説明

メジャー、または定規によるサインバー。

【課題】・従来の回転式サインバーは、角度を設定する手段として、ノギスや、機種に依り、様々な大、小ブロックを用い、しかも、三角関数の計算により求めていた。
次に上板を支える下部の架台部が、固定しているため、重量ワークへの対応には、変形等の問題があった。一般にサインバーの幅が狭く、幅広なワークへの対応には均一加工に問題が生じやすかった。
【解決手段】・角度の設定には、諸道具を用いず、装置されているメジャー又は、専用の角度付、定規を読むことにより、解決した。ワークを支える架台は角度の変化により、移動する機構とし、圧力のバランスが均等になるよう心掛けた。
サインバーの幅は、上板部を、コの字型状とし、かつ密着する下部基板、幅広な可動架台部等の合成により、軽量で、圧力に強く、歪みのない、正確な、サインバーを構築したことに依り、その利便性は、高まった。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明に属する技術分野】
【0001】
本発明は、主として工作機械を用いて、行う精密な、角度の測定や、加工、ケガキ、等を行うときに使用することを目的とした回転式サインバーで、その角度の設定に、メジャー、または、定規を用いる装置。
【背景技術】
【選考技術分野】
【0002】
従来の回転式サインバーは(特開2006−125977)、上部に位置する回転ベース(図4参照)1と、角度伝達バー6との接触部分が、可動固定ピン5、で固定されているため、仮にワークが重量物でしかも、低角度の設定を必要とした場合には、下方にかかる圧力はワークの重さ総てになりますが、既存の機種は固定ピンによって、その位置が移動しないため、下部に支えのない頂部付近での回転ベースに加わる下降圧力は大きく、結果として歪みが出やすく、誤った角度になる要素を含んでいる(図4の2参照)。
【0003】
また機種によっては大小さまざまなブロックを用いて角度設定と,上板の歪み、防止を、兼ね備えた機種もありますが(特開平1−197601)、ブロック自体がネジなどで固定されていないため、低角度や高角度(10度以下または60度以上)時の設定にはブロックの選定を含め慎重な対応が求められる(図5,6の8、9参照)。
【0004】
上記機種の、その他様々な問題点については、(特開2006−125977)の(0002、0003)の項でも各種問題点を述べておられますが、本発明は特開125977機種の改良申請のため、この機種以前の似通った機種の問題点(特開平1−197601)については、その内容の一部を省略させていただきます。
【0005】
上記に述べたごとく既成の回転式サインバーには、それぞれ異なった問題点がありますが、その他に角度の設定には、距離測定用の、ノギスや、マイクロメーター、を必要とし、その測定値を基にいずれの機種も三角関数計算によって得られた数値を以って目的とする角度としている。
【0006】
次に正確なる角度設定について、前記に記載された各種の備品を用いて求められた角度もその確認には、再度の測定や計算に頼るしかなく、それとて勘違いという項目からは、回避できず絶対的な間違い防止を必要とする場合には、機構の違う他のサインバーによる確認を必要とする。
【0007】
機種により、若干の違いはありますが、相対的にサインバーの幅が狭く、幅広なワークの加工設定には、手前と奥とでワークの高さの違いによる誤加工を防ぐために、より慎重さを求められるのが現状である。
【0008】
【特許文献1】 特開2006−125977
【特許文献2】 特開平1−197601
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の回転式サインバーは、機種により、若干の違いはありますが、必要とする角度の設定には、ノギス、マイクロメーター、又は,さまざまな異なるブロックゲージ等(図、5、6、の8番、9番)が必要でしかも、共通項として三角関数による計算を求められる。
また機種によっては上記に述べたごとく、高、低角度時や幅広ワーク等への対応には様々な防止対策を求められ、しかも設定した角度に、確信を持つには、再度の、測定、計算、あるいは、他の分度器を用いての、確認と、さまざまな不便さを持ち合わせている。
しかも小ロットで角度の違う製品加工を行う、等に至っては、その都度上記に述べた行程を踏まねばならず、精神面を含めて大きな負担となっている。
また数日経過しての、再使用には確認のために場合によっては再測定等の実施も必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明は、上記のような様々な諸道具を使用せず、簡単、迅速、そして間違いなく正確な角度を得るために、次のように構築した。
従来と同じく、(図2参照)回転ベース2と基準ベース1とを、支点ピン13で接続しますが、つないだ後、新規に駆動ネジシャフト(3)を設けた点である。
図2で示すとおり駆動ネジシャフトは回転によって、基準ベース1の左側面に設けたユニバーサルナット(12)の中を通過しながら、上昇しスライスバン上部に同じく設けられた、ユニバーサルジョイント(10)の中心部に空けた、穴に達し空転する。この空転により、ナットとジョイント(10,12)の距離が変化する。その変化に伴い接触しているスライス版の、上部にある回転ベース、が同時に上下するため図2、3でわかる通り、シャフトの回転により、回転ベースは角度変化を構築する。
【0011】
目的とする角度の設定には、ネジシャフトの回転により、上下する回転ベースの左端面に取り付けられた、メジャーまたはメジャーと同位地で測定する添付の専用定規を用いて角度の読み取りを行う装置(図2の4、図1の1)。
メジャーについては読み取り位置の脇を通りながら(6)、基盤下部に設けたテープ通過溝を経て、メジャー巻き取り装置に収納され、定規については使用後取り外す装置(図2の5)
【0012】
回転式サインバー、に限らず一般的に各種サインバーの幅は狭く、幅広なワークの角度加工には、手前と奥とでワークの高さの違いによる加工ミスを防ぐため必要以上の注意を要し、そして多数個の場合には、不揃いによる加工ミスの恐れを同じく防ぐために、当ワーク専用の冶具を、作成し対応しているのが現状であることを踏まえ、精度を維持しながらの幅広なサインバー加工の難点さを意識しつつ、利点の多い幅の広いサインバーを構築した。
この幅広形状の構築により、今までは必要としていた、幅広な専用冶具の作成の大幅な減少に貢献するとともに、小さなワークにおいても加工形状により適した冶具を必要とすることを想定し、それらの冶具が簡単に回転式サインバー上に取り付けできるよう、サインバー上部に多数のタップ穴をもうけた(図2の7)。
【0013】
前記[0002]で述べたごとく、従来の機種によっては、低角度の設定を必要とした場合い、構造上サインバーが歪む恐れを、述べましたが、この点について図2と図4、を比較すれば解るとおり、回転式サインバーを受け止める支点が、設定する角度によって移動するか、否か、ともう一点、回転式サインバーの形をコの字形状にした点にある。
支点が移動する本発明品は、低角度になるほど、構造上支点が、端面方向に移動するため重量物の受け応えには、バランスも含めなんら問題は発生しないが、既存の固定ピン方式では不安定さと、バー上方部には屈折を含む歪みの恐れに杞憂する。
【0014】
前記で述べた回転ベースのコの字形状については、建築に多く採用されている鉄骨の形状で判るとおり、形状にコノ字加工を用いることにより、軽量でしかも各種の圧力に強く、そしてコノ字に密接に接するように構築した基準ベースの、接合により、求められる強度と、歪み防止、そして軽量による扱い安さなぞ、多くの要件を保持しながら、利点の多い幅の広いベース構造に構築した装置である(図2の2参照)。
【発明による成果】
【0015】
現在各種の回転式サインバーにより必要な角度を設定するには、前記に述べたごとく機種により様々な冶工具を必要とする。しかも一様に関数計算を経なければ角度の設定が出来ない状況である。また一般的に機種の幅が狭いために幅の広いワークへの対応に苦慮している。
そして実際に使用するに当たっては、測定ミスや、計算ミス防止等のために多くの、緊張を必要としているが、これらに述べられた多くの問題点を、本発明は装着されているネジシャフトを回転させることにより解決をした。
ネジの回転に連動して動くメジーの目盛り、または専用の定規によって、示される目盛りを、目視することにより目的の角度を確認できるため、既存の各種冶具を用いたり、計算したりの、わずらわしさや、角度によっての歪み、そして想定される様々な計算ミスからは一切開放される画期的な機種である。
特に単品物で、角度の異なる製品への対応については、その利便性は図り知れない。
【0016】
本機種は、機種の幅を広く構築しそして回転ベース上面に様々な特殊冶工具が簡単に設置できるよう、多数のメスネジを設けたため、ワークの大小、長短、角度の高低等いずれの異なるワーク形態にも流れるが如く、すむうずに対応出来る、画期的な機種である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 専用の定規図
【図2】 本発明の構造を分かりやすく、するために描いた鳥海図。
【図3】 同製品の低角度側面図
【図4】 既製品の側面図
【図5】 既製品の側面図
【図6】 その展開図
【符号の説明】
【0018】
図1の1、専用定規。
図2、1、基準ベース 2、回転ベース 3、駆動ネジシャフト 4、メジャー又は定規 5、メジャー巻き取り装置 6、角度読み取り部 7、各種補助版の取りつけネジ 8、ユニバーサルジョイントと、スライス版とを接合する可動ピン 9、スライド版 10、ユニバーサルジョイント 11、スライス版と基準ベースとを接合するピン 12、ユニバーサルナット 13、支点ピン 14、メジャーの先端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準ベースと回転ベースとを、回転ピンで結び、且つスライド版を介して設けられた、ユニバーサルジョイント、そのジョイントに差し込まれた、全ネジシャフト、そのシャフトに加わった圧力を、基準ベースに伝えるべく受け止めるユニバーサルナット、これらの作用に基づき、必要なる角度を構築する装置。
【請求項2】
必要とする角度の読み取りには、従来用いてきたノギス、マイクロメーター、計算機あるいは多数のブロックゲージ(図5,6の8,9)なぞを用いず、ネジの回転により上下動を行う上部回転ベースと下側にある、基準ベースとの開口部を結ぶ、メジャー(図2の4)での読み取り、又は当機種、専用の定規(図1の1)による読み取り、により目的とする角度を構築する装置。
【請求項3】
上部回転ベースに、軽量でしかも必要とする方向に強い強度を持つ、コの字型形状を採用することにより、基準ベースとの密着とあいまって、利便性の高い正確で幅広なサインバーを構築した装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−59092(P2011−59092A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232819(P2009−232819)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(509278184)株式会社深田工業 (2)
【Fターム(参考)】