【0031】
TMDS(Transition
Minimized Differential Signaling)ラインは、DVDプレーヤ20からAVアンプ10に、又、AVアンプ10からディスプレイ装置30にHDMIデータを送信するためのラインである。
【0032】
5V電源ライン17a,17bは、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27から5V電源電圧が供給される。5V電源ライン17a,17bは、それぞれ、抵抗R1a,R1bを介してDDCライン16a,16bに接続されており、これらに5V電源電圧を供給する。5V電源ライン17cは、5V電源部12から5V電源電圧が供給され、ディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給する。
【0033】
HDMIスイッチ11は、コネクタ13a,13bに接続されているDVDプレーヤ20A,20Bから送信されるHDMIデータを受信し、受信したHDMIデータの中から1つのHDMIデータを選択して、ディスプレイ装置30に送信する。言い換えると、HDMIスイッチ11は、複数のコネクタ13、ホットプラグライン15、DCライン16、5V電源ライン17の中から、1つのコネクタ13、ホットプラグライン15、DCライン16、5V電源ライン17を選択する。どのHDMIデータを選択するかは、ユーザ操作に基づく制御部18からの指令によって切り換えられる。
【0034】
5V電源部12は、図示しない商用交流電源が供給されており、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給する。5V電源部12は、制御信号入力端子12aを有しており、制御信号入力部12aに後述する出力制御手段19(トランジスタQ1a,Q1b)からハイレベルの制御信号が入力されたときに5V電源ライン17に5V電源電圧を出力し、制御信号入力部12aにハイレベルの制御信号が入力されないときに5V電源ライン17に5V電源電圧を出力しない。すなわち、5V電源部12が5V電源電圧を出力するか否かは、出力制御手段19によって制御される。
【0035】
なお、5V電源部12からディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧が供給されると、ディスプレイ装置30のホットプラグライン35からホットプラグライン15cにハイレベルのホットプラグ信号が供給され、5V電源部12からディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧が供給されないと、ディスプレイ装置30のホットプラグライン35からホットプラグライン15cにハイレベルのホットプラグ信号が供給されない。
【0036】
制御部18は、AVアンプ10の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部18及び出力制御手段19の詳細については、後述する。
【0037】
[DVDプレーヤ20の構成]
図3は、DVDプレーヤ20を説明するブロック図である。DVDプレーヤ20は、HDMI規格に準拠した機器であり、ソース機器と呼ばれている。DVDプレーヤ20は、HDMI送信部21と、制御部22と、再生部23と、コネクタ24とを備えている。コネクタ24にはHDMIケーブルを介して、例えば、AVアンプ10が接続される。
【0038】
DVDプレーヤ20は、ホットプラグライン(ソース機器側ホットプラグライン)25と、DDCライン(ソース機器側データ通信ライン)26と、5V電源ライン(ソース機器側電源電圧ライン)27とを備えている。5V電源ライン27は、抵抗R21を介してDDCライン26に接続されており、ホットプラグライン25は、抵抗R22を介して接地電位に接続されている。5V電源ライン27には図示しない電源回路から5V電源電圧が供給されており、5V電源電圧は抵抗R21を介してDDCライン26に供給される。
【0039】
再生部23は、DVDディスク(以下、単にディスクという。)に記録されている映像データおよび音声データをディスクから読み出して、HDMI送信部21に供給する。HDMI送信部21は、再生部23から供給された映像データ及び音声データをHDMIデータに変換し、コネクタ24を介してAVアンプ10に送信する。
【0040】
[ディスプレイ装置30の構成]
図4は、ディスプレイ装置30を説明するブロック図である。ディスプレイ装置30は、HDMI規格に準拠した機器であり、シンク機器と呼ばれている。ディスプレイ装置30は、HDMI受信部31と、制御部32と、コネクタ33と、表示部34と、音声処理部38とを備えている。コネクタ33にはHDMIケーブルを介して、例えば、AVアンプ10が接続される。
【0041】
ディスプレイ装置30は、ホットプラグライン(シンク機器側ホットプラグライン)35と、DDCライン(シンク機器側データ通信ライン)36と、5V電源ライン(シンク機器側電源電圧ライン)37とを備えている。5V電源ライン37は、抵抗R31を介してDDCライン36に接続されている。5V電源ライン37にはAVアンプ10の5V電源ライン17cから5V電源電圧が供給され、5V電源電圧は抵抗R31を介してDDCライン36に供給される。また、5V電源ライン37に供給された5V電源電圧は、ホットプラグライン35を介してAVアンプ10にハイレベルのホットプラグ信号として出力される。
【0042】
HDMI受信部31は、AVアンプ10から送信されたHDMIデータを受信する。HDMI受信部31は、受信したHDMIデータから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成して、表示部34に供給する。HDMI受信部11は、受信したHDMIデータから元の音声データを生成して、音声処理部38に供給する。
【0043】
表示部34は、供給された映像データを表示するものであり、LCDやPDP等である。音声処理部38は、供給された音声データを、デコード処理、D/A変換処理、増幅処理し、図示しないスピーカーに供給する。
【0044】
[出力制御手段19の構成]
以下、図2を参照して、出力制御手段19について詳細に説明する。なお、ここではコネクタ13aに対応する部分についてのみ説明するが、コネクタ13bに対応する部分についても同様である。
【0045】
出力制御手段19は、AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通(電気的に接続)し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27に導通していない状態において、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに電圧が供給されておらず、DVDプレーヤ20のDDCライン26からAVアンプ10のDDCライン16aに電圧が供給されていることを検出し、5V電源部12からの5V電源電圧が5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に供給されることを阻止するものである。すなわち、出力制御手段19は、5V電源部12を制御することによって、ハイレベルのホットプラグ信号がディスプレイ装置30のホットプラグライン37から入力され、DVDプレーヤ10のホットプラグライン27に出力されることを禁止する。
【0046】
また、出力制御手段19は、AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27に導通している状態において、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに電圧が供給されていることを検出し、5V電源部12からの5V電源電圧が5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に供給されることを許可する。すなわち、出力制御手段19は、5V電源部12を制御することによって、ハイレベルのホットプラグ信号がディスプレイ装置30のホットプラグライン37から入力され、DVDプレーヤ10のホットプラグライン27に出力されることを許可する。
【0047】
出力制御手段19は、スイッチ素子(例えばトランジスタ)Q1aと、抵抗R2a,R3aとを有する。トランジスタQ1aは、5V電源部12の制御信号入力端子12aにハイレベルの制御信号を供給するか否かを切り換えるものである。つまり、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給されておらず、DVDプレーヤ20のDDCライン26からAVアンプ10のDDCライン16aに5V電源電圧が供給されている際に、トランジスタQ1aがオフ状態になることにより、5V電源部12から5V電源電圧が出力されないように制御する。一方、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給されている際に、トランジスタQ1aがオン状態になることにより、5V電源部12から5V電源電圧が出力されるように制御する。
【0048】
トランジスタQ1aのコレクタは、5V電源ライン17aに接続され、抵抗R1aを介してDDCライン16aに接続され、かつ、抵抗R2aを介して接地電位に接続されている。トランジスタQ1aのエミッタは、5V電源部12の制御信号入力端子12aに接続され、かつ、抵抗R3aを介して接地電位に接続されている。トランジスタQ1aのベースには、制御部18からのハイレベルの制御信号が入力される。すなわち、制御部18は、図示しない操作部を介してユーザ操作によってHDMIスイッチ11が受信するHDMIデータが入力されるコネクタ13a又は13bが選択されたとき、選択されたコネクタ13に接続されているトランジスタQ1a又はQ1bのベースにハイレベル(例えば、約3.3V)の(トランジスタをオン状態に制御可能にする)制御信号を出力する。
【0049】
抵抗R2aは、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27から供給された5V電源電圧については、そのままトランジスタQ1aのコレクタに供給し、DVDプレーヤ20のDDCライン26から供給された5V電源電圧については、抵抗R1aと共に5V電源電圧を分圧して、5V×R2a/(R1a+R2a)をトランジスタQ1aのコレクタに供給する。例えば、抵抗R1aが47kΩ、抵抗R2aが4.7kΩである場合、DVDプレーヤ20のDDCライン26から供給された5V電源電圧のうち、約0.45VがトランジスタQ1aのコレクタに供給される。
【0050】
従って、ベースに制御部18からハイレベルの制御信号が供給され、コレクタに5V電源ラインからの5V電源電圧が供給された場合に、トランジスタQ1aがオン状態になる。一方、ベースに制御部18からハイレベルの制御信号が供給されない場合、又は、コレクタにDDCラインからの5V電源電圧が抵抗R1a及びR2aによって分圧された電圧が供給された場合に、トランジスタQ1aがオフ状態になる。
【0051】
抵抗R3aは、トランジスタQ1aがオン状態になったときに、コレクタ−エミッタ間に電流を流し、5V電源部12の制御信号入力端子に供給する制御信号(電圧)を発生させる抵抗である。
【0052】
[AVアンプ10の動作]
以上の構成を有するAVアンプ10の動作を、コネクタ13aに着目して説明するが、コネクタ13bについても同様である。
【0053】
(1)コネクタ13aがHDMIスイッチ11において選択され、AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通していない場合について。
【0054】
AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通していないので、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給されない。
【0055】
一方、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通しているので、DVDプレーヤ20のDDCライン26からAVアンプ10のDDCライン16aに5V電源電圧が供給される。5電源電圧は、抵抗R1a及びR2aによって分圧されるので、分圧された電圧(例えば0.45V)がトランジスタQ1aのコレクタに供給される。
【0056】
コネクタ13aがHDMIスイッチ11によって選択されているので、トランジスタQ1aのベースには制御部18からハイレベルの制御信号(例えば3.3V)が供給される。以上の結果、コレクタに供給される電圧が0.45Vと小さいことにより、トランジスタQ1aはオフ状態になるので、トランジスタQ1aのコレクタからエミッタに電流が流れずに、5V電源部12の制御信号入力端子12aにはハイレベルの制御信号が入力されない。従って、5V電源部12は、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給しない。従って、ホットプラグライン15cにはディスプレイ装置30のホットプラグライン35からハイレベルのホットプラグ信号が入力されないので、ハイレベルのホットプラグ信号がホットプラグライン15aからDVDプレーヤ20のホットプラグライン27に出力されることが阻止される。
【0057】
(2)コネクタ13aがHDMIスイッチ11で選択されておらず、AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通している場合について。
【0058】
AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通しているので、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給される。5V電源電圧は、抵抗R1a及びR2aによって分圧されることなく、そのままトランジスタQ1aのコレクタに供給される。
【0059】
コネクタ13aがHDMIスイッチ11によって選択されていないので、トランジスタQ1aのベースには制御部18からハイレベルの制御信号(例えば3.3V)が供給されない。以上の結果、ベース−エミッタ間電圧が導通開始電圧未満になり、トランジスタQ1aはオフ状態になるので、トランジスタ1aのコレクタからエミッタに電流が流れずに、5V電源部12の制御信号入力端子12aにはハイレベルの制御信号が入力されない。従って、5V電源部12は、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給しない。従って、ホットプラグライン15cにはディスプレイ装置30のホットプラグライン35からハイレベルのホットプラグ信号が入力されないので、ハイレベルのホットプラグ信号がホットプラグライン15aからDVDプレーヤ20のホットプラグライン27に出力されることが阻止される。これにより、HDMIスイッチ11によって選択されていないコネクタ13に接続されているDVDプレーヤ20にハイレベルのホットプラグ信号が出力されることはない。
【0060】
(3)コネクタ13aがHDMIスイッチ11で選択されておらず、AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通していない場合について。
【0061】
AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通していないので、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給されない。
【0062】
一方、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通しているので、DVDプレーヤ20のDDCライン26からAVアンプ10のDDCライン16aに5V電源電圧が供給される。5電源電圧は、抵抗R1a及びR2aによって分圧されるので、分圧された電圧(例えば0.45V)がトランジスタQ1aのコレクタに供給される。
【0063】
コネクタ13aがHDMIスイッチ11によって選択されていないので、トランジスタQ1aのベースには制御部18からハイレベルの制御信号(例えば3.3V)が供給されない。以上の結果、トランジスタQ1aはオフ状態になるので、トランジスタQ1aのコレクタからエミッタに電流が流れずに、5V電源部12の制御信号入力端子12aにはハイレベルの制御信号が入力されない。従って、5V電源部12は、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給しない。従って、ホットプラグライン15cにはディスプレイ装置30のホットプラグライン35からハイレベルのホットプラグ信号が入力されないので、ハイレベルのホットプラグ信号がホットプラグライン15aからDVDプレーヤ20のホットプラグライン27に出力されることが阻止される。
【0064】
(4)コネクタ13aがHDMIスイッチ11で選択され、AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通している場合について。
【0065】
AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通しているので、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給される。5V電源電圧は、抵抗R1a及びR2aによって分圧されることなく、そのままトランジスタQ1aのコレクタに供給される。
【0066】
コネクタ13aがHDMIスイッチ11によって選択されているので、トランジスタQ1aのベースには制御部18からハイレベルの制御信号(例えば3.3V)が供給される。以上の結果、コレクタに5V電源電圧が供給され、かつ、ベース−エミッタ間電圧が導通開始電圧以上になり、トランジスタQ1aはオン状態になるので、トランジスタQ1aのコレクタからエミッタに電流が流れ、5V電源部12の制御信号入力端子12aにはハイレベルの制御信号が入力される。5V電源部12は、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給する。
【0067】
ディスプレイ装置30において、5V電源ライン37に供給された5V電源電圧は、ホットプラグライン35を介してAVアンプ10のホットプラグライン15cにハイレベルのホットプラグ信号として出力される。ホットプラグライン15cに入力されたハイレベルのホットプラグ信号は、HDMIスイッチ11及びホットプラグライン15aを介して、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25に出力される。DVDプレーヤ20のHDMI送信部21は、ホットプラグライン25に入力されたハイレベルのホットプラグ信号を検出して、AVアンプ10及びディスプレイ装置30が接続されたことを判別することができる。
【0068】
以上のように、本例によると、5V電源ライン17a及び27が導通していない場合には、トランジスタQ1aがオフ状態になることにより、5V電源部12から5V電源電圧がディスプレイ装置30の5V電源ライン37に出力されることが阻止されるので、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25にハイレベルのホットプラグ信号が出力されることが阻止される。
【0069】
[他の実施形態]
図5は、他の実施形態によるAVシステムの全体構成を示すブロック図である。AVアンプ10Bは、1つのコネクタ13のみを有しており、HDMIスイッチ11はDVDプレーヤ20Aから受信したHDMIデータをディスプレイ装置30に送信する。すなわち、AVアンプ10Bはパススルー機器である。
【0070】
図6は、AVアンプ10Bを示すブロック図である。出力制御手段19bは、トランジスタQ2と、抵抗5,R6とを有している。トランジスタQ2のコレクタはHDMIスイッチ11に接続されており、HDMIスイッチ11から5V電源部12を制御するためのハイレベルの制御信号(電圧)が供給される。トランジスタQ2のエミッタは、5V電源部12の制御信号入力端子12aに接続され、かつ、抵抗R6を介して接地電位に接続されている。トランジスタQ2のベースは、5V電源ライン17aに接続され、抵抗R1を介してDDCライン16aに接続され、かつ、抵抗R5を介して接地電位に接続されている。
【0071】
抵抗R5は、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27から供給された5V電源電圧については、そのままトランジスタQ2のベースに供給し、DVDプレーヤ20のDDCライン26から供給された5V電源電圧については、抵抗R1と共に5V電源電圧を分圧して、5V×R5/(R1+R5)をトランジスタQ2のベースに供給する。例えば、抵抗R1が47kΩ、抵抗R5が4.7kΩである場合、DVDプレーヤ20のDDCライン26から供給された5V電源電圧のうち、約0.45VがトランジスタQ2のベースに供給される。
【0072】
従って、ベースに5V電源ラインからの5V電圧が供給された場合に、ベース−エミッタ間電圧が導通開始電圧以上になり、トランジスタQ2がオン状態になる。一方、ベースにDDCラインからの5V電圧が抵抗R1及びR5によって分圧された電圧が供給された場合に、ベース−エミッタ間電圧が導通開始電圧未満になり、トランジスタQ2がオフ状態になる。
【0073】
[AVアンプ10Bの動作]
(1)AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通していない場合について。
【0074】
AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通していないので、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給されない。
【0075】
一方、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通しているので、DVDプレーヤ20のDDCライン26からAVアンプ10のDDCライン16aに5V電源電圧が供給される。5電源電圧は、抵抗R1及びR5によって分圧されるので、分圧された電圧(例えば0.45V)がトランジスタQ2のベースに供給される。その結果、トランジスタQ2はオフ状態になるので、トランジスタQ2のコレクタからエミッタに電流が流れずに、5V電源部12の制御信号入力端子12aにはハイレベルの制御信号が入力されない。従って、5V電源部12は、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給しない。従って、ホットプラグライン15cにはディスプレイ装置30のホットプラグライン35からハイレベルのホットプラグ信号が入力されないので、ハイレベルのホットプラグ信号がホットプラグライン15aからDVDプレーヤ20のホットプラグライン27に出力されることが阻止される。
【0076】
(2)AVアンプ10のホットプラグライン15aがDVDプレーヤ20のホットプラグライン25と導通し、AVアンプ10のDDCライン16aがDVDプレーヤ20のDDCライン26と導通し、AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通している場合について。
【0077】
AVアンプ10の5V電源ライン17aがDVDプレーヤ20の5V電源ライン27と導通しているので、DVDプレーヤ20の5V電源ライン27からAVアンプ10の5V電源ライン17aに5V電源電圧が供給される。5V電源電圧は、抵抗R1及びR5によって分圧されることなく、そのままトランジスタQ2のコレクタに供給される。
【0078】
その結果、トランジスタQ2はオン状態になるので、トランジスタQ2のコレクタからエミッタに電流が流れ、5V電源部12の制御信号入力端子12aにはハイレベルの制御信号が入力される。5V電源部12は、5V電源ライン17cを介してディスプレイ装置30の5V電源ライン37に5V電源電圧を供給する。
【0079】
ディスプレイ装置30において、5V電源ラインに供給された5V電源電圧は、ホットプラグライン35を介してAVアンプ10のホットプラグライン15cにハイレベルのホットプラグ信号として出力される。ホットプラグライン15cに入力されたハイレベルのホットプラグ信号は、HDMIスイッチ11及びホットプラグライン15aを介して、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25に出力される。DVDプレーヤ20のHDMI送信部21は、ホットプラグライン25に入力されたハイレベルのホットプラグ信号を検出して、AVアンプ10及びディスプレイ装置30が接続されたことを判別することができる。
【0080】
以上のように、本例によると、5V電源ライン17a及び27が導通していない場合には、トランジスタQ2がオフ状態になることにより、5V電源部12から5V電源電圧がディスプレイ装置30の5V電源ライン37に出力されることが阻止されるので、DVDプレーヤ20のホットプラグライン25にハイレベルのホットプラグ信号が出力されることが阻止される。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、ディスプレイ装置30のホットプラグライン35からのホットプラグ信号出力構成は上記に限定されず、5V電源ライン37に供給された5V電源電圧が一旦HDMI受信部31に供給され、各処理が実行された後に、制御部32からハイレベルのホットプラグ信号がホットプラグライン35を介してAVアンプ10のホットプラグライン15cに出力するものでもよい。また、AVアンプ10のコネクタの数は上記のものに限定されず、例えば、コネクタ13が3つ、コネクタ14が2つでもよい。また、スイッチ素子は、トランジスタに限定されず、MOSFET等でもよい。また、AVアンプ10は、HDMIスイッチの他に、HDMI受信部やHDMI送信部を備えていてもよい。この場合、HDMIデータに含まれる音声データをAVアンプ10で増幅して、スピーカーに出力することができる。また、AVアンプ10は、HDMIケーブル以外に、光デジタルケーブル等を介して音声データをDVDプレーヤ20から受信してもよい。また、HDMI規格の機器に限定されず、HDMI規格と互換性のあるDVI規格等の任意の機器に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、例えば、HDMI規格に準拠した、AVアンプ等に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ10を示すブロック図である。
【図3】DVDプレーヤ20を示すブロック図である。
【図4】ディスプレイ装置30を示すブロック図である。
【図5】本発明の別の好ましい実施形態によるAVシステムを示すブロック図である。
【図6】本発明の別の好ましい実施形態によるAVアンプ10Bを示すブロック図である。
【図7】従来のAVアンプ50を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
10 AVアンプ
11 HDMIスイッチ
12 5V電源部
13 コネクタ
14 コネクタ
15a〜15c ホットプラグライン
16a〜16c DDCライン
17a〜17c 5V電源ライン
18 制御部
19 出力制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンク機器側ホットプラグライン、シンク機器側データ通信ライン及びシンク機器側電源電圧ラインを有するシンク機器からホットプラグ信号が入力されると共に、ソース機器側ホットプラグライン、ソース機器側データ通信ライン及びソース機器側電源電圧ラインを有するソース機器にホットプラグ信号を出力するホットプラグ信号入出力装置であって、
前記ソース機器側ホットプラグライン及び前記シンク機器側ホットプラグラインと接続可能なホットプラグラインと、
前記ソース機器側データ通信ライン及び前記シンク機器側データ通信ラインと接続可能なデータ通信ラインと、
前記データ通信ラインと接続され、前記ソース機器側電源電圧ライン及び前記シンク機器側電源電圧ラインと接続可能な電源電圧ラインと、
前記電源電圧ラインを介して前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧を供給する電源供給部と、
前記ホットプラグラインが前記ソース機器側ホットプラグラインと導通され、前記データ通信ラインが前記ソース機器側データ通信ラインと導通され、前記電源電圧ラインが前記ソース機器側電源電圧ラインと導通されていない場合に、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されておらず、前記ソース機器側データ通信ラインから前記データ通信ラインに電圧が供給されていることを検知し、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを阻止し、
前記ホットプラグラインが前記ソース機器側ホットプラグラインと導通され、前記データ通信ラインが前記ソース機器側データ通信ラインと導通され、前記電源電圧ラインが前記ソース機器側電源電圧ラインと導通されている場合、前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されていることを検知し、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを許可する出力制御手段とを備える、ホットプラグ信号入出力装置。
【請求項2】
前記電源電圧ラインが第1抵抗を介して前記データ通信ラインと接続され、
前記出力制御手段が、第1電極が前記電源供給部に接続され前記電源供給部を制御するスイッチ素子と、前記スイッチ素子の第2電極に接続された第2抵抗とを有し、
前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されておらず、前記ソース機器側データ通信ラインから前記データ通信ラインに電圧が供給されている場合に、前記データ通信ラインに供給された電圧が前記第1抵抗及び前記第2抵抗によって分圧された電圧が前記第2電極に供給され、前記スイッチ素子がオフ状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを阻止し、
前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されている場合に、前記電源電圧ラインに供給された電圧が前記第2電極に供給され、前記スイッチ素子がオン状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを許可する、請求項1に記載のホットプラグ信号入出力装置。
【請求項3】
前記ホットプラグライン、前記データ通信ライン及び前記電源電圧ラインをそれぞれ複数備え、
前記出力制御手段が、複数の前記電源電圧ライン毎に、前記スイッチ素子と前記第2抵抗とを有し、
複数の前記ホットプラグライン、前記データ通信ライン及び前記電源電圧ラインの中から1つの前記ホットプラグライン、前記データ通信ライン及び前記電源電圧ラインを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記電源電圧ラインに接続されている前記スイッチ素子のみの制御電極に前記スイッチ素子をオン状態に制御可能な制御信号を供給する制御手段とをさらに備える、請求項2に記載のホットプラグ信号入出力装置。
【請求項4】
前記電源電圧ラインが第1抵抗を介して前記データ通信ラインと接続され、
前記出力制御手段が、第1電極が前記電源供給部に接続され前記電源供給部を制御するスイッチ素子と、前記スイッチ素子の制御電極と前記電源電圧ラインとに接続された第2抵抗とを有し、
前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されておらず、前記ソース機器側データ通信ラインから前記データ通信ラインに電圧が供給されている場合に、前記データ通信ラインに供給された電圧が前記第1抵抗及び前記第2抵抗によって分圧された電圧が前記制御電極に供給され、前記スイッチ素子がオフ状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを阻止し、
前記ソース機器側電源電圧ラインから前記電源電圧ラインに電圧が供給されている場合に、前記電源電圧ラインに供給された電圧が前記制御電極に供給され、前記スイッチ素子がオン状態になることにより、前記電源供給部から前記シンク機器側電源電圧ラインに電源電圧が供給されることを許可する、請求項1に記載のホットプラグ信号入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−171260(P2009−171260A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7476(P2008−7476)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【特許番号】特許第4258569号(P4258569)
【特許公報発行日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】