説明

ポータブル超音波診断装置

【課題】視認性及び携帯性の両方を向上させるポータブル超音波診断装置を提供するもの
である。
【解決手段】上記の課題を解決するために、実施形態のポータブル超音波診断装置は、表
示部を備えた情報端末との接続が可能な処理ユニットと、処理ユニット内部に備わり、接
続された情報端末の情報を識別するための識別手段と、情報端末の情報をもとに、接続さ
れた情報端末の種類に依った制御を自動的に行うための表示制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ポータブル超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、在宅医療の重要性から、ハンディタイプの超音波診断装置の更なる技術発展が望
まれている。ハンディタイプの超音波診断装置は小型で携帯性に優れ、場所を選ばずに診
断を行うことができるため、医者が患者宅に訪問して診断を行うことができ重宝されてい
る。しかしそのポータビリティを実現するが故に、モニタ画面の大きさに制限がある。
【0003】
そして装置の小型化が進むと操作部も相対的に小さくなり、操作性が低下する。モニタ画
面の大きさ(視認性)とモニタの持ち運び易さ(携帯性)は二律背反の関係にあり、どち
らも満足させることが現在求められている。
【0004】
そこで、どの家庭にも大抵備わっているテレビをモニタ代わりに利用するという手もあ
るが、テレビ付近での診断に限られてしまい、ベッド上などの所望の場所での診断を行う
のが困難である。
【0005】
また近年、スマートフォンやタブレット型端末などの情報端末の普及が著しく、各社各
様の製品がある。それら情報端末は直感的操作が可能であるため万人にとって使い易く、
また通信機能を有することによりデータの送受を行うこともできることから、医療分野で
の活用も大いに期待されている。その一方で、実用化されている情報端末におけるモニタ
画面の大きさは、携帯電話機程度の小さなものからテレビ画面に近い大きなものまで種々
雑多である。医療分野での活用のため情報端末に診断画像を表示させようとすると、診断
画像の表示サイズは種々雑多なモニタ画面サイズに合わせて変化してしまい、診断に適さ
ない大きさで診断画像が表示されてしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10―234731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、視認性及び携帯性の両方を向上させるポータブル超
音波診断装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、一実施形態のポータブル超音波診断装置は、被検体に対
して超音波の送受波を行うための超音波プローブと、前記超音波プローブと接続され、前
記超音波プローブで受波した超音波信号をもとに前記被検体の画像データを生成する生成
部を備える処理ユニットと、前記画像データを前記処理ユニットに接続された、表示部を
有する情報端末に表示させるための制御を行う表示制御手段と、前記情報端末の識別情報
に基づいて識別を行うための識別手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記識別手段の
識別結果に応じ、診断画像エリアの前記表示部に対する相対的な大きさを異ならせて前記
情報端末に表示するように制御を行うことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、他の実施形態のポータブル超音波診断装置は、被
検体に対して超音波の送受波を行うための超音波プローブと、前記超音波プローブと接続
され、前記超音波プローブで受波した超音波信号をもとに前記被検体の画像データを生成
する生成部を備える処理ユニットと、前記画像データを前記処理ユニットに接続された情
報端末に表示させるための制御を行う表示制御手段と、前記情報端末の識別情報に基づい
て識別を行うための識別手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果
に基づいて、前記表示部上の操作を受け付けるための表示ボタンを、前記情報端末の種類
に応じて変化させるように制御することを特徴とする。
また更に、上記の課題を解決するために、他の実施形態のポータブル超音波診断装置は
、被検体に対して超音波の送受波を行うための超音波プローブと、前記超音波プローブと
接続され、前記超音波プローブで受波した超音波信号をもとに前記被検体の画像データを
生成する生成部を備える処理ユニットと、前記画像データを前記処理ユニットに接続され
た情報端末に表示させるための制御を行う表示制御手段と、前記情報端末を識別し、前記
識別の結果に応じて前記画像データの表示を異ならせる制御を行うソフトウェアを記憶す
る記憶部と、を有し、前記表示制御手段は前記ソフトウェアを前記情報端末にインストー
ルさせることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の全体構成を示した概略図である。
【図2】第1の実施形態の全体構成を示したブロック図である。
【図3】第1の実施形態の情報端末の識別方法を示した概略図である。
【図4】第1の実施形態の一連の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の第1ソフトウェアによって制御された表示部の診断画面の一例を示した概略図である。
【図6】第1の実施形態の第2ソフトウェアによって制御された表示部の診断画面の一例を示した概略図である。
【図7】第1の実施形態の第3ソフトウェアによって制御された表示部の診断画面の一例を示した概略図である。
【図8】第1の実施形態の第1〜第3ソフトウェアによって制御された表示部の文字入力画面の一例を示した概略図である。
【図9】第1の実施形態の情報端末に備わる通信手段によってデータの送受信を行う様子を示した概略図である。
【図10】第2の実施形態の全体構成を示したブロック図である。
【図11】第2の実施形態の一連の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態の情報端末の制御方法を示したブロック図である。
【図13】第3の実施形態の各ソフトウェアの関係を示したベン図である。
【図14】第3の実施形態の一連の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態のポータブル超音波診断装置を、図1を参照して概要を説明する。
【0012】
図1は、第1の実施形態のポータブル超音波診断装置及び情報端末40との関係を示す
概略図である。処理ユニット20には超音波プローブ10が接続され、情報端末40との
接続が可能な接続部30が設けられる。処理ユニット20に接続された情報端末40の情
報をもとに処理ユニット20は情報端末40の種類に応じた制御を行う。そして処理ユニ
ット20は超音波プローブ10から得られた信号から、画像データを生成し、情報端末4
0に備わる表示部41に画像データ及び操作ボタン43を最適に表示させるための制御を
行う。図2(a)はそれらの関係を示したブロック図である。
【0013】
超音波プローブ10は、先端に備わる超音波振動子を機械的に振動させることにより超
音波を発生し、被検体へ超音波を放射する。放射された超音波は生体内を伝播していき、
伝播中の音響インピーダンスの不連続面にて次々反射し、その反射波をそれぞれ超音波プ
ローブ10で受信する。
【0014】
処理ユニット20は、超音波画像を生成する生成部21、情報端末40との接続が可能
な接続部30、処理ユニット20と接続されたバッテリー32(図1においては図示しな
い)から電源を供給するための電源回路31、生成部21で生成された超音波画像を表示
部41に表示させるためのソフトウェアなどを備えるプログラムメモリ26などの記憶部
、画像モードの切り換えやメモリへの書き込みなどの制御を行う制御手段27、そして様
々な超音波画像を制御手段27内に備わる表示制御ソフトウェア105の指示に応じて表
示部41に表示させるための表示回路28を備える。
【0015】
そして処理ユニット20は、接続された情報端末40を制御する際に使用する、最低限
の操作スイッチまたはモニタ(図示なし)を有する。例えば処理ユニット20に備えられ
た操作スイッチは、処理ユニット20自身の起動/終了を切り替える電源スイッチや、接
続部30と情報端末40との接続処理を指示するための接続スイッチとして働く。ここで
、処理ユニット20及び超音波プローブ10を駆動させるための電源は、処理ユニット2
0に直接接続されたバッテリー32から得てもよいし、情報端末40と接続部30が物理
的に接続された場合は情報端末40から得てもよい。
【0016】
生成部21は、送受信回路22、A/D変換器23、画像処理回路24、画像メモリ2
5を備える。送受信回路22は、超音波プローブ10からの超音波の送受波を行う。A/
D変換器23は、超音波プローブ10が受信した超音波信号をデジタル信号へ変換する。
その後画像処理回路24にて、A/D変換器23からのデジタル信号を処理し、Bモード
、Mモード、ドップラモード、カラードップラモードなどの各モードの画像データを生成
する。
【0017】
プログラムメモリ26は、接続された情報端末40に応じた画面制御を行う第1ソフト
ウェア101、第2ソフトウェア102、第3ソフトウェア103、情報端末40の情報
を識別する識別ソフトウェア104、そして画像の表示を制御する表示制御ソフトウェア
105を有する。(図2(b))
画像メモリ25は、生成部21にて生成された画像データが保存されるとともに、画像デ
ータを制御手段27へと送る。
【0018】
接続部30は、情報端末40などの外部端末と接続可能であり、物理的に接続可能なコ
ネクタまたは無線手段を有する。接続部30は制御手段27の指示を受けて、画像メモリ
25から読み出した画像データを情報端末40へ送信し、あるいはプログラムメモリ26
から読み出した第1〜第3ソフトウェアのいずれかを情報端末へ送信する。
【0019】
情報端末40は、タブレット型端末等の中型情報端末、スマートフォン等の小型情報端
末、パーソナルコンピュータなどの表示部41を有する機器を示す。これらは表示部41
のサイズ等によって識別される。そして情報端末40は外部との通信が可能な通信手段を
備える。なお情報端末40には赤外線等の無線手段が備わっていることが好適である。
【0020】
制御手段27はCPU(Central Processing Unit:中央演算
処理装置)を有し、プログラムメモリ26内にある各ソフトウェアを実行することにより
各構成要素を制御する。
【0021】
識別ソフトウェア104は情報端末40の種類に応じた識別情報を取得し、識別情報に
基づいてプログラムメモリ26内の表示制御ソフトウェア104に含まれる第1〜第3ソ
フトウェアの中から実行するソフトウェアを指定する。情報端末40が中型情報端末の場
合は第1ソフトウェア101を、情報端末40が小型情報端末の場合は第2ソフトウェア
102を、情報端末40がパーソナルコンピュータである場合は第3ソフトウェア103
を指定する。
【0022】
識別ソフトウェア104が識別する情報端末40の識別情報とは、例えば情報端末40
に備えられる表示部41のサイズに関する情報や情報端末40の型番号等の型に関する情
報、若しくは操作部(タッチパネルやキーボード若しくはポインティングデバイス)の有
無に関する情報である。サイズは表示部41の実寸でもよいしピクセル数でもよい。また
、それらの識別情報は情報端末40に備わるものを処理ユニット20が識別ソフトウェア
104を実行するによって情報端末40と通信することで抽出してもよいし、情報端末4
0に備わる通信手段を用いて入手してもよい。そして得た識別情報がサイズであった場合
は、予め識別ソフトウェア104に備えられたサイズ識別のための閾値との比較を行うこ
とによって接続された情報端末40を分類し、この分類に基づいて指定するソフトウェア
を選択する。
【0023】
本実施形態において識別ソフトウェア104は、処理ユニット20に接続される情報端
末40を中型情報端末、小型情報端末、及びパーソナルコンピュータの3種類に分類した
上で、各分類に対応したソフトウェアの指定を行う。具体的には、まず例えば情報端末4
0がタッチパネルを有しているか否かを判断し、その後識別ソフトウェア104が取得し
た表示部41のサイズについて、識別ソフトウェア104は解像度が640×480以上
であるか未満であるかを判断する。タッチパネルを有し、且つこの解像度以上である場合
には識別ソフトウェア104は情報端末40が後述する中型情報端末であると判断し、こ
の解像度を下回る場合は小型情報端末であると判断する。
【0024】
更に、表示部41がこの解像度以上であり、且つタッチパネルを有しておらず、尚且つ
キーボードやポインティングデバイスが備わる操作手段を情報端末40が有している場合
には、情報端末40は中型情報端末ではなくパーソナルコンピュータであると判断する。
識別ソフトウェア104がこれらの情報端末40の分類を判断すると、判断した分類に合
わせてソフトウェアを指定する。
【0025】
なお、識別ソフトウェア104は制御手段27に備わっていてもよい。
【0026】
表示制御ソフトウェア105は、Bモード、Mモード、ドップラモード、カラードップ
ラモードなどの画像データのモードを切り換える画像処理回路24を制御し、そして画像
メモリ25から送られてきた画像データを情報端末40に表示させる。更に、表示切替や
画像保存を行うための操作ボタンを情報端末40の表示部41上に表示させる。また、第
1〜第3ソフトウェアの中から、識別ソフトウェア104によって指定されたソフトウェ
アを選んで実行する。
【0027】
第1ソフトウェア101は、情報端末40が中型情報端末の場合の表示系/操作系の制
御を行う。情報端末40の表示部41には画像データや、そして表示切替や画像保存のた
めの操作ボタンが備わっている。
【0028】
第2ソフトウェア102は、情報端末40が小型情報端末の場合の表示系/操作系の制
御を行う。第1ソフトウェア101による制御と比較して表示画面が小さいため、情報端
末40の表示部41には第1ソフトウェア101で表示する操作ボタンに比べて少ない数
の、必要最低限の操作ボタンのみ表示する。
【0029】
第3ソフトウェア103は、情報端末40がパーソナルコンピュータなど、中型情報端
末と同等かそれ以上の表示部41のサイズを持ち、且つキーボード及びカーソル位置を制
御するためのポインティングデバイスを備えた情報処理端末である場合の表示系/操作系
の制御を行う。パーソナルコンピュータにはキーボードが備わっているため、第1ソフト
ウェア101及び第2ソフトウェア102と比べて文字入力画面は簡素なものでよい。ま
た、タッチパネルでの入力ではなくキーボードから入力するため、診断の際にはカーソル
等を制御するためのポインティングデバイスを利用する。
【0030】
ここで、本実施形態において中型情報端末とは、タッチパネルが備わる端末の表示部4
1が携帯電話の表示部よりも大きく、持ち運びが可能な重量や形状をしているものである
。表示部41の解像度は、例えば超音波画像における一般的な解像度として用いられる6
40×480ピクセルを上回るものとする。一方で小型情報端末の表示部41の大きさは
中型情報端末のそれよりも小さく、例えば携帯電話のそれと同様程度であり、中型情報端
末と同様にタッチパネルを搭載しているものとする。また本実施形態において、情報端末
40が電話機能を有している必要はない。
【0031】
また、本実施形態における第1ソフトウェア101及び第2ソフトウェア102並びに
第3ソフトウェア103はそれぞれ独立のものではなくてもよく、その場合は基本的な診
断画像表示の制御などの共通の部分が存在する。
【0032】
図3(a)は情報端末40の識別の一例を示す概念図である。
【0033】
処理ユニット20は情報端末40に備えられた通信手段を介してインターネットへアク
セスし、インターネットに接続された外部記憶装置(図示せず)から情報端末40の識別
情報を入手する。例えば外部記憶装置には型番号と表示部41のサイズとを関連付ける情
報が記憶されており、処理ユニット20は情報端末40の型番号を情報端末40のメモリ
から取得し、更にこの型番号に対応するサイズの情報を外部記憶装置から取得することで
、情報端末40のサイズを把握する。処理ユニット20は情報端末40側に備わる通信手
段から情報端末40の識別情報を入手する。識別情報とは上述の通り、例えば表示部41
のサイズ及び操作手段に関する情報であり、識別ソフトウェア104は表示部41のサイ
ズ及び操作手段の種類によって情報端末40を分類する。あるいは図3(b)のように、
処理ユニット20に接続され得る情報端末40の型番号と分類との対応付けを予め処理ユ
ニット20側に記憶させておき、接続された情報端末40の型番号と照合させて識別して
もよい。
【0034】
次に、本実施形態に係るポータブル超音波診断装置の動作を説明する。
【0035】
図4は本実施形態のフローチャートである。
【0036】
ステップS1において、操作者は処理ユニット20に情報端末40を接続する。情報端
末40を処理ユニット20の接続部30に直接繋ぐか、若しくは情報端末40に無線手段
が備わる場合は、処理ユニット20又は情報端末40で操作を行い、無線通信を開始する

【0037】
ステップS2において、処理ユニット20に備わる識別ソフトウェア104が、ステッ
プS1にて処理ユニット20と接続状態にある情報端末40の識別情報を取得する。
【0038】
ステップS3において、識別ソフトウェア104はステップS2で取得した識別情報を
もとに、処理ユニット20に接続された情報端末40には後述する第1〜第3ソフトウェ
アや、表示系/操作系の制御を行うための他のソフトウェアが既にインストールされてい
るか否かを判断する。インストールされている場合(Y)は処理ユニット20側から制御
させる必要がないため、インストールされているソフトウェアを起動して表示系/操作系
の制御を行い診断へと移る。インストールされていない場合(N)はステップS4へ。
【0039】
ステップS4において、識別ソフトウェア104はステップS2で取得した情報をもと
に、処理ユニット20に接続された情報端末40の表示部41のサイズや、表示部41に
表示された診断画像1の操作などを行うためのタッチパネルの有無などの判断を行い、情
報端末40が中型情報端末であるか否かの判断を行う。中型情報端末である場合(Y)は
ステップS4aへ。中型情報端末ではない場合はステップS5へ。ここで、例えば上述の
様に表示部41の解像度が640×480以上であり、且つタッチパネルを有している場
合は、識別ソフトウェア104は情報端末40が中型情報端末であると判断する。
【0040】
ステップS4aにおいて、識別ソフトウェア104は第1ソフトウェア101を指定し
、その結果に基づいて表示制御ソフトウェア105は第1ソフトウェア101を実行する
ことにより、第1ソフトウェア101は処理ユニット20に接続された情報端末40に対
して、表示系/操作系の制御を行う。そして診断へと移る。
【0041】
ステップS5において、識別ソフトウェア104はステップS2で取得した情報をもと
に、処理ユニット20に接続された情報端末40の表示部41のサイズや、表示部41に
表示された診断画像1の操作などを行うためのタッチパネルの有無などの判断を行い、情
報端末40が小型情報端末であるか否かの判断を行う。小型情報端末である場合(Y)は
ステップS5aへ、小型情報端末ではない場合(N)はステップS6へ。ここで、例えば
上述の様に表示部41の解像度が640×480未満であり、且つタッチパネルを有して
いる場合は、情報端末40は小型情報端末であると判断する。
【0042】
ステップS5aにおいて、識別ソフトウェア104は第2ソフトウェア102を指定し
、その結果に基づいて表示制御ソフトウェア105は第2ソフトウェア102を実行する
ことにより、第2ソフトウェア102は処理ユニット20に接続された情報端末40に対
して、表示系/操作系の制御を行う。そして診断へと移る。
【0043】
ステップS6において、ステップS2おいて得た、タッチパネルやキーボード若しくは
ポインティングデバイスの有無などの情報から、接続端末40がパーソナルコンピュータ
かどうかを確認する。パーソナルコンピュータである場合(Y)はステップS6aへ。パ
ーソナルコンピュータでない場合(b)はステップS7へ。ここで、情報端末40がタッ
チパネルを有しておらず、且つポインティングデバイスを有している場合は、情報端末4
0はパーソナルコンピュータであると判断する。
【0044】
ステップS6aにおいて、識別ソフトウェア104は第3ソフトウェア103を指定し
、その結果に基づいて表示制御ソフトウェア105は第3ソフトウェア103を実行する
ことにより、第3ソフトウェア103は処理ユニット20に接続された情報端末40に対
して、表示系/操作系の制御を行う。そして診断へと移る。
【0045】
ステップS7において、表示制御ソフトウェア105は表示部41に、「この端末は対
応していません。」などのメッセージを表示させ、接続された情報端末40は超音波診断
モニタとして使用不可能であることを操作者に知らせる。
【0046】
以下、情報端末40の種類に応じた表示部41の画面の例を示す。
【0047】
図5(a)は、情報端末40が中型情報端末である場合、つまり第1ソフトウェアによ
る表示系/操作系の制御におけるモニタ表示の一例である。以下、第1ソフトウェア10
1による制御の特徴点を述べる。
【0048】
表示部41には大きく診断画像を表示する診断画像エリア42があり、その周りには操
作ボタン43がある。操作ボタン43はモード切替やデータの保存を行うためのボタンや
、表示の切り替えを行うボタンを有する。表示を切り替えると異なるモードの画像データ
を表示させることができる。「モード切替」の操作ボタン43によって順番にLIVE→計測
→Doppler→Color→CINEとモードを切り換えてもよいし、各モードに対応する複数の操作
ボタン43を表示させて、並べて表示した操作ボタン43のうちいずれかを選択すること
で直接切り換えてもよい。
【0049】
そしてゲインコントロール等のボリュームをコントロールするコントロールバー44を
備え、それらのコントロールをタッチパネルの操作によって行ってもよい。そして診断画
像エリア42や診断画像1をタッチ操作することによって、診断画像1中の表示領域の移
動や、診断画像1の拡大縮小を行う。
【0050】
その他、例えば診断画像エリア42や診断画像1をタッチする毎にスキャン→Freeze→
スキャン→Freezeという具合に切り替わってもよいし、フリック(タッチを維持したまま
、タッチ位置を診断画像1上を横断あるいは縦断するように移動させる操作)することに
よってカラーモードと白黒モードなど、モードの切替えを行ってもよい。またモードの切
り替えには診断画像エリア42を二分割にする表示領域の切り替えも含むものとする。(
図5(b))
この場合、異なるモードでの画像をそれぞれのエリアに表示させてもよいし、2つ表示さ
れた画像の片方をタッチすることにより、タッチされたエリアの診断画像1をフリーズす
る、あるいはフリーズを解除する動作を行ってもよい。その他、二つのエリアを用いた種
々の操作を行う。
【0051】
ここで、図5では操作ボタン43は診断画像エリア42外に示したが、本実施形態はこ
れに限らず、各ボタンや診断画像エリア42の配置を適宣変更しても構わない。例えば診
断画像エリア42内に操作ボタン43が備わっていてもよいし、表示部41において診断
画像エリア42以外のエリアを操作エリアとして設けて、その操作エリアに操作ボタン4
3が備わっていてもよい。
【0052】
図6は、情報端末40が小型情報端末の場合、つまり第2ソフトウェア102による表
示系/操作系の制御におけるモニタ表示の一例である。
【0053】
小型情報端末においては表示部の表示エリアが小さいため、診断に有用な表示を行うた
めに診断画像をできるだけ大きく表示することが肝要である。そのため、第2ソフトウェ
ア102による制御は、図6に示すように診断画像エリア42を表示部41の画面一杯に
表示させ、操作ボタン43を有する操作エリアは特別設けずに、中型情報端末に比べて少
ない数の、必要最低限の操作ボタン43を診断画像エリア42内に表示させる。
【0054】
例えば表示部41の一部(例えば、診断画像エリア42外の空白領域)に設けた操作エ
リア呼び出し領域へのタッチ操作によって、診断画像エリア42上に操作エリアを一時的
に重畳表示して各種操作を行うようにしてもよく、その場合操作エリアの呼び出しが行わ
れるまでは操作ボタン43を画面上に表示させなくてもよく、操作の終了と共に操作エリ
アの表示を消去してもよい。
【0055】
第2ソフトウェア102による制御においては診断画像エリア42の表示領域を大きく
確保するため、図5(a)、図5(b)に示した第1ソフトウェア101による制御のよ
うにモード切替のためのタブの表示を省略しているため、操作ボタン43のうち「モード
切替」ボタンを用いてモードの切り替えを行う。
【0056】
「モード切替」ボタンはLIVE→計測→Doppler→Color→CINEと操作されるたびにモード
を切り替える制御を行う。各モードへの切り替えを1つのボタンによって制御するため、
操作ボタン43の表示領域を節約し診断画像エリア42に割り当てる領域をより広く確保
することができる。
【0057】
第1ソフトウェア101と同様に、診断画像エリア42に対するタッチ操作によって診
断画像1のFreezeや拡大縮小、データの保存などを行うようにしてもよい。
【0058】
ここで、図6(a)において操作ボタン43が診断画像エリア42の下に存在している
が、これらの位置は必ずしも固定させる必要はなく、必要に応じて位置を変化させてもよ
い。例えば図6(b)に示すように、図6(a)の状態からタッチ操作などによって診断
画像1を拡大した場合、操作ボタン43を診断画像エリア42内の診断画像1でない空間
に自動的に移動させてもよい。
【0059】
第2ソフトウェア102において制御を行って診断画像エリア42を表示部41のサイ
ズ一杯まで表示させる場合は、図6(c)に示すように診断画像1の上でドラッグ操作(
タッチを維持したまま、タッチ位置を診断画像1上の領域から別の領域まで継続して移動
させる操作)をすることによってボックス48を表示してもよい。この場合には、そのド
ラッグしたタッチ位置をボックス48上まで持っていくことで、診断画像1を端末のメモ
リか若しくはネットワーク上に保存させるようにしてもよい。
【0060】
図7は、情報端末40がパーソナルコンピュータの場合、つまり第3ソフトウェアによ
る表示系/操作系の制御におけるモニタ表示の一例である。カーソル45を用いて診断画
像1の拡大縮小などの各種操作を行えるようにするため、操作ボタン43の数を多くする
。操作ボタン43中の1つである「ボタン切替」ボタンをカーソル45を用いて操作する
ことにより、操作ボタン43の表示を変えて別の種類の操作ボタン43を表示させる。
【0061】
第3ソフトウェアによる表示系/操作系の制御は、操作ボタン43を操作するためにカ
ーソル45を用いる点、そして文字入力画面が第1ソフトウェア及び第2ソフトウェアの
制御と異なる。また、操作ボタン43に割り当てられた操作をキーボードの操作によって
行うため、第3ソフトウェアはキーボード操作と操作ボタン43が行う制御とを結び付け
て表示してもよい。
【0062】
例えば操作ボタン43中の「保存」処理を、カーソル45によるボタン操作に替えてキ
ーボードの「S」キーによって行うよう制御してもよい。この場合、操作ボタン43上に
対応付けられたキーボードを表示して、「保存(S)」等のように表示することが好適で
ある。この(S)といった操作を助けるための表示は、最初から操作ボタン43に表示さ
せてもよいし、キーボードやポインティングデバイスの操作に依存して出現させてもよい

【0063】
以下、各ソフトウェアによって制御される文字入力機能に関して述べる。ここで、いか
なる情報端末40が接続された場合においても、文字入力画面は備えるものとする。また
、文字入力画面の呼び出しは、操作ボタン43中の「文字入力」ボタンを操作することに
よって行うものとする。図8(a)〜(c)は各ソフトウェアによって制御された文字入
力画面の一例を示す概略図である。
【0064】
図8(a)はタブレット型端末などの中型情報端末や、スマートフォンなどの小型情報
端末のようなタッチパネル付端末の場合の文字入力画面(第1ソフトウェアまたは第2ソ
フトウェアによる制御)であり、情報入力ボタン46を用いて情報入力エリア47に文字
入力を行う。
【0065】
一方、パーソナルコンピュータの様なキーボードを有する端末の場合(第3ソフトウェ
アによる制御)はキーボードを用いて入力を行う。このときキーボードから入力する場合
は文字ボタン表示が必要無いため、図8(b)に示すように最低限の操作ボタン43を有
した簡易な画面とし、情報入力エリア47を大きく表示させる。また図8(c)に示すよ
うに診断画像1を表示させたまま文字入力を行えるようにしてもよいし、若しくは診断画
像エリア42を表示して、診断画像エリア42内に情報を入力できるようにしてもよい。
【0066】
第1ソフトウェアまたは第2ソフトウェアにおいてはタッチ操作を行うことで、第3ソ
フトウェアにおいてはポインティングデバイスを操作することで、文字のみならず矢印な
どの図形を入力するなど、情報入力エリア47へ種々の情報入力が可能である。
【0067】
図9は情報端末40が通信機能を備え、サーバーと通信してデータを送受信可能な例を
示した概念図である。ここでいうデータとは診断画像1の画像データや患者情報を示す文
字データである。診断画像1の画像データは超音波画像に限ることなく、他のモダリティ
で撮像された画像を受信して表示画面に表示させてもよい。また、情報端末40に備わる
画像メモリ25には診断画像1の画像データだけでなく、文字入力された患者情報に関す
る文字データも保存しておく。そして情報端末40に備わる通信手段によって、サーバー
上にデータをアップロードすることや、サーバー上からデータのダウンロードを行っても
よい。診断画像1や患者情報が保存されたら自動的にサーバー上にアップロードするよう
にしてもいいし、診断の後に操作者が必要なデータだけ選択してアップロードすることが
できるようにしてもよい。
【0068】
次に、本実施形態に係るポータブル超音波診断装置の効果を説明する。
【0069】
以上説明した通り、本実施形態によって、モニタを有する種々の情報端末40を処理ユ
ニット20に接続するだけで、それら情報端末40の表示部41を超音波診断モニタとし
て簡便に用いることができる。その結果表示モニタと処理ユニット20を分離可能にし、
超音波診断装置の携帯性及び表示モニタの視認性という、相反する二つの性能の向上を可
能にする。故に、例えば医者が患者宅に出向いて超音波診断を行う際に装置が持ち運びや
すく便利であると同時に、視認性に優れたモニタによって確実な診断を行うことができる

【0070】
更に本実施形態のポータブル超音波診断装置は、現在世の中に広く普及したタブレット
型端末やスマートフォン等を表示モニタとして簡便に使用することが可能になるため、災
害時や緊急時にも非常に有用になる。例えば医者が所持する端末が故障やバッテリー切れ
等の理由で使用不能になった場合にも、患者やその他近隣の者が所持するタブレット端末
若しくはスマートフォンを利用することが可能になる。
【0071】
つまり、処理ユニット20に接続された情報端末40の種類によって表示部41の表示
画面が異なることにより、世に溢れた多々ある情報端末40の種類に依らず、いかなる端
末においても好適に超音波画像診断を行うことが可能になる。例えば情報端末40として
スマートフォンなどの小型情報端末を用いた場合は、操作ボタン43を少なくし、且つ診
断画像エリア42を表示部41の画面内一杯に表示させて操作ボタン43を移動可能に設
けることにより、診断画像1を大きく表示させることができる。
【0072】
他にも、例えば情報端末40にジャイロセンサが内蔵される場合は、ジャイロセンサを
用いることによって各種操作を行うことも可能なため、その分操作ボタン43を表示させ
る必要がなく診断画像1を大きく表示させることなどができる。その場合、例えば情報端
末40を振ることによってモードの変更などの操作を行う。
【0073】
また、情報端末40の前面に設けられたカメラなどを用いて操作者の動き(ジェスチャ
)を認識し、カーソル移動やボタン操作などを行ってもよい。その場合、例えば小型情報
端末においては操作ボタン43の数をより少なくし、ジェスチャによって各操作を行うこ
とで診断画像1をより大きく表示部41内に表示させるなど、操作者の都合に応じてより
好適な操作画面を、端末に応じて表示させることが可能となる。
【0074】
情報端末40の画面表示を切り換えることによって表示される文字入力画面にて情報の
入力を行うと、そのデータは患者情報や診断画像1に関するアノテーション(注釈)とし
て診断画像1と共に情報端末40に保存しておくことができる。更に情報端末40の通信
機能を利用してサーバー上に保存しておくこともでき、保存しておいたデータは病院等で
も閲覧可能であるので、遠隔医療にも役立つ。
【0075】
また表示画面を二分割にするか若しくは表示画面が二つ備わる情報端末40の場合、片
方の画面で保存画像を、もう片方の画面で診断画像1を表示して容易に比較することもで
きる。これにより、例えば以前診断したときの画像と比較して、病状の経過具合を確認す
ることが可能である。保存画像は、患者の過去に撮像した超音波診断画像でもいいし、あ
るいは病例を示した超音波診断画像でもよい。また超音波診断画像に限らず、CT(Co
mputed tomography)装置やMRI(Magnetic Resona
nce Imaging)装置などの他のどのモダリティで撮像された画像でもよい。状
況に応じてそれらを使い分けることで、より高度な診断を行うことができる。また、片方
の表示エリアに画像でも患者情報でもないものを表示させてもよい。例えば超音波プロー
ブ10の正しい操作方法などを表示させることによって、超音波診断に慣れていない操作
者をサポートすることができる。
【0076】
また、画像データを生成するための画像処理回路24の構成を処理ユニット20から省
略し、画像処理回路24の機能を情報端末40が処理するように構成しても構わない。こ
の場合、画像処理回路24における画像データを生成する機能(画像生成機能)は第1〜
第3ソフトウェアの機能の一部として組み込まれ、該ソフトウェアをインストールした情
報端末40が処理することとなる。情報端末40が画像生成機能を実行するのに際し、接
続部30は画像データに替えて、A/D変換器24によって処理されたデジタル信号を情
報端末40へと送信する。これにより、処理ユニット20が行う計算処理をより簡便にす
ることができるため、処理ユニット20を更に小型に構成することができる。
【0077】
以上本実施形態における効果を纏めると、処理ユニット20に接続された情報端末40
に応じた診断画面1を提供することによって、いかなる種類の情報端末40においても超
音波診断モニタとして使用することができ、携帯性、操作性の両方を向上させることが可
能になる。更に、医者ではない一般人でも、タブレット型端末やスマートフォンなどを身
近にある物を用いて超音波診断を行うことができ、そこで得られた診断データを病院へと
送信することもできる。故に、例えば緊急時に救急車が到着するまでの間に即座に超音波
診断を行うことができ、救命救急時にも役立つ。
【0078】
更に、超音波診断画像を表示させるための情報端末40としてモニタを具備するタブレ
ット型端末などを挙げたが、本実施形態はこれに限ることはない。例えば情報端末40は
モニタを有しておらず、網膜に直接光を当てて映像を投影させる網膜走査ディスプレイな
どを使用し、網膜に超音波診断画像を表示させて使用してもよい。この場合、各種操作を
行うためのボタン等を超音波プローブ10などに設けておく。超音波プローブ10に操作
を行うためのボタンを設けた場合は、診断のための超音波プローブ10の操作と診断画像
1やモード切替のための操作を片手で行うことが可能になる。その結果もう片方の手が空
くため、操作者は患者の手を握ったりしながら診断を行うことなど、診断中に片手で実現
可能な種々の行為を行うことができる。これによって診断中に患者に対してより安心感を
与えることができる。
【0079】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のポータブル超音波診断装置を、図10を参照して概要を説明する。第
2の実施形態は第1の実施形態と比べて情報端末の制御方法に関して異なり、その他構成
される要素に変わりはない。
【0080】
図10は、プログラムメモリ26に備わる識別ソフトウェア104によって得られた識
別結果に基づいて、表示制御ソフトウェア105に含まれる第1〜第3ソフトウェアの中
から適したソフトウェアを指定し、指定されたソフトウェアを表示制御ソフトウェア10
5が処理ユニット20に接続された情報端末40側に自動的にインストールさせる様子を
示したブロック図である。
【0081】
第1の実施形態と同様に、プログラムメモリ26に備わる識別ソフトウェア104によ
って、処理ユニット20に接続された情報端末40の情報を識別し、その識別結果から、
第1〜第3ソフトウェアの中から処理ユニット20に接続された情報端末40に適したソ
フトウェアを指定する。その後表示制御ソフトウェア104は、指定されたソフトウェア
を情報端末40にインストールさせる。ここで、図10中の第1ソフトウェア101、第
2ソフトウェア102及び第3ソフトウェア103を結んでいる点線は、情報端末40に
インストールされるのはいずれか一つであるということを意味している。なお、この識別
ソフトウェア104は制御手段27内に備わっていてもよい。
【0082】
インストールを終えたら情報端末40は超音波診断装置の表示モニタとして使用可能と
なり、生成部21によって得られた映像データを表示させることができる。なお、処理ユ
ニット20に設けられた操作ボタン(図示なし)は、情報端末40と接続部30との接続
時、及びインストール終了後や情報端末40を接続部30から取り外す際に最低限用いる
ものであり、情報端末40に適したソフトウェアをインストールさせる工程においては操
作ボタンの使用は行う必要はない。
【0083】
ここで、処理ユニット20に接続された情報端末40が既に診断のためのソフトウェア
(第1〜第3ソフトウェア)をインストール済みであった場合は、新たに処理ユニット2
0からソフトウェアをインストールさせることなく、処理ユニット20と情報端末40を
接続したらすぐに診断を行う。各ソフトウェアにおける表示系/操作系の制御方法は、第
1の実施形態の場合と同様である。
【0084】
次に、本実施形態に係るポータブル超音波診断装置の動作を説明する。
【0085】
図11は本実施形態のフローチャートである。なお、情報端末40が中型情報端末又は
小型情報端末若しくはパーソナルコンピュータであるか否かの判断方法は、第1の実施形
態に記載した方法と同様である。
【0086】
ステップS1において、操作者は処理ユニット20に情報端末40を接続する。情報端
末40を処理ユニット20の接続部30に直接繋ぐか、若しくは情報端末40に無線手段
が備わる場合は、処理ユニット20又は情報端末40で操作を行い、無線通信を開始する

【0087】
ステップS2において、処理ユニット20に備わる識別ソフトウェア104が、ステッ
プS1にて処理ユニット20と接続状態にある情報端末40の情報を識別する。
【0088】
ステップS3において、識別ソフトウェア104はステップS2で取得した情報をもと
に、処理ユニット20に接続された情報端末40には診断のためのソフトウェア(第1〜
第3ソフトウェア)がインストールされているか否かを判断する。インストールされてい
る場合(Y)は該インストールされたソフトウェアを起動させ、インストールされたソフ
トウェアが情報端末40の表示系/操作系の制御を開始し診断へ。インストールされてい
ない場合(N)はステップS4へ。
【0089】
ステップS4において、識別ソフトウェア104はステップS2で取得した情報をもと
に、処理ユニット20に接続された情報端末40の表示部41のサイズや、表示部41に
表示された診断画像1の操作などを行うためのタッチパネルの有無などの判断を行い、情
報端末40が中型情報端末であるか否かの判断を行う。中型情報端末である場合(Y)は
ステップS4aへ。中型情報端末ではない場合はステップS5へ。
【0090】
ステップS4aにおいて、識別ソフトウェア104は第1ソフトウェア101を指定し
、その結果に基づいて表示制御ソフトウェア105は処理ユニット20に接続された情報
端末40に第1ソフトウェア101をインストールさせる。インストールされた第1ソフ
トウェア101は情報端末40の表示系/操作系の制御を行い、そして診断へと移る。
【0091】
ステップS5において、識別ソフトウェア104はステップS2で取得した情報をもと
に、処理ユニット20に接続された情報端末40の表示部41のサイズや、表示部41に
表示された診断画像1の操作などを行うためのタッチパネルの有無などの判断を行い、情
報端末40が小型情報端末であるか否かの判断を行う。小型情報端末である場合(Y)は
ステップS5aへ、小型情報端末ではない場合(N)はステップS6へ。
【0092】
ステップS5aにおいて、識別ソフトウェア104は第2ソフトウェア102を指定し
、その結果に基づいて表示制御ソフトウェア105は処理ユニット20に接続された情報
端末40に第1ソフトウェア101をインストールさせる。インストールされた第2ソフ
トウェア102は情報端末40の表示系/操作系の制御を行い、そして診断へと移る。
【0093】
ステップS6において、ステップS4又はステップS5において得られたタッチパネル
やキーボード若しくはポインティングデバイスの有無の情報から、接続端末40がパーソ
ナルコンピュータかどうかを確認する。パーソナルコンピュータである場合(Y)はステ
ップS6aへ。パーソナルコンピュータでない場合(b)はステップS7へ。
【0094】
ステップS6aにおいて、識別ソフトウェア104は第3ソフトウェア103を指定し
、その結果に基づいて表示制御ソフトウェア105は処理ユニット20に接続された情報
端末40に第3ソフトウェア103をインストールさせる。インストールされた第3ソフ
トウェア103は情報端末40の表示系/操作系の制御を行い、そして診断へと移る。
【0095】
ステップS7において、表示制御ソフトウェア105は表示部41に、「この端末は対
応していません。」などのメッセージを表示させ、接続された情報端末40は超音波診断
モニタとして使用不可能であることを操作者に知らせる。
【0096】
以下、本実施形態に係るポータブル超音波診断装置の効果を説明する。
【0097】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、視認性・携帯性に優れたポータブル超
音波診断装置を提供することができる。更に情報端末40に応じたソフトウェアを情報端
末40にインストールさせることが可能なため、一度ソフトウェアをインストールさせた
情報端末40を再び使用するときに、直ちに診断を行うことができる。そして情報端末4
0側で各種制御が行われるため、患者情報を入力するときやサーバーとの通信を行う際に
、必ずしも処理ユニット20と接続した状態でなくてもよくなる。故に、診断を終えたら
処理ユニット20と情報端末40との接続を解除することで、携帯性・操作性に優れた状
態で診断後の各種データの操作を行うことができる。
【0098】
(第3の実施形態)
第3の実施形態のポータブル超音波診断装置を、図12を参照して概要を説明する。
【0099】
第3の実施形態は第1の実施形態及び第2の実施形態と比べて情報端末40の制御方法
に関して異なり、本実施形態において識別ソフトウェア104は処理ユニット20側に備
わる必要はなく、情報端末40にインストールされるソフトウェアによって情報端末40
の識別が行われる。その他の構成される要件に変わりはない。
【0100】
図12は、処理ユニット20に備わるソフトウェア100を、処理ユニット20に接続
された情報端末40側に自動的にインストールさせ、更にそのソフトウェア100が情報
端末40に応じた表示系/操作系の制御を行う様子を示した概略図である。つまりこのソ
フトウェア100は、実施例1及び実施例2における第1〜第3ソフトウェアを包含した
ソフトウェアである(図13)。まず情報端末40にソフトウェア100をインストール
させる点が第2の実施形態と異なる。ここで、図13はソフトウェア100及び第1〜3
ソフトウェアの関係の一例を示したベン図である。第1〜第3ソフトウェアはそれぞれ円
で示され、他の円と重なっている共通の部分と、重なりのない部分がある。これは例えば
、第1ソフトウェア101においては表示部41に操作ボタン43が多く存在する点が第
2ソフトウェア102における制御と比べて異なっているため(図5〜図6参照)、その
制御を行うのは図13中の第1ソフトウェア101の円において、他の円と重なりのない
部分であるという意である。
【0101】
ソフトウェア100のインストール後、接続された情報端末40に応じたソフトウェア
(第1〜第3ソフトウェア)によってそれぞれ表示系/操作系の制御を行う。
【0102】
図14のフロー図を用いて実施の流れを説明する。なお、情報端末40が中型情報端末
又は小型情報端末若しくはパーソナルコンピュータであるか否かの判断方法は、第1の実
施形態並びに第2の実施形態に記載した方法と同様である。
【0103】
ステップS1において、操作者は処理ユニット20に情報端末40を接続する。
【0104】
ステップS2において、操作者は処理ユニット20に接続された情報端末40には診断
のためのソフトウェア100若しくは第1〜第3ソフトウェアがインストールされている
か否かを判断する。インストールされている場合(Y)は情報端末40が該ソフトウェア
を起動し、表示系/操作系の制御を行い診断へ。インストールされていない場合(N)は
ステップS3へ。
【0105】
ステップS3において、処理ユニット20側に備わるインストール制御ソフトウェア(
図示なし)は、処理ユニット20に接続された情報端末40にソフトウェア100をイン
ストールさせる。
【0106】
ステップS4において、ステップS3にてインストールされたソフトウェア100内に
ある識別ソフトウェア104は、情報端末40の情報を識別し、その情報をもとに表示部
41のサイズや、表示部41に表示された診断画像1の操作などを行うためのタッチパネ
ルの有無などの判断を行い、情報端末40が中型情報端末であるか否かの判断を行う。中
型情報端末である場合(Y)はステップS4aへ。中型情報端末ではない場合はステップ
S5へ。
【0107】
ステップS4aにおいて、情報端末40にインストールされたソフトウェア100内に
備わる表示制御ソフトウェア105は、処理ユニット20に接続された情報端末40に対
して、第1ソフトウェア101による表示系/操作系の制御を行う。そして診断へと移る

【0108】
ステップS5において、ステップS3にてインストールされたソフトウェア100内に
ある識別ソフトウェア104は、情報端末40の情報を識別し、情報端末40の表示部4
1のサイズや、表示部41に表示された診断画像1の操作などを行うためのタッチパネル
の有無などの判断を行い、情報端末40が小型情報端末であるか否かの判断を行う。小型
情報端末である場合(Y)はステップS5aへ。小型情報端末ではない場合はステップS
6へ。
【0109】
ステップ5aにおいて、情報端末40にインストールされたソフトウェア100内に備
わる表示制御ソフトウェア105は処理ユニット20に接続された情報端末40に対して
、第2ソフトウェア102による表示系/操作系の制御を行う。そして診断へと移る。
【0110】
ステップS6において、ステップS4又はステップS5において得られたタッチパネル
やキーボード若しくはポインティングデバイスの有無の情報から、接続端末40がパーソ
ナルコンピュータかどうかを確認する。パーソナルコンピュータである場合(Y)はステ
ップS6aへ。パーソナルコンピュータでない場合(b)はステップS7へ。
【0111】
ステップS6aにおいて、情報端末40にインストールされたソフトウェア100内に
備わる表示制御ソフトウェア105は処理ユニット20に接続された情報端末40に対し
て、第3ソフトウェア103による表示系/操作系の制御を行う。そして診断へと移る。
【0112】
ステップS7において、表示制御ソフトウェア105は表示部41に、「この端末は対
応していません。」などのメッセージを表示させ、接続された情報端末40は超音波診断
モニタとして使用不可能であることを操作者に知らせる。 ここで、本実施形態において
ソフトウェア100が情報端末40に応じた第1〜第3ソフトウェアによる制御を自動的
に行うが、ソフトウェア100は制御するソフトウェアの種類を変更できる変更手段を有
し、表示画面にて操作者が任意のソフトウェアに変更できるようにしてもよい。
【0113】
以下、本実施形態に係るポータブル超音波診断装置の効果を説明する。
【0114】
本実施形態は、処理ユニット20に接続された情報端末40の種類に依らず、第1〜第
3ソフトウェアを包含する同一のソフトウェア100を情報端末40にインストールさせ
る。故に、使用状況や操作者の都合などに応じて、使用するソフトウェアを選択すること
ができる。例えば情報端末40が中型情報端末である場合でも、第2ソフトウェア102
によって制御された表示系/操作系を用いてもよい。これによってより診断画像1がより
大きくなり、視認性が向上する。
【0115】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり
、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態
で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え
、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれる
と同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0116】
1 診断画像
10 超音波プローブ
20 処理ユニット
21 生成部
22 送受信回路
23 A/D変換器
24 画像処理回路
25 画像メモリ
26 プログラムメモリ
27 制御手段
28 表示回路
30 接続部
31 電源回路
32 バッテリー
40 情報端末
41 表示部
42 診断画像エリア
43 操作ボタン
44 コントロールバー
45 カーソル
46 情報入力ボタン
47 情報入力エリア
48 ボックス
100 ソフトウェア
101 第1ソフトウェア
102 第2ソフトウェア
103 第3ソフトウェア
104 識別ソフトウェア
105 表示制御ソフトウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対して超音波の送受波を行うための超音波プローブと、
前記超音波プローブと接続され、前記超音波プローブで受波した超音波信号をもとに前
記被検体の画像データを生成する生成部を備える処理ユニットと、
前記画像データを前記処理ユニットに接続された、表示部を有する情報端末に表示させ
るための制御を行う表示制御手段と、
前記情報端末の識別情報に基づいて識別を行うための識別手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に応じ、診断画像エリアの前記表示部に
対する相対的な大きさを異ならせて前記情報端末に表示するように制御を行うポータブル
超音波診断装置。
【請求項2】
被検体に対して超音波の送受波を行うための超音波プローブと、
前記超音波プローブと接続され、前記超音波プローブで受波した超音波信号をもとに前
記被検体の画像データを生成する生成部を備える処理ユニットと、
前記画像データを前記処理ユニットに接続された情報端末に表示させるための制御を行
う表示制御手段と、
前記情報端末の識別情報に基づいて識別を行うための識別手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に基づいて、前記表示部上の操作を受け
付けるための表示ボタンを、前記情報端末の種類に応じて変化させるように制御するポー
タブル超音波診断装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、第1の位置に配置されている前記表示ボタンを、診断画像エリア
の大きさ又は位置に応じて、前記表示部内の前記第1の位置とは異なる位置である第2の
位置へと移動させる制御を行う請求項2に記載のポータブル超音波診断装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に基づいて、前記表示部上の操作を受け
付けるための表示ボタンの数又は種類を、前記情報端末の種類に応じて変化させるように
制御する請求項1乃至3いずれか一項に記載のポータブル超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に基づいて、前記診断画像エリアを2つ
の領域に分かれるように二分割にし、それぞれの領域に診断画像を表示させる制御を行う
請求項1乃至4いずれか一項に記載のポータブル超音波診断装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に基づき前記情報端末にジャイロセンサ
が内蔵されると判断された場合、ジャイロセンサが内蔵されない情報端末における前記表
示ボタンの数よりも少ない数の前記表示ボタンを表示部に表示させるように制御する請求
項1乃至5いずれか一項に記載のポータブル超音波診断装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に基づき前記情報端末にジェスチャを検
知するためのカメラが内蔵されると判断された場合、前記カメラが内蔵されない情報端末
における前記表示ボタンの数よりも少ない数の前記表示ボタンを表示部に表示させるよう
に制御する請求項1乃至6いずれか一項に記載のポータブル超音波診断装置。
【請求項8】
前記情報端末の制御を行うためのソフトウェアを複数記憶する記憶部を更に有し、
前記表示制御手段は、前記識別手段の識別結果に応じて複数ある前記ソフトウェアのう
ち少なくともいずれかを選択して前記情報端末にインストールさせることにより、前記識
別手段の結果に応じた前記情報端末の制御を行う請求項1乃至7いずれか一項に記載のポ
ータブル超音波診断装置。
【請求項9】
被検体に対して超音波の送受波を行うための超音波プローブと、
前記超音波プローブと接続され、前記超音波プローブで受波した超音波信号をもとに前
記被検体の画像データを生成する生成部を備える処理ユニットと、
前記画像データを前記処理ユニットに接続された情報端末に表示させるための制御を行
う表示制御手段と、
前記情報端末を識別し、前記識別の結果に応じて前記画像データの表示を異ならせる制
御を行うソフトウェアを記憶する記憶部と、
を有し、
前記表示制御手段は前記ソフトウェアを前記情報端末にインストールさせるポータブル
超音波診断装置。
【請求項10】
前記ソフトウェアは、前記情報端末の種類に応じて、診断画像エリアの前記情報端末に
備わる表示部に対する相対的な大きさを異ならせて前記情報端末に表示するように制御す
る請求項9に記載のポータブル超音波診断装置。
【請求項11】
前記ソフトウェアは、前記表示部上の操作を受け付けるための表示ボタンを、前記情報
端末の種類に応じて変化させるように制御する請求項9又は10に記載のポータブル超音
波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−111476(P2013−111476A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232389(P2012−232389)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2011−259638(P2011−259638)の分割
【原出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】