説明

ラミネート装置

【課題】ラミネート部が複数有するラミネート装置において、ラミネート装置を小型化すると共に、被加工物を生産する効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】上チャンバが形成された複数のケース13、18、23と、複数のケース13、18、23の何れか任意の一つと接続及び離脱可能な一体として機能する昇降開閉装置25(25a、25b、25c、25d)とを有し、昇降開閉装置25(25a、25b、25c、25d)は、複数のケース13、18、23のうち前記被加工物の搬入及び搬出を行うラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースと接続して、昇降することにより、任意のラミネート部の開放と閉塞とを一つずつ行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱板上に太陽電池モジュール等の被加工物を配置し、熱板により加熱した被加工物を熱板と押圧部材とで挟圧してラミネート処理するラミネート部を上下方向に複数有するラミネート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の温室効果ガス等の問題から、環境を汚さない太陽電池が注目されている。太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、カバーガラス、充填材、太陽電池セル、裏面材等の複数の部材が重なり合って構成されている。この種の太陽電池を製造する際には、太陽電池の構成部材を重ね合わせ、真空状態で加熱しながら、ラミネート処理して各構成部材を接着させるラミネート装置が使用されている。ラミネート処理は、太陽電池モジュールを製造する工程の中でも長時間の加工時間を要する工程である。したがって、必要な太陽電池モジュールの製造数量を確保するために、一つの生産ラインに複数台のラミネート装置を設置する必要がある。また、太陽電池モジュールの大型化にしたがって、その生産設備であるラミネート装置も大型化する傾向にある。しかし、この場合、生産ラインにおいてラミネート装置を設置するためのスペースが大きくなってしまい、設備占有面積当たりのスループット(時間当たり処理能力)を向上させる上で課題となっている。特許文献1には、太陽電池モジュールの生産ライン設備占有面積のうち大きな割合を有するラミネート装置の設置スペースを削減して、設備占有面積当たりのスループットを向上させるため、ラミネート処理を行うラミネート部を上下方向に2段重ねて構成したラミネート装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたラミネート装置は、上ラミネート部及び下ラミネート部の2段のラミネート部により同時にラミネート処理を行い、太陽電池モジュールの生産ライン設備占有面積のうち大きな割合を有するラミネート装置の設置スペースを削減して、設備占有面積当たりのスループット(時間当たり処理能力)を向上させようとしている。しかしながら、中央部ケースを中心として上部ケース及び下部ケースを同じタイミングで上げ下げする構造になっているため、上部ケース及び下部ケースが上下するスペースが必要になり、ラミネート部が2段であるにもかかわらず、ラミネート装置の高さ寸法(上下方向の寸法)が大きくなってしまう。
【0004】
更に、上述したラミネート装置において、同時にラミネート処理を行うためには、少なくとも2つの太陽電池パネルを用意する必要がある。すなわち、ラミネート処理の前工程において、ラミネート処理を行う2つの太陽電池パネルがストックされていることが前提となる。したがって、ラミネート処理を行う2つの太陽電池パネルがストックされていない場合、ラミネート処理を行う2つの太陽電池パネルの製造を待機する必要があり、ラミネート部の段数を増やしたとしても、全体的にみて太陽電池モジュールの設備占有面積当たりのスループットを向上させることができない。
【0005】
一方、特許文献2には、複数のプレス板がそれぞれ油圧シリンダによって、上下方向に移動可能に支持された多段プレス装置が開示されている。特許文献2に開示された多段ラミネート装置は、各プレス板間を順次開いて、被加工物の供給及び搬出を行い、連続的にプレス作業を行うことができるので、被加工物の設備占有面積当たりのスループットを向上させることができる。
【特許文献1】特開平9−141743号公報
【特許文献2】特開平6−190593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示された多段プレス装置では、プレス板を上下方向に移動させる駆動装置としての油圧シリンダが、各プレス板ごとに接続された状態で配設されている。すなわち、この多段プレス装置では、プレス板ごとに駆動装置を必要する構造であるため、多段プレス装置の構造が複雑化すると共に大型化してしまうという問題がある。
また、各油圧シリンダそれぞれは、各プレス板の外側を支持するように隣接して配置されている。したがって、プレス板の段数を増やそうとした場合、既に配置されている油圧シリンダにより、新たに増やすプレス板を駆動するための油圧シリンダの配置スペースを確保できない。すなわち、上述した多段プレス装置では、所定段数以上の多段化が非常に困難である。更に、プレス板の段数を増やした場合、各プレス板は複数の油圧シリンダにより、囲まれてしまうために、作業者はプレス板等をはじめとした多段プレス装置のメンテナンスを行うことが容易ではない。
【0007】
また、ラミネート処理を行うとき、太陽電池パネルから充填材がはみだして、ヒータ盤やダイヤフラムに付着してしまうことがある。充填材を付着させたまま、ラミネート処理を行うと、次にラミネート処理を行う太陽電池パネルに付着してしまうため、ヒータ盤やダイヤフラムに付着した充填材を掻き取って、排除する必要がある。しかしながら、上述したラミネート装置では、充填材を掻き取る装置が備えられていないため、付着した充填材を除去する作業が必要になり、太陽電池モジュールを生産する効率が低下してしまう。
【0008】
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、ラミネート部を複数有するラミネート装置において、ラミネート装置の構造を簡素化すると共にする小型化することを目的とする。また、現実的な設備高さの範囲でラミネート部の積層段数を容易に最大化させて、被加工物を生産する設備占有面積当たりのスループットを向上させることを目的とする。
また、上記の目的を有するラミネート装置の各ラミネート部において、後述する搬送ベルトや剥離シートに付着した充填材を掻き取るように構成して、被加工物を生産する効率を向上させることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のラミネート装置は、上チャンバ及び下チャンバにより構成され、前記下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱された前記被加工物を、前記熱板と前記上チャンバに設けられた押圧部材とで挟圧してラミネート処理するラミネート部を上下方向に複数、有するラミネート装置であって、前記上チャンバが形成された複数のケースと、前記複数のケースの何れか任意の一つと接続及び離脱可能な昇降開閉装置とを有し、前記昇降開閉装置は、前記複数のケースのうち前記被加工物の搬入及び搬出を行うラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースと接続して、昇降することにより、前記ラミネート部の開放と閉塞とを一つずつ行うことを特徴とする。
また、前記昇降開閉装置は、前記複数のケースのうち何れか任意の一つと接続及び離脱可能な係止部材を有し、前記昇降開閉装置は、前記係止部材を前記複数のケースのうち前記被加工物の搬入及び搬出を行うラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースに向かって進出させることにより前記ケースと接続し、後退させることにより前記ケースと離脱することを特徴とする。
また、前記複数のケースは、突出して形成された被係止部を有し、前記昇降開閉装置は、前記係止部材を進出させ、前記被係止部の下部に位置させることにより前記ケースと接続するように構成することができる。
また、前記複数のケースは、突出して形成された被係止部を有し、前記昇降開閉装置は、前記係止部材を前記被係止部が突出する方向と略直交する方向から進出させて、前記被係止部の下部に位置させることにより前記ケースと接続するように構成することができる。
また、前記複数のケースは、突出して形成された被係止部を有し、前記昇降開閉装置は、前記係止部材を旋回させて、前記被係止部の下部に位置させることにより前記ケースと接続するように構成することができる。
また、前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出装置と、前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入する搬入装置と、前記熱板上に配置され、前記被加工物を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを駆動する駆動装置とを有し、前記搬入装置又は前記搬出装置には、前記搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えるように構成することができる。
また、前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出装置と、前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入する搬入装置と、前記押圧部材と前記被加工物との間であって、前記上チャンバが形成されたケースに配置される剥離シートと、前記剥離シートを駆動する駆動装置とを有し、前記搬入装置及び前記搬出装置の少なくとも何れか一方には、前記剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えるように構成することができる。
また、前記昇降開閉装置は、前記ラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースと、前記ラミネート部の上段のラミネート部を構成する下チャンバが形成されたケースとを一体的に上昇させることにより前記ラミネート部を開放すると共に、一体的に下降させることにより前記ラミネート部を閉塞するように構成することができる。
また、前記昇降開閉装置は、前記ラミネート部を構成する上チャンバと前記ラミネート部の上段のラミネート部を構成する下チャンバとが一体で形成されたケースを上昇させることにより前記ラミネート部を開放すると共に、一体的に下降させることにより前記ラミネート部を閉塞するように構成することができる。
また、前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入すると共に、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出入装置と、前記熱板上に配置され、前記被加工物を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを駆動する駆動装置とを有し、前記搬出入装置には、前記搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えるように構成することができる。
また、前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入すると共に、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出入装置と、前記押圧部材と前記被加工物との間であって、前記上チャンバが形成されたケースに配置される剥離シートと、前記剥離シートを駆動する駆動装置とを有し、前記搬出入装置には、前記剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えるように構成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ラミネート装置の構造を簡素化及び小型化することができる。
また、例えば、上チャンバが形成された複数のケースと、複数のケースの何れか任意の一つと接続及び離脱可能な昇降開閉装置とを有し、昇降開閉装置は、複数のケースのうち被加工物の搬入及び搬出を行うラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースと接続して、昇降することにより、ラミネート部の開放と閉塞とを一つずつ行う。この場合、ケースを昇降させる昇降開閉装置は、一つのみで構成できるので、ラミネート装置の構造を簡素化できると共に小型化することができる。また、現実的な設備高さの範囲でラミネート部の積層段数を容易に最大化させて、被加工物を生産する設備占有面積当たりのスループットを向上させることができる。
また、例えば、搬入装置又は搬出装置には、搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えている。また、例えば、搬入装置及び搬出装置の少なくとも何れか一方には、剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えている。
この場合、各ラミネート部において、後述するように搬送ベルトや剥離シートに付着した充填材を掻き取るので、被加工物を生産する効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、被加工物として太陽電池モジュールをラミネート処理する場合について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係るラミネート装置では、太陽電池モジュールを構成する充填材を完全に架橋するまで加熱せず、半架橋状態まで処理を行う場合等、充填材の滓が付着しやすいプロセスに適合する。
【0012】
図1Aは、本実施形態に係るラミネート装置100の正面図である。図1Bは、ラミネート装置100の平面図である。以下では、図1A及び図1Bに示すX軸方向を幅方向といい、Y軸方向を奥行き方向といい、Z軸方向を上下方向という。
ラミネート装置100は、フレーム1と、複数のラミネート部10、15、20と、各ラミネート部10、15、20を開閉する昇降開閉装置25と、各ラミネート部10、15、20に太陽電池モジュールを搬入する搬入装置35と、各ラミネート部10、15、20から搬送された太陽電池モジュールを搬出する搬出装置60と、を含んで構成されている。
フレーム1は、床面に脚部を介して設置される基台2と、基台2の幅方向における両側面から立設する4つの支柱3(3a〜3d)とを有している(図1B参照)。なお、ラミネート部の数はラミネート装置の高さ寸法が許せば、3つ以上設けることも可能である。
【0013】
複数のラミネート部10、15、20は、基台2上面と平行に水平状態で配置されている。また、複数のラミネート部10、15、20は、基台2上から立設している昇降開閉装置25(25a〜25d)の間に配置されている(図1B参照)。ここで、本実施形態に係るラミネート部は、上下方向に3段重ねられて構成されている。具体的には、基台2の直上に配置されている1段目ラミネート部10と、2段目ラミネート部15と、3段目ラミネート部20とから構成されている。
ここで、各ラミネート部10、15、20について、図2を参照して詳細に説明する。図2は各ラミネート部10、15、20の一部断面を示す正面図である。図2では、ラミネート部10、15、20を構成する各要素を離間して図示している。また、図2では、各ラミネート部10、15、20を幅方向に縮小させて図示している。
【0014】
まず、1段目ラミネート部10について説明する。1段目ラミネート部10は、ケース(下ケース)11に形成された下チャンバ11aと、ケース(上ケース)13に形成された上チャンバ13aとにより構成されている。なお、以下では、下チャンバが形成されたケースを下ケースといい、上チャンバが形成されたケースを上ケースという。
下ケース11には、上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ11aが形成されている。下チャンバ11aには、太陽電池モジュールを加熱するための熱板11bが、開口を塞ぐように水平方向に沿って設けられている。下ケース11の奥行き方向における側面には、下チャンバ11a内を真空引きにするための吸排気口11cが設けられている。
【0015】
下ケース11には、搬送装置12が設けられている。搬送装置12は、搬入装置35からラミネート処理前の太陽電池モジュールを受け取って熱板11bの中央位置に搬送したり、ラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置60に受け渡したりする。搬送装置12は、搬送ローラ支持体12aと、搬送ローラ支持体12aに支持される4つの搬送ローラ12bと、搬送ローラ12bに巻回される搬送ベルト12cと、搬送ローラ12bを回動させる駆動装置としての搬送ベルト駆動モータ12eとを含んで構成されている。搬送ベルト12cは、4つの搬送ローラ12bに巻回されることで下ケース11の上側と下側とを通過するように構成されている。搬送ベルト12cのうち、熱板11bの上側に位置する搬送ベルト12cの上面が太陽電池モジュールを搬送する搬送面となる。また、搬送ベルト12cは、接続部材12dを介して接続することで無端状、すなわちエンドレスに形成されている。搬送ベルト駆動モータ12eによって搬送ローラ12bを矢印方向に回転させることで、搬送ベルト12cの搬送面を搬入装置35側から搬出装置60側に移動させることができる。また、更に継続して回転させることで、搬送ベルト12cは、熱板11bの上面を通過した後、下ケース11の下面を通過し、再び熱板11bの上面に戻るように循環する。
【0016】
上ケース13には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ13aが形成されている。上チャンバ13aには、空間を上下に仕切るように水平方向に沿って押圧部材としてのダイヤフラム13bが設けられている。後述するようにダイヤフラム13bが下方向に膨張することで太陽電池モジュールを熱板11bとの間で挟圧することができる。上ケース13の奥行き方向における側面には、上チャンバ13a内を真空引きにしたり、空気を導入したりするための吸排気口13cが設けられている。また、上ケース13の奥行き方向における両側面それぞれには、後述する昇降開閉装置25の係止部材に支持される被係止部13dが、幅方向に離間して2つ設けられている。各被係止部13dは、上ケース13の側面から水平方向に突出するように設けられている。
【0017】
上ケース13には、剥離シート装置14が設けられている。剥離シート装置14は、ラミネート処理において溶融した太陽電池モジュールの充填材がダイヤフラム13bに付着するのを防止するためのものである。剥離シート装置14は、ローラ支持体14aと、ローラ支持体14aに支持される2つのローラ14bと、ローラ14bに巻回される剥離シート14cと、ローラ14bを回動させる駆動装置としての剥離シート駆動モータ14eと、2つの補助ローラ14fとを含んで構成されている。剥離シート14cは、2つのローラ14b及び2つの補助ローラ14fに巻回されることで上ケース13の上側と下側とを通過するように構成されている。また、剥離シート14cは、接続部材14dを介して接続することで無端状、すなわちエンドレスに形成されている。剥離シート駆動モータ14eによってローラ14bを矢印方向に回転させるように駆動させることで、ダイヤフラム13bの下側に位置する剥離シート14cのシート面を上ケース13の上側に移動させたり、上ケース13の上側に位置する剥離シート14cのシート面をダイヤフラム13bの下側に移動させたりすることができる。なお、接続部材14dは、常に上ケース13の上側に位置していて、ローラ14bを越えて上ケース13の下側に移動しないように制御されている。すなわち、接続部材14dは、搬入側のローラ14bに近接する位置から搬出側のローラ14bに近接する位置を往復するように移動する。
ここで、上ケース13(2段目の下ケース16と一体化した)を下降させて下ケース11に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ13a及び下チャンバ11aで構成されるラミネート部10を閉塞して密閉状態にすることができる。一方、密閉状態から上ケース13を上昇させることで、上チャンバ13a及び下チャンバ11aで構成されるラミネート部10を開放状態にすることができる。
【0018】
次に、2段目ラミネート部15について説明する。2段目ラミネート部15は、下ケース16に形成された下チャンバ16aと、上ケース18に形成された上チャンバ18aとにより構成されている。なお、2段目ラミネート部15の構成要素は、上述した1段目ラミネート部10の構成要素と同一であるので、詳細な説明は省略する。
下ケース16には、上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ16aが形成されている。下チャンバ16aには、熱板16bと、吸排気口16cとが設けられている。
下ケース16には、搬送装置17が設けられている。搬送装置17は、搬送ローラ支持体17aと、4つの搬送ローラ17bと、搬送ベルト17cと、搬送ベルト駆動モータ17eとを含んで構成されている。搬送ベルト17cは、接続部材17dを介して接続することで無端状、すなわちエンドレスに形成されている。
【0019】
ここで、2段目ラミネート部15を構成する下チャンバ16aの下ケース16は、1段目ラミネート部10を構成する上チャンバ13aの上ケース13と一体的に構成されている。例えば、下ケース16に取り付けられている搬送ローラ支持体17aと上ケース13に取り付けられているローラ支持体14aとが図示しない固定ネジ等の固定手段により固定されることにより、下ケース16と上ケース13とが一体的に構成されている。ただし、搬送ベルト17c及び剥離シート14cが支障なく移動できるようにするために図2に示すように下ケース16の下側と上ケース13の上側との間には隙間を有している。このように、下ケース16と上ケース13とが一体的に構成されることで、後述するように両者を共に昇降させることができる。なお、下ケース16と上ケース13とは、上述した固定手段により固定される場合に限られず、下ケース16と上ケース13とが一体的に昇降できるように構成してあればどのように構成していてもよい。例えば、搬送ベルト17cと剥離シート14cとが支障なく移動できるように構成した上で、下ケース16と上ケース13とを直接固定してもよい。
【0020】
上ケース18には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ18aが形成されている。上チャンバ18aには、ダイヤフラム18bと、吸排気口18cとが設けられている。また、上ケース18の奥行き方向における両側面それぞれには、被係止部18dが、幅方向に離間して2つ設けられている。
上ケース18には、剥離シート装置19が設けられている。剥離シート装置19は、ローラ支持体19aと、2つのローラ19bと、剥離シート19cと、剥離シート駆動モータ19eと、2つの補助ローラ19fとを含んで構成されている。剥離シート19cは、接続部材19dを介して接続することで無端状、すなわちエンドレスに形成されている。
ここで、上ケース18(3段目の下ケース21と一体化した)を下降させて下ケース16に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ18a及び下チャンバ16aで構成されるラミネート部15を密閉状態にすることができる。一方、密閉状態から上ケース18を上昇させることで、上チャンバ18a及び下チャンバ16aで構成されるラミネート部15を開放状態にすることができる。
【0021】
次に、3段目ラミネート部20について説明する。3段目ラミネート部20は、下ケース21に形成された下チャンバ21aと、上ケース23に形成された上チャンバ23aとにより構成されている。なお、3段目ラミネート部20の構成要素は、上述した1段目ラミネート部10の構成要素と同一であるので、詳細な説明は省略する。
下ケース21には、上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ21aが形成されている。下チャンバ21aには、熱板21bと、吸排気口21cとが設けられている。
下ケース21には、搬送装置22が設けられている。搬送装置22は、搬送ローラ支持体22aと、4つの搬送ローラ22bと、搬送ベルト22cと、搬送ベルト駆動モータ22eとを含んで構成されている。搬送ベルト22cは、接続部材22dを介して接続することで無端状、すなわちエンドレスに形成されている。
【0022】
ここで、3段目ラミネート部20を構成する下チャンバ21aの下ケース21は、2段目ラミネート部15を構成する上チャンバ18aの上ケース18と一体的に構成されている。例えば、下ケース21に取り付けられている搬送ローラ支持体22aと上ケース18に取り付けられているローラ支持体19aとが図示しない固定ネジ等の固定手段により固定されることにより、下ケース21と上ケース18とが一体的に構成されている。ただし、搬送ベルト22c及び剥離シート19cが支障なく移動できるようにするために図2に示すように下ケース21の下側と上ケース18の上側との間には隙間を有している。このように、下ケース21と上ケース18とが一体的に構成されることで、後述するように両者を共に昇降させることができる。なお、下ケース21と上ケース18とは、上述した固定手段により固定される場合に限られず、下ケース21と上ケース18とが一体的に昇降できるように構成してあればどのように構成してもよい。例えば、搬送ベルト22cと剥離シート19cとが支障なく移動できるように構成した上で、下ケース21と上ケース18とを直接固定してもよい。
【0023】
上ケース23には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ23aが形成されている。上チャンバ23aには、ダイヤフラム23bと、吸排気口23cとが設けられている。また、上ケース23の奥行き方向における両側面それぞれには、被係止部23dが、幅方向に離間して2つ設けられている。
上ケース23には、剥離シート装置24が設けられている。剥離シート装置24は、ローラ支持体24aと、2つのローラ24bと、剥離シート24cと、剥離シート駆動モータ24eと、2つの補助ローラ24fとを含んで構成されている。剥離シート24cは、接続部材24dを介して接続することで無端状、すなわちエンドレスに形成されている。
ここで、上ケース23を下降させて下ケース21に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ23a及び下チャンバ21aで構成されるラミネート部20を閉塞した密閉状態にすることができる。一方、密閉状態から上ケース23を上昇させることで、上チャンバ23a及び下チャンバ21aで構成されるラミネート部20を開放状態にすることができる。なお、各上ケースに設けられる被係止部の位置や数は、昇降開閉装置25の係止部材の位置や数に応じて適宜、変更することができる。
【0024】
なお、上述した各上ケース及び各下ケースがラミネート装置100に設置される場合、後述する昇降開閉装置25により支持されていない場合、各上ケース及び各下ケースは平積みされた状態、すなわち各ラミネート部が閉塞した状態になる。このとき、各上ケースの荷重は下ケースが受けることとなる。また、上段の上ケース及び下ケースの荷重は、下段の上ケース及び下ケースが受けることとなる。
【0025】
次に、図1A、図1B、図1C及び図1Dを参照して昇降開閉装置25について説明する。なお、図1Cは、図1Bに示す昇降開閉装置の拡大図である。ここで、図1Cには、上ケース13の側面に設けられた被係止部13dが図示されている。また、図1Dは、昇降開閉装置の昇降部分の斜視図である。昇降開閉装置25は、複数のラミネート部10、15、20のうち任意のラミネート部を一つずつ、開閉することができる。昇降開閉装置25(25a〜25d)は、基台2上にそれぞれ離間した状態で4つ立設されている。4つの昇降開閉装置25a〜25dの構成は何れも同一であり、図示しない制御装置により同期して動作する。したがって、本実施形態に係る昇降開閉装置25(25a〜25d)は、実質的には一つとして構成されている。なお、同期して動作するのであれば、昇降開閉装置25(25a〜25d)の位置や数は適宜、変更することができる。ここでは、外カバーの一部を切断して図示した昇降開閉装置25aを参照して説明する。
【0026】
昇降開閉装置25aは、昇降装置26と、接続装置31とを含んで構成されている(図1A参照)。また、昇降装置26は、ボールネジ27と、サーボモータ28と、昇降部材29と、ガイド部材30とを有している。ボールネジ27は、基台2から上下方向に立設し、先端が軸受けによって支持されている。サーボモータ28は、ボールネジ27の基端に接続され、駆動することでボールネジ27を回転させることができる。ガイド部材30は、ボールネジ27の両側に平行して立設している。また、昇降部材29は、ボールネジ27の一部に螺合すると共に、2つのガイド部材30に係合している。したがって、昇降部材29は、ボールネジ27が一方方向に回転することにより上昇し、他方方向に回転することにより下降する。また、昇降部材29には、上下方向に沿って切り欠かれた切り欠き部29aが形成されている(図1C及び図1D参照)。この切り欠き部29aは、昇降部材29が昇降したときに、上ケース13、18、23の側面に設けられた被係止部13d、18d、23dと干渉しない大きさに切り欠かれている(図1C参照)。
【0027】
また、接続装置31は、係止部材32と、係止部材駆動装置33と、駆動装置取付部材34とを含んで構成されている(図1C及び図1D参照)。接続装置31は、昇降部材29を上ケース13、18、23のうち何れか任意の一つと接続させたり、離脱させたりする役割を有する。
係止部材駆動装置33は、例えばエアシリンダであって、昇降部材29上に固定された駆動装置取付部材34に取り付けられている。係止部材駆動装置33の先端33aは、上ケース13、18、23側に向かって進出及び後退できるように構成されている。この係止部材駆動装置33の先端33aは、係止部材32の一部に接続されている。係止部材32は、昇降部材29の切り欠き部29aの幅(図1Cに示すX方向)よりも長い矩形断面を有するブロック状に形成されている。係止部材32は、係止部材駆動装置33の先端33aの動きに連動して進出したり、後退したりする。
【0028】
係止部材32は、矢印A方向に向かって、図1Cの二点鎖線で示す位置まで進出する。ここで、係止部材32が進出した状態では、係止部材32は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dを下側から支持できる位置になるように設定されている(図1C参照)。
一方、係止部材32が後退すると、図1Cの二点鎖線から図1Cの実線で示す位置まで後退する。ここで、係止部材32が後退した状態では、係止部材32は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dに接触することがない位置になるように設定されている。
【0029】
そして、各昇降開閉装置25a〜25dの昇降装置26及び係止部材駆動装置33は、図示しない制御装置により、全てが同期して動作するように制御されている。また、各昇降開閉装置25a〜25dの係止部材32の高さは全てが一致するように設定されている。したがって、各昇降開閉装置25a〜25dの係止部材32が進出することで、昇降開閉装置25は上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dのうち何れか任意の一つの被係止部の下側に位置させることができる。更に、係止部材32を被係止部の下部に位置させた状態で各昇降開閉装置25a〜25dのサーボモータ28を駆動させることで、各段の上ケースを自由に上昇させたり下降させたりすることができる。このように、係止部材32を進出させて、係止部材32を被係止部の下部に位置させることにより、昇降開閉装置25a〜25dは、複数の上ケース13、18、23のうち何れか一つと接続することができる。また、係止部材32を、被係止部の下部から離間させて、後退させることにより、昇降開閉装置25a〜25dは、上ケースと離脱することができる。
【0030】
ここで、昇降開閉装置25が係止部材32を上ケース13の被係止部13dの下側に位置した状態で昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置25は、上ケース13と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置25は、1段目ラミネート部10を開放することができる(図1A参照)。このとき、上ケース23、下ケース21、上ケース18、下ケース16及び上ケース13の荷重は係止部材32が支持している。一方、昇降開閉装置25が1段目ラミネート部10を開放した状態から昇降部材29を下降させると、1段目ラミネート部10を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させると、昇降開閉装置25は、上ケース13との接続を解除、すなわち離脱する。ここで、係止部材32は、係止部材駆動装置33により後退する。
また、昇降開閉装置25が係止部材32を上ケース18の被係止部18dの下側に位置した状態で係止部材32を進出させた状態として昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置25は、上ケース18と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置25は、2段目ラミネート部15を開放することができる。このとき、上ケース23、下ケース21及び上ケース18の荷重は係止部材32が支持している。一方、昇降開閉装置25が2段目ラミネート部15を開放した状態から昇降部材29を下降させると、2段目ラミネート部15を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させると、昇降開閉装置25は、上ケース18との接続を解除する。ここで、係止部材32は、係止部材駆動装置33により後退する。
また、昇降開閉装置25が係止部材32を上ケース23の被係止部23dの下側に位置した状態で係止部材32を進出させた状態として昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置25は、上ケース23と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置25は、3段目ラミネート部20を開放することができる。一方、昇降開閉装置25が3段目ラミネート部20を開放した状態から昇降部材29を下降させると、3段目ラミネート部20を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させると、昇降開閉装置25は、上ケース23との接続を解除する。ここで、係止部材32は、係止部材駆動装置33により後退する。
なお、本実施形態では、昇降開閉装置25と上ケース13、18、23との接続とは、昇降開閉装置25の係止部材32が各ケースの被係止部の下部に位置させることであるが、このような実施形態に限定されない。すなわち、昇降開閉装置25が複数の上ケースの何れか任意の一つと接続及び離脱可能であれば、どのような構成であってもよい。例えば、昇降開閉装置25とケースとを接続させたり、離脱させたりする他の形態については、後述する第3〜第6の実施形態で説明する。
【0031】
次に、図1A、図1B及び図1Eを参照して搬入装置35について説明する。なお、図1Eは、搬入装置35の構成を示す拡大図である。搬入装置35は、昇降開閉装置25によって開放された各ラミネート部10、15、20にラミネート処理前の太陽電池モジュールを搬入する。
搬入装置35は、奥行き方向に隣接する支柱3bと支柱3cとの間に設置されている(図1B参照)。搬入装置35は、筐体36と、搬入ローラ37と、搬入ベルト38と、搬入ローラ駆動モータ39と、搬入昇降装置40と、搬送ベルト掻取装置50と、剥離シート掻取装置55とを有している。筐体36は、搬入装置35の各構成要素を支持するように構成されている。搬入ローラ37は、回転軸を奥行き方向に沿うような状態で、水平方向に4つ並設されている。なお、本数は太陽電池モジュールの大きさに応じて適宜、増減させる。搬入ベルト38は、搬入ローラ37のうち両端に設けられた搬入ローラ37に巻回されている。搬入ベルト38は、上面を太陽電池モジュールが載置される載置面としている。搬入ローラ駆動モータ39は、筐体36に支持されている。搬入ローラ駆動モータ39の出力軸と搬入ローラ37にはベルトが巻回されていて、搬入ローラ駆動モータ39を回転させることで、搬入ベルト38の載置面をラミネート部方向に移動させることができる。
【0032】
次に、搬入昇降装置40について説明する。搬入昇降装置40は、昇降開閉装置25によって開放されるラミネート部に合わせて搬入装置35を昇降させることができる。搬入昇降装置40は、搬入昇降モータ41と、ピニオン42とを有している。搬入昇降モータ41は、上述した筐体36内であって、奥行き方向における支柱3b側に設けられている(図1B参照)。搬入昇降モータ41の出力軸には歯車44が設けられている。ピニオン42は、支柱3b側及び支柱3c側に2つ設けられている。支柱3b側に設けられたピニオン42aは、搬入昇降モータ41の歯車44と噛み合っている。また、ピニオン42bは、ピニオン42aと軸43を介して接続され、ピニオン42aと同期する。一方、支柱3bには、ピニオン42aと噛み合うラック45aが支柱3bの側面であって、上下方向に沿って設けられている。同様に、支柱3cには、ピニオン42bと噛み合うラック45bが支柱3cの側面であって上下方向に沿って設けられている。したがって、搬入昇降モータ41を駆動させることで、ピニオン42a、42bが回転し、搬入装置35を支柱3b、3cに沿って昇降させることができる。なお、搬入昇降装置40は上述した構成に限られない。例えば、搬入昇降モータ41の出力軸にピニオン42aを直接接続するようにしてもよい。また、ラックとピニオンとによる昇降に限られず、昇降開閉装置25のようにボールネジを用いて昇降させたり、支柱の最上に設けられた昇降モータから吊り下げられたワイヤによって昇降させたりしてもよい。
【0033】
次に、搬送ベルト掻取装置50について説明する。搬送ベルト掻取装置50は、搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。搬送ベルト掻取装置50は、ベルト掻取部51と、掻取部回転モータ52と、掻取部進退装置53とを有している。ベルト掻取部51は、搬送ベルトに付着した充填材の滓を掻き取るブラシが全周面に貼り付けられたローラ形状に形成されている。ベルト掻取部51は、長手方向を奥行き方向に沿うような状態で、筐体36の支持板54に回転自在に設けられている。掻取部回転モータ52は、ベルト掻取部51と同様に支持板54に設けられている。掻取部回転モータ52の出力軸とベルト掻取部51とにはベルトが巻回されていて、掻取部回転モータ52を回転させることで、ベルト掻取部51を回転させることができる。
【0034】
掻取部進退装置53は、例えばエアシリンダであり、筐体36の奥行き方向における中央に設けられている(図1B参照)。掻取部進退装置53は、ベルト掻取部51と掻取部回転モータ52とを支持している支持板54を水平方向に進退させる。掻取部進退装置53が支持板54を前進させることで、図1Aに示すようにベルト掻取部51を搬送ベルトの搬送面に押し当てることができる。ベルト掻取部51が搬送ベルトの搬送面に押し当てられた状態で、搬送ベルトを移動させると共にベルト掻取部51を掻取部回転モータ52により回動させることで、ベルト掻取部51は、搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。また、掻取部進退装置53が支持板54を後退させることで、ベルト掻取部51は、搬送ベルトの搬送面から離間することができる。
【0035】
次に、剥離シート掻取装置55について説明する。剥離シート掻取装置55は、剥離シートの表面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。剥離シート掻取装置55は、搬入ベルト38の上面から上方に距離Hだけ離間した位置に設けられている(図1E参照)。この距離Hは、上述した各ラミネート部が開放したときの下ケースと上ケースとの間の距離Sにほぼ等しい(図1A参照)。剥離シート掻取装置55は、シート掻取部56と、掻取部回転モータ57と、掻取部進退装置58とを有している。シート掻取部56は、剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取るブラシが全周面に貼り付けられたローラ形状に形成されている。シート掻取部56は、長手方向を奥行き方向に沿うような状態で、支持板59に回転自在に設けられている。掻取部回転モータ57は、シート掻取部56と同様に支持板59に設けられている。掻取部回転モータ57の出力軸とシート掻取部56とにはベルトが巻回されていて、掻取部回転モータ57を回転させることで、シート掻取部56を回転させることができる。
【0036】
掻取部進退装置58は、例えばエアシリンダであり、筐体36の奥行き方向における中央に設けられている。掻取部進退装置58は、シート掻取部56と掻取部回転モータ57とを支持している支持板59を水平方向に進退させる。掻取部進退装置58が支持板59を前進させることで、図1Aに示すようにシート掻取部56を剥離シートの表面に押し当てることができる。シート掻取部56が剥離シートの表面に押し当てられた状態で、剥離シートを移動させると共にシート掻取部56を掻取部回転モータ57により回動させることで、シート掻取部56は、剥離シートの表面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。また、掻取部進退装置58が支持板59を後退させることで、シート掻取部56は、剥離シートの表面から離間することができる。
ここで、搬送ベルト掻取装置50及び剥離シート掻取装置55は、搬入昇降装置40が設置される筐体36に設置されているため、搬入装置35の昇降に同期して昇降する。なお、搬入装置35が昇降している間、搬送ベルト掻取装置50の掻取部進退装置53は、ベルト掻取部51が搬送ベルトに当たらないように、ベルト掻取部51を後退させる。同様に、剥離シート掻取装置55の掻取部進退装置58は、シート掻取部56が剥離シートに当たらないように、シート掻取部56を後退させる。
【0037】
次に、図1A、図1B及び図1Fを参照して搬出装置60について説明する。なお、図1Fは搬出装置の構成を示す拡大図である。搬出装置60は、昇降開閉装置25によって開放された各ラミネート部10、15、20からラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出する。
搬出装置60は、奥行き方向に隣接する支柱3aと支柱3dとの間に設置されている(図1B参照)。搬出装置60は、筐体61と、搬出ローラ62と、搬出ベルト63と、搬出ローラ駆動モータ64と、搬出昇降装置65と、剥離シート掻取装置75とを有している。筐体61は、搬出装置60の各構成要素を支持するように構成されている。搬出ローラ62は、回転軸を奥行き方向に沿うような状態で、水平方向に4つ並設されている。なお、本数は太陽電池モジュールの大きさにより適宜、増減させる。搬出ベルト63は、搬出ローラ62のうち両端に設けられた搬出ローラ62に巻回されている。搬出ベルト63は、上面を太陽電池モジュールが載置される載置面としている。搬出ローラ駆動モータ64は、筐体61に支持されている。搬出ローラ駆動モータ64の出力軸と搬出ローラ62にはベルトが巻回されていて、搬出ローラ駆動モータ64を回転させることで、搬出ベルト63の載置面をラミネート部から離間する方向に移動させることができる。
【0038】
次に、搬出昇降装置65について説明する。搬出昇降装置65は、昇降開閉装置25によって開放されるラミネート部に合わせて搬出装置60を昇降させることができる。搬出昇降装置65は、搬出昇降モータ66と、ピニオン67とを有している。搬出昇降モータ66は、上述した筐体61内であって、奥行き方向における支柱3a側に設けられている(図1B参照)。搬出昇降モータ66の出力軸には歯車69が設けられている。ピニオン67は、支柱3a側及び支柱3d側に2つ設けられている。支柱3a側に設けられたピニオン67aは、搬出昇降モータ66の歯車69と噛み合っている。また、ピニオン67bは、ピニオン67aと軸68を介して接続され、ピニオン67aと同期する。一方、支柱3aには、ピニオン67aと噛み合うラック70aが支柱3aの側面であって、上下方向に沿って設けられている。同様に、支柱3dには、ピニオン67bと噛み合うラック70bが支柱3dの側面であって上下方向に沿って設けられている。したがって、搬出昇降モータ66を駆動させることで、ピニオン67a、67bを回転させることができる。ピニオン67a、67bの回転に伴い、搬出装置60を支柱3a、3dに沿って昇降させることができる。なお、搬出昇降装置65は上述した構成に限られない。例えば、搬出昇降モータ66の出力軸にピニオン67aを直接接続するようにしてもよい。また、ラックとピニオンとによる昇降に限られず、昇降開閉装置25のようにボールネジを用いて昇降させたり、支柱の最上に設けられた昇降モータから吊り下げられたワイヤによって昇降させたりしてもよい。
【0039】
次に、剥離シート掻取装置75について説明する。剥離シート掻取装置75は、剥離シートの表面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。剥離シート掻取装置75は、搬出ベルト63の上面から上方に距離Hだけ離間した位置に設けられている(図1F参照)。この距離Hは、上述した各ラミネート部が開放したときの下ケースと上ケースとの間の距離Sにほぼ等しい(図1A参照)。剥離シート掻取装置75は、シート掻取部76と、掻取部回転モータ77と、掻取部進退装置78とを有している。シート掻取部76は、剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取るブラシが全周面に貼り付けられたローラ形状に形成されている。シート掻取部76は、長手方向を奥行き方向に沿うような状態で、支持板79に回転自在に設けられている。掻取部回転モータ77は、シート掻取部76と同様に支持板79に設けられている。掻取部回転モータ77の出力軸とシート掻取部76とにはベルトが巻回されていて、掻取部回転モータ77を回転させることで、シート掻取部76を回転させることができる。
【0040】
掻取部進退装置78は、例えばエアシリンダであり、筐体61の奥行き方向における中央に設けられている(図1B参照)。掻取部進退装置78は、シート掻取部76と掻取部回転モータ77とを支持している支持板79を水平方向に進退させる。掻取部進退装置78が支持板79を前進させることで、シート掻取部76を剥離シートの表面に押し当てることができる。シート掻取部76が剥離シートの表面に押し当てられた状態で、剥離シートを移動させると共にシート掻取部76を掻取部回転モータ77により回動させることで、シート掻取部76は、剥離シートの表面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。また、掻取部進退装置78が支持板79を後退させることで、図1Aに示すように、シート掻取部76は、剥離シートの表面から離間することができる。
ここで、剥離シート掻取装置75は、搬出昇降装置65が設置される筐体61に設置されているため、搬出装置60の昇降に合わせて昇降する。なお、搬出装置60が昇降している間、剥離シート掻取装置75の掻取部進退装置78は、シート掻取部76が剥離シートに当たらないように、シート掻取部76を後退させる。
【0041】
次に、ラミネート装置100でラミネート処理される被加工物80について説明する。
図3は、被加工物80として結晶系セルを使用した太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。太陽電池モジュールは、図示のように、透明なカバーガラス81と裏面材82との間に、充填材83、84を介して太陽電池ストリング85を挟み込んだ構成を有している。裏面材82にはポリエチレン樹脂等の材料が使用される。充填材83、84にはEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が使用される。太陽電池ストリング85は、電極86、87の間に結晶系セルとしての太陽電池セル88をリード線89を介して接続した構成である。
【0042】
また、被加工物80としては、上述した太陽電池モジュールだけではなく、一般に薄膜式と呼ばれる太陽電池モジュールを対象とすることもできる。この薄膜式太陽電池モジュールの代表的な構造例では、透明なカバーガラスに、予め、透明電極、半導体、裏面電極からなる発電素子が蒸着してある。このような薄膜式太陽電池モジュールは、カバーガラスを下向きに配置し、カバーガラス上の発電素子の上に充填材を被せ、更に、充填材の上に裏面材を被せた構造で、ラミネート処理することにより製造される。すなわち、薄膜式太陽電池モジュールは、上述した太陽電池モジュールの結晶系セルが蒸着された発電素子に変わるだけで、基本的な封止構造は上述した太陽電池モジュールと同じである。
【0043】
次に、ラミネート装置100によるラミネート処理を行う動作について図4A〜図4Eを参照して説明する。なお、図4A〜図4Eではラミネート装置100の昇降開閉装置25を省略して図示している。ここでは、1〜3段目ラミネート部10、15,20に、太陽電池モジュールがない状態から説明する。
まず、ラミネート装置100が、1段目ラミネート部10にラミネート処理を行う太陽電池モジュールを搬送する動作について図4Aを参照して説明する。各上ケース及び各下ケースが平積みされた状態から、昇降開閉装置25は、1段目ラミネート部10を開放するために上ケース13と接続した後、図4Aに示すように、距離S、上昇させる。このとき、2段目ラミネート部15及び3段目ラミネート部20は閉塞されたままであり、上ケース23、下ケース21、上ケース18、下ケース16及び上ケース13の荷重は昇降開閉装置25の係止部材32が支持している。
【0044】
1段目ラミネート部10の開放に連動して、搬入昇降装置40は、搬入ベルト38の上面と下ケース11の搬送ベルト12cの搬送面とが面一になるように搬入装置35を昇降させる。なお、作業者は、搬入ベルト38の上面に1段目ラミネート部10においてラミネート処理を行う太陽電池モジュール80を予め載置しておく。昇降している間、掻取部進退装置53は、ベルト掻取部51を後退させる。また、掻取部進退装置58は、シート掻取部56を後退させる。同様に、搬出昇降装置65は、搬出ベルト63の上面と下ケース11の搬送ベルト12cの搬送面とが面一になるように搬出装置60を昇降させる。昇降している間、掻取部進退装置78は、シート掻取部76を後退させる。
【0045】
次に、搬入装置35では、搬入ローラ駆動モータ39が搬入ベルト38の上面をラミネート部10側に移動させる。これにより、搬入装置35は、搬入ベルト38の上面に載置された太陽電池モジュールを下ケース11の搬送装置12に受け渡すことができる。このとき、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51を前進させると共にベルト掻取部51を回転させる。また、剥離シート掻取装置55では、シート掻取部56を前進させると共にシート掻取部56を回転させる。
一方、搬出装置60では、搬出ローラ駆動モータ64が搬出ベルト63の上面をラミネート部10から離間させる方向に移動させる。ここで、下ケース11の搬送ベルト12cにラミネート処理が行われた太陽電池モジュールが載置されている場合、下ケース11の搬送装置12から太陽電池モジュールを受け取ることができる。なお、搬入側のシート掻取部56が前進し、回転している場合、搬出側の剥離シート掻取装置75では、シート掻取部76を後退させたままにする。
【0046】
また、下ケース11では、搬送ベルト駆動モータ12eが搬送ベルト12cの搬送面を搬入装置35側から搬出装置60側に移動させる。これにより、搬送装置12は、搬入装置35から受け取ったラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部10の中央に配置すると共に、ラミネート部10にラミネート処理後の太陽電池モジュールがある場合、ラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置60に受け渡すことができる。また、搬送ベルト駆動モータ12eは、一回の移動で搬送ベルト12cが略半周するまで移動するように設定されている。すなわち、一回の移動で、搬送ベルト12cのうち熱板11b上に位置した部分は下ケース11の下側に位置し、下ケース11の下側に位置した部分は熱板11b上に位置する。このように搬送ベルト12cは、エンドレスに循環動作する。
【0047】
ここで、搬送ベルト12cが移動する直前、搬送ベルト12cのうち下ケース11の下側に位置する搬送面にはラミネート処理のときに太陽電池モジュールからはみだして付着した充填材は、別の太陽電池モジュールをラミネート処理する間に、温度が下がり硬化する。また、上述したように搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51を前進させて搬送ベルト12cの搬送面に押し当てて回転している。したがって、搬送ベルト12cのうち下ケース11の下側に位置する搬送面が略半周して熱板11b上に移動するときに、ベルト掻取部51が搬送面に付着した充填材を掻き取ることができる。すなわち、一回の移動が終了した時点で熱板11b上には常に、充填材が付着していない搬送面を位置させることができる。なお、上述したように搬送ベルト12cには、接続部材12dが設けられている。ここで、搬送ベルト12cが移動して接続部材12dがベルト掻取部51を通過するとき、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51が後退して接続部材12dと接触しないように制御されている。
【0048】
上ケース13では、下ケース11の搬送ベルト12cが移動しているときに、剥離シート装置14の剥離シート駆動モータ14eが、剥離シート14cを移動させる。剥離シート駆動モータ14eは、搬送ベルト12cと同様に、一回の移動で剥離シート14cが略半周するまで移動するように設定されている。すなわち、一回の移動で、剥離シート14cのうちダイヤフラム13bの下側に位置する部分は上ケース13の上側に位置し、上ケース13の上側に位置した部分はダイヤフラム13bの下側に位置する。
【0049】
ここで、剥離シート14cが移動する直前、剥離シート14cのうち上ケース13の上側に位置するシート面にはラミネート処理のときに太陽電池モジュールからはみだして付着した充填材は、別の太陽電池モジュールをラミネート処理する間に、温度が下がり硬化する。また、上述したように搬入側の剥離シート掻取装置55では、シート掻取部56を前進させて剥離シート14cに押し当てて回転している。剥離シート駆動モータ14eは、図4Aに示す矢印方向のように、上ケース13の上側に位置するシート面が、シート掻取部56に接触するように回転して、シート掻取部56がシート面に付着した充填材を掻き取ることができる。このように、一回の移動が終了した時点でダイヤフラム13bの下側のシート面を、充填材が付着していないシート面とすることができる。
【0050】
なお、剥離シート装置14は、搬送装置12と異なり、一回の移動毎に回転する方向が逆になる。これは、剥離シート14cに設けられた接続部材14dが本図のような構成のローラ14bでは、ローラ14bを越えて上ケース13の下側に移動できないためである。したがって、剥離シート14cが移動する直前に、図4Aに示すように接続部材14dが搬出側のローラ14bに近接する位置にある場合、搬入側のシート掻取部56が前進するように設定されると共に、剥離シート駆動モータ14eは、図4Aに示す矢印方向に剥離シート14cを移動させる。ここで、剥離シート駆動モータ14eは、一回の移動で接続部材14dを搬入側のローラ14bに近接する位置まで移動させる。逆に、剥離シート14cが移動する直前に、接続部材14dが搬入側のローラ14bに近接する位置にある場合、搬出側のシート掻取部76が前進するように設定されると共に、剥離シート駆動モータ14eは、図4Aに示す矢印方向と反対方向に剥離シート14cを移動させる。なお、図4Aに示す剥離シート14cの矢印方向と異なる動きについては、図4Eにおいて説明する。ただし、剥離シート14cを巻回しているローラ14bの構成を、搬送ベルト12cを巻回しているローラ12bと同様な構成にすることで、剥離シート14cを循環式にすることができる。
このように、上述したような各構成要素の動作によって、ラミネート処理を行う新たな太陽電池モジュールが1段目ラミネート部10の中央に配置され、ラミネート処理を行う準備が整えられる。
【0051】
次に、ラミネート装置100が、ラミネート部10に配置された太陽電池モジュールに対して、ラミネート処理を行う動作について図4Bを参照して説明する。
まず、昇降開閉装置25は、1段目のラミネート部10を閉塞するために、接続した状態で上昇させた上ケース13を図4Bに示すように下降させる。上ケース13を下降させることにより、ラミネート部10を密閉させることができる。なお、上ケース13が下降するとき、搬入側の剥離シート掻取装置55又は搬出側の剥離シート掻取装置75は、前進しているシート掻取部56、76を後退させる。また、搬送ベルト掻取装置50も、次の動作に備えベルト掻取部51を後退させる。ラミネート部10を密閉させた後、昇降開閉装置25は、上ケース13との接続を解除、すなわち離脱する。
【0052】
また、ラミネート部10を密閉させた後、上ケース13の吸排気口13cを介して、上チャンバ13aの真空引きを行う。同様に、下ケース11の吸排気口11cを介して、下チャンバ11aの真空引きを行う。下チャンバ11aの真空引きにより被加工物80に含まれている気泡を抜くことができる。この状態で、被加工物80は熱板11bによって加熱され、その内部に含まれる充填材83、84が溶融する。次に、下チャンバ11aの真空状態を保ったまま、上ケース13の吸排気口13cを介して、上チャンバ13aに大気圧を導入する。これにより、上チャンバ13aと下チャンバ11aとに気圧差が生じ、ダイヤフラム13bが膨張して、図4Bに示すようにダイヤフラム13bが下方に押し出される。
【0053】
被加工物80は、下方に押し出されたダイヤフラム13bと、熱板11bとで挟圧され、溶融した充填材83、84により各構成部材が接着されてラミネート処理が行われる。なお、挟圧しているときに、充填材83、84がカバーガラス81と裏面材82との間からはみ出てしまうことがあり、はみ出した充填材83、84は剥離シート14cのシート面及び搬送ベルト12cの搬送面に付着する。
【0054】
本実施形態に係るラミネート装置100は、1段目ラミネート部10において、上述したラミネート処理が行われている間、随時、他の任意のラミネート部に太陽電池モジュールを配置してラミネート処理を行うことができる。ここでは、1段目ラミネート部10において、ラミネート処理が行われている間、2段目ラミネート部15に太陽電池モジュールを配置する動作について図4Cを参照して説明する。なお、2段目ラミネート部15において行われる動作のうち、1段目ラミネート部10において行われる動作と同様の動作は、適宜省略して説明する。
1段目ラミネート部10においてラミネート処理が行われている間、昇降開閉装置25は、2段目のラミネート部15を開放するために上ケース18と接続した後、図4Cに示すように、下ケース16から距離S、上昇させる。このとき、1段目ラミネート部10及び3段目ラミネート部20は閉塞されたままである。また、上ケース23、下ケース21及び上ケース18の荷重は昇降開閉装置25の係止部材32が支持し、下ケース16及び上ケース13の荷重は下ケース11が支持している。
【0055】
作業者は、上昇する前の搬入装置35の搬入ベルト38の上面に太陽電池モジュール80を予め載置する。
2段目のラミネート部15の開放に連動して、搬入昇降装置40は、搬入ベルト38の上面と下ケース16の搬送ベルト17cの搬送面とが面一になるように搬入装置35を上昇させる。搬入装置35を上昇した状態では、搬入装置35の剥離シート掻取装置55のシート掻取部56の高さと上ケース18のローラ19bとの高さがほぼ等しくなる。同様に、搬出昇降装置65は、搬出ベルト63の上面と下ケース16の搬送ベルト17cの搬送面とが面一になるように搬出装置60を昇降させる。搬出装置60を上昇した状態では、搬出装置60の剥離シート掻取装置75のシート掻取部76と上ケース18のローラ19bとの高さがほぼ等しくなる。
【0056】
次に、搬入装置35は、搬入ベルト38の上面に載置された太陽電池モジュールを下ケース16の搬送装置17に受け渡す。また、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51を前進させると共にベルト掻取部51を回転させる。また、剥離シート掻取装置55では、シート掻取部56を前進させると共にシート掻取部56を回転させる。
一方、搬出装置60では、下ケース16の搬送ベルト17cにラミネート処理が行われた太陽電池モジュールが載置されている場合、下ケース16の搬送装置17から太陽電池モジュールを受け取る。また、搬入側のシート掻取部56が前進し、回転している場合、搬出側の剥離シート掻取装置75では、シート掻取部76を後退させたままにする。
【0057】
下ケース16では、搬送装置17が搬入装置35から受け取ったラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部15の中央に配置すると共に、ラミネート処理後の太陽電池モジュールがある場合、ラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置60に受け渡す。なお、ラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部15の中央に位置したとき、1段目ラミネート部10と同様に、太陽電池モジュールが載置されている搬送ベルト17cは、搬送ベルト掻取装置50の作用により、搬送面は充填材が付着していない状態となっている。また、搬送ベルト17cに設けられた接続部材17dがベルト掻取部51を通過するとき、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51が後退して接続部材17dと接触しないようにする。
【0058】
上ケース18では、剥離シート装置19が、剥離シート19cを移動させる。なお、図4Cに示すように接続部材19dが搬出側のローラ19bに近接する位置にあるので、搬入側のシート掻取部56が前進すると共に、剥離シート駆動モータ19eは、図4Cに示す矢印方向に剥離シート19cを移動させる。したがって、シート掻取部56がシート面に付着した充填材を掻き取ることで、剥離シート19cの移動が終了した後は、1段目ラミネート部10と同様に、ダイヤフラム18bの下側のシート面を充填材が付着されていないシート面とすることができる。
このように、上述したような各構成要素の動作によって、ラミネート処理を行う太陽電池モジュールが2段目ラミネート部15の中央に配置され、ラミネート処理を行う準備が整えられる。
【0059】
ラミネート部15に太陽電池モジュール80が搬入され、搬送ベルト掻取装置50及び剥離シート掻取装置55、75により搬送ベルト17cと剥離シート19cとの掻き取り作業が完了した後、搬入側の剥離シート掻取装置55は、前進しているシート掻取部56を後退させる。また、搬送ベルト掻取装置50も、次の動作に備えベルト掻取部51を後退させる。
また、搬入装置35は、作業者が新たな太陽電池モジュールを搬入ベルト38の上面に載置できるように、図4Aに示す位置まで下降する。なお、2段目のラミネート部15にラミネート処理が行われた太陽電池モジュールがあった場合、搬出装置60は、搬送装置17から太陽電池モジュールを受け取った後、作業者が搬出ベルト63の上面に載置されたラミネート処理された太陽電池モジュールを持ち出すことができるように、図4Aに示す位置まで下降する。そして、後工程へ太陽電池モジュールを搬出する。その後、搬出装置60は、後述する図4Dに示す位置まで上昇する。
【0060】
その後、昇降開閉装置25は、2段目ラミネート部15を閉塞するために、接続した状態で上昇させた上ケース18を下降させる。上ケース18を下降させることにより、ラミネート部15を密閉させることができる。ラミネート部15を密閉させた後、昇降開閉装置25は、上ケース18との接続を解除する。また、1段目ラミネート部10において上述したように、同様に2段目ラミネート部15においてラミネート処理を行う。
【0061】
本実施形態に係るラミネート装置100は、1段目ラミネート部10及び2段目ラミネート部15において、上述したラミネート処理が行われている間、随時、他の任意のラミネート部に太陽電池モジュールを配置してラミネート処理を行うことができる。本実施形態は、3段のラミネート部により構成されているので、残りの3段目ラミネート部20に太陽電池モジュールを配置し、ラミネート処理が行なわれる。次に、3段目ラミネート部20に太陽電池モジュールを配置する動作について図4Dを参照して説明する。なお、3段目ラミネート部20において行われる動作のうち、1段目ラミネート部10及び2段目ラミネート部15において行われる動作と同様の動作は、適宜省略して説明する。
1段目ラミネート部10及び2段目ラミネート部15においてラミネート処理が行われている間、図4Dに示すように昇降開閉装置25は、3段目のラミネート部20を開放するために上ケース23と接続した後、図4Dに示すように、下ケース21から距離S、上昇させる。このとき、1段目ラミネート部10及び2段目ラミネート部15は閉塞されたままである。また、上ケース23の荷重は昇降開閉装置25の係止部材32が支持し、下ケース21、上ケース18、下ケース16及び上ケース13の荷重は、下ケース11が支持している。
【0062】
作業者は、上昇する前の搬入装置35の搬入ベルト38の上面に太陽電池モジュール80を予め載置する。
3段目のラミネート部20の開放に連動して、搬入昇降装置40は、搬入ベルト38の上面と下ケース21の搬送ベルト22cの搬送面とが面一になるように搬入装置35を上昇させる。搬入装置35を上昇した状態では、搬入装置35の剥離シート掻取装置55のシート掻取部56の高さと上ケース23のローラ24bとの高さがほぼ等しくなる。同様に、搬出昇降装置65は、搬出ベルト63の上面と下ケース21の搬送ベルト22cの搬送面とが面一になるように搬出装置60を昇降させる。搬出装置60を上昇した状態では、搬出装置60の剥離シート掻取装置75のシート掻取部76と上ケース23のローラ24bとの高さがほぼ等しくなる。
【0063】
次に、搬入装置35は、搬入ベルト38の上面に載置された太陽電池モジュールを下ケース21の搬送装置22に受け渡す。また、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51を前進させると共にベルト掻取部51を回転させる。また、剥離シート掻取装置55では、シート掻取部56を前進させると共にシート掻取部56を回転させる。
一方、搬出装置60では、下ケース21の搬送ベルト22cにラミネート処理が行われた太陽電池モジュールが載置されている場合、下ケース21の搬送装置22から太陽電池モジュールを受け取る。また、搬入側のシート掻取部56が前進し、回転している場合、搬出側の剥離シート掻取装置75では、シート掻取部76を後退させたままにする。
【0064】
下ケース21では、搬送装置22が搬入装置35から受け取ったラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部20の中央に配置すると共に、ラミネート処理後の太陽電池モジュールがある場合、ラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置60に受け渡す。なお、ラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部20の中央に位置したとき、1段目ラミネート部10と同様に、太陽電池モジュールが載置されている搬送ベルト22cは、搬送ベルト掻取装置50の作用により、搬送面は充填材が付着していない状態となっている。また、搬送ベルト22cに設けられた接続部材22dがベルト掻取部51を通過するとき、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51が後退して接続部材22dと接触しないようにする。
【0065】
上ケース23では、剥離シート装置24が、剥離シート24cを移動させる。なお、図4Dに示すように接続部材24dが搬出側のローラ24bに近接する位置にあるので、搬入側のシート掻取部56が前進すると共に、剥離シート駆動モータ24eは、図4Dに示す矢印方向に剥離シート24cを移動させる。したがって、シート掻取部56がシート面に付着した充填材を掻き取ることで、剥離シート24cの移動が終了した後は、1段目ラミネート部10と同様に、ダイヤフラム23bの下側のシート面を充填材が付着されていないシート面とすることができる。
このように、上述したような各構成要素の動作によって、ラミネート処理を行う太陽電池モジュールが3段目ラミネート部20の中央に配置され、ラミネート処理を行う準備が整えられる。
【0066】
ラミネート部20に太陽電池モジュール80が搬入され、搬送ベルト掻取装置50及び剥離シート掻取装置55、75により搬送ベルト22cと剥離シート24cとの掻き取り作業が完了した後、搬入側の剥離シート掻取装置55は、前進しているシート掻取部56を後退させる。また、搬送ベルト掻取装置50も、次の動作に備えベルト掻取部51を後退させる。
また、搬入装置35は、作業者が新たな太陽電池モジュールを搬入ベルト38の上面に載置できるように、図4Aに示す位置まで下降する。なお、3段目のラミネート部20にラミネート処理が行われた太陽電池モジュールがあった場合、搬出装置60は、搬送装置22から太陽電池モジュールを受け取った後、作業者が搬出ベルト63の上面に載置されたラミネート処理された太陽電池モジュールを持ち出すことができるように、図4Aに示す位置まで下降する。そして、後工程へ太陽電池モジュールを搬出する。
【0067】
その後、昇降開閉装置25は、3段目ラミネート部20を閉塞するために、接続した状態で上昇させた上ケース23を下降させる。上ケース23を下降させることにより、ラミネート部20を密閉させることができる。ラミネート部20を密閉させた後、昇降開閉装置25は、上ケース23との接続を解除する。また、1段目ラミネート部10において上述したように、同様に3段目ラミネート部20においてラミネート処理を行う。
【0068】
次に、ラミネート装置100が、1段目ラミネート部10において、ラミネート処理が終了した太陽電池モジュールを搬出装置60に受け渡す動作について図4Eを参照して説明する。
まず、昇降開閉装置25は、1段目のラミネート部10を開放するために上ケース13と接続した後、図4Eに示すように、下ケース11から距離S、上昇させる。このとき、2段目ラミネート部15及び3段目ラミネート部20は閉塞されたままであり、ラミネート処理が行われている。
【0069】
1段目ラミネート部10の開放に連動して、搬入昇降装置40は、搬入ベルト38の上面と下ケース11の搬送ベルト12cの搬送面とが面一になるように搬入装置35を3段目ラミネート部20の位置から下降させる。なお、作業者は、搬入ベルト38の上面に1段目ラミネート部10において次にラミネート処理を行う太陽電池モジュール80を載置する。同様に、搬出昇降装置65は、搬出ベルト63の上面と下ケース11の搬送ベルト12cの搬送面とが面一になるように搬出装置60を3段目ラミネート部20の位置から下降させる。
【0070】
次に、搬入装置35は、搬入ベルト38の上面に載置された太陽電池モジュール80を下ケース11の搬送装置12に受け渡す。また、搬送ベルト掻取装置50では、ベルト掻取部51を前進させると共にベルト掻取部51を回転させる。また、剥離シート掻取装置55では、前回の剥離シート14cの移動のとき、前進させていたため(図4A参照)、今回はシート掻取部56を後退させたままの状態とする。
一方、搬出装置60では、下ケース11の搬送装置12からラミネート処理が行われた太陽電池モジュール80を受け取る。また、上述した搬入側のシート掻取部56は、後退させたままであることから、搬出側の剥離シート掻取装置75では、シート掻取部76を前進させると共にシート掻取部76を回転させる。
【0071】
次に、下ケース11では、搬送装置12が搬入装置35から受け取ったラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部10の中央に配置すると共に、ラミネート部10にあるラミネート処理後の太陽電池モジュール80を搬出装置60に受け渡す。このとき、搬送装置12は、搬送ベルト12cのうち熱板11b上に位置していた部分を下ケース11の下側に位置するように、略半周移動させる。したがって、ラミネート処理によってはみだした充填材が付着した搬送面が下ケース11の下側に移動する。
【0072】
ここで、本実施形態に係るラミネート装置100は、充填材が完全に架橋するまで加熱せず、いわゆる半架橋状態まで行うものである。すなわち、ラミネート処理が終了した時点では、ラミネート処理によってはみだし、搬送ベルト12cの搬送面に付着した充填材の滓は硬化しておらず、粘性を有している状態である。したがって、搬送ベルト12cのうち、充填材の滓が付着した搬送面を下側に移動させることで、次の太陽電池モジュールのラミネート処理を行っている間に搬送ベルト12cに付着した充填材の滓を硬化させることができる。このように、充填材の滓を硬化させることで、次に、搬送ベルトのうち下ケース11の下側に位置していた部分を熱板11b上に位置するように略半周させるときに、ベルト掻取部51が簡単に充填材を掻き取ることができ、熱板11b上に、充填材の滓が付着していない搬送面とすることができる。
【0073】
次に、上ケース13では、剥離シート装置14が、剥離シート14cを移動させる。なお、今度は図4Eに示すように接続部材14dが搬入側のローラ14bに近接する位置にあるので、搬出側のシート掻取部76が前進すると共に、剥離シート駆動モータ14eは、図4Eに示す矢印方向に剥離シート14cを移動させる。すなわち、剥離シート装置14は、剥離シート14cのうちダイヤフラム13bの下側に位置する部分を上ケース13の上側に位置するように略半周移動させる。したがって、ラミネート処理によってはみだした充填材が付着したシート面が上ケース13の上側に移動する。
【0074】
上述したように、本実施形態に係るラミネート装置100は、充填材が完全に架橋するまで行わず、半架橋状態まで行う。すなわち、ラミネート処理が終了した時点において、ラミネート処理によってはみ出し、剥離シート14cのシート面に付着した充填材の滓は粘性を有している。したがって、剥離シート14cのうち、充填材の滓が付着したシート面を上側に移動させることで、次の太陽電池モジュールのラミネート処理を行っている間に充填材の滓を硬化させることができる。このように、剥離シート14cに付着した充填材の滓を硬化させることで、次に、剥離シートのうち上ケース13の上側に位置していた部分をダイヤフラム13bの下側に位置するように略半周させるときに、搬出側のシート掻取部76又は搬入側のシート掻取部56が簡単に充填材の滓を掻き取ることができ、ダイヤフラム13bの下側のシート面を、充填材の滓が付着していないシート面とすることができる。
【0075】
以下、上述したように各ラミネート部において、ラミネート処理が終了したら、ラミネート処理が終了した太陽電池モジュールを搬出及び搬入を行い、各ラミネート部において随時、ラミネート処理を行う。上述した一連の処理は図示しない制御装置が、ラミネート装置100の各構成要素を制御することにより実現する。また、ラミネート装置100においてラミネート処理された太陽電池モジュールは、ラミネート処理の後工程において、充填材を完全に架橋するためにキュア炉に搬送される。
【0076】
このように、本実施形態によれば、上下方向に複数設けられたラミネート部が、相互に独立して、ラミネート処理を行うことができる。したがって、1つの太陽電池モジュールに対して随時、ラミネート処理を行うので、ラミネート処理の前後で大量の太陽電池モジュールのストックが必要なく、太陽電池モジュール生産のリードタイムを短縮することができると共に、ラミネート装置の設置スペースの削減が可能となる。
【0077】
また、上下方向に複数設けられたラミネート部が、相互に独立してラミネート処理を行うことができるように、昇降開閉装置は、任意のラミネート部を一つずつ開閉することができる。したがって、同時に開閉する場合に比べて、ラミネート装置の上下方向のスペースが少なくてすむことから、現実的な設備高さの範囲でラミネート部の積層段数を増やすことが可能となり、太陽電池モジュールの生産ラインを省スペースにすることができる。また、ラミネート部の積層段数を増やすことで、ラミネート装置の生産能力が向上する。
【0078】
また、昇降開閉装置は、複数の上ケースのうち、開閉しようとするラミネート部に対応する一つの上ケースと接続して、昇降する。したがって、各上ケースごとに昇降開閉装置を設ける必要がなく、一つの昇降開閉装置のみで構成できるので、ラミネート装置の構造の簡素化及び小型化を図ることができる。また、ラミネート部の段数を増やしたとしても、昇降開閉装置を増やす必要がないので、容易に多段化が可能である。なお、各上ケースごとに昇降開閉装置を設ける場合、ラミネート部の周りは複数の昇降開閉装置で囲まれ、作業者はラミネート部にある被加工物の視認性やラミネート部のメンテナンスが困難である。しかし、本実施形態によれば、一つの昇降開閉装置のみで構成されているので、ラミネート部の視認性が向上すると共に、ラミネート部のメンテナンス性が向上する。
【0079】
また、昇降開閉装置と上ケースとを接続させる構成として、昇降開閉装置の係止部材を上ケースの被係止部の下部に位置させるように進出させる構成としている。また、昇降開閉装置と上ケースとを離脱させる構成として、上ケースの被係止部の下部に位置させた係止部材を、上ケースの被係止部と干渉しない位置に後退させる構成としている。このように、昇降開閉装置と上ケースとの接続及び離脱の構成が簡素化させているので、ラミネート装置のコストを削減させることができる。
【0080】
また、ラミネート装置に、搬送ベルトの搬送面の充填材の滓を掻き取る搬送ベルト掻取装置を設けたので、ラミネート処理において被加工物に充填材の滓が付着することがない。また、ラミネート装置に、剥離シートのシート面に付着した充填材の滓を掻き取る剥離シート掻取装置を設けたので、ラミネート処理において被加工物に充填材の滓が付着することがない。したがって、被加工物に付着する充填材の滓を除去する作業等が削減され、生産効率を向上させることができる。
【0081】
次に、1段目ラミネート部10のみをとりあげて搬送ベルト12c及び剥離シート14cの動きについて図5を参照して説明する。
まず、図5(a)は、太陽電池モジュールに対しラミネート処理を行っている状態の図である。ここで、搬送ベルト12cのうち熱板上に位置する搬送面、すなわち上ケース13と下ケース11とによって挟まれている部分の搬送面にはラミネート処理によってはみだした充填材が付着しだしている。一方、搬送ベルト12cのうち下ケース11の下側に位置する搬送面は、付着した充填材が硬化しだしている。このとき、搬送ベルト12cの接続部材12dが、搬入側のローラ12b間に位置しているものとする。
また、剥離シート14cのうちダイヤフラムの下側に位置するシート面、すなわち上ケース13と下ケース11とによって挟まれている部分のシート面にはラミネート処理によってはみだした充填材が付着しだしている。一方、剥離シート14cのうち上ケース13の上側に位置するシート面は、付着した充填材が硬化しだしている。このとき、剥離シート14cの接続部材14dが、搬入側のローラ14bに近接して位置しているものとする。
【0082】
次に、図5(b)は、ラミネート処理が終了した太陽電池モジュールをラミネート部10から搬出し、ラミネート処理を行う太陽電池モジュールをラミネート部10に搬入している状態の図である。
搬送装置12は、搬送ベルト12cを図5(b)に示す矢印方向に移動させることで、太陽電池モジュールを搬送することができる。このとき、ベルト掻取部51は、前進して搬送面に硬化して付着した充填材を掻き取る。搬送装置12が、搬送ベルト12cを略半周、移動させることで、充填材が掻き取られた搬送面が下ケース11の上側に位置し、まだ硬化していない充填材が付着した搬送面が下ケース11の下側に位置する。
また、シート装置14は、剥離シート14cを接続部材14dがローラ14bに接触しない方向、すなわち図5(b)に示す矢印方向に移動させる。このとき、搬出側のシート掻取部76が前進してシート面に硬化して付着した充填材を掻き取る。一方、搬入側のシート掻取部56は、前進せず後退したままである。シート装置14が、剥離シート14cを略半周移動させることで、充填材が掻き取られたシート面が上ケース13の下側に位置し、まだ硬化していない充填材が付着したシート面が上ケース13の上側に位置する。
【0083】
次に、図5(c)は、図5(b)の動作後、ラミネート部10に搬入された太陽電池モジュールに対しラミネート処理を行っている状態の図である。図5(a)と同様に、搬送ベルト12cのうち上ケース13と下ケース11とによって挟まれている部分の搬送面には充填材が付着しだしている。一方、搬送ベルト12cのうち下ケース11の下側に位置する搬送面は、付着した充填材が硬化しだしている。ただし、図5(a)と異なり、搬送ベルト12cが略半周し、接続部材12dが搬出側のローラ12b間に位置している。
また、図5(a)と同様に、剥離シート14cのうち上ケース13と下ケース11とによって挟まれている部分のシート面には充填材が付着しだしている。一方、剥離シート14cのうち上ケース13の上側に位置するシート面は、付着した充填材が硬化しだしている。ただし、図5(a)と異なり、剥離シート14cが略半周し、接続部材14dが搬出側のローラ14bに近接している。
【0084】
次に、図5(d)は、ラミネート処理が終了した太陽電池モジュールをラミネート部10から搬出し、ラミネート処理を行う太陽電池モジュールをラミネート部10に搬入している状態の図である。
搬送装置12は、搬送ベルト12cを図5(d)に示す矢印方向に移動させることで、太陽電池モジュールを搬送することができる。このとき、ベルト掻取部51は、前進して搬送面に硬化して付着した充填材を掻き取る。搬送装置12が、搬送ベルト12cを略半周、移動させることで、充填材が掻き取られた搬送面が下ケース11の上側に位置し、まだ硬化していない充填材が付着した搬送面が下ケース11の下側に位置する。なお、搬送ベルト12cに設けられた接続部材12dがベルト掻取部51を通過するとき、ベルト掻取部51は接続部材12dと接触しないように一時的に後退する。
また、シート装置14は、剥離シート14cを接続部材14dがローラ14bに接触しない方向、すなわち図5(d)に示す矢印方向に移動させる。このとき、搬入側のシート掻取部56が前進してシート面に硬化して付着した充填材を掻き取る。一方、搬出側のシート掻取部76は、前進せず後退したままである。シート装置14が、剥離シート14cを略半周移動させることで、充填材が掻き取られたシート面が上ケース13の下側に位置し、まだ硬化していない充填材が付着したシート面が上ケース13の上側に位置する。
【0085】
このように、本実施形態によれば、搬入側及び搬出側のシート掻取部のうち、硬化した充填材を掻き取ることができるシート掻取部が前進することにより、シート掻取部は簡単に充填材を掻き取ることができる。
なお、本実施形態では、接続部材がローラを越えて上ケースの下側に移動できない構造であるために、剥離シートを半周ごとに、回転方向を入れ替えて移動させている。しかし、接続部材がローラを越えて上ケースの下側に移動できる構造にすることで、剥離シートを一方方向のみに回転させてもよい。この場合、剥離シート掻取装置を搬出装置又は搬入装置の何れかに設けることでき、一つの剥離シート掻取装置で剥離シートに付着した充填材を掻き取ることができる。
また、上述した本実施形態ではラミネート部を3段で構成する場合について説明したが、この場合に限られず、2段以上であれば何段で構成してもよい。また、本実施形態では、充填材を半架橋する場合について説明したが、この場合に限られず、完全に架橋する場合にも使用可能である。
【0086】
(第2の実施形態)
本実施形態に係るラミネート装置は、太陽電池モジュールを構成する充填材が完全に架橋するまで加熱し、充填材の滓が付着しても掻き取りやすいプロセスに適合する。
【0087】
図6Aは、本実施形態に係るラミネート装置200の正面図である。図6Bは、ラミネート装置200の平面図である。以下では、図6A及び図6Bに示すX軸方向を幅方向といい、Y軸方向を奥行き方向といい、Z軸方向を上下方向という。
ラミネート装置200は、フレーム101と、複数のラミネート部110、115、120、125と、各ラミネート部110、115、120、125を開閉する昇降開閉装置130と、各ラミネート部110、115、120、125に太陽電池モジュールを搬入する搬入装置135と、各ラミネート部110、115、120、125から搬送された太陽電池モジュールを搬出する搬出装置160と、を含んで構成されている。
フレーム101は、床面に脚部を介して設置される基台102と、基台102の幅方向における両側面から立設する4つの支柱103とを有している(図6B参照)。なお、ラミネート部の数はラミネート装置の高さ寸法が許せば、4つ以上設けることも可能である。
【0088】
複数のラミネート部110、115、120、125は、基台102上面と平行に水平状態で配置されている。また、複数のラミネート部110、115、120、125は、基台102上から立設している昇降開閉装置130a〜130dの間に配置されている(図6B参照)。ここで、本実施形態に係るラミネート部は、上下方向に4段重ねられて構成されている。具体的には、基台102の直上に配置されている1段目ラミネート部110と、2段目ラミネート部115と、3段目ラミネート部120と、4段目ラミネート部125とから構成されている。
ここで、各ラミネート部110、115、120、125について、図7を参照して詳細に説明する。図7は各ラミネート部110、115、120、125の一部断面を示す正面図である。図7では、ラミネート部110、115、120、125を構成する各要素を離間して図示している。また、図7では、各ラミネート部110、115、120、125を幅方向に縮小させて図示している。
【0089】
まず、1段目ラミネート部110について説明する。1段目ラミネート部110は、ケース111に形成された下チャンバ111aと、ケース114に形成された上チャンバ113aとにより構成されている。
ケース111には、上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ111aが形成されている。下チャンバ111aには、熱板111bと、吸排気口111cとが設けられている。
【0090】
ケース111には、搬送装置112が設けられている。搬送装置112は、搬送ローラ支持体112aと、2つの搬送ローラ112bと、2つの巻き取りローラ112cと、搬送ローラ112bに巻回される搬送ベルト112dと、2つの搬送ベルト駆動モータ112eとを含んで構成されている。熱板111bの上側に位置する搬送ベルト112dの上面が太陽電池モジュールを搬送する搬送面となる。本実施形態に係る搬送装置112は、搬出側の搬送ベルト駆動モータ112eが回転することで、搬入側の巻き取りローラ112cに幾重にも巻かれている搬送ベルト112dが、搬送ローラ112bを介して、搬出側の巻き取りローラ112cに巻き取られる。この動作により、搬送ベルト112dの搬送面に載置された太陽電池モジュールが搬送される。なお、一つ又は所定数の太陽電池モジュールを搬送した後、搬入側の搬送ベルト駆動モータ112eは、搬送ベルト112dを巻き戻す。
【0091】
ケース114には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ113aが形成されている。ここで、本実施形態に係るケース114は、上チャンバ113aと上段のラミネート部115を構成する下チャンバ116aとが一体で形成されている。ケース114には、ケース114内の空間を仕切る仕切り部114aが設けられている。仕切り部114aの下側が、1段目ラミネート部110を構成する上チャンバ113aである。仕切り部114aの上側が、2段目ラミネート部115を構成する下チャンバ116aである。このように、ケース114は、ラミネート部110を構成する上チャンバ113aとラミネート部110の上段のラミネート部115を構成する下チャンバ116aとが略箱形のフレームに一体化されて構成されている。
【0092】
上チャンバ113aには、ダイヤフラム113bと、吸排気口113cと、被係止部113eとが設けられている。被係止部113eは、ケース114の奥行き方向における両側面それぞれに、幅方向に離間して2つ設けられている。各被係止部113eは、ケース114から水平方向に突出するように設けられている。
ケース114には、上チャンバ113aの下側の開口を閉塞するように剥離シート113dが設けられている。剥離シート113dは、端部がケース114の幅方向における両側面に固定されている。
【0093】
ここで、ケース114(2段目の下チャンバ116aと一体化した)を下降させてケース111に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ113a及び下チャンバ111aで構成されるラミネート部110を閉塞して密閉状態にすることができる。一方、密閉された状態からケース114を上昇させることで、上チャンバ113a及び下チャンバ111aで構成されるラミネート部110を開放状態にすることができる。
【0094】
次に、2段目ラミネート部115について説明する。2段目ラミネート部115は、ケース114に形成された下チャンバ116aと、ケース119に形成された上チャンバ118aとにより構成されている。なお、2段目ラミネート部115の構成要素は、上述した1段目ラミネート部110の構成要素と同一であるので、詳細な説明は省略する。
ケース114には、上述したように上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ116aが形成されている。下チャンバ116aには、熱板116bと、吸排気口116cとが設けられている。
ケース114には、搬送装置117が設けられている。搬送装置117は、搬送ローラ支持体117aと、搬送ローラ117bと、巻き取りローラ117cと、搬送ベルト117dと、搬送ベルト駆動モータ117eとを含んで構成されている。
【0095】
ケース119には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ118aが形成されている。また、ケース119は、仕切り部119aの下側が、2段目ラミネート部115を構成する上チャンバ118aである。仕切り部119aの上側が、3段目ラミネート部120を構成する下チャンバ121aである。
【0096】
上チャンバ118aには、ダイヤフラム118bと、吸排気口118cと、被係止部118eとが設けられている。ケース119には、上チャンバ118aの下側の開口を閉塞するように剥離シート118dが設けられている。
ここで、ケース119(3段目の下チャンバ121aと一体化した)を下降させてケース114に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ118a及び下チャンバ116aで構成されるラミネート部115を閉塞して密閉状態にすることができる。一方、密閉された状態からケース119を上昇させることで、上チャンバ118a及び下チャンバ116aで構成されるラミネート部115を開放状態にすることができる。
【0097】
次に、3段目ラミネート部120について説明する。3段目ラミネート部120は、ケース119に形成された下チャンバ121aと、ケース124に形成された上チャンバ123aとにより構成されている。なお、3段目ラミネート部120の構成要素は、上述した1段目ラミネート部110の構成要素と同一であるので、詳細な説明は省略する。
ケース119には、上述したように上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ121aが形成されている。下チャンバ121aには、熱板121bと、吸排気口121cとが設けられている。
ケース119には、搬送装置122が設けられている。搬送装置122は、搬送ローラ支持体122aと、搬送ローラ122bと、巻き取りローラ122cと、搬送ベルト122dと、搬送ベルト駆動モータ122eとを含んで構成されている。
【0098】
ケース124には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ123aが形成されている。また、ケース124は、仕切り部124aの下側が、3段目ラミネート部120を構成する上チャンバ123aである。仕切り部124aの上側が、4段目ラミネート部125を構成する下チャンバ126aである。
【0099】
上チャンバ123aには、ダイヤフラム123bと、吸排気口123cと、被係止部123eとが設けられている。ケース124には、上チャンバ123aの下側の開口を閉塞するように剥離シート123dが設けられている。
ここで、ケース124(4段目の下チャンバ126aと一体化した)を下降させてケース119に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ123a及び下チャンバ121aで構成されるラミネート部120を閉塞して密閉状態にすることができる。一方、密閉された状態からケース124を上昇させることで、上チャンバ123a及び下チャンバ121aで構成されるラミネート部120を開放状態にすることができる。
【0100】
次に、4段目ラミネート部125について説明する。4段目ラミネート部125は、ケース124に形成された下チャンバ126aと、ケース129に形成された上チャンバ128aとにより構成されている。なお、4段目ラミネート部125の構成要素は、上述した1段目ラミネート部110の構成要素と同一であるので、詳細な説明は省略する。
ケース124には、上述したように上方向に開口する空間、すなわち下チャンバ126aが形成されている。下チャンバ126aには、熱板126bと、吸排気口126cとが設けられている。
ケース124には、搬送装置127が設けられている。搬送装置127は、搬送ローラ支持体127aと、搬送ローラ127bと、巻き取りローラ127cと、搬送ベルト127dと、搬送ベルト駆動モータ127eとを含んで構成されている。
【0101】
ケース129には、下方向に開口する空間、すなわち上チャンバ128aが形成されている。なお、4段目ラミネート部125より上段のラミネート部はないことから、ケース129には、下チャンバが一体で構成されていない。
上チャンバ128aには、ダイヤフラム128bと、吸排気口128cと、被係止部128eとが設けられている。ケース129には、上チャンバ128aの下側の開口を閉塞するように剥離シート128dが設けられている。
ここで、ケース129を下降させてケース124に位置決めし、載置するようにして重ね合わせることで、上チャンバ128a及び下チャンバ126aで構成されるラミネート部125を閉塞して密閉状態にすることができる。一方、密閉された状態からケース129を上昇させることで、上チャンバ128a及び下チャンバ126aで構成されるラミネート部125を開放状態にすることができる。なお、各ケースに設けられる被係止部の位置や数は、昇降開閉装置130の係止部材の位置や数に応じて適宜、変更することができる。
【0102】
次に、図6A及び図6Bを参照して昇降開閉装置130について説明する。昇降開閉装置130は、複数のラミネート部110、115、120、125のうち任意のラミネート部を一つずつ、開閉することができる。昇降開閉装置130は、基台102上にそれぞれ離間した状態で4つ立設されている。4つの昇降開閉装置130a〜130dの構成は何れも同一であり、図示しない制御装置により同期して動作する。したがって、本実施形態に係る昇降開閉装置130(130a〜130d)は、実質的には一つで構成されている。ここで、図6A及び図6Bには、昇降開閉装置130aのみについて外カバーの一部を切断した状態で示している。なお、昇降開閉装置130は、第1の実施形態に係る昇降開閉装置25と、同一構成であり、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0103】
第1の実施形態と同様、昇降開閉装置130が係止部材32を進出させ、ケース114の被係止部113eの下側に位置した状態で昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、ケース114と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、1段目ラミネート部110を開放することができる(図6A参照)。このとき、ケース129、ケース124、ケース119及びケース114の荷重は係止部材32が支持している。一方、昇降開閉装置130が1段目ラミネート部110を開放した状態から昇降部材29を下降させると、1段目ラミネート部110を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させ係止部材32を後退させると、ケース114との接続が解除され、すなわち離脱する。
また、昇降開閉装置130が係止部材32を進出させ、ケース119の被係止部118eの下側に位置した状態で昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、ケース119と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、2段目ラミネート部115を開放することができる。このとき、ケース129、ケース124及びケース119の荷重は係止部材32が支持している。一方、昇降開閉装置130が2段目ラミネート部115を開放した状態から昇降部材29を下降させると、2段目ラミネート部115を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させ係止部材32を後退させると、昇降開閉装置130は、ケース119との接続が解除される。
また、昇降開閉装置130が係止部材32を進出させ、ケース124の被係止部123eの下側に位置した状態で昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、ケース124と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、3段目ラミネート部120を開放することができる。このとき、ケース129及びケース124の荷重は係止部材32が支持している。一方、昇降開閉装置130が3段目ラミネート部120を開放した状態から昇降部材29を下降させると、3段目ラミネート部120を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させ係止部材32を後退させると、昇降開閉装置130は、ケース124との接続が解除される。
また、昇降開閉装置130が係止部材32を進出させ、ケース129の被係止部128eの下側に位置した状態で昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、ケース129と接続する。更に、昇降部材29を上昇させると、昇降開閉装置130は、4段目ラミネート部125を開放することができる。このとき、ケース129の荷重は係止部材32が支持している。一方、昇降開閉装置130が4段目ラミネート部125を開放した状態から昇降部材29を下降させると、4段目ラミネート部125を閉塞することができる。更に、昇降部材29を下降させ係止部材32を後退させると、昇降開閉装置130は、ケース129との接続が解除される。
【0104】
次に、図6A、図6B及び図6Cを参照して搬入装置135について説明する。なお、図6Cは、搬入装置の構成を示す拡大図である。搬入装置135は、昇降開閉装置130によって開放された各ラミネート部110、115、120、125にラミネート処理前の太陽電池モジュールを搬入する。なお、搬入装置135の構成要素のうち、第1の実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
搬入装置135は、筐体36と、搬入ローラ37と、搬入ベルト38と、搬入ローラ駆動モータ39と、搬入昇降装置40とを有している。搬入ローラ駆動モータ39の出力軸と搬入ローラ37とにはベルトが巻回されていて、搬入ローラ駆動モータ39を回転させることで、搬入ベルト38の載置面をラミネート部方向に移動させることができる。
【0105】
搬入昇降装置40は、昇降開閉装置130によって開放されるラミネート部に合わせて搬入装置35を昇降させることができる。搬入昇降装置40は、搬入昇降モータ41と、ピニオン42a、42bとを有している(図6B参照)。搬入昇降モータ41を駆動させることで、ピニオン42aと、ピニオン42aから軸43を介してピニオン42bと、を回転させることができる。ピニオン42a、42bの回転に伴い、支柱103b及び支柱103cに設けられたラック45a、45bに噛み合い、搬入装置135を支柱103b、103cに沿って昇降させることができる。
【0106】
次に、図6A、図6B及び図6Dを参照して搬出装置160について説明する。なお、図6Dは、搬出装置の構成を示す拡大図である。搬出装置160は、昇降開閉装置130によって開放された各ラミネート部110、115、120、125からラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出する。なお、搬出装置160の構成要素のうち、第1の実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
搬出装置160は、筐体61と、搬出ローラ62と、搬出ベルト63と、搬出ローラ駆動モータ64と、搬出昇降装置65と、搬送ベルト掻取装置150とを有している。搬出ローラ駆動モータ64の出力軸と搬出ローラ62とにはベルトが巻回されていて、搬出ローラ駆動モータ64を回転させることで、搬出ベルト63の載置面をラミネート部から離間する方向に移動させることができる。
【0107】
搬出昇降装置65は、昇降開閉装置130によって開放されるラミネート部に合わせて搬出装置160を昇降させることができる。搬出昇降装置65は、搬出昇降モータ66と、ピニオン67a、67bとを有している(図6B参照)。搬出昇降モータ66を駆動させることで、ピニオン67aと、ピニオン67aから軸68を介してピニオン67bと、を回転させることができる。ピニオン67a、67bの回転に伴い、支柱103a及び支柱103dに設けられたラック70a、70bに噛み合い、搬出装置160を支柱103a、103dに沿って昇降させることができる。
【0108】
次に、搬送ベルト掻取装置150について説明する。搬送ベルト掻取装置150は、搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。搬送ベルト掻取装置150は、ベルト掻取部51と、掻取部回転モータ52と、掻取部進退装置53とを有している。ベルト掻取部51は、搬送ベルトに付着した充填材の滓を掻き取るブラシが全周面に貼り付けられたローラ形状に形成されている。ベルト掻取部51は、長手方向を奥行き方向に沿うような状態で、筐体61の支持板54に回転自在に設けられている。掻取部回転モータ52は、ベルト掻取部51と同様に支持板54に設けられている。掻取部回転モータ52の出力軸とベルト掻取部51とにはベルトが巻回されていて、掻取部回転モータ52を回転させることで、ベルト掻取部51を回転させることができる。
【0109】
掻取部進退装置53は、例えばエアシリンダであり、筐体61の奥行き方向における中央に設けられている(図6B参照)。掻取部進退装置53は、ベルト掻取部51と掻取部回転モータ52とを支持している支持板54を水平方向に進退させる。掻取部進退装置53が支持板54を前進させることで、図6Aに示すようにベルト掻取部51を搬送ベルトの搬送面に押し当てることができる。ベルト掻取部51が搬送ベルトの搬送面に押し当てられた状態で、搬送ベルトを移動させると共にベルト掻取部51を掻取部回転モータ52により回動させることで、ベルト掻取部51は、搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。また、掻取部進退装置53が支持板54を後退させることで、ベルト掻取部51は、搬送ベルトの搬送面から離間することができる。
【0110】
ここで、搬送ベルト掻取装置150は、搬出昇降装置65が設置される筐体61に設置されているため、搬出装置160の昇降に同期して昇降する。なお、搬出装置160が昇降している間、搬送ベルト掻取装置150の掻取部進退装置53は、ベルト掻取部51が搬送ベルトに当たらないように、ベルト掻取部51を後退させる。
【0111】
次に、ラミネート装置200によるラミネート処理を行う動作について図8A及び図8Bを参照して説明する。なお、図8A及び図8Bではラミネート装置200の昇降開閉装置130を省略して図示している。ここでは、1〜4段目ラミネート部110、115、120、125に、太陽電池モジュールがない状態から説明する。
まず、ラミネート装置200が、1段目ラミネート部110にラミネート処理を行う太陽電池モジュールを搬送する動作について図8Aを参照して説明する。各ケースが平積みされた状態から、昇降開閉装置130は、1段目ラミネート部110を開放するためにケース114と接続した後、図8Aに示すように、ケース114を上昇させる。このとき、2段目ラミネート部115、3段目ラミネート部120及び4段目ラミネート部125は、閉塞されたままであり、ケース129、ケース124、ケース119及びケース114の荷重は昇降開閉装置130の係止部材32が支持している。
【0112】
1段目ラミネート部110の開放に連動して、搬入昇降装置40は、搬入ベルト38の上面とケース111の搬送ベルト112dの搬送面とが面一になるように搬入装置135を昇降させる。なお、作業者は、搬入ベルト38の上面に1段目ラミネート部110においてラミネート処理を行う太陽電池モジュールを予め載置しておく。搬出昇降装置65は、搬出ベルト63の上面とケース111の搬送ベルト112dの搬送面とが面一になるように搬出装置160を昇降させる。昇降している間、掻取部進退装置53は、ベルト掻取部51を後退させる。
【0113】
次に、搬入装置135では、搬入ローラ駆動モータ39が搬入ベルト38の上面をラミネート部110側に移動させる。これにより、搬入装置135は、搬入ベルト38の上面に載置された太陽電池モジュールをケース111の搬送装置112に受け渡すことができる。
一方、搬出装置160では、搬出ローラ駆動モータ64が搬出ベルト63の上面をラミネート部110から離間させる方向に移動させる。ここで、ケース111の搬送ベルト112dにラミネート処理が行われた太陽電池モジュールが載置されている場合、ケース111の搬送装置112から太陽電池モジュールを受け取ることができる。なお、搬送ベルト掻取装置150では、ベルト掻取部51を前進させると共にベルト掻取部51を回転させる。
【0114】
また、ケース111では、搬送ベルト駆動モータ112eが搬送ベルト112dの搬送面を搬入装置135側から搬出装置160側に移動させる。これにより、搬送装置112は、搬入装置135から受け取ったラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部110の中央に配置すると共に、ラミネート部110にラミネート処理後の太陽電池モジュールがある場合、ラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置160に受け渡すことができる。
【0115】
なお、搬送ベルト112dが移動する直前、ラミネート部110にラミネート処理後の太陽電池モジュールがある場合、搬送ベルト112dの搬送面にはラミネート処理のときに太陽電池モジュールからはみだした充填材の滓が付着している。また、上述したように搬送ベルト掻取装置150では、ベルト掻取部51を前進させて搬送ベルト112dの搬送面に押し当てて回転している。したがって、搬送ベルト112dが移動して、巻き取りローラ112cに巻き取られるときに、ベルト掻取部51が搬送面に付着した充填材の滓を掻き取ることができる。なお、本実施形態に係るラミネート装置200は、充填材の滓が完全に架橋するまで加熱を行うものである。すなわち、ラミネート処理が終了した時点で、ラミネート処理によってはみだし、搬送ベルト112dの搬送面に付着した充填材の滓は硬化しているため、ベルト掻取部51は簡単に充填材の滓を掻き取ることができる。
なお、ケース114では、剥離シート113dは固定されているのみであり、ラミネート処理において汚れたときに応じて交換等する。
【0116】
次に、昇降開閉装置130は、1段目ラミネート部110を閉塞するために、接続した状態で上昇させたケース114を下降させ、1段目ラミネート部110を密閉させる。なお、搬送ベルト掻取装置150は、次の動作に備えベルト掻取部51を後退させる。ラミネート部110を密閉させた後、昇降開閉装置130は、ケース114との接続を解除する。また、ラミネート部110を密閉させた後、1段目ラミネート部110に配置された太陽電池モジュールに対してラミネート処理を行う。なお、ラミネート処理は第1の実施形態と同様であり、詳細は省略する。
【0117】
ラミネート装置200は、1段目ラミネート部110においてラミネート処理が行われている間、随時、他の任意のラミネート部に太陽電池モジュールを配置してラミネート処理を行うことができる。ここでは、1段目ラミネート部110において、ラミネート処理が行われている間、2段目ラミネート部115に太陽電池モジュールを配置し、ラミネート処理を行う。
同様に、ラミネート装置200は、1段目ラミネート部110及び2段目ラミネート部115においてラミネート処理が行われている間、随時、他の任意のラミネート部に太陽電池モジュールを配置してラミネート処理を行うことができる。ここでは、1段目ラミネート部110及び2段目ラミネート部115において、ラミネート処理が行われている間、3段目ラミネート部120に太陽電池モジュールを配置し、ラミネート処理を行う。なお、各ラミネート部に、太陽電池モジュールを配置するときの、搬入装置135及び搬出装置160の動作は第1の実施形態と同様であり、詳細は省略する。
【0118】
同様に、ラミネート装置200は、1段目ラミネート部110、2段目ラミネート部115及び3段目ラミネート部120においてラミネート処理が行われている間、随時、他の任意のラミネート部に太陽電池モジュールを配置してラミネート処理を行うことができる。本実施形態では、4段のラミネート部により構成されているので、残りの4段目ラミネート部124に太陽電池モジュールを配置し、ラミネート処理を行う。
次に、4段目ラミネート部125に太陽電池モジュールを配置し、ラミネート処理を行う動作について図8Bを参照して説明する。なお、4段目ラミネート部125において行われる動作のうち、1段目ラミネート部110において行われる動作と同様の動作は、適宜省略して説明する。
【0119】
なお、搬入装置135が、第3のラミネート部120に太陽電池モジュールを搬入した後、搬入装置135は、作業者が新たな太陽電池モジュールを搬入ベルト38の上面に載置できるように、図8Aに示す位置まで下降する。また、3段目のラミネート部120にラミネート処理が行われた太陽電池モジュールがあった場合、搬出装置160は、搬送装置122から太陽電池モジュールを受け取った後、作業者がラミネート処理された太陽電池モジュールを持ち出すことができるように、図8Aに示す位置まで下降する。
【0120】
次に、1段目ラミネート部110、2段目ラミネート部115及び3段目ラミネート部120においてラミネート処理が行われている間、昇降開閉装置130は、4段目のラミネート部125を開放するためにケース129と接続した後、図8Bに示すようにケース129を上昇させる。このとき、1段目ラミネート部110、2段目ラミネート部115及び3段目ラミネート部120は閉塞されたままである。また、ケース129の荷重は昇降開閉装置130の係止部材32が支持している。
【0121】
作業者は、上昇する前の搬入ベルト38の上面に太陽電池モジュール80を予め載置する。
4段目のラミネート部125の開放に連動して、搬入昇降装置40は、搬入ベルト38の上面とケース124の搬送ベルト127dの搬送面とが面一になるように搬入装置135を上昇させる。同様に、搬出昇降装置65は、搬出ベルト63の上面とケース124の搬送ベルト127dの搬送面とが面一になるように搬出装置160を昇降させる。
【0122】
次に、搬入装置135は、搬入ベルト38の上面に載置された太陽電池モジュールをケース124の搬送装置127に受け渡す。
一方、搬出装置160では、ケース124の搬送ベルト127dにラミネート処理が行われた太陽電池モジュールが載置されている場合、ケース124の搬送装置127から太陽電池モジュールを受け取る。また、搬送ベルト掻取装置150では、ベルト掻取部51を前進させると共にベルト掻取部51を回転させる。
【0123】
ケース124では、搬送装置127が搬入装置135から受け取ったラミネート処理前の太陽電池モジュールをラミネート部125の中央に配置すると共に、ラミネート処理後の太陽電池モジュールがある場合、ラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置160に受け渡す。このとき、ベルト掻取部51が搬送面に付着した充填材の滓を掻き取る。
次に、昇降開閉装置130は、4段目ラミネート部125を閉塞するために、接続した状態で上昇させたケース129を下降させることにより、ラミネート部125を密閉させることができる。なお、搬送ベルト掻取装置150は、次の動作に備えベルト掻取部51を後退させる。ラミネート部125を密閉させた後、昇降開閉装置130は、ケース129との接続を解除する。また、4段目ラミネート部125に配置された太陽電池モジュールに対してラミネート処理を行う。
【0124】
各ラミネート部において、ラミネート処理が終了したら、ラミネート処理が終了した太陽電池モジュールを搬出及び搬入を行い、各ラミネート部において随時、ラミネート処理を行う。なお、上述した一連の処理は図示しない制御装置が、ラミネート装置の各構成要素を制御することにより実現する。また、ラミネート装置200においてラミネート処理された太陽電池モジュールは、充填材は架橋しているため、搬出された太陽電池モジュールは随時、次の後工程に移送させることができる。
【0125】
このように、本実施形態によれば、上下方向に複数設けられたラミネート部が、相互に独立してラミネート処理を行うことができる。したがって、1つの太陽電池モジュールに対して随時、ラミネート処理が終了したラミネート部を開放し、その太陽電池モジュールを搬入してラミネート処理を行うので、ラミネート処理の前後で大量の太陽電池モジュールのストックが必要なく、太陽電池モジュール生産のリードタイムを短縮することができると共に、ラミネート装置の設置スペースの削減が可能となる。
【0126】
また、上下方向に複数設けられたラミネート部が、相互に独立してラミネート処理を行うことができるように、昇降開閉装置は、任意のラミネート部を一つずつ開閉することができる。したがって、同時に開閉する場合に比べて、ラミネート装置の上下方向のスペースが少なくてすむことから、現実的な設備高さの範囲でラミネート部の積層段数を増やすことが可能となり、太陽電池モジュールの生産ラインを省スペースにすることができる。また、ラミネート部の積層段数を増やすことで、ラミネート装置の生産能力が向上する。
【0127】
また、昇降開閉装置は、複数のケースのうち、開閉しようとするラミネート部に対応する一つのケースと接続して、昇降する。したがって、各ケースごとに昇降開閉装置を設ける必要がなく、一つの昇降開閉装置のみで構成できるので、ラミネート装置の構造の簡素化及び小型化を図ることができる。また、ラミネート部の段数を増やしたとしても、昇降開閉装置を増やす必要がないので、容易に多段化が可能である。なお、各ケースごとに昇降開閉装置を設ける場合、ラミネート部の周りは複数の昇降開閉装置で囲まれ、作業者はラミネート部にある被加工物の視認性やラミネート部のメンテナンスが困難である。しかし、本実施形態によれば、一つの昇降開閉装置のみで構成されているので、ラミネート部の視認性が向上すると共に、ラミネート部のメンテナンス性が向上する。
【0128】
また、本実施形態では、搬送ベルトを循環させず巻き取りローラによる巻き取り方式にした。また、剥離シートを固定式にした。このように、搬送ベルトや剥離シートを循環させないように構成したので、搬送ベルトや剥離シートが循環する空間を省略することができる。したがって、上段のラミネート部を構成する下チャンバと下段のラミネート部を構成する上チャンバとを1つのケースで一体的に構成するようにして、ラミネート装置の高さ寸法をより小さくすることができる。
【0129】
なお、本実施形態ではラミネート部を4段で構成する場合について説明したが、この場合に限られず、2段以上であれば何段で構成してもよい。また、本実施形態では、充填材を完全に架橋する場合について説明したが、この場合に限られず、半架橋にしてもよい。
また、ケースに設けられる剥離シートを固定する場合についてのみ説明したが、この場合に限られず、搬送ベルトと同じように剥離シートを自動又は手動で巻き取るように構成してもよい。
【0130】
(第3の実施形態)
本実施形態は、昇降開閉装置とケースとの接続及び離脱させる形態であり、図9を参照して、説明する。図9(a)は、昇降開閉装置の平面図である。また、図9(b)は、昇降開閉装置の斜視図である。なお、図9(a)及び図9(b)には、第1の実施形態で説明したケース13の被係止部13dに、近接して配置されている昇降開閉装置310aが図示されている。
本実施形態に係る昇降開閉装置310aは、昇降装置26と、接続装置311とを含んで構成されている。ここで、昇降装置26は、ボールネジ27と、図示しないサーボモータと、昇降部材29と、ガイド部材30とを有している。昇降装置26の構成は、第1の実施形態と同一であり、その説明は省略する。
また、接続装置311は、2つの係止部材312と、2つの係止部材駆動装置313とを含んで構成されている。2つの係止部材駆動装置313は、例えばエアシリンダであって、昇降部材29の両側面であって、上下方向における略中央にそれぞれ取り付けられている。また、係止部材駆動装置313は、それぞれ昇降部材29内を挿通している係止部材312を進出及び後退できるように構成されている。具体的には、2つの係止部材312が、昇降部材29の幅方向(図9(a)及び図9(b)に示すX方向)、すなわち被係止部13dがケース13から突出している方向に対して、略直交する方向に進出及び後退する。
【0131】
2つの係止部材312は、矢印方向に向かって、昇降部材29の切り欠き部29a内で対向するよう、図9(a)及び図9(b)の二点鎖線で示す位置まで進出する。ここで、係止部材312が進出した状態では、2つの係止部材312は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dを下側から支持できる位置になるように設定されている(図9(a)参照)。
一方、2つの係止部材312が後退すると、図9(a)及び図9(b)の二点鎖線から図9(a)及び図9(b)の実線で示す位置まで後退する。ここで、係止部材312が後退した状態では、2つの係止部材312は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dに接触することがない位置になるように設定されている。なお、昇降開閉装置310aと同一構成の昇降開閉装置310b〜310dが第1の実施形態の昇降開閉装置25b〜25dと同じ位置に配設されている。
【0132】
このように構成された昇降開閉装置310によれば、係止部材312を進出させて、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dのうち何れか任意の一つの被係止部の下部に位置させることにより、第1の実施形態と同様、複数の上ケース13、18、23のうち何れか一つと接続することができる。また、係止部材312を、被係止部の下部から離間させて、後退させることにより、第1の実施形態と同様、上ケースと離脱することができる。
【0133】
(第4の実施形態)
本実施形態は、昇降開閉装置とケースとの接続及び離脱させる形態であり、図10を参照して、説明する。図10(a)は、昇降開閉装置の平面図である。また、図10(b)は、昇降開閉装置の斜視図である。なお、図10(a)及び図10(b)には、第1の実施形態で説明したケース13の被係止部13dに、近接して配置されている昇降開閉装置320aが図示されている。
本実施形態に係る昇降開閉装置320aは、昇降装置26と、接続装置321とを含んで構成されている。ここで、昇降装置26は、ボールネジ27と、図示しないサーボモータ28と、昇降部材29と、ガイド部材30とを有している。昇降装置26の構成は、第1の実施形態と同一であり、その説明は省略する。
また、接続装置321は、係止部材322と、係止部材駆動装置323とを含んで構成されている。係止部材駆動装置323は、例えばモータであって、昇降部材29の一方の側面の上下方向における略中央に、出力軸を上方向にした状態で、取り付けられている。また、係止部材駆動装置323の出力軸にはピニオン323aが水平方向に取り付けられている。一方、係止部材322は、昇降部材29の切り欠き部29aの幅よりも長い長棒状に形成され、一部が昇降部材29の29c部に挿通している。また、係止部材322には、ピニオン323aと噛み合うラック322aが形成されている。したがって、係止部材駆動装置323のピニオン323aを回転させることにより、係止部材322が進出及び後退できるように構成されている。具体的には、係止部材322が、昇降部材29の幅方向(図10(a)及び図10(b)に示すX方向)、すなわち被係止部13dがケース13から突出している方向に対して、略直交する方向に進出及び後退する。
【0134】
係止部材322は、矢印方向に向かって、昇降部材29の切り欠き部29aを通過して、図10(a)及び図10(b)の二点鎖線で示す位置まで進出する。すなわち、係止部材322は、昇降部材29の切り欠き部29aに対峙する面に穿設された挿入孔29bに挿入される位置まで進出する。ここで、係止部材322が進出した状態では、係止部材322は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dを下側から支持できる位置になるように設定されている(図10(a)参照)。
一方、係止部材322が後退すると、図10(a)及び図10(b)の二点鎖線から図10(a)及び図10(b)の実線で示す位置まで後退する。ここで、係止部材322が後退した状態では、係止部材322は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dに接触することがない位置になるように設定されている。なお、昇降開閉装置320aと同一構成の昇降開閉装置320b〜320dが第1の実施形態の昇降開閉装置25b〜25dと同じ位置に配設されている。
【0135】
このように構成された昇降開閉装置320によれば、係止部材322を進出させて、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dのうち何れか任意の一つの被係止部の下側に位置させることにより、第1の実施形態と同様、複数の上ケース13、18、23のうち何れか一つと接続することができる。また、係止部材322を、被係止部の下部から離間させて、後退させることにより、第1の実施形態と同様、上ケースと離脱することができる。
【0136】
(第5の実施形態)
本実施形態は、昇降開閉装置とケースとの接続及び離脱させる形態であり、図11を参照して、説明する。図11(a)は、昇降開閉装置の平面図である。また、図11(b)は、昇降開閉装置の斜視図である。なお、図11(a)及び図11(b)には、第1の実施形態で説明したケース13の被係止部13dに、近接して配置されている昇降開閉装置330aが図示されている。
本実施形態に係る昇降開閉装置330aは、昇降装置26と、接続装置331とを含んで構成されている。ここで、昇降装置26は、ボールネジ27と、図示しないサーボモータ28と、昇降部材29と、ガイド部材30とを有している。昇降装置26の構成は、第1の実施形態と同一であり、その説明は省略する。
また、接続装置331は、係止部材332と、係止部材駆動装置333とを含んで構成されている。係止部材駆動装置333は、例えばモータであり、昇降部材29の一方の側面の上下方向における上部に、出力軸を上方向にした状態で、取り付けられている。また、係止部材駆動装置333の出力軸には歯車333aが水平方向に取り付けられている。一方、係止部材332は、昇降部材29の切り欠き部29aの幅よりも長い矩形断面を有するブロック状に形成され、一端が水平方向に旋回できるように昇降部材29に軸支されている。また、係止部材332には、歯車333aと噛み合う歯車332aが一体に設けられている。したがって、係止部材駆動装置333の歯車333aを回転させることにより、係止部材332が旋回する。
【0137】
具体的には、係止部材332は、矢印方向に向かって、図11(a)及び図11(b)の二点鎖線で示す位置まで旋回するように、進出する。このとき、係止部材332の先端が、切り欠き部29aを隔てて、対峙する昇降部材29上に位置する。ここで、係止部材332が旋回して進出した状態では、係止部材332は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dを下側から支持できる位置になるように設定されている(図11(a)参照)。
一方、係止部材332が旋回して後退すると、図11(a)及び図11(b)の二点鎖線から図11(a)及び図11(b)の実線で示す位置まで後退する。ここで、係止部材332が後退した状態では、係止部材332は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dに接触することがない位置になるように設定されている。ここで、昇降開閉装置330aと同一構成の昇降開閉装置330b〜330dが第1の実施形態の昇降開閉装置25b〜25dと同じ位置に配設されている。
【0138】
このように構成された昇降開閉装置330によれば、係止部材332を旋回させて、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dのうち何れか任意の一つの被係止部の下側に位置させることにより、第1の実施形態と同様、複数の上ケース13、18、23のうち何れか一つと接続することができる。また、係止部材332を、被係止部の下部から離間させて、旋回させることにより、第1の実施形態と同様、上ケースと離脱することができる。
【0139】
(第6の実施形態)
本実施形態は、昇降開閉装置とケースとの接続及び離脱させる形態であり、図12を参照して、説明する。図12(a)は、昇降開閉装置の平面図である。また、図12(b)は、昇降開閉装置の斜視図である。なお、図12(a)及び図12(b)には、第1の実施形態で説明したケース13の被係止部13dに、近接して配置されている昇降開閉装置340aが図示されている。
本実施形態に係る昇降開閉装置340aは、昇降装置26と、接続装置341とを含んで構成されている。ここで、昇降装置26は、ボールネジ27と、図示しないサーボモータ28と、昇降部材29と、ガイド部材30とを有している。昇降装置26の構成は、第1の実施形態と同一であり、その説明は省略する。
また、接続装置341は、2つの係止部材342と、2つの係止部材駆動装置343とを含んで構成されている。2つの係止部材駆動装置343は、例えばモータであり、昇降部材29の両側面の上下方向における上部に、出力軸を上方向にした状態で、取り付けられている。また、係止部材駆動装置343の出力軸には、それぞれ歯車343aが水平方向に取り付けられている。一方、2つの係止部材342は、断面が矩形状に形成され、一端が水平方向に旋回できるように昇降部材29に軸支されている。また、係止部材342には、歯車343aと噛み合う歯車342aが一体に設けられている。したがって、係止部材駆動装置343の歯車343aを回転させることにより、係止部材342が旋回する。
【0140】
具体的には、2つの係止部材342は、矢印方向に向かって、図12(a)及び図12(b)の二点鎖線で示す位置まで旋回するように、進出する。このとき、2つの係止部材342の先端は、切り欠き部29aの上方で対向するように位置する。すなわち、係止部材342が旋回して進出した状態では、係止部材342は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dを下側から支持できる位置になるように設定されている(図12(a)参照)。なお、係止部材342が被係止部を支持するとき、係止部材342が片持ち状になってしまう。したがって、昇降部材29には、係止部材342の支持を補強するL字状の2つの補強部材344が、進出した係止部材342の上部に位置するように配設されている。
一方、係止部材342が旋回して後退すると、図12(a)及び図12(b)の二点鎖線から図12(a)及び図12(b)の実線で示す位置まで後退する。ここで、係止部材342が後退した状態では、2つの係止部材342は、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dに接触することがない位置になるように設定されている。ここで、昇降開閉装置340aと同一構成の昇降開閉装置340b〜340dが第1の実施形態の昇降開閉装置25b〜25dと同じ位置に配設されている。
【0141】
このように構成された昇降開閉装置340によれば、係止部材342を旋回させて、上ケース13、18、23の被係止部13d、18d、23dのうち何れか任意の一つの被係止部の下側に位置させることにより、第1の実施形態と同様、複数の上ケース13、18、23のうち何れか一つと接続することができる。また、係止部材342を、被係止部の下部から離間させて、旋回させることにより、第1の実施形態と同様、上ケースと離脱することができる。
【0142】
(第7の実施形態)
本実施形態に係るラミネート装置は、第1の実施形態のラミネート装置において、充填材を完全に架橋する場合に使用するものである。
図13は、本実施形態に係るラミネート装置400の正面図である。なお、本実施形態に係るラミネート装置400は、第1の実施形態に係るラミネート装置100と略同様の構成であり、同一構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0143】
ここで、第1の実施形態のラミネート装置100は、搬入装置35に搬送ベルト掻取装置50が設けられていた(図1A参照)。それに対して、本実施形態のラミネート装置400では、搬出装置60に搬送ベルト掻取装置50が設けられている。
すなわち、本実施形態に係るラミネート装置400のラミネート部では、充填材を完全に架橋するまで加熱しているので、ラミネート処理が終了した時点で、搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓は硬化している。したがって、搬送ベルトがラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出装置60に搬送するとき、搬送ベルト掻取装置50がベルト掻取部51を進出させることにより、充填材の滓を掻き取ることができる。
このように、搬送ベルト掻取装置は、搬入装置又は搬出装置の何れかに設けてもよい。
【0144】
(第8の実施形態)
本実施形態に係るラミネート装置は、第1の実施形態のラミネート装置の搬入装置及び搬出装置に変えて、ラミネート処理が行われた太陽電池モジュールをラミネート部から搬出する機能と、ラミネート処理が行われる前の太陽電池モジュールをラミネート部に搬入する機能とを兼ね備えた搬出入装置を有する。
図14は、本実施形態に係るラミメート装置500の正面図である。なお、本実施形態に係るラミネート装置500は、第1の実施形態に係るラミネート装置100と略同一構成であり、同一構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0145】
搬出入装置535は、筐体536と、搬出入ローラ537と、搬出入ベルト538と、搬出入ローラ駆動モータ539と、搬出入昇降装置540と、搬送ベルト掻取装置50と、剥離シート掻取装置55とを有している。
すなわち、搬出入装置535は、昇降開閉装置25によって開放されるラミネート部に合わせて昇降して、ラミネート部からラミネート処理後の太陽電池モジュールを搬出する。また、搬出入装置535は、昇降開閉装置25によって開放されるラミネート部に合わせて昇降して、ラミネート部にラミネート処理を行う新たな太陽電池モジュールを搬入する。
また、搬送ベルト掻取装置50は、太陽電池モジュールを搬出又は搬入しているときに、搬送ベルトに付着した充填材を掻き取る。同様に、剥離シート掻取装置55は、太陽電池モジュールを搬出又は搬入しているときに剥離シートに付着した充填材を掻き取る。
このように、搬出装置と搬入装置とを機能を有する搬出入装置を設けることにより、ラミネート装置をより小型化することができる。なお、搬出入装置は、第2の実施形態にも応用することができる。
【0146】
なお、上述した第1の実施形態から第8の実施形態では被加工物として太陽電池モジュールをラミネート処理する場合についてのみ説明したがこの場合に限られず、他の被加工物をラミネート処理してもよい。
また、上述した第1の実施形態では、搬入装置に搬送ベルト掻取装置を設ける場合について説明し、第2の実施形態では、搬出装置に搬送ベルト掻取装置を設ける場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、搬入装置と搬出装置とのそれぞれに搬送ベルト掻取装置を設けてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、搬入装置及び搬出装置に剥離シート掻取装置を設ける場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、搬入装置又は搬出装置の何れかに剥離シート掻取装置を設けてもよい。
また、上述した第1の実施形態から第8の実施形態では、昇降開閉装置側からケースの被係止部に対して、係止部材を進出させたり、後退させたりする場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、ケース側に係止部材を設け、昇降開閉装置に被係止部を設けてもよい。すなわち、ケース側から昇降開閉装置の被係止部に対して、係止部材を進出させたり、後退させたりして、ケースと昇降開閉装置とが接続及び離脱可能に構成してもよい。
【0147】
なお、搬送ベルトに付着した充填材を掻き取り、被加工物を生産する効率を向上させることを主な目的とした場合、本発明は、複数のラミネート部を一つずつ、開閉する昇降開閉装置と、昇降開閉装置により開閉したラミネート部に対応する位置に昇降して、ラミネート部から搬送された被加工物を搬出する搬出装置と、昇降開閉装置により開閉したラミネート部に対応する位置に昇降して、被加工物をラミネート部に搬入する搬入装置と、下チャンバを形成するケースに、熱板上に配置され被加工物を搬送する搬送ベルトとを設けている。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1A】第1の実施形態に係るラミネート装置の正面図である。
【図1B】第1の実施形態に係るラミネート装置の平面図である。
【図1C】第1の実施形態に係る昇降開閉装置の平面図である。
【図1D】第1の実施形態に係る昇降開閉装置の斜視図である。
【図1E】第1の実施形態に係る搬入装置の構成を示す図である。
【図1F】第1の実施形態に係る搬出装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るラミネート部の構成を示す図である。
【図3】被加工物としての太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。
【図4A】第1の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図4B】第1の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図4C】第1の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図4D】第1の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図4E】第1の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るラミネート装置の搬送ベルト及び剥離シートの移動を示す図である。
【図6A】第2の実施形態に係るラミネート装置の正面図である。
【図6B】第2の実施形態に係るラミネート装置の平面図である。
【図6C】第2の実施形態に係る搬入装置の構成を示す図である。
【図6D】第2の実施形態に係る搬出装置の構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係るラミネート部の構成を示す図である。
【図8A】第2の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図8B】第2の実施形態に係るラミネート装置のラミネート処理を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る昇降開閉装置の構成を示す図である。
【図10】第4の実施形態に係る昇降開閉装置の構成を示す図である。
【図11】第5の実施形態に係る昇降開閉装置の構成を示す図である。
【図12】第6の実施形態に係る昇降開閉装置の構成を示す図である。
【図13】第7の実施形態に係るラミネート装置の正面図である。
【図14】第8の実施形態に係るラミネート装置の正面図である。
【符号の説明】
【0149】
100 ラミネート装置
10 1段目ラミネート部
11 下ケース
11a 下チャンバ
11b 熱板
12c 搬送ベルト
12e 搬送ベルト駆動モータ
13 上ケース
13a 上チャンバ
13b ダイヤフラム
13d 被係止部
14c 剥離シート
14e 剥離シート駆動モータ
15 2段目ラミネート部
16 下ケース
16a 下チャンバ
16b 熱板
17c 搬送ベルト
17e 搬送ベルト駆動モータ
18 上ケース
18a 上チャンバ
18b ダイヤフラム
18d 被係止部
19c 剥離シート
19e 剥離シート駆動モータ
20 3段目ラミネート部
21 下ケース
21a 下チャンバ
21b 熱板
22c 搬送ベルト
22e 搬送ベルト駆動モータ
23 上ケース
23a 上チャンバ
23b ダイヤフラム
23d 被係止部
24c 剥離シート
24e 剥離シート駆動モータ
25 昇降開閉装置
27 ボールネジ
29 昇降部材
31 接続装置
32 係止部材
33 係止部材駆動装置
35 搬入装置
50 搬送ベルト掻取装置
55 剥離シート掻取装置
60 搬出装置
75 剥離シート掻取装置
200 ラミネート装置
110 1段目ラミネート部
111 ケース
111a 下チャンバ
111b 熱板
112d 搬送ベルト
112e 搬送ベルト駆動モータ
113a 上チャンバ
113b ダイヤフラム
113d 剥離シート
113e 被係止部
115 2段目ラミネート部
114 ケース
116a 下チャンバ
116b 熱板
117d 搬送ベルト
117e 搬送ベルト駆動モータ
118a 上チャンバ
118b ダイヤフラム
118d 剥離シート
118e 被係止部
120 3段目ラミネート部
119 ケース
121a 下チャンバ
121b 熱板
122d 搬送ベルト
122e 搬送ベルト駆動モータ
123a 上チャンバ
123b ダイヤフラム
123d 剥離シート
123e 被係止部
125 4段目ラミネート部
124 ケース
126a 下チャンバ
126b 熱板
127d 搬送ベルト
127e 搬送ベルト駆動モータ
128a 上チャンバ
128b ダイヤフラム
128d 剥離シート
128e 被係止部
129 ケース
130 昇降開閉装置
135 搬入装置
150 搬送ベルト掻取装置
160 搬出装置
311 接続装置
312 係止部材
313 係止部材駆動装置
321 接続装置
322 係止部材
323 係止部材駆動装置
331 接続装置
332 係止部材
333 係止部材駆動装置
341 接続装置
342 係止部材
343 係止部材駆動装置
400 ラミネート装置
500 ラミネート装置
535 搬出入装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上チャンバ及び下チャンバにより構成され、前記下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱された前記被加工物を、前記熱板と前記上チャンバに設けられた押圧部材とで挟圧してラミネート処理するラミネート部を上下方向に複数、有するラミネート装置であって、
前記上チャンバが形成された複数のケースと、前記複数のケースの何れか任意の一つと接続及び離脱可能な昇降開閉装置とを有し、
前記昇降開閉装置は、前記複数のケースのうち前記被加工物の搬入及び搬出を行うラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースと接続して、昇降することにより、前記ラミネート部の開放と閉塞とを一つずつ行うことを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記昇降開閉装置は、前記複数のケースのうち何れか任意の一つと接続及び離脱可能な係止部材を有し、
前記昇降開閉装置は、前記係止部材を前記複数のケースのうち前記被加工物の搬入及び搬出を行うラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースに向かって進出させることにより前記ケースと接続し、後退させることにより前記ケースと離脱することを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
【請求項3】
前記複数のケースは、突出して形成された被係止部を有し、
前記昇降開閉装置は、前記係止部材を進出させ、前記被係止部の下部に位置させることにより前記ケースと接続することを特徴とする請求項2に記載のラミネート装置。
【請求項4】
前記複数のケースは、突出して形成された被係止部を有し、
前記昇降開閉装置は、前記係止部材を前記被係止部が突出する方向と略直交する方向から進出させて、前記被係止部の下部に位置させることにより前記ケースと接続することを特徴とする請求項2に記載のラミネート装置。
【請求項5】
前記複数のケースは、突出して形成された被係止部を有し、
前記昇降開閉装置は、前記係止部材を旋回させて、前記被係止部の下部に位置させることにより前記ケースと接続することを特徴とする請求項2に記載のラミネート装置。
【請求項6】
前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出装置と、
前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入する搬入装置と、
前記熱板上に配置され、前記被加工物を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを駆動する駆動装置とを有し、
前記搬入装置又は前記搬出装置には、前記搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のラミネート装置。
【請求項7】
前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出装置と、
前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入する搬入装置と、
前記押圧部材と前記被加工物との間であって、前記上チャンバが形成されたケースに配置される剥離シートと、
前記剥離シートを駆動する駆動装置とを有し、
前記搬入装置及び前記搬出装置の少なくとも何れか一方には、前記剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のラミネート装置。
【請求項8】
前記昇降開閉装置は、前記ラミネート部を構成する上チャンバが形成されたケースと、前記ラミネート部の上段のラミネート部を構成する下チャンバが形成されたケースとを一体的に上昇させることにより前記ラミネート部を開放すると共に、一体的に下降させることにより前記ラミネート部を閉塞することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のラミネート装置。
【請求項9】
前記昇降開閉装置は、前記ラミネート部を構成する上チャンバと前記ラミネート部の上段のラミネート部を構成する下チャンバとが一体で形成されたケースを上昇させることにより前記ラミネート部を開放すると共に、一体的に下降させることにより前記ラミネート部を閉塞することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のラミネート装置。
【請求項10】
前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入すると共に、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出入装置と、
前記熱板上に配置され、前記被加工物を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを駆動する駆動装置とを有し、
前記搬出入装置には、前記搬送ベルトの搬送面に付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のラミネート装置。
【請求項11】
前記昇降開閉装置により開放及び閉塞されるラミネート部に対応する位置に昇降して、前記被加工物を前記ラミネート部に搬入すると共に、前記ラミネート部から搬送される被加工物を搬出する搬出入装置と、
前記押圧部材と前記被加工物との間であって、前記上チャンバが形成されたケースに配置される剥離シートと、
前記剥離シートを駆動する駆動装置とを有し、
前記搬出入装置には、前記剥離シートに付着した充填材の滓を掻き取る掻取装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のラミネート装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−155350(P2010−155350A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333396(P2008−333396)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】