説明

ラベル取付け装置

【目的】 複数種類のラベルを所望の順番でカードの表面に確実に配設でき、かつその作業が容易なラベル取付け装置を提供する。
【構成】 各々異なる種類のラベル取付けヘッドに対して搬送機構を持ってカードを搬送し、位置決め機構をもって位置決めし、所定の位置に所定の種類のラベルを取付ける構造とすることで、カードの搬送作業及び位置決めヘッドに対する位置決め作業が確実に、容易に行われる。特に搬送路の所定の位置にストッパを出没させることによりカードを位置決めする構造とすることで精密な制御を必要とする位置決め機構が搬送機構と干渉することなく独立して制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カード表面に複数種類のラベルを所望の順番に複数配設するためのラベル取付け装置に関し、特に光学的に特定のコードを表すラベルを所望の順番に複数配設するのに適したラベル取付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、カードの表面に種々のラベルを貼付してそのラベルを機械的に読取り、カードに対する識別性を向上することが行われており、例えば本願出願人と同一出願人による特開平3−71383号公報にその一例が開示されている。この公報では、例えば固有の回折特性を有するホログラムを1つのラベルとして、複数種類のラベルを組み合わせて一列に配設することによりカード固有のコードを表現している。そして、このラベルを光学的読取り装置をもって読取ることにより実際の識別を行うようになる。
【0003】上記したようなラベルは、例えばホットスタンピング装置のようなラベル取付け装置を用いてカード表面に貼付するが、このようなホットスタンピング装置にあっては装置1つに1種類のラベルしかセットできず、上記したような複数種類のラベルを1つのカードに貼付するためにはその種類と同じ数のホットスタンピング装置が必要となる。この場合、カードは各装置間を手作業で搬送し、かつカードの所定の位置に各ラベルが貼付されるように各装置に対してセットしなければならず、その作業が厄介であり全体の作業効率が低下するばかりでなく、各装置にカードをセットする際にその位置を誤ったり、位置がずれたりすることで不良が発生しがちになり、歩留まりが悪くなると云う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その主な目的は、複数種類のラベルを所望の順番でカードの表面に確実に配設でき、かつその作業が容易なラベル取付け装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的は本発明によれば、複数種類のラベルをカードの表面に所望の順番に複数配設するためのラベル取付け装置であって、カードの搬送路と、前記搬送路に沿って設けられた前記種類に対応する数のラベル取付け用ヘッドと、前記搬送路上にてカードを搬送する搬送機構と、前記各ラベル取付け用ヘッドに対してカードを位置決めするための位置決め機構と、前記ラベル取付け用ヘッド、前記搬送機構及び前記位置決め機構を制御する制御手段とを有することを特徴とするラベル取付け装置を提供することにより達成される。
【0006】
【作用】このように、各々異なる種類のラベル取付けヘッドに対して搬送機構を持ってカードを搬送し、位置決め機構をもって位置決めし、所定の位置に所定の種類のラベルを取付ける構造とすることで、カードの搬送作業及び位置決めヘッドに対する位置決め作業が確実に、容易に行われる。特に搬送路の所定の位置にストッパを出没させることによりカードを位置決めする構造とすることで精密な制御を必要とする位置決め機構が搬送機構と干渉することなく独立して制御することができる。
【0007】
【実施例】以下に本発明の好適実施例を添付の図面について詳しく説明する。
【0008】本実施例に於けるカードCには図1に示すようにその長手方向(後記する搬送方向)に沿って10種類のコード(0〜9)を表すラベルLが任意の順番に10個貼付されている。このラベルは種類毎に異なる回折特性を有するホログラムをなし、図示されない光学的識別手段によって認識され、そのコードが判読されるようになっている。尚、実際にはラベルの数は10個に限定されず、任意の個数で良いことは云うまでもない。
【0009】図2(a)、図2(b)は本発明が適用されたラベル取付け装置としてのホットスタンピング装置の概略構成を示す正面図及び上面図であり、図2(c)は、図2(a)のC−C線について見た要部断面図である。
【0010】このホットスタンピング装置は、カード供給部1と、カード搬送機構を内蔵すると共にカードの搬送路を有するカード搬送部2と、このカード搬送部2によるカードの搬送方向に沿って等間隔に設けられた10台のラベル取付けユニット30〜39と、カード搬送部2の終端側に設けられたカード検査部4と、その後流側に設けられたカード受取部5とを有している。また、このホットスタンピング装置の適所には主操作盤7及び副操作盤8が設けられており、これら操作盤7、8、カード供給部1、カード搬送部2、各ラベル取付けヘッド3、後記するカード位置決め機構などは制御ユニット10により総括的に制御されるようになっている。尚、カード検査部4はコントローラ11により制御されるようになっている。
【0011】各ラベル取付けユニット30〜39には、各々互いに異なる種類のラベルを供給するべくこのラベルが等間隔でセットされたキャリヤテープが巻回された供給プーリ13と、巻取プーリ14と、多数のガイドロール及び図示されない駆動装置とから構成されるラベル供給ユニット12が設けられている。
【0012】一方、図3(a)及び図3(b)は図2(a)に示すカード搬送部の要部を破断し、拡大して示している。図3(a)に示すように、カードは所定の間隔で設けられた搬送ローラ17により搬送されるようになっている。また、図3(a)のB−B線について見た図3(b)に示すように、カードはその搬送方向に沿って延設された1対のガイドレール18によりガイドされるようになっている。
【0013】各ラベル取付けユニット30〜39のラベル取付け用ヘッド30a〜39aの下部にはカード位置決め機構19が設けられている。このカード位置決め機構19は、カードの先端部を検出するカード検出センサ20と、実際にカードの先端部に当接して該カードを停止させるためのストッパ21と、ストッパ21に固定され、カードがこのストッパ21に当接したことを検出するためのリミットスイッチなどからなるカードつきあて検出センサ22と、ストッパ21を出没自在に支持すると共にカードの搬送方向に沿って移動可能な可動部材23と、この可動部材23をカードの搬送方向に沿ってボールネジ24を介して駆動するためのモータ25とを有している。ここで、ストッパ21と可動部材23との間にはばね26及び上記制御ユニット10に制御されるソレノイド27が設けられ、ストッパ21及びカードつきあて検出センサ22を選択的にカード搬送路に出没させるようになっている。また、モータ25も制御ユニット10により制御され、可動部材23を所定の位置に移動させるようになっている。従って、可動部材23を所定の位置に移動させ、ストッパ21及びカードつきあて検出センサ22を選択的にカード搬送路に突出させることにより搬送されたカードの位置決めを行うようになっている。
【0014】以下に本実施例の作動要領について説明する。ここで、10台のラベル取付けユニット30〜39には各々コード0〜9として表現される10種類のラベルがセットされている。まず、カードがカード供給部1から搬送部2の各搬送ローラ17によりコード0を表すラベルを貼付するためのラベル取付けユニット30の下部位置に搬送される。この搬送開始時にはソレノイド27がオフとなっており、カード位置決め機構19のストッパ21及びカードつきあて検出センサ22がばね26の付勢力によりカード搬送路に突出している。そして、カード検出センサ20によりカードが検出されると搬送速度が遅くなるように搬送ローラが制御され、図3に想像線に示すようにカードがストッパ21に当接して停止する。このとき、搬送ローラ17はカードに常に駆動力を与えており、即ちカードが常にストッパ21に当接しているようになっている。
【0015】上記した状態でカードつきあて位置検出センサ22がオンとなり、ヘッド30aをもってコード0を表現するラベルが所定の位置に貼付される。ここで、例えばこのカードの各ラベルが”1020031597”を表現するような設定の場合、カードがストッパ21に当接したままモータ25をもってボールネジ24を介して可動部材23を移動させ、所定の位置で停止させて次の所定の位置にラベルを貼付する。このようにして、コード0を表現するラベルの取付けが全て終了したらソレノイド27がオンし、ストッパ21及びカードつきあて検出センサ22が下降してカードが次のラベル取付けユニット31の下部位置に搬送される。このようにして全種類のラベルが順番に貼付され上記したような一連のコードを表現する複数のラベルが正確に配設され、カード検査部4に搬送されて検査された後、カード受取部5に搬送されることとなる。
【0016】本実施例に於てはコード0〜4を表現する5種類のラベルを取付けるためのラベル取付けユニット30〜34と、コード5〜9を表現する5種類のラベルを取付けるためのラベル取付けユニット35〜39とに分け、カードにコード0〜4を表すラベルが全て貼付された後、ラベル取付けユニット35に進むと同時にカード供給部1から次のカードが供給されるようになっている。この供給形態は任意であり、コントローラが許す限り多数のカードをライン上に同時に載せるようにしても良い。
【0017】図4は本発明が適用された第2の実施例を示す図3と同様な図であり、第1の実施例と同様な部分には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。本実施例では、カード検出センサが別途設けられておらず、ストッパ41にてカードが停止したときにカードつきあて検出センサ42をもってカードの検出を行い、上記同様な処理を行うようになっている。また、上記実施例ではばね及びソレノイドを用いてストッパ及びカードつきあて検出センサのみをカード搬送路に出没させるようにしたが、本実施例では、ストッパ41及び検出センサ42が可動部材43に固定され、エアシリンダ46を用いてカード位置決め機構49全体を上下させることにより、ストッパ41及びカードつきあて検出センサ42を搬送路に出没させるようになっている。それ以外の構造は第1の実施例と同様である。
【0018】
【発明の効果】上記した説明により明らかなように、本発明によるラベル取付け装置によれば、カードの搬送及び各ラベル取付け用ヘッドに対する位置決めが自動的に行われることから、その作業性が向上するばかりでなく、容易に、かつ確実な位置決めを行うことができるようになっている。また、カードの搬送機構と位置決め機構とを独立して設け、カードの搬送路中に位置決め機構が出没する構成とすることで、特に精密な制御を要求される位置決め機構を搬送機構と独立して制御することが可能となることからその制御が確実かつ容易になり、上記効果が一層顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたラベル取付け装置によりラベルが取付けられるカードの平面図である。
【図2】(a)部は本発明が適用された第1の実施例を示すラベル取付け装置としてのホットスタンピング装置の概略正面図であり、(b)部は(a)部の上面図であり、(c)部は(a)部のC−C線について見た断面矢視図である。
【図3】図2(a)部の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明が適用された第2の実施例を示す図3と同様な図である。
【符号の説明】
1 カード供給部
2 カード搬送部
4 カード検査部
5 カード受取部
7 主操作盤
8 副操作盤
10 制御ユニット
11 コントローラ
12 ラベル供給ユニット
13 供給プーリ
14 巻取プーリ
17 搬送ローラ
18 ガイドレール
19 カード位置決め機構
20 カード検出センサ
21 ストッパ
22 カードつきあて検出センサ
23 可動部材
24 ボールネジ
25 モータ
26 ばね
27 ソレノイド
30〜39 ラベル取付けユニット
30a〜39a ラベル取付け用ヘッド
41 ストッパ
42 カードつきあて検出センサ
43 可動部材
46 エアシリンダ
49 カード位置決め機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種類のラベルをカードの表面に所望の順番に複数配設するためのラベル取付け装置であって、カードの搬送路と、前記搬送路に沿って設けられた前記種類に対応する数のラベル取付け用ヘッドと、前記搬送路上にてカードを搬送する搬送機構と、前記各ラベル取付け用ヘッドに対してカードを位置決めするための位置決め機構と、前記ラベル取付け用ヘッド、前記搬送機構及び前記位置決め機構を制御する制御手段とを有することを特徴とするラベル取付け装置。
【請求項2】 前記位置決め機構が、前記搬送路に出没して選択的にカードに当接して停止させるストッパと、前記ストッパを搬送方向に沿って駆動する駆動機構とを有することを特徴とする請求項1に記載のラベル取付け装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開平6−191525
【公開日】平成6年(1994)7月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−358332
【出願日】平成4年(1992)12月25日
【出願人】(000004640)日本発条株式会社 (1,048)
【出願人】(000110642)ナビタス株式会社 (15)