ホログラム再生装置
【課題】レーザー光などのコヒーレント光を再生照明光として使用するホログラム再生装置において、スペックルノイズを効果的に不可視化する。
【解決手段】本発明に係るホログラム再生装置は、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する光源部4と、光源部4にて形成された走査光を拡散させて拡散光を形成する光拡散素子2と、拡散光を参照光として像を記録される像再生用ホログラム1と、を備え、光拡散素子2にて形成された拡散光を再生照明光として、像再生用ホログラム1に記録される像を再生することを特徴とするものである。
【解決手段】本発明に係るホログラム再生装置は、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する光源部4と、光源部4にて形成された走査光を拡散させて拡散光を形成する光拡散素子2と、拡散光を参照光として像を記録される像再生用ホログラム1と、を備え、光拡散素子2にて形成された拡散光を再生照明光として、像再生用ホログラム1に記録される像を再生することを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラムに記録されている像を再生させるホログラム再生装置に関するものであり、特に、再生するための光源としてレーザー光などのコヒーレント光を使用するホログラム再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラムに記録されている像を再生する際、再生波長が単一波長ではない場合は、複数の波長により再生像の位置が異なるため、ボケた像となり鮮明な像を再生することができない。また、再生角度がホログラム作製時の参照光とずれた場合も再生像の位置が入射角により異なるため鮮明な再生像を得られない。再生像を鮮明に再生するには、ホログラム撮影時と同じ波長の光を入射すること、ホログラム記録時の参照光と同じ入射角にて光を入射させることが必要となる。また、再生像が奥行きを有する場合、ホログラムの表面から離れるほど、再生波長の幅及び入射角のずれに依存してボケも大きくなる。
【0003】
一般的なホログラムの再生方法では、汎用性を高めるため再生照明光として白色光を用いて像を再生することが行われている。このような白色光を用いた再生方法では、像のボケを防ぐために特定波長透過フィルターを設けることで波長領域を狭くする方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるように特定波長透過フィルターを使用する場合、光源となる白色光の特定波長以外の光はカットされるため、光の利用効率は低いものとなる。その結果、電力消費は高くなるとともに、精密な角度制御は困難となる。
【0005】
一方、レーザー光を再生照明光として用いることが考えられる。レーザー光は単一波長であることから光利用効率が高く低消費電力であり、また、指向性や収束性に優れていることから入射角制御も容易とされ、鮮明な再生像を得ることが可能である。しかしながら、レーザー光を光源として用いた場合、コヒーレンスの高さに起因するスペックルノイズが発生し、映像を見難くしてしまう欠点を有している。
【0006】
スペックルノイズは、レーザー光のようなコヒーレント光を光源とした場合、照射対象表面の微少凹凸からの散乱光が干渉することで生ずる斑点状の画像ノイズであって、観察者の視認性を低下させることが知られている。このようなスペックルノイズを低減するため、レーザー光が通過する拡散板を振動させる、レーザースペクトルの波長スペクトルを拡大する、レーザー光の照射対象となるスクリーン自体を振動させるなど、各種試みが行われている。このようなスペックルノイズ低減の試みとして、特許文献2には、コヒーレント光が通過する拡散素子を回転運動させることで、スペックルノイズの低減を図る無スペックル・ディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−264300号公報
【特許文献2】特開平6−208089号公報
【特許文献3】特開平6−301322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2にて開示する構成では、散乱板を用いることによる散乱成分の損失、大型の
回転機構によるスペースの確保が必要などの問題があり、また、この方法を用いることにより低減するスペックルが実際にどの程度なのかについて記載が無く、実効性に問題が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ホログラム再生時におけるスペックルノイズ発生の問題を鑑み、スペックルノイズの新たな低減方式を提案するものである。具体的には、像を再生するホログラムに対し、光の入射角度を時間的に変化させ、スペックルノイズを低減させる方式をとるものである。
【0010】
そのため、本発明に係るホログラム再生装置は、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する光源部と、前記光源部にて形成された走査光を拡散させて拡散光を形成する光拡散素子と、拡散光を参照光として像を記録される像再生用ホログラムと、を備え、前記光拡散素子にて形成された拡散光を再生照明光として、前記像再生用ホログラムに記録される像を再生することを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光源部は、コヒーレント光源から射出したビームを時間的に偏向させることで、走査光を形成する走査型デバイスを含んで構成されることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラム、反射型ホログラムの何れかであることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラムであり、前記光拡散素子は、前記像再生用ホログラムにて再生する像と重なって観察されないように配置されることを特徴とするものである。
【0014】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記像再生用ホログラムは、イメージ型ホログラムであることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子は、拡散板であることを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子は、ホログラムであることを特徴とするものである。
【0017】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子は、レンズアレイであることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子にて形成される拡散光は、前記像再生用ホログラムの記録時に用いた参照光と共役であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
以上、本発明のホログラム再生装置によれば、記録時の参照光として拡散光を使用した像再生用ホログラムに対し、再生照明光として入射角度が時間的に変化する拡散光を使用して像を再生することで、再生像とともに観察されるスペックルパターンを時間的に変動させ平均化することで、スペックルノイズを不可視化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態(実施例1)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図2】本発明の実施形態(実施例1)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る光源部の構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る像再生用ホログラムに入射する拡散光が時間的に変化する様子を示す図。
【図5】本発明の実施形態(実施例1)に係る光拡散素子(ホログラム)の記録の様子を示す図。
【図6】本発明の実施形態(実施例2)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態(実施例2)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図8】本発明の実施形態(実施例2)に係る光拡散素子(ホログラム)の記録の様子を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態(実施例3)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態(実施例3)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図11】本発明の実施形態(実施例4)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態(実施例4)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図13】本発明の実施形態(実施例5)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図14】本発明の他の実施形態(実施例5)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
では、本発明に係るホログラム再生装置について、いくつかの実施形態を例(実施例)にとって説明を行う。
【0022】
[実施例1]
図1は、本発明の実施形態に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係るホログラム再生装置の構成を示す図である。この実施形態では、像再生用ホログラム1として透過型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも手前に観察される実施形態となっている。
【0023】
図2に示されるように、本実施形態に係るホログラム再生装置は、像再生用ホログラム1、光拡散素子としての拡散板2、コヒーレント光を走査する光源部4を備えて構成される。
【0024】
図1には、像再生用ホログラム1の記録(作成)方法が示されている。像再生用記録材料11には、その同じ面に対して拡散板像再生ホログラム3a(記録用拡散素子)からの記録拡散光Rと、記録する像となる立体模型からの物体光Obが同時に照射される。本実施形態では、記録拡散光Rを形成する拡散板像再生ホログラム3aとして反射型ホログラムを用いることとしている。この、拡散板像再生ホログラム3aの作成方法については後述する。
【0025】
物体光Obは、物体照明光(図示せず)を立体模型に対して照射することで形成される
。本実施形態では、記録拡散光Rを形成するための光源、並びに、物体光Obを形成するための光源として、同じレーザー光を2本に分岐して用いている。
【0026】
像再生用記録材料11では、同時に照射された記録拡散光R(参照光)と物体光Obにより生じた干渉縞が記録される。干渉縞が記録された像再生用記録材料11は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。なお、像再生用ホログラム1としては体積型ホログラムを用いることが好ましい。体積型ホログラムは、内部に形成された干渉縞で回折光を生じさせるため、表面に凹凸を設ける必要が無く、ホログラムにて二次的に発生するスペックルノイズを抑えることができる。さらに、体積型ホログラムは、回折効率を高く設定することができ、0次透過光を効果的に抑制することができるため、設計者が意図する像を的確に再生することも可能となる。
【0027】
図2には、図1にて作成された像再生用ホログラム1の再生構成が示されている。本実施形態では、像再生用ホログラム1を再生する再生拡散光L(再生照明光)を形成するため、拡散板2が使用される。この拡散板2は、記録時において拡散板像3iが形成される位置、すなわち、拡散板像2と像再生用ホログラム1との位置関係が、図1における拡散板像3iと像再生用記録材料11の位置関係となるように配置される。本実施形態では、この拡散板2が、本発明における光拡散素子に相当している。
【0028】
また、本実施形態では、光拡散素子として拡散板2を用いているが、本発明における光拡散素子は、拡散板2と同様の特性、すなわち、光拡散素子から発せられる再生拡散光Lが、像再生用ホログラム1を再生可能な程度に照明する特性(好ましくは、像再生用ホログラム1の全域を照明する)を有する光学素子であれば、微細なレンズがアレイ状に配列されて構成されたレンズアレイ、もしくは、通常の拡散板などを用いることとしてもよい。
【0029】
この拡散板2に対しては、光源部4にて形成されたコヒーレントな走査光Sが照射される。図3には、光源部4の構成例が示されている。この例では、光源部4は、コヒーレント光源としてのレーザー光源41と、走査型ミラーデバイス42にて構成されている。走査型ミラーデバイス42は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造された2次元スキャナであって、本発明における走査型デバイスに相当している。この走査型ミラーデバイス42は、X軸廻り、Y軸廻りに共振振動することで、照射対象面を2次元的に走査する走査光Sを形成する。
【0030】
時間的に照射位置を変化させて走査光Sを形成する光源部4としては、このような形態に限らず、2つの走査型ミラーデバイスで構成することや、面状に広がりを有するコヒーレント光を1次元走査するなど適宜形態を採用することが可能である。さらに、走査光Sを形成する走査型デバイスには、このような反射型のもの以外に、プリズム、回折格子などを用いた屈折型のものを採用することもできる。
【0031】
本実施形態では、光拡散素子として拡散板2を2次元的に走査することしているが、光拡散素子としてホログラムを使用した場合には、例えば、ホログラムの各点からの再生照明光Lが、像再生用ホログラム1の全域を照射するようにすることが可能となり、走査光Sの走査範囲を1次元走査にするなど走査範囲を自由に選択したり、走査光Sの断面についても自由な形状を採用することが可能となる。
【0032】
再生時には、まず、光源部4から拡散板2に対して走査光Sが照射される。拡散板2は、各点において走査光Sを少なくとも像再生用ホログラム1の全域をカバーするように拡散させて再生拡散光Lを形成する。拡散板2で生じた再生拡散光Lは、像再生用ホログラム1に対する再生照明光として機能する。図2に示すように再生拡散光Lは、ちょうど像
再生用ホログラム1の記録時において、拡散板像3iを形成した記録拡散光Rと共役(方向が同じで向きが反対)となっている。本実施形態では、像再生用ホログラム1に透過型ホログラムを用いているため、像再生用ホログラム1では、再生拡散光Lを受けた面とは反対の面に再生光Iを回折し、像再生用ホログラム1の手前に再生像を結像する。
【0033】
本発明では、特に、走査光Sを用いたことで、結果として光拡散素子(本実施形態では拡散板2)からの再生拡散光Lが像再生用ホログラム1に入射する角度が時間的に変化される。よって、光拡散素子で発生する固定された波面情報は像再生用ホログラム1で時間的に変化し平均化されることとなり、非コヒーレント光源を用いた場合と同等の画質を得ることができる。
【0034】
図4は、再生拡散光Lの時間的変化の様子を示した図である。図に示されるように像再生用ホログラム1の一点に着目すると、像再生用ホログラム1に入射する再生拡散光Lは、t1、t2、t3、t2、t1・・・という具合に入射角度が時間的に変化する。異なる角度からの入射角に対して散乱される波面が時間的に変化するため、複数の点から散乱された光同士の空間的な干渉パターンも時間的に変動することとなる。したがって、像再生用ホログラム1を観察した際には、再生像とともに観察されるスペックルパターンも時間的に変動し、平均化され不可視化されることになる。その結果、コヒーレント光で再生しながらも、スペックルノイズの低減した像を明瞭に観察することが可能となる。
【0035】
図5は、図1において像再生用ホログラム1の記録時に使用した、記録用拡散素子としての拡散板像再生ホログラム3aの記録方法を示した図である。記録時には、レーザー光を2本に分岐したうちの一方を拡散板22の背面より照射し、拡散板22の正面に拡散した光を物体光Bとして記録材料21の一方の面より入射させ、もう一方を記録材料21の他の面から参照光Cとして同時に入射させる。なお、参照光Cは、再生時に参照光Cと共役な再生照明光を生成可能であれば特に発散角度等は制限されない。また、拡散板22と再生時に使用する拡散板2とは同じ、あるいは、同等の特性を有するものが用いることが好ましい。
【0036】
物体光Bとしての拡散板22からの拡散光と、参照光Cは、記録材料21中で干渉縞を形成して記録する。記録材料21は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、拡散板像再生ホログラム3aとなる。拡散板像再生ホログラム3aは、記録時に用いたレーザー光と同じ波長であって、記録時の参照光Cと逆向きに進行する(共役な)光を再生照明光として入射させることで、拡散板22を配置していた位置に拡散板像3iを再生する。
【0037】
[実施例2]
図6、図7は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図6は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図7は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。実施例2では、像再生用ホログラム1として反射型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも手前で観察される実施形態となっている。
【0038】
図6に示されているように、本実施形態では、記録用拡散光Rを形成する拡散板像再生ホログラム3a(記録用拡散素子)として透過型ホログラムを使用している。この拡散板像再生ホログラム3aは、拡散板像3iを再生するように記録拡散光Rを射出する。この記録拡散光Rが像再生用記録材料11に像を記録させる際の参照光となるようにする。なお、この拡散板像再生ホログラム3aの記録方法は後述する。拡散板像再生ホログラム3aから発生した記録拡散光R(参照光)と、立体模型からの物体光Obが、それぞれ像再生用記録材料11に対して相互に反対側の面から同時に照射されることで両者の干渉縞が
像再生用記録材料11に記録される。干渉縞が記録された像再生用記録材料11は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0039】
このようにして作成された像再生用ホログラム1は、図7に示された構成にて再生される。すなわち、像再生用ホログラム1に対し、記録時において拡散板像3iが再生された位置に拡散板2が配置される。拡散板2には、記録時と同じ波長を有する走査光Sが光源部4から照射される。光源部4の構成は実施例1と同様である。拡散板2は、その各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものを使用することで、光源部4が拡散板2のいずれの点を走査している場合でも、像再生用ホログラム1からは同じ位置に再生像が形成されることとなる。
【0040】
拡散板2の背面から光源部4にて発生させた走査光Sを入射させ、拡散板2の正面から再生拡散光Lを出射させる。このように本実施形態では、この拡散板2が光拡散素子として機能し、拡散板2による再生拡散光Lが像再生用ホログラム1の再生照明光となる。実施例1と同様、本実施形態においても光源部4からの走査光Sが拡散板2に入射する。そのため、像再生用ホログラム1に入射する再生拡散光Lは、実施例1と同様、時間的に入射角度が変化することとなり、その結果、観察者Eに対してスペックルノイズの低減した像を観察させることとなる。
【0041】
図8は、図6において像再生用ホログラム1の記録時に使用した、記録用拡散素子としての拡散板像再生ホログラム3aの記録方法を示した図である。記録時には、レーザー光を2本に分岐したうちの一方を拡散板22の背面より照射し、拡散板22の正面に拡散した光を物体光Bとして、もう一方を参照光Cとして記録材料21の同じ面から同時に入射させる。この実施形態においても、参照光Cは、再生時に参照光Cと共役な再生照明光を生成可能であれば特に発散角度等を制限する必要はない。
【0042】
物体光Bとしての拡散板22からの拡散光と、参照光Cは、記録材料21中で干渉縞を形成して記録する。記録材料21は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、拡散板像再生ホログラム3aとなる。拡散板像再生ホログラム3aは、記録時に用いたレーザー光と同じ波長であって、記録時の参照光Cと逆向きに進行する(共役な)光を再生照明光として入射させることで、拡散板22を配置していた位置に拡散板像3iを再生する。
【0043】
[実施例3]
図9、図10は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図9は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図10は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。実施例3では、像再生用ホログラム1として透過型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも奥に観察される実施形態となっている。
【0044】
図9に示されているように、像再生用記録材料11の同じ面に対して、拡散板3b(記録用拡散素子)からの記録拡散光R(参照光)と立体模型からの物体光Obがそれぞれ入射される。像再生用記録材料11中で生じた記録拡散光Rと物体光Obの干渉縞が記録される。像再生用記録材料11は現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0045】
再生時には、図10に示されているように、像再生用ホログラム1に対して、記録時に使用した拡散板3bと同じ位置関係となるよう拡散板2が配置される。拡散板2は、像再生用ホログラム1による再生像と重なって観察されないように配置される。具体的には、図に示すように像再生ホログラム1の光軸と拡散板2の光軸をずらしておくことで実現さ
れる。拡散板2が再生像と重なる位置に配置されると、再生像に拡散板2にて発生するスペックルノイズが同時に観察され再生像を見づらくしてしまう。
【0046】
拡散板2に対しては、光源部4からの走査光Sが入射され、拡散板2の前面からは再生拡散光Lが出射される。この実施形態における光源部4は、前述したものと同様であって、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する。また、拡散板2は、前述の実施例と同様、各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものが使用される。
【0047】
観察者Eは、像再生用ホログラム1に対し、再生拡散光Lが照射される側とは反対側に視点を置くことで、像再生用ホログラム1よりも奥側に再生像(虚像)を観察することが可能となる。この実施例3においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0048】
本実施形態においても前述の実施形態と同様、光拡散素子としての拡散板2に対しては、その向きを時間的に変化させる走査光Sが照射される。また、拡散板2は、実施例2で説明したように、各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものが使用される。この実施例3においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0049】
[実施例4]
図11、図12は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図11は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図12は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。実施例4では、像再生用ホログラム1として反射型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも奥に観察される実施形態となっている。
【0050】
図11に示されているように、像再生用記録材料11の異なる面に対して、拡散板3bからの記録拡散光R(参照光)と立体模型からの物体光Obがそれぞれ入射される。像再生用記録材料11中で生じた記録拡散光Rと物体光Obの干渉縞が記録される。像再生用記録材料11は現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0051】
再生時には、図12に示されているように、像再生用ホログラム1に対して、記録時に使用した拡散板3bと同じ位置関係となるよう拡散板2が配置される。拡散板2に対しては、光源部4からの走査光Sが入射され、拡散板2の前面からは再生拡散光Lが出射される。この実施形態における光源部4は、前述したものと同様であって、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する。また、拡散板2は、前述の実施例と同様、各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものが使用される。この実施例4においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0052】
[実施例5]
図13、図14は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図13は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図14は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。この実施例5では、像再生用ホログラム1としてイメージ型ホログラムを使用したものであって、再生像は、その一部を像再生用ホログラム1に重ねて
、あるいは、像再生用ホログラム1の近傍にて観察される実施形態となっている。
【0053】
図13に示されるように記録時には、拡散板3bからの記録拡散光Rを参照光として使用する。一方、記録させる立体像は、像再生用記録材料11の内部、もしくは、近傍に位置するため、立体模型による記録は困難となる。そのため、記録像再生用ホログラム5による物体光Obを使用することで像再生用記録材料11の内部、もしくは、近傍に立体像を結像させることとしている。記録像再生用ホログラム5は、通常の記録方法にて立体像を記録させた透過型ホログラムであって、再生照明光L2と共役な参照光と、立体像の物体光とを干渉させて記録されたものである。このように像再生用記録材料11の一面に記録拡散光Rを、他面に物体光Obを同時に照射することで、像再生用記録材料11中に干渉縞を形成し、干渉縞の情報が記録される。像再生用記録材料11は現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0054】
図14に示されるように、像再生用ホログラム1に対して、記録時に使用した拡散板3bと同じ位置関係となるように拡散板2が設置される。拡散板2に対しては、光源部4からの走査光Sが入射され、拡散板2の前面からは再生拡散光L(再生照明光)が照射される。この実施形態における光源部4は、前述したものと同様、光拡散素子としての拡散板2に対して走査光を照射する。この実施例5においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0055】
このようなイメージ型ホログラムでは、形成する再生像が像再生用ホログラム1に対して近く位置するため、再生拡散光Lの誤差に対する影響が少ないものとなる。したがって、再生時に使用する拡散板2の配置位置、配置角度、照射特性などを、記録時のものと厳密に一致させなくても、ボケの少ない再生像を提供することが可能となり、再生時の構成に自由度を持たせることが可能となる。
【0056】
以上、実施例1〜実施例5の記録では、物体光Obと記録拡散光Rとを干渉させることで干渉縞の記録(干渉露光)を行うこととしたが、計算機にて計算された干渉縞を直接、像再生用記録材料11に記録する、いわゆる計算機ホログラムを採用するものであってもよい。
【0057】
表1には、各種条件下におけるスペックルコントラストが示されている。(1)、(2)は、比較のためであって、それぞれ、レーザー平行光のみの場合、単色LEDを用いた場合の測定結果である。(3)、(4)は、本発明の実施形態に係る測定結果であって、それぞれ、光拡散素子として体積型ホログラム、計算機ホログラムを用いた場合の測定結果である。スペックルコントラストは、以下の数式(1)にて表される。なお、測定には、光源としてDPSSレーザー(532nm)を用いて像再生用ホログラムに投影した。この測定で使用した体積型ホログラムは、拡散角、すなわち、像再生用ホログラムの一点に入射する光線群が形成する円錐の頂角は20°となるように作成されたものである。そして、各ホログラムの記録材料には、532nmに感度を持つフォトポリマー材料(先行技術文献としてあげた特許文献3の実施例1に記載の材料)を使用している。
SC=σ/I×100
=1/(Modes)0.5×100 ・・・(1)
SC:スペックルコントラスト
σ :輝度の標準偏差
I :輝度平均値
Modes:パターンの数(統計的に独立しているスペックルの数)
【0058】
【表1】
【0059】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0060】
11…像再生用記録材料
1…像再生用ホログラム
2…拡散板(光拡散素子)
21…(拡散板像再生用)記録材料
22…拡散板
3a…拡散板像再生ホログラム(記録用拡散素子)
3b…拡散板(記録用拡散素子)
3i…拡散板像
4…光源部
41…レーザー光源(コヒーレント光源)
42…走査型ミラーデバイス(走査型デバイス)
5…記録像再生用ホログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラムに記録されている像を再生させるホログラム再生装置に関するものであり、特に、再生するための光源としてレーザー光などのコヒーレント光を使用するホログラム再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラムに記録されている像を再生する際、再生波長が単一波長ではない場合は、複数の波長により再生像の位置が異なるため、ボケた像となり鮮明な像を再生することができない。また、再生角度がホログラム作製時の参照光とずれた場合も再生像の位置が入射角により異なるため鮮明な再生像を得られない。再生像を鮮明に再生するには、ホログラム撮影時と同じ波長の光を入射すること、ホログラム記録時の参照光と同じ入射角にて光を入射させることが必要となる。また、再生像が奥行きを有する場合、ホログラムの表面から離れるほど、再生波長の幅及び入射角のずれに依存してボケも大きくなる。
【0003】
一般的なホログラムの再生方法では、汎用性を高めるため再生照明光として白色光を用いて像を再生することが行われている。このような白色光を用いた再生方法では、像のボケを防ぐために特定波長透過フィルターを設けることで波長領域を狭くする方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるように特定波長透過フィルターを使用する場合、光源となる白色光の特定波長以外の光はカットされるため、光の利用効率は低いものとなる。その結果、電力消費は高くなるとともに、精密な角度制御は困難となる。
【0005】
一方、レーザー光を再生照明光として用いることが考えられる。レーザー光は単一波長であることから光利用効率が高く低消費電力であり、また、指向性や収束性に優れていることから入射角制御も容易とされ、鮮明な再生像を得ることが可能である。しかしながら、レーザー光を光源として用いた場合、コヒーレンスの高さに起因するスペックルノイズが発生し、映像を見難くしてしまう欠点を有している。
【0006】
スペックルノイズは、レーザー光のようなコヒーレント光を光源とした場合、照射対象表面の微少凹凸からの散乱光が干渉することで生ずる斑点状の画像ノイズであって、観察者の視認性を低下させることが知られている。このようなスペックルノイズを低減するため、レーザー光が通過する拡散板を振動させる、レーザースペクトルの波長スペクトルを拡大する、レーザー光の照射対象となるスクリーン自体を振動させるなど、各種試みが行われている。このようなスペックルノイズ低減の試みとして、特許文献2には、コヒーレント光が通過する拡散素子を回転運動させることで、スペックルノイズの低減を図る無スペックル・ディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−264300号公報
【特許文献2】特開平6−208089号公報
【特許文献3】特開平6−301322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2にて開示する構成では、散乱板を用いることによる散乱成分の損失、大型の
回転機構によるスペースの確保が必要などの問題があり、また、この方法を用いることにより低減するスペックルが実際にどの程度なのかについて記載が無く、実効性に問題が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ホログラム再生時におけるスペックルノイズ発生の問題を鑑み、スペックルノイズの新たな低減方式を提案するものである。具体的には、像を再生するホログラムに対し、光の入射角度を時間的に変化させ、スペックルノイズを低減させる方式をとるものである。
【0010】
そのため、本発明に係るホログラム再生装置は、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する光源部と、前記光源部にて形成された走査光を拡散させて拡散光を形成する光拡散素子と、拡散光を参照光として像を記録される像再生用ホログラムと、を備え、前記光拡散素子にて形成された拡散光を再生照明光として、前記像再生用ホログラムに記録される像を再生することを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光源部は、コヒーレント光源から射出したビームを時間的に偏向させることで、走査光を形成する走査型デバイスを含んで構成されることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラム、反射型ホログラムの何れかであることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラムであり、前記光拡散素子は、前記像再生用ホログラムにて再生する像と重なって観察されないように配置されることを特徴とするものである。
【0014】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記像再生用ホログラムは、イメージ型ホログラムであることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子は、拡散板であることを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子は、ホログラムであることを特徴とするものである。
【0017】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子は、レンズアレイであることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、本発明に係るホログラム再生装置において、前記光拡散素子にて形成される拡散光は、前記像再生用ホログラムの記録時に用いた参照光と共役であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
以上、本発明のホログラム再生装置によれば、記録時の参照光として拡散光を使用した像再生用ホログラムに対し、再生照明光として入射角度が時間的に変化する拡散光を使用して像を再生することで、再生像とともに観察されるスペックルパターンを時間的に変動させ平均化することで、スペックルノイズを不可視化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態(実施例1)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図2】本発明の実施形態(実施例1)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る光源部の構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る像再生用ホログラムに入射する拡散光が時間的に変化する様子を示す図。
【図5】本発明の実施形態(実施例1)に係る光拡散素子(ホログラム)の記録の様子を示す図。
【図6】本発明の実施形態(実施例2)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態(実施例2)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図8】本発明の実施形態(実施例2)に係る光拡散素子(ホログラム)の記録の様子を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態(実施例3)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態(実施例3)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図11】本発明の実施形態(実施例4)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態(実施例4)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【図13】本発明の実施形態(実施例5)に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図。
【図14】本発明の他の実施形態(実施例5)に係るホログラム再生装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
では、本発明に係るホログラム再生装置について、いくつかの実施形態を例(実施例)にとって説明を行う。
【0022】
[実施例1]
図1は、本発明の実施形態に係る像再生用ホログラムの記録の様子を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係るホログラム再生装置の構成を示す図である。この実施形態では、像再生用ホログラム1として透過型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも手前に観察される実施形態となっている。
【0023】
図2に示されるように、本実施形態に係るホログラム再生装置は、像再生用ホログラム1、光拡散素子としての拡散板2、コヒーレント光を走査する光源部4を備えて構成される。
【0024】
図1には、像再生用ホログラム1の記録(作成)方法が示されている。像再生用記録材料11には、その同じ面に対して拡散板像再生ホログラム3a(記録用拡散素子)からの記録拡散光Rと、記録する像となる立体模型からの物体光Obが同時に照射される。本実施形態では、記録拡散光Rを形成する拡散板像再生ホログラム3aとして反射型ホログラムを用いることとしている。この、拡散板像再生ホログラム3aの作成方法については後述する。
【0025】
物体光Obは、物体照明光(図示せず)を立体模型に対して照射することで形成される
。本実施形態では、記録拡散光Rを形成するための光源、並びに、物体光Obを形成するための光源として、同じレーザー光を2本に分岐して用いている。
【0026】
像再生用記録材料11では、同時に照射された記録拡散光R(参照光)と物体光Obにより生じた干渉縞が記録される。干渉縞が記録された像再生用記録材料11は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。なお、像再生用ホログラム1としては体積型ホログラムを用いることが好ましい。体積型ホログラムは、内部に形成された干渉縞で回折光を生じさせるため、表面に凹凸を設ける必要が無く、ホログラムにて二次的に発生するスペックルノイズを抑えることができる。さらに、体積型ホログラムは、回折効率を高く設定することができ、0次透過光を効果的に抑制することができるため、設計者が意図する像を的確に再生することも可能となる。
【0027】
図2には、図1にて作成された像再生用ホログラム1の再生構成が示されている。本実施形態では、像再生用ホログラム1を再生する再生拡散光L(再生照明光)を形成するため、拡散板2が使用される。この拡散板2は、記録時において拡散板像3iが形成される位置、すなわち、拡散板像2と像再生用ホログラム1との位置関係が、図1における拡散板像3iと像再生用記録材料11の位置関係となるように配置される。本実施形態では、この拡散板2が、本発明における光拡散素子に相当している。
【0028】
また、本実施形態では、光拡散素子として拡散板2を用いているが、本発明における光拡散素子は、拡散板2と同様の特性、すなわち、光拡散素子から発せられる再生拡散光Lが、像再生用ホログラム1を再生可能な程度に照明する特性(好ましくは、像再生用ホログラム1の全域を照明する)を有する光学素子であれば、微細なレンズがアレイ状に配列されて構成されたレンズアレイ、もしくは、通常の拡散板などを用いることとしてもよい。
【0029】
この拡散板2に対しては、光源部4にて形成されたコヒーレントな走査光Sが照射される。図3には、光源部4の構成例が示されている。この例では、光源部4は、コヒーレント光源としてのレーザー光源41と、走査型ミラーデバイス42にて構成されている。走査型ミラーデバイス42は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造された2次元スキャナであって、本発明における走査型デバイスに相当している。この走査型ミラーデバイス42は、X軸廻り、Y軸廻りに共振振動することで、照射対象面を2次元的に走査する走査光Sを形成する。
【0030】
時間的に照射位置を変化させて走査光Sを形成する光源部4としては、このような形態に限らず、2つの走査型ミラーデバイスで構成することや、面状に広がりを有するコヒーレント光を1次元走査するなど適宜形態を採用することが可能である。さらに、走査光Sを形成する走査型デバイスには、このような反射型のもの以外に、プリズム、回折格子などを用いた屈折型のものを採用することもできる。
【0031】
本実施形態では、光拡散素子として拡散板2を2次元的に走査することしているが、光拡散素子としてホログラムを使用した場合には、例えば、ホログラムの各点からの再生照明光Lが、像再生用ホログラム1の全域を照射するようにすることが可能となり、走査光Sの走査範囲を1次元走査にするなど走査範囲を自由に選択したり、走査光Sの断面についても自由な形状を採用することが可能となる。
【0032】
再生時には、まず、光源部4から拡散板2に対して走査光Sが照射される。拡散板2は、各点において走査光Sを少なくとも像再生用ホログラム1の全域をカバーするように拡散させて再生拡散光Lを形成する。拡散板2で生じた再生拡散光Lは、像再生用ホログラム1に対する再生照明光として機能する。図2に示すように再生拡散光Lは、ちょうど像
再生用ホログラム1の記録時において、拡散板像3iを形成した記録拡散光Rと共役(方向が同じで向きが反対)となっている。本実施形態では、像再生用ホログラム1に透過型ホログラムを用いているため、像再生用ホログラム1では、再生拡散光Lを受けた面とは反対の面に再生光Iを回折し、像再生用ホログラム1の手前に再生像を結像する。
【0033】
本発明では、特に、走査光Sを用いたことで、結果として光拡散素子(本実施形態では拡散板2)からの再生拡散光Lが像再生用ホログラム1に入射する角度が時間的に変化される。よって、光拡散素子で発生する固定された波面情報は像再生用ホログラム1で時間的に変化し平均化されることとなり、非コヒーレント光源を用いた場合と同等の画質を得ることができる。
【0034】
図4は、再生拡散光Lの時間的変化の様子を示した図である。図に示されるように像再生用ホログラム1の一点に着目すると、像再生用ホログラム1に入射する再生拡散光Lは、t1、t2、t3、t2、t1・・・という具合に入射角度が時間的に変化する。異なる角度からの入射角に対して散乱される波面が時間的に変化するため、複数の点から散乱された光同士の空間的な干渉パターンも時間的に変動することとなる。したがって、像再生用ホログラム1を観察した際には、再生像とともに観察されるスペックルパターンも時間的に変動し、平均化され不可視化されることになる。その結果、コヒーレント光で再生しながらも、スペックルノイズの低減した像を明瞭に観察することが可能となる。
【0035】
図5は、図1において像再生用ホログラム1の記録時に使用した、記録用拡散素子としての拡散板像再生ホログラム3aの記録方法を示した図である。記録時には、レーザー光を2本に分岐したうちの一方を拡散板22の背面より照射し、拡散板22の正面に拡散した光を物体光Bとして記録材料21の一方の面より入射させ、もう一方を記録材料21の他の面から参照光Cとして同時に入射させる。なお、参照光Cは、再生時に参照光Cと共役な再生照明光を生成可能であれば特に発散角度等は制限されない。また、拡散板22と再生時に使用する拡散板2とは同じ、あるいは、同等の特性を有するものが用いることが好ましい。
【0036】
物体光Bとしての拡散板22からの拡散光と、参照光Cは、記録材料21中で干渉縞を形成して記録する。記録材料21は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、拡散板像再生ホログラム3aとなる。拡散板像再生ホログラム3aは、記録時に用いたレーザー光と同じ波長であって、記録時の参照光Cと逆向きに進行する(共役な)光を再生照明光として入射させることで、拡散板22を配置していた位置に拡散板像3iを再生する。
【0037】
[実施例2]
図6、図7は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図6は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図7は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。実施例2では、像再生用ホログラム1として反射型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも手前で観察される実施形態となっている。
【0038】
図6に示されているように、本実施形態では、記録用拡散光Rを形成する拡散板像再生ホログラム3a(記録用拡散素子)として透過型ホログラムを使用している。この拡散板像再生ホログラム3aは、拡散板像3iを再生するように記録拡散光Rを射出する。この記録拡散光Rが像再生用記録材料11に像を記録させる際の参照光となるようにする。なお、この拡散板像再生ホログラム3aの記録方法は後述する。拡散板像再生ホログラム3aから発生した記録拡散光R(参照光)と、立体模型からの物体光Obが、それぞれ像再生用記録材料11に対して相互に反対側の面から同時に照射されることで両者の干渉縞が
像再生用記録材料11に記録される。干渉縞が記録された像再生用記録材料11は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0039】
このようにして作成された像再生用ホログラム1は、図7に示された構成にて再生される。すなわち、像再生用ホログラム1に対し、記録時において拡散板像3iが再生された位置に拡散板2が配置される。拡散板2には、記録時と同じ波長を有する走査光Sが光源部4から照射される。光源部4の構成は実施例1と同様である。拡散板2は、その各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものを使用することで、光源部4が拡散板2のいずれの点を走査している場合でも、像再生用ホログラム1からは同じ位置に再生像が形成されることとなる。
【0040】
拡散板2の背面から光源部4にて発生させた走査光Sを入射させ、拡散板2の正面から再生拡散光Lを出射させる。このように本実施形態では、この拡散板2が光拡散素子として機能し、拡散板2による再生拡散光Lが像再生用ホログラム1の再生照明光となる。実施例1と同様、本実施形態においても光源部4からの走査光Sが拡散板2に入射する。そのため、像再生用ホログラム1に入射する再生拡散光Lは、実施例1と同様、時間的に入射角度が変化することとなり、その結果、観察者Eに対してスペックルノイズの低減した像を観察させることとなる。
【0041】
図8は、図6において像再生用ホログラム1の記録時に使用した、記録用拡散素子としての拡散板像再生ホログラム3aの記録方法を示した図である。記録時には、レーザー光を2本に分岐したうちの一方を拡散板22の背面より照射し、拡散板22の正面に拡散した光を物体光Bとして、もう一方を参照光Cとして記録材料21の同じ面から同時に入射させる。この実施形態においても、参照光Cは、再生時に参照光Cと共役な再生照明光を生成可能であれば特に発散角度等を制限する必要はない。
【0042】
物体光Bとしての拡散板22からの拡散光と、参照光Cは、記録材料21中で干渉縞を形成して記録する。記録材料21は、現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、拡散板像再生ホログラム3aとなる。拡散板像再生ホログラム3aは、記録時に用いたレーザー光と同じ波長であって、記録時の参照光Cと逆向きに進行する(共役な)光を再生照明光として入射させることで、拡散板22を配置していた位置に拡散板像3iを再生する。
【0043】
[実施例3]
図9、図10は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図9は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図10は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。実施例3では、像再生用ホログラム1として透過型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも奥に観察される実施形態となっている。
【0044】
図9に示されているように、像再生用記録材料11の同じ面に対して、拡散板3b(記録用拡散素子)からの記録拡散光R(参照光)と立体模型からの物体光Obがそれぞれ入射される。像再生用記録材料11中で生じた記録拡散光Rと物体光Obの干渉縞が記録される。像再生用記録材料11は現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0045】
再生時には、図10に示されているように、像再生用ホログラム1に対して、記録時に使用した拡散板3bと同じ位置関係となるよう拡散板2が配置される。拡散板2は、像再生用ホログラム1による再生像と重なって観察されないように配置される。具体的には、図に示すように像再生ホログラム1の光軸と拡散板2の光軸をずらしておくことで実現さ
れる。拡散板2が再生像と重なる位置に配置されると、再生像に拡散板2にて発生するスペックルノイズが同時に観察され再生像を見づらくしてしまう。
【0046】
拡散板2に対しては、光源部4からの走査光Sが入射され、拡散板2の前面からは再生拡散光Lが出射される。この実施形態における光源部4は、前述したものと同様であって、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する。また、拡散板2は、前述の実施例と同様、各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものが使用される。
【0047】
観察者Eは、像再生用ホログラム1に対し、再生拡散光Lが照射される側とは反対側に視点を置くことで、像再生用ホログラム1よりも奥側に再生像(虚像)を観察することが可能となる。この実施例3においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0048】
本実施形態においても前述の実施形態と同様、光拡散素子としての拡散板2に対しては、その向きを時間的に変化させる走査光Sが照射される。また、拡散板2は、実施例2で説明したように、各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものが使用される。この実施例3においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0049】
[実施例4]
図11、図12は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図11は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図12は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。実施例4では、像再生用ホログラム1として反射型ホログラムを使用したものであり、また、再生する像が観察者に対して像再生用ホログラム1よりも奥に観察される実施形態となっている。
【0050】
図11に示されているように、像再生用記録材料11の異なる面に対して、拡散板3bからの記録拡散光R(参照光)と立体模型からの物体光Obがそれぞれ入射される。像再生用記録材料11中で生じた記録拡散光Rと物体光Obの干渉縞が記録される。像再生用記録材料11は現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0051】
再生時には、図12に示されているように、像再生用ホログラム1に対して、記録時に使用した拡散板3bと同じ位置関係となるよう拡散板2が配置される。拡散板2に対しては、光源部4からの走査光Sが入射され、拡散板2の前面からは再生拡散光Lが出射される。この実施形態における光源部4は、前述したものと同様であって、コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する。また、拡散板2は、前述の実施例と同様、各点から発生する再生拡散光Lが、それぞれ像再生用ホログラム1の少なくとも全域を照明する拡散特性を有するものが使用される。この実施例4においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0052】
[実施例5]
図13、図14は、他の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する図であって、図13は、像再生用ホログラムの記録の様子を、また、図14は、ホログラム再生装置の構成を示す図である。この実施例5では、像再生用ホログラム1としてイメージ型ホログラムを使用したものであって、再生像は、その一部を像再生用ホログラム1に重ねて
、あるいは、像再生用ホログラム1の近傍にて観察される実施形態となっている。
【0053】
図13に示されるように記録時には、拡散板3bからの記録拡散光Rを参照光として使用する。一方、記録させる立体像は、像再生用記録材料11の内部、もしくは、近傍に位置するため、立体模型による記録は困難となる。そのため、記録像再生用ホログラム5による物体光Obを使用することで像再生用記録材料11の内部、もしくは、近傍に立体像を結像させることとしている。記録像再生用ホログラム5は、通常の記録方法にて立体像を記録させた透過型ホログラムであって、再生照明光L2と共役な参照光と、立体像の物体光とを干渉させて記録されたものである。このように像再生用記録材料11の一面に記録拡散光Rを、他面に物体光Obを同時に照射することで、像再生用記録材料11中に干渉縞を形成し、干渉縞の情報が記録される。像再生用記録材料11は現像もしくは加熱、紫外線照射等の適切な後処理を加えた後、像再生用ホログラム1となる。
【0054】
図14に示されるように、像再生用ホログラム1に対して、記録時に使用した拡散板3bと同じ位置関係となるように拡散板2が設置される。拡散板2に対しては、光源部4からの走査光Sが入射され、拡散板2の前面からは再生拡散光L(再生照明光)が照射される。この実施形態における光源部4は、前述したものと同様、光拡散素子としての拡散板2に対して走査光を照射する。この実施例5においても、像再生用ホログラム1に対して照射される再生拡散光Lは、時間的に入射角度が変化することとなるため、結果としてスペックルノイズを低減した像が提供される。
【0055】
このようなイメージ型ホログラムでは、形成する再生像が像再生用ホログラム1に対して近く位置するため、再生拡散光Lの誤差に対する影響が少ないものとなる。したがって、再生時に使用する拡散板2の配置位置、配置角度、照射特性などを、記録時のものと厳密に一致させなくても、ボケの少ない再生像を提供することが可能となり、再生時の構成に自由度を持たせることが可能となる。
【0056】
以上、実施例1〜実施例5の記録では、物体光Obと記録拡散光Rとを干渉させることで干渉縞の記録(干渉露光)を行うこととしたが、計算機にて計算された干渉縞を直接、像再生用記録材料11に記録する、いわゆる計算機ホログラムを採用するものであってもよい。
【0057】
表1には、各種条件下におけるスペックルコントラストが示されている。(1)、(2)は、比較のためであって、それぞれ、レーザー平行光のみの場合、単色LEDを用いた場合の測定結果である。(3)、(4)は、本発明の実施形態に係る測定結果であって、それぞれ、光拡散素子として体積型ホログラム、計算機ホログラムを用いた場合の測定結果である。スペックルコントラストは、以下の数式(1)にて表される。なお、測定には、光源としてDPSSレーザー(532nm)を用いて像再生用ホログラムに投影した。この測定で使用した体積型ホログラムは、拡散角、すなわち、像再生用ホログラムの一点に入射する光線群が形成する円錐の頂角は20°となるように作成されたものである。そして、各ホログラムの記録材料には、532nmに感度を持つフォトポリマー材料(先行技術文献としてあげた特許文献3の実施例1に記載の材料)を使用している。
SC=σ/I×100
=1/(Modes)0.5×100 ・・・(1)
SC:スペックルコントラスト
σ :輝度の標準偏差
I :輝度平均値
Modes:パターンの数(統計的に独立しているスペックルの数)
【0058】
【表1】
【0059】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0060】
11…像再生用記録材料
1…像再生用ホログラム
2…拡散板(光拡散素子)
21…(拡散板像再生用)記録材料
22…拡散板
3a…拡散板像再生ホログラム(記録用拡散素子)
3b…拡散板(記録用拡散素子)
3i…拡散板像
4…光源部
41…レーザー光源(コヒーレント光源)
42…走査型ミラーデバイス(走査型デバイス)
5…記録像再生用ホログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する光源部と、
前記光源部にて形成された走査光を拡散させて拡散光を形成する光拡散素子と、
拡散光を参照光として像を記録される像再生用ホログラムと、を備え、
前記光拡散素子にて形成された拡散光を再生照明光として、前記像再生用ホログラムに記録される像を再生することを特徴とする
ホログラム再生装置。
【請求項2】
前記光源部は、コヒーレント光源から射出したビームを時間的に偏向させることで、走査光を形成する走査型デバイスを含んで構成されることを特徴とする
請求項1に記載のホログラム再生装置。
【請求項3】
前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラム、反射型ホログラムの何れかであることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のホログラム再生装置。
【請求項4】
前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラムであり、
前記光拡散素子は、前記像再生用ホログラムにて再生する像と重なって観察されないように配置されることを特徴とする
請求項3に記載のホログラム再生装置。
【請求項5】
前記像再生用ホログラムは、イメージ型ホログラムであることを特徴とする
請求項4または請求項5に記載のホログラム再生装置。
【請求項6】
前記光拡散素子は、拡散板であることを特徴とする
請求項1から請求項5の何れかに記載のホログラム再生装置。
【請求項7】
前記光拡散素子は、ホログラムであることを特徴とする
請求項1から請求項5の何れかに記載のホログラム再生装置。
【請求項8】
前記光拡散素子は、レンズアレイであることを特徴とする
請求項1から請求項5の何れかに記載のホログラム再生装置。
【請求項9】
前記光拡散素子にて形成される拡散光は、前記像再生用ホログラムの記録時に用いた参照光と共役であることを特徴とする
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のホログラム再生装置。
【請求項1】
コヒーレント光の照射位置を時間的に変化させて走査光を形成する光源部と、
前記光源部にて形成された走査光を拡散させて拡散光を形成する光拡散素子と、
拡散光を参照光として像を記録される像再生用ホログラムと、を備え、
前記光拡散素子にて形成された拡散光を再生照明光として、前記像再生用ホログラムに記録される像を再生することを特徴とする
ホログラム再生装置。
【請求項2】
前記光源部は、コヒーレント光源から射出したビームを時間的に偏向させることで、走査光を形成する走査型デバイスを含んで構成されることを特徴とする
請求項1に記載のホログラム再生装置。
【請求項3】
前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラム、反射型ホログラムの何れかであることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のホログラム再生装置。
【請求項4】
前記像再生用ホログラムは、透過型ホログラムであり、
前記光拡散素子は、前記像再生用ホログラムにて再生する像と重なって観察されないように配置されることを特徴とする
請求項3に記載のホログラム再生装置。
【請求項5】
前記像再生用ホログラムは、イメージ型ホログラムであることを特徴とする
請求項4または請求項5に記載のホログラム再生装置。
【請求項6】
前記光拡散素子は、拡散板であることを特徴とする
請求項1から請求項5の何れかに記載のホログラム再生装置。
【請求項7】
前記光拡散素子は、ホログラムであることを特徴とする
請求項1から請求項5の何れかに記載のホログラム再生装置。
【請求項8】
前記光拡散素子は、レンズアレイであることを特徴とする
請求項1から請求項5の何れかに記載のホログラム再生装置。
【請求項9】
前記光拡散素子にて形成される拡散光は、前記像再生用ホログラムの記録時に用いた参照光と共役であることを特徴とする
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のホログラム再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−113183(P2012−113183A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263100(P2010−263100)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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