説明

ボールペン用水性インキ組成物

【課題】高湿度環境下でペン先を下向きに放置しても、インキの漏れ出しがなく、軽く書けて筆記感が良いボールペン用水性インキ組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも水と、着色剤と、キサンタンガムと重量平均分子量が5000以上50000以下の多糖類からなり、多糖類はガラクトマンナンであるボールペン用インキ組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン先を下向きに放置してもインキが漏れず、滑らかな筆記感を有するボールペン用水性インキ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールペンは、筆記部材となるボールと、このボールをインキ通路となる貫通孔の一端の開口部より一部突出させて回転自在に抱持するボールホルダーとから少なくともなるボールペンチップを、直接もしくは接続部材を介してインキタンクに接続している。筆記に際しては、主に、ボールホルダーの先端から一部突出したボールの回転に伴って、ボール表面に付着したインキが紙などの被筆記面に転写され筆跡を形成するものである。
特許文献1には、中空のインキ収容管に直接インキを充填しても漏れないようにするために、インキにキサンタンガムを添加して剪断減粘性を付与し、剪断力がかかっていない貯蔵状態では高粘度で、ボールの回転による剪断力が付与されると低粘度となって軽く書けて筆記感が良い水性インキが開示されている。
また、ノック式ボールペンのように筆記しない状態でもペン先は常に外気に晒されている場合、貯蔵状態で高粘度のインキでも長期にわたりペン先を下向きに放置したり、温度や湿度などの環境が変化することによってペン先からインキが漏れ出てしまったりすることがあった(以下、「インキの漏れ出し」と称する)。特許文献2には、インキの漏れ出しを防止する方法としてインキ中にポリウレタンエマルジョンを入れることが、特許文献3には、インキ中に多孔質シリカを入れること(特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭64−008673号公報
【特許文献2】特開2005−029729号公報
【特許文献3】特開2001−041266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂エマルジョンを入れて、インキの漏れ出しを防止するためには、樹脂エマルジョンの添加量を多くして被膜を厚くする必要があり、インキの潤滑性が低下して筆記感が阻害されるものであった。
無機粒子を入れたインキは、インキの潤滑性が低下して筆記感が阻害されるものであった。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、ペン先を下向きに放置してもインキの漏れ出しがなく、且つ滑らかな書き味を有するボールペン用水性インキ組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水と、着色剤と、キサンタンガムと、重量平均分子量が5000以上50000以下の多糖類とから少なくともなるボールペン用水性インキ組成物を要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
特にボールペンチップのインキ吐出口などにおいて、インキが乾燥して、キサンタンガムと重量平均分子量(以下、分子量と記す)が5000以上50000以下(以下、5000〜50000と記す)の多糖類の密度が高まると互いに会合しあい、分子鎖の伸び縮みが抑制されてインキの流動性が著しく低下し、インキの漏れ出しが抑制されるものと推察される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
水はインキの主溶剤である。
【0008】
本発明に使用する着色剤は、従来の水性インキに用いられる染料及び顔料が使用可能である。染料では酸性染料、直接染料、塩基性染料等のいずれも用いることができる。その一例を挙げれば、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(
同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。
【0009】
顔料ではアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げるとアニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660),ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680),ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファス
トエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460),パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330),ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、インキ全量に対して0.5〜30重量%が好ましい。
【0010】
着色剤に顔料を用いた場合は顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられている水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や
、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などの、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら水可溶性樹脂及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、顔料10重量部に対し0.05〜20重量部が好ましい。
【0011】
顔料の場合は、更に、水性媒体に分散した水性インキベースを用いることは、顔料インキ製造上有利なことである。具体的には、FujiSP Black8031、同8119、同8167、同8276、同8381、同8406、Fuji SP Red 5096、同5111、同5193、同5220、FujiSP Bordeaux 5500、Fuji SP Blue 6062、同6133、同6134、同6401、Fuji SP Green 7051、Fuji SPYellow 4060、同4178、Fuji SP Violet 9011、Fuji SP Pink 9524、同9527、Fuji SP Orange 534、FUjiSP Brown 3074、FUJI SP RED 5543、同5544(以上、富士色素(株)製)、Emacol Black CN、Emacol Blue FBB、同FB、同KR、EmacolGreen LXB、Emacol Violet BL、Emacol Brown 3101、EmacolCarmmine FB、Emacol Red BS、EmacolOrange R、Emacol Yellow FD、同IRN、同3601、同FGN、同GN、同GG、同F5G、同F7G、同10GN、同10G、Sandye SuperBlack K、同C、Sandye Super Grey B、Sandye Super Brown SB、同FRL、同RR、SandyeSuper GreenL5G、同GXB、Sandye Super Navy Blue HRL、同GLL、同HB、同FBL−H、同FBL−160、同FBB、Sandye Super VioletBL H/C、同BL、Sandye Super Bordeaux FR、Sandye Super Pink FBL、同F5B、Sandye Super RubineFR、Sandye super Carmmine FB、SandyeSuper Red FFG、同RR、同BS、Sandye SuperOrange FL、同R、同BO、SandyeGoldYellow5GR、同R、同3R、Sandye Ywllow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同GN、同GRS、同GSR−130、同GSN−130、同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)製)、RioFast BlackFx 8012、同8313、同8169、Rio Fast Red Fx8209、同8172、Rio Fast Red S Fx 8315、同8316、RioFast Blue Fx 8170、Rio FastBlue FX 8170、Rio Fast Blue S Fx
8312、Rio Fast Green SFx 8314(以上、東洋インキ(株)製)、NKW−2101、同2102、同2103、同2104、同2105、同2106、同2107、同2108、同2117、同2127、同2137、同2167、同2101P、同2102P、同2103P、同2104P、同2105P、同2106P、同2107P、同2108P、同2117P、同2127P、同2137P、同2167P、NKW−3002、同3003、同3004、同3005、同3007、同307
7、同3008、同3402、同3404、同3405、同3407、同3408、同3477、同3602、同3603、同3604、同3605、同3607、同3677、同3608、同3702、同3703、同3704、同3705、同3777、同3708、同6013、同6038、同6559(以上、日本蛍光(株)製)、コスモカラーS1000Fシリーズ(東洋ソーダ(株)製)、ビクトリアエローG−11、同G−20、ビクトリアオレンジ G−16、同G−21、ビクトリアレッドG−19、同G−22、ビクトリアピンク G−17、同G−23、ビクトリアグリーンG−18、同G−24、ビクトリアブルー G−15、同G−25(以上、御国色素(株)製)、ポルックスPC5T1020、ポルックスブラックPC8T135、ポルックス レッドIT1030等のポルックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙げられるものであり、これらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。
【0012】
キサンタンガムはキサントモナスの培養液から分離精製されるグルコース、マンノース、グルクロン酸からなる多糖類で、少量でインキに剪断減粘性を付与する。具体例を挙げると、ケルザン、同S、同T、同ST、同ASX、同ASXT、同AR、同HP、同G、ケトロールCG、同CG−T、同CG−SFT(以上、三晶(株)製)、サンエース、同S、同C、同C−S、同B−S、同NF、同G、同E−S、同NXG−S、同NXG−C、ビストップD−3000−DF、同D−3000−DF−C(以上、三栄源エフ・エス・アイ(株)製)、等がある。
ガラクトマンナンはガラクトースとマンノースからなる多糖類である。ガラクトースとマンノースの比率によって分類されるが、具体例を挙げると、ローカストビーンガム(ガラクトース1:マンノース4、豆科アカシヤ属の木の分泌物を精製したもの、分子量約30万)として、ビストップD−2050、同D−6、同D−171(以上、三栄源エフ・エス・アイ(株)製)、GENUGUM RL−200−J、メイプロ LBGフレール M−175、同M−200、メイプロ−LBG LAC、メイプロディン(以上、三晶(株)製)、MC1000(MRCポリサッカライド(株)製)、LN−1、LN−1/200、LA−200HV(以上、ソマール工業(株)製)等が、タラガム(ガラクトース1:マンノース3、分子量数十万)として、タラガムMT120(MRCポリサッカライド(株)製)、スピノガム(三晶(株)製)、ホワイトガム(岩手ケミカル(株)製)、TG−200、TG−300(以上、三菱商事フードテック(株)製)、VIDOGUM SP 175(ユニテックフーズ(株)製)等が、グァーガム(ガラクトース1:マンノース2、分子量約25万〜30万)として、ネオビスコ、メイプロガム、メイプロガット、同90S、メイプロ HPG 8111、同HGP 8600、ジャガー HP−8、同HP−105、同HP−120、同C−13S、同C−14S、同C−17、同EXCEL、同C−5000、グリンステッドグァー175、同80S、スーパーゲル、スーパーゲルCSA 200/500、スーパーゲル200、メイプロドール 300、メイプロボンド 9806、ハイガム 205−J、サンケア2000(以上、三晶(株)製)、プロコールU、同S−1、同K、グァーガムGU/F(以上、ソマール(株)製)、SATIAXANE CX 930、同931、同90、同91、同90DF、VIDOGUM GHK 175、VIDOFIX(以上、ユニテックフーズ(株)製)等が、フェヌグリークガム(ガラクトース1:マンノース1、分子量数十万)として、フェンファイバー(清光薬品工業(株)製)、フェヌグリーク((株)エアーグリーン製)等がある。
分子量が5000〜50000の多糖類としては、キサンタンガム分解物、ウェランガム分解物、ダイユータン分解物、アルカシーガム分解物、トラガントガム分解物、サクシノグリカン分解物、ガラクトマンナン分解物、ジェランガム分解物、タマリンドシードガム分解物、ガティガム分解物、サイリウムシードガム分解物、カラギナン分解物等がある。これらは、α−ガラクトシダーゼやヘミセルラーゼなどによる酵素分解や、酸処理分解、アルカリ処理分解、あるいは機械的剪断力等によって、キサンタンガム、ウェランガム、ダイユータンガム、アルカシーガム、トラガントガム、サクシノグリカン、ガラクトマンナン、ジェランガム、タマリンドシードガム、カラギナンの分子鎖を切断して、分子量を5000〜50000にしたものである。
ジェランガムは分子量が約50万〜90万の多糖類で、主にグルコース、グルクロン酸、グルコース、ラムノースからなり、グルクロン酸由来のカルボキシル基を有する。具体例を挙げると、ケルコゲルLT100、ケルコゲルHM、ケルコゲルHT、ケルコゲル(以上、ユニテックフーズ(株)、ケルコゲル AFT ケルコゲルCC−LA(以上、三晶(株))等がある。
タマリンドシードガムは豆科のタマリンドの内胚乳から得られる、主にグルコース、キシロース、ガラクトースからなる多糖類で、具体例を挙げると、TG−120(MRCポリサッカライド(株)製)等がある。
ガティガムはインディアンガムまたはアクスルウッドとも称されるシクシン科ガティノキなどの
201203301929048460__________120309P7____________________APH_0
から
201203301929048460__________120309P7____________________APH_1
する主にアラビノース、ガラクトース、マンノース、キシロース、およびグルコリン酸からなる多糖類で、具体例を挙げると、ガティガムSD(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)等が挙げられる。ガティガムは分子量が約2万なので、そのまま使用しても良い。
サイリウムシードガムは、オオバコ科の植物ブロンドサイリウムの種子外皮を粉砕して得られる、分子量が数万から数十万の多糖類であり、サイリウム、サイリウムハスク、イサゴールとも呼ばれ、主にキシラン、アラビノース、キシロースからなる。具体例を挙げると、PG200、PG020(以上、MRCポリサッカライド(株)製、アルコール沈殿法で精製、低粘度化製品)、サイリウムハスク(三栄源薬品貿易(株)製)、フードメイドP−100(シキボウ(株)製)等がある。
カラギナンは紅藻類海藻から抽出される多糖類で,主にガラクトースとガラクトースからなる繰り返し単位の中の一部の水酸基が,硫酸エステルのNa、K 塩になった、分子量が10万〜15万の酸性多糖類である。κ、ι、λの3種類の構造があるがいずれも使用できる。具体例を挙げると、κ型としてGENUGEL SWG、同WG−115、同WG108(以上、三晶(株)製)、精製カラギナンKK−9、同HGE−I(以上、マリン・サイエンス(株)製)、ι型としては、GENUVISCO J−J、同PJ−JPE(以上、三晶(株)製、精製カラギナンSP−100(マリン・サイエンス(株)製)、Viscarin PC389(エフエフシー・ケミカルズ(株)製)、λ型としては、サンカラ No.1057(太陽化学(株)製)、Viscarin PC209,Seaem XP8012(以上、エフエムシー・ケミカルズ(株)製)等がある。
キサンタンガムの添加量はインキ中の0.05重量%〜2重量%、分子量が5000〜50000の多糖類の添加量はインキ中の0.05重量%〜3重量%が望ましいが、インキの組成や製造方法によって最適範囲が変化するので、これらに限ったものではない。
【0013】
低温時でのインキの凍結防止、染料の可溶化剤、顔料の分散媒等、インキの種々の品質を担うインキ溶媒として、従来公知の水溶性有機溶媒が使用できる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。
【0014】
着色剤を紙面に定着させるためなどで各種樹脂を併用することもできる。例えば、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、Α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
【0015】
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
【0016】
インキのpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどの塩基性物質や、硫酸などの酸性物質を添加してもよい。
【0017】
金属製のボールペンチップペン先の防錆のために、ジシクロヘキシルアンモニュームナイトライト、ジイソプロピルアンモニュームナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムカプレート,ジシクロヘキシルアンモニウムラウレート,ジシクロヘキシルアンモニウムカルボネート、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などを必要に応じて1種又は2種以上混合して用いることもできる。
【0018】
インキの製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。動力は電気でも加圧空気でも良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。多糖類は良く溶かすことが肝要なので、良溶媒である水や水を含む溶液で十分溶かすことが望ましい。着色剤を入れると溶解状態が分かりにくいので、着色剤を入れる前に完全に溶かすことが望ましい。ママコが出来ないようにエタノールなどの貧溶媒に分散してから水などの良溶媒を添加しても良い。多糖類を併用する際はドライブレンドしてから加えても良いが、別々に加える時は、溶解性の良いものを先に溶かすとママコが出来にくいので望ましい。
【0019】
インキを収容するインキ収容体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等のインキの残量を確認できる透明又は半透明な高分子化合物を使用しても良い
が、不透明高分子化合物や金属を使用しても差し支えない。また、インキがインキ収容体の内壁に付着することを抑制するためなど、必要に応じてインキ収容体内面にシリコン樹脂やフッ素樹脂などを塗布して撥インキ処理をすることもできる。後端開口するインキ収容体の場合には、インキの洩れや乾燥を抑制するためにインキ後端の界面に接触させてインキ逆流防止体を配置してもよい。インキ逆流防止体としては高粘度不揮発性液体や不揮発性液体をゲル化したものやスポンジ状のものなど各種公知のものが使用でき、フロートを併用しても良い。
【0020】
ボールペンのボールを回転自在に抱持するボールホルダーの材質には金属や合成樹脂が使用できる。金属としては洋白、真鍮、ステンレス等が、また合成樹脂としてはポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ナイロン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等が用いられる。
【0021】
ボールペンのボールは、基材としてタングステンカーバイド等からなるいわゆる超硬合金、ステンレス、セラミックス、ルビーなど、ボールホルダーより硬い材料が好適に選択され、更に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素などを表面に有しても良い。
【0022】
ボールの直径は0.1mmから2.0mm程度までがよく使用されているがこれに限定するものではない。またペン先の密閉性を高めるために、ボールホルダー内にコイルスプリング等の弾性体を配置しても良い。
【0023】
ボールやボールホルダーの表面を撥水撥油剤で被覆してもよい。撥水撥油剤としては撥水または撥油効果を持たせるものであれば何を使用してもよく、具体的にはフッ素やシリコンを含有したものが好適に使用できる。撥水撥油剤にて被覆する際、ボールをボールホルダーに抱持させたボールペンチップの状態で被覆処理してもよく、あるいはボールやボールホルダーそれぞれを被覆処理してもよい。
撥水撥油剤の一例を挙げると、フッ素を含有したものでは、フッ素含有界面活性剤、フッ素樹脂、熱可塑性フッ素樹脂、フッ素系ポリマー、フッ素オイル、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有芳香族化合物、有機溶剤、乳化剤、界面活性剤等を含有してなるフッ素樹脂塗料、合成樹脂溶液にフッ素樹脂を分散させた変性フッ素樹脂塗料、フッ素を含有しためっき液などが使用できる。
【0024】
これらの、ボールやボールホルダー表面に撥水撥油剤を被覆させる方法には、浸積、プレー噴霧、めっき、超臨界二酸化炭素処理などが挙げられる。浸積の際にプロペラ攪拌やボールミル、超音波振動の付与などの機械的な力を付与してもよい。更にボールやボールホルダー表面に被覆した撥水撥油剤の固着処理として、電気炉や高周波誘導装置などを使用した焼き付け、紫外線照射などをしてもよい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
【0026】
実施例1
GENUGUM RL−200−J(ガラクトマンナン、ローカストビーンガム、三晶(株)製) 5.0部
水 95.0部
上記成分を混合して、プロペラ攪拌機を用いて60℃で2時間撹拌した後、ホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。必要に応じて冷却。)で30分間強剪断力を付加して、粘度35mPa・sの溶液Aを得た。
水 26.5部
WATER BLACK 191L(黒色染料溶液、オリエント化学工業(株)製)
10.0部
WATER BLACK 200L(黒色染料溶液、オリエント化学工業(株)製)
30.0部
グリセリン(水溶性有機溶剤) 10.0部
エチレングリコール(水溶性有機溶剤) 10.0部
トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防黴剤) 0.2部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 1.0部
ケルザン(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.2部
上記溶液A 10.0部
アスコルビン酸(抗酸化剤) 1.0部
AKP20(アルミナ、住友化学(株)製) 0.1部
水20部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて10分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0027】
実施例2
タラガムMT120(ガラクトマンナン、タラガム、MRCポリサッカライド(株)製)
5.0部
水 95.0部
上記成分を混合してホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。発熱して温度50℃になったところで一定になるように冷却した。)で30分間強剪断力を付加して、粘度450mPa・sの溶液Bを得た。
水 64.2部
ダイワブルーNo.1WB(青色染料、ダイワ化成(株)製) 3.5部
ダイワレッド106WB(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 0.8部
エチレングリコール 9.0部
チオジグリコール 9.0部
オレオイルサルコシンナトリウム(界面活性剤) 2.0部
1.2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン 0.3部
上記溶液B 10.0部
水40部とエチレングリコール5部とチオジグリコール5部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。50℃環境に24時間静置した後、残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて10分攪拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して青色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0028】
実施例3
水 67.8部
ダイワレッド103WB(赤色染料、ダイワ化成(株)製 3.5部
WATER YELLOW #6C(黄色染料、オリエント化学工業(株)製)
3.5部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
ポリオキシエチレンリン酸エステル(界面活性剤) 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン 0.4部
サンファイバーR(ガラクトマンナン、グァーガム分解物、太陽化学(株)製)
0.5部
ペプタイドPRA(ポリペプチド、(株)ニッピ製) 2.0部
AKP−20 0.1部
エチレングリコール5部にケルザンとサンファイバーRを分散させた後、水40部を加えてホモジナイザーで攪拌する。完全に溶けたことが確認できたらその中にペプタイドPRAを加えて更に攪拌する。完全に溶けたことを確認した後、残りの材料を加え必要に応じて冷却しながら20分攪拌した。遠心力で脱泡した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して橙色のールペン用水性インキ組成物を得た。
【0029】
実施例4
フェヌグリーク(ガラクトマンナン、フェヌグリークガム、(株)エアーグリーン製)
5.0部
水 95.0部
上記成分を混合して、プロペラ攪拌機を用いて60℃で2時間撹拌した後、ホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。必要に応じて冷却。)で15分間強剪断力を付加して、粘度250mPa・sの溶液Cを得た。
水 37.5部
FUJI SPブラック 8922(カーボンブラック分散液、冨士色素(株)
製) 20.0部
グリセリン 15.0部
プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 15.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン 0.8部
上記溶液C 10.0部
ハイドロキノンスルフォン酸カリウム(抗酸化剤) 0.5部
プロピレングリコールにケルザンを分散させた後に、水30部を加えてプロペラ攪拌機で攪拌する。ケルザンが完全に溶けたことを確認後に溶液Cを徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて5分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通し、更に遠心脱泡して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0030】
実施例5
水 42.4部
FUJI SPブラック 8922 20.0部
グリセリン 15.0部
プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 15.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン 0.4部
サンファイバーR 0.5部
溶液C 5.0部
ハイドロキノンスルフォン酸カリウム(抗酸化剤) 0.5部
ケルザンとサンファイバーRをミキサーでドライブレンドする。水40部をプロペラ攪
拌機で攪拌しながら、ドライブレンドしたケルザンとサンファイバーの混合物を徐々に加えて攪拌する。完全に溶けたことを確認後に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて5分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0031】
実施例6
水 36.1部
WATER BLACK 191L 10.0部
WATER BLACK 200L 30.0部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
トリエタノールアミン 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 0.1部
ケルコゲルLT100分解物(ケルコゲルLT100(ジェランガム、三晶(株)製)分解物、分子量5000〜50000) 0.5部
アスコルビン酸 1.0部
AKP20 0.1部
水20部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンとケルコゲルLT100分解物を徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて10分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0032】
実施例7
水 72.3部
ダイワブルーNo.1WB 3.5部
ダイワレッド106WB 0.8部
エチレングリコール 9.0部
チオジグリコール 9.0部
オレオイルサルコシンナトリウム 2.0部
1.2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 1.2部
TG120分解物(TG120(タマリンドシードガム、MRCポリサッカライド(株)製)分解物、分子量5000〜50000) 1.0部
水40部とエチレングリコール5部とチオジグリコール5部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンとTG120分解物を徐々に加えて1時間攪拌する。50℃環境に24時間静置した後、残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて10分攪拌した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して青色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0033】
実施例8
水 67.3部
ダイワレッド103WB 3.5部
WATER YELLOW #6C 3.5部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
ポリオキシエチレンリン酸エステル 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 0.4部
ガティガムSD(ガティガム、三栄源エフ・エス・アイ(株)製、分子量約2万)
1.0部
ペプタイドPRA 2.0部
AKP−20 0.1部
エチレングリコール5部にケルザンとガティガムSDを分散させた後、水40部を加えてホモジナイザーで攪拌する。完全に溶けたことが確認できたらその中にペプタイドPRAを加えて更に攪拌する。完全に溶けたことを確認した後、残りの材料を加え必要に応じて冷却しながら20分攪拌した。遠心力で脱泡した後、1ミクロン糸巻きフィルターを通して橙色のールペン用水性インキ組成物を得た。
【0034】
実施例9
水 45.5部
FUJI SPブラック 8922 20.0部
グリセリン 15.0部
プロピレングリコール 15.0部
ポリオキシエチレンリン酸エステル 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 0.8部
PG200分解物(PG200(サイリウムシードガム、MRCポリサッカライド(株)製)分解物、分子量5000〜50000) 1.0部
ハイドロキノンスルフォン酸カリウム 0.5部
プロピレングリコールにケルザンを分散させた後に、水30部を加えてプロペラ攪拌機で攪拌する。ケルザンが完全に溶けたことを確認後にPG200分解物を徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて5分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通し、更に遠心脱泡して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0035】
実施例10
水 45.9部
FUJI SPブラック 8922 20.0部
グリセリン 15.0部
プロピレングリコール 15.0部
ポリオキシエチレンリン酸エステル 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 0.4部
サンカラNo.1057分解物(サンカラNo.1057(λ−カラギナン、太陽化学(株)製)分解物、分子量5000〜50000) 1.0部
ハイドロキノンスルフォン酸カリウム 0.5部
プロピレングリコールにケルザンを分散させた後に、水30部を加えてプロペラ攪拌機で攪拌する。ケルザンが完全に溶けたことを確認後に低分子化サンカラNo.1057を徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて5分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通し、更に遠心脱泡して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0036】
比較例1
実施例1にて、溶液Aを除きその分水を足した以外は同様になして、黒色ボールペン用水性インキ組成物。
【0037】
比較例2
水 36.3部
WATER BLACK 191L 10.0部
WATER BLACK 200L 30.0部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
トリエタノールアミン 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン 0.2部
U−3003 (ウレタン樹脂エマルジョン、東邦化学工業(株)製) 0.2部
アスコルビン酸 1.0部
AKP20 0.1部
水20部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて20分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0038】
比較例3
水 36.3部
WATER BLACK 191L 10.0部
WATER BLACK 200L 30.0部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
トリエタノールアミン 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン 0.2部
アエロジル300(多孔質シリカ、日本アエロジル(株)製) 0.2部
アスコルビン酸 1.0部
AKP20 0.1部
水20部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンを徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて20分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0039】
比較例4
水 36.1部
WATER BLACK 191L 10.0部
WATER BLACK 200L 30.0部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
トリエタノールアミン 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 0.1部
ケルコゲルLT100分解物(分子量500〜3000) 0.5部
アスコルビン酸 1.0部
AKP20 0.1部
水20部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンとケルコゲルLT100分解物を徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて10分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0040】
比較例5
水 36.1部
WATER BLACK 191L 10.0部
WATER BLACK 200L 30.0部
グリセリン 10.0部
エチレングリコール 10.0部
トリエタノールアミン 1.0部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.2部
ベンゾトリアゾール 1.0部
ケルザン(キサンタンガム) 0.1部
ケルコゲルLT100分解物(分子量70000〜150000) 0.5部
アスコルビン酸 1.0部
AKP20 0.1部
水20部をプロペラ攪拌機で攪拌しながら、ケルザンとケルコゲルLT100分解物を徐々に加えて1時間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に1時間攪拌する。更に必要に応じて冷却しながらホモジナイザーを用いて10分攪拌した後、5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
【0041】
試験サンプルボールペン
ぺんてる(株)製LRN5(直径0.5mmの超硬合金製のボール、ステンレス製ボールホルダー、合成樹脂製チップホルダー、透明合成樹脂製中空パイプ(インキタンク)で構成されたノック式ボールペン用リフィル。パイプに実施例1〜9、比較例1〜3のインキを各々0.8g、シリコンオイルインキフォロワーを0.1g充填した。300G10分間の遠心脱泡処理をして試験サンプルボールペンとした。
【0042】
インキ漏れ出し評価
夫々の試験サンプルボールペンを上質紙(JIS P3201筆記用紙)に筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で、200mmの直線筆記を行い、インキ吐出を確認した。各サンプルの重量を測定し、初期重量W1を得た。
次いで、25℃湿度40%の環境に、ペン先を下向きにして1週間靜置した後、濾紙でペン先に付着したインキを拭き取って、各サンプルの重量を測定し、経時後の重量W2を得た。
W1とW2との差をインキ漏れ出し量として評価した。少ない方が良く、0.20mg以下なら書き出し時の筆跡が太くなる不具合が目立たないので実用上問題がない。
【0043】
筆記抵抗値
夫々の試験サンプルボールペンを、(株)トリニティーラボ製のTRIBO−MASTER(TYPE:TL201SA)を使用して、筆記角度70°、荷重100g、筆記速度7cm/secの条件で筆記させた時の筆記方向の抵抗値(単位:gf)を測定した。1回測定する毎に120°回転させて向きを変え、3回測定した値の最高値を示す。数値が大きいほど筆記抵抗が大きく書き味が悪い。抵抗値が3gf以上異なると筆記感が違うものと感じる。
【0044】
【表1】

【0045】
実施例1〜5は、キサンタンガムと、分子量が5000〜50000以下の程度のガラクトマンナンを併用したインキであり、インキの漏れ出しがなく、筆記抵抗値が小さく、筆記感が良いことが示されている。 実施例5はキサンタンガムとグァーガム分解物と低分子量フェヌグリークガム併用した例であるが、インキ漏れ出し、筆記感とも問題ない。
実施例6〜10は、キサンタンガムと、ガラクトマンナン以外の多糖類を分解して得た分子量が5000〜50000の多糖類を併用したインキであるが、インキの漏れ出しがなく、筆記抵抗値が小さく、筆記感が良いことが示されている。
比較例1は多糖類がキサンタンガムのみのインキであり、インキの漏れ出しがある。比較例2、3は従来公知のインキ漏れ出し防止の手段であるウレタンエマルジョンと多孔質シリカを添加したインキであるが、筆記感が著しく劣化しており、インキの漏れ出し防止も不十分であった。比較例4はキサンタンガムと分子量が5000未満の多糖類を併用したインキであるが、インキ漏れ出しが防止できないことが示されている。比較例5はキサンタンガムと分子量が50000より大きな多糖類を併用したインキであるが、筆記抵抗値が大きく、筆記感が悪いことが示されている。
以上のように、本発明のボールペン用水性インキ組成物は、ペン先を下向きに放置してもインキの漏れ出しがなく、且つ軽く書けて筆記感が良いものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、着色剤と、キサンタンガムと、重量平均分子量が5000以上50000以下の多糖類とから少なくともなるボールペン用水性インキ組成物。
【請求項2】
前記多糖類がガラクトマンナンである請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。