説明

モールス信号検出装置

【課題】 従来より性能を向上することができるモールス信号検出装置を提供する。
【解決手段】 モールス受信装置は、新たな入力符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行うための符号判定閾値に基づいて符号判定を行う符号判定部25と、所定の種類の符号の長さの代表値である所定種類符号長代表値を更新する代表値更新部26と、代表値更新部26によって更新された所定種類符号長代表値に基づいて符号判定閾値を更新する閾値更新部27とを備え、代表値更新部26は、符号判定部25によって判定された種類の符号の所定種類符号長代表値を新たな入力符号の長さに基づいて更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールス信号を検出するモールス信号検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モールス信号を検出するモールス信号検出装置として、検出したモールス信号を除去するものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−273755号公報(第4−5頁、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のモールス信号検出装置においては、固定の閾値に対する入力符号の長さの長短によって入力符号がモールス信号の短点及び長点の何れであるかの符号判定を行っているが、モールス通信では、伝送速度が一定の範囲で変動したり、手打ち送信等により速度のゆらぎが発生する。これらのように入力符号の速度が変化した時に符号判定が正しく行われない、という問題があった。
【0004】
本発明は、従来より性能を向上することができるモールス信号検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のモールス信号検出装置は、新たな入力符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行うための符号判定閾値に基づいて前記符号判定を行う符号判定手段と、所定の種類の前記符号の長さの代表値である所定種類符号長代表値を更新する代表値更新手段と、前記代表値更新手段によって更新された前記所定種類符号長代表値に基づいて前記符号判定閾値を更新する閾値更新手段とを備え、前記代表値更新手段は、前記符号判定手段によって判定された種類の前記符号の前記所定種類符号長代表値を前記新たな入力符号の長さに基づいて更新する構成を有している。
【0006】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、モールス通信の伝送速度の変化やモールス信号の手打ち速度の変化等に起因して入力符号の長さが変化したときであっても、入力符号の長さの変化に応じて更新される符号判定閾値に基づいて符号判定を行うので、符号判定の正確性を向上することができる。
【0007】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記代表値更新手段は、前記符号判定手段によって判定された種類の前記符号の前記所定種類符号長代表値を、前記新たな入力符号の長さと、過去の前記入力符号の長さとに基づいて更新する構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、新たな入力符号の長さのみに基づいて所定種類符号長代表値を更新する場合と比較して、滑らかに所定種類符号長代表値を更新することができ、結果として、符号判定の精度を向上することができる。
【0009】
また、本発明のモールス信号検出装置は、短点の長さの代表値であって前記所定種類符号長代表値の1つである短点長代表値の初期値及び長点の長さの代表値であって前記所定種類符号長代表値の1つである長点長代表値の初期値の少なくとも一方を決定する初期長決定手段と、前記初期長決定手段によって決定された前記短点長代表値の初期値及び前記長点長代表値の初期値の少なくとも一方に基づいて前記符号判定閾値の初期値を算出する初期閾値算出手段とを備え、前記初期長決定手段は、前記新たな入力符号がマーク符号であるときであって、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値に対して前記新たな入力符号の長さが所定の範囲外になったときに、前記短点長代表値の初期値及び前記長点長代表値の初期値の少なくとも一方を決定する構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、入力符号の長さの度数分布に基づいて短点長代表値の初期値又は長点長代表値の初期値を決定する場合と比較して、短点長代表値の初期値又は長点長代表値の初期値の決定に必要な入力符号の数を低減することができる。
【0011】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記初期長決定手段は、前記新たな入力符号がマーク符号であるとき、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値を、前記新たな入力符号の長さと、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さとに基づいて更新する構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、新たな入力符号の長さのみに基づいて過去の入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値を更新する場合と比較して、過去の入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値を滑らかに更新することができ、結果として、符号判定の精度を向上することができる。
【0013】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記符号判定閾値の初期値を算出する初期閾値算出手段と、前記入力符号の列に対する前記符号判定手段による判定結果が所定のパターンになったか否かを判定するパターン判定手段とを備え、前記符号判定手段は、前記入力符号の列に対する前記符号判定手段による判定結果が前記所定のパターンになったと前記パターン判定手段によって判定されたとき、前記閾値更新手段によって更新された前記符号判定閾値ではなく、前記初期閾値算出手段によって算出し直された前記符号判定閾値の初期値に基づいて前記符号判定を行う構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、閾値更新手段による符号判定閾値の更新では対応できないほどモールス信号の符号の長さが急激に変化したときであっても、初期閾値算出手段によって新たに算出し直した符号判定閾値に基づいて符号判定を行うので、符号判定の正確性を向上することができる。
【0015】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記所定のパターンは、所定の回数以上連続している同一種類の符号の列であって、前記同一種類の符号の列において前記符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の比率以上であるパターンである構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、同一種類の符号が所定の回数以上連続する場合には、初期閾値算出手段によって新たに算出し直した符号判定閾値に基づいて符号判定を行うことを防止するので、符号判定の迅速性を向上することができる。
【0017】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記入力符号の長さが所定の絶対的な範囲内にあることに基づいて前記入力符号の列がモールス信号であると判定する絶対判定手段を備え、前記符号判定手段は、前記入力符号の列がモールス信号であると前記絶対判定手段が判定したときに、前記符号判定を行う構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、モールス信号ではないと絶対判定手段によって判定された入力符号に対して符号判定を行わないので、符号判定の正確性を向上することができる。
【0019】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記入力符号の列のうちの連続しているマーク符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の範囲内にあることに基づいて前記入力符号の列がモールス信号であると判定する相対判定手段を備え、前記符号判定手段は、前記入力符号の列がモールス信号であると前記相対判定手段が判定したときに、前記符号判定を行う構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、モールス信号ではないと相対判定手段によって判定された入力符号に対して符号判定を行わないので、符号判定の正確性を向上することができる。
【0021】
また、本発明のモールス信号検出装置は、前記入力符号の列のうちの連続しているスペース符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の範囲内にあることに基づいて前記入力符号の列がモールス信号であると判定する相対判定手段を備え、前記符号判定手段は、前記入力符号の列がモールス信号であると前記相対判定手段が判定したときに、前記符号判定を行う構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、モールス信号ではないと相対判定手段によって判定された入力符号に対して符号判定を行わないので、符号判定の正確性を向上することができる。
【0023】
また、本発明のモールス信号検出装置は、短点の長さの代表値である短点長代表値及び長点の長さの代表値である長点長代表値の少なくとも一方を決定する代表長決定手段を備え、前記代表長決定手段は、新たな入力符号がマーク符号であるときであって、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値に対して前記新たな入力符号の長さが所定の範囲外になったときに、前記短点長代表値及び前記長点長代表値の少なくとも一方を決定する構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明のモールス信号検出装置は、入力符号の長さの度数分布に基づいて短点長代表値又は長点長代表値を決定する場合と比較して、短点長代表値又は長点長代表値の決定に必要な入力符号の数を低減することができる。
【0025】
また、本発明のプログラムは、新たな入力符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行うための符号判定閾値に基づいて前記符号判定を行う符号判定手段と、所定の種類の前記符号の長さの代表値である所定種類符号長代表値を更新する代表値更新手段と、前記代表値更新手段によって更新された前記所定種類符号長代表値に基づいて前記符号判定閾値を更新する閾値更新手段としてコンピュータを機能させ、前記代表値更新手段は、前記符号判定手段によって判定された種類の前記符号の前記所定種類符号長代表値を前記新たな入力符号の長さに基づいて更新する構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明のプログラムは、モールス通信の伝送速度の変化やモールス信号の手打ち速度の変化等に起因して入力符号の長さが変化したときであっても、入力符号の長さの変化に応じて更新される符号判定閾値に基づいた符号判定をコンピュータに行わせるので、コンピュータによる符号判定の正確性を向上することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、従来より性能を向上することができるモールス信号検出装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
まず、本実施の形態に係るモールス信号検出装置の構成について説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施の形態に係るモールス信号検出装置としてのモールス受信装置10は、電波を受信する受信機11と、受信機11によって受信された電波から2値データを復調するモールス復調部12と、モールス復調部12によって復調された2値データ(以下「復調データ」という。)を文字データに復号するモールス復号部13とを備えている。ここで、復調データは、マーク符号である「1」と、スペース符号である「0」とから構成されている。また、モールス信号は、符号の長さが短い短点と、短点より符号の長さが長い長点とをマーク符号として含み、隣接する2つのマーク符号の間隔であって、文字を表す符間隔と、文字と文字の間を表す字間隔と、文字と文字を繋げた語と語の間を表す語間隔とをスペース符号として含んでいる。また、モールス復調部12及びモールス復号部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びCPU(Central Processing Unit)等を含むコンピュータにROM等の記憶装置内のプログラムを実行させることによって実現されている。
【0031】
モールス復号部13は、図2に示すように、復調データ等の各種情報を記憶する図示していない情報記憶部と、情報記憶部によって記憶された復調データからノイズを除去する図示していないノイズ除去部と、ノイズ除去部によってノイズが除去された復調データ(以下「ノイズ除去後復調データ」という。)内の入力符号、即ちマーク符号やスペース符号の長さが所定の絶対的な範囲内にあるか否かによってノイズ除去後復調データがモールス信号であるか否かを判定する絶対判定部21と、ノイズ除去後復調データ内のマーク符号の長さの比率やスペース符号の長さの比率が所定の範囲内にあるか否かによってノイズ除去後復調データがモールス信号であるか否かを判定する相対判定部22と、ノイズ除去後復調データ内のマーク符号やスペース符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行うための符号判定閾値の初期値、短点の長さである短点長の代表値(以下「短点長代表値」という。)の初期値、長点の長さである長点長の代表値(以下「長点長代表値」という。)の初期値、符間隔の代表値(以下「符間隔代表値」という。)の初期値、字間隔の代表値(以下「字間隔代表値」という。)の初期値及び語間隔の代表値(以下「語間隔代表値」という。)の初期値を算出する初期長決定手段、代表長決定手段及び初期閾値算出手段としての初期閾値等算出部23と、初期閾値等算出部23によって算出された符号判定閾値の初期値、短点長代表値の初期値、長点長代表値の初期値、符間隔代表値の初期値、字間隔代表値の初期値及び語間隔代表値の初期値を補正する初期閾値等補正部24と、ノイズ除去後復調データ内のマーク符号やスペース符号に対して符号判定閾値に基づいて符号判定を行う符号判定手段としての符号判定部25と、短点長代表値、長点長代表値、符間隔代表値、字間隔代表値及び語間隔代表値を更新する代表値更新手段としての代表値更新部26と、代表値更新部26によって更新された短点長代表値、長点長代表値、符間隔代表値、字間隔代表値及び語間隔代表値に基づいて符号判定閾値を更新する閾値更新手段としての閾値更新部27と、符号判定部25によって判定された符号を文字に変換する文字変換部28と、ノイズ除去後復調データ内のマーク符号やスペース符号の長さが所定の絶対的な範囲内にあるか否かによってモールス信号が切断されたか否かを判定する信号断絶対判定部29と、ノイズ除去後復調データ内のマーク符号の長さの比率やスペース符号の長さの比率が所定の範囲内にあるか否かによってモールス信号が切断されたか否かを判定する信号断相対判定部30と、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したか否かを判定する速度変化判定部31とを有している。
【0032】
なお、短点、長点、符間隔、字間隔及び語間隔は、モールス信号を構成するそれぞれ別々の種類の符号である。また、短点長代表値、長点長代表値、符間隔代表値、字間隔代表値及び語間隔代表値は、それぞれ別々の所定種類符号長代表値を構成している。
【0033】
また、符号判定閾値には、マーク符号がモールス信号を構成する短点及び長点の何れであるかの符号判定を行うための短点長点間符号判定閾値と、スペース符号がモールス信号を構成する符間隔及び字間隔の何れであるかの符号判定を行うための符間隔字間隔間符号判定閾値と、スペース符号がモールス信号を構成する字間隔及び語間隔の何れであるかの符号判定を行うための字間隔語間隔間符号判定閾値とがある。
【0034】
また、情報記憶部は、ノイズとして除去されるべき符号の幅であるマークノイズ除去幅及びスペースノイズ除去幅と、モールス信号であると判定されるための符号の最小の長さであるモールス判定用マーク最小長及びモールス判定用スペース最小長と、モールス信号であると判定されるための符号の最大の長さであるモールス判定用マーク最大長及びモールス判定用スペース最大長と、絶対判定部21によって使用される絶対検出カウンタ及び絶対非検出カウンタそれぞれの満了値と、モールス信号であると判定されるための符号の長さの比率の最小値であるモールス判定用マーク最小比率及びモールス判定用スペース最小比率と、モールス信号であると判定されるための符号の長さの比率の最大値であるモールス判定用マーク最大比率及びモールス判定用スペース最大比率と、符号判定閾値を算出するためのマーク符号の長さの比率の最小値である閾値算出用最小比率と、符号判定閾値を算出するためのマーク符号の長さの比率の最大値である閾値算出用最大比率と、モールス信号の切断が判定されるための符号の最小の長さである信号断判定用マーク最小長及び信号断判定用スペース最小長と、モールス信号の切断が判定されるための符号の最大の長さである信号断判定用マーク最大長及び信号断判定用スペース最大長と、信号断絶対判定部29によって使用される信号断絶対検出カウンタ及び信号断絶対非検出カウンタそれぞれの満了値と、モールス信号の切断が判定されるためのマーク符号の長さの比率の最大値である信号断判定用マーク最大比率と、モールス信号の切断が判定されるためのマーク符号の長さの比率の最小値である信号断判定用マーク最小比率と、モールス信号の切断が判定されるためのスペース符号の長さの比率の最大値である信号断判定用スペース最大比率と、モールス信号の切断が判定されるためのスペース符号の長さの比率の最小値である信号断判定用スペース最小比率と、信号断相対判定部30によって使用される信号断相対検出カウンタの満了値と、速度変化判定部31によって使用される同一種類の符号の連続回数を示すマーク連続回数及びスペース連続回数と、連続中の符号の最大値と最小値の最小比率である速度変化検出比率と、符号を文字に変換するための文字変換テーブルとを記憶している。
【0035】
また、情報記憶部は、マークノイズ除去幅、スペースノイズ除去幅、モールス判定用マーク最小長、モールス判定用スペース最小長、モールス判定用マーク最大長、モールス判定用スペース最大長、絶対検出カウンタの満了値、絶対非検出カウンタの満了値、モールス判定用マーク最小比率、モールス判定用スペース最小比率、モールス判定用マーク最大比率、モールス判定用スペース最大比率、閾値算出用最小比率、閾値算出用最大比率、信号断判定用マーク最小長、信号断判定用スペース最小長、信号断判定用マーク最大長、信号断判定用スペース最大長、信号断絶対検出カウンタの満了値、信号断絶対非検出カウンタの満了値、信号断判定用マーク最大比率、信号断判定用マーク最小比率、信号断判定用スペース最大比率、信号断判定用スペース最小比率、信号断相対検出カウンタの満了値、マーク連続回数、スペース連続回数及び速度変化検出比率が利用者によって設定可能になっている。
【0036】
また、絶対判定部21は、入力符号の長さが所定の絶対的な範囲内、即ち、入力符号がマーク符号であるときにはモールス判定用マーク最小長以上、モールス判定用マーク最大長以下の範囲内、入力符号がスペース符号であるときにはモールス判定用スペース最小長以上、モールス判定用スペース最大長以下の範囲内にあることに基づいて、入力符号の列がモールス信号であると判定するようになっており、絶対判定手段を構成している。同様に、信号断絶対判定部29は、入力符号の長さが所定の絶対的な範囲内、即ち、入力符号がマーク符号であるときには信号断判定用マーク最小長以上、信号断判定用マーク最大長以下の範囲内、入力符号がスペース符号であるときには信号断判定用スペース最小長以上、信号断判定用スペース最大長以下の範囲内にあることに基づいて、入力符号の列がモールス信号であると判定するようになっており、絶対判定手段を構成している。
【0037】
また、相対判定部22は、入力符号の列のうちの連続しているマーク符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の範囲内、即ち、モールス判定用マーク最小比率以上、モールス判定用マーク最大比率以下の範囲内にあることや、入力符号の列のうちの連続しているスペース符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の範囲内、即ち、モールス判定用スペース最小比率以上、モールス判定用スペース最大比率以下の範囲内にあることに基づいて、入力符号の列がモールス信号であると判定するようになっており、相対判定手段を構成している。同様に、信号断相対判定部30は、入力符号の列のうちの連続しているマーク符号の長さの比率、即ち、現在の長点長代表値と現在の短点長代表値との比率が所定の範囲内、即ち、信号断判定用マーク最小比率以上、信号断判定用マーク最大比率以下の範囲内にあることや、入力符号の列のうちの連続しているスペース符号の長さの比率、即ち、現在の語間隔代表値と現在の符間隔代表値との比率が所定の範囲内、即ち、信号断判定用スペース最小比率以上、信号断判定用スペース最大比率以下の範囲内にあることに基づいて、入力符号の列がモールス信号であると判定するようになっており、相対判定手段を構成している。
【0038】
また、速度変化判定部31は、所定の回数以上連続している同一種類の符号の列であって、その同一種類の符号の列において符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の比率以上、即ち、速度変化検出比率以上であるという所定のパターンに、入力符号の列に対する符号判定部25による判定結果がなったか否かによって、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したか否かを判定するようになっており、パターン判定手段を構成している。
【0039】
次に、モールス受信装置10の動作について説明する。
【0040】
受信機11が電波を受信すると、受信機11によって受信された電波からモールス復調部12が復調データを復調し、モールス復調部12によって復調された復調データをモールス復号部13が文字データに復号する。
【0041】
ここで、モールス復号部13は、以下のように動作する。
【0042】
モールス復号部13は、モールス復調部12によって復調データが情報記憶部に記憶させられると、情報記憶部に記憶された復調データからノイズ除去部によってノイズを除去してノイズ除去後復調データを生成し、生成したノイズ除去後復調データを情報記憶部に記憶する。即ち、ノイズ除去部は、情報記憶部に記憶されたマークノイズ除去幅以下の長さのマーク符号が復調データ内にあるとき、そのマーク符号をスペース符号に補正し、情報記憶部に記憶されたスペースノイズ除去幅以下の長さのスペース符号が復調データ内にあるとき、そのスペース符号をマーク符号に補正することによって、ノイズ除去後復調データを生成する。例えば、ノイズ除去部は、図3(a)に示す復調データから図3(b)に示すノイズ除去後復調データを生成する。
【0043】
また、モールス復号部13は、図4に示すように、情報記憶部によって記憶されたノイズ除去後復調データがモールス信号であるか否かの絶対判定処理を絶対判定部21によって行い(S101)、ノイズ除去後復調データがモールス信号であるとS101において判定されたか否かを判断する(S102)。
【0044】
モールス復号部13は、ノイズ除去後復調データがモールス信号であるとS101において判定されたとS102において判断したとき、情報記憶部によって記憶されたノイズ除去後復調データがモールス信号であるか否かの相対判定処理を相対判定部22によって行い(S103)、ノイズ除去後復調データがモールス信号であるとS103において判定されたか否かを判断する(S104)。
【0045】
モールス復号部13は、ノイズ除去後復調データがモールス信号であるとS103において判定されたとS104において判断したとき、符号判定閾値の初期値、短点長代表値の初期値、長点長代表値の初期値、符間隔代表値の初期値、字間隔代表値の初期値及び語間隔代表値の初期値を算出する初期閾値等算出処理を初期閾値等算出部23によって行い(S105)、S105において算出した符号判定閾値の初期値、短点長代表値の初期値、長点長代表値の初期値、符間隔代表値の初期値、字間隔代表値の初期値及び語間隔代表値の初期値を補正する初期閾値等補正処理を初期閾値等補正部24によって行う(S106)。
【0046】
そして、モールス復号部13は、ノイズ除去後復調データ内のマーク符号やスペース符号に対して符号判定閾値に基づいて符号判定部25によって符号判定を行い(S107)、短点長代表値、長点長代表値、符間隔代表値、字間隔代表値及び語間隔代表値を代表値更新部26によって更新し(S108)、代表値更新部26によって更新された短点長代表値、長点長代表値、符間隔代表値、字間隔代表値及び語間隔代表値に基づいて符号判定閾値を閾値更新部27によって更新し(S109)、符号判定部25によって判定された符号を情報記憶部に記憶された文字変換テーブルに基づいて文字変換部28によって文字に変換する(S110)。
【0047】
次いで、モールス復号部13は、モールス信号が切断されたか否かの信号断絶対判定処理を信号断絶対判定部29によって行い(S111)、モールス信号が切断されたとS111において判定されたか否かを判断する(S112)。
【0048】
モールス復号部13は、モールス信号が切断されたとS111において判定されなかったとS112において判断したとき、モールス信号が切断されたか否かの信号断相対判定処理を信号断相対判定部30によって行い(S113)、モールス信号が切断されたとS113において判定されたか否かを判断する(S114)。
【0049】
モールス復号部13は、モールス信号が切断されたとS113において判定されなかったとS114において判断したとき、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したか否かの速度変化判定処理を速度変化判定部31によって行い(S115)、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したとS115において判定されたか否かを判断する(S116)。
【0050】
モールス復号部13は、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したとS115において判定されなかったとS116において判断したとき、再びS107の処理から実行する。
【0051】
なお、モールス復号部13は、ノイズ除去後復調データがモールス信号であるとS101において判定されなかったとS102において判断したときや、ノイズ除去後復調データがモールス信号であるとS103において判定されなかったとS104において判断したときや、モールス信号が切断されたとS111において判定されたとS112において判断したときや、モールス信号が切断されたとS113において判定されたとS114において判断したときや、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したとS115において判定されたとS116において判断したとき、再びS101の処理から実行する。
【0052】
なお、絶対判定部21は、図4に示すS101の絶対判定処理において、以下のように動作する。
【0053】
図5に示すように、絶対判定部21は、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データ内の所定のマーク符号及びスペース符号の組を対象として選択する(S151)。例えば、絶対判定部21は、ノイズ除去後復調データがモールス信号であると前回の絶対判定処理において判定されなかったために今回の絶対判定処理を実行するとき、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち、前回の絶対判定処理において最後に対象とされた符号に対して時間的に次のマーク符号及びスペース符号の組を対象として選択する。また、絶対判定部21は、ノイズ除去後復調データがモールス信号であると前回の相対判定処理において判定されなかったために今回の絶対判定処理を実行するとき、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち、前回の相対判定処理において最後に対象とされた符号に対して時間的に次のマーク符号及びスペース符号の組を対象として選択する。また、絶対判定部21は、モールス信号が切断されたと前回の信号断絶対判定処理において判定されたために今回の絶対判定処理を実行するとき、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち、前回の信号断絶対判定処理において最後に対象とされた符号に対して時間的に次のマーク符号及びスペース符号の組を対象として選択する。また、絶対判定部21は、モールス信号が切断されたと前回の信号断相対判定処理において判定されたために今回の絶対判定処理を実行するとき、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち、前回の信号断相対判定処理において最後に対象とされた符号に対して時間的に次のマーク符号及びスペース符号の組を対象として選択する。また、絶対判定部21は、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したと前回の速度変化判定処理において判定されたために今回の絶対判定処理を実行するとき、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち、前回の速度変化判定処理においてモールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したとの判定の基礎となった連続符号の時間的に先頭のマーク符号及びスペース符号の組を対象として選択する。
【0054】
次いで、絶対判定部21は、現在対象としているマーク符号及びスペース符号に対して、マーク符号及びスペース符号の長さが所定の絶対的な範囲内であるか否かを判断する(S152)。即ち、絶対判定部21は、マーク符号の長さが情報記憶部に記憶されたモールス判定用マーク最小長以上、情報記憶部に記憶されたモールス判定用マーク最大長以下であるとともに、スペース符号の長さが情報記憶部に記憶されたモールス判定用スペース最小長以上、情報記憶部に記憶されたモールス判定用スペース最大長以下であるときに、所定の絶対的な範囲内であると判断する。
【0055】
絶対判定部21は、マーク符号、スペース符号の長さがそれぞれ所定の絶対的な範囲内であるとS152において判断すると、情報記憶部に記憶された絶対検出カウンタを1つ増加させ(S153)、情報記憶部に記憶された満了値に絶対検出カウンタが達したか否かを判断する(S154)。一方、絶対判定部21は、マーク符号、スペース符号の少なくとも一方の長さが所定の絶対的な範囲外であるとS152において判断すると、情報記憶部に記憶された絶対非検出カウンタを1つ増加させ(S155)、情報記憶部に記憶された満了値に絶対非検出カウンタが達したか否かを判断する(S156)。
【0056】
絶対判定部21は、絶対検出カウンタが満了値に達したとS154において判断すると、ノイズ除去後復調データのうち今回の絶対判定処理において対象とされたデータがモールス信号であると判定し(S157)、絶対検出カウンタ及び絶対非検出カウンタを「0」にクリアした後(S158)、今回の絶対判定処理を終了する。
【0057】
また、絶対判定部21は、絶対非検出カウンタが満了値に達したとS156において判断すると、ノイズ除去後復調データのうち今回の絶対判定処理において対象とされたデータがモールス信号ではないと判定し(S159)、絶対検出カウンタ及び絶対非検出カウンタを「0」にクリアした後(S158)、今回の絶対判定処理を終了する。
【0058】
なお、絶対判定部21は、絶対検出カウンタが満了値に達していないとS154において判断したときや、絶対非検出カウンタが満了値に達していないとS156において判断したとき、現在対象としている組に対して時間的に次のマーク符号及びスペース符号の組を新たな対象として選択し(S160)、再びS152の処理を実行する。
【0059】
また、相対判定部22は、図4に示すS103の相対判定処理において、以下のように動作する。
【0060】
図6に示すように、相対判定部22は、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち、直近の絶対判定処理において対象とされたデータ内の時間的に先頭の符号を対象として選択し(S201)、現在対象としている符号が直近の絶対判定処理において絶対非検出カウンタを1つ増加させた組に含まれていたか否かを判断する(S202)。
【0061】
相対判定部22は、現在対象としている符号が直近の絶対判定処理において絶対非検出カウンタを1つ増加させた組に含まれていなかったとS202において判断したとき、今回の相対判定処理において既に対象とされた符号において、現在対象としている符号がマーク符号であるときにはマーク符号の長さの最大値と最小値との比率を算出し、現在対象としている符号がスペース符号であるときにはスペース符号の長さの最大値と最小値との比率を算出し(S203)、S203において算出した比率が所定の最大比率以下であるか否かを判断する(S204)。即ち、相対判定部22は、現在対象としている符号がマーク符号であるとき、今回の相対判定処理において既に対象とされたマーク符号の長さの最大値と最小値との比率が、情報記憶部に記憶されたモールス判定用マーク最大比率以下であるか否かを判断する。また、相対判定部22は、現在対象としている符号がスペース符号であるとき、今回の相対判定処理において既に対象とされたスペース符号の長さの最大値と最小値との比率が、情報記憶部に記憶されたモールス判定用スペース最大比率以下であるか否かを判断する。
【0062】
相対判定部22は、S203において算出した比率が所定の最大比率以下であるとS204において判断したとき、直近の絶対判定処理において対象とされた全てのデータを今回の相対判定処理において対象としたか否かを判断する(S205)。
【0063】
なお、相対判定部22は、現在対象としている符号が直近の絶対判定処理において絶対非検出カウンタを1つ増加させた組に含まれていたとS202において判断したときや、直近の絶対判定処理において対象とされた少なくとも一部のデータを今回の相対判定処理において対象にしていないとS205において判断したとき、現在対象としている符号に対して時間的に次の符号を新たな対象として選択し(S206)、再びS202の処理を実行する。
【0064】
相対判定部22は、直近の絶対判定処理において対象とされた全てのデータを今回の相対判定処理において対象にしたとS205において判断したとき、S203において算出されたマーク符号に関する最新の比率が情報記憶部に記憶されたモールス判定用マーク最小比率以上であるとともに、スペース符号に関する最新の比率が情報記憶部に記憶されたモールス判定用スペース最小比率以上であるか否かを判断する(S207)。
【0065】
相対判定部22は、マーク符号に関する最新の比率がモールス判定用マーク最小比率以上であるとともにスペース符号に関する最新の比率がモールス判定用スペース最小比率以上であるとS207において判断したとき、ノイズ除去後復調データのうち今回の相対判定処理において対象としたデータがモールス信号であると判定し(S208)、今回の相対判定処理を終了する。
【0066】
なお、相対判定部22は、S203において算出したマーク符号に関する比率がモールス判定用マーク最大比率より大きいとS204において判断したときや、S203において算出したスペース符号に関する比率がモールス判定用スペース最大比率より大きいとS204において判断したときや、マーク符号に関する最新の比率がモールス判定用マーク最小比率未満であるとS207において判断したときや、スペース符号に関する最新の比率がモールス判定用スペース最小比率未満であるとS207において判断したとき、ノイズ除去後復調データのうち今回の相対判定処理において対象としたデータがモールス信号ではないと判定し(S209)、今回の相対判定処理を終了する。
【0067】
また、初期閾値等算出部23は、図4に示すS105の初期閾値等算出処理において、以下のように動作する。
【0068】
図7に示すように、初期閾値等算出部23は、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち直近の相対判定処理において対象とされたデータ内の時間的に先頭のマーク符号を対象として選択し(S251)、現在対象としているマーク符号の長さを基準長として設定する(S252)。ここで、基準長は、今回の初期閾値等算出処理において既に対象とされたマーク符号の長さの代表値である。
【0069】
次いで、初期閾値等算出部23は、現在対象としているマーク符号に対して時間的に次のマーク符号を新たな対象として選択し(S253)、現在対象としているマーク符号の長さと、基準長との比率が情報記憶部に記憶された閾値算出用最大比率以上であるか否かを判断する(S254)。
【0070】
初期閾値等算出部23は、現在対象としているマーク符号の長さと、基準長との比率が閾値算出用最大比率以上であるとS254において判断すると、現在対象としているマーク符号の長さを長点長代表値の初期値、基準長を短点長代表値の初期値として設定する(S255)。一方、初期閾値等算出部23は、現在対象としているマーク符号の長さと、基準長との比率が閾値算出用最大比率以上ではないとS254において判断すると、現在対象としているマーク符号の長さと、基準長との比率が情報記憶部に記憶された閾値算出用最小比率以下であるか否かを判断する(S256)。
【0071】
初期閾値等算出部23は、現在対象としているマーク符号の長さと、基準長との比率が閾値算出用最小比率以下であるとS256において判断すると、現在対象としているマーク符号の長さを短点長代表値の初期値、基準長を長点長代表値の初期値として設定する(S257)。一方、初期閾値等算出部23は、現在対象としているマーク符号の長さと、基準長との比率が閾値算出用最小比率以下ではないとS256において判断すると、基準長と、現在対象としているマーク符号の長さとに基づいて新たな基準長を設定し(S258)、再びS253の処理を実行する。例えば、初期閾値等算出部23は、新たな基準長を算出する途中の計算データのオーバーフローの防止と、新たな基準長における過去のマーク符号の長さの影響の大きさの調整とを重み付けの係数によって可能にする「数1」に基づいて新たな基準長を算出することができる。即ち、初期閾値等算出部23は、新たな入力符号の長さだけでなく、間接的に過去の入力符号の長さにも基づいて基準長を更新する。もちろん、初期閾値等算出部23は、新たな基準長の算出方法として、単純加算平均等、「数1」に示す方法以外の方法を採用しても良い。
【0072】
【数1】

【0073】
そして、初期閾値等算出部23は、S255の処理やS257の処理を実行すると、S255やS257において設定した短点長代表値の初期値及び長点長代表値の初期値に基づいて符号判定閾値の初期値、符間隔代表値の初期値、字間隔代表値の初期値及び語間隔代表値の初期値を算出し(S259)、今回の初期閾値等算出処理を終了する。例えば、初期閾値等算出部23は、「数2」に基づいて短点長点間符号判定閾値の初期値を算出することができる。もちろん、初期閾値等算出部23は、短点長点間符号判定閾値の初期値の算出方法として「数2」に示す方法以外の方法を採用しても良い。また、初期閾値等算出部23は、短点長点間符号判定閾値の初期値と同様にして、符間隔字間隔間符号判定閾値の初期値や、字間隔語間隔間符号判定閾値の初期値を算出することができる。また、初期閾値等算出部23は、モールス信号の仕様に基づいて、例えば、符間隔代表値の初期値を短点長代表値の初期値と同じ値にし、字間隔代表値の初期値を短点長代表値の初期値の3倍の値にし、語間隔代表値の初期値を短点長代表値の初期値の7倍の値にすることができる。もちろん、初期閾値等算出部23は、符間隔代表値の初期値、字間隔代表値の初期値及び語間隔代表値の初期値を長点長代表値の初期値から求めても良い。
【0074】
【数2】

【0075】
また、初期閾値等補正部24は、図4に示すS106の初期閾値等補正処理において、以下のように動作する。
【0076】
図8に示すように、初期閾値等補正部24は、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データのうち直近の相対判定処理において対象とされたデータ内の時間的に先頭の符号を対象として選択し(S301)、現在対象としている符号の長さと、現在の符号判定閾値の初期値とに基づいて、現在対象としている符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行う(S302)。即ち、初期閾値等補正部24は、現在対象としている符号がマーク符号であってその長さが現在の短点長点間符号判定閾値の初期値未満であるとき、現在対象としている符号が短点であると判定し、現在対象としている符号がマーク符号であってその長さが現在の短点長点間符号判定閾値の初期値以上であるとき、現在対象としている符号が長点であると判定する。また、初期閾値等補正部24は、現在対象としている符号がスペース符号であってその長さが現在の字間隔語間隔符号判定閾値の初期値以上であるとき、現在対象としている符号が語間隔であると判定し、現在対象としている符号がスペース符号であってその長さが現在の字間隔語間隔符号判定閾値の初期値未満、現在の符間隔字間隔間符号判定閾値の初期値以上であるとき、現在対象としている符号が字間隔であると判定し、現在対象としている符号がスペース符号であってその長さが現在の符間隔字間隔間符号判定閾値の初期値未満であるとき、現在対象としている符号が符間隔であると判定する。
【0077】
次いで、初期閾値等補正部24は、S302での判定結果と、現在対象としている符号の長さと、現在の代表値の初期値とに基づいて新たな代表値の初期値を算出し(S303)、S303において算出した代表値の初期値に基づいて符号判定閾値の初期値を更新する(S304)。即ち、初期閾値等補正部24は、現在対象としている符号が短点であるとS302で判定したとき、現在対象としている符号の長さと、現在の短点長代表値の初期値とに基づいて「数1」と同様な方法によって新たな短点長代表値の初期値を算出し、算出した短点長代表値の初期値に基づいて「数2」に示す方法によって短点長点間符号判定閾値の初期値を更新する。同様に、初期閾値等補正部24は、現在対象としている符号が長点であるとS302で判定したとき、現在対象としている符号の長さと、現在の長点長代表値の初期値とに基づいて新たな長点長代表値の初期値を算出して短点長点間符号判定閾値の初期値を更新し、現在対象としている符号が符間隔であるとS302で判定したとき、現在対象としている符号の長さと、現在の符間隔代表値の初期値とに基づいて新たな符間隔代表値の初期値を算出して符間隔字間隔間符号判定閾値の初期値を更新し、現在対象としている符号が字間隔であるとS302で判定したとき、現在対象としている符号の長さと、現在の字間隔代表値の初期値とに基づいて新たな字間隔代表値の初期値を算出して符間隔字間隔間符号判定閾値の初期値及び字間隔語間隔間符号判定閾値の初期値を更新し、現在対象としている符号が語間隔であるとS302で判定したとき、現在対象としている符号の長さと、現在の語間隔代表値の初期値とに基づいて新たな語間隔代表値の初期値を算出して字間隔語間隔間符号判定閾値の初期値を更新する。
【0078】
そして、初期閾値等補正部24は、直近のモールス絶対判定において対象とされた全ての符号を今回の初期閾値等補正処理において対象としたか否かを判断する(S305)。
【0079】
初期閾値等補正部24は、直近のモールス絶対判定において対象とされた全ての符号を今回の初期閾値等補正処理において対象にしたとS305において判断したとき、今回の初期閾値等補正処理を終了する。一方、初期閾値等補正部24は、直近のモールス絶対判定において対象とされた少なくとも一部の符号を今回の初期閾値等補正処理において対象にしていないとS305において判断したとき、現在対象としている符号に対して時間的に次の符号を新たな対象として選択し(S306)、再びS302の処理を実行する。
【0080】
また、符号判定部25は、図4に示すS107の処理において、今回の処理がS106の初期閾値等補正処理の直後であるときには、情報記憶部に記憶されたノイズ除去後復調データ内の符号のうち直近のモールス絶対判定において最後に対象とされた符号に対して時間的に次の符号を対象として選択し、今回の処理がS116の処理の直後であるときには、現在対象としている符号に対して時間的に次の符号を新たな対象として選択する。そして、符号判定部25は、図8に示すS302の処理と同様に、現在対象としている符号の長さと、現在の符号判定閾値とに基づいて、現在対象としている符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行う。即ち、符号判定部25は、現在対象としている符号がマーク符号であってその長さが現在の短点長点間符号判定閾値未満であるとき、現在対象としている符号が短点であると判定し、現在対象としている符号がマーク符号であってその長さが現在の短点長点間符号判定閾値以上であるとき、現在対象としている符号が長点であると判定する。また、符号判定部25は、現在対象としている符号がスペース符号であってその長さが現在の字間隔語間隔符号判定閾値以上であるとき、現在対象としている符号が語間隔であると判定し、現在対象としている符号がスペース符号であってその長さが現在の字間隔語間隔符号判定閾値未満、現在の符間隔字間隔間符号判定閾値以上であるとき、現在対象としている符号が字間隔であると判定し、現在対象としている符号がスペース符号であってその長さが現在の符間隔字間隔間符号判定閾値未満であるとき、現在対象としている符号が符間隔であると判定する。
【0081】
また、代表値更新部26は、図4に示すS108の処理において、図8に示すS303の処理と同様に、直近のS107において符号が短点であると判定されたとき、直近のS107において短点であると判定された符号の長さと、現在の短点長代表値とに基づいて「数1」と同様な方法によって新たな短点長代表値を算出する。同様に、代表値更新部26は、直近のS107において符号が長点であると判定されたとき、直近のS107において長点であると判定された符号の長さと、現在の長点長代表値とに基づいて新たな長点長代表値を算出し、直近のS107において符号が符間隔であると判定されたとき、直近のS107において符間隔であると判定された符号の長さと、現在の符間隔代表値とに基づいて新たな符間隔代表値を算出し、直近のS107において符号が字間隔であると判定されたとき、直近のS107において字間隔であると判定された符号の長さと、現在の字間隔代表値とに基づいて新たな字間隔代表値を算出し、直近のS107において符号が語間隔であると判定されたとき、直近のS107において語間隔であると判定された符号の長さと、現在の語間隔代表値とに基づいて新たな語間隔代表値を算出する。即ち、代表値更新部26は、短点長代表値、長点長代表値、符間隔代表値、字間隔代表値及び語間隔代表値を、新たな入力符号の長さだけでなく、間接的に過去の入力符号の長さにも基づいて更新する。
【0082】
また、閾値更新部27は、図4に示すS109の処理において、図8に示すS304の処理と同様に、直近のS108において更新された代表値に基づいて符号判定閾値を更新する。即ち、閾値更新部27は、直近のS107において符号が短点であると判定されたとき、直近のS108において更新された短点長代表値に基づいて「数2」に示す方法によって短点長点間符号判定閾値を更新する。同様に、閾値更新部27は、直近のS107において符号が長点であると判定されたとき、直近のS108において更新された長点長代表値に基づいて短点長点間符号判定閾値を更新し、直近のS107において符号が符間隔であると判定されたとき、直近のS108において更新された符間隔代表値に基づいて符間隔字間隔間符号判定閾値を更新し、直近のS107において符号が字間隔であると判定されたとき、直近のS108において更新された字間隔代表値に基づいて符間隔字間隔間符号判定閾値及び字間隔語間隔間符号判定閾値を更新し、直近のS107において符号が語間隔であると判定されたとき、直近のS108において更新された語間隔代表値に基づいて字間隔語間隔間符号判定閾値を更新する。
【0083】
また、信号断絶対判定部29は、図4に示すS111の信号断絶対判定処理において、以下のように動作する。
【0084】
図9に示すように、信号断絶対判定部29は、直近のS107において対象とされた符号を対象として選択し(S351)、現在対象としている符号の長さが所定の絶対的な範囲内であるか否かを判断する(S352)。即ち、信号断絶対判定部29は、現在対象としている符号がマーク符号であるとき、現在対象としているマーク符号の長さが情報記憶部に記憶された信号断判定用マーク最小長以上、情報記憶部に記憶された信号断判定用マーク最大長以下であるときに所定の絶対的な範囲内であると判断し、現在対象としている符号がスペース符号であるとき、現在対象としているスペース符号の長さが情報記憶部に記憶された信号断判定用スペース最小長以上、情報記憶部に記憶された信号断判定用スペース最大長以下であるときに所定の絶対的な範囲内であると判断する。
【0085】
信号断絶対判定部29は、現在対象としている符号の長さが所定の絶対的な範囲外であるとS352において判断すると、情報記憶部に記憶された信号断絶対検出カウンタを1つ増加させ(S353)、情報記憶部に記憶された満了値に信号断絶対検出カウンタが達したか否かを判断する(S354)。一方、信号断絶対判定部29は、現在対象としている符号の長さが所定の絶対的な範囲内であるとS352において判断すると、情報記憶部に記憶された信号断絶対非検出カウンタを1つ増加させた後(S355)、情報記憶部に記憶された満了値に信号断絶対非検出カウンタが達したか否かを判断する(S356)。
【0086】
信号断絶対判定部29は、信号断絶対検出カウンタが満了値に達したとS354において判断すると、モールス信号が切断されたと判定し(S357)、信号断絶対検出カウンタ及び信号断絶対非検出カウンタを「0」にクリアした後(S358)、今回の信号断絶対判定処理を終了する。一方、信号断絶対判定部29は、信号断絶対検出カウンタが満了値に達していないとS354において判断すると、信号断絶対検出カウンタ及び信号断絶対非検出カウンタを維持したまま、今回の信号断絶対判定処理を終了する。
【0087】
信号断絶対判定部29は、信号断絶対非検出カウンタが満了値に達したとS356において判断すると、信号断絶対検出カウンタ及び信号断絶対非検出カウンタを「0」にクリアした後(S358)、今回の信号断絶対判定処理を終了する。一方、信号断絶対判定部29は、信号断絶対非検出カウンタが満了値に達していないとS356において判断すると、信号断絶対検出カウンタ及び信号断絶対非検出カウンタを維持したまま、今回の信号断絶対判定処理を終了する。
【0088】
また、信号断相対判定部30は、図4に示すS113の信号断相対判定処理において、以下のように動作する。
【0089】
図10に示すように、信号断相対判定部30は、直近のS107において対象とされた符号を対象として選択し(S401)、現在対象としている符号がマーク符号であるときにはマーク符号の長さの比率、即ち、現在の長点長代表値と現在の短点長代表値との比率を算出し、現在対象としている符号がスペース符号であるときにはスペース符号の長さの比率、即ち、現在の語間隔代表値と現在の符間隔代表値との比率を算出し(S402)、S402において算出した比率が所定の範囲内にあるか否かを判断する(S403)。即ち、信号断相対判定部30は、現在対象としている符号がマーク符号であるとき、S402において算出した長点長代表値と短点長代表値との比率が、情報記憶部に記憶された信号断判定用マーク最小比率以上、情報記憶部に記憶された信号断判定用マーク最大比率以下の範囲内にあるときに所定の範囲内にあると判断し、現在対象としている符号がスペース符号であるとき、S402において算出した語間隔代表値と符間隔代表値との比率が、情報記憶部に記憶された信号断判定用スペース最小比率以上、情報記憶部に記憶された信号断判定用スペース最大比率以下の範囲内にあるときに所定の範囲内にあると判断する。
【0090】
信号断相対判定部30は、S402において算出した比率が所定の範囲内にはないとS403において判断したとき、信号断相対検出カウンタを1つ増加させ(S404)、情報記憶部に記憶された満了値に信号断相対検出カウンタが達したか否かを判断する(S405)。
【0091】
信号断相対判定部30は、信号断相対検出カウンタが満了値に達したとS405において判断すると、モールス信号が切断されたと判定し(S406)、信号断相対検出カウンタを「0」にクリアした後(S407)、今回の信号断相対判定処理を終了する。一方、信号断相対判定部30は、信号断相対検出カウンタが満了値に達していないとS405において判断すると、信号断相対検出カウンタを維持したまま、今回の信号断相対判定処理を終了する。
【0092】
また、信号断相対判定部30は、S402において算出した比率が所定の範囲内にあるとS403において判断したとき、信号断相対検出カウンタを「0」にクリアした後(S407)、今回の信号断相対判定処理を終了する。
【0093】
また、速度変化判定部31は、図4に示すS115の速度変化判定処理において、以下のように動作する。
【0094】
図11に示すように、速度変化判定部31は、直近のS107において対象とされた符号を対象として選択し(S451)、現在対象としている符号と同一種類の符号が所定の回数以上連続中であるか否かを判断する(S452)。即ち、速度変化判定部31は、現在対象としている符号が短点であるとき、スペース符号を挟んで連続するマーク符号において、情報記憶部に記憶されたマーク連続回数以上の短点が連続中であるか否かを判断し、現在対象としている符号が長点であるとき、スペース符号を挟んで連続するマーク符号において、マーク連続回数以上の長点が連続中であるか否かを判断し、現在対象としている符号が符間隔であるとき、マーク符号を挟んで連続するスペース符号において、情報記憶部に記憶されたスペース連続回数以上の符間隔が連続中であるか否かを判断し、現在対象としている符号が字間隔であるとき、マーク符号を挟んで連続するスペース符号において、スペース連続回数以上の字間隔が連続中であるか否かを判断し、現在対象としている符号が語間隔であるとき、マーク符号を挟んで連続するスペース符号において、スペース連続回数以上の語間隔が連続中であるか否かを判断する。
【0095】
そして、速度変化判定部31は、現在対象としている符号と同一種類の符号が所定の回数以上連続中であるとS452において判断すると、連続中の符号の最大値と最小値との比率を算出し(S453)、S453において算出した比率が所定の比率以上、即ち、情報記憶部に記憶された速度変化検出比率以上であるか否かを判断する(S454)。
【0096】
速度変化判定部31は、S453において算出した比率が速度変化検出比率以上であるとS454において判断したとき、モールス通信の伝送速度やモールス信号の手打ち速度等の速度が大幅に変化したと判定し(S455)、今回の速度変化判定処理を終了する。
【0097】
速度変化判定部31は、現在対象としている符号と同一種類の符号が所定の回数以上連続中ではないとS452において判断したときや、S453において算出した比率が速度変化検出比率以上ではないとS454において判断したとき、今回の速度変化判定処理を終了する。
【0098】
以上に説明したように、モールス受信装置10は、モールス通信の伝送速度の変化やモールス信号の手打ち速度の変化等に起因して入力符号の長さが変化したときであっても、入力符号の長さの変化に応じて図4に示すS109において符号判定閾値を更新し、S109において更新した符号判定閾値に基づいてS107において符号判定を行うので、符号判定の正確性を向上することができる。
【0099】
また、モールス受信装置10は、S107において判定された種類の符号の長さの代表値を、新たな入力符号の長さだけでなく、間接的に過去の入力符号の長さにも基づいてS108において更新するので、新たな入力符号の長さのみに基づいて符号の長さの代表値を更新する場合と比較して、符号の長さの代表値を滑らかに更新することができ、結果として、符号判定の精度を向上することができる。
【0100】
また、モールス受信装置10は、図7に示すS254〜S257において、過去の入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値である基準長に対して新たな入力符号の長さが所定の範囲外、即ち、閾値算出用最大比率以上又は閾値算出用最小比率以下になったときに、短点長代表値の初期値及び長点長代表値の初期値を決定するので、入力符号の長さの度数分布に基づいて短点長代表値の初期値及び長点長代表値の初期値を決定する場合と比較して、短点長代表値の初期値及び長点長代表値の初期値の決定に必要な入力符号の数を大幅に低減することができる。したがって、モールス受信装置10は、例えば、符号の数が非常に少ないモールス信号であっても受信することが可能である。
【0101】
また、モールス受信装置10は、新たな入力符号がマーク符号であるとき、新たな入力符号の長さだけでなく、間接的に過去の入力符号のうちのマーク符号の長さにも基づいて基準長をS258において更新するので、新たな入力符号の長さのみに基づいて基準長を更新する場合と比較して、滑らかに基準長を更新することができ、結果として、符号判定の精度を向上することができる。
【0102】
また、モールス受信装置10は、入力符号の列に対する符号判定部25による判定結果が所定のパターンになったと速度変化判定部31によって判定されたとき、図4に示すように、閾値更新部27によって更新された符号判定閾値ではなく、初期閾値等算出部23によって算出し直された符号判定閾値の初期値に基づいて符号判定部25が符号判定を行うので、例えば同一周波数でモールス通信速度が大きく異なる複数の通信装置から発せられた通信を同一周波数で受信した場合等、閾値更新部27による符号判定閾値の更新では対応できないほどモールス信号の符号の長さが急激に変化したときであっても、初期閾値等算出部23によって新たに算出し直した符号判定閾値に基づいて符号判定を行うことができ、符号判定の正確性を向上することができる。
【0103】
また、モールス受信装置10は、速度変化判定部31によって判定される所定のパターンとして、所定の回数以上連続している同一種類の符号の列において符号の長さの最大値と最小値との比率が速度変化検出比率以上であるというパターンを採用しているので、同一種類の符号が所定の回数以上連続する場合には、初期閾値等算出部23によって新たに算出し直した符号判定閾値に基づいて符号判定を行うことを防止することができ、符号判定の迅速性を向上することができる。例えば、モールス信号の送信者が短点を意図的に所定の回数以上連続して送信しているとき、モールス通信の伝送速度の急激な変化やモールス信号の手打ち速度の急激な変化が発生した等の特別な条件下ではない限り、送信者によって意図的に所定の回数以上連続して送信されている短点の列において短点の長さの最大値と最小値との比率が速度変化検出比率以上になるので、モールス受信装置10は、閾値更新部27によって更新した符号判定閾値に基づいて、そのまま符号判定を続行することができる。もちろん、モールス受信装置10は、速度変化判定部31によって判定される所定のパターンとして、上述したような連続性のパターン以外のパターンを採用するようになっていても良い。例えば、モールス受信装置10は、速度変化判定部31によって判定される所定のパターンとして、上述したような連続性のパターン以外にも、モールス信号では通常発生し難い符号のパターンを採用するようになっていても良い。
【0104】
また、モールス受信装置10は、入力符号の列がモールス信号であると絶対判定部21又は信号断絶対判定部29が判定したときに符号判定部25が符号判定を行うので、モールス信号ではないと絶対判定部21又は信号断絶対判定部29によって判定された入力符号に対して符号判定を行わず、符号判定の正確性を向上することができる。
【0105】
また、モールス受信装置10は、入力符号の列がモールス信号であると相対判定部22又は信号断相対判定部30が判定したときに符号判定部25が符号判定を行うので、モールス信号ではないと相対判定部22又は信号断相対判定部30によって判定された入力符号に対して符号判定を行わず、符号判定の正確性を向上することができる。
【0106】
なお、モールス受信装置10は、信号断判定用マーク最大比率、信号断判定用マーク最小比率、信号断判定用スペース最大比率及び信号断判定用スペース最小比率を全て使用するようになっているが、信号断判定用マーク最大比率、信号断判定用マーク最小比率、信号断判定用スペース最大比率及び信号断判定用スペース最小比率の全てではなく何れか1つ以上を使用するようになっていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明に係るモールス信号検出装置は、従来より性能を向上することができるという効果を有し、災害時等の通信インフラが整っていないとき用のモールス受信装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施の形態におけるモールス受信装置のブロック図
【図2】図1に示すモールス受信装置のモールス復号部のブロック図
【図3】(a)図2に示すモールス復号部に入力される復調データを示す図 (b)図3(a)に示す復調データから生成されるノイズ除去後復調データを示す図
【図4】図2に示すモールス復号部の動作のフローチャート
【図5】図4に示す絶対判定処理のフローチャート
【図6】図4に示す相対判定処理のフローチャート
【図7】図4に示す初期閾値等算出処理のフローチャート
【図8】図4に示す初期閾値等補正処理のフローチャート
【図9】図4に示す信号断絶対判定処理のフローチャート
【図10】図4に示す信号断相対判定処理のフローチャート
【図11】図4に示す速度変化判定処理のフローチャート
【符号の説明】
【0109】
10 モールス受信装置(モールス信号検出装置)
21 絶対判定部(絶対判定手段)
22 相対判定部(相対判定手段)
23 初期閾値等算出部(初期長決定手段、初期閾値算出手段、代表長決定手段)
24 初期閾値等補正部
25 符号判定部(符号判定手段)
26 代表値更新部(代表値更新手段)
27 閾値更新部(閾値更新手段)
28 文字変換部
29 信号断絶対判定部(絶対判定手段)
30 信号断相対判定部(相対判定手段)
31 速度変化判定部(パターン判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新たな入力符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行うための符号判定閾値に基づいて前記符号判定を行う符号判定手段(25)と、所定の種類の前記符号の長さの代表値である所定種類符号長代表値を更新する代表値更新手段(26)と、前記代表値更新手段によって更新された前記所定種類符号長代表値に基づいて前記符号判定閾値を更新する閾値更新手段(27)とを備え、
前記代表値更新手段は、前記符号判定手段によって判定された種類の前記符号の前記所定種類符号長代表値を前記新たな入力符号の長さに基づいて更新することを特徴とするモールス信号検出装置(10)。
【請求項2】
前記代表値更新手段(26)は、前記符号判定手段(25)によって判定された種類の前記符号の前記所定種類符号長代表値を、前記新たな入力符号の長さと、過去の前記入力符号の長さとに基づいて更新することを特徴とする請求項1に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項3】
短点の長さの代表値であって前記所定種類符号長代表値の1つである短点長代表値の初期値及び長点の長さの代表値であって前記所定種類符号長代表値の1つである長点長代表値の初期値の少なくとも一方を決定する初期長決定手段(23)と、前記初期長決定手段によって決定された前記短点長代表値の初期値及び前記長点長代表値の初期値の少なくとも一方に基づいて前記符号判定閾値の初期値を算出する初期閾値算出手段(23)とを備え、
前記初期長決定手段は、前記新たな入力符号がマーク符号であるときであって、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値に対して前記新たな入力符号の長さが所定の範囲外になったときに、前記短点長代表値の初期値及び前記長点長代表値の初期値の少なくとも一方を決定することを特徴とする請求項1に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項4】
前記初期長決定手段(23)は、前記新たな入力符号がマーク符号であるとき、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値を、前記新たな入力符号の長さと、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さとに基づいて更新することを特徴とする請求項3に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項5】
前記符号判定閾値の初期値を算出する初期閾値算出手段(23)と、前記入力符号の列に対する前記符号判定手段(25)による判定結果が所定のパターンになったか否かを判定するパターン判定手段(31)とを備え、
前記符号判定手段は、前記入力符号の列に対する前記符号判定手段による判定結果が前記所定のパターンになったと前記パターン判定手段によって判定されたとき、前記閾値更新手段(27)によって更新された前記符号判定閾値ではなく、前記初期閾値算出手段によって算出し直された前記符号判定閾値の初期値に基づいて前記符号判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項6】
前記所定のパターンは、所定の回数以上連続している同一種類の符号の列であって、前記同一種類の符号の列において前記符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の比率以上であるパターンであることを特徴とする請求項5に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項7】
前記入力符号の長さが所定の絶対的な範囲内にあることに基づいて前記入力符号の列がモールス信号であると判定する絶対判定手段(21、29)を備え、
前記符号判定手段(25)は、前記入力符号の列がモールス信号であると前記絶対判定手段が判定したときに、前記符号判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項8】
前記入力符号の列のうちの連続しているマーク符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の範囲内にあることに基づいて前記入力符号の列がモールス信号であると判定する相対判定手段(22、30)を備え、
前記符号判定手段(25)は、前記入力符号の列がモールス信号であると前記相対判定手段が判定したときに、前記符号判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項9】
前記入力符号の列のうちの連続しているスペース符号の長さの最大値と最小値との比率が所定の範囲内にあることに基づいて前記入力符号の列がモールス信号であると判定する相対判定手段(22、30)を備え、
前記符号判定手段(25)は、前記入力符号の列がモールス信号であると前記相対判定手段が判定したときに、前記符号判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のモールス信号検出装置(10)。
【請求項10】
短点の長さの代表値である短点長代表値及び長点の長さの代表値である長点長代表値の少なくとも一方を決定する代表長決定手段(23)を備え、
前記代表長決定手段は、新たな入力符号がマーク符号であるときであって、過去の前記入力符号のうちのマーク符号の長さの代表値に対して前記新たな入力符号の長さが所定の範囲外になったときに、前記短点長代表値及び前記長点長代表値の少なくとも一方を決定することを特徴とするモールス信号検出装置(10)。
【請求項11】
新たな入力符号がモールス信号を構成する何れの種類の符号であるかの符号判定を行うための符号判定閾値に基づいて前記符号判定を行う符号判定手段(25)と、所定の種類の前記符号の長さの代表値である所定種類符号長代表値を更新する代表値更新手段(26)と、前記代表値更新手段によって更新された前記所定種類符号長代表値に基づいて前記符号判定閾値を更新する閾値更新手段(27)としてコンピュータを機能させ、
前記代表値更新手段は、前記符号判定手段によって判定された種類の前記符号の前記所定種類符号長代表値を前記新たな入力符号の長さに基づいて更新することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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