説明

ユニットルーム

【課題】カーテンを開けると、ユニットルーム内に大きく採光が取れ、カーテンを閉じるとプライバシー確保ができるユニットルームを提供する。
【解決手段】床を構成する床パン4と、天井を構成する天井パネル6と、側壁面を構成する透明な透明壁パネル5を備えたユニットバスルームR1であって、天井パネル6は床パン4の水平片4bよりも外側へ迫り出した迫り出し部6aを有し、この迫り出し部6aに透明壁パネル5の外側を覆うことのできるカーテン8が垂設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットバスルームやシャワールーム等のユニットルームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、ユニットルームの出入口の戸枠にカーテンを設置したものが存在する。
【特許文献1】特開平11−13296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されている構造では、戸枠以外の所にカーテンを設置できず、特にユニットルームが透明なパネルで形成されているような場合に、その全体をカーテンで包み隠すというような思想は存在しないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、カーテンを開けるとユニットルーム内に大きく採光が取れ、カーテンを閉めるとプライバシーが確保できるユニットルームを提供するものであり、その請求項1は、床を構成する床パンと、天井を構成する天井パネルと、側壁面を構成する透明な壁パネルを備えたユニットルームであって、前記天井パネルは前記床パンよりも外側へ略水平に迫り出した迫り出し部を有し、該迫り出し部に前記壁パネルの外側を覆うことのできるカーテンが垂設されていることである。
【0005】
また、請求項2は、前記カーテンの一辺が延長され、該カーテンの延長部が前記ユニットルームの隣接空間のカーテンを構成することである。
【0006】
また、請求項3は、前記カーテンの延長部は、前記ユニットルームの天井パネルに連結金具を介し連結された長尺支持部材に垂設されていることである。
【0007】
また、請求項4は、前記天井パネルおよび前記長尺支持部材には、それぞれ前記連結金具が嵌合する凹部が形成されていることである。
【0008】
また、請求項5は、前記長尺支持部材の凹部は、前記カーテンの延長方向に連続した凹溝状に形成されていることである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、床を構成する床パンと、天井を構成する天井パネルと、側壁面を構成する透明な壁パネルを備えたユニットルームであって、前記天井パネルは前記床パンよりも外側へ略水平に迫り出した迫り出し部を有し、該迫り出し部に前記壁パネルの外側を覆うことのできるカーテンが垂設されていることにより、ユニットルームを透明な壁パネルで形成して、カーテンを天井パネルの迫り出し部に直接取り付けることができ、戸枠に設置する場合のように段差や分断を生じることなくユニットルームの周囲にぐるりと連続的にカーテンを設置することができ、カーテンを開けると、透明な壁パネルであるためユニットルーム内に大きく採光が取れ、カーテンを開けた状態では開放感が得られ、カーテンを閉めるとプライバシーを良好に確保できるものとなる。
【0010】
また、前記カーテンの一辺が延長され、該カーテンの延長部が前記ユニットルームの隣接空間のカーテンを構成することにより、カーテンを閉じて、ユニットルームおよびその隣室空間全体を目隠しすることができ、ユニットルームおよび隣室空間をトータルコーディネートしてカーテンで他のスペースと区画することができるものとなる。
【0011】
また、前記カーテンの延長部は、前記ユニットルームの天井パネルに連結金具を介し連結された長尺支持部材に垂設されていることにより、ユニットルームの天井パネルに連結金具を介し長尺支持部材を連結して、ユニットルーム側のカーテンを隣室空間まで良好に延長させることができるものとなる。
【0012】
また、前記天井パネルおよび前記長尺支持部材には、それぞれ前記連結金具が嵌合する凹部が形成されていることにより、凹部内に連結金具を嵌合させ、良好に位置決めして天井パネルから連続的に長尺支持部材を延長させ、カーテンを延長させることができるものとなる。
【0013】
また、前記長尺支持部材の凹部は、前記カーテンの延長方向に連続した凹溝状に形成されているため、現場で長尺支持部材を必要に応じてカットして間口調整を容易に行うことができ、凹溝内に連結金具を嵌合させて、連結金具で良好に長尺支持部材を天井パネルに連結してカーテンを延長することができるものとなる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、ユニットルームの設置状態の第1実施例を示すものであり、図1では、床1と壁2と天井3で囲まれた建物の室内空間内にユニットバスルームR1を設置したものである。
ユニットバスルームR1は、防水床パン4と、透明な壁パネル5と、天井パネル6を組み付けて構成されており、防水床パン4は、建物の床1に開口1aを形成させ、この開口1a内に設置したものであり、防水床パン4の外周には立ち上げ状に立上片4aが一体形成され、立上片4aの上端で外方へ略水平に水平片4bが形成されている。
この防水床パン4の水平片4b上に透明な壁パネル5が立設されて、側壁面全周が透明な壁パネル5で形成され、壁パネル5の上端に水平状に天井パネル6が組み付けられている。
【0015】
この天井パネル6は、防水床パン4の水平片4bの外端よりも更に水平方向に外側へ迫り出した迫り出し部6aを外周側に有しており、この天井パネル6の迫り出し部6aは、透明壁パネル5よりも外側に位置して、この迫り出し部6aの下面にカーテンレール7が取り付けられ、カーテンレール7からカーテン8が垂設されている。
垂設されたカーテン8は、防水床パン4の水平片4bの外側にその下端が配置され、このカーテン8を透明壁パネル5の外側全周に設けておけば、カーテン8でユニットバスルームR1の外側全周をぐるりと連続的に包み隠すことができるものである。
【0016】
カーテン8を閉じることで、建物の室内に設置されているユニットバスルームR1の外側全周を目隠しして良好にプライバシーを確保でき、ユニットバスルームR1内で良好に入浴することができるものとなり、また、カーテン8を開けることで、建物の室内が見渡せ、逆に室内側からもユニットバスルームR1内が透視できて、建物の室内とユニットバスルームR1が一体化した開放感のある設置状態が得られるものであり、しかもカーテン8を開けた状態では、ユニットバスルームR1内に良好に光を入れることができるものとなる。
【0017】
次に、図2の正面図で、また図3の平面図で示すものは第2実施例であり、図2および図3では、内部でシャワーを行うことのできるシャワールームR2に隣接して、トイレ,洗面ルームR3を建物の室内に設置したものである。
シャワールームR2は、内部にシャワーチェア9や、手摺り10が設置されており、その外周は透明な壁パネル5で囲まれ、洗面ルームR3側にドアDが設けられており、天井には天井パネル6が設けられ、この天井パネル6の外周は透明壁パネル5よりも外側へ迫り出して、その迫り出し部に短辺カーテン8aと長辺カーテン8bが垂設されて透明壁パネル5の外側を覆うことができるように構成されている。
【0018】
図3に示すように、シャワールームR2の隣のトイレ,洗面ルームR3内には、便器11と、洗面器13と水栓14を有するカウンター12が設置されている。
短辺側の短辺カーテン8aと直交するように長辺側の長辺カーテン8bが設置され、長辺カーテン8bは、シャワールームR2の天井パネル6からトイレ,洗面ルームR3側へ延長させた長尺支持部材15に垂設されて、シャワールームR2およびトイレ,洗面ルームR3を覆うことができるものである。
【0019】
長辺カーテン8bを閉じ、しかも短辺カーテン8aを閉じることで、シャワールームR2とトイレ,洗面ルームR3の全体を目隠しすることができ、水廻りをトータルコーディネートしてカーテンで他の室内空間と区画できるものであり、長辺カーテン8bを開けることで、トイレ,洗面ルームR3内に出入りすることができ、トイレ,洗面ルームR3のみを開放させることも、更にはシャワールームR2側を開放させて建物の室内と一体化させることができ、更に短辺カーテン8aも開けることで、シャワールームR2内に大きく採光が取れるものとなる。
【0020】
なお、長辺カーテン8bを延長させるための長尺支持部材15は、図4の斜視図で示すように、現場で壁パネル6の迫り出し部6aに連結金具16を介して位置決めして連結できるものである。
なお、天井パネル6の迫り出し部6aの下面には、カーテンレール取付溝6bを形成させておき、このカーテンレール取付溝6b内にカーテンレール7を嵌め込むことができ、同様に長尺支持部材15の下面にもカーテンレール7が嵌まり込むカーテンレール取付溝15aを形成させておくことができるものである。
【0021】
この天井パネル6のカーテンレール取付溝6bと長尺支持部材15のカーテンレール取付溝15aを整合させて位置決めするために、天井パネル6の迫り出し部6aの上面と長尺支持部材15の上面には、それぞれ凹み状に嵌合凹部6c,15bが形成されており、この嵌合凹部6c,15b内に連結金具16のそれぞれの嵌合片16c,16cを嵌め込んで、連結金具16により、天井パネル6に対し長尺支持部材15を位置決めして連結できるものである。
【0022】
なお、連結金具16は、連結片16aの両端側から一体状に立片16b,16bが形成され、各立片16bの下端から外側へ水平に延びて嵌合片16c,16cが形成され、それぞれの嵌合片16c,16cにはネジ孔16dが上下に貫通形成されており、この嵌合片16c,16cをそれぞれ天井パネルの嵌合凹部6cと長尺支持部材15の嵌合凹部15b内に嵌め込んで、上方よりそれぞれネジをネジ孔16dに締め付けて連結金具16を固定することができ、連結金具16で長尺支持部材15が壁パネル6に延長状に連結されるものである。
このようにして現場で連結金具16を介し長尺支持部材15を天井パネル6に連結させ、長辺カーテン8bをトイレ,洗面ルームR3側へ延長させることができるものであり、水廻り全体を目隠しすることができるものとなる。
【0023】
なお、図5は変更例を示すものであり、図5では、長尺支持部材15の上面に溝状の凹溝15cがカーテンの延長方向に連続して形成されており、この凹溝15cを形成しておけば、現場で長尺支持部材15を適宜切断して間口調整を行う際にも、良好にこの凹溝15cに連結金具16の嵌合片16cを嵌合させることができるものとなり、どのような現場でもジャストフィットさせて長尺支持部材15を天井パネル6に連結させて長辺カーテン8bを延長させることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施例のユニットバスルームを建物の室内に設置した設置状態図である。
【図2】第2実施例のシャワールームとトイレ,洗面ルームを室内に設置した状態の正面構成図である。
【図3】図2の平面概略構成図である。
【図4】天井パネルに長尺支持部材を連結させてカーテンを延長させる構成の要部斜視構成図である。
【図5】図4における長尺支持部材の変更例を示す要部斜視構成図である。
【符号の説明】
【0025】
1 床
2 壁
3 天井
4 防水床パン
4b 水平片
5 透明壁パネル
6 天井パネル
6a 迫り出し部
6b カーテンレール取付溝
6c 嵌合凹部
7 カーテンレール
8 カーテン
8a 短辺カーテン
8b 長辺カーテン
R1 ユニットバスルーム
R2 シャワールーム
R3 トイレ,洗面ルーム
15 長尺支持部材
15a カーテンレール取付溝
15b 嵌合凹部
15c 凹溝
16 連結金具
16a 連結片
16c 嵌合片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床を構成する床パンと、天井を構成する天井パネルと、側壁面を構成する透明な壁パネルを備えたユニットルームであって、
前記天井パネルは前記床パンよりも外側へ略水平に迫り出した迫り出し部を有し、該迫り出し部に前記壁パネルの外側を覆うことのできるカーテンが垂設されていることを特徴とするユニットルーム。
【請求項2】
前記カーテンの一辺が延長され、該カーテンの延長部が前記ユニットルームの隣接空間のカーテンを構成することを特徴とする請求項1に記載のユニットルーム。
【請求項3】
前記カーテンの延長部は、前記ユニットルームの天井パネルに連結金具を介し連結された長尺支持部材に垂設されていることを特徴とする請求項2に記載のユニットルーム。
【請求項4】
前記天井パネルおよび前記長尺支持部材には、それぞれ前記連結金具が嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のユニットルーム。
【請求項5】
前記長尺支持部材の凹部は、前記カーテンの延長方向に連続した凹溝状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のユニットルーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−31747(P2008−31747A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207228(P2006−207228)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】