説明

メールボックス管理システム及び方法

【課題】オフィスビルにおいて、入居企業やテナント等の届け先や防災センタ等の負担を軽減し、かつ、セキュリティを確保しながら、休日である場合にも配達人による特定郵便物の配達を可能にし、届け先が営業日にはすみやかに当該特定郵便物を受取る。
【解決手段】配達人カードを共有メールボックスカードリーダ51にかざし、届け先企業の会社名を入力することにより、空きの共有メールボックス53を割り当てて開錠し、郵便物の投函を可能にする。速達/書留などの郵便種別が入力され、共有メールボックス53へ郵便物が投函されると、共有メールボックス53のセンサが郵便物を感知して仮受領証が印刷され、届け先企業の郵便担当者にはメールで通知される。届け先企業の社員は、社員カードを共有メールボックスカードリーダ51にかざして共有メールボックス53を開錠し、郵便物を受取る。押印した受領書は、配達人ボックス装置7により配達人に受け渡す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の企業が集まった施設に設置されるメールボックスを管理するメールボックス管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビルに入居している企業やテナント宛の郵便物は、オフィスビルのエントランスやメールセンタに設置されたメールボックスへ投函され、勤務者等が自社のメールボックスを開けて中の郵便物を受取っている。しかし、書留や速達などの特定郵便物の配達の際は、郵便配達人はエントランスのインターホンにより届け先の企業やテナントを呼び出し、オートロック式のドアを遠隔で開錠してもらって届け先まで届けている。休日等の場合は、防災センタ等で特定郵便物を受領して、後日、各企業やテナント等の担当者に連絡して届けるか、担当者が防災センタに受取りに出向むかなければならないため、休日には郵便物の配達は行われないことが多い。
【0003】
一方で、着払いもしくは代引き指定の荷物の配送時に受取人が不在のときには、宅配ボックスへ荷物を保管して配達人による集金を不要とする技術がある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、配送業者は、宅配ボックスに配送先部屋番号と配送荷物のコードを入力し、配送荷物を入れた後施錠する。荷物受取人は、配送業者名等と配送荷物のコードが印刷された不在票を用いてコンビニエンスストアなどで決済を行うと、POSレジスタと配送業者のコンピュータとの間で決済処理か行われ、配送荷物のコードを示すバーコードと代金支払済みを示すバーコードを印刷したレシートが発行される。宅配ボックスは、レシートのバーコードを読み取り開錠する。
【特許文献1】特開2004−78630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
書留や速達など特定郵便物の配達には受領書が必要なため、特定郵便物が休日等に配達された際は、上述したように、防災センタ等で特定郵便物を受領し、後日届け先の企業がこれを受取っていた。しかし、これは、防災センタや届け先の企業にとって煩雑であるのみならず、セキュリティ上の問題があった。そこで、防災センタ等で不在票を預かっておき、後日これを受取った企業の担当者が、郵便局に再配達を依頼するか、郵便局へ郵便物を取りに行くようにすることが考えられるが、これでは、届け先の企業が迅速に特定郵便物を受取れないおそれがあった。特許文献1は、集金を必要とする荷物を宅配ボックスに保管する場合の技術であり、上記のような問題を解決するものでもない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、オフィスビルにおいて、入居企業やテナント等の届け先や防災センタ等の負担を軽減し、かつ、セキュリティを確保しながら、休日である場合にも配達人による特定郵便物の配達を可能にし、届け先が営業日にはすみやかに当該特定郵便物を受取ることのできるメールボックス管理システム及び方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、多数の企業が入居している施設のメールボックスを管理するメールボックス管理システムであって、メールボックスと、前記メールボックスに設けられ、当該メールボックス内に郵便物が投函されたことを検出するセンサと、前記メールボックスの空塞情報を保持する記憶手段と、届け先企業の情報と配達許可データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段内の空塞情報により空きであることが示されるメールボックスの中から一つを選択し、この選択したメールボックスへの投函を可能とするための当該メールボックスの扉を開錠するよう制御する開錠手段と、前記メールボックスのセンサにより郵便物の投函が検出されたメールボックスの扉を施錠するよう制御する施錠手段と、前記入力手段により入力された届け先企業の郵便担当者宛に郵便物有りの通知を出力する通知手段と、を備えることを特徴とするメールボックス管理システムである。
【0007】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、前記開錠手段は、前記入力手段により入力された受取り許可データを用いた認証が成功した場合に、当該受取り許可データから特定される企業の情報に対応したメールボックスを特定し、この特定されたメールボックスからの郵便物の取り出しを可能とするための当該メールボックスの扉を開錠するよう制御し、前記施錠手段は、前記メールボックスのセンサにより郵便物の取り出しが検出されたメールボックスの扉を施錠するよう制御する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、前記入力手段は、社員の保持する社員カードから受取り許可データを読み出すカードリーダを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、前記カードリーダは、配達人の保持する配達人カードから配達許可データを読み出すことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、前記施設内に設けられ、入場者の通行を規制する通過規制装置と、前記通過規制装置近傍に設けられ、前記社員カードから入退出の許可データを読み出し、読み出した許可データによる認証が成功した場合に、前記通過規制装置へ通行を許可するよう指示する通過規制装置用カードリーダとをさらに備え、前記通知手段は、前記通過規制装置用カードリーダによる認証が成功し、かつ、当該許可データから得られる社員の情報が郵便担当者を示している場合に、当該通過規制装置の備える出力手段により郵便物有りの通知を出力する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、各企業の郵便担当者の通知先アドレスの情報を記憶する記憶手段さらに備え、前記通知手段は、前記入力手段により入力された届け先企業の情報に対応した郵便担当者の通知先アドレスの情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した通知先アドレスの情報を宛先として郵便物有りの通知を出力する。
【0012】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、受領書の受け渡しを行う配達人ボックスをさらに備え、前記通知手段は、前記配達人ボックスに設けられたセンサにより受領書が入れられたことを検出した場合に、配達人または配達業者宛に通知を出力し、前記開錠手段は、前記入力手段により入力された配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記配達人ボックス内から受領書の取り出しを可能とするための当該配達人ボックスの扉を開錠するよう制御する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、前記通知手段は、前記メールボックスのセンサにより郵便物の取り出しが検出された場合に、配達人宛または配達業者宛に郵便物受領の通知を出力する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上述のメールボックス管理システムであって、前記メールボックスのセンサにより郵便物の投函が検出された場合に、受領書を印刷する印刷手段をさらに備える、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、多数の企業が入居している施設のメールボックスを管理するメールボックス管理システムに用いられるメールボックス管理方法であって、開錠手段が、入力手段により入力された許可データを用いた認証が成功した場合に、記憶手段内に記憶されているメールボックスの空塞情報により空きであることが示されるメールボックスの中から一つを選択し、この選択したメールボックスへの投函を可能とするための当該メールボックスの扉を開錠するよう制御し、前記メールボックスに設けられたセンサが、前記開錠手段により扉が開錠された前記メールボックス内に郵便物が投函されたことを検出し、施錠手段が、郵便物の投函が検出されたメールボックスの扉を施錠するよう制御し、通知手段が、前記入力手段により入力された情報の示す届け先企業の郵便担当者宛に郵便物有りの通知を出力する、ことを特徴とするメールボックス管理方法である。
【発明の効果】
【0016】
上記の本発明のメールボックス管理システムによれば、配達許可データの認証により、オフィスビル内の企業で共用のメールボックスの中から空きのメールボックスを割り当て、扉を開錠して郵便物の投函を可能にし、割り当てたメールボックスへの郵便物の投函をセンサが感知すると、メールボックスの扉を施錠して届け先企業に通知を行うようにしたので、郵便物の配達時に届け先企業やオフィスビルが休日であった場合でも、セキュリティを確保しながら郵便物を配達することができ、届け先企業は営業日にはすみやかに郵便物が届けられたことを認識して受取ることができる。加えて、投函口から郵便物が第三者によって抜き出されることを防ぐとともに、許可された配達人以外から広告などの配布物が投函されることを防ぐこともできる。
また、郵便物がメールボックスに投函された際に受領書を印刷するか、届け先企業がメールボックス内の郵便物を取り出したとき、あるいは、配達人ボックスに受領書が入れたときに配達人または配達業者へ通知するようにしたので、配達人は、休日に配達した特定郵便物の受領書をすみやかに受取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のメールボックス管理システムについて図面を参照して説明する。本発明のメールボックス管理システムは、たとえば、多数の企業やテナント(以下、単に「企業」とする)が入居する施設に適用される。ここでは、施設としてオフィスビルを例に説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
本実施形態では、オフィスビルに共有のメールボックスが設置され、届け先企業またはオフィスビルが休日の場合、配達人は、特定郵便物用の共有メールボックスへ特定郵便物と、受領書とを投函し、この共有メールボックスから発行される仮受領書を受取る。そして、届け先企業は、特定郵便物を受取った後、受領書に押印して配達人ボックスへ入れておき、配達人が、配達人ボックスから押印された受領書を受取った場合に、配達が完了する。新聞は、共用メールボックス装置とは別に備えられた新聞受けに投函するものとする。
【0019】
図1は、この発明の第1の実施形態によるメールボックス管理システム1の構成を示す概略ブロック図である。メールボックス管理システム1が設置されたオフィスビルへ郵便物やメール便(以下、単に「郵便物」と記載)を配達する配達人には配達人カードが発行され、当該オフィスビルに入居している企業の社員には、エントランスを開錠したり、メールボックスを開錠したりするための社員カードが発行される。
【0020】
本実施形態によるメールボックス管理システム1は、オフィスビルの出入管理システム2、共用メールボックス装置5、及び、配達人ボックス装置7と、これらを制御する制御装置8と、制御装置8に接続される管理サーバ9とを含んでなる。さらに、管理サーバ9は、各企業の郵便物受取り担当者のメールアドレス、及び、郵便局などの配達業者のメールアドレスを登録した管理データベース10(以下、データベースを「DB」と記載)と接続されている。なお、各企業の郵便物受取り担当者は、1人でもよく、複数人いてもよい。
【0021】
本実施形態によるメールボックス管理システム1において使用される配達人カード及び社員カードには、ICカードを使用するものとする。配達人カードには、カードを一意に識別するためのカード識別情報、配達人カードであることを示すカード種別情報、配達人を特定するための配達人識別情報、配達業者を特定するための配達業者識別情報、発行日時情報、有効期限情報等が含まれる配達許可データを記憶する。なお、カード識別情報を配達人識別情報または配達業者識別情報として使用してもよい。
また、社員カードには、カード識別情報、社員カードであることを示すカード種別情報、社員を特定するための社員識別情報、社員が所属する企業を特定するための企業識別情報、発行日時情報、有効期限情報等が含まれる許可データを記憶する。カード識別情報を社員識別情報または企業識別情報として使用してもよい。社員カード内の許可データは、郵便物の受取り許可データとしても使用される。
【0022】
出入管理システム2は、エントランスに設置されたエントランス自動扉22と、社員カードを受け付けて認証を行い、エントランス自動扉22の開扉を行うエントランス用カードリーダ21と、エントランス用カードリーダ21に接続される出力装置23とを備えている。出力装置23は、エントランス用カードリーダ21と接続され、メッセージ表示用画面、及び、音声により案内を行うスピーカーを備える。ここでは、エントランス自動扉22を、入場者の通行を規制する通過規制装置として使用しているが、フラッパーゲートを通過規制装置としてさらに用いても良い。この場合、エントランス自動扉22をフラッパーゲートに、エントランス用カードリーダ21を、出力装置を備えたフラッパーゲート用カードリーダとして置きかえて考えればよい。
【0023】
共用メールボックス装置5は、エントランスに備えられ、配達人が、届け先企業の会社名、共用メールボックス番号等を入力可能な共用メールボックス入力装置52と、配達人カード及び社員カードを受け付けて認証を行う共用メールボックス用カードリーダ51とを備え、共用メールボックス用カードリーダ51は共用メールボックス53とその鍵をあける認証のために接続されている。
【0024】
配達人ボックス装置7は、エントランスに備えられ、制御装置8と接続された配達人ボックス用カードリーダ71と、配達人ボックス用カードリーダ71と接続された配達人ボックス72とを備える。配達人ボックス用カードリーダ71は、配達人カードを受け付けて認証を行い、配達人ボックス72の鍵をあける。
【0025】
管理DB10は、通知先テーブル及び配達人アドレス情報を記憶する。通知先テーブルは、企業識別情報と、当該企業識別情報により特定される企業の郵便物受取り担当者の社員識別情報と、当該担当者への通知先アドレスとを対応付けた情報からなる。ここでは、企業識別情報として会社名を用いることとするが、企業識別情報に会社名を用いない場合は、これらを対応付ける情報を管理DB10に保持しておき、必要に応じて都度相互に変換すればよい。また、通知先アドレスとしては、電子メールアドレスが使用される。配達人アドレス情報は、配達人識別情報または配達業者識別情報と、通知先となる配達人または配達業者の端末16の通知先アドレスとを対応付けた情報からなる。ここでは、通知先アドレスとして、電子メールアドレスが使用される。
管理サーバ9は、オフィスビルの管理人がアクセス可能であり、これによって、制御装置8の調整・設定、管理DB10への情報登録などを行うことができる。
【0026】
図2は、制御装置8の構成を説明するための概略ブロック図である。
制御装置8において、配達人発行カード記録部81は、配達人カードの情報を管理サーバ9から受信して記録する。発行された配達人カードの情報には、配達人カードに記憶される配達許可データが含まれる。社員発行カード記録部82は、社員カードの情報記録媒体内の情報を管理サーバ9から得て、社員情報を記録する。社員情報には、社員カードに記憶される許可データが含まれる。
【0027】
メールボックス記録部83は、共用メールボックス用カードリーダ51及び配達人ボックス用カードリーダ71からの入力情報を得てこれを記録する。メールボックス記録部83は、さらに、共用メールボックス53の空塞情報をさらに記憶する。各カードリーダ読取データ受領部85は、各カードリーダが配達人カード、社員カードから読み取った情報を受信して記憶する。データ照合部84は、この各カードリーダ読取データ受領部85が受信して記憶したデータと、配達人発行カード記録部81、社員発行カード記録部82に記録されたデータとを比較照合し認証又は一致信号を、各カードリーダに送信する。
【0028】
配達人発行カード記録部81、社員発行カード記録部82、メールボックス記録部83、データ照合部84、各カードリーダ読取データ受領部85のデータ送受信の履歴は管理サーバ9にもその都度送信され、履歴データとして記憶される。
【0029】
各カードリーダ読取データ受領部85は、各カードリーダ、すなわち、エントランス用カードリーダ21、共用メールボックス用カードリーダ51などが読み取ったデータを受信するが、各カードリーダから受信したデータは、どのカードリーダからのものかを判別するため、カードリーダの識別情報が付加されて送信されてくるか、カードリーダの識別情報が各カードリーダ読取データ受領部85によって付与される。この識別情報に基づき、データ照合部84からの一致不一致或は認証不認証の信号が各カードリーダに送信される。
【0030】
通知部86は、共用メールボックス装置5へ特定郵便物が配達された際に、管理DB10に届け先企業の企業識別情報と対応付けて記憶されている郵便物担当者の通知先アドレスを読み出して特定郵便物への配達を通知する。また、通知部86は、配達人ボックス装置7へ受領書が入れられた際に、管理DB10に記憶されている配達人または配達業者の端末16の通知先アドレスを読み出して受領書の投函を通知する。
【0031】
図3は、共用メールボックス装置5の一例を示す正面図である。共用メールボックス装置5は、複数の共用メールボックス53と共用メールボックス用カードリーダ51からなる。共用メールボックス用カードリーダ51は、共用メールボックス用カードリーダ部51a、届け先企業の会社名等を入力するためのキーボードやボタンなどの共用メールボックス入力装置52、情報の表示を行うディスプレイ54、及び、プリンタ55を備える。また、各共用メールボックス53には、届け先の会社名を表示するためのディスプレイ56が備えられ、各共用メールボックス53内には、郵便物の存在を感知するためのセンサが備えられる。このセンサには、光センサを用いることができる。
【0032】
図4は、配達人ボックス装置7の一例を示す図である。図4(a)は配達人ボックス装置7の正面図を示しており、同図において、配達人ボックス装置7は、配達人ボックス72と、その横に配達人カードを読み取る配達人ボックス用カードリーダ71とが備えられる。図4(b)は、配達人ボックス72の斜視図を示しており、同図において、配達人ボックス72には、受領書の存在を感知するためのセンサ73と、扉74とが備えられており、扉74には、受領書の投函口75と、受領書の存在を知らせるランプ76が備えられる。センサ73には、光センサを用いることができる。
【0033】
次に、メールボックス管理システム1の動作手順について説明する。
まず、サービス登録の手順について説明する。
ある企業が、特定郵便物の受取りサービスを開始したい場合、当該企業の社員は、特定郵便物の受取りサービス登録に対応した共用メールボックス装置5の共用メールボックス入力装置52のボタンを押す。さらに、社員は、共用メールボックス用カードリーダ51の通信可能な距離内に社員カードを近づけ、会社名を共用メールボックス入力装置52により入力する。制御装置8のデータ照合部84は、共用メールボックス用カードリーダ51によって社員カードから読み取られたデータと、社員発行カード記録部82に記憶された情報と、入力された企業名とを比較して、認証を行う。認証が成功すると、制御装置8のメールボックス記録部83は、社員カードから読み取られたカード識別情報、社員識別情報及び企業識別情報と、特定郵便物受取りサービス登録と、サービス登録日時との情報を記憶する。
【0034】
また、企業が特定郵便物受取りサービスを終了する場合、当該企業の社員は、上記の登録手順において、特定郵便物の受取りサービス登録に対応した共用メールボックス入力装置52のボタンの代わりに、特定郵便物の受取りサービス解除に対応した共用メールボックス入力装置52のボタンを押せばよい。これにより、制御装置8のメールボックス記録部83は、社員カードから読み取られたカード識別情報、社員識別情報及び企業識別情報と、特定郵便物受取りサービス解除と、サービス解除日時との情報を記憶する。
【0035】
図5は、配達人が郵便物を配達する手順の一例を示すフローチャートである。
配達人によって、配達人カードが共用メールボックス装置5の共用メールボックス用カードリーダ51の通信可能な距離内に近づけられ、共用メールボックス入力装置52により、届け先企業の識別情報としての会社名と郵便種別が入力されると(ステップS410)、制御装置8のデータ照合部84は、共用メールボックス用カードリーダ51によって配達人カードから読み取られた配達許可データと配達人発行カード記録部81に記憶された情報とを比較して、認証を行う。認証が成功すると、制御装置8は、メールボックス記録部83内の空塞情報を参照して、空きの共用メールボックス53があるかを判断する(ステップS415)。
【0036】
空きの共用メールボックス53があった場合(ステップS415:あり)、制御装置8のデータ照合部84は、特定郵便物のいずれかの種類に対応する共用メールボックス入力装置52のボタンが押されたかを判断する(ステップS420)。いずれかの特定郵便物のボタンが押されたと判断した場合(ステップS420:YES)、メールボックス記録部83内に、ステップS410で入力された会社名の企業の企業識別情報に対応して、受取りサービスが登録されているか否かを判断する(ステップS425)。受取りサービスが登録されていると判断した場合(ステップS425:YES)、メールボックス記録部83は、管理DB10の空塞情報を参照して、空きの共用メールボックス53の1つを割り当てると、ディスプレイ54に割り当てた共用メールボックス53のボックス番号を表示し、さらに、割り当てた共用メールボックス53の扉に備えられたディスプレイ56に会社名を表示させ、当該共用メールボックス53の扉を開錠する(ステップS430)。配達人は、開錠された共用メールボックス53の扉を開けて特定郵便物と受領書を投函する(ステップS435)。
【0037】
共用メールボックス53内のセンサが特定郵便物及び受領書の投函を感知すると(ステップS440)、この共用メールボックス53のボックス番号と、投函を感知した旨を制御装置8に通知する。制御装置8のメールボックス記録部83は、企業識別情報と、配達人識別情報、ボックス番号、配達業者識別、配達された郵便の郵便種別、及び、配達日とを対応付けた情報を記憶する。さらに、制御装置8のメールボックス記録部83は、共用メールボックス53のボックス番号に対応した空塞情報に「塞」を書き込む。制御装置8のデータ照合部84は、共用メールボックス53の扉を施錠し(ステップS445)、プリンタ55へ特定郵便物の仮受領書を印刷するよう指示する(ステップS450)。配達人は、プリンタ55が印刷した仮受領書を受取り、持ち帰る。
【0038】
続いて、制御装置8の通知部86は、企業識別情報に対応する郵便担当者のメールアドレスを管理DB10から読み出し、読み出したメールアドレス宛に、特定郵便物が配達された旨と、特定郵便物の配達日時と、郵便種別の情報を通知する電子メールを送信する(ステップS455)。通知部86は、社員の出入りを管理する出入管理システム2の管理データとして、企業識別情報及び特定郵便物が配達された旨のデータを管理DB10に書き込む(ステップS460)。これにより、届け先企業の郵便担当者がオフィスビルに出入りする際に、音声やディスプレイなどにより特定郵便物が配達されていることを知らせることができる。
【0039】
なお、ステップS425において、制御装置8のデータ照合部84が、受取りサービスが登録されていないと判断した場合(ステップS425:NO)、ディスプレイ54に、「受取りサービスが登録されておりませんので個別対応をお願いします。」などのメッセージを表示する(ステップS470)。この場合、配達人は、防災センタに特定郵便物あるいは不在票を配達するなど、従来と同様の方法による配達を行う。
【0040】
ステップS420において、郵便種別が入力されなかった場合、あるいは、一般郵便物の情報が入力された場合、制御装置8のメールボックス記録部83は、管理DB10の空塞情報を参照して、空きの共用メールボックス53を割り当てると、ディスプレイ54に割り当てた共用メールボックス53のボックス番号を表示し、さらに、割り当てた共用メールボックス53の扉に備えられたディスプレイ56に会社名を表示させ、当該共用メールボックス53の扉を開錠する(ステップS470)。配達人は、開錠された共用メールボックス53の扉を開けて一般郵便物を投函する(ステップS475)。共用メールボックス53内のセンサが一般郵便物の投函を感知すると(ステップS480)、制御装置8のメールボックス記録部83は、企業識別情報と、ボックス番号、配達人識別情報、配達業者識別、一般郵便物を示す郵便種別、及び、配達日とを対応付けた情報を記憶する。さらに、メールボックス記録部83は、共用メールボックス53のボックス番号に対応した空塞情報に「塞」を書き込む。制御装置8のデータ照合部84は、共用メールボックス53の扉を施錠する(ステップS485)。
【0041】
オフィスビルに入居している企業の社員は、出勤した際や、外出から戻った際などオフィスビルに入るときに、エントランス用カードリーダ21の通信可能な距離内に社員カードを近づける。制御装置8のデータ照合部84は、エントランス用カードリーダ21によって社員カードから読み取られた許可データと社員発行カード記録部82に記憶された情報とを比較して、認証を行う。認証が成功すると、制御装置8のデータ照合部84は、メールボックス記録部83を参照し、許可データ内の企業識別情報に対応して、特定郵便物が配達されていることを示す情報が登録されているかを判断する。特定郵便物の配達が登録されている場合、さらに、管理DB10内の通知先テーブルに、この企業識別情報に対応付けて、許可データ内の社員識別情報が登録されているかにより郵便担当者であるかを判断する。社員識別情報が登録されていると判断した場合、データ照合部84は、出力装置23のメッセージ用画面に「書留が届いています」などのメッセージを表示させるとともに、当該メッセージを音声により出力させ、エントランス自動扉22を開ける。
【0042】
なお、郵便物の取り出しが確認された後、メッセージの表示や出力は行わないが、郵便物が取り出されるまでは、入館の都度メッセージを表示することもできる。
【0043】
図6は、本実施形態による、届け先企業の社員が郵便物を受取る手順の一例を示すフローチャートである。
届け先企業の社員は、共用メールボックス装置5の共用メールボックス用カードリーダ部51aが通信可能な距離内に社員カードを近づける(ステップS610)。制御装置8のデータ照合部84は、共用メールボックス用カードリーダ部51aによって社員カードから読み取られた許可データと社員発行カード記録部82に記憶された情報とを比較して、認証を行う。認証が成功すると(ステップS615:OK)、制御装置8のデータ照合部84は、許可データ内の企業識別情報に対応したボックス番号をメールボックス記録部83から読み出し、読み出したボックス番号をディスプレイ54に表示するとともに、当該ボックス番号に対応した共用メールボックス53の扉を開錠する(ステップS620)。
【0044】
届け先企業の社員は、特定郵便物と、配達業者が発行した受領書を共用メールボックス53から取り出す(ステップS625)。特定郵便物が自社宛の場合(ステップS628:OK)、共用メールボックス53の扉を閉める(ステップS630)。共用メールボックス53のセンサから、郵便物が取り出された旨の通知を受けた制御装置8の通知部86は、メールボックス記録部83に企業識別情報と対応付けて記憶されている配達人識別情報または配達業者識別情報を読み出し、さらにこの配達人識別情報または配達業者識別情報に対応したメールアドレスを管理DB10から読み出す。通知部86は、読み出したメールアドレス宛に、特定郵便物が受取られた旨と、オフィスビル名、企業識別情報で示される会社名、受取り日時の情報を通知する電子メールを送信する(ステップS635)。そして、制御装置8のメールボックス記録部83は、企業識別情報と対応付けて記憶されている配達人識別情報、配達業者識別情報、郵便種別、共用メールボックス53のボックス番号、及び、配達日の情報を消去するとともに、共用メールボックス53のボックス番号に対応した空塞情報に「空」を書き込む(ステップS640)。データ照合部84は、共用メールボックス53の扉に備えられたディスプレイ56に表示されている会社名を消去する(ステップS645)。
【0045】
届け先企業の社員は、ステップS625において共用メールボックス53から取り出した受領書に押印し(ステップS650)、配達人ボックス装置7の投函口75から投函する(ステップS655)。配達人ボックス装置7のセンサ73が、受領書が投函されたことを検出し、制御装置8へ通知すると、通知部86は、投函物ありに対応したランプ76を点灯させるよう指示する。通知部86は、管理DB10から配達人識別情報または配達業者識別情報に対応したメールアドレスを読み出し、読み出したメールアドレス宛に、配達人ボックス72に受領書が入れられた旨と、オフィスビル名、受領書が入れられた日時の情報を通知する電子メールを送信する。
【0046】
配達業者または配達人が、この電子メールを受領すると、配達人は、オフィスビルへ向かう。配達人がオフィスビルへ向かうのは、次の郵便物の配達のときであってもよい。配達人によって、配達人カードが配達人ボックス装置7の配達人ボックス用カードリーダ71の通信可能な距離内に近づけられると、制御装置8のデータ照合部84は、配達人ボックス用カードリーダ71によって配達人カードから読み取られた配達許可データと配達人発行カード記録部81に記憶された情報とを比較して、認証を行う。認証が成功すると、制御装置8は、配達人ボックス72の扉74を開く。配達人は、受領書を取り出し、扉74を閉める。制御装置8のメールボックス記録部83は、配達人ボックス装置7のセンサ73から受領書が配達人ボックス72から取り出された旨の通知を受信すると、投函物なしに対応したランプ76を点灯させ、扉74を施錠するよう指示する。
【0047】
一方、ステップS628において、特定郵便物が誤配であった場合、社員は、誤配に対応した共用メールボックス入力装置52のボタンを押す(ステップS660)。制御装置8の通知部86は、メールボックス記録部83に企業識別情報と対応付けて記憶されている配達人識別情報または配達業者識別情報を読み出し、さらにこの配達人識別情報または配達業者識別情報に対応したメールアドレスを管理DB10から読み出す。通知部86は、読み出したメールアドレス宛に、特定郵便物が誤配であった旨と、オフィスビル名、企業識別情報、誤配検出日時の情報を通知する電子メールを送信する(ステップS665)。また、届け先企業の社員は、誤配郵便物を配達人ボックス装置7の投函口75から投函し(ステップS670)、さらに押印していない受領書を投函する(ステップS655)。
【0048】
また、ステップS615において、認証が失敗した場合(ステップS615:NO)、制御装置8は警報を発出し(ステップS675)、管理サーバ9へ異常発生メッセージを出力する(ステップS680)。
【0049】
本実施形態のメールボックス管理システムによれば、配達人カードを共有メールボックスのカードリーダにかざして届け先企業の会社名を入力することにより、空きの共有メールボックスを開錠して郵便物の投函を可能にし、速達/書留などの郵便物が投函されるとセンサがこれを感知して仮受領証が印刷され、届け先企業の郵便担当者にはメールで通知される。そして、届け先企業の社員により郵便物が共有メールボックスから取り出された場合、及び、配達人ボックスに受領書が入れられた場合に、配達人(あるいは配達業者)へ通知される。これにより、届け先企業やオフィスビルの休業日であっても、配達人は、受領書が必要な特定郵便物を配達し、郵便物が届け先企業に受取られた際及び受領書が準備された際にその旨を知ることができ、すみやかに受領書を受取ることができる。また、届け先企業は、営業日にはすみやかに特定郵便物が届けられたことを認識して受取ることができ、受領書を渡す手間も軽減される。
【0050】
<第2の実施形態>
本実施形態では、オフィスビルに共有のメールボックスが設置されており、届け先企業またはオフィスビルが休日の場合、配達人は、共有のメールボックスへ速達や書留などの特定郵便物を投函し、このメールボックスから発行される受領書を受取って、配達が完了する場合の例である。以下では、第1の実施形態との差分を説明する。
【0051】
第2の実施形態によるメールボックス管理システムの構成は、第1の実施形態によるメールボックス管理システム1の構成(図1)から、配達人ボックス装置7を除いたものである。また、管理DB10は、通知先テーブルを記憶するが、配達人アドレス情報は保持しない。
サービス登録/解除手順は、第1の実施形態と同様である。また、配達人が特定郵便物を配達する手順については、ステップS435において、特定郵便物のみを投函すること、及び、ステップS450において、制御装置8のデータ照合部84は、共用メールボックス装置5のプリンタ55へ、特定郵便物の受領書を印刷するよう指示することが異なるのみで、第1の実施形態の図5と同様である。配達人は、印刷された受領書を受取りの証明書として持ち帰る。
【0052】
図7は、本実施形態による、届け先企業の社員が特定郵便物を受取る手順の一例を示すフローチャートである。届け先企業の社員がメールボックスを開錠するまでのステップS710〜S720までの手順は、第1の実施形態による図6のステップS610〜S620までの手順と同じである。
【0053】
届け先企業の社員は、特定郵便物を共用メールボックス53から取り出し(ステップS725)、共用メールボックス53の扉を閉める(ステップS730)。共用メールボックス53のセンサから、郵便物が取り出された旨の通知を受けた制御装置8のメールボックス記録部83は、企業識別情報と対応付けて記憶されている配達人識別情報、配達業者識別情報、郵便種別、共用メールボックス53のボックス番号、及び、配達日の情報を消去するとともに、共用メールボックス53のボックス番号に対応した空塞情報に「空」を書き込む(ステップS735)。データ照合部84は、共用メールボックス53の扉に備えられたディスプレイ56に表示されている会社名を消去する(ステップS740)。
【0054】
また、ステップS715において、認証が失敗した場合は(ステップS715:NO)、図6のステップS675〜S680と同様、制御装置8が警報を発出し(ステップS745)、管理サーバ9へ異常発生メッセージを出力する(ステップS750)。
【0055】
本実施形態のメールボックス管理システム1によれば、配達人カードを共有メールボックスのカードリーダにかざして届け先企業の会社名を入力することにより、空きの共有メールボックスを開錠して郵便物の投函を可能とし、速達/書留などの郵便物が投函されるとセンサがこれを感知して受領証が印刷され、届け先企業の郵便担当者にはメールで通知される。これにより、届け先企業やオフィスビルの休業日であっても、配達人は、特定郵便物を配達し、受領書を受取ることができる。また、届け先企業は、営業日にはすみやかに特定郵便物が届けられたことを認識して受取ることができ、受領書を渡す手間も省ける。
【0056】
<第3の実施形態>
本実施形態では、オフィスビルに共有のメールボックスが設置されており、届け先企業またはオフィスビルが休日の場合、配達人は、共有のメールボックスへ速達や書留などの特定郵便物を投函し、このメールボックスから発行される仮受領書を受取る。その後、届け先企業の届け先企業が特定郵便物を受取った旨のメールを受領した場合に、配達が完了する。以下では、第1の実施形態との差分を説明する。
【0057】
第3の実施形態によるメールボックス管理システムの構成は、第1の実施形態によるメールボックス管理システム1の構成(図1)から、配達人ボックス装置7を除いたものである。
サービス登録/解除手順は、第1の実施形態と同様である。また、配達人が特定郵便物を配達する手順については、ステップS435において、特定郵便物のみを投函することが異なるのみで、第1の実施形態の図5と同様である。
【0058】
届け先企業の社員が特定郵便物を受取る手順については、第2の実施形態の図7と同様であるが、ステップS730の前に以下の処理を行う。すなわち、届け先企業の社員が、特定郵便物を取り出し(ステップS725)、共用メールボックス53の扉を閉めた後(ステップS730)、制御装置8の通知部86は、メールボックス記録部83に企業識別情報と対応付けて記憶されている配達人識別情報または配達業者識別情報を読み出し、さらにこの配達人識別情報または配達業者識別情報に対応したメールアドレスを管理DB10から読み出す。通知部86は、読み出したメールアドレス宛に、特定郵便物が受取られた旨と、オフィスビル名、企業識別情報で示される会社名、受取り日時の情報を通知する電子メールを送信する。配達業者は、この電子メールを受領すると、配達完了とみなす。
【0059】
本実施形態のメールボックス管理システムによれば、配達人カードを共有メールボックスのカードリーダにかざして届け先企業の会社名を入力することにより、空きの共有メールボックスを開錠して郵便物の投函を可能にし、速達/書留などの郵便物が投函されるとセンサがこれを感知して仮受領証が印刷され、届け先企業の郵便担当者にはメールで通知される。そして、届け先企業の社員により郵便物が共有メールボックスから取り出されると、センサが感知し、郵便物が受領された旨が配達人(あるいは、配達業者)へ通知される。これにより、届け先企業やオフィスビルの休業日であっても、配達人は、受領書が必要な特定郵便物を配達し、郵便物が届け先企業に受取られた際には受領書としてのメールが通知されるため、すみやかに受領書を受取ることができる。また、届け先企業は、営業日にはすみやかに特定郵便物が届けられたことを認識して受取ることができ、受領書を渡す手間も省ける。
【0060】
上記第1〜第3の実施形態において、配達人カードを共用メールボックス用カードリーダ51へかざす代わりに、配達許可データとして、配達人であることを示す情報と、配達人の暗証番号とを共用メールボックス入力装置52により入力し、制御装置8のデータ照合部84は、この入力された情報により配達人の認証を行ってもよい。同様に、社員カードを共用メールボックス用カードリーダ51へかざす代わりに、受取り許可データとして、社員識別情報または企業識別情報と、社員または企業毎に割り当てられた暗証番号を共用メールボックス入力装置52により入力し、制御装置8のデータ照合部84は、この入力された情報により社員の認証を行ってもよい。
【0061】
第1〜第3の実施形態によれば、オフィスビルに企業やテナントの入居分のメールボックスを設置する必要がなくなり、省スペース、省コストに寄与できる。
また、配達人カードから読み出した、あるいは、配達人が入力した配達許可データによる認証が成功しないとメールボックスが開錠できないため、許可された配達人以外から、届け先企業が望まないビラや広告等が投函されたり、投函口から郵便物が抜き取られてしまったりすることを防ぐことができる。
加えて、届け先企業の社員しか特定郵便物が投函されたメールボックスから郵便物を取り出すことができないため、セキュリティを確保しながら、確実に届け先企業が特定郵便物を受取ることが可能となる。
【0062】
なお、上記第1〜第3の実施形態のメールボックス管理システム1に、制御装置8と接続される個別メールボックス装置を備えるようにしてもよい。この個別メールボックス装置は、エントランスとオフィスゾーンとを区切る壁を挟んで埋め込まれ、制御装置8と接続された個別メールボックス用カードリーダと、個別メールボックス用カードリーダに接続された個別メールボックスとを備えるものとする。配達人は、エントランス側の投函口から各企業毎に割り当てられた個別メールボックスに、受領書の必要のない一般の郵便物や新聞等を投函し、受領書の必要な特定郵便物のみを共有メールボックス装置5に投函する。オフィスゾーン側に備えられた個別メールボックス用カードリーダは、社員カードを受け付けて認証を行い、この社員カードから読み出され許可データにより特定される企業に割り当てられた個別メールボックスのオフィスゾーン側の扉の鍵を開け、郵便物の受取りを可能にする。
【0063】
以上、本発明にかかわる実施形態を説明したが、上記したように、カードは、非接触式でカードリーダに内容を読み込める非接触ICカードが望ましいが、他の磁気カードなどの電子カードの場合も可能である。また、上記の実施形態では制御装置8に設けた認証などの機能を、各カードリーダに持たせる構成とすることも、容易にできることは明らかである。
【0064】
なお、制御装置8の各部の動作の過程を、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶しておき、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理を行うことも可能である。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0065】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0066】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施形態によるメールボックス管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態による共有メールボックス装置の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態による配達人ボックス装置の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態によるメールボックス管理システムの動作手順を示す図である。
【図6】第1の実施形態によるメールボックス管理システムの動作手順を示す図である。
【図7】第2の実施形態によるメールボックス管理システムの動作手順を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1…メールボックス管理システム
2…出入管理システム
5…共用メールボックス装置
7…配達人ボックス装置
8…制御装置
9…管理サーバ
10…管理DB
21…エントランス用カードリーダ
22…エントランス自動扉
23…出力装置
51…共用メールボックス用カードリーダ
51a…共用メールボックス用カードリーダ部
52…共用メールボックス入力装置
53…共用メールボックス
54、56…ディスプレイ
55…プリンタ
71…配達人ボックス用カードリーダ
72…配達人ボックス
73…センサ
74…扉
75…投函口
81…配達人発行カード記録部
82…社員発行カード記録部
83…メールボックス記録部
84…データ照合部
85…各カードリーダ読取データ受領部
86…通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の企業が入居している施設のメールボックスを管理するメールボックス管理システムであって、
メールボックスと、
前記メールボックスに設けられ、当該メールボックス内に郵便物が投函されたことを検出するセンサと、
前記メールボックスの空塞情報を保持する記憶手段と、
届け先企業の情報と配達許可データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記記憶手段内の空塞情報により空きであることが示されるメールボックスの中から一つを選択し、この選択したメールボックスへの投函を可能とするための当該メールボックスの扉を開錠するよう制御する開錠手段と、
前記メールボックスのセンサにより郵便物の投函が検出されたメールボックスの扉を施錠するよう制御する施錠手段と、
前記入力手段により入力された届け先企業の郵便担当者宛に郵便物有りの通知を出力する通知手段と、
を備えることを特徴とするメールボックス管理システム。
【請求項2】
前記開錠手段は、前記入力手段により入力された受取り許可データを用いた認証が成功した場合に、当該受取り許可データから特定される企業の情報に対応したメールボックスを特定し、この特定されたメールボックスからの郵便物の取り出しを可能とするための当該メールボックスの扉を開錠するよう制御し、
前記施錠手段は、前記メールボックスのセンサにより郵便物の取り出しが検出されたメールボックスの扉を施錠するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のメールボックス管理システム。
【請求項3】
前記入力手段は、社員の保持する社員カードから受取り許可データを読み出すカードリーダを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメールボックス管理システム。
【請求項4】
前記カードリーダは、配達人の保持する配達人カードから配達許可データを読み出すことを特徴とする請求項3に記載のメールボックス管理システム。
【請求項5】
前記施設内に設けられ、入場者の通行を規制する通過規制装置と、
前記通過規制装置近傍に設けられ、前記社員カードから入退出の許可データを読み出し、読み出した許可データによる認証が成功した場合に、前記通過規制装置へ通行を許可するよう指示する通過規制装置用カードリーダとをさらに備え、
前記通知手段は、前記通過規制装置用カードリーダによる認証が成功し、かつ、当該許可データから得られる社員の情報が郵便担当者を示している場合に、当該通過規制装置の備える出力手段により郵便物有りの通知を出力する、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のメールボックス管理システム。
【請求項6】
各企業の郵便担当者の通知先アドレスの情報を記憶する記憶手段さらに備え、
前記通知手段は、前記入力手段により入力された届け先企業の情報に対応した郵便担当者の通知先アドレスの情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した通知先アドレスの情報を宛先として郵便物有りの通知を出力する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの項に記載のメールボックス管理システム。
【請求項7】
受領書の受け渡しを行う配達人ボックスをさらに備え、
前記通知手段は、前記配達人ボックスに設けられたセンサにより受領書が入れられたことを検出した場合に、配達人または配達業者宛に通知を出力し、
前記開錠手段は、前記入力手段により入力された配達許可データを用いた認証が成功した場合に、前記配達人ボックス内から受領書の取り出しを可能とするための当該配達人ボックスの扉を開錠するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載のメールボックス管理システム。
【請求項8】
前記通知手段は、前記メールボックスのセンサにより郵便物の取り出しが検出された場合に、配達人宛または配達業者宛に郵便物受領の通知を出力する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかの項に記載のメールボックス管理システム。
【請求項9】
前記メールボックスのセンサにより郵便物の投函が検出された場合に、受領書を印刷する印刷手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの項に記載のメールボックス管理システム。
【請求項10】
多数の企業が入居している施設のメールボックスを管理するメールボックス管理システムに用いられるメールボックス管理方法であって、
開錠手段が、入力手段により入力された配達許可データを用いた認証が成功した場合に、記憶手段内に記憶されているメールボックスの空塞情報により空きであることが示されるメールボックスの中から一つを選択し、この選択したメールボックスへの投函を可能とするための当該メールボックスの扉を開錠するよう制御し、
前記メールボックスに設けられたセンサが、前記開錠手段により扉が開錠された前記メールボックス内に郵便物が投函されたことを検出し、
施錠手段が、郵便物の投函が検出されたメールボックスの扉を施錠するよう制御し、
通知手段が、前記入力手段により入力された情報の示す届け先企業の郵便担当者宛に郵便物有りの通知を出力する、
ことを特徴とするメールボックス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−120473(P2008−120473A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303272(P2006−303272)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【出願人】(000102751)エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 (6)
【Fターム(参考)】