説明

ラジオ受信機を内蔵した携帯電話機及びPHS電話機

【目的】本考案は、携帯電話機、或いは、PHS電話機において、同一感覚のラジオ受信装置を他機能として付加することにより、使用効率を向上させ、付加機能からの切り換えを自動的に行わせることにより、使いやすさの向上及び相互機能のノイズの影響を緩和することを目的としている。
【構成】携帯電話機、或いは、PHS電話機において、電話機能回路ブロック、ラジオ放送受信回路ブロック、ラジオ放送受信回路コントロール回路ブロック、音声メモリ回路ブロック、電話機能設定回路ブロック、ラジオ放送受信機能設定回路ブロック、電話機能及びラジオ放送受信機能切り換え設定回路ブロック、音声回路ブロック、スイッチ部、液晶表示回路ブロック、電源回路ブロックで構成する。

【考案の詳細な説明】
携帯電話機及びPHS電話機において、使用効率向上のため、ラジオ放送受 信機能を付加すると共に、本来の電話機能及び他機能を互いに疎外しない状 態で使用することが可能な電話機、に関するものである。
【従来の技術】
第3図は、従来の携帯電話機、或いは、PHS電話機の機能に関する回路ブ ロック構成を示している。第3図に示したように、携帯電話機は、送受信機 能及び送受信機能操作を容易にできる機能のみを備えており、PHS電話機 においては、ページャー機能やゲーム機能を兼ね備えたものがあるが、全て 表示を主体としたものである。また、PHS電話機のように、両方の機能が 同時に動作しているため、ノイズの影響を受けやすくなっている。
【考案が解決しようとする課題】
従来の携帯電話機は、電話送受信機能及び送受信機能を使用する際に操作性 を向上させるための機能を保有している。しかし、電話に関する機能のみの ため、使用効率は、低い。PHS電話機は、ページャー機能やゲーム機能を 兼ね備えたものもあるが、それらの機能は、液晶画面を目視しなければなら ない機能に限られており、ページャー機能が付加されていた場合でも、使用 効率としては、低い。
また、電話機能は、音声を扱うものであるため、聴覚を要するのに対し、付 加された他機能が視覚を要するものであっては、使用する際に、感覚的に違 和感が生じる。
また、他機能を使用する際においては、その都度、切り換えを行う必要性が 生じる。
通勤時等には、ラジオを使用している人達が多いが、携帯電話機、或いは、 PHS電話機とラジオの両方を持ち歩くと嵩張ってしまう。
また、携帯電話機やPHS電話機にイヤホンマイクを接続し使用していると き、呼び出し音が耳元で急に聞こえると、不快感が生じる、という問題があ る。
本考案は、これらの問題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
本考案は、目的を達成するために第1図に示すように、携帯電話機、或いは 、PHS電話機の同一筐体内にラジオ放送受信機能装置を設置する。
電話機とラジオ放送受信機能装置の音声回路は、共有する。
電話機の送受信動作に合わせたラジオ放送受信機能装置のON/OFF自動 コントロール回路を構成する。音声メモリ回路を構成し、電話機とラジオ放 送受信機能装置の動作切り換え時に音声で切り換えを通知する。
電話機能及びラジオ放送受信機能の組み合わせ選択回路を構成する。
【作用】
本考案は、上記のような構成にすることにより次のような作用を有する事が できる。
携帯電話機、或いは、PHS電話機において他機能としてラジオ放送を聞く ことが可能となる。
他機能を保有していても、本来の電話送受信機能が優先される。
電話機能とラジオ放送受信機能の切り換えを音声として確認することが可能 となる。
【実施例】
以下、第1図、第2図の実施例により考案実施の態様を説明するが例示は、 単に説明用のものであり、発明思想の制限、又は、限定を意味するものでは ない。
第1図は、本電話機の機能を動作させるために必要な回路ブロック及び接続 構成を表したものであり、第2図は、外観図である。
第1図に示すように、携帯電話機、或いは、PHS電話機の同一筐体内に電 話送受信機能回路ブロック、ラジオ放送受信回路ブロック、ラジオ放送受信 回路コントロール回路ブロック、音声メモリ回路ブロック、電話機能設定回 路ブロック、ラジオ放送受信機能設定回路ブロック、電話機能及びラジオ放 送受信機能切り換え設定回路ブロックを組み込む。
外部からの本電話機に対するラジオ及び電話に関する機能設定は、第2図に 示す本電話機前面部及び側面部に設置されているスイッチにて信号をラジオ 放送受信機能設定回路ブロック、或いは、電話機能設定回路ブロックに伝へ 、打つ。
電話送受信機能及びラジオ放送受信機能の組合せや、単独機能動作の選択は 、第2図に示すスイッチで行い、そのとき電話機能及びラジオ放送受信機能 切り換え設定回路ブロックからラジオ放送受信回路コントロール回路ブロッ クに信号を伝へ、電話送受信機能回路ブロック及びラジオ放送受信回路ブロ ックを制御する。
電話送受信機能及びラジオ放送受信機能の自動切り換え設定を選択したとき には、電話機能は、待ち受け状態になっており、ラジオ受信機能が動作し、 ラジオ放送受信回路コントロール回路ブロック経由で本電話機のスピーカ、 或いは、イヤホンマイクを含む音声回路ブロックからラジオ放送が発せられ る。
ラジオ放送受信機能が動作中に電話送受信機能回路が信号を受信したとき、 電話送受信機能回路ブロックにおいて受信確認信号をラジオ放送受信回路コ ントロール回路ブロックに伝へ、ラジオ放送受信回路ブロックを制御し受信 動作を停止させる。また、音声メモリ回路ブロックを動作させ、音声による 、ラジオ放送受信機能動作から電話送受信機能への自動切り換えメッセージ をスピーカ或いは、イヤホンマイクから発する。メッセージ終了後、ラジオ 放送受信回路コントロール回路ブロック経由にて、本電話機に設置してある スピーカ、マイク、外部接続のイヤホンマイクを含む音声回路ブロックにて 通話が可能となる。電話送受信機能による通話終了後、電話送受信機能をス イッチにより待ち受け状態に戻したときには、ラジオ放送受信回路コントロ ール回路ブロックに信号が伝わり、音声メモリ回路ブロックを動作させ、電 話送受信機能からラジオ放送受信機能動作への自動切り換えメッセージが音 声回路ブロックから発せられ、メッセージ終了後、ラジオ放送受信機能が動 作し、音声回路ブロックより、ラジオ放送が発せられる。
【発明/考案の効果】
この考案は、実施例から明らかなように、以下に示す効果を有する。
(1)携帯電話機、或いは、PHS電話機を使用する際に用いられる聴覚に関 する他機能を付加したことにより、違和感なく使用できる。
(2)ラジオ放送受信機能を付加することにより、電話機としての用途以外で も使用可能となり、使用効率の向上及びラジオ放送からの情報伝達が得 られる。
(3)ラジオ機能と電話機能の切り換えを自動的に行うことにより、機能切り 換えの面倒がなくなる。
(4)機能の切り換えを言葉によるメッセージで伝達されるため、イヤホンマ イクを使用しているときに、耳元で急に呼び出し音が鳴り始めるという 嫌悪感が緩和される。
(5)機能動作を分けることにより、互いのノイズの影響が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【第1図】本考案の回路ブロック構成図
【第2図】本考案の外観図
【第3図】従来の携帯電話及びPHS電話機の回路ブロック構成図
【符号の説明】
1…電話送受信機能回路ブロック 2…ラジオ放送受信回路ブロック
3…ラジオ放送受信回路コントロール回路ブロック
4…音声メモリ回路ブロック 5…電話機能設定回路ブロック
6…ラジオ放送受信機能設定回路ブロック
7…電話機能及びラジオ放送受信機能切り換え設定回路ブロック
8…スイッチ部 9…液晶表示回路ブロック
10…アンテナ回路ブロック 11…音声回路ブロック
12…イヤホンマイク 13…ページャー受信回路ブロック
14…ゲーム機能回路ブロック 15…電源回路ブロック
16…アンテナ 17…イヤホンマイク端子
18…スピーカ 19…液晶表示部
20…マイク 21…着信ランプ

【実用新案登録請求の範囲】
携帯電話機、或いは、PHS電話機の同一筐体内にラジオ受信機能装置を内蔵した電話機。ラジオ放送受信中に本電話機が受信したとき、自動的にラジオ受信機能が遮断され、電話機能が動作し、通話を可能とした電話機。本電話機における通話終了後、電話待ち受け状態に戻したとき、再びラジオ放送受信を自動的に可能とした電話機。ラジオ放送受信中に本電話機の送信機能を動作させたとき、自動的にラジオ受信機能が遮断され、本電話機における通話終了後、電話待ち受け状態に戻したとき、再びラジオ放送受信を自動的に可能とした電話機。本電話機において、ラジオ受信機能から電話送受信機能へ切り換わるとき、また、電話送受信機能からラジオ受信機能へ切り換わるときに、音声によるメッセージで切り換わることを知らせることを可能とした電話機。本電話機において、筐体外面部から、電話機能及びラジオ受信機能の各々の単独設定、電話送受信機能及びラジオ受信機能の自動切り換え動作設定、電話機能、或いは、ラジオ機能の単独動作設定が可能であり、同時遮断も可能とした電話機。

【第1図】
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【第2図】
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【第3図】
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【登録番号】第3053770号
【登録日】平成10年(1998)8月26日
【発行日】平成10年(1998)11月13日
【考案の名称】ラジオ受信機を内蔵した携帯電話機及びPHS電話機
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−1157
【出願日】平成10年(1998)1月28日
【出願人】(592227737)