説明

マイクロ波ダブルバランスミキサ

【課題】アイソレーション特性を向上させ、ミキサ内で発生する高調波を抑制し、スプリアス成分を低減させることができるマイクロ波ダブルバランスミキサを提供する。
【解決手段】ダブルバランスミキサにおいて、バラン12は、誘電体基板30の表面30aに形成されて一端が第1入力ポート10に接続される導体12aと、誘電体基板30の裏面30bに導体12aと対向して形成され一端が接地導体30cに接続された導体12bと、誘電体基板30の裏面30bに形成され導体12aの他端にその一端が接続された導体12cと、から構成され、導体12cの一端と導体12bの他端とをそれぞれ結合回路の結合線路20a、22aに接続して、グランドレベルに対して補償された平衡モードを供給する。さらに、結合回路20の結合線路20bと結合回路22の結合線路22bの反バラン12側他端を、抵抗26、28を介して接地導体30cに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1GHz以上のマイクロ波帯の入力信号をそれよりも周波数が低い中間周波信号に変換するマイクロ波ダブルバランスミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のマイクロ波ダブルバランスミキサとしては、図1に示すものが知られている。図1に示したマイクロ波ダブルバランスミキサは、RF信号とローカル信号がそれぞれ入力される2つの入力ポート10、14と、入力ポート10、14から入力された非平衡信号を平衡信号に変換する2つのバラン12、16と、平衡RF信号と平衡ローカル信号とを混合するリングダイオード18と、リングダイオード18と第1バラン12の間に設けられた一対の結合回路20、22と、リングダイオード18から結合回路20、22を通過して中間周波信号を取り出す出力ポート24と、を備えている。
【0003】
この場合、少なくとも第1バラン12にはテーパバランが用いられており、これにより簡単に回路を構成することができる。このテーパバランの具体的構成を図15に示す。テーパバランは、入力ポートに一端が接続され誘電体基板の一面に形成された第1導体60と、一端が接地され該第1導体に対向して誘電体基板の他面に形成されて漸次幅狭となった第2導体62と、から構成されて、第1導体60と第2導体62との幅が同一となった部分から平衡モードの信号をそれぞれ取り出すようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このテーパバランで構成されるバランは、非平衡−平衡モード変換特性が劣るために、ミキサのアイソレーションが悪くなり、スプリアス成分が発生するという問題が発生する。
【0005】
また、リングダイオードにより混合されて発生する低周波の中間周波信号は、結合回路の結合容量に起因して生じるローパスフィルタを通過して出力ポートから出力される一方で、リングダイオードにおいて発生する高調波は、前記ローパスフィルタを反射して、リングダイオードに再入力される、という問題がある。このような高調波の反射が繰り返されてスプリアス成分が増加し、ローパスフィルタを通過するスプリアス成分も増加するという問題がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、その目的は、アイソレーション特性を向上させ及び/またはミキサ内で発生する高調波を抑制し、スプリアス成分を低減させることができるマイクロ波ダブルバランスミキサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、第1入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第1バランと、
第2入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第2バランと、
リングダイオードと、
第1バランとリングダイオードとの間に設けられ第1バラン側端部が互いに接続された一対の結合回路とを備え、
第1入力ポート及び第2入力ポートのいずれか一方にマイクロ波信号が入力され、いずれか他方にローカル信号が入力され、
第1バランからの平衡信号が前記一対の結合回路を通過してリングダイオードに供給されると共に第2バランからの平衡信号がリングダイオードに供給されるようになっており、
第1入力ポートと第2入力ポートから入力されリングダイオードにおいて混合され新たに生成された非平衡の中間周波数信号が一対の結合線路の第1バラン側端部の接続部分を通過して出力されるようになったマイクロ波ダブルバランスミキサにおいて、
第1バランと第2バランは、誘電体基板の一面に形成され前記入力ポートに一端が接続された第1導体と、該第1導体に対向して誘電体基板の他面に形成され一端が接地された第2導体と、第1導体の他端に一端が接続され他端が接地されて第1導体とほぼ同じ長さを持つ第3導体と、からそれぞれ構成され、第1導体の他端または第2導体の他端と第3導体の一端とから平衡信号を出力するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記一対の結合回路のそれぞれの一方の結合線路の反第1バラン側の端部が、抵抗を介して接地されることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、第1入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第1バランと、
第2入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第2バランと、
リングダイオードと、
第1バランとリングダイオードとの間に設けられ第1バラン側端部が互いに接続された一対の結合回路とを備え、
第1入力ポート及び第2入力ポートのいずれか一方にマイクロ波信号が入力され、いずれか他方にローカル信号が入力され、
第1バランからの平衡信号が前記一対の結合回路を通過してリングダイオードに供給されると共に第2バランからの平衡信号がリングダイオードに供給されるようになっており、
第1入力ポートと第2入力ポートから入力されリングダイオードにおいて混合され新たに生成された非平衡の中間周波数信号が一対の結合線路の第1バラン側端部の接続部分を通過して出力されるようになったマイクロ波ダブルバランスミキサにおいて、
前記一対の結合回路のそれぞれの一方の結合線路の反第1バラン側の端部が、抵抗を介して接地されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、第1バラン及び第2バランを、誘電体基板の一面に形成され入力ポートに一端が接続された第1導体と、該第1導体に対向して誘電体基板の他面に形成され一端が接地された第2導体と、第1導体の他端に一端が接続され他端が接地されて第1導体とほぼ同じ長さを持つ第3導体とから構成することにより、第1導体の他端または第2導体の他端と第3導体の一端とから平衡信号を出力することを補償することができる。このため、リングダイオードをマイクロ波及びローカル波の補償された平衡信号によって駆動することができ、アイソレーション特性を向上させることができ、スプリアス成分の発生を抑えることができる。
【0011】
請求項2及び3記載の本発明によれば、ミキサ内で発生する高調波を抵抗で吸収させることができるために、高調波の反射を防ぐことができる。このため、これらの高調波に起因して結合回路を通過して、中間周波出力ポートに現れるスプリアス成分を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るマイクロ波ダブルバランスミキサを表す回路であり、図2は図1の回路の具体例を表す平面図である。
【0013】
図において、10は第1入力ポート、12は第1入力ポート10からの非平衡信号を平衡信号に変換するバラン、14は第2入力ポート、16は第2入力ポート14からの非平衡信号を平衡信号に変換するバラン、18はバラン12からの平衡信号とバラン16からの平衡信号とを混合するリングダイオード、20、22はリングダイオード18とバラン12との間に設けられた一対の結合回路、24は結合回路20、22の中間点から取り出される中間周波出力ポートである。
【0014】
図2に示すように、これらの機械要素は、主として、誘電体基板30の表面30aと裏面30bとにエッチング加工により形成された導体から構成され、裏面30bの周縁は接地導体30cとなっている。誘電体基板30は、外導体となる金属製ケース(不図示)内に設置される。
【0015】
結合回路20は、誘電体基板30の表面30aと裏面30bにそれぞれ形成された結合線路20aと結合線路20bからなり、結合回路22は、誘電体基板30の表面30aと裏面30bにそれぞれ形成された結合線路22aと結合線路22bからなる。
【0016】
バラン12、16は、テーパバランではなくそれぞれ補償型バランを用いる。
【0017】
即ち、バラン12は、図2〜図4に示すように、誘電体基板30の表面30aに形成されて一端が第1入力ポート10に接続される導体12aと、誘電体基板30の裏面30bに導体12aと対向して形成され、導体12aよりも幅広で一端が接地導体30cに接続された導体12bと、誘電体基板30の裏面30bに形成され導体12aの他端にスルーホール12dを介してその一端が接続された導体(スタブ)12cと、から構成される。導体12aと導体12cの長さはほぼ等しく設定され、導体12cの他端は接地導体30cに接続される。図示のように導体12aと導体12cとは、互いの接続点に関して反対する方向に延びていると互いの干渉がなく好適である。導体12a、12b、12cの長さは、第1入力ポート10に入力される信号の中心周波数の約λ/4程度の長さであるとよい。
【0018】
この導体12aに接続され導体12aとほぼ同じ長さのスタブである導体12cがあることによって、導体12aの他端または導体12cの一端と導体12bの他端には、グランドレベルに対して逆位相、等振幅の平衡モードが現れることが補償される。そして、導体12cの一端が前記結合回路20の結合線路20bの一端に接続され、導体12bの他端が前記結合回路22の結合線路22bの一端に接続される。
【0019】
また、バラン16は、図2〜図4に示すように、誘電体基板30の表面30aに形成されて一端が第2入力ポート14に接続される導体16aと、誘電体基板30の裏面30bに導体16aと対向して形成され、導体16aよりも幅広で一端が接地導体30cに接続された導体16bと、誘電体基板30の表面30aに形成され導体16aの他端にその一端が接続された導体16cと、から構成される。導体16aと導体16cの長さは等しく設定され、導体16cの他端はスルーホール16dを介して接地導体30cに接続される。導体16a、16b、16cの長さは、第2入力ポート14に入力される信号の中心周波数の約λ/4程度の長さであるとよい。
【0020】
この導体16aに接続され導体16aとほぼ同じ長さのスタブである導体16cがあることによって、導体16aの他端または導体16cの一端と導体16bの他端には、グランドレベルに対して逆位相、等振幅の平衡モードが現れることが補償される。そして、導体16cの一端が、リングダイオード18の第1接続点18aに接続され、導体16bの他端がスルーホール16eを介してリングダイオード18の第3接続点18cに接続される。
【0021】
前記結合回路20の結合線路20aの一端は、リングダイオード18の第2接続点18bに接続され、前記結合回路22の結合線路22aの一端は、リングダイオード18の第4接続点18dに接続される。また、結合線路20a、22aのそれぞれのバラン12側の他端は互いに接続されて、さらに中間周波出力ポート24に接続される。
【0022】
リングダイオード18の第1接続点18a〜第4接続点18dのそれぞれの間にはダイオードが接続されて、リング状に配置される。
【0023】
また、結合回路20の結合線路20bと結合回路22の結合線路22bの反バラン12側の他端は、接地導体30cに接続される。
【0024】
以上のように構成されるマイクロ波ダブルバランスミキサにおいては、第1入力ポート10と第2入力ポート14のいずれか一方にマイクロ波信号が入力され、いずれか他方にローカル信号が入力される。例えば、マイクロ波信号及びローカル信号としては、3〜15GHz程度の周波数の信号とすることができる。好ましくは、バランから直接リングダイオード18に接続される第2入力ポート14にマイクロ波信号を入力し、バランから結合回路20、22を介してリングダイオード18に接続される第1入力ポート10にローカル信号を入力するとよい。
【0025】
リングダイオード18では、ダイオードのスイッチング動作によりミキシングが行われ、中間周波信号が発生する。
【0026】
周波数の低い中間周波信号に対して、結合回路20、22の結合容量のインピーダンスが高いために結合回路20、22によるローパスフィルタ作用により、中間周波信号は、結合回路20、22において結合されずに通過し中間周波出力ポート24から出力される。
【0027】
バラン12、16によって逆位相、等振幅の平衡モードが補償され、平衡マイクロ波信号と平衡ローカル信号とが、リングダイオード18において、それぞれ直交して接続されるために、マイクロ波信号とローカル信号との間のアイソレーション及びローカル信号と中間周波信号との間のアイソレーションを確保することができ、スプリアスの発生を抑えることができる。
【0028】
図5は、本発明の第2実施形態に係るマイクロ波ダブルバランスミキサを表す回路であり、図6は図5の回路の具体例を表す平面図、図7はその斜視図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同一・同様の部品は同一の符号を付してその詳細説明を省略する。
【0029】
この第2実施形態では、結合回路20の結合線路20bと結合回路22の結合線路22bの反バラン12側の他端を、直接接地導体30cに短絡する代わりに、抵抗26、28を介して接地導体30cに接続している。抵抗26、28は単一の抵抗で構成することも可能であるが、回路のバランスに鑑み、並列に2個設けるとよい。例えば、抵抗は0〜200Ωの間で適宜調整するとよい。
【0030】
抵抗26、28を介さずに結合回路20の結合線路20bの他端と結合回路22の結合線路22bの他端を直接接地する場合、リングダイオード18において発生するマイクロ波fRF及びローカル波fLoの高調波(m×fRF、n×fLo)に対しては、結合回路20、22において直結されて、グランドに短絡されたのと等価になる。この高調波の反射波がリングダイオード18に再入力し、反射が繰り返されることにより、リングダイオード18において発生するスプリアス成分が増加するおそれがある。
【0031】
しかしながら、結合回路20、22を抵抗26、28で終端することにより、かかる高調波を吸収し、高調波の反射を防ぐことができる。このため、これらの高調波に起因して結合回路20、22を通過して、中間周波出力ポート24に現れるスプリアス成分(m×fRF−n×fLo、n×fLo−m×fRF)を低減させることができる。
【0032】
図8〜10は、本発明の第3実施形態に係るマイクロ波ダブルバランスミキサを表す回路である。この第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と同一・同様の部品は同一の符号を付してその詳細説明を省略する。
【0033】
この第3実施形態では、補償型バラン12の他の例を表しており、バラン12は、誘電体基板30の表面30aに形成されて一端が第1入力ポート10に接続されて他端が開放された導体12aと、誘電体基板30の裏面30bに形成され、導体12aよりも幅広で一端が接地導体30cに接続されて導体12aの一端側から導体12aの約半分の長さまで導体12aと対向して延びる導体12bと、誘電体基板30の裏面30bに形成され、導体12aよりも幅広で一端が接地導体30cに接続されて導体12aの他端側から導体12aの残りの半分の長さまで導体12aと対向して延びる導体12cと、から構成される。導体12bと導体12cの長さはほぼ等しく、第1入力ポート10に入力される信号の中心周波数の約λ/4程度の長さであるとよい。
【0034】
このように導体12aと結合する導体12cがあることにより、導体12cの他端と導体12bの他端には、グランドレベルに対して逆位相、等振幅の平衡モードが現れることが補償される。そして、導体12cの他端が前記結合回路20の結合線路20bの一端に接続され、導体12bの他端が前記結合回路22の結合線路22bの一端に接続される。
【0035】
また、結合回路20の結合線路20bと結合回路22の結合線路22bの反バラン12側の他端は、直接接地導体30cに短絡するか、または、図示のように、抵抗26、28を介して接地導体30cに接続することができる。
【0036】
この構成によっても、バラン12によって第1実施形態または第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0037】
図11は、第2実施形態の抵抗26、28を設けた場合と抵抗26、28を設けない場合の基本成分(fLo−fRF)と中間周波出力ポート24に現れるスプリアス成分(m×fRF−n×fLo、n×fLo−m×fRF)を表すグラフである。ローカル波を6GHzとしており、抵抗26、28を各100Ω、合成抵抗を50Ωとし、結合回路20、22によるカットオフ周波数を3GHzとしている。図11から、結合回路20、22によるローパスフィルタを通過するほとんどのスプリアス成分を低減させることができることが分かる。
【0038】
次に、図12は、第2実施形態のスタブである導体12cによるスプリアス成分低減効果を確認するため、バラン12において導体12cを設ける場合と導体12cを設けない場合の基本成分(fLo−fRF)とスプリアス成分(m×fRF−n×fLo、n×fLo−m×fRF)を表すグラフである。抵抗26、28を各100Ω、合成抵抗を50Ωとし、結合回路20、22によるカットオフ周波数を3GHzとしている。また、図13は、導体12cを設けた場合のアイソレーション特性、図14は、導体12cを設けない場合のアイソレーション特性である。
【0039】
図12〜図14により、導体12cを設けることによりバラン12から平衡モードが現れることが補償され、アイソレーション特性が向上させることができ、不平衡モードを起因するスプリアス成分を概ね低減させることができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係るマイクロ波ダブルバランスミキサを表す回路である。
【図2】図1の回路の具体例を表す平面図である。
【図3】図2の回路の基板の表側から見た斜視図である。
【図4】図2の回路の基板の裏側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマイクロ波ダブルバランスミキサを表す回路である。
【図6】図5の回路の具体例を表す平面図である。
【図7】図5の回路の基板の裏側から見た斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るマイクロ波ダブルバランスミキサの具体例を表す平面図である。
【図9】図8の回路の基板の表側から見た斜視図である。
【図10】図8の回路の基板の裏側から見た斜視図である。
【図11】抵抗26、28を設けた場合と抵抗26、28を設けない場合の基本成分(fLo−fRF)とスプリアス成分を表すグラフである。
【図12】第2実施形態の導体12cによるアイソレーション効果を確認するために、バラン12において導体12cを設ける場合と導体12cを設けない場合の、基本成分(fLo−fRF)とスプリアス成分を表すグラフである。
【図13】第2実施形態のバラン12において導体12cを設ける場合のアイソレーション特性を表すグラフである。
【図14】第2実施形態のバラン12において導体12cを設けない場合のアイソレーション特性を表すグラフである。
【図15】テーパバランの平面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 第1入力ポート(ローカル波入力ポート)
12 バラン(第1バラン)
12a 導体(第1導体)
12b 導体(第2導体)
12c 導体(第3導体)
14 第2入力ポート(マイクロ波入力ポート)
16 バラン(第2バラン)
16a 導体(第1導体)
16b 導体(第2導体)
16c 導体(第3導体)
18 リングダイオード
20 結合回路
20a、20b 結合線路
22 結合回路
22a、22b 結合線路
24 中間周波出力ポート
26、28 抵抗
30 誘電体基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第1バランと、
第2入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第2バランと、
リングダイオードと、
第1バランとリングダイオードとの間に設けられ第1バラン側端部が互いに接続された一対の結合回路とを備え、
第1入力ポート及び第2入力ポートのいずれか一方にマイクロ波信号が入力され、いずれか他方にローカル信号が入力され、
第1バランからの平衡信号が前記一対の結合回路を通過してリングダイオードに供給されると共に第2バランからの平衡信号がリングダイオードに供給されるようになっており、
第1入力ポートと第2入力ポートから入力されリングダイオードにおいて混合され新たに生成された非平衡の中間周波数信号が一対の結合線路の第1バラン側端部の接続部分を通過して出力されるようになったマイクロ波ダブルバランスミキサにおいて、
第1バランと第2バランは、誘電体基板の一面に形成され前記入力ポートに一端が接続された第1導体と、該第1導体に対向して誘電体基板の他面に形成され一端が接地された第2導体と、第1導体の他端に一端が接続され他端が接地されて第1導体とほぼ同じ長さを持つ第3導体と、からそれぞれ構成され、第1導体の他端または第2導体の他端と第3導体の一端とから平衡信号を出力するものであることを特徴とするマイクロ波ダブルバランスミキサ。
【請求項2】
前記一対の結合回路のそれぞれの一方の結合線路の反第1バラン側の端部が、抵抗を介して接地されることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波ダブルバランスミキサ。
【請求項3】
第1入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第1バランと、
第2入力ポートに入力された非平衡信号を平衡信号に変換する第2バランと、
リングダイオードと、
第1バランとリングダイオードとの間に設けられ第1バラン側端部が互いに接続された一対の結合回路とを備え、
第1入力ポート及び第2入力ポートのいずれか一方にマイクロ波信号が入力され、いずれか他方にローカル信号が入力され、
第1バランからの平衡信号が前記一対の結合回路を通過してリングダイオードに供給されると共に第2バランからの平衡信号がリングダイオードに供給されるようになっており、
第1入力ポートと第2入力ポートから入力されリングダイオードにおいて混合され新たに生成された非平衡の中間周波数信号が一対の結合線路の第1バラン側端部の接続部分を通過して出力されるようになったマイクロ波ダブルバランスミキサにおいて、
前記一対の結合回路のそれぞれの一方の結合線路の反第1バラン側の端部が、抵抗を介して接地されることを特徴とするマイクロ波ダブルバランスミキサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−130105(P2010−130105A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300102(P2008−300102)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000003388)東京計器株式会社 (103)