説明

ホーンスイッチ装置、エアバッグ装置、ステアリング装置

【課題】 車両操舵用のステアリングホイールに装着されるホーンスイッチ装置において、ホーン操作性向上を図るのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 本発明のステアリング装置のリンク機構150において、ホーンプレート151の第1支持部がステアリングホイール101側に支持され、且つホーンプレート151の第2支持部がホーンパッド側に支持された状態で、回転軸153aを中心とした回転動作が許容され、これによりホーン操作時におけるホーンパッドの動作方向が確定される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両操舵用のステアリングホイールに装着されるホーンスイッチ装置の構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両操舵用のステアリングホイールにホーン機構が搭載されたステアリング装置の構成が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1のステアリング装置においては、車両乗員が被押圧部であるエアバッグカバーを押圧操作することによって、可動接点が固定接点と接触してホーン機構が作動しホーンが鳴るようになっている。
【特許文献1】特開平10−100832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1には、車両操舵用のステアリングホイールにホーン機構を搭載した具体的な構成が提示されているが、この種の装置においては、ホーン操作性向上を図る技術に対する要請が高い。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両操舵用のステアリングホイールに装着されるホーンスイッチ装置において、ホーン操作性向上を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明が構成される。なお、本発明は、自動車をはじめとする車両において、車両操舵用のステアリングホイールに装着されるホーンスイッチ装置の構築技術に適用され得る。
【0005】
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項1に記載のこのホーンスイッチ装置は、車両操舵用のステアリングホイール上に設けられる装置であり、ホーン操作時における被押圧部の押圧により第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点が接触してホーンを作動させ、被押圧部の押圧解除により第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点が接触解除してホーンの作動を解除させる構成を有する。ここでいう「被押圧部」は、典型的には、エアバッグを搭載したステアリングホイールにおいて当該エアバッグを車両乗員側から覆うモジュールカバー(モジュールパッド)や、単にホーンの作動操作にのみ用いられるホーン操作用カバー、ホーン操作用ボタン(スイッチ)などによって構成される。
【0006】
本発明のホーンスイッチ装置は、ステアリングホイール側部材と被押圧部側部材との対向部に、板状の複数のホーンプレート、第1の支持手段、第2の支持手段、付勢手段を少なくとも備える。ここでいう「ステアリングホイール側部材」は、ステアリングホイール自体やステアリングホイールに止着される各種の部材を広く包含する。また、「被押圧部側部材」は、ホーン操作時に直接押圧される被押圧部や、当該被押圧部に止着される各種の部材を広く包含する。
本発明において複数のホーンプレートは、回転軸によって連結され当該回転軸を中心とした回転動作が許容される構成を有する。
本発明において第1の支持手段は、各ホーンプレートの第1支持部を支持するとともにステアリングホイール側部材に固定される構成を有する。すなわち、各ホーンプレートは、第1の支持手段を介してステアリングホイール側部材に連結固定されることとなる。また、本発明において第2の支持手段は、各ホーンプレートの第1支持部とは異なる第2支持部を支持するとともに被押圧部側部材に固定される構成を有する。すなわち、各ホーンプレートは、第2の支持手段を介して被押圧部側部材に連結固定されることとなる。ここで、「ホーンプレートの支持」に関しては、ホーンプレートをプレート両面から挟持する構成、ホーンプレートをプレート上面またはプレート下面から支える構成などを広く包含する。
本発明において付勢手段は、各ホーンプレートが回転軸を中心に第1の回転動作方向へ回転動作するように付勢する手段として構成される。この付勢手段は、各ホーンプレートを第1の回転動作方向へ回転動作させる付勢力を有していればよく、その付勢位置に関しては限定されない。例えば、付勢手段が各ホーンプレート自体を直接的に付勢する構成であってもよいし、あるいは付勢手段がホーンプレートの回転軸を付勢する構成であってもよい。付勢手段としてバネ類やダンパ類、また材料自体の復元力を利用した構造などを用いることができる。
【0007】
そして、本発明では、被押圧部の押圧により、被押圧部側部材がステアリングホイール側部材に近接し、第1の支持手段及び第2の支持手段が相対的に移動する。このとき、各ホーンプレートは、第1支持部が第1の支持手段によってステアリングホイール側に支持され、且つ第2支持部が第2の支持手段によって被押圧部側に支持された状態で、回転軸を中心に付勢手段の付勢力に抗して第1の回転動作方向と反対の第2の回転動作方向へ回転動作する。これにより、第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点が接触しホーンが出力される。一方、被押圧部の押圧解除により、被押圧部側部材がステアリングホイール側部材から離間し、第1の支持手段及び第2の支持手段が相対的に移動する。このとき、各ホーンプレートは、第1支持部が第1の支持手段によってステアリングホイール側に支持され、且つ第2支持部が第2の支持手段によって被押圧部側に支持された状態で、回転軸を中心に付勢手段の付勢力にしたがって第1の回転動作方向へ回転動作する。これにより、第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点の接触が解除されホーン出力が停止される。なお、被押圧部の押圧時または押圧解除時において第1の支持手段及び第2の支持手段が相対的に移動する移動方向に関しては、被押圧部側部材及びステアリングホイール側部材の相対的な移動方向と合致してもよいし異なっていてもよい。
【0008】
以上のように、請求項1に記載の上記ホーンスイッチ装置を用いれば、各ホーンプレートは、第1支持部が第1の支持手段によってステアリングホイール側に支持され、且つ第2支持部が第2の支持手段によって被押圧部側に支持された状態で、回転軸を中心に第1の回転動作方向または第2の回転動作方向への動作のみが許容される。従って、ホーン操作時において、被押圧部の動作が一方向に制限されることとなる。これにより、車両乗員が被押圧部の中央部や端部のようなどの部位を押圧操作しても、当該押圧操作による押圧力が被押圧部に均等に作用することとなり、被押圧部の押圧操作位置に関係なく、ホーンを作動させるのに要する押圧力を一定に維持することができる。従って、被押圧部の動作の円滑化を図ることでホーン操作性を向上させることが可能となる。
また、ホーン操作時における被押圧部の動作を一方向に制限することによって、被押圧部の外周部とステアリングホイールとの間に形成される隙間(ギャップ)を極力小さくすることが可能となり、外観上の見栄えを向上させるのに有効である。
【0009】
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項2に記載のこのホーンスイッチ装置では、複数のホーンプレートが左右一対のホーンプレートを用いて構成される。このような構成によれば、2つのホーンプレートを共有化することによってコスト低減を図ることが可能となる。
【0010】
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項3に記載のこのホーンスイッチ装置では、請求項1または請求項2に記載の複数のホーンプレートは、互いに連結された状態で中央穴を有する環形状を形成し、その中央穴がホーンプレート隣接部材に嵌め込まれる構成になっている。ここでいう「ホーンプレート隣接部材」とは、ホーンプレートが組み込まれた状態で、当該ホーンプレートに隣接する部材を広く包含する主旨である。ホーンプレートの上方に隣接して配置され、エアバッグに展開膨張用のガスを供給するインフレータがここでいうホーンプレート隣接部材の典型例である。
請求項3に記載のこのような構成によれば、ホーンプレートとホーンプレート隣接部材とが隣接する方向に関する装置の大きさを抑えることができコンパクト化が図られる。
【0011】
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項4に記載のこのホーンスイッチ装置では、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、第1の支持手段は第1の挟持部材を備え、第2の支持手段は第2の挟持部材を備える。第1の挟持部材は、各ホーンプレートの第1支持部をプレート上面側及びプレート下面側から挟持した挟持状態で前記ステアリングホイール側部材に固定されるとともに、当該挟持状態における各ホーンプレートの回転軸を中心とした回転動作を許容する。一方、第2の挟持部材は、各ホーンプレートの第2支持部をプレート上面側及びプレート下面側から挟持した挟持状態で被押圧部側部材に固定されるとともに、当該挟持状態における各ホーンプレートの回転軸を中心とした回転動作を許容する。
請求項4に記載のこのような構成によれば、各ホーンプレートは、プレート上面側及びプレート下面側から挟持された挟持状態で確実に支持されることとなり、回転軸を中心とした回転動作がより円滑化される。
【0012】
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項5に記載のこのホーンスイッチ装置では、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、付勢手段は、各ホーンプレートが回転軸を中心に第1の回転動作方向へ回転動作するように各ホーンプレートを弾性付勢する弾性バネを用いて構成される。弾性バネは、各ホーンプレートをホーン操作前の初期位置に向けて弾性付勢する。弾性バネとしては、コイルバネ(コイルスプリング)や板バネ等のバネ類を用いることができる。
請求項5に記載のこのような構成によれば、各ホーンプレートを、弾性バネを介して直接的に弾性付勢する構造が実現される。
【0013】
(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項6に記載のこのホーンスイッチ装置では、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、付勢手段は、各ホーンプレートが回転軸を中心に第1の回転動作方向へ回転動作するように当該回転軸を弾性付勢する弾性バネを用いて構成される。弾性バネは、回転軸をホーン操作前の初期位置に向けて弾性付勢する。弾性バネとしては、コイルバネ(コイルスプリング)や板バネ等のバネ類を用いることができる。
請求項6に記載のこのような構成によれば、各ホーンプレートの回転軸を、弾性バネを介して弾性付勢する構造が実現される。
【0014】
(本発明の第7発明)
前記課題を解決する本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりのホーンスイッチ装置である。
請求項7に記載のこのホーンスイッチ装置では、請求項5または6に記載の付勢手段は、被押圧部側部材またはステアリングホイール側部材に取り付け固定される構成になっている。これにより、ホーンスイッチ装置の組み付け時に、付勢手段を被押圧部側部材またはステアリングホイール側部材に取り付け固定することができる。具体的には、組み付け時に、弾性バネの一端を予め被押圧部側部材またはステアリングホイール側部材に取り付け固定したうえで、当該弾性バネの他端が各ホーンプレート自体や回転軸を弾性付勢するように構成する。
請求項7に記載のこのような構成によれば、ホーンプレートによる付勢手段の固定構造が必要とならず、組み付け性の向上、構成の簡素化、部品点数の削減、製品コストの低減を図ることが可能となる。
【0015】
(本発明の第8発明)
前記課題を解決する本発明の第8発明は、請求項8に記載されたとおりのエアバッグ装置である。
請求項8に記載のこのエアバッグ装置は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のホーンスイッチ装置、車両用エアバッグ、リテーナー、インフレータ、エアバッグカバー、ホーン操作用部材を少なくとも備える。車両用エアバッグは、車両衝突時に乗員保護領域において展開膨張する機能を有するエアバッグである。リテーナーは、予め所定の形状に折畳まれた状態の車両用エアバッグを収容する機能を有する収容体である。インフレータは、車両用エアバッグに展開膨張用のガスを供給するガス供給手段を構成する。エアバッグカバーは、車両用エアバッグの車両乗員側を覆う機能を有するカバーである。車両衝突時に、このエアバッグカバーは、車両用エアバッグの展開膨張力によって開裂され押し開かれて当該車両用エアバッグが乗員保護領域において展開膨張するのを許容する。ホーン操作用部材は、ホーンを作動させる際に車両乗員によって操作される部材である。本発明のエアバッグ装置では、被押圧部としてのこのホーン操作用部材が押圧されることによってホーンが作動し、当該ホーン操作用部材の押圧解除によってホーンの作動が解除される。典型的には、パッド部材やボタン、スイッチ類などを用いてホーン操作用部材が構成される。
請求項8に記載の発明によれば、ホーンスイッチ装置におけるホーン操作性及び外観上の見栄えを向上させることが可能なエアバッグ装置が構築される。
【0016】
なお、請求項8に記載のエアバッグ装置では、ホーン操作用部材は、エアバッグカバーと独立してホーン操作専用に設けられてもよいし、あるいはエアバッグカバーと兼用化された構成であってもよい。また、ホーン操作用部材をエアバッグカバーと兼用化する場合には、ホーン操作用部材が押圧操作によってリテーナー側の部材と一体的に動作する構成であってもよいし、あるいはホーン操作用部材がリテーナー側の部材とは独立して動作する構成、すなわち当該ホーン操作用部材がリテーナー側に対し浮上して設置された、いわゆるカバーフローティング式(パッドフローティング式)のタイプとして構成されてもよい。
【0017】
(本発明の第9発明)
前記課題を解決する本発明の第9発明は、請求項9に記載されたとおりのステアリング装置である。
請求項9に記載のこのステアリング装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のホーンスイッチ装置が装着された車両操舵用のステアリングホイール、車両用エアバッグ、リテーナー、インフレータ、エアバッグカバー、ホーン操作用部材を少なくとも備え、これら各構成要素がステアリングホイールの外形内に配置される。本発明の車両用エアバッグ、リテーナー、インフレータ、エアバッグカバー、ホーン操作用部材の各構成要素は、請求項8に記載のエアバッグ装置において説明した各構成要素と実質的に同様の構成を有する。本発明のステアリング装置では、被押圧部としてのこのホーン操作用部材が押圧されることによってホーンが作動し、当該ホーン操作用部材の押圧解除によってホーンの作動が解除される。
請求項9に記載の発明によれば、ホーンスイッチ装置におけるホーン操作性及び外観上の見栄えを向上させることが可能なステアリング装置が構築される。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、車両用のホーンスイッチ装置において、特に、ホーンプレートの第1支持部が第1の支持手段によってステアリングホイール側に支持され、且つホーンプレートの第2支持部が第2の支持手段によって被押圧部側に支持された状態で、回転軸を中心とした回転動作が許容される構成を用いることによって、ホーン操作時における被押圧部の動作方向が確定されることとなり、これによりホーン操作性向上を図ることが可能とされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の「ステアリング装置」の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
〔第1実施の形態〕
まず、図1〜図6を参照しながら、本発明の「ステアリング装置」の第1実施の形態である自動車用のステアリング装置100を説明する。
図1は、第1実施の形態のステアリング装置100の外観を示す平面図である。図1に示すように、第1実施の形態のステアリング装置100は、乗員が車両操舵に用いるステアリングホイール101、このステアリングホイール101の外形内においてホーンパッド112によって被覆されたエアバッグモジュール110、後述するホーンスイッチを主体として構成される。ステアリングホイール101は、金属材料製の環状の芯金の周囲がウレタン樹脂によって被覆された構成になっている。このステアリング装置100において、ホーンパッド112は、その押圧操作によってホーンスイッチを作動させる機能を有するとともに、後述するエアバッグ118の車両乗員側を被覆する機能を有し、いわゆる「モジュールカバー」とも称呼される。このホーンパッド112が、本発明における「被押圧部」を構成する。
【0021】
上記ステアリング装置100を構成するエアバッグモジュール110の分解斜視図が図2に示される。図2に示すように、ホーンパッド112は、ホーン操作時に押圧操作される被押圧部としてのカバー平面部114、このカバー平面部114から立設する脚部116を備える。ホーンパッド112のこの脚部116によって区画される収容空間116aには、エアバッグ118、バッグリング120、リテーナー130、インフレータ140、リンク機構150、ブラケット160等の主要部品が組み付けられ、これら各構成部材がモジュール化された状態でホーンパッド112の裏面側に収容される。このエアバッグモジュール110が、本発明における「エアバッグ装置」を構成する。
【0022】
エアバッグ118は、車両衝突時に乗員保護領域に向けて展開膨張するエアバッグである。このエアバッグ118が、本発明における「車両用エアバッグ」に対応している。このエアバッグ118は、バッグリング120を介してリテーナー130に取り付けられ、予め所定の形状に折畳まれた状態のエアバッグ118がリテーナー130に収容される。インフレータ140は、エアバッグ118に展開膨張用のガスを供給する機能を有する。
【0023】
リンク機構150は、ステアリングホイール101側部材としてのブラケット160と、ホーンパッド112(被押圧部)側部材としてのリテーナー130との対向部に配置される。詳細については後述するが、このリンク機構150は、ブラケット160のネジ溝に螺合するガイドボルト170によってブラケット160に止着されるとともに、このブラケット160を介してステアリングホイール101の固定部に止着される。更に、このリンク機構150は、バッグリング120のネジ山122に螺合するガイドナット172によって、リテーナー130及びインフレータ140を間に介在させた状態でバッグリング120に止着される。
【0024】
なお、リテーナー130にはホーンスイッチを構成する第1のホーンスイッチ接点132が設けられ、ブラケット160には当該ホーンスイッチを構成する第2のホーンスイッチ接点162が設けられている。ホーンスイッチを構成するリンク機構150を介してこれら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162が互いに接触することによって、ホーンスイッチが「ON状態」になりホーンが出力される。
【0025】
ここで、上記リンク機構150の詳細な構成を図3及び図4を参照ながら説明する。図3には、第1実施の形態のリンク機構150の斜視図が示され、図4には図3中のリンク機構150の位置S2における部分拡大図が示される。
【0026】
図3に示すように、リンク機構150は左右一対(左右対称)の板状(プレート状)のホーンプレート151,151を備える。これらホーンプレート151,151が、本発明における「複数のホーンプレート」に対応している。左右一対のこのようなホーンプレート151,151は、2片のホーンプレートを共有化することによってコスト低減を図るのに有効である。また、各ホーンプレート151には、計4つの貫通孔152が設けられている。両ホーンプレート151,151は、端部151a,151aにおいてジョイント部材153によって互いに連結される。ジョイント部材153によって連結された状態の両ホーンプレート151,151は、中央穴150aを有する環形状を形成し、その中央穴150aが両ホーンプレート151,151に隣接して配置されるインフレータ140の突部(凸部分)に嵌め込まれる構成になっている。また、特に図示しないものの、左右一対のホーンプレート151,151は、ホーンパッド112の平面視における外形線に沿った環形状で配置される構成になっている。なお、両ホーンプレート151,151における中央穴150aが、本発明における「中央穴」に対応しており、このときのインフレータ140が本発明における「ホーンプレート隣接部材」に対応している。
【0027】
また、詳細については後述するが、このジョイント部材153には、各ホーンプレート151の両方の端部151aを弾性付勢する計2つのコイルスプリング174,174が取り付けられる。このコイルスプリング174,174が、本発明における「付勢手段」及び「弾性バネ」に対応している。
【0028】
図4に示すように、各貫通孔152は円形部152aと、その円形部152aの外周の2箇所に形成された切り欠き状の切り欠き部152bを備える。この切り欠き部152bは、ホーンプレート151,151の軸線(図3中の軸線L1)に直交する方向の軸線(図3及び図4中の軸線L2)上に形成されている。図3中の位置S2における各貫通孔152には、図4中上方から第1のインシュレータ154が挿設され、図4中下方から第2のインシュレータ155が挿設される。
【0029】
第1のインシュレータ154は、穴部154dを有する略円筒状の本体部154a、本体部154aの2箇所から延出する爪片状の爪部154b、本体部154aの2箇所から延出する半円状の突部154cを備える。一方、第2のインシュレータ155は、穴部155dを有する略円筒状の本体部155a、本体部155aの2箇所から延出する爪片状の爪部155b、本体部155aの2箇所から延出する半円状の突部155cを備える。これら第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、いずれも樹脂材料によって形成されている。
【0030】
各貫通孔152に第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155を挿設する際、第1のインシュレータ154の爪部154bが切り欠き部152bに挿入される一方、第2のインシュレータ155の爪部155bが切り欠き部152bに挿入される。そして、第1のインシュレータ154の爪部154bが第2のインシュレータ155の本体部155aに嵌め込まれ、第2のインシュレータ155の爪部155bが第1のインシュレータ154の本体部154aに嵌め込まれることによって、ホーンプレート151に対しプレート両面から第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定される。この加締め固定状態では、第1のインシュレータ154の本体部154aから下方へ突出する半円状の突部154cがホーンプレート151の上面に当接する一方、第2のインシュレータ155の本体部155aから上方へ突出する半円状の突部155cがホーンプレート151の下面に当接する。これにより、ホーンプレート151は第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155によってプレート両面側から挟持されることとなる。また、第1のインシュレータ154の突部154c及び第2のインシュレータ155の突部155cは、軸線L2に沿って長手状に延在するように構成されている。従って、ホーンプレート151に第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定された状態では、突部154c及び突部155cの協働作用によって第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155に対するホーンプレート151の動作が許容される。この動作は、突部154c及び突部155cの延在方向にしたがうこととなり、貫通孔152の切り欠き部152bが形成されている軸線L2の縦断面方向に制限される。
【0031】
また、この加締め固定状態では、貫通孔152の上下に第1のインシュレータ154の穴部154d及び第2のインシュレータ155の穴部155dが重なり合うように配置され、これにより全体として貫通穴が形成される。この貫通穴は、第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155を、リテーナー130に固定するガイドナット(図2中のガイドナット172)、またはステアリングホイール101側のブラケット160に固定するガイドボルト(図2中のガイドボルト170)を挿設するのに用いられる。
【0032】
なお、図3中の位置S1における各貫通孔152、すなわち位置S2よりもホーンプレート端部側の各貫通孔152に関しては、第1のインシュレータ154と第2のインシュレータ155の設置態様が位置S2と比べて上下逆になっている。すなわち、位置S1における各貫通孔152には、図4中の上方から第2のインシュレータ155が挿設され、図4中の下方から第1のインシュレータ154が挿設される構成になっている。
【0033】
ここで、ホーンプレート151,151に対し第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定された状態に関し、図3中のリンク機構150を図中矢印A方向からみた様子を示す図が図5及び図6に示される。図5はホーンパッド112の押圧前の状態であり、図6はホーンパッド112の押圧時の状態である。なお、図5及び図6では、図3中のリンク機構150を上下反転させた状態で示している。
【0034】
図5に示すように、リンク機構150は、ステアリングホイール101とリテーナー130との間に介在する。このリンク機構150では、各ホーンプレート151は、各貫通孔152の位置において、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持されている。
【0035】
図5中の内方、すなわち図3中の位置S1(本発明における「第1支持部」に対応)に形成された貫通孔152においては、ホーンプレート151をプレート両面側から挟持する第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、当該貫通孔152に挿設されたガイドボルト(図2中のガイドボルト170)によってステアリングホイール101側のブラケット160に固定されている。なお、位置S1におけるこれら第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が、本発明における「第1の支持手段」及び「第1の挟持部材」を構成する。
【0036】
一方、図5中の外方、すなわち図3中の位置S2(本発明における「第2支持部」に対応)に形成された貫通孔152においては、ホーンプレート151をプレート両面側から挟持する第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、当該貫通孔152に挿設されたガイドナット(図2中のガイドナット172)によってリテーナー130に固定されている。なお、位置S2におけるこれら第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が、本発明における「第2の支持手段」及び「第2の挟持部材」を構成する。
【0037】
また、各ホーンプレート151は、ジョイント部材153の回動軸153a(本発明における「回転軸」に対応)を中心に回転動作可能であるとともに、その端部151a,151aがコイルスプリング174によって矢印10方向あるいは矢印12方向へ弾性付勢されている。すなわち、このコイルスプリング174は、各ホーンプレート151が図5中の矢印14または矢印16の反対方向(本発明における「第1の回転動作方向」に相当)へ回転動作するようにホーンプレート151を弾性付勢する機能を有する。なお、ジョイント部材153の回動軸153aは円柱形状の取り付け部を有し、この取り付け部にコイルスプリング174の巻き部分が嵌め込まれることによって当該コイルスプリング174がジョイント部材153側に止着されるようになっている。
【0038】
図5に示す状態において、ホーンを作動させるべくホーンパッド112が押圧操作されると、リテーナー130を介してリンク機構150のホーンプレート151のほぼ中間位置の部位(図5中の左右端部)に荷重が作用する。このとき、リテーナー130は、その下面がステアリングホイール101の上面に近接する方向(図5中の下向き)に移動し、この動作にともなって、リテーナー130に固定されている図5中の外方配置の第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155も図5中の下向きに移動することとなる。すなわち、図5中の外方配置(図3中の位置S2)の第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、図5中の内方配置(図3中の位置S1)の第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155に対し相対的に移動することとなる。従って、各ホーンプレート151は、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持された状態で、回動軸153aを中心とした特定方向(図5中の矢印14方向あるいは矢印16方向)の回転動作が許容されることとなる。これにより、各ホーンプレート151は、図6に示すように、ジョイント部材153の回動軸153aを中心にしてコイルスプリング174の弾性付勢力に抗して矢印14方向あるいは矢印16方向(本発明における「第2の回転動作方向」に相当)へ回転動作する。このとき、本実施の形態では図1中に示すリテーナー130の第1のホーンスイッチ接点132と、ブラケット160の第2のホーンスイッチ接点162が互いに近接する方向に相対的に移動することとなり、これら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162が互いに接触することによってホーンスイッチが「ON状態」になりホーンが出力されることとなる。
【0039】
また、図6に示す状態において、ホーンの作動を解除するべくホーンパッド112の押圧操作が解除されると、押圧によりホーンプレート151,151に作用する荷重が弱まる。このとき、リテーナー130は、その下面がステアリングホイール101の上面から離間する方向(図6中の上向き)に移動し、この動作にともなって、リテーナー130に固定されている図6中の外方配置(図3中の位置S2)の第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155も図6中の上向きに移動することとなる。従って、各ホーンプレート151は、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持された状態で、ジョイント部材153の回動軸153aを中心にしてコイルスプリング174の弾性付勢力にしたがって矢印14の反対方向あるいは矢印16の反対方向へ回転動作する。かくして、各ホーンプレート151は、図6に示す状態から図5に示す状態へと復帰する。このとき、本実施の形態では図1中に示すリテーナー130の第1のホーンスイッチ接点132と、ブラケット160の第2のホーンスイッチ接点162が互いに離間する方向に相対的に移動することとなり、これら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162との接触が解除されることによってホーンスイッチが「OFF状態」になり、ホーン出力が停止されることとなる。
【0040】
以上のように、上記第1実施の形態のリンク機構150を搭載したステアリング装置によれば、ホーン操作時におけるホーンパッド(モジュールカバー)112の動作が、ホーンプレート151,151の特定方向(図5中の矢印14方向あるいは矢印16方向)への回転動作によって一方向に制限されることとなる。また、本実施の形態では、左右一対のホーンプレート151,151を、ホーンパッド112の平面視における外形線に沿った環形状で配置する構成を用いている。従って、車両乗員がホーンパッド112の中央部や端部のようなどの部位を押圧操作しても、当該押圧操作による押圧力がホーンパッド112に均等に作用することとなり、ホーンパッド112の押圧操作位置に関係なく、ホーンを作動させるのに要する押圧力を一定に維持することができ、これにより動作の円滑化(ホーン操作性向上)を図ることが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、ホーン操作時におけるホーンパッド112の動作を一方向に制限することによって、ホーンパッド112の外周部とステアリングホイール101との間に形成される隙間(ギャップ)を極力小さくすることが可能となり、ステアリング装置の外観上の見栄えを向上させるのに有効である。
【0042】
また、本実施の形態によれば、両ホーンプレート151,151によって形成された中央穴150aがインフレータ140の突部(凸部分)に嵌め込まれる構成であるため、既存のエアバッグモジュール110の配置空間を有効利用することができ、特にインフレータ140の周りに両ホーンプレート151,151が配置される構成によって上下方向に関する高さを抑えるのに有効である。従って、エアバッグ装置及びステアリング装置の上下方向に関する高さを抑えコンパクト化を図るのに効果的である。
【0043】
〔第2実施の形態〕
次に、本発明の「ステアリング装置」の第2実施の形態のステアリング装置について説明する。このステアリング装置は、前述のリンク機構150の構成以外は、ステアリング装置100と同様の構成を有する。ここでは、図7〜図9を参照しながら、リンク機構150の別の実施の形態のリンク機構250について説明する。
【0044】
図7には、第2実施の形態のリンク機構250の斜視図が示される。
図7に示すように、リンク機構250は、リンク機構150と同様に左右一対(左右対称)のホーンプレート251,251を備える。これらホーンプレート251,251が、本発明における「複数のホーンプレート」に対応している。左右一対のこのようなホーンプレート251,251は、2片のホーンプレートを共有化することによってコスト低減を図るのに有効である。また、各ホーンプレート151には、計4つの貫通孔252が設けられている。両ホーンプレート251,251は、各々の両端部においてジョイント部材253,254によって互いに連結される。ジョイント部材253,254によって連結された状態の両ホーンプレート251,251は、中央穴250aを有する環形状を形成し、その中央穴250aが両ホーンプレート251,251に隣接して配置されるインフレータ140の突部(凸部分)に嵌め込まれる構成になっている。また、特に図示しないものの、左右一対のホーンプレート251,251は、ホーンパッド112の平面視における外形線に沿った環形状で配置される構成になっている。なお、両ホーンプレート251,251における中央穴250aが、本発明における「中央穴」に対応しており、このときのインフレータ140が本発明における「ホーンプレート隣接部材」に対応している。
【0045】
また、詳細については後述するが、ジョイント部材253,254には、各ホーンプレート251の両方の端部を弾性付勢する計2つのコイルスプリング274,274が取り付けられる。これらコイルスプリング274,274が、本発明における「付勢手段」及び「弾性バネ」に対応している。
【0046】
また、各ホーンプレート251は、ホーンプレート151の貫通孔152と同様の貫通孔252を備える。図7中の位置S2における各貫通孔252には、上方から第1のインシュレータ154が挿設され、下方から第2のインシュレータ155が挿設される。また、図7中の位置S1における各貫通孔252には、下方から第1のインシュレータ154が挿設され、上方から第2のインシュレータ155が挿設される。そして、位置S1及びS2の各貫通孔252において、ホーンプレート251に対し第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定される。
【0047】
ここで、ホーンプレート251,251に対し第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定された状態に関し、図7中のリンク機構250を図中矢印B方向からみた様子を示す図が図8及び図9に示される。図8はホーンパッド112の押圧前の状態であり、図9はホーンパッド112の押圧時の状態である。なお、図8及び図9では、図7中のリンク機構250を上下反転させた状態で示している。
【0048】
図8に示すように、リンク機構250は、ステアリングホイール101とリテーナー130との間に介在する。このリンク機構250では、各ホーンプレート251は、各貫通孔252の位置において、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持されている。図8中の内方、すなわち図7中の位置S1に形成された貫通孔252においては、ホーンプレート251をプレート両面側から挟持する第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、当該貫通孔252に挿設されたガイドボルト(図2中のガイドボルト170)によってステアリングホイール101側のブラケット160に固定されている。一方、図8中の外方、すなわち図7中の位置S2に形成された貫通孔252においては、ホーンプレート251をプレート両面側から挟持する第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、当該貫通孔252に挿設されたガイドナット(図2中のガイドナット172)によってリテーナー130に固定されている。
【0049】
また、一方のホーンプレート251に固定されたジョイント部材253と、他方のホーンプレート251に固定されたジョイント部材254とは、回動軸253a(ジョイント部材同士の嵌合部分)を中心にして特定の方向(図中の矢印24方向あるいは矢印26方向)への回転が許容される。また、ジョイント部材253,254側の保持部253bとリテーナー130側との間に設けられたコイルスプリング274は、ジョイント部材253,254をリテーナー130側から離間する方向(図8中の矢印20方向)へ弾性付勢する。すなわち、このコイルスプリング274は、各ホーンプレート251が図8中の矢印24または矢印26の反対方向(本発明における「第1の回転動作方向」に相当)へ回転動作するようにホーンプレート251を弾性付勢する機能を有する。
【0050】
図8に示す状態において、ホーンを作動させるべくホーンパッド112が押圧操作されると、リテーナー130を介してリンク機構250のホーンプレート251のほぼ中間位置の部位(図8中の左右端部)に荷重が作用する。このとき、各ホーンプレート251は、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持された状態で、回動軸253aを中心とした特定方向(図8中の矢印24方向あるいは矢印26方向)の回転動作が許容されることとなる。これにより、各ホーンプレート251は、図9に示すように、ジョイント部材253,254の回動軸253aを中心にしてコイルスプリング274の弾性付勢力に抗して矢印24方向あるいは矢印26方向(本発明における「第2の回転動作方向」に相当)へ回転動作する。また、リテーナー130は、コイルスプリング274の弾性付勢力に抗してジョイント部材253,254に近接する方向へ移動する。このとき、本実施の形態では図1中に示すリテーナー130の第1のホーンスイッチ接点132と、ブラケット160の第2のホーンスイッチ接点162が互いに近接する方向に相対的に移動することとなり、これら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162が互いに接触することによってホーンスイッチが「ON状態」になりホーンが出力されることとなる。
【0051】
また、図9に示す状態において、ホーンの作動を解除するべくホーンパッド112の押圧操作が解除されると、押圧によりホーンプレート251,251に作用する荷重が弱まる。このとき、リテーナー130は、その下面がステアリングホイール101の上面から離間する方向(図9中の上向き)に移動し、この動作にともなって、リテーナー130に固定されている図9中の外方配置(図7中の位置S2)の第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155も図9中の上向きに移動することとなる。従って、各ホーンプレート251は、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持された状態で、ジョイント部材253,254の回動軸253aを中心にしてコイルスプリング274の弾性付勢力にしたがって矢印24の反対方向あるいは矢印26の反対方向へ回転動作する。かくして、各ホーンプレート151は、図9に示す状態から図8に示す状態へと復帰する。このとき、本実施の形態では図1中に示すリテーナー130の第1のホーンスイッチ接点132と、ブラケット160の第2のホーンスイッチ接点162が互いに離間する方向に相対的に移動することとなり、これら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162との接触が解除されることによってホーンスイッチが「OFF状態」になり、ホーン出力が停止されることとなる。
【0052】
以上のように、上記第2実施の形態のリンク機構250を搭載したステアリング装置によれば、ホーン操作時におけるホーンパッド(モジュールカバー)112の動作が、ホーンプレート251,251の特定方向(図8中の矢印24方向あるいは矢印26方向)への回転動作によって一方向に制限されることとなる。また、本実施の形態では、左右一対のホーンプレート251,251を、ホーンパッド112の平面視における外形線に沿った環形状で配置する構成を用いている。従って、車両乗員がホーンパッド112の中央部や端部のようなどの部位を押圧操作しても、当該押圧操作による押圧力がホーンパッド112に均等に作用することとなり、ホーンパッド112の押圧操作位置に関係なく、ホーンを作動させるのに要する押圧力を一定に維持することができ、これにより動作の円滑化(ホーン操作性向上)を図ることが可能となる。また、特にジョイント部材253,254にコイルスプリング274を設ける構造を採用することによって、ホーンプレート251,251によるコイルスプリング274の固定構造が必要とならず、構成の簡素化、部品点数の削減、製品コストの低減を図ることが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、ホーン操作時におけるホーンパッド112の動作を一方向に制限することによって、ホーンパッド112の外周部とステアリングホイール101との間に形成される隙間(ギャップ)を極力小さくすることが可能となり、ステアリング装置の外観上の見栄えを向上させるのに有効である。
【0054】
また、本実施の形態によれば、両ホーンプレート251,251によって形成された中央穴250aがインフレータ140の突部(凸部分)に嵌め込まれる構成であるため、既存のエアバッグモジュール110の配置空間を有効利用することができ、特にインフレータ140の周りに両ホーンプレート251,251が配置される構成によって上下方向に関する高さを抑えるのに有効である。従って、エアバッグ装置及びステアリング装置の上下方向に関する高さを抑えコンパクト化を図るのに効果的である。
【0055】
〔第3実施の形態〕
次に、本発明の「ステアリング装置」の第3実施の形態のステアリング装置について説明する。このステアリング装置は、前述のリンク機構150の構成以外は、ステアリング装置100と同様の構成を有する。ここでは、図10〜図12を参照しながら、リンク機構150の別の実施の形態のリンク機構350について説明する。
【0056】
図10には、第3実施の形態のリンク機構350の斜視図が示される。
図10に示すように、リンク機構350は、リンク機構150と同様に左右一対(左右対称)のホーンプレート351,351を備える。これらホーンプレート351,351が、本発明における「複数のホーンプレート」に対応している。左右一対のこのようなホーンプレート351,351は、2片のホーンプレートを共有化することによってコスト低減を図るのに有効である。また、各ホーンプレート351には、計4つの貫通孔352が設けられている。両ホーンプレート351,351は、各々の両端部においてジョイント部材353,354によって互いに連結される。ジョイント部材353,354によって連結された状態の両ホーンプレート351,351は、中央穴350aを有する環形状を形成し、その中央穴350aが両ホーンプレート351,351に隣接して配置されるインフレータ140の突部(凸部分)に嵌め込まれる構成になっている。また、特に図示しないものの、左右一対のホーンプレート351,351は、ホーンパッド112の平面視における外形線に沿った環形状で配置される構成になっている。なお、両ホーンプレート351,351における中央穴350aが、本発明における「中央穴」に対応しており、このときのインフレータ140が本発明における「ホーンプレート隣接部材」に対応している。
【0057】
また、詳細については後述するが、各ホーンプレート351に対向するステアリングホイール101の対向部分には、コイルスプリング374の一端が取り付け固定され、他端が各ホーンプレート351の各部位のうちのほぼ中間位置の部位に当接する構成になっている。これら計2つのコイルスプリング374,374は、各ホーンプレート351の各部位のうちのほぼ中間位置の部位を、ステアリングホイール101の対向部分から離間する方向へ弾性付勢する機能を有する。これらコイルスプリング374,374が、本発明における「付勢手段」及び「弾性バネ」に対応している。本実施の形態では、コイルスプリング374の組み付け時には、当該コイルスプリング374の一端をステアリングホイール101側に予め取付け固定する。
【0058】
また、各ホーンプレート351は、ホーンプレート151の貫通孔152と同様の貫通孔352を備える。図10中の位置S2における各貫通孔352には、上方から第1のインシュレータ154が挿設され、下方から第2のインシュレータ155が挿設される。また、図10中の位置S1における各貫通孔352には、下方から第1のインシュレータ154が挿設され、上方から第2のインシュレータ155が挿設される。そして、位置S1及びS2の各貫通孔352において、ホーンプレート351に対し第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定される。
【0059】
ここで、ホーンプレート351,351に対し第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155が加締め固定された状態に関し、図10中のリンク機構350を図中矢印C方向からみた様子を示す図が図11及び図12に示される。図11はホーンパッド112の押圧前の状態であり、図12はホーンパッド112の押圧時の状態である。なお、図11及び図12では、図10中のリンク機構350を上下反転させた状態で示している。
【0060】
図11に示すように、リンク機構350は、ステアリングホイール101とリテーナー130との間に介在する。このリンク機構350では、各ホーンプレート351は、各貫通孔352の位置において、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持されている。図11中の内方、すなわち図10中の位置S1に形成された貫通孔352においては、ホーンプレート351をプレート両面側から挟持する第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、当該貫通孔352に挿設されたガイドボルト(図2中のガイドボルト170)によってステアリングホイール101側のブラケット160に固定されている。一方、図11中の外方、すなわち図10中の位置S2に形成された貫通孔352においては、ホーンプレート351をプレート両面側から挟持する第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155は、当該貫通孔352に挿設されたガイドナット(図2中のガイドナット172)によってリテーナー130に固定されている。
【0061】
また、一方のホーンプレート351に固定されたジョイント部材353と、他方のホーンプレート351に固定されたジョイント部材354とは、回動軸353a(ジョイント部材同士の係合部分)を中心にして特定の方向(図中の矢印34方向あるいは矢印36方向)への回転が許容される。また、各ホーンプレート351のほぼ中間位置の部位(図11中の左右端部)は、コイルスプリング274によってステアリングホイール101から離間する方向(図11中の矢印30方向または矢印32方向)へ弾性付勢される。すなわち、このコイルスプリング374は、各ホーンプレート351が図11中の矢印34または矢印36の反対方向(本発明における「第1の回転動作方向」に相当)へ回転動作するようにホーンプレート351を弾性付勢する機能を有する。
【0062】
図11に示す状態において、ホーンを作動させるべくホーンパッド112が押圧操作されると、リテーナー130を介してリンク機構350のホーンプレート351の左右端部に荷重が作用する。これにより、各ホーンプレート351は、コイルスプリング374の弾性付勢力に抗して、ジョイント部材353,354の回動軸353aを中心に矢印34方向あるいは矢印36方向(本発明における「第2の回転動作方向」に相当)へ回転動作する。このとき、リテーナー130の第1のホーンスイッチ接点132と、ブラケット160の第2のホーンスイッチ接点162が互いに近接する方向に相対的に移動することとなり、これら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162が図12に示すように互いに接触することによってホーンスイッチが「ON状態」になりホーンが出力されることとなる。
【0063】
また、図12に示す状態において、ホーンの作動を解除するべくホーンパッド112の押圧操作が解除されると、押圧によりホーンプレート351,351に作用する荷重が弱まる。このとき、リテーナー130は、その下面がステアリングホイール101の上面から離間する方向(図12中の上向き)に移動し、この動作にともなって、リテーナー130に固定されている図12中の外方配置(図10中の位置S2)の第1のインシュレータ154及び第2のインシュレータ155も図12中の上向きに移動することとなる。従って、各ホーンプレート351は、第1のインシュレータ154の突部154cと、第2のインシュレータ155の突部155cとによって挟持された状態で、ジョイント部材353,354の回動軸353aを中心にしてコイルスプリング374の弾性付勢力にしたがって矢印34の反対方向あるいは矢印36の反対方向へ回転動作する。かくして、各ホーンプレート351は、図12に示す状態から図11に示す状態へと復帰する。このとき、本実施の形態では図1中に示すリテーナー130の第1のホーンスイッチ接点132と、ブラケット160の第2のホーンスイッチ接点162が互いに離間する方向に相対的に移動することとなり、これら第1のホーンスイッチ接点132と第2のホーンスイッチ接点162との接触が解除されることによってホーンスイッチが「OFF状態」になり、ホーン出力が停止されることとなる。
【0064】
以上のように、上記第3実施の形態のリンク機構350を搭載したステアリング装置によれば、ホーン操作時におけるホーンパッド(モジュールカバー)112の動作が、ホーンプレート351,351の特定方向(図11中の矢印34方向あるいは矢印36方向)への回転動作によって一方向に制限されることとなる。また、本実施の形態では、左右一対のホーンプレート351,351を、ホーンパッド112の平面視における外形線に沿った環形状で配置する構成を用いている。従って、車両乗員がホーンパッド112の中央部や端部のようなどの部位を押圧操作しても、当該押圧操作による押圧力がホーンパッド112に均等に作用することとなり、ホーンパッド112の押圧操作位置に関係なく、ホーンを作動させるのに要する押圧力を一定に維持することができ、これにより動作の円滑化(ホーン操作性向上)を図ることが可能となる。また、特にコイルスプリング374の組み付け時には、当該コイルスプリング374の一端をステアリングホイール101側に予め取付け固定するため、ホーンプレート251,251によるコイルスプリング274の固定構造が必要とならず、組み付け性の向上、構成の簡素化、部品点数の削減、製品コストの低減を図ることが可能となる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、ホーン操作時におけるホーンパッド112の動作を一方向に制限することによって、ホーンパッド112の外周部とステアリングホイール101との間に形成される隙間(ギャップ)を極力小さくすることが可能となり、ステアリング装置の外観上の見栄えを向上させるのに有効である。
【0066】
また、本実施の形態によれば、両ホーンプレート351,351によって形成された中央穴350aがインフレータ140の突部(凸部分)に嵌め込まれる構成であるため、既存のエアバッグモジュール110の配置空間を有効利用することができ、特にインフレータ140の周りに両ホーンプレート351,351が配置される構成によって上下方向に関する高さを抑えるのに有効である。従って、エアバッグ装置及びステアリング装置の上下方向に関する高さを抑えコンパクト化を図るのに効果的である。
【0067】
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0068】
上記各実施の形態では、2片のホーンプレートを用いてリンク機構を構成する場合について記載したが、本発明では、3片以上のホーンプレートを適宜組み合わせてリンク機構を構成することもできる。
【0069】
また、上記各実施の形態では、ホーンプレートは、当該ホーンプレートに隣接して配置されるインフレータ140の突部(凸部分)に対し、中央穴を通じて嵌め込まれる構成について記載したが、本発明では、ホーンプレートがインフレータ140の突部(凸部分)に対し嵌め込まれないような構成を用いることもできる。
【0070】
また、上記各実施の形態では、ホーンプレート151,251,351を付勢する付勢手段としてコイルスプリング174,274,374を用いる場合について記載したが、本発明では、当該付勢手段として、他の手段、例えば既知の構成の板状バネ、ダンパ機構(エア圧力や液圧を用いたもの)、材料自体の復元力を用いた手段を用いることができる。
【0071】
また、上記各実施の形態では、ホーンパッド112をエアバッグカバーと兼用化する場合について記載したが、本発明では、ホーンパッド112をエアバッグカバーと独立してホーン操作専用に設けられてもよい。また、上記各実施の形態では、ホーンパッド112が押圧操作によってリテーナー130側の部材と一体的に動作する構成について記載したが、本発明では、ホーンパッド112がリテーナー130側の部材とは独立して動作する構成、すなわち当該ホーンパッド112がリテーナー130側に対し浮上して設置された、いわゆるカバーフローティング式(パッドフローティング式)のタイプとして構成されてもよい。
【0072】
また、上記各実施の形態では、自動車のステアリング装置の構成について記載したが、本発明は、自動車以外の車両、例えば船舶、電車等におけるステアリング装置の構成に適用可能な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1実施の形態のステアリング装置100の外観を示す平面図である。
【図2】ステアリング装置100を構成するエアバッグモジュール110の分解斜視図である。
【図3】第1実施の形態のリンク機構150の斜視図である。
【図4】図3中のリンク機構150の位置S2における部分拡大図である。
【図5】ホーンパッド112の押圧前の状態において、図3中のリンク機構150を図中矢印A方向からみた様子を示す図である。
【図6】ホーンパッド112の押圧時の状態において、図3中のリンク機構150を図中矢印A方向からみた様子を示す図である。
【図7】第2実施の形態のリンク機構250の斜視図である。
【図8】ホーンパッド112の押圧前の状態において、図7中のリンク機構250を図中矢印B方向からみた様子を示す図である。
【図9】ホーンパッド112の押圧時の状態において、図7中のリンク機構250を図中矢印B方向からみた様子を示す図である。
【図10】第3実施の形態のリンク機構350の斜視図である。
【図11】ホーンパッド112の押圧前の状態において、図10中のリンク機構350を図中矢印C方向からみた様子を示す図である。
【図12】ホーンパッド112の押圧時の状態において、図10中のリンク機構350を図中矢印C方向からみた様子を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
100 ステアリング装置
101 ステアリングホイール
110 エアバッグモジュール
112 ホーンパッド
114 カバー平面部
116 脚部
116a 収容空間
118 エアバッグ
120 バッグリング
122 ネジ山
130 リテーナー
132 第1のホーンスイッチ接点
140 インフレータ
150 リンク機構
150a 中央穴
151 ホーンプレート
152 貫通孔
153 ジョイント部材
153a 回動軸
154 第1のインシュレータ
155 第2のインシュレータ
160 ブラケット
162 第2のホーンスイッチ接点
170 ガイドボルト
172 ガイドナット
174 コイルスプリング
250 リンク機構250
251 ホーンプレート
253,254 ジョイント部材
253a 回動軸
274 コイルスプリング
350 リンク機構
351 ホーンプレート
353,354 ジョイント部材
353a 回動軸
374 コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両操舵用のステアリングホイール上に設けられ、ホーン操作時における被押圧部の押圧により第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点が接触してホーンを作動させ、前記被押圧部の押圧解除により前記第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点が接触解除してホーンの作動を解除させる構成のホーンスイッチ装置であって、
ステアリングホイール側部材と被押圧部側部材との対向部に、回転軸によって連結され当該回転軸を中心とした回転動作が許容される板状の複数のホーンプレートと、各ホーンプレートの第1支持部を支持するとともに前記ステアリングホイール側部材に固定される第1の支持手段と、各ホーンプレートの前記第1支持部とは異なる第2支持部を支持するとともに前記被押圧部側部材に固定される第2の支持手段と、各ホーンプレートが前記回転軸を中心に第1の回転動作方向へ回転動作するように付勢する付勢手段と、を備え、
前記被押圧部の押圧により、前記被押圧部側部材が前記ステアリングホイール側部材に近接し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段が相対的に移動するとき、各ホーンプレートは、前記第1支持部が前記第1の支持手段によってステアリングホイール側に支持され、且つ前記第2支持部が前記第2の支持手段によって被押圧部側に支持された状態で、前記回転軸を中心に前記付勢手段の付勢力に抗して前記第1の回転動作方向と反対の第2の回転動作方向へ回転動作し、これにより前記第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点が接触する構成である一方、
前記被押圧部の押圧解除により、前記被押圧部側部材が前記ステアリングホイール側部材から離間し、前記第1の支持手段及び第2の支持手段が相対的に移動するとき、各ホーンプレートは、前記第1支持部が前記第1の支持手段によってステアリングホイール側に支持され、且つ前記第2支持部が前記第2の支持手段によって被押圧部側に支持された状態で、前記回転軸を中心に前記付勢手段の付勢力にしたがって前記第1の回転動作方向へ回転動作し、これにより前記第1のホーンスイッチ接点及び第2のホーンスイッチ接点の接触が解除される構成である、
ことを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のホーンスイッチ装置であって、
前記複数のホーンプレートは、左右一対のホーンプレートを用いて構成されることを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のホーンスイッチ装置であって、
前記複数のホーンプレートは、互いに連結された状態で中央穴を有する環形状を形成し、その中央穴がホーンプレート隣接部材に嵌め込まれる構成であることを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のホーンスイッチ装置であって、
前記第1の支持手段は、各ホーンプレートの前記第1支持部をプレート上面側及びプレート下面側から挟持した挟持状態で前記ステアリングホイール側部材に固定されるとともに、当該挟持状態における各ホーンプレートの前記回転軸を中心とした回転動作を許容する第1の挟持部材を備え、
前記第2の支持手段は、各ホーンプレートの前記第2支持部をプレート上面側及びプレート下面側から挟持した挟持状態で前記被押圧部側部材に固定されるとともに、当該挟持状態における各ホーンプレートの前記回転軸を中心とした回転動作を許容する第2の挟持部材を備える、
ことを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のホーンスイッチ装置であって、
前記付勢手段は、各ホーンプレートが前記回転軸を中心に第1の回転動作方向へ回転動作するように各ホーンプレートを弾性付勢する弾性バネを用いて構成されることを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のホーンスイッチ装置であって、
前記付勢手段は、各ホーンプレートが前記回転軸を中心に第1の回転動作方向へ回転動作するように当該回転軸を弾性付勢する弾性バネを用いて構成されることを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のホーンスイッチ装置であって、
前記付勢手段は、前記被押圧部側部材または前記ステアリングホイール側部材に取り付け固定される構成であることを特徴とするホーンスイッチ装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のホーンスイッチ装置と、
車両衝突時に乗員保護領域において展開膨張する車両用エアバッグと、
予め所定の形状に折畳まれた状態の前記車両用エアバッグを収容するリテーナーと、
前記車両用エアバッグに展開膨張用のガスを供給するインフレータと、
前記車両用エアバッグの車両乗員側を覆うエアバッグカバーと、
ホーン操作用部材と、
を搭載するエアバッグ装置であって、
前記被押圧部としての前記ホーン操作用部材の押圧によりホーンが作動し、当該ホーン操作用部材の押圧解除によりホーンの作動が解除される構成のエアバッグ装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のホーンスイッチ装置が装着された車両操舵用のステアリングホイールと、
車両衝突時に乗員保護領域において展開膨張する車両用エアバッグと、
予め所定の形状に折畳まれた状態の前記車両用エアバッグを収容するリテーナーと、
前記車両用エアバッグに展開膨張用のガスを供給するインフレータと、
前記ステアリングホイールの外形内において前記車両用エアバッグの車両乗員側を覆うエアバッグカバーと、
前記ステアリングホイールに設けられるホーン操作用部材と、
を搭載するステアリング装置であって、
前記被押圧部としての前記ホーン操作用部材の押圧によりホーンが作動し、当該ホーン操作用部材の押圧解除によりホーンの作動が解除される構成のステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−213147(P2006−213147A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27077(P2005−27077)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000108591)TKJ株式会社 (111)
【Fターム(参考)】