説明

ラベル用テープロール及びラベル用カートリッジ

【課題】ラベル作成装置のロール近傍の空間に詰まり等が発生するのを防止する。
【解決手段】基材テープ101の粘着層101cをリール部材102aの外周部に巻回して構成した第1ロール102と、被印字テープ103をリール部材104aの外周部に巻回して構成した第2ロール104とを有するカートリッジ100を装着し、第1及び第2ロール102,104から基材テープ101及び被印字テープ103を繰り出しつつ、被印字テープ103に所定の印字を行い、これと基材テープ101とを貼り合わせて無線タグラベルTを作成する。カートリッジ100に備えられた第2ロール102の基材テープ101の巻き始め端部に、折り返し部250等の非粘着部を設ける

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを連続的に作成するラベル用テープを巻回したラベル用テープロール及びこれを備えたラベル用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被印字材となるテープをロール状にカートリッジ内に収納し、ロールよりテープを繰り出しつつ所望の文字を印刷してラベル状に排出するラベル作成装置が既に知られている。このラベル作成装置では、基材テープを巻回したロールと、この基材テープに貼り合わされる被印字テープを巻回したロールとを備え、これら2つのロールから上記基材テープ及び上記被印字テープをそれぞれ繰り出しつつ被印字テープに所定の印字を行い、印字後の被印字テープと上記基材テープとを貼り合わせ、ラベルを作成するようになっている。
【0003】
このような構成において、基材テープや被印字テープを繰り出しながらラベルを作成していくと、最終的にはそれらのテープがすべて繰り出され消費されてテープ終端部に至り、ラベルをそれ以上作成できなくなる。
【0004】
このようなテープ終端部に至ったときの処理手法としては、従来、例えば特許文献1に記載のものが既に知られている。この従来技術では、ロール状のテープ(帯状フィルム)の終端部がロール芯(紙管)に止着されている場合に、搬送経路に配置した中間ローラ(ダンサローラ)の変動により終端部が近づいたことを検知し、テープの搬送を停止することでテープの引きちぎられるのを防止するものである。
【0005】
【特許文献1】特開平10−129631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術を前述のラベル作成装置に適用した場合、以下の課題が存在する。
【0007】
すなわち、前述したように、2つのテープ(基材テープと被印字テープ)を貼り合わせてラベルを作成するラベル作成装置では、2つのテープの長さが不揃いとなっている場合、一方が先にロールからの繰り出しが終了したときに他方がまだ残存し繰り出しを続行している状況がありうる。このような場合は、繰り出し続行しているほうのテープは行き場がなくなり、ロール近傍の空間に溜まって詰まりが発生する(いわゆるジャム)恐れがある。
【0008】
上記従来技術では、このような2つのロールそれぞれからテープが繰り出される場合に特に配慮されていないため、上記詰まりの発生を防止することは出来なかった。
【0009】
本発明の目的は、ラベル作成装置のロール近傍の空間に詰まり等が発生するのを防止できるラベル用テープロール及びこれを備えたラベル用カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第1の発明は、テープ基材とその面方向一方側に設けた粘着処理面とを備えたラベル用テープを、径方向に積層するように周方向に巻回して構成したラベル用テープロールであって、前記ラベル用テープの巻き始め端部に、径方向内周側への粘着のない非粘着部を備えたことを特徴とする。
【0011】
2つのテープを貼り合わせてラベルを作成する際に、2つのテープの長さが不揃いとなっている場合、一方が先にロールからの繰り出しが終了したときに他方がまだ残存し繰り出しを続行している状況がありうる。このような場合は、繰り出し続行しているほうのテープは行き場がなくなり、近傍の空間に溜まって詰まりが発生する(いわゆるジャム)恐れがある。
【0012】
本願第1発明のラベル用テープロールにおいては、ラベル用テープの巻き始め端部に非粘着部を設けることにより、当該巻き始め端部がその他の部位(ラベル用テープの他の部分や軸部材等)に粘着することのないロール構造(テープ径方向積層構造)とすることができる。この結果、ラベル用テープがすべて消費されて繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に解放することができる。したがって、上述の貼り合わせの場合、長さが短く設定されているほうのテープ(すなわち先に繰り出しが終了するテープ)に上記本願第1発明の巻き始め端部を適用することにより、当該テープの繰り出しが終了したら直ちにロールから解放される結果、他方のテープは単独でそのままそれまでと同様に繰り出しが継続され、前述のように詰まり等が発生するのを防止できる。
【0013】
第2発明は、上記第1発明において、前記ラベル用テープの前記巻き始め端部は、前記テープ基材及び前記粘着処理面を含む積層構造のテープ長手方向端部を、ロール径方向最内周側が前記テープ基材となるように折り返した折り返し部であることを特徴とする
【0014】
テープ基材及び粘着処理面を含む積層構造を折り返して折り返し部とすることにより、特に別部材を追加することなく、容易にかつ簡素な構造で巻き始め端部側に非粘着部を形成することができる。
【0015】
第3発明は、上記第1発明において、前記ラベル用テープの前記巻き始め端部は、前記テープ基材及び前記粘着処理面を含む積層構造のテープ長手方向端部に対し、前記粘着処理面を覆うように設けた第1非粘着性部材を備えることを特徴とする。
【0016】
第1非粘着性部材を別途追加して積層構造の粘着処理面を覆うことにより、容易に巻き始め端部に非粘着部を形成することができる。さらに、第1非粘着性部材を薄い部材を用いることによりラベル用テープの搬送におよぼす影響を小さくできる。
【0017】
第4発明は、上記第1発明において、前記ラベル用テープの前記巻き始め端部は、前記テープ基材及び前記粘着処理面を含む積層構造のテープ長手方向端部に対し、テープを延伸するように設けた第2非粘着性部材を備えることを特徴とする。
【0018】
第2非粘着性部材をテープ延伸方向に設けて非粘着部とすることにより、粘着処理面をなるべく覆うことなく、巻き始め端部に非粘着部を形成することができる。また、長手方向の厚みの大きな変化を避けることができる。
【0019】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記巻き始め端部は、前記ラベル用テープの巻回方向に沿って周方向に少なくとも一周可能なテープ長手方向長さを備えていることを特徴とする。
【0020】
これにより、ラベル用テープが巻き始め端部から一周する間の非粘着性が確実に維持される構造となるので、ラベル用テープがすべて消費されて繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部をより確実に解放することができる。
【0021】
第6発明は、上記第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、軸線方向がテープ長手方向と略直交し、その外周部に前記ラベル用テープの前記粘着処理面を巻回する軸部材を有することを特徴とする。
【0022】
巻き始め端部が巻き芯としての軸部材に粘着することのないロール構造(テープ径方向積層構造)とすることにより、ラベル用テープがすべて消費され繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に解放することができる。
【0023】
第7発明は、上記第6発明において、前記軸部材は、前記非粘着部を貫入係止させる係止凹部を備えることを特徴とする。
【0024】
粘着性のない非粘着部を係止凹部に貫入係止させることにより、テープ消費時における軸部材からの解放性を確保しつつ、通常時における軸部材への連結性を良好とすることができる。
【0025】
第8発明は、上記第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記ラベル用テープが、前記巻き始め端部を含む径方向最内周側部分のさらにその内周側に中空部が形成されるように、巻回されていることを特徴とする。
【0026】
巻き芯としての軸部材のないロール構造であっても、巻き始め端部がテープ径方向最内周の他の部分に粘着することのないロール構造(テープ径方向積層構造)とすることで、ラベル用テープがすべて消費されて繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に解放することができる。
【0027】
上記目的を達成するために、第9発明は、上記第1乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記ラベル用テープは、無線タグ回路素子を長手方向に所定間隔で複数個配置したタグテープであることを特徴とする。
【0028】
これにより、タグテープがすべて消費されて繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に解放することができる。
【0029】
上記目的を達成するために、第10発明は、テープ基材とその面方向一方側に設けた粘着処理面とを備えた基材テープを、径方向に積層するように周方向に巻回して構成した第1ロールと、前記基材テープに貼り合わされる被印字テープを巻回して構成した第2ロールとを有し、前記第1ロール及び前記第2ロールから前記基材テープと前記被印字テープとを繰り出しつつ、前記被印字テープに所定の印字を行い、印字後の前記被印字テープと前記基材テープとを貼り合わせてラベルを作成するラベル作成装置に着脱可能に構成されたラベル用カートリッジであって、前記第1ロールは、前記基材テープの巻き始め端部に、径方向内周側への粘着のない非粘着部を備えたことを特徴とする。
【0030】
基材テープと被印字テープとを貼り合わせてラベルを作成する際に、相対的に高価な基材テープのほうが相対的に安価な被印字テープよりも短くするのが通常であるため、基材テープが第1ロールからの繰り出しを先に終了したときに被印字テープがまだ残存し第2ロールからの繰り出しを続行している状況がありうる。このような場合は、繰り出し続行している被印字テープは行き場がなくなり、近傍の空間に溜まって詰まりが発生する(いわゆるジャム)恐れがある。
【0031】
本願第10発明のラベル用カートリッジにおいては、基材テープの巻き始め端部に非粘着部を設けることにより、当該巻き始め端部がその他の部位(基材テープの他の部分や軸部材等)に粘着することのないロール構造(テープ径方向積層構造)とすることができる。この結果、基材テープがすべて消費されて繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に解放できる結果、被印字テープは単独でそのままそれまでと同様に繰り出しが継続されるので、上記のような詰まり等の発生が防止される。
【0032】
上記目的を達成するために、第11発明は、上記第10発明において、前記被印字テープに該被印字テープの全長が前記基材テープの全長よりも長くなるように延長部を設けたことを特徴とする。
【0033】
これにより、基材テープが被印字テープより先にすべて消費され、第1ロールからの繰り出しが基材テープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に第1軸部材から離脱させ解放することができる。
【0034】
前記第1ロールの前記基材テープは、無線タグ回路素子を長手方向に所定間隔で複数個配置したタグテープであることを特徴とする。
【0035】
タグテープがすべて消費されて第1ロールからの繰り出しがタグテープ終端に至ったときにその終端部を比較的容易に解放でき、被印字テープは単独でそのままそれまでと同様に第2ロールからの繰り出しが継続される結果、タグテープの詰まり等の発生が防止される。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ラベル用テープの巻き始め端部に非粘着部を設け、巻き始め端部がその他の部位に粘着することがないようにして容易に軸部材から離脱可能とするので、一方側のテープが終端に至ったときにも他方側のテープの詰まり等が発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0038】
図1は、本実施形態のラベル用テープロールを備えたラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0039】
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、ラベル作成装置2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
【0040】
図2は、上記ラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
【0041】
図2において、ラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部に、カートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
【0042】
装置本体8は、第2ロール(被印字テープロール)104から繰り出される被印字テープ103に所定の印字(印刷)を行う印字ヘッド(印字手段、サーマルヘッド)10と、被印字テープ103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、被印字テープ103とラベル用テープロールとしての第1ロール(基材テープロール)102から繰り出されるラベル用テープの基材テープ(タグテープ)101とを貼り合わせつつ印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ100から繰り出すための圧着ローラ駆動軸12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行うアンテナ(装置側アンテナ)14と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(詳細は後述)を生成するカッタ15と、無線タグラベルTを搬出する搬出口(排出口)16と、それらを収納するように外郭を構成し、カートリッジ100を着脱可能に嵌合させる上記カートリッジホルダ部及び上記搬出口16を備える筐体(ハウジング)9とを有する。
【0043】
アンテナ14は、一方側(この例では図2の紙面に向かって手前側)に指向性を備えた指向性アンテナ(この例ではいわゆるパッチアンテナ)で構成されるとともに、上記第1ロール102から繰り出された基材テープ101の搬送経路(ロールからの繰り出し位置より上記圧着ローラ駆動軸12までの間)のテープ面に交差する面(この例では直交する面;但しこれに限られず、90°以外の45°、60°等の交差角でも良い)内における搬送経路の近傍に設けられている。
【0044】
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(書き込み又は読み取りを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11、圧着ローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27等を介し、ラベル作成装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
【0045】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0046】
図3及び図4は、上記カートリッジ100をカートリッジホルダに装着した状態のラベル作成装置2の外観構造(但し手前側のカバーを取り去った状態)をそれぞれ表す上面図及び斜視図である。
【0047】
これら図3及び図4において、カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ101が巻回された上記第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記被印字テープ103が巻回された上記第2ロール104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、圧着ローラ107と、ガイドローラ112と、基材テープ101をその貫通空間113Aに挿通させ、アンテナ14から第1ロール102側への電波信号の漏れを低減するシールド部材113とを有する。
【0048】
圧着ローラ107は、上記基材テープ101と上記被印字テープ103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープとしつつ矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=テープ送りローラとしても機能する)。
【0049】
第1ロール102は、その軸線方向がテープ長手方向と略直交するリール部材(軸部材、スプール)102aの外周部に、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。
【0050】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記被印字テープ103を巻回している。第2ロール104より繰り出される被印字テープ103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該被印字テープ103の裏面に当接させられるようになっている。
【0051】
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記圧着ローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0052】
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出される被印字テープ103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が上記印字ヘッド10に押圧されて当該被印字テープ103の裏面に当接させられる。
【0053】
そして、カートリッジ100が上記装置本体8のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダRHが離反位置(図示の位置)から当接位置に移動されると、被印字テープ103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及び被印字テープ103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述の圧着ローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、圧着ローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からは被印字テープ103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、被印字テープ103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに対応した印字R(後述の図11参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了した被印字テープ103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープとして形成され、矢印Cで示す方向にカートリッジ100外へと搬出される。なお、被印字テープ103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0054】
図5は、図2、図3、及び図4に示した上記カートリッジ100の概念的構造を基材テープ101の詳細拡大構造とともに表す説明図である。
【0055】
この図5において、基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中左側)よりその反対側(図5中右側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層(粘着処理面)101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム(テープ基材)101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙(剥離材)101dの順序で積層され構成されている。
【0056】
ベースフィルム101bの裏側(図5中右側)には、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。ベースフィルム101bの表側(図5中左側)には、後に被印字テープ103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中右側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0057】
また、ガイドローラ112は、基材テープ101が消費されることに伴い第1ロール102からの基材テープ101繰り出し位置が変動しても(図5中2点鎖線参照)、第1ロール102から繰り出された基材テープ101の搬送経路を、アンテナ14との距離が常時所定範囲に規制されるように、導くようになっている。
【0058】
図6(a)は、本実施形態の要部である上記第1ロール102の詳細構造を表す断面図、図6(b)は、基材テープ101の端部を模式的に表す断面図である。但し、基材テープ101は実際には4層構造であるが、図6では説明を簡単にするため、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dを模式的に1層で表し(以降適宜、図中「101b/101c/101d」のように積層順に表す)、これと粘着層101aの合計2層で表している。また、テープの厚さを誇張して厚く表している。さらに図6(b)では紙面上方向がロール径方向最内周側となっている。図6(a)に示すように、第1ロール102は、上記リール部材102a(軸部材)を有し、このリール部材102aの軸線方向はテープ長手方向と直交し、その外周部に基材テープ101の粘着層101aを巻回するようになっている。また、図6(b)に示すように、基材テープ101の端部は、ロール径方向最内周側が剥離紙101dとなるように折り返した折り返し部250(非粘着部)を備えている。
【0059】
つまり、基材テープ101端部の折り返し部250がリール部材102aに粘着することのないロール構造(テープ径方向積層構造)となっている。これによって、基材テープ101がすべて消費され繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部を比較的容易に解放することができ、基材テープ101の繰り出しが終了したら直ちにロールから解放される結果、被印字テープ103は単独でそのままそれまでと同様に繰り出しが継続され、詰まり等が発生する(いわゆるジャム)のを防止できる。また、基材テープ101端部を折り返して折り返し部250とすることにより、特に別部材を追加することなく、容易にかつ簡素な構造で巻き始め端部側に非粘着部を形成することができる。
【0060】
また、図示は省略するが、上記のような巻き芯としてのリール部材102aがない状態、即ち、基材テープ101が、径方向最内周部分に中空部が形成されるように巻回されている構成でも上記と同様の作用効果が得られる。このような中空部を形成するためには、例えば、図6と同様のロール構造を構成した後で、最内周側部分のリール部材102aを軸方向に抜き取ればよい。
【0061】
図7(a)及び図7(b)は、それぞれ第1ロール102の変形例を表す断面図である。この図においても、基材テープ101は前述と同様、粘着層101a及びベースフィルム101b等の2層で模式的に表し、テープの厚さを誇張して厚く表している。図7(a)に示す変形例では、リール部材102a(軸部材)の軸線方向に沿って切り込み部210(係止凹部)を設け、その切り込み部210に基材テープ101の折り返し部250(非粘着部)を貫入係止させるようになっている。これ以外の構成は図6と同様である。
【0062】
これにより、図6の構成による作用効果に加えて、基材テープ101の端部を切り込み部210に貫入係止させるので、テープ消費時における軸部材からの解放性を確保しつつ、通常時における軸部材への連結性を良好とすることができ、巻装などの作業性を維持できる。
【0063】
図7(b)に示す変形例では、リール部材102aに図7(a)のような切り込み部210を設ける代わりに、リール部材102aの軸線方向に沿って基材テープ101の端部を収容する凹部220(係止凹部)を設け、その凹部220に基材テープ101の折り返し部250(非粘着部)を貫入係止させるようになっている。これ以外の構成は図7(a)と同様であり、同様の作用効果が得られるとともに折り返し部250の厚みによるロールの変形を回避できる。
【0064】
図8は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図8において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0065】
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報(無線タグ制御情報)にアクセスする(書き込み又は読み取りを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0066】
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移送器49で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0067】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、ラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0068】
図9は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図9において、無線タグ回路素子Toは、ラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0069】
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0070】
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記ラベル作成装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0071】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0072】
図10(a)及び図10(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図10(a)は上面図、図10(b)は下面図である。また図11は、図10中XI−XI′断面による横断面図である。
【0073】
これら図10(a)、図10(b)、及び図11において、無線タグラベルTは、図5に示した4層構造に被印字テープ103が加わった5層構造となっており、被印字テープ103側(図11中上側)よりその反対側(図11中下側)へ向かって、被印字テープ103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、被印字テープ103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
【0074】
図12は、上述したようなラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(書き込み又は読み取り)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
【0075】
図12において、この例では、タグラベル種別、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(書き込み又は読み取り)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりラベル作成装置2が作動されて、被印字テープ103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読みとられる)。なお、この場合の無線タグ情報の「書き込み・読み取り」とは、広くいわゆるデータの書き込み・読み取りのみならず、「Kill」及び「Sleep」コマンドに基づく信号のような応答を休止させる信号の送信も含む。
【0076】
上記のような書き込み(又は読み取り)の際、生成された無線タグラベルTのIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0077】
図13は、上述した無線タグラベルTの作成、すなわち、被印字テープ103を搬送し印字ヘッド10で所定の印字を行いつつ基材テープ101を搬送し無線タグ情報の書き込みを行い、それら被印字テープ103及び基材テープ101を貼り合わせて印字済タグラベル用テープ110とした後、印字済タグラベル用テープ110を無線タグ回路素子Toごとに切断し無線タグラベルTとする際に、制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0078】
この図13において、例えば上記端末5又は汎用コンピュータ6を介しラベル作成装置2の書き込み操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS105において、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、無線タグ回路素子Toへと書き込むべき無線タグ情報、及びこの無線タグ情報に対応して印字ヘッド10により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報が、通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
【0079】
その後、ステップS110において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライ(再試行)を行う回数をカウントする変数M,N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
【0080】
そして、ステップS115において、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107を回転駆動させる。これにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され圧着ローラ107へ供給され、第2ロール104からは被印字テープ103が繰り出される。この結果、前述したように、基材テープ101と被印字テープ103とが上記圧着ローラ107に(及びサブローラ109により)接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ体100外方向へと搬送される。
【0081】
その後、ステップS120に移り、基材テープ101及び被印字テープ103が所定値C(例えば、先行する無線タグ回路素子To及びこれに対応する被印字テープ103印字領域に対する無線タグ情報書き込み及び印刷が終了し、次の無線タグ回路素子Toがアンテナ14にほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定は、例えば、上記基材テープ101に設けた適宜の識別用マークを別途設けた公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS200に移る。
【0082】
ステップS200ではタグ情報書き込み・印字処理を行い、書き込むためのメモリ初期化(消去)を行った後、無線タグ情報を含む送信信号を基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに送信して書き込みを行うとともに、印字ヘッド10により印字テープ103の対応する領域に印字Rの印刷を行う(詳細は後述の図14参照)。このステップS200が終了したらステップS125に移る。
【0083】
ステップS125では、フラグF=0であるかどうかが判定される。書き込み処理が正常に完了していればF=0のまま(後述の図14に示すフローのステップS385参照)であるので、この判定が満たされ、ステップS130に移る。
【0084】
ステップS130では、上記ステップS200で無線タグ回路素子Toへ書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせが、入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し端末5又は汎用コンピュータ6を介して出力され、情報サーバ7やルートサーバ4に記憶される。なお、この記憶データは必要に応じて端末5又は汎用コンピュータ6より参照可能に例えばデータベース内に格納保持される。
【0085】
その後、ステップS135で、被印字テープ103のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域への印字がすべて完了していることを確認した後、ステップS140へ移る。
【0086】
なお、先に述べたステップS125において、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図14に示すフローのステップS385参照)のでS125の判定が満たされず、ステップS137に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力して印字ヘッド10を通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示する。なお、印字中途停止でなく、その旨の警報・注意喚起等の特別の態様の印字を行うようにしてもよい。
【0087】
このステップS137が終了した後、ステップS140へ移る。
【0088】
ステップS140では、印字済タグラベル用テープ110がさらに所定量(例えば、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応する被印字テープ103の印字領域のすべてがカッタ15を所定の長さ(余白量)分越えるだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、前述のステップS120と同様、例えばマーキングをテープセンサで検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS145に移る。
【0089】
ステップS145では、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23の駆動を停止して、リボン巻取りローラ106、圧着ローラ107の回転を停止する。これにより、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し及び第2ロール104からの被印字テープ103の繰り出しによる印字済タグラベル用テープ110の搬送が停止する。
【0090】
その後、ステップS150でソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してソレノイド26を駆動し、カッタ15によって印字済タグラベル用テープ110の切断を行う。前述したように、この時点で、例えば処理対象の無線タグ回路素子To及びこれに対応する被印字テープ103の印字領域が貼り合わせられた印字済タグラベル用テープ110のすべてがカッタ15を十分に越えており、このカッタ15の切断によって、無線タグ回路素子Toに無線タグ情報が書き込まれかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。このように上記ステップS150でラベル状に生成された無線タグラベルTは、搬出口16から装置2外へと排出される。
【0091】
図14は、上述のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0092】
この図14において、まず、ステップS300において、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、被印字テープ103のうち処理対象となる無線タグ回路素子Toに対応する領域(圧着ローラ107により当該無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、前述の図13のステップS105で読み込んだ文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。
【0093】
そして、ステップS310において、公知の適宜の手法で書き込み対象の無線タグ回路素子Toに割り当てる識別番号IDを設定する。
【0094】
その後、ステップS320において、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
【0095】
次に、ステップS330において、メモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS340において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0096】
次に、ステップS350において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
【0097】
判定が満たされない場合はステップS360に移ってMに1を加え、さらにステップS370においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS320に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS380に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。なお、第1ロール102に巻回した基材テープ101が全部消費されてなくなった場合も、無線タグ回路素子Toの不存在によって上記S340におけるリプライ信号が受信されないから、ステップS350の判定が満たされず、ステップS380にて上記の表示が行われる。
【0098】
ステップS350の判定が満たされた場合、ステップS390に移り、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で書き込みたいID情報を含むアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に情報が書き込まれる。
【0099】
その後、ステップS400において、「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS410において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0100】
次に、ステップS420において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0101】
判定が満たされない場合はステップS430に移ってNに1を加え、さらにステップS440においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS390に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS380に移り、同様に上記端末5又は汎用コンピュータ6に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS385で前述のフラグF=1にして、このフローを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0102】
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS450に移り、以後のデータ書き込みを禁止する「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、前述のようにして無線タグ回路素子Toが排出され、このフローを終了する。
【0103】
以上のルーチンにより、カートリッジ100内において、基材テープ101上の書き込み対象の無線タグ回路素子Toに対して対応する無線タグ情報を書き込むとともに、被印字テープ103上の対応する領域に対し上記無線タグ情報に対応した印字Rを印刷することができる。
【0104】
以上のように構成した本実施形態のラベル作成装置2においては、第2ロール104から繰り出された被印字テープ103と、第1ロール102から繰り出された基材テープ101とが、圧着ローラ107で互いに貼り合わされて印字済タグラベル用テープ110となり、このタグラベル用テープ110を用いて無線タグラベルTが生成される。
【0105】
ここで、上記のように無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101と被印字テープ103とを貼り合わせて無線タグラベルTを作成する際に、カートリッジ100では、予め相対的に高価な基材テープ101の全長が相対的に安価な被印字テープ103の全長よりも短く設定されるのが通常である(必ず基材テープ101が先にテープ切れとなるようにするため)。このため、テープ切れとなる最後は、基材テープ101が第1ロール102からの繰り出しを先に終了したときに被印字テープ103がまだ残存し第2ロール104からの繰り出しを続行していることとなる。このような場合、もし第1ロール102のリール部材102aに基材テープ101が強固に固定されていると、基材テープ101のテープ切れによって印字済タグラベル用テープ110の搬送が停止するのに対し圧着ローラ107及びサブローラ109よりも第2ロール104側において、第2ロール104から繰り出し続行されている被印字テープ103は行き場がなくなり、近傍の空間(この例では印字ヘッド10やプラテンローラ108の近傍の空間)に溜まって詰まり(いわゆるジャム)が発生するおそれがある。
【0106】
そこで本実施形態においては、基材テープ101端部を折り返して折り返し部250としてリール部材102aに粘着することのないロール構造とする(又は基材テープ101の径方向最内周部分に中空部を形成する)ことにより、第1ロール102に軸部材に粘着することのないロール構造が形成される。この結果、上記のようにして基材テープ101が被印字テープ103より先にすべて消費されて第1ロール102からの繰り出しが基材テープ101の終端に至ったとき、その終端部を比較的容易にリール部材102aから離脱させ解放することができる。この結果、上述のようにテープ110の駆動が停止することはなく(基材テープ101がなくなった以降は被印字テープ103のみによってテープ110が構成されるだけ)、被印字テープ103は単独でそのままそれまでと同様に第2ロール104からの繰り出しが継続されるので、前述のような詰まり等が発生するのを防止できる。
【0107】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0108】
(1)基材テープ端部のバリエーション
図15(a)、(b)は、基材テープ101の端部を模式的に表す断面図である。但し、基材テープ101は実際には4層構造であるが、図15(a)、(b)では説明を簡単にするため、前述の図6(b)と同様、粘着層101aとベースフィルム101b等との2層で模式的に表し、またテープの厚さを誇張して厚く表している。さらに図15(a)、(b)では紙面上方向がロール径方向最内周側となっている。図15(a)に示す変形例では、基材テープ101の端部に、テープ長手方向端部に対し、粘着層101aを覆うように非粘着性部材260を付着している。このように非粘着性部材260を付着して粘着層101aを覆うことにより、手軽に巻き始め端部に非粘着部を形成することができる。なお、このときの非粘着性部材260とラベル用テープとの接続は、例えばホッチキス(登録商標)や別途の接着によって行えばよい。
【0109】
図15(b)に示す変形例では、基材テープ101の端部には、テープ長手方向端部に対し、基材テープ101を延伸するように非粘着性部材270を付着している。この非粘着性部材270の基材テープ101端部から延伸した部分(テープ長手方向)の長さLは、リール部材102aの周方向に少なくとも一周可能な長さとする。これにより、基材テープ101が巻き始め端部から一周する間の非粘着性が確実に維持される構造となるので、基材テープ101がすべて消費されて繰り出しがテープ終端に至ったとき、その終端部をより確実に解放することができる。なお、このときの非粘着性部材270とラベル用テープとの接続も、例えばホッチキス(登録商標)や別途の接着によって行えばよい。
【0110】
(2)無線タグ回路素子Toから情報読みとりのみを行う場合
以上においては、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行う場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行ってラベルTを作成する場合があり、このような場合にも適用可能である。
【0111】
この場合には、図13におけるステップS105においては印字情報のみを読み取り、ステップS200で無線タグ情報読み取り・印字処理を行うようにすればよい(詳細は後述の図16参照)。その後ステップS130では印字情報とその読み取った無線タグ情報との組み合わせを保存する。
【0112】
図16は、上記無線タグ情報読み取り・印字処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0113】
図16において、まずステップS500において、図14のステップS300と同様、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、被印字テープ103のうち処理対象となる無線タグ回路素子Toに対応する領域(圧着ローラ107により当該無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、前述の図13のステップS105で読み込んだ文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。
【0114】
その後、ステップS501において、無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で無線タグ情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介して読み取り対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0115】
次に、ステップS502において、上記「Scroll All ID」信号に対応して読み取り対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグID情報等を含む無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0116】
次に、ステップS503において、上記ステップS502で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
【0117】
判定が満たされない場合はステップS504に移ってNに1を加え、さらにステップS505においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS501に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS506に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS507でフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このように、情報読み取りが不調でも5回までは再試行が行われることにより、読み取り信頼性の確保上、万全を期すことができる。
【0118】
ステップS503の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
【0119】
以上のルーチンにより、カートリッジ内の読み取り対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部152の無線タグ情報(タグ識別情報等)にアクセスし、これを読み出すことができる。
【0120】
この変形例においても、上記実施形態同様の効果を得る。
【0121】
(3)その他
以上においては、カートリッジ100の内部を移動中のテープ101,及び103に対して無線タグ情報の読み取り・書き込みや印字を行う例を示したが、これに限られず、それらテープを所定位置で停止させて(さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態で)上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。
【0122】
また、以上においては、ラベル用テープとして無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を用いた場合を例にとって説明したが、これに限られず、そのような無線タグ回路素子Toのない通常の基材テープを用いたり、あるいはそのようなラベル作成装置(アンテナ14やこれに対応する信号処理回路22及び高周波回路21等のないもの)に本発明を適用してもよい。この場合も本発明本来の効果であるテープ詰まりの発生防止という効果を得ることができる。
【0123】
さらに、以上で用いた「Scroll All ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号、「Kill」信号、「Sleep」信号とは、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0124】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の一実施形態のラベル用テープロールを備えたラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示したラベル作成装置の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】図1に示したラベル作成装置の外観構造を表す上面図である。
【図4】図1に示したラベル作成装置の外観構造を表す斜視図である。
【図5】図2に示したカートリッジの概念的構造を基材テープの詳細拡大構造とともに表す説明図である。
【図6】第1ロールの構造を模式的に表す断面図、及び基材テープの端部を模式的に表す断面図である。
【図7】第1ロールの変形例の構造を模式的に表す断面図である。
【図8】図2に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図9】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図10】無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図11】図10中XI−XI′断面による横断面図である。
【図12】無線タグ情報の書き込み又は読み取りに際して、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図13】図2に示した制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図14】図13中のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態における基材テープの端部の変形例を模式的に表した断面図である。
【図16】制御回路によって実行される無線タグ情報読み取り・印字処理手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
2 ラベル作成装置
10 印字ヘッド(印字手段)
14 アンテナ(装置側アンテナ)
100 ラベル用カートリッジ
101 基材テープ(タグテープ、ラベル用テープ)
101c 粘着層(粘着処理面)
102 第1ロール(ラベル用テープロール)
102a リール部材(軸部材)
103 被印字テープ
104 第2ロール
104a リール部材
210 切り込み部(係止凹部)
220 凹部(係止凹部)
250 折り返し部(非粘着部)
260 非粘着性部材
270 非粘着性部材
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ基材とその面方向一方側に設けた粘着処理面とを備えたラベル用テープを、径方向に積層するように周方向に巻回して構成したラベル用テープロールであって、
前記ラベル用テープの巻き始め端部に、径方向内周側への粘着のない非粘着部を備えたことを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項2】
請求項1記載のラベル用テープロールにおいて、
前記ラベル用テープの前記巻き始め端部は、前記テープ基材及び前記粘着処理面を含む積層構造のテープ長手方向端部を、ロール径方向最内周側が前記テープ基材となるように折り返した折り返し部であることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項3】
請求項1記載のラベル用テープロールにおいて、
前記ラベル用テープの前記巻き始め端部は、前記テープ基材及び前記粘着処理面を含む積層構造のテープ長手方向端部に対し、前記粘着処理面を覆うように設けた第1非粘着性部材を備えることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項4】
請求項1記載のラベル用テープロールにおいて、
前記ラベル用テープの前記巻き始め端部は、前記テープ基材及び前記粘着処理面を含む積層構造のテープ長手方向端部に対し、テープを延伸するように設けた第2非粘着性部材を備えることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のラベル用テープロールにおいて、
前記巻き始め端部は、前記ラベル用テープの巻回方向に沿って周方向に少なくとも一周可能なテープ長手方向長さを備えていることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載のラベル用テープロールにおいて、
軸線方向がテープ長手方向と略直交し、その外周部に前記ラベル用テープの前記粘着処理面を巻回する軸部材を有することを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項7】
請求項6記載のラベル用テープロールにおいて、
前記軸部材は、前記非粘着部を貫入係止させる係止凹部を備えることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項記載のラベル用テープロールにおいて、
前記ラベル用テープが、前記巻き始め端部を含む径方向最内周側部分のさらにその内周側に中空部が形成されるように、巻回されていることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項記載のラベル用テープロールにおいて、
前記ラベル用テープは、無線タグ回路素子を長手方向に所定間隔で複数個配置したタグテープであることを特徴とするラベル用テープロール。
【請求項10】
テープ基材とその面方向一方側に設けた粘着処理面とを備えた基材テープを、径方向に積層するように周方向に巻回して構成した第1ロールと、前記基材テープに貼り合わされる被印字テープを巻回して構成した第2ロールとを有し、
前記第1ロール及び前記第2ロールから前記基材テープと前記被印字テープとを繰り出しつつ、前記被印字テープに所定の印字を行い、印字後の前記被印字テープと前記基材テープとを貼り合わせてラベルを作成するラベル作成装置に着脱可能に構成されたラベル用カートリッジであって、
前記第1ロールは、前記基材テープの巻き始め端部に、径方向内周側への粘着のない非粘着部を備えたことを特徴とするラベル用カートリッジ。
【請求項11】
請求項10記載のラベル用カートリッジにおいて、
前記被印字テープに該被印字テープの全長が前記基材テープの全長よりも長くなるように延長部を設けたことを特徴とするラベル用カートリッジ。
【請求項12】
請求項10又は11記載のラベル用カートリッジにおいて、
前記第1ロールの前記基材テープは、無線タグ回路素子を長手方向に所定間隔で複数個配置したタグテープであることを特徴とするラベル用カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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