説明

メリヤス針およびその製造方法

【課題】ベラを回動自在に支えるリベット部の左右のリベット周面にできるだけ負荷が均等にかかるようにすると同時に、突き合わせ先端面の周縁エッジをできるだけ鋭角な角状に形成し、より広いリベット周面積でベラ穴を支持できるようにしたメリヤス針とその製造方法を提供する。
【解決手段】リベット部25によって針本体2に回動自在に支持されたベラ3を備えたメリヤス針1において、リベット部25はベラ基端部を挿入された溝部5の左右の溝壁5a,5bを塑性変形によってベラ穴3a内に押し込むことにより形成し、該左右の溝壁5a,5bの塑性変形によって形成されたリベット部25の突き合わせ先端面25a,25bにそれぞれ複数個の突出部を備え、該左右の突出部同士を互いにすき間無く接する状態で噛み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針本体に回動自在に支持されたベラを備えたメリヤス針とその製造方法に関し、特にベラを回動自在に支持するリベット部の構造に特徴を有するメリヤス針とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8に、メリヤス針の一般的な構造を示す。図示するように、メリヤス針1は、細長く伸びた針本体2と、この針本体2の先端側に位置して回動自在に支持されたベラ3とから構成されている。針本体2の先端はU字形に折り返されてフック部4とされ、回動するベラ3の先端がこのフック部4と係合することにより、フック部4を開閉するようになっている。ベラ3は、フック部4の近傍に形成された溝部5内にその基端部を挿入され、リベット部6によって回動自在に支持されている。
【0003】
図9に、前記リベット部6の部分の拡大断面図を示す。リベット部6は、ベラ3の基端部のベラ穴3aに溝部5の左右の側壁5a,5bを組成変形させて押し込むことにより形成されており、この塑性変形によって形成されたリベット部6でベラ3を回動自在に支持している。
【0004】
図10に、前記リベット部6の製造方法を示す。先端を傾斜面7a,7bとされた左右一対のリベット加工用ピン8a,8bを用意し、このリベット加工用ピン8a,8bをリベット軸9上で180度回転させた状態で対向配置する。そして、この左右一対のリベット加工用ピン8a,8bを図示しないプレス装置などによって溝部5の左右の側壁5a,5bに向けて押し込んでいくことにより、左右の側壁5a,5bを塑性変形させてベラ基端部のベラ穴3a内に押し込み、図9に示すような形状のリベット部6を形成する。
【0005】
上記のようにして形成されたリベット部6の突き合わせ先端面の形状は、リベット加工用ピン8a、8bの先端面と同じ傾斜面形状となる。この傾斜面形状からなるリベット部6の利点は、ベラ穴3aに対して広い周面積で接することができ、ベラ3を安定した状態で支持できることである。しかし、ベラ3の回転時に遠心力F(図9参照)が働くと、ベラ3の回転位置によってはリベット部6の左右のリベット周面6a,6bのうち、片側のリベット周面6aまたは6bだけで遠心力を支える場合が出てくる。こうなると片側のリベット周面だけに大きな負荷がかかり、該部の摩耗が速くなってメリヤス針の寿命を短くしてしまう可能性がある。
【0006】
左右のリベット周面6a,6bに均等に負荷がかかるようにするには、図11に示すように、先端面が平らで平行なリベット加工用ピン10a,10bを用いることにより、突き合わせ先端面が平らで平行なリベット部11を形成し、これによって左右のリベット周面11a,11bに均等に負荷がかかるようにすることである。しかし、この先端面が平らで平行なリベット部11の欠点は、先端エッジ部11c,11dの部分が鋭角にならずにダレてしまい、ベラ穴3aとの接触面積がその分だけ小さくなってしまう点である。
【0007】
上記ダレの原因は、先端面が平らで平行なリベット加工用ピン10a,10bを用いているため、加圧成形時の側壁5a,5bの塑性流動がよくないためである。この塑性流動という観点だけからみれば、先端を傾斜面とされた図10のリベット加工用ピン8a,8bの方が優れている。
【0008】
最も望まれるのは、加圧成形されたリベット部の左右のリベット周面にかかる負荷がベラの回転方向によらず均一で、かつ、左右のリベット周面の先端エッジがしっかりと残って左右のリベット周面が密着状態で接していることである。最近では、このような要求を満たすベラ針の発明も提案されている(特許文献1参照)。しかし、この発明の場合でも、リベット加工用ピンの先端面は平らとされているため、塑性流動だけについて考えれば、先端面を大きな傾斜面とされた前記図10のリベット加工用ピン8a,8bの方が優れている。また、リベット加工用ピンの先端周縁を尖らせることによって加圧成形時の塑性流動を改善したものも示されているが、この場合でも図9の場合と同様にベラの回転位置によっては左右どちらかのリベット周面だけで負荷を支えてしまっているものもあり、上記問題は完全には解消されていない。
【0009】
【特許文献1】特開2000−303332号公報(明細書全文、図面全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記したように、従来のメリヤス針は、片側のリベット周面だけで負荷を支持することがあるという機能上の問題と、リベット部成型時の塑性流動性が良くないという加工上の問題を抱えている。そこで、本発明は、ベラを回動自在に支えるリベット部の左右のリベット周面にできるだけ負荷が均等にかかるようにすると同時に、突き合わせ先端面の周縁エッジをできるだけ鋭角な角状に形成し、より広いリベット周面積でベラ穴を支持できるようにしたメリヤス針とその製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は次のような手段を採用した。
すなわち、請求項1に係る発明は、リベット部によって針本体に回動自在に支持されたベラを備えたメリヤス針において、前記リベット部はベラ基端部を挿入された溝部の左右の溝壁を塑性変形によってベラ穴内に押し込むことにより形成されており、該左右の溝壁の塑性変形によって形成されたリベット部の突き合わせ先端面はそれぞれ複数個の突出部を備え、該左右の突出部同士が互いにすき間無く接する状態で噛み合わされていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係るメリヤス針の製造方法であって、ピン先端面に所定形状からなる複数個の突出部を形成された左右一対のリベット加工用ピンを用意し、該左右一対のリベット加工用ピンをピン先端面の突出部同士が互いにすき間無く接して噛み合うようにリベット軸に対して所定角度だけずらして対向配置し、該対向配置した左右一対のリベット加工用ピンを、ベラ基端部を挿入された溝部の左右の溝壁に向けて押し付けていき、該左右の溝壁をピン先端面で塑性変形させながらベラ基端部のベラ穴内に押し込んでいくことにより、ベラ穴内に左右のリベット加工用ピンのピン先端面と相似な形状の突き合わせ先端面からなるリベット部を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1のメリヤス針によれば、リベット部の左右の突き合わせ先端面に形成された複数個の突出部同士が互いにすき間無く接して噛み合っているので、リベット部の周面積を最大限に取ることができると同時に、ベラの回動位置がどこであっても常に左右のリベット周面でベラを支持することができる。このため、単位周面積当たりの摩擦力を小さくすることができると同時に、ベラから作用する負荷が一方のリベット周面だけに作用するようなことが無くなり、メリヤス針の寿命を延ばすことができる。
【0014】
また、請求項2のメリヤス針の製造方法によれば、ピン先端面に複数個の突出部を形成したリベット加工用ピンを用いてリベット部を形成するようにしたので、加圧成形に押圧力が突出部に集中し、溝壁の塑性流動性を高めることができる。このため、リベット部の突き合わせ先端面の周縁エッジを鋭角に形成することができ、ベラを支えるリベット部の周面積を最大限に取ることができる。また、ピン先端面の突出部同士が互いにすき間無く接して噛み合うように左右一対のリベット加工用ピンをリベット軸に対して所定角度だけずらして対向配置し、加圧成形するようにしたので、リベット部の左右の突き合わせ先端面をすき間無くピッタリと合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3に、本発明のメリヤス針とその製造方法の一実施の形態を示す。
図1は本発明のメリヤス針の製造方法の説明図であって、(a)はベラ基端部と溝部分の拡大斜視図、(b)はリベット加工用ピンの拡大斜視図、(c)はリベット加工用ピンの側面図である。図2はリベット加工用ピンの先端面形状の説明図、図3は図1の製造方法によって得られたリベット部の拡大断面図である。なお、従来例(図8〜図11)と同一の部分には同一の符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
【0016】
本発明は、前述した従来のメリヤス針の製造方法と同様な製造方法において、リベット加工用ピンの先端面形状を従来のものとは異なる特有な形状とすることにより、ベラ3の回転位置にかかわらず常に左右のリベット周面でベラの遠心力を受けることができると同時に、突き合わせ先端面の周縁エッジが鋭角なリベット部を得たものである。
【0017】
すなわち、図示例に係る実施の形態の場合、図1に示すように、左右一対のリベット加工用ピン21a,21bのピン先端面22a,22bの形状として、円柱状をしたピンの先端部を所定半径からなる円弧面でリベット軸9と直行する方向から押し切った、いわゆる円弧面を採用したものである。
【0018】
そして、この円弧面からなるピン先端面22a,22bを備えた左右一対のリベット加工用ピン21a,21bをリベット軸9に対して90度ずらして対向配置し、両先端面を突き合わせたときに、左右のピン先端面22a,22bの外周縁の凹凸が互いにピッタリと接して噛み合うように配置する。なお、円弧面からなるピン先端面22a,22bを90度ずらした状態で突き合わせた場合、中心のリベット軸9付近に僅かな空隙部が生じるが、ピン先端面の外周縁の凹凸がピッタリと接して噛み合う限り何ら問題はない。
【0019】
前記ピン先端面22a(22b)に形成する円弧面は、図2にその拡大断面図を示すように、突出部23a,23b(24a,24b)の傾斜角θ1,θ2を0度よりも大きく、90度未満とする。溝壁の厚さや材質、リベット部の径などによって制限はされるものの、理想的な傾斜角θ1,θ2は塑性流動性が良好な45度である。前記傾斜角θ1,θ2は等しいことが望ましいが、必ずしも等しくする必要はなく、θ1≠θ2、すなわちリベット軸9に対して上下非対称な円弧面形状であってもよい。要は、向かい合った左右のピン先端面22a,22bの外周縁の凹凸が互いにピッタリと接して噛み合う形状であればよい。
【0020】
なお、円弧面の凹凸高さhをベラ3の板厚t(図3参照)と同じ程度に設定した場合、ベラ3の回転位置によっては従来と同様に一方のリベット周面だけでベラ3を支持する場合が出てくる。従って、円弧面の凹凸高さhは、ベラ3の板厚tよりも小さくする必要がある。望ましくは、ベラ3の板厚tの1/4〜1/2程度とする。この範囲に設定すれば、ベラ3がどの回転位置にある場合でも常に左右のリベット周面で支持することができる。
【0021】
次に、上記リベット加工用ピン21a,21bを用いた本発明のリベット部の製造方法を説明する。
【0022】
まず、図1(a)に示すように、左右一対のリベット加工用ピン21a,21bを、円弧面からなるピン先端面22a,22bがリベット軸9に対して互いに90度の角度で交差するように対向配置する。また、ベラ3をそのベラ穴3aがリベット軸9に一致するように針本体2の溝部5内に挿入配置する。
【0023】
上記のように配置した後、左右一対のリベット加工用ピン21a,21bをプレス装置(図示略)などを用いて溝壁5a,5bに向けて押圧していく。リベット加工用ピン21a,21bの先端が溝壁5a,5bに接すると、溝壁5a,5bは円弧面状をしたピン先端面22a,22bによって押圧され、塑性変形しながらベラ穴3a内に向かって押し込まれていく。
【0024】
リベット加工用ピン21a,21bが所定の位置まで完全に押し込まれると、塑性変形した溝壁5a,5bの部分がベラ穴3a内に入り込み、図3に示すように、ピン先端面22a,22bと相似な形状をした突き合わせ先端面25a,25bを有するリベット部25が形成される。ベラ3は、このベラ穴3a内に突出形成されたリベット部25のリベット周面26a,26bによって回動自在に軸支される。
【0025】
前記加圧成形時、左右のピン先端面22a,22bは、それぞれ突出部23a,23b、突出部24a,24b(図1(b)、図2参照)の部分から溝壁5a,5bに接して押し込んでいく。このため、押圧力がこれらの突出部に集中するので、塑性変形する溝壁5a,5bの流動性が高まり、ベラ穴3a内に突出形成されたリベット部25は、その突き合わせ先端面25a,25bの周縁エッジ27a,27bが鋭く尖った鋭角となる。この結果、左右の突き合わせ端面の周縁の凹凸同士はほとんどすき間無しにピッタリと合わさった状態で接するようになる。このため、左右のリベット周面26a,26bの周面積を最大限に取ることができる。また、常に左右のリベット周面26a,26bがベラ穴3aに接しているので、片側のリベット周面だけで負荷を受けるようなこともなくなる。従って、リベット部25の摩耗速度を小さくすることができ、メリヤス針の寿命を延ばすことができる。
【0026】
図4に、本発明で用いるリベット加工用ピンとリベット部の第2の形状例を示す。この第2のリベット加工用ピン31a,31bは、図4(a)に示すように、ピン先端面にそれぞれ4個の三角形突出部32a〜32d(32c,32dは隠れていて見えない)、33a〜33dを形成したもので、左右一対のリベット加工用ピン31a,31bを突き合わせたときに、前記4個の三角形突出部32a〜32dと33a〜33dの凹凸部が互いにピッタリと噛み合うように、左右のリベット加工用ピン31a,31bをリベット軸9に対して45度ずらして対向配置し、加圧成形するものである。このリベット加工用ピン31a,31bを用いた場合、図4(b)に示すように、突き合わせ面が三角形状をしたリベット部34を形成することができる。なお、符号35a,35bは左右のリベット周面である。
【0027】
図5に、本発明のリベット部構造からなるメリヤス針と、従来のリベット部構造からなるメリヤス針について、各リベット部に作用する最大応力の比較結果を示す。この最大応力とは、ベラ3に図7に示した各回転位置(0°、45°、90°)毎の遠心力Fが作用した場合に、ベラ穴を軸支する図6(a)〜(d)に示した各リベット部が受ける応力の最大値であり、ベラ穴3aとの接触面積のみでなく左右リベットの変形にも影響を受けている。
【0028】
図6(a)は先端面が平らで平行な従来のリベット部11(図11参照)の場合、図6(b)は先端面が傾斜面とされた従来のリベット部6(図9参照)の場合、図6(c)は先端面が円弧面とされた本発明のリベット部25(図3参照)の場合、図6(d)は先端面を4個の三角形突出部で形成した本発明のリベット部34(図4参照)の場合である。なお、比較を容易とするため、図5のグラフは、図6(a)の先端面が平らで平行なリベット部11に作用する応力を基準(100%)としてこれに対する比率で表した。
【0029】
図5から明らかなように、先端面が傾斜面とされた図6(b)の従来のリベット部6の場合には、ベラ3の回動位置によってリベット部に作用する応力が変動するが、図6(c)(d)の本発明のリベット部25,34の場合には、ベラ3から作用する遠心力Fを常に左右のリベット周面で受け止めることができるため、リベット部に作用する応力は、先端面が平らで平行なリベット部11の場合とほぼ同じとなった。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的の範囲内で種々変更することができる。例えば、上記実施の形態では、ピン先端面の凹凸形状を円弧面と三角形突出部を用いた場合について例示したが、これらに限定されるものではなく、対向するピン先端面の外周縁の凹凸が互いにピッタリと接して噛み合う形状であれば、曲線と直線を組み合わせた凹凸形状としてもよい。
【0031】
また、ピン先端の凹凸の突出部の数も2個(図1の円弧面の場合)と4個(図4の三角形突出部の場合)とした場合について例示したが、この突出部の数もこれらに限定されるものではなく、メリヤス針の仕様に応じて2個以上、複数個とすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のメリヤス針とその製造方法の一実施の形態を示すもので、(a)はベラ基端部と溝部分の拡大斜視図、(b)はリベット加工用ピンの拡大斜視図、(c)はリベット加工用ピンの側面図である。
【図2】リベット加工用ピンの先端面形状の説明図である。
【図3】図1の製造方法によって得られたリベット部の拡大断面図である。
【図4】(a)は本発明で用いられるリベット加工用ピンの第2の形状例を示す斜視図、(b)は(a)のリベット加工用ピンによって得られるリベット部の形状を示す斜視図である。
【図5】本発明のリベット部を備えたメリヤス針と、従来のリベット部を備えたメリヤス針におけるリベット部に作用する応力の比較測定図である。
【図6】図5の応力測定で用いたリベット部の形状を示すもので、(a)は先端面が平らで平行な従来のリベット部の模式斜視図、(b)は先端面が傾斜面とされた従来のリベット部の模式斜視図、(c)は先端面が円弧面とされた本発明のリベット部の模式斜視図、(d)は先端面を4個の三角形突出部で形成した本発明のリベット部の模式斜視図である。
【図7】図5の応力測定におけるベラの回転位置の説明図であって、(a)はベラの回転位置が0度の場合、(b)はベラの回転位置が45度の場合、(c)はベラの回転位置が90度の場合をそれぞれ示すものである。
【図8】従来のメリヤス針の斜視図である。
【図9】従来のメリヤス針におけるリベット部の拡大断面図である。
【図10】図9のリベット部の製造方法の説明図である。
【図11】従来のメリヤス針におけるリベット部の他の形状例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 メリヤス針
2 針本体
3 ベラ
4 フック部
5 溝部
5a,5b 溝壁
9 リベット軸
21a,21b リベット加工用ピン
22a,22b ピン先端面
23a,23b 突出部
24a,24b 突出部
25 リベット部
25a,25b 突き合わせ先端面
26a,26b 左右のリベット周面
27a,27b 周縁エッジ
31a,31b リベット加工用ピン
32a〜32d 三角形突出部
33a〜33d 三角形突出部
34 リベット部
35a,35b 左右のリベット周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベット部によって針本体に回動自在に支持されたベラを備えたメリヤス針において、
前記リベット部はベラ基端部を挿入された溝部の左右の溝壁を塑性変形によってベラ穴内に押し込むことにより形成されており、
該左右の溝壁の塑性変形によって形成されたリベット部の突き合わせ先端面はそれぞれ複数個の突出部を備え、該左右の突出部同士が互いにすき間無く接する状態で噛み合わされていることを特徴とするメリヤス針。
【請求項2】
請求項1記載のメリヤス針の製造方法であって、
ピン先端面に所定形状からなる複数個の突出部を形成された左右一対のリベット加工用ピンを用意し、
該左右一対のリベット加工用ピンをピン先端面の突出部同士が互いにすき間無く接して噛み合うようにリベット軸に対して所定角度だけずらして対向配置し、
該対向配置した左右一対のリベット加工用ピンを、ベラ基端部を挿入された溝部の左右の溝壁に向けて押し付けていき、
該左右の溝壁をピン先端面で塑性変形させながらベラ基端部のベラ穴内に押し込んでいくことにより、ベラ穴内に左右のリベット加工用ピンのピン先端面と相似な形状の突き合わせ先端面からなるリベット部を形成することを特徴とするメリヤス針の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−270403(P2007−270403A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99501(P2006−99501)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000104021)オルガン針株式会社 (8)
【Fターム(参考)】