説明

ホログラム記録装置、ホログラム記録方法、ホログラム記録媒体

【課題】ホログラム記録媒体を用いた情報の記録再生に好適な二次元パターン設定の実現。
【解決手段】
1つの要素ホログラムとして記録される物理ページとして、記録する情報とクロストーク検出シンボルが含まれる二次元パターンを生成する。つまり各要素ホログラムにはクロストーク検出シンボルが含まれるようにする。このときに、各要素ホログラムには、その配列上の位置に応じて特定種類のクロストーク検出シンボルが割り当てられているようにする。特に隣接する要素ホログラムには異なるクロストーク検出シンボルが与えられるようにする。再生時にはクロストーク検出シンボルの再生像からトラッキング状態を判別できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声/音楽等の音情報、静止画/動画等の画像情報、又はテキストファイル等の情報を二次元変調した後、要素ホログラムとして記録するホログラム記録媒体、及びホログラム記録装置、ホログラム記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第2833975号公報
【0003】
シート状の記録媒体に情報を記録する例として、バーコード、QRコード、ドットコード等に代表される1次元コード又は2次元コードが挙げられる。しかし、これらの情報記録媒体は、単位面積あたりに記録できる情報量が数十から数キロバイト程度と極めて低い。この原因は、単なる画像の濃淡印刷の記録分解能に物理的な限界があるからである。
【0004】
また、同じくシート状の記録媒体としては、物体光と参照光の干渉縞によって各種データを記録するホログラム記録媒体も知られている。そしてホログラム記録媒体は、記録密度を飛躍的に向上させ、著しい大容量化が可能であることも知られており、例えばコンピュータデータや、オーディオやビデオ等のAV(Audio-Visual)コンテンツデータなどに対する大容量のストレージメディアとして有用であると考えられている。
【0005】
ホログラム記録媒体にデータを記録する際には、データを二次元ページデータとして画像化する。そして液晶パネル等に画像化したデータを表示させ、その液晶パネルを透過した光を物体光、つまり二次元ページデータの像となる物体光をホログラム記録媒体に照射する。加えて、所定の角度から参照光をホログラム記録媒体に照射する。このとき物体光と参照光によって生ずる干渉縞が、ドット状や短冊状などの1つの要素ホログラムとして記録されることになる。つまり1つの要素ホログラムは、1つの二次元ページデータを記録したものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えばシート状等のホログラムメモリを考え、コンピュータデータやAVコンテンツデータなどを記録し、一般ユーザーがホログラムリーダとしての再生装置を用いて、ホログラムメモリに記録されたデータを取得できるようにするシステムを考える。
シート状のホログラムメモリとは、メディア表面としての平面上に多数の要素ホログラムを敷き詰めるように記録するものであり、このメディア表面に対してホログラムリーダを対向させて、各要素ホログラムとして記録されたデータを読み取っていくようにするものである。
【0007】
ホログラム技術を使用すると、単位面積当りに記録できる情報量を通常印刷に対して飛躍的に向上させることができる。しかしながら、従来からあるバーコードやQRコード方式に用いられている1次元又は二次元パターンへの変調方式は、通常の二次元印刷物への情報記録を目的としており、ホログラム記録への適用自体は考慮されていない。特に再生時の動作を考慮した適切な二次元パターンの設定が求められる。
【0008】
そこで本発明は、ホログラム記録媒体を用いた情報の記録再生に好適な二次元パターンの設定方式を提供することを目的とする。特には所謂ホログラム印刷されたシート状の媒体に大量の情報を記録する場合に好適なものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のホログラム記録装置は、記録情報を二次元ページデータとしての物理ページに変換し、該物理ページを要素ホログラム化して記録するホログラム記録装置において、記録情報を所定単位毎に二次元コードシンボルに変換する二次元変調手段と、複数種類の異なる二次元パターンとして、複数種類のクロストーク検出シンボルを生成して出力するクロストーク検出シンボル生成手段と、上記二次元変調手段で得られた上記二次元コードシンボルと、上記クロストーク検出シンボル生成手段から出力された上記クロストーク検出シンボルとを含むグループメインシンクを生成し、複数の上記グループメインシンクを二次元的に配列して上記物理ページを生成する物理ページ生成手段と、上記物理ページを要素ホログラム化していくことで、要素ホログラム配列を生成する要素ホログラム配列化手段とを備える。そして、上記クロストーク検出シンボル生成手段は、上記要素ホログラム配列化手段で配列化される各要素ホログラムにおいて、それぞれの要素ホログラム位置に応じて上記複数種類のクロストーク検出シンボルの中から割り当てられたクロストーク検出シンボルが含まれる状態とするように、クロストーク検出シンボルを出力する。
また上記クロストーク検出シンボル生成手段は、隣接する要素ホログラム同志は、異なる種類のクロストーク検出シンボルが与えられるように、クロストーク検出シンボルを出力する。
【0010】
また上記クロストーク検出シンボル生成手段は、上記クロストーク検出シンボル生成手段は、上記クロストーク検出シンボルを、縦3領域×横3領域の計9領域を有し、上記9領域のうちの1つの領域を、白レベルのピクセルを含む領域、他の領域を、全て黒レベルのピクセルの領域とする二次元パターンとして生成するとともに、9領域の内での白レベルのピクセルを含む領域の設定によって、9種類のクロストーク検出シンボルを生成する。
【0011】
本発明のホログラム記録方法は、記録情報を所定単位毎に二次元コードシンボルに変換する二次元変調ステップと、複数種類の異なる二次元パターンとして、複数種類のクロストーク検出シンボルを生成するとともに、ホログラム記録媒体上で配列化される各要素ホログラムにおいて、それぞれの要素ホログラム位置に応じて、上記複数種類のクロストーク検出シンボルの中から割り当てられたクロストーク検出シンボルが含まれる状態とするようにクロストーク検出シンボルを出力するクロストーク検出シンボル生成ステップと、上記二次元変調ステップで得られた上記二次元コードシンボルと上記クロストーク検出シンボル生成ステップで出力された上記クロストーク検出シンボルとを含むグループメインシンクを生成し、複数の上記グループメインシンクを二次元的に配列して上記物理ページを生成する物理ページ生成ステップと、上記物理ページを要素ホログラム化していくことで、要素ホログラム配列を生成する要素ホログラム配列化ステップとを備える。
【0012】
本発明のホログラム記録媒体は、記録情報を二次元ページデータとしての物理ページに変換し、該物理ページを要素ホログラム化して記録したホログラム記録媒体であり、要素ホログラムが二次元方向に配列化されているとともに、各要素ホログラムには、その位置に応じて、複数種類のクロストーク検出シンボルの中から割り当てられたクロストーク検出シンボルが含まれている。
また隣接する要素ホログラム同志には、それぞれ異なる種類のクロストーク検出シンボルが含まれている。
【0013】
即ち本発明では、1つの要素ホログラムとして記録される物理ページとして、記録する情報とクロストーク検出シンボルが含まれる二次元パターンを生成する。つまり各要素ホログラムにはクロストーク検出シンボルが含まれるようにする。このときに、各要素ホログラムには、その配列上の位置に応じて特定種類のクロストーク検出シンボルが割り当てられているようにする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホログラム記録媒体上に形成される各要素ホログラムには、それぞれ配列上の位置に応じた種類のクロストーク検出シンボルが含まれている。このため再生時に検出されるクロストーク検出シンボルの情報により、トラッキング状態が判別できるようになる。
特に、隣接する要素ホログラムは必ず異なるクロストーク検出シンボルを持つようにすることで、再生時のトラッキング状態をクロストーク検出シンボルの明度バラツキから検出できる。
このことから本発明によれば、再生時に好適なホログラム記録媒体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.ホログラムメモリの記録再生]
[2.データ符号化処理全体の概略]
[3.データページ生成処理]
[4.ページ内符号化処理]
[5.ページ間符号化処理]
[6.ホログラム配列生成処理]
[7.実施の形態の効果]
【0016】
[1.ホログラムメモリの記録再生]

まずホログラムメモリ3の基本的な記録再生動作について図1で説明する。
図1(a)はホログラムメモリ3に対するデータ記録の様子を示している。例えばコンテンツデータやコンピュータプログラム等としてのデータをホログラムメモリ3に記録する場合、その記録データ全体は、多数の1ページ分のデータにエンコードされる。
エンコードされた単位としての1つのデータDTは、図示するような例えば二次元バーコード状の画像データに変換され、液晶パネル1において二次元ページデータ画像として表示される。
所定の光源から出力され、例えば平行光とされたレーザ光L1は、二次元ページデータ画像が表示された液晶パネル1を通過することで、その二次元ページデータ画像の像としての物体光L2となる。
この物体光L2は、集光レンズ2で集光され、ホログラムメモリ3上にスポットとして集光される。
このとき、ホログラムメモリ3に対しては、所定角度で記録参照光L3を照射する。これにより物体光L2と参照光L3が干渉し、その干渉縞によりドット状の要素ホログラムが記録されることになる。
なおこのように集光レンズ2を用いる場合、要素ホログラムとして記録されるデータは、集光レンズ2のフーリエ変換作用により、記録データの像のフーリエ像となる。
【0017】
このようにしてホログラムメモリ3に1つの要素ホログラムが記録されるが、順次エンコード単位のデータDTが、同様に二次元ページデータに変換され、液晶パネル1に表示され、それぞれ要素ホログラムとして記録されていく。
各要素ホログラムの記録の際には、図示しない移送機構により、ホログラムメモリ3(ホログラム材料)の位置を移送させ(もしくは記録光学系を移送させ)、要素ホログラムの記録位置をホログラムメモリ3の平面上で僅かにずらせていく。これにより、例えばシート状のホログラムメモリ3に、その平面方向に多数の要素ホログラムが配置されるように記録が行われていくことになる。例えば図45には、1つの要素ホログラムを●で表しているが、このように平面上に多数の要素ホログラムが形成される。
【0018】
このように要素ホログラムが記録されたホログラムメモリ3に対しては図1(b)のように再生が行われる。図1(b)に示すコリメータレンズ4及びイメージャ5は、ホログラムリーダとしての再生装置内に設けられる構成である。
ホログラムメモリ3に対しては、記録時と同じ照射角度で、再生参照光L4を照射する。再生参照光L4を照射すると、要素ホログラムとして記録された再生像が得られる。つまり二次元ページデータの像が、記録時の液晶パネル1と共役な場所に現れる。これをイメージャ5で読み取ればよい。
即ちホログラムメモリ3からの再生像光L5はコリメータレンズ4で平行光とされ、例えばCCD撮像素子アレイ、もしくはCMOS撮像素子アレイなどで形成されたイメージャ5に入射する。ホログラムメモリ3上でのフーリエ像は、コリメータレンズ4で逆フーリエ変換されて二次元ページデータの像となるため、この二次元ページデータ画像としての再生像がイメージャ5で読み取られる。
イメージャ5は再生像に応じた電気信号としての再生像信号を発生させる。この再生像信号についてデコード処理を行うことで、元々のデータ、つまり記録のために二次元ページデータに変換する前のデータが得られることになる。
ホログラムメモリ3上の多数の要素ホログラムについて同様にデータ読出を行っていくことで、記録された元々のコンテンツデータ等を再生することができる。
【0019】
なお、このようなホログラムメモリ3に対する記録方式として角度多重記録が知られている。角度多重とは、記録参照光L3の角度を変えることで、平面上の同一位置に要素ホログラムを多重記録する方式である。
例えば図1(a)のようにして1つの要素ホログラムを記録した後、記録参照光L3の照射角度を異なる状態とすると、ホログラムメモリ3上の同一平面位置にさらに別の要素ホログラムを記録できる。
つまりホログラムメモリ3の平面を、記録参照光L3の角度を変えることで多面に用いて多重記録でき、これにより記録容量を大幅に増大できる。例えば図45のような要素ホログラム配列面が、多数面形成されるイメージである。
角度多重記録されたホログラムメモリ3の再生の際には、記録時の各記録参照光角度と同一のそれぞれの角度で再生参照光L4を照射すればよい。即ち第1の角度の記録参照光L3を照射して記録した要素ホログラムは、同じ第1の角度の再生参照光L4を照射することで読み出すことができ、また第2の角度の記録参照光L3を照射して記録した要素ホログラムは、同じ第2の角度の再生参照光L4を照射することで読み出すことができる。
【0020】
なお、上記のように要素ホログラムによってデータが記録されるホログラムメモリ3は密着コピーによる大量複製も容易に可能である。
従って、図1(a)のようにしてホログラム材料上に要素ホログラムを記録したホログラムメモリ3は、それをそのまま一般ユーザーに提供するホログラムメモリとしても良いが、これをマスターメディアとし、密着コピーにより大量のホログラムメモリの複製にもちいてもよい。
例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどをホログラム記録媒体に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーが再生装置(ホログラムリーダ20)を用いて、ホログラムメモリ3に記録されたデータを取得できるようにするシステムなどを想定した場合、図1(a)のようにしてホログラムマスターメディアを生成し、そのマスターメディアから複製されたホログラムメモリを頒布して、ユーザーサイドで図1(b)の動作でデータを読み出すようにすることが好適である。
【0021】
[2.データ符号化処理全体の概略]

以下、ホログラムメモリ3への記録のためのデータの符号化処理について説明していく。図2は、記録システムの構成と各部での符号化処理の様子を示している。
図2におけるインプットデータストリーム(Input Data Stream)は、ホログラムメモリ3に記録を行う元々のデータ(インプットデータ)のストリームデータである。
インプットデータとしては例えばオーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、コンピュータプログラム或いはコンピュータデータなど、多様なデータが想定される。
【0022】
記録システム10は、記録対象として供給されるインプットデータについてデータページ生成処理を行うスクランブルドデータページ発生部(Scrambled Data Page Generator)11と、ページ内符号化処理を行うインナーページエンコーダ(Inner Page Encoder)12と、ページ間符号化処理を行うアウターページエンコーダ(Outer Page Encoder)13と、ホログラム配列生成処理を行いホログラムメモリ3を生成するホログラムユニットマトリクス生成部(Hologram Unit Matrix Generator)14とを備えて構成される。
【0023】
符号化する対象データであるインプットデータは、m×nバイトのサイズを1単位とする。m×nバイトの1単位における各インプットデータをD[0]、D[1]・・・D[mn-1]で示している。ここで、mは符号化するデータのページ数であり、nは1ページ当りのデータ数である。
このインプットデータはスクランブルドデータページ発生部11に入力される。スクランブルドデータページ発生部11は、インプットデータに対してスクランブル処理を施し、スクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1としてのmページ分のデータを生成する。そしてこれらをスクランブル済データページストリーム(Scrambled Data Page Stream)として出力する。
【0024】
スクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1は、インナーページエンコーダ12に入力される。インナーページエンコーダ12は、入力されるスクランブル済データページに対してページ内符号化処理を施して、内部符号化済ページIEP0、IEP1・・・IEPm−1としてのmページ分のデータを生成する。そしてこれらを内部符号化済ページストリーム(Inner Encoded Page Stream)として出力する。
【0025】
内部符号化済ページIEP0、IEP1・・・IEPm−1のストリームデータはアウターページエンコーダ13に入力される。アウターページエンコーダ13は、入力される内部符号化済ページに対してページ間符号化処理を施して、外部符号化済ページOEP0、OEP1・・・OEPxyz-1としてのx・y・zページ分のデータを生成する。そしてこれらを外部符号化済ページストリーム(Outer Encoded Page Stream)として出力する。
【0026】
この外部符号化済ページOEP0、OEP1・・・OEPxyz-1のストリームデータは、ホログラムユニットマトリクス生成部14に入力される。ホログラムユニットマトリクス生成部14は、外部符号化済ページについて要素ホログラム化処理を施し、x・yユニットの要素ホログラムHU(0,0)・・・HU(x−1,y−1)が記録されたホログラムユニットマトリクス(Hologram Unit Matrix)20を形成する。このホログラムユニットマトリクスは、図1(a)の動作でホログラム材料上に要素ホログラムを記録したもので、ホログラムメモリ3そのものとしても良いし、ホログラムメモリ3を複製するためのマスターメディアとしてもよい。
本明細書で、ホログラムユニットマトリクス20とは、ホログラム材料上に多数の要素ホログラム(=ホログラムユニット)を配列するように記録したものを指す総称として用いる。
【0027】
図3に各部での処理過程を示す。
図3(a)はスクランブルドデータページ発生部11の処理を示している。スクランブルドデータページ発生部では、処理前ページ生成処理A1、セクタ分割処理A2、EDC付加処理A3、スクランブル処理A4、ページ結合処理A5が順次行われて、スクランブル済データページSDPのストリーム(Scrambled Data Page Stream)が出力される。
図3(b)はインナーページエンコーダ12の処理を示している。インナーページエンコーダ12では、データ配列変換処理B1、ページ内符号化処理B2、ページ内インターリーブ処理B3、データ配列逆変換処理B4が順次行われて内部符号化済ページIEPのストリーム(Inner Encoded Page Stream)が出力される。
図3(c)はアウターページエンコーダ13の処理を示している。アウターページエンコーダ13では、ページ配列変換処理C1、ページ間符号化処理C2、ページ多重化処理C3、ページ間インターリーブ処理C4、ページ配列再変換処理C5が順次行われて外部符号化済ページOEPのストリーム(Outer Encoded Page Stream)が出力される。
図3(d)はホログラムユニットマトリクス生成部14の処理を示している。ホログラムユニットマトリクス生成部14では、ページID生成処理D1、ページID符号化処理D2、同期信号生成処理D3、クロストーク検出シンボル生成処理D4、第1,第2の二次元変調処理D5,D6、ページ検索シンボル生成処理D7、物理ページ生成処理D8、要素ホログラム配列化処理D9が行われて、図1で説明したような要素ホログラムとしての記録が行われ、ホログラムユニットマトリクス20が生成される。
【0028】
[3.データページ生成処理]

スクランブルドデータページ発生部11におけるデータページ生成処理を詳細に説明する。
図4は、上記図3(a)に示したスクランブルドデータページ発生部11の処理A1〜A5を示している。
インプットデータに対して処理前ページ生成処理A1が行われて処理前ページ(Row Pages)が生成される。
セクタ分割処理A2で処理前ページ(Raw Pages)から処理前セクタ(Raw Secors)が生成される。
EDC付加処理A3で処理前セクタ(Raw Secors)からEDC付セクタ(Sectors with EDC)が生成される。
スクランブル処理A4でEDC付セクタ(Sectors with EDC)からスクランブル済データセクタ(Scrambled Data Sectors)が生成される。
ページ結合処理A5でスクランブル済データセクタ(Scrambled Data Sectors)からスクランブル済データページ(Scrambled Data Pages)が生成される。
【0029】
各処理を順次説明する。
まずインプットデータD[0]、D[1]・・・D[mn-1]としてのロウバイト(Raw Bytes)に対して処理前ページ生成処理A1が行われる。ロウバイトとは処理前のデータの意味である。
インプットデータ(ロウバイト)は図5に示す様に m×n個のデータ群で構成される。
このロウバイトとしてのデータ群に対して、処理前ページ生成処理A1で、順次nバイト単位のデータ系列に分割し、図6に示す処理前ページ(Raw Pages)を生成する。図示するようにmページ分の処理前ページRaw Page[0]、Raw Page[1]・・・Raw Page[m-1]が生成される。例えば処理前ページRaw Page[0]は、インプットデータD[0]・・・D[n-1]のnバイトで形成される。他の処理前ページもそれぞれnバイトとなる。
【0030】
次に各処理前ページRaw Page[0]、Raw Page[1]・・・Raw Page[m-1]は、セクタ分割処理A2により、s個の処理前セクタに分割される。即ち図7に示すように、処理前ページRaw Page[0]は、処理前セクタRaw Secor[0][0]、Raw Secor[0][1]・・・Raw Secor[0][s-1]のs個の処理前セクタに分割される。同様に処理前ページRaw Page[1]は、処理前セクタRaw Secor[1][0]、Raw Secor[1][1]・・・Raw Secor[1][s-1]のs個の処理前セクタに分割される。処理前ページRaw Page[m-1]まで同様である。
全ての処理前ページがそれぞれs個の処理前セクタに分割されることで、m×s個の処理前セクタRaw Secor[0][0]・・・Raw Secor[m-1][s-1]が形成されるが、これを図8に示している。図8では各処理前セクタRaw Secor[0][0]・・・Raw Secor[m-1][s-1]の構成をインプットデータで表している。
この処理前セクタは、後述するEDC(誤り検出符号)の処理単位であり、tバイト(t=n/s)で構成される。例えば処理前ページRaw Page[0]は、インプットデータD[0]・・・D[t-1]のtバイトで形成される。
【0031】
続いてEDC付加処理A3で、各処理前セクタRaw Secor[0][0]・・・Raw Secor[m-1][s-1]に対してEDC(誤り検出符号)が付加される。
図9に各処理前セクタにuバイトのEDC(誤り検出符号)を付加した場合の構成を示している。例えば処理前セクタRaw Secor[0][0]については、インプットデータD[0]・・・D[t-1]のtバイトに対してuバイトのEDCパリティE[0]、E[1]・・・E[u-1]が付加され、これがEDC付セクタ(Sector with EDC[0][0])とされる。他の処理前セクタも同様にEDCパリティが付加される。これによって、m×s個のEDC付セクタSector with EDC[0][0]、Sector with EDC[0][1]・・・Sector with EDC[m-1][s-1]が形成される。
【0032】
次にスクランブル処理A4で、各EDC付セクタSector with EDC[0][0]、Sector with EDC[0][1]・・・Sector with EDC[m-1][s-1]は、それぞれスクランブル処理が施され、図10に示すスクランブル済データセクタ(Scrambled Data Sectors)が生成される。
図9,図10からわかるように、各EDC付セクタのバイトデータは、スクランブル後のバイトデータSDに変換される。
例えば図9におけるEDC付セクタSectors with EDC[0][0]を構成するインプットデータD[0]・・・D[t-1]及びEDCパリティE[0]、E[1]・・・E[u-1]がスクランブルされて、図10のバイトデータSD[0]、SD[1]・・・SD[v-1]から成るスクランブル済データセクタScrambled Data Sectors[0][0]が形成される。なおスクランブル済データセクタを形成するvバイトとは、EDC付セクタを構成するバイト数(t+u)バイトである。
他のEDC付セクタもそれぞれスクランブル処理される。これによって、m×s個のスクランブル済データセクタScrambled Data Sectors[0][0]、Scrambled Data Sectors[0][1]・・・Scrambled Data Sectors[m-1][s-1]が形成される。
【0033】
スクランブル済データセクタに対してページ結合処理A5が行われる。この場合、図11に示すようにsセクタを1ページに結合してスクランブル済データページSDP(Scrambled Data Pages)を生成する。
即ち、スクランブル済データセクタScrambled Data Sectors[0][0]・・・Scrambled Data Sectors[0][s-1]が結合されてスクランブル済データページSDP0が形成される。同様にスクランブル済データセクタが結合されていき、スクランブル済データページSDPm-1までが形成される。
図12には、mページの各スクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1の構成を示している。
各スクランブル済データページはrバイトで構成される。r=n+u×sバイトである。
図2で述べたように、このスクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1が、スクランブルドデータページジェネレータ11からインナーページエンコーダ12に供給される。
【0034】
[4.ページ内符号化処理]

スクランブルドデータページ発生部11での上記のデータページ生成処理で得られたスクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1は、インナーページエンコーダ12でページ内符号化処理が行われる。
図13は、上記図3(b)に示したインナーページエンコーダ12の処理B1〜B4を示している。
データ配列変換処理B1でスクランブル済データページSDPから情報データブロック(Info Data Blocks)を生成する。
ページ内符号化処理B2で、情報データブロック(Info Data Blocks)から符号データブロック(Code Data Blocks)を生成する。
ページ内インターリーブ処理B3で、符号データブロック(Code Data Blocks)からインターリーブ済符号データブロック(Interleaved Code Data Blocks)を生成する。
データ配列逆変換処理B4でインターリーブ済符号データブロック(Interleaved Code Data Blocks)から内部符号化済ページ(Inner Encoded Pages)を生成する。
【0035】
各処理を順次説明する。
インナーページエンコーダ12に入力されるスクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1に対しては、データ配列変換処理B1でページ内符号化を行うために配列変換し、情報データブロック(Info Data Blocks)を生成する。
図14は二次元積符号を行うために各スクランブル済データページの構成バイトを横aバイト×縦bバイトに配置した例である。なおa×b=rである。rバイトとは、図12に示したように1つのスクランブル済データページの構成バイト数である。
例えば図12のスクランブル済データページ(Scrambled Data Page[0]=SDP0)を構成するデータSD[0]・・・SD[r-1]を横aバイト×縦bバイトに配置したものが図14の情報データブロック(Info Data Block[0])であり、配列変換したデータをI[0][0][0]・・・I[a-1][b-1][0]で表している。
このようにスクランブル済データページSDP0、SDP1・・・SDPm−1がそれぞれ配列変換され、情報データブロックInfo Data Block[0]、Info Data Block[1]・・・Info Data Block[m-1]が形成される。
【0036】
なお、このI[α][β][γ]の表記は、αはカラムインデックス(列番号)、βはロウインデックス(行番号)、γはページインデックス(ページ番号)を示している。
スクランブル済データページのデータSDと、配列変換されたI[α][β][γ]の対応関係は、I[α][β][γ]=SD[a・b・γ+a・β+-α]となる。
【0037】
次にページ内符号化処理B2で、情報データブロック(Info Data Blocks)に訂正パリティの付加を行い、符号データブロック(Code Data Blocks)を生成する。図15に、横方向にcバイトのパリティP、縦方向にdバイトのパリティPを付加した例を示している。
例えば図14の情報データブロックInfo Data Block[0]に対して図15のように横方向にcバイトのパリティP[a][0][0]・・・、縦方向にdバイトのパリティP[0][b][0]・・・を付加し、i×jバイトの符号データブロックCode Data Block[0]を生成する。i=a+c、j=b+dである。
他の情報データブロックにも同様にパリティPが付加される。これにより、m個の符号データブロックCode Data Block[0]・・・Code Data Block[m-1]が生成される。
【0038】
生成された符号データブロックCode Data Block[0]・・・Code Data Block[m-1]は、ページ内インターリーブ処理B3で、ページ内で完結するインターリーブ処理が施される。
図16に符号データブロックCode Data Block[0]・・・Code Data Block[m-1]をそれぞれページ内インターリーブした、インターリーブ済符号データブロックInterleaved Code Data Block[0]・・・Interleaved Code Data Block[m-1]を示している。
例えば図15に示した符号データブロックCode Data Block[0]を構成するデータI[0][0][0]・・・P[i-1][j-1][0]をインターリーブしたものが図16のデータICD[0][0][0]・・・ICD[i-1][j-1][0]であり、これがi×jバイトのインターリーブ済符号データブロックInterleaved Code Data Block[0]となる。
【0039】
図16のように生成されたm個のインターリーブ済符号データブロック(Interleaved Code Data Blocks)は、データ配列逆変換処理B4にて、データ配列を元のページ単位に逆変換され、内部符号化済ページIEP(Inner Encoded Pages)が生成される。
図17に内部符号化済ページIEP0・・・IEPm−1を示している。これは、kバイト(k=i×j)の内部符号化済ページがmページある例である。
例えば図16のインターリーブ済符号データブロックInterleaved Code Data Block[0]は、配列逆変換されて、図17のデータiep[0]・・・iep[k-1]のkバイトの内部符号化済ページIEP0とされる。以降のインターリーブ済符号データブロックも同様に配列逆変換されていき、図17に示すそれぞれkバイトの内部符号化済ページIEP1・・・IEPm−1となる。
図2で述べたように、この内部符号化済ページIEP0、IEP1・・・IEPm−1が、インナーページエンコーダ12から出力され、アウターページエンコーダ13に供給される。
【0040】
[5.ページ間符号化処理]

インナーページエンコーダ12での上記のページ内符号化処理で得られた内部符号化済ページIEP0、IEP1・・・IEPm−1は、アウターページエンコーダ13でページ間符号化処理が行われる。
図18は、上記図3(c)に示したアウターページエンコーダ13の処理C1〜C5を示している。
ページ配列変換処理C1で内部符号化済ページIEPから情報ページブロック(Info Page Blocks)を生成する。
ページ間符号化処理C2で、情報ページブロック(Info Page Blocks)から符号ページブロック(Code Page Blocks)を生成する。
ページ多重化処理C3で、符号ページブロック(Code Page Blocks)からページ多重化済ブロック(Duplicated Page Block)を生成する。
ページ間インターリーブ処理C4で、ページ多重化済ブロック(Duplicated Page Block)からインターリーブ済ページ多重化ブロック(Interleaved Duplicated Blocks)を生成する。
ページ配列再変換処理C5でインターリーブ済ページ多重化ブロック(Interleaved Duplicated Blocks)から外部符号化済ページ(Outer Encoded Pages)を生成する。
【0041】
各処理を順次説明する。
アウターページエンコーダ13に入力される内部符号化済ページIEP0、IEP1・・・IEPm−1に対しては、ページ配列変換処理C1でページ間符号化を行うために配列変換し、情報ページブロック(Info Page Block)を生成する。
図19は、内部符号化済ページIEP0、IEP1・・・IEPm−1を、横fページ×縦eページに配列変換した情報ページブロックの例である。配置変換した各内部符号化済ページを、IEP[0]、IEP[1]・・・IEP[ef-1]で示している。
【0042】
次にページ間符号化処理C2で、情報ページブロック(Info Page Block)にページ間の訂正パリティページの付加を行い、符号ページブロック(Code Page Blocks)を生成する。図20に、横方向にgページの外部パリティページOPP[0]・・・OPP[eg-1]を付加して生成された符号ページブロックの例を示している。
【0043】
この符号ページブロック(Code Page Block)に対しては、ページ多重化処理C3にて、各ページを複数個に多重化し、ページ多重化済ブロック(Duplicated Page Block)を生成する。 図21は、符号ページブロック内の各符号ページをq個づつ多重化したページ多重化済ブロック例である。ここでいう各符号ページとは、内部符号化済ページIEP[0]、IEP[1]・・・IEP[ef-1]、及び外部パリティページOPP[0]・・・OPP[eg-1]のことである。
多重化としては、図20の縦eページのうちの最初の行の各符号ページIEP[0]、IEP[1]・・・IEP[f-1]、OPP[0]・・・OPP[g-1]が、図21に示すようにq行(縦qページ)分と成るように多重化される。
同様に図20の縦eページのうちの第2行の各符号ページIEP[f]、IEP[f+1]・・・IEP[f+(f-1)]、OPP[g]・・・OPP[g+(g-1)]が、図21に示すようにq行(縦qページ)分と成るように多重化される。
以下同様に多重化されて図21の縦e×qページのページ多重化済ブロック(Duplicated Page Block)が生成される。
【0044】
このページ多重化済ブロック(Duplicated Page Block)に対しては、ページ間インターリーブ処理C4にて、ページ間を横断するインターリーブ処理が行われ、図22に示すインターリーブ済ページ多重化ブロック(Interleaved Duplicated Blocks)が生成される。
図22は、横方向xページ×縦方向yページ×角度多重方向zページ でインターリーブ及び配列変換を実行したインターリーブ済ページ多重化ブロックの例である。
図22では角度多重方向の各ページブロックをレイヤと表現し、zページの各レイヤをRayer[0]・・・Rayer[z-1]で表している。
各レイヤのページブロックでは、インターリーブされた各ページをIDP[x][y][z]で表している。例えばレイヤRayer[0]における各ページはIDP[0][0][0]・・・IDP[x-1][y-1][z]となる。
【0045】
このようにインターリーブ済ページ多重化ブロック(Interleaved Duplicated Blocks)は、ページ配列再変換処理C5にて、ページ配列が再度ページ単位に変換され、外部符号化済ページOEP(Outer Encoded Pages)が生成される。
図23に外部符号化済ページOEP0・・・OEPxyz-1を示している。これは、kバイトの外部符号化済ページがx・y・zページある例である。
図22のインターリーブ済ページ多重化ブロック(Interleaved Duplicated Blocks)が、ページ配列再変換されて、図23に示すように、iep[0]・・・iep[k-1]によるkバイトの外部符号化済ページOEP0、iep[k]・・・iep[k+(k-1)]によるkバイトの外部符号化済ページOEP1、・・・と各外部符号化済ページが生成される。
この外部符号化済ページOEP0・・・OEPxyz-1が、図2で説明したようにアウターページエンコーダ13から出力され、ホログラムユニットマトリクス生成部14に供給される。
【0046】
[6.ホログラム配列生成処理]

外部符号化済ページOEP0、OEP1・・・OEPxyz-1はホログラムユニットマトリクス生成部14に供給され、最終的にホログラムメモリ又はそのマスターメディアを形成するホログラム材料上にホログラムユニットマトリクス20が形成される。
図24にホログラムユニットマトリクス生成部14の処理を示している。これは図3(d)に示した処理をより詳細に示したものである。
【0047】
図24に示すように、アウターページエンコーダ13からの外部符号化済ページOEP0、OEP1・・・OEPxyz-1のストリームデータ(Outer Encoded Page Stream)は、第1の二次元変調処理D6により二次元コードシンボル(2D Code Symbols)に変換される。
【0048】
またホログラムユニットマトリクス生成部14では、ページID生成処理D1で物理ページID(Physical Page ID)、論理ページID(Logical Page ID)が生成される。この物理ページID、論理ページIDは、ページID符号化処理D2でコード化され、物理ページIDコード(Physical Page ID Code)、論理ページIDコード(Logical Page ID Code)とされる。
さらに物理ページIDコード、論理ページIDコードには第2の二次元変調処理D5が施され、二次元パターンとしての物理ページIDコードシンボル(Physical Page ID Code Symbols)、論理ページIDコードシンボル(Logical Page ID Code Symbols)に変換される。
【0049】
またホログラムユニットマトリクス生成部14では、同期信号生成処理D3により二次元シンボルの切出し位置を検出するためのメイン同期シンボル(Main Sync Symbols)が生成される。
またホログラムユニットマトリクス生成部14では、クロストーク検出シンボル生成処理D4によりクロストーク検出シンボル(Crosstalk Detect Symbols)が生成される。
【0050】
そして物理ページIDコードシンボル(Physical Page ID Code Symbols)、論理ページIDコードシンボル(Logical Page ID Code Symbols)、メイン同期シンボル(Main Sync Symbols)、クロストーク検出シンボル(Crosstalk Detect Symbols)が、ページ検索シンボル生成処理D7で合成されて2次元パターンとしてのページ検索シンボル(Page Search Symbols)が生成される。
このページ検索シンボル(Page Search Symbols)と、上記の二次元コードシンボル(2D Code Symbols)が、物理ページ生成処理D8で合成されて、物理ページ(Physical Pages)が生成される。そして各物理ページが要素ホログラム配列化処理D9で要素ホログラムとしてホログラム材料に記録され、図2に示したような要素ホログラムHU(0,0)・・・HU(x−1,y−1)が記録されたホログラムユニットマトリクス20が形成される。即ち図1(a)で説明したように各物理ページが順次液晶パネル1に表示されながら、その物体光L2と記録参照光L3の干渉縞により、ホログラム材料に要素ホログラムが記録されていく。このとき、記録参照光L3の照射角度を変えながら各物理ページを記録することで、角度多重方式で要素ホログラムが形成されていく。
【0051】
このホログラムユニットマトリクス生成部14における各処理を説明していく。
二次元変調処理D6として、アウターページエンコーダ13からの外部符号化済ページOEP0、OEP1・・・OEPxyz-1が二次元コードシンボル(2D Code Symbols)に変換される。
図25に二次元変調処理を示す。
図25(a)に示すD0〜D7の8ビットのバイナリコードとしてのバイトデータは、図25(b)の4×4ピクセル(画素)の二次元パターンとしての二次元コードシンボルに変換される。この二次元パターンの各画素P0、P1・・・Pfは、バイトデータの値、つまりD0〜D7の8ビット値に応じて、白レベルまたは黒レベルのいずれかが選択される。
例として、図25(c)に値「01011010」、つまり「5Ah」(hは16進表記を表す)のバイトデータを示しているが、これは図25(d)の二次元コードシンボルに変換される。この例では、画素P1、P7、P9の3つの画素が白レベルとし、他の13画素を黒レベルとしている。
【0052】
ここで、8ビットのバイトデータを表現するためには、
8=256[symbol]
の二次元コードシンボルが必要となる。ここで、「C」でコンビネーションを表し、13個のうちから3つの組み合わせの種類の数を求めると、
13C3=286[symbol]
であるので、二次元コードシンボルの画素数は13画素以上あれば、上記256通りの組合せを表現可能である。
すると、4×4−13=3としての3画素は、バイトデータの表現以外の用途に割り当てて良いことになる。
【0053】
そこで、図26に示すように、4×4画素のうち、画素Pfをサブシンクピクセル(Sub-Sync Pixel)として、補助同期パターン用の画素に割り当てる。この画素Pfには後述するグループサブシンク(Group-SS)生成時に白レベルまたは黒レベルのいずれかを割り当てる。
また画素Pb,Peを、サブシンクピクセルをガードするサブシンクガードピクセル(SS-Guard Pixel)とする。この画素Pb,Peは常時黒レベルとする。
そして残りの13画素として画素P0・・・Pa、Pc、Pdをコードピクセル(Code Pixel)とし、変調したいバイトデータに従って、これら13画素のうち3画素を白レベルとし、10画素を黒レベルとする。
【0054】
ここで、13C3−28=286−256=30[symbol]であるので、非コード・シンボルを30個定義することができる。
図27は、ランレングス制限を目的とした30個の除外二次元シンボル例である。
この除外する30個以外の256個の二次元パターンを、バイトデータ値「00h」〜「FFh」に割り当てる。
図28,図29,図30,図31,図32,図33,図34は、バイトデータ値「00h」〜「FFh」のそれぞれを表現する二次元パターンを示している。つまりバイトデータから二次元コードシンボルへの変調テーブルである。なお、これらの図において画素の値の「0」は黒レベル、「1」は白レベルを示している。
例えばバイトデータ値「5Ah」は図30に示すように、P1,P7,P9が白レベルのパターンが割り当てられているため、上記図25(d)の二次元コードシンボルとなる。
【0055】
つまり図27のように、縦、横、又は斜めに白レベルが連続するパターンとなる30個のパターンを除外する。そして残りの256パターンのうちで、1バイトのバイナリデータの値に応じて上記図28〜図34の変調テーブルで選択されたパターンとして、二次元コードシンボルが生成される。
【0056】
1バイトのデータは以上のように4×4画素の二次元コードシンボルに変換されるが、4バイト分、つまり4つの4×4画素の二次元コードシンボルから、グループR(Group-R:Group Rotated・・回転グループ)が生成される。
図35にグループRの生成処理を示す。
図35(a)(b)(c)(d)にバイトデータA、バイトデータB,バイトデータC,バイトデータDとして4バイトを示している。
この各バイトデータは、上述の変調テーブルに従って4×4画素の二次元パターンに変換される。バイトデータA,B,C,Dの値に応じて生成された二次元パターンを図35(e)(f)(g)(h)に示している。
この4つの各二次元パターンには、次のように回転操作を施す。
バイトデータAの二次元パターン:回転無し→図35(i)。
バイトデータBの二次元パターン:右90°回転→図35(j)。
バイトデータCの二次元パターン:180°回転→図35(k)。
バイトデータDの二次元パターン:左90°回転→図35(l)。
そして、この図35(i)(j)(k)(l)の4シンボルを結合し、図35(m)に示す8×8画素のグループRを生成する。
【0057】
4バイトのデータから、以上のようにグループRが形成されるが、このグループRのパターンを4つ合成してグループサブシンク(Group-SS :Group Sub-Sync)を生成する。
図36にグループサブシンクの生成方式を示す。
図36(a)(b)(c)(d)として、4つのグループRを示している。即ち図36(a)はバイトデータA,B,C,Dから生成されたグループR、図36(b)はバイトデータE,F,G,Hから生成されたグループR、図36(c)はバイトデータI,J,K,Lから生成されたグループR、図36(d)はバイトデータM,N,O,Pから生成されたグループRである。
この4つのグループRを結合し、図36(e)のように16×16画素のグループサブシンクを生成する。このとき、バイトデータC,H,I,Nについての4×4画素の二次元パターンにおける画素Pfに白レベルが割り当てられていることで、図示するようにグループサブシンクの中央に集まった2×2ピクセルの4つの画素Pfが4画素分の白領域を形成する。これがサブシンクパターンとなる。
また、他のバイトデータA,B,D,E,F,G,J,K,L,M,O,P,の画素Pfについては黒レベルを割り当てることで、グループサブシンク上での白画素の頻度を抑圧する。
【0058】
以上のグループサブシンクが、二次元変調処理D6で形成されていき、図24の物理ページ生成処理D8に供される。
即ち二次元変調処理D6では、4×4ピクセルの二次元コードシンボルにおいて特定の角部のピクセルPfをサブ同期ピクセルとするようにして、上記二次元コードシンボルを生成する。
次に4個の二次元コードシンボルを一組とし、4個の各二次元コードシンボルについて、必要な回転処理を行ってから合成することで、それぞれのサブ同期ピクセルPfが、4つの角部に位置するようにした8×8ピクセルの回転グループ(グループR)を生成する。
さらに4個の回転グループ(グループR)を、横2グループ、縦2グループに並べて合成し、その合成後の中央の2×2ピクセルに集められた、4つの白レベルとされたサブ同期ピクセルPfが、サブ同期パターンとなるように、グループサブシンクを生成する。
【0059】
一方、図24のページ検索シンボル生成処理D7によりページ検索シンボルが生成されるが、ページ検索シンボルは、図37に示すように物理ページIDコードシンボル(Physical Page ID Code Symbols)、論理ページIDコードシンボル(Logical Page ID Code Symbols)、メイン同期シンボル(Main Sync Symbols)、クロストーク検出シンボル(Crosstalk Detect Symbols)が合成されたものである。このページ検索シンボルは32×32画素分、つまりグループサブシンク4個分の画素数で形成される。
このページ検索シンボル内の各シンボルについては後述するが、物理ページ生成処理D8では、このページ検索シンボルと、グループサブシンクがで合成されてグループメインシンク(Group-MS:Group Main-Sync)が形成され、さらにそのグループメインシンクの集合が物理ページ(Physical Pages)とされる。
【0060】
グループメインシンクを図38(a)に示す。グループメインシンクは、グループサブシンクが横方向に8個、縦方向に8個配列されて形成される。
但し、この場合、64個のグループサブシンクを配列できるが、任意の位置の2×2個のグループサブシンク(32×32画素)を空白とし、ページ検索シンボルを挿入する。図38では中央のグループサブシンク4つ分の画素(32×32画素)に図37のようなページ検索シンボルを配置した例を示している。
即ちグループサブシンクの配列内に、メイン同期シンボルを有するページ検索シンボルを配置するが、ページ検索シンボルは、16×16画素のグループサブシンクの整数倍のピクセルで構成されたものである。
そして、このように構成されたグループメインシンクは、128×128画素で形成され、その内訳は、60個のグループサブシンクと、1つのページ検索シンボルを有するものとなる。
上述したように1つのグループサブシンクは16×16画素であり、16画素で表現される1バイトデータを16バイト分含むものであるため、グループメインシンクには、データとして16×60=960バイト(960シンボル)を含むものとなる。
なお、グループメインシンク内において、メイン同期シンボルとサブ同期パターン(=グループサブシンク中央の白レベルの4画素)の重心位置は縦方向/横方向共に規則性を保っている。
【0061】
このようなグループメインシンクが、さらに二次元平面に配列されたものが物理ページとなる。図39に物理ページの構成例を示す。
ここでは横方向にpグループ、縦方向にqグループとなるようにグループメインシンクGroup-MS[0][0]・・・Group-MS[p-1][q-1]が配列されて物理ページ(Physical Pages)が形成された例を示している。
図24の物理ページ生成処理D8では、このような物理ページ(Physical Pages)が形成され、これが要素ホログラム配列化処理D9に供される。つまり物理ページが図1の二次元ページデータとして液晶パネル1に表示される。
【0062】
なお、図39の物理ページには、各グループメインシンクに「EVEN」「ODD」として偶数番目のグループメインシンクと奇数番目のグループメインシンクを示した。そして縦方向/横方向ともに奇数番目グループメインシンク/偶数番目グループメインシンクが交互に配置されている。
偶数番目のグループメインシンクと奇数番目のグループメインシンクでは、ページ検索シンボルにおけるメイン同期シンボルを異なるものとしている。例えば偶数番目のグループメインシンクには図37のページ検索シンボルを挿入するため、図38(a)のようになる。一方、奇数番目のグループメインシンクには図38(b)のようなページ検索シンボルを挿入する。図38(a)(b)を比較してわかるように、メイン同期シンボルのパターンが異なるものとされている。
【0063】
ここで物理ページの実例を図40、図41,図42,図43,図44に示す。ここでは上記p=4、q=3として、横方向に4グループ、縦方向に3グループのグループメインシンクが配列されてなる物理ページを例示している。1つのグループメインシンクは128×128画素であるため、この物理ページは、512×384画素で構成されることになる。
図40は、プリアンブルページの例である。
図41は、インクリメントデータ変調例である。
図42は、ランダムデータ変調例である。
図43は、00h固定データ変調例である。
図44は、FFh固定データ変調例である。
【0064】
このような物理ページは、順次図1(a)で説明したように液晶パネル1に表示され、その物理ページの像となる物体光L2と記録参照光L3が干渉し、干渉縞が1つの要素ホログラムとして記録される。各物理ページについて、順次要素ホログラムとして記録が行われていくことで、ホログラム材料の平面上には図45に●で示すように要素ホログラムが形成されていく。このように要素ホログラムが二次元に配置されたホログラムユニットマトリクスが形成される。
【0065】
続いて図24の同期信号生成処理D3で形成されるメイン同期シンボルについて説明する。上述のようにページ検索シンボルに含まれるメイン同期シンボルは、その二次元パターンが奇数番目用のグループメインシンクと偶数番目用のグループメインシンクで使い分けられている。
図46(a)は偶数番目のグループメインシンクに付加されるメイン同期シンボル、図46(b)は奇数番目のグループメインシンクに付加されるメイン同期シンボルを示している。
図46(a)の偶数番目のグループメインシンクのメイン同期シンボルは、16×16画素の二次元パターンとして、中央の8×8画素が白レベルで、その周囲の画素が全て黒レベルとされたパターンである。
図46(b)の奇数番目のグループメインシンクのメイン同期シンボルは、同じく16×16画素の二次元パターンにおいて、中央に◇状(菱形)となるように白レベルの画素が割り当てられている。
このようにメイン同期シンボルは、4×4ピクセルの二次元コードシンボルより大きいサイズとされた白レベルピクセル群で構成されている。
【0066】
図47に、偶数番目、奇数番目のメイン同期シンボルに対する再生波形を示す。この図47においては、スキャン軌跡S1,S2,S3として、それぞれ再生時に再生参照光L4が照射される軌跡を示しており、このスキャン軌跡S1,S2,S3のそれぞれに対応して得られる再生波形(白黒パターンの検出波形)を再生波形P1,P2,P3として示している。再生波形としては、白レベルの画素に対してHレベルの信号が得られる。
この図からわかるように、偶数番目、奇数番目のメイン同期シンボルのパターンによっては、スキャン位置に応じて異なる再生波形が得られる。つまり、各メイン同期シンボルに対する再生波形としてのHレベル幅を判別することで、記録パターンに対する再生位置(スキャン位置)が容易に検出可能となる。
【0067】
なお、メイン同期シンボルは、図46(a)(b)の2種類の例を挙げたが、3種類以上のメイン同期シンボルを設定し、各グループメインシンクに割り当てるようにしてもよ
い。またメイン同期シンボルとしての二次元パターンは図46(a)(b)のパターンに限られるものではない。上記のようにスキャン軌跡に応じて異なる再生波形が得られるような二次元パターンとして、各メイン同期シンボルのパターン種類が設定されればよい。
【0068】
次に図24のページID生成処理D1、ページID符号化処理D2、二次元変調処理D5によって生成される物理ページIDコードシンボル、論理ページIDコードシンボルについて説明する。
図48は論理ページIDの処理を示している。論理ページIDとは、アウターページエンコーダ13におけるページ多重化処理C3を行う前の、図20に示したコードページブロックを構成する内部符号化済ページIEP(IEP[0]、IEP[1]・・・IEP[ef-1])、及び外部パリティページOPP(OPP[0]・・・OPP[eg-1])に対して一意に割り当てる識別番号である。
【0069】
図48(a)は論理ページIDの例であり、本例では8バイトの一意のアドレスを付加した例を示している。LID[0]・・・LID[7]は論理ページIDを構成する各1バイト値を示している。ページID生成処理D1として、このLID[0]・・・LID[7]による8バイトのアドレス値を生成する。
8バイトのアドレス値にはページID符号化処理D2で、パリティが付加される。図48(b)は、8バイトの論理ページIDに対し、4バイトの誤り検出及び訂正を行うためのパリティ(LIDP[0]・・・LIDP[3])を付加した例である。
【0070】
パリティが付加された論理ページIDコードは、二次元変調処理D5で論理ページIDコードシンボルに変換される。図48(c)に論理ページIDコードシンボルを示す。
各バイトLID[0]・・・LID[7]及びLIDP[0]・・・LIDP[3]の値は、それぞれ4×4の16画素において値に応じた二次元パターンに変換され、横12画素分、縦16画素分の領域としての論理ページID部に配列される。また、図示するように右端となる4シンボル分の、横4画素、縦16画素の領域は、全て黒レベルの画素とされたブラックガード部とされる。このブラックガード部は、図37のように隣接することになるクロストーク検出シンボルとのシンボル間隔を確保するための領域とされる。
【0071】
図49は物理ページIDの処理を示している。物理ページIDとは、アウターページエンコーダ13におけるページ多重化処理C3を行った後の、図21のページ多重化済ブロック(Duplicated Page Block)を構成する、内部符号化済ページIEP(IEP[0]、IEP[1]・・・IEP[ef-1])、及び外部パリティページOPP(OPP[0]・・・OPP[eg-1])に対して一意に割り当てる識別番号である。
即ち、論理的には全く同一のページであっても、ページ多重化処理C3によって複製されたページにはそれぞれ独立した物理ページIDを付加する。
【0072】
図49(a)は物理ページIDの例であり、本例では8バイトの一意のアドレスを付加した例を示している。PID[0]・・・PID[7]は物理ページIDを構成する各1バイト値を示している。ページID生成処理D1として、このPID[0]・・・PID[7]による8バイトのアドレス値を生成する。
8バイトのアドレス値にはページID符号化処理D2で、パリティが付加される。図49(b)は、8バイトの物理ページIDに対し、4バイトの誤り検出及び訂正を行うためのパリティ(PIDP[0]・・・PIDP[3])を付加した例である。
【0073】
パリティが付加された物理ページIDコードは、二次元変調処理D5で物理ページIDコードシンボルに変換される。図49(c)に物理ページIDコードシンボルを示す。
各バイトPID[0]・・・PID[7]及びPIDP[0]・・・PIDP[3]の値は、それぞれ4×4の16画素において値に応じた二次元パターンに変換され、横16画素分、縦12画素分の領域としての物理ページID部に配列される。また、図示するように下端となる4シンボル分の、横16画素、縦4画素の領域は、全て黒レベルの画素とされたブラックガード部とされる。このブラックガード部は、図37のように隣接することになるクロストーク検出シンボルとのシンボル間隔を確保するための領域とされる。
【0074】
次に図24のクロストーク検出シンボル生成処理D4で生成されるクロストーク検出シンボルについて説明する。
図50に、ホログラムユニットマトリクス(Hologram Unit Matrix)として配列される各要素ホログラムへのクロストーク検出シンボル番号の埋め込み規則を示す。図50において1つの要素ホログラムを○で示し、その中の数字でクロストーク検出シンボル番号を示している。クロストーク検出シンボル番号とは、クロストーク検出シンボルのパターンの種類を示している。
【0075】
まず、要素ホログラムの配列方法として、図50(a)の正方格子、図50(b)の千鳥格子の2種類が考えられる。これらの二次元配列に対し、図50(a)、図50(b)に示す様に 「0」〜「8」の9種類のクロストーク検出シンボル番号を割り当てる。
図51に、クロストーク検出シンボルを示す。クロストーク検出シンボルは横18画素×縦18画素として構成される。
なお、図37からわかるようにクロストーク検出シンボルの上端の2行分の横16×縦2の画素、及び左端の横2×縦16の画素は、論理ページIDコードシンボル、物理ページIDコードシンボルのブラックガード部と重複され、これによって、ページ検索シンボルは32×32画素のパターンとなる。
【0076】
上記の横18画素×縦18画素は、6画素×6画素を1領域として縦3領域×横3領域の計9領域を有するものとされる。
図51のクロストーク検出シンボルは、横18画素×縦18画素内における9個の6×6画素の領域の各中央4画素分を白レベルとし、クロストーク検出シンボル番号を示している。
上記図50のように1つの要素ホログラムに対してクロストーク検出シンボル番号が割り当てられるが、各クロストーク検出シンボルは、図51のパターンにおいて、そのクロストーク検出シンボル番号に相当する領域内の4画素のみが白レベルとされ、他は全て黒レベルとなる。
図52に、クロストーク検出シンボル番号「0」〜「8」の9種類のクロストーク検出シンボルを示している。
例えばクロストーク検出シンボル番号「0」のクロストーク検出シンボル(Symbol[0])は、図51の「0」で示した4画素のみが白レベルで、他は全て黒レベルとされた横18画素×縦18画素のパターンとなる。
またクロストーク検出シンボル番号「1」のクロストーク検出シンボル(Symbol[1])は、図51の「1」で示した4画素のみが白レベルで、他は全て黒レベルとされた横18画素×縦18画素のパターンとなる。
【0077】
なおこの図52には、プリアンブル等の特殊なページに付加するためのクロストーク検出シンボルも示している。このプリアンブル等に付加されるクロストーク検出シンボルは、全ての画素が黒レベルのパターンとされる。
【0078】
以上のように、クロストーク検出シンボル生成処理D4によって、クロストーク検出シンボルは、縦3領域×横3領域の計9領域(1領域=6×6ピクセル)の二次元パターンとして生成される。特には9領域のうちの1つの領域を、白レベルのピクセルを含む領域、他の領域を、全て黒レベルのピクセルの領域とする二次元パターンとする。
そして9領域の内での白レベルのピクセルを含む領域の設定によって、クロストーク検出シンボル番号「0」〜「8」の9種類のクロストーク検出シンボルを設定するものである。
【0079】
このクロストーク検出シンボル生成処理D4によっては、要素ホログラム配列化処理D7で配列化される各要素ホログラムにおいて、それぞれの要素ホログラム位置に応じて複数種類のクロストーク検出シンボル(クロストーク検出シンボル番号「0」〜「8」)の中から割り当てられた番号のクロストーク検出シンボルが含まれる状態とするように、各番号のクロストーク検出シンボルを所定順序で出力する。
また隣接する要素ホログラム同志は、異なる種類のクロストーク検出シンボルが与えられるように、各番号のクロストーク検出シンボルを所定順序で出力する。
【0080】
クロストーク検出シンボルの利用方法について、例を挙げて説明する。
図53に、要素ホログラムが図50(a)のように正方格子で配列される場合のクロストーク検出シンボル再生像例を示す。図53(j)として、○は要素ホログラムを示し、○内の数字は、その要素ホログラムに割り当てられたクロストーク検出シンボル番号を示している。また破線の丸A〜Iは、再生時におけるトラッキング位置、つまり再生参照光L4のスポットの中心を示すものとする。
これはクロストーク検出シンボル番号4の要素ホログラムを中心としたトラッキング例である。
【0081】
図53(j)のトラッキング位置Aで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号0,1,3,4が割り当てられた4つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図53(a)のように、クロストーク検出シンボル番号0,1,3,4の各クロストーク検出シンボルが合成された再生像となり、クロストーク検出シンボル番号0,1,3,4に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Bで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,4の2つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図53(b)のように、クロストーク検出シンボル番号0,4の各クロストーク検出シンボルが合成された再生像となり、クロストーク検出シンボル番号0,4に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Cで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,2,4,5の4つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図53(c)のように、クロストーク検出シンボル番号1,2,4,5に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Dで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号3,4の2つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図53(d)のように、クロストーク検出シンボル番号3,4に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Eで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号4の要素ホログラムの真上位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図53(e)のように、クロストーク検出シンボル番号4に相当する白レベル部分が、100%の明るさで検出される。
【0082】
同様に図53(j)のトラッキング位置Fで再生した場合、図53(d)のように、クロストーク検出シンボル番号4,5に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Gで再生した場合、図53(g)のように、クロストーク検出シンボル番号3,4,6,7に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Hで再生した場合、図53(h)のように、クロストーク検出シンボル番号4,7に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図53(j)のトラッキング位置Iで再生した場合、図53(i)のように、クロストーク検出シンボル番号4,5,7,8に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
【0083】
以上の様に、要素ホログラム配列とトラッキング位置の関係がクロストーク検出シンボルの再生像に反映される。
【0084】
図54も、要素ホログラムが図50(a)のように正方格子で配列される場合のクロストーク検出シンボル再生像例を上記同様に示している。これは、クロストーク検出シンボル番号8の要素ホログラムを中心としたトラッキング例である。
【0085】
図54(j)のトラッキング位置Aで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号4,5,7,8が割り当てられた4つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図54(a)のように、クロストーク検出シンボル番号4,5,7,8の各クロストーク検出シンボルが合成された再生像となり、クロストーク検出シンボル番号4,5,7,8に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Bで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号5,8の2つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図54(b)のように、クロストーク検出シンボル番号5,8に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Cで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号5,3,8,6の4つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図54(c)のように、クロストーク検出シンボル番号5,3,8,6に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Dで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号7,8の2つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図54(d)のように、クロストーク検出シンボル番号7,8に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Eで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号8の要素ホログラムの真上位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図54(e)のように、クロストーク検出シンボル番号8に相当する白レベル部分が、100%の明るさで検出される。
【0086】
同様に図54(j)のトラッキング位置Fで再生した場合、図54(d)のように、クロストーク検出シンボル番号8,6に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Gで再生した場合、図54(g)のように、クロストーク検出シンボル番号7,8,1,2に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Hで再生した場合、図54(h)のように、クロストーク検出シンボル番号8,2に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図54(j)のトラッキング位置Iで再生した場合、図54(i)のように、クロストーク検出シンボル番号8,6,2,0に相当する白レベル部分が、それぞれ25%の明るさで検出される。
【0087】
以上の様に、要素ホログラム配列とトラッキング位置の関係がクロストーク検出シンボルの再生像に反映される。
【0088】
以上の図53,図54のようなクロストーク検出シンボル番号4及び8の要素ホログラムを中心としたトラッキング位置以外の場合を含めて、図55に正方格子の要素ホログラム配列に対するトラッキング代表例を示す。
図55も同様に、○の要素ホログラム内の数字でクロストーク検出シンボル番号を示している。またトラッキング位置をA〜Z及びa〜jで示す破線の丸で示している。
【0089】
トラッキングの代表例として、要素ホログラムの真上を再生する場合(ジャストトラッキング)、複数の要素ホログラムの中間位置を再生する場合(ハーフトラッキング)を考えると、図55に示す様にA〜Z及びa〜jの計36通りのトラッキング状態が存在する。この36通りのトラッキング状態に対する場合の再生画像を図56に示す。
各トラッキング位置での個別の説明は避けるが、上記図53,図54の場合と同様にして理解できるように、クロストーク検出シンボルの再生像は、或る要素ホログラムの真上で再生する場合、その要素ホログラムに割り当てられたクロストーク検出シンボル番号に相当する白レベル部分が100%の明るさで検出される。また2つの要素ホログラムに対するハーフトラッキングの状態では、クロストーク検出シンボルの再生像は、その2つの要素ホログラムに割り当てられた2つのクロストーク検出シンボル番号に相当する白レベル部分がそれぞれ50%の明るさで検出される。また4つの要素ホログラムに対するハーフトラッキングの状態では、クロストーク検出シンボルの再生像は、その4つの要素ホログラムに割り当てられた4つのクロストーク検出シンボル番号に相当する白レベル部分がそれぞれ50%の明るさで検出される。
なお現実には、このようなジャストトラッキング状態とハーフトラッキング状態の間の微妙な中間状態も存在する。この様な場合、クロストーク検出シンボルの白レベル部分の明るさのバランスとして現われることになる。
【0090】
次に、要素ホログラムが図50(b)のように千鳥格子に配列される場合のクロストーク検出シンボルの再生像について述べる。
図57(j)では、千鳥格子で配列される場合の要素ホログラムを○で示し、数字で割り当てられたクロストーク検出シンボル番号を示している。また破線の丸A〜Iでトラッキング位置を示している。この図57は、クロストーク検出シンボル番号4の偶数番目の要素ホログラムを中心としたトラッキング例である。
【0091】
図57(j)のトラッキング位置Aで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号0,1,4が割り当てられた3つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(a)のように、クロストーク検出シンボル番号0,1,4の各クロストーク検出シンボルが合成された再生像となり、クロストーク検出シンボル番号0,1,4に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Bで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,4が割り当てられた2つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(b)のように、クロストーク検出シンボル番号1,4に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Cで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,2,4が割り当てられた3つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(c)のように、クロストーク検出シンボル番号1,2,4に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Dで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号0,3,4が割り当てられた3つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(d)のように、クロストーク検出シンボル番号0,3,4に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Eで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号4が割り当てられた要素ホログラムの真上位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(e)のように、クロストーク検出シンボル番号4に相当する白レベル部分が、100%の明るさで検出される。
【0092】
同様に図57(j)のトラッキング位置Fで再生した場合、図57(f)のように、クロストーク検出シンボル番号2,4,5に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Gで再生した場合、図57(g)のように、クロストーク検出シンボル番号4,3,7に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Hで再生した場合、図57(h)のように、クロストーク検出シンボル番号4,7に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図57(j)のトラッキング位置Iで再生した場合、図57(i)のように、クロストーク検出シンボル番号4,5,7に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
以上の様に、要素ホログラム配列とトラッキング位置の関係がクロストーク検出シンボルの再生像に反映される。
【0093】
図58は、同じく千鳥格子の配列において、クロストーク検出シンボル番号4としての奇数番目の要素ホログラムを中心とした場合の再生像の例である。
図58(j)のトラッキング位置Aで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,3,4が割り当てられた3つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図58(a)のように、クロストーク検出シンボル番号1,3,4の各クロストーク検出シンボルが合成された再生像となり、クロストーク検出シンボル番号1,3,4に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Bで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,4が割り当てられた2つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図58(b)のように、クロストーク検出シンボル番号1,4に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Cで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号1,5,4が割り当てられた3つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図58(c)のように、クロストーク検出シンボル番号1,5,4に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Dで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号3,4,6が割り当てられた3つの要素ホログラムの中間位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(d)のように、クロストーク検出シンボル番号3,4,6に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Eで再生した場合、クロストーク検出シンボル番号4が割り当てられた要素ホログラムの真上位置を再生することになるため、クロストーク検出シンボルの再生像は、図57(e)のように、クロストーク検出シンボル番号4に相当する白レベル部分が、100%の明るさで検出される。
【0094】
同様に図58(j)のトラッキング位置Fで再生した場合、図58(f)のように、クロストーク検出シンボル番号5,4,8に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Gで再生した場合、図58(g)のように、クロストーク検出シンボル番号4,6,7に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Hで再生した場合、図58(h)のように、クロストーク検出シンボル番号4,7に相当する白レベル部分が、それぞれ50%の明るさで検出される。
図58(j)のトラッキング位置Iで再生した場合、図58(i)のように、クロストーク検出シンボル番号4,8,7に相当する白レベル部分が、それぞれ33%の明るさで検出される。
以上の様に、要素ホログラム配列とトラッキング位置の関係がクロストーク検出シンボルの再生像に反映される。
【0095】
図59に、千鳥格子状の要素ホログラム配列に対するトラッキング代表例を示す。千鳥格子の場合、図59(a)のように、クロストーク検出シンボル番号1,4,7が割り当てられた要素ホログラムの列が、クロストーク検出シンボル番号0,3,6の列及びクロストーク検出シンボル番号2,5,8の列より、上側に0.5要素ホログラム間隔ずれる奇数カラム(Odd Column)と、図59(b)のように下側に0.5要素ホログラム間隔ずれる偶数カラム(Even Column)との2つに場合分けされる。
【0096】
図59(a)の奇数カラムの場合における、A〜Z及びa〜jの36通りのトラッキング状態の各場合の再生画像を図60に示す。
また図59(b)の偶数カラムの場合における、A〜Z及びa〜jの36通りのトラッキング状態の各場合の再生画像を図61に示す。
それぞれ上記図57,図58の場合と同様にして理解できるように、クロストーク検出シンボルの再生像は、或る要素ホログラムの真上で再生する場合、その要素ホログラムに割り当てられたクロストーク検出シンボル番号に相当する白レベル部分が100%の明るさで検出される。また2つの要素ホログラムに対するハーフトラッキングの状態では、クロストーク検出シンボルの再生像は、その2つの要素ホログラムに割り当てられた2つのクロストーク検出シンボル番号に相当する白レベル部分がそれぞれ50%の明るさで検出される。また3つの要素ホログラムに対するハーフトラッキングの状態では、クロストーク検出シンボルの再生像は、その3つの要素ホログラムに割り当てられた3つのクロストーク検出シンボル番号に相当する白レベル部分がそれぞれ33%の明るさで検出される。
もちろんこの場合も、現実には、このようなジャストトラッキング状態とハーフトラッキング状態の間の微妙な中間状態も存在する。この様な場合、クロストーク検出シンボルの白レベル部分の明るさのバランスとして現われることになる。
【0097】
クロストーク検出シンボルは、以上のように再生時のトラッキング状態の判別に用いることができる。
そして図24で説明したように、このクロストーク検出シンボルと、メイン同期シンボルと、物理ページIDコードシンボル、論理ページIDコードシンボルが合成されてページ検索シンボルが生成される。
またページ検索シンボルと、グループサブシンクが合成されてグループメインシンクが生成される。そして複数のグループメインシンクが合成されて物理ページが形成され、物理ページに基づいて1つの要素ホログラムが形成される。
この要素ホログラムが二次元状に配列されることでホログラムユニットマトリクス20が形成される。
【0098】
[7.実施の形態の効果]

以上の実施の形態においては次のような効果を得ることができる。
実施の形態では、符号化対象とする一次元情報系列としてのインプットデータからデータページを生成し、さらにデータページに対して内部符号化と外部符号化を施した後、二次元データとしての物理ページを生成し、この物理ページを要素ホログラム配列化することで、ホログラム記録媒体への情報記録に好適な符号化方式を実現できる。
【0099】
特にスクランブルドページデータ発生部11におけるセクタ分割処理A2、EDC付加処理A3において、要素ホログラム化するデータについてセクタ分割してEDCを付加することにより、最終的な訂正済みデータの信頼性をセクタ単位で判断できる。
またスクランブルドページデータ発生部11におけるスクランブル処理A4で、論理ページにスクランブルをかけることにより、光学的に読み取った物理ページから、記録データを容易に推定できない状態とすることができる。これによりホログラムメモリ3に記録するコンテンツデータ、コンピュータデータ等のセキュリティや著作権保護などの観点で好適である。
【0100】
またインナーページエンコーダ12におけるデータ配列変換処理B1、ページ内符号化処理B2で、論理ページ単位に誤り訂正符号を付加することにより、論理ページ単位の誤り検出及び訂正が可能となる。
またページ内インターリーブ処理B3として、論理ページ内完結のインターリーブ処理を行うことにより、物理ページ内の明るさばらつき、幾何学ずれ等によるシンボル誤りを物理ページ全体に分散できる。
【0101】
またアウターページエンコーダ13でページ間符号化処理C2を行うことにより、ホログラムユニットマトリクス20の再生時(ホログラムユニットマトリクス20が形成されたホログラムメモリ3の再生時)に、全ページ読み出す必要が無くなる。例えば、論理ページ112ページに対して、16ページのパリティページを付加した場合、全論理ページ中、77.5%が読み取り完了していれば、読取未完了ページに対して消失訂正を行うことにより全論理ページを完全再生可能である。これにより再生時の効率的なスキャンの実現やデータ読出性能の向上を図ることができる。
【0102】
またアウターページエンコーダ13でページ多重化処理C3を行うことにより、クローズドスタック型の要素ホログラム配列が可能となり、要素ホログラムの読取り操作が容易となる。
【0103】
またホログラムユニットマトリクス生成部14でのページID生成処理D1により、内部符号化済ページに対して一意的に割り振った論理ページID、及び外部符号化済ページに対して一意的に割り振った物理ページIDを付加することにより、要素ホログラムから物理ページを再生する際、まず物理ページIDにて、物理的な再生位置を把握できるようにすることができ、さらに、この物理ページを論理ページとして再生装置側のRAM上に展開する論理的な再生位置を把握できるようにすることができる。
【0104】
また二次元変調処理D6において、図26に示したように、二次元コードシンボルにサブシンクピクセル(Sub-Sync Pixel)及びサブガードピクセル(Sub-Guard Pixel)を具備し、さらに図35のように4シンボル1組の回転結合をおこなってグループRを生成し、さらに図36のように4個のグループRからグループサブシンクを生成することにより、1種類の二次元変調テーブル(図28〜図34)にて生成された二次元シンボルから、2×2ピクセルのサブ同期パターンを生成できる。サブガードピクセルによってはサブ同期パターンとしての白レベル領域が明確化される。
さらに4個のグループRからグループサブシンクを構成し、その中心をサブ同期パターンとし、かつ、メイン同期シンボルを4×4シンボル構成とすることにより、図38からわかるように、グループサブシンク単位でみた同期中心位置が物理ページ内で一様とすることができる。
【0105】
また図27に示した30個のパターンが除外される。つまり、二次元シンボル生成過程の際、縦/横/斜めに白レベルが連続する二次元パターンへの変換が禁止される。これにより6ピクセル以下に二次元ランレングス制限を行うことができ、メイン同期シンボルで使用する8ピクセルの連続パターンとの区別を容易とすることができる。
【0106】
またページ検索シンボルはグループサブシンクの整数倍のサイズとしている。グループサブシンクは16×16ピクセルであり、ページ検索シンボルは32×32ピクセルである。つまりページ検索シンボルはグループサブシンクの4個分である。このようにすることで、ページ検索シンボルをグループメインシンク上の任意のシンボル位置に配置しても、メイン同期シンボルとサブ同期パターンの重心位置は縦軸/横軸共に規則性を保つことができる。
また図46、図47で説明したように、偶数番目のメイン同期シンボルを正方形、奇数番目のメイン同期シンボルを菱形とすることにより、再生時に、スキャンした信号の読取座標のシンボル中心からのずれを容易に検出できる。
【0107】
また図50〜図61で説明したように、ホログラムユニットマトリクス20として形成される各要素ホログラムには、それぞれ配列上の位置に応じた種類のクロストーク検出シンボルが含まれている。このため再生時に検出されるクロストーク検出シンボルの情報により、トラッキング状態が判別できるようになる。
特に隣接する要素ホログラムは必ず異なるクロストーク検出シンボル番号が割り当てられるようにしたこと、つまり隣接する要素ホログラムは必ず異なるクロストーク検出シンボルとされることにより、物理ページ再生時のトラッキング状態をクロストーク検出シンボルの明度バラツキから検出できる。
【0108】
以上実施の形態を説明してきたが、実施の形態で述べた処理手順やパターンはあくまで一例であり、本発明としてはその要旨の範囲内で多様な変形例が想定される。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態のホログラムメモリの記録再生の説明図である。
【図2】実施の形態のホログラム記録システムの構成と処理の説明図である。
【図3】実施の形態のホログラム記録システムの各部の処理の説明図である。
【図4】実施の形態のスクランブルドページデータ発生部の処理の説明図である。
【図5】実施の形態のインプットデータの説明図である。
【図6】実施の形態の処理前ページ生成処理の説明図である。
【図7】実施の形態のセクタ分割処理の説明図である。
【図8】実施の形態の処理前セクタの説明図である。
【図9】実施の形態のEDC付加処理の説明図である。
【図10】実施の形態のスクランブル済データセクタの説明図である。
【図11】実施の形態のページ結合処理の説明図である。
【図12】実施の形態のスクランブル済データページの説明図である。
【図13】実施の形態のインナーページエンコーダの処理の説明図である。
【図14】実施の形態のデータ配列変換処理の説明図である。
【図15】実施の形態のページ内符号化処理の説明図である。
【図16】実施の形態のページ内インターリーブ処理の説明図である。
【図17】実施の形態の内部符号化ページの説明図である。
【図18】実施の形態のアウターページエンコーダの処理の説明図である。
【図19】実施の形態のページ配列変換処理の説明図である。
【図20】実施の形態のページ間符号化処理の説明図である。
【図21】実施の形態のページ多重化処理の説明図である。
【図22】実施の形態のページ間インターリーブ処理の説明図である。
【図23】実施の形態の外部符号化ページの説明図である。
【図24】実施の形態のホログラムユニットマトリクス生成部14の処理の説明図である。
【図25】実施の形態の二次元コードシンボル変調の説明図である。
【図26】実施の形態の二次元コードシンボルの説明図である。
【図27】実施の形態の除外する二次元コードシンボルの説明図である。
【図28】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図29】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図30】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図31】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図32】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図33】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図34】実施の形態の二次元変調テーブルの説明図である。
【図35】実施の形態のグループR生成の説明図である。
【図36】実施の形態のグループサブシンク生成の説明図である。
【図37】実施の形態のページ検索シンボルの説明図である。
【図38】実施の形態のグループメインシンクの説明図である。
【図39】実施の形態の物理ページの説明図である。
【図40】実施の形態のプリアンブルの物理ページの説明図である。
【図41】実施の形態のインクリメントデータの物理ページの説明図である。
【図42】実施の形態のランダムデータの物理ページの説明図である。
【図43】実施の形態の00h固定データの物理ページの説明図である。
【図44】実施の形態のFFh固定データの物理ページの説明図である。
【図45】実施の形態のホログラムユニットマトリクスの説明図である。
【図46】実施の形態のメイン同期シンボルの説明図である。
【図47】実施の形態のメイン同期シンボルと再生信号の説明図である。
【図48】実施の形態の論理ページIDコードシンボルの説明図である。
【図49】実施の形態の物理ページIDコードシンボルの説明図である。
【図50】実施の形態の要素ホログラム配列の説明図である。
【図51】実施の形態のクロストーク検出シンボルの説明図である。
【図52】実施の形態の各番号のクロストーク検出シンボルの説明図である。
【図53】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【図54】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【図55】実施の形態のトラッキング位置の説明図である。
【図56】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【図57】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【図58】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【図59】実施の形態のトラッキング位置の説明図である。
【図60】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【図61】実施の形態のクロストーク検出シンボルの再生像の説明図である。
【符号の説明】
【0110】
3 ホログラムメモリ、10 記録システム、11 スクランブルドページデータ発生部、12 インナーページエンコーダ、13 アウターページエンコーダ、14 ホログラムユニットマトリクス生成部、20 ホログラムユニットマトリクス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録情報を二次元ページデータとしての物理ページに変換し、該物理ページを要素ホログラム化して記録するホログラム記録装置において、
記録情報を所定単位毎に二次元コードシンボルに変換する二次元変調手段と、
複数種類の異なる二次元パターンとして、複数種類のクロストーク検出シンボルを生成して出力するクロストーク検出シンボル生成手段と、
上記二次元変調手段で得られた上記二次元コードシンボルと、上記クロストーク検出シンボル生成手段から出力された上記クロストーク検出シンボルとを含むグループメインシンクを生成し、複数の上記グループメインシンクを二次元的に配列して上記物理ページを生成する物理ページ生成手段と、
上記物理ページを要素ホログラム化していくことで、要素ホログラム配列を生成する要素ホログラム配列化手段と、
を備えるとともに、
上記クロストーク検出シンボル生成手段は、上記要素ホログラム配列化手段で配列化される各要素ホログラムにおいて、それぞれの要素ホログラム位置に応じて、上記複数種類のクロストーク検出シンボルの中から割り当てられたクロストーク検出シンボルが含まれる状態とするようにクロストーク検出シンボルを出力することを特徴とするホログラム記録装置。
【請求項2】
上記クロストーク検出シンボル生成手段は、隣接する要素ホログラム同志は、異なる種類のクロストーク検出シンボルが与えられるようにクロストーク検出シンボルを出力することを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録装置。
【請求項3】
上記クロストーク検出シンボル生成手段は、上記クロストーク検出シンボルを、縦3領域×横3領域の計9領域を有し、上記9領域のうちの1つの領域を、白レベルのピクセルを含む領域、他の領域を、全て黒レベルのピクセルの領域とする二次元パターンとして生成するとともに、
上記9領域の内での白レベルのピクセルを含む領域の設定によって、9種類のクロストーク検出シンボルを生成することを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録装置。
【請求項4】
記録情報を二次元ページデータとしての物理ページに変換し、該物理ページを要素ホログラム化して記録するホログラム記録方法として、
記録情報を所定単位毎に二次元コードシンボルに変換する二次元変調ステップと、
複数種類の異なる二次元パターンとして、複数種類のクロストーク検出シンボルを生成するとともに、ホログラム記録媒体上で配列化される各要素ホログラムにおいて、それぞれの要素ホログラム位置に応じて、上記複数種類のクロストーク検出シンボルの中から割り当てられたクロストーク検出シンボルが含まれる状態とするように、クロストーク検出シンボルを出力するクロストーク検出シンボル生成ステップと、
上記二次元変調ステップで得られた上記二次元コードシンボルと、上記クロストーク検出シンボル生成ステップで出力された上記クロストーク検出シンボルとを含むグループメインシンクを生成し、複数の上記グループメインシンクを二次元的に配列して上記物理ページを生成する物理ページ生成ステップと、
上記物理ページを要素ホログラム化していくことで、要素ホログラム配列を生成する要素ホログラム配列化ステップと、
を備えることを特徴とするホログラム記録方法。
【請求項5】
記録情報を二次元ページデータとしての物理ページに変換し、該物理ページを要素ホログラム化して記録したホログラム記録媒体として、
要素ホログラムが二次元方向に配列化されているとともに、各要素ホログラムには、その位置に応じて、複数種類のクロストーク検出シンボルの中から割り当てられたクロストーク検出シンボルが含まれていることを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項6】
隣接する要素ホログラム同志には、それぞれ異なる種類のクロストーク検出シンボルが含まれていることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【公開番号】特開2007−65138(P2007−65138A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249085(P2005−249085)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】