説明

ランプ装置

【課題】 着脱自在に組み合わされたランプ部と回路部の円滑な着脱構造を有するランプ装置を提供することにある。
【解決手段】 本ランプ装置は、放電発光管11を有するランプ部2と、電源に接続される口金3および放電発光管11を点灯するための点灯駆動回路5を有する回路部1とを着脱自在に組み合わせたものである。ランプ部2は、放電発光管11を保持するインナーケース10と、放電発光管11の電極に接続されたランプ部接続手段としての接続ピン7とを備える。回路部1は、接続ピン7に係合し点灯駆動回路5に接続される回路部接続手段としての導電接続金具6と、点灯駆動回路5を収納するアダプターケース4とを備える。接続ピン7はP21口金と同構造の一対の接続ピンを有し、導電接続金具6は一対の接続ピン7を受けるP21受金と同構造の受金を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、発光体及びそれを点灯するための例えばインバータ式点灯駆動回路を備え、着脱自在に組み合わされたランプ部と回路部とを有するランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー等を目的として、インバータ式点灯駆動回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプ等のランプ装置が多く使用されるようになってきた。
【0003】
この種の蛍光ランプは、例えば特許文献1に記載されている。このような、従来のインバータ式点灯駆動回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプにあっては、放電発光管とインバータ式点灯駆動回路が一体化されている。そのため、寿命に至った放電発光管の交換については構造上考慮されておらず、インバータ式点灯駆動回路を内蔵した蛍光ランプ全体を交換するしかなかった。
【特許文献1】特開2002−15702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蛍光ランプが寿命に至った場合、従来のように蛍光ランプ全体を交換するのではなく、放電発光管とインバータ式点灯駆動回路が着脱自在に組み合わされたランプ部及び回路部から成る蛍光ランプを作製し、ランプ寿命時にはランプ部だけを交換し回路部は再利用することが考えられる。このような構成によれば、近年の更なる省エネルギー、省資源化の要求に沿うものになると期待されるが、それにはランプ装置としての使い勝手の向上が欠かせない。その一つの手段として、ランプ装置におけるランプ部と回路部の円滑な着脱構造が必要である。
【0005】
従って本発明の目的は、着脱自在に組み合わされたランプ部と回路部の円滑な着脱構造を有するランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、発光体を有するランプ部と、電源に接続される口金および前記発光体を点灯するための点灯駆動回路を有する回路部とを着脱自在に組み合わせたランプ装置であって、前記ランプ部は、前記発光体を保持する発光体保持手段と、前記発光体の電極に接続されたランプ部接続手段とを備え、前記回路部は、前記ランプ部接続手段に係合し前記駆動回路に接続された回路部接続手段と、前記点灯駆動回路を収納する収納手段とを備え、前記ランプ部接続手段がP21口金と同構造の一対の接続ピンを有し、前記回路部接続手段が前記接続ピンを受けるP21受金と同構造の受金を有するランプ装置によって達成される。
【0007】
ここで、前記一対の接続ピンのピン中心軸間の距離は13mmより大きいことが好ましい。また、前記一対の接続ピンと同構造の別の一対の接続ピンを有し、前記二対の接続ピンの4つの接続ピンはそれぞれ平面上で正方形の角部に位置するように配置されることが好ましい。さらに、前記回路部接続手段は、前記ランプ部接続手段の前記接続ピンをロックする機構を備えることが好ましい。
【0008】
このような構成により、ランプ部と回路部は円滑に着脱することができる。ランプ部接続手段に上記のようにP21口金を応用した場合、回路部接続手段にランプ部以外のP21口金を採用した例えばP形点灯管を誤使用してしまう可能性がある。これに対しては、例えばランプ部のみ着脱できるよう、誤使用防止キーを設置することで対応可能である。
【0009】
もしくは、ランプ部接続手段で応用したP21口金の一対の接続ピン設置面に略垂直方向にある一対の接続ピン中心軸間の距離を変更することで誤使用に対応可能である。本来、P21口金の一対の接続ピン中心軸間の距離は12.5mm〜12.9mmであるが、本発明に係るランプ装置においては、この12.5mm〜12.9mmを除く、5.0mm〜100.0mmとすることが好ましい。5.0mm未満であると、一対の接続ピン中心軸間の距離が短すぎて互いの接続ピンが接触してしまう恐れがあり、接続機構に支障を来たす可能性がある。上記接続ピンのピン中心軸間の距離を13mmより大きくすることで、このような問題および誤使用をさらに好適に避けることができる。また、電球形やコンパクト形の蛍光ランプにあっては、白熱電球代替品との観点があることから、外観寸法が最大である100W形ボール電球並みの100.0mm以上は必要ないので、これを上限とすることができる。
【0010】
また、P21口金は一対の接続ピンで構成されており、これをランプ部に1つ応用するのは、ランプ装置の点灯において予熱が不必要の方式の場合か、または予熱が必要な方式であるが予熱に関わる回路部品がランプ部に含まれている場合である。すなわち、発光体(放電発光管)の一対の電極に接続された4本のリード線の内、2本のみがP21口金を応用した一対の接続ピンにそれぞれ接続される。
【0011】
一方、ランプ装置の点灯において、予熱が必要な方式であり、かつ予熱に関わる回路部品も回路部に含まれている場合は、発光体の一対の電極に接続された4本のリード線の全てがランプ部の接続ピンにそれぞれ接続される必要がある。そのため、P21口金の一対の接続ピンを2つ応用して、合計4つの接続ピンを設ける。すなわち、ランプ部接続手段は、P21口金を1つ応用した上、P21口金の一対の接続ピン設置面における一対の接続ピン間距離の中心点を基点として一対の接続ピン間距離から90°の場所にもう1つのP21口金を応用することにより、接続ピンが4つとなる。すなわち、4つの接続ピンはそれぞれ平面上で正方形の角部に位置するように配置される。
【0012】
P21口金と同構造の一対の接続ピンの細部寸法は変更しても構わない。また、回路部接続手段のピン受金は、ランプ部接続手段の接続ピンに係合するように構成される。
【0013】
電源に接続される回路部の口金が例えばE形口金(片口金)である場合は、ランプ部を握ってランプ装置をE形ソケットから外す際、回路部に取り付けられているランプ部も連動して回路部から外れてしまうおそれがある。そこで、ランプ部接続手段に係合する回路部接続手段は、ランプ部接続手段をロックする機構を備えることができる。すなわち、回路部接続手段におけるランプ部接続手段の回転軌道上に弁を設けることにより、回路部へのランプ部装着の場合はロック状態にならず、取り外す場合はロック状態となるように構成する。このロック状態を解除することにより取り外しが可能となる。このように、回路部接続手段は、前記ランプ部接続手段の前記接続ピンをロックする機構を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、着脱自在に組み合わされたランプ部と回路部の円滑な着脱構造を有するランプ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るランプ装置の実施例を蛍光ランプの場合を例にとって図面にしたがって説明する。図中に記載する参照符号は以下に説明する各実施例において全て共通符号とする。各図において、参照符号1は本発明の第1の実施例に係る蛍光ランプの回路部、2は本発明の第1の実施例と第3の実施例に係る蛍光ランプのランプ部、3はE26口金、4はアダプターケース(収納手段)、5はインバータ式点灯駆動回路、6は接続ピンとインバータ式点灯駆動回路との導電接続金具(回路部接続手段)、7は接続ピン(ランプ部接続手段)、8は接続ピンと発光管電極部との接続リード線、9はアウターケース、10はインナーケース(発光体保持手段)、11は放電発光管(発光体)、12はガラスグローブ、13、14は放電発光管の電極、15は予熱コンデンサ、16はサーミスタ、17はP21口金の一対の接続ピン中心軸間の距離、18は接続ピンに係合する受金の溝、19は本発明の第2の実施例に係る蛍光ランプの回路部、20は本発明の第2の実施例に係る蛍光ランプのランプ部、21は二対の接続ピンの設置角度、22は本発明の第3の実施例に係る蛍光ランプの回路部、23は接続ピンのロック部材、24は爪部、25はばね保持部、26はばね、27はロック部材を保持するリブである。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図である。図示のように、本蛍光ランプは、放電発光管(発光体)11を有するランプ部2と、電源に接続される口金3および放電発光管11を点灯するためのインバータ式点灯駆動回路5を有する回路部1とを着脱自在に組み合わせたものである。ランプ部2は、放電発光管11を保持するインナーケース(発光体保持手段)10と、放電発光管11の電極に接続された接続ピン(ランプ部接続手段)7とを備える。回路部1は、接続ピン7に係合しインバータ式点灯駆動回路5に接続される導電接続金具(回路部接続手段)6と、点灯駆動回路5を収納するアダプターケース(収納手段)4とを備える。接続ピン7はP21口金と同構造の一対の接続ピンを有し、導電接続金具6は接続ピン7を受けるP21受金と同構造の受金を有する。
【0017】
回路部1とランプ部2は後述する構造によって着脱自在である。回路部1は、電源ソケットに接続されるE26口金3と、これに固着されたアダプターケース4と、このケース内に収納されたインバータ式点灯駆動回路5とを備えている。ランプ部2は、一対の電極を有し内面に蛍光体が塗布された放電発光管11と予熱回路構成部品である予熱コンデンサとサーミスタ(図示せず)と、これを保持するインナーケース10とを備えている。放電発光管11はその両端部でインナーケース10に保持され、予熱コンデンサとサーミスタはインナーケース10の円筒状部分に収納されている。放電発光管11の両端部の一対の電極にはランプ部接続手段としてのP21口金を応用した接続ピン7が接続され、この接続ピン7に係合する回路部接続手段としての導電接続金具6が回路部1の対応個所に備えられている。放電発光管11の両端部の他の一対の電極には予熱回路構成部品である予熱コンデンサとサーミスタが並列に接続されている。この構成により、放電発光管と回路部への電気的接続のための接続ピン7は2本、すなわちP21口金は一対で済む。
【0018】
このように、接続ピン7と接続金具6とが電気的に接続した状態で係合することにより、回路部1とランプ部2とが一体に接合し、蛍光ランプとして点灯できる状態になる。逆に、これらの接続ピン7と導電接続金具6との接続を外すことにより、回路部1とランプ部2とが分離し、ランプ部2の交換が可能になる。
【0019】
図2は、予熱方式のインバータ点灯駆動回路における予熱回路構成例を示す図である。インバータ点灯駆動回路5は、商用交流電源30から得られる直流電圧から変換した高周波交流電圧を放電発光管11にインバータ方式で印加するものである。予熱コンデンサ15は放電発光管11の電極13、14を介して接続されており、点灯駆動回路5に電源が投入されてから放電発光管11が放電を開始するまでの予熱期間、予熱コンデンサ15に流れる大電流で電極13、14を予熱することができる。
【0020】
この予熱期間と予熱電流は予熱コンデンサ15に並列に接続されているサーミスタ16によって制御される。このサーミスタ16はキュリー温度以下で抵抗値が小さく、キュリー温度を超えると抵抗値が上昇する正の特性を有しており、この抵抗変化を利用することによって負荷回路のインピーダンスを変化させ、回路に流れる共振電流の大きさを制御している。ランプが点灯している間はサーミスタ16の抵抗値が大きいため電流はほとんど流れず、共振電流は予熱コンデンサ15と放電発光管11に分流して流れる。
【0021】
インバータ点灯駆動回路には寿命末期電圧検知回路(図示せず)を内蔵させることにより、寿命に至った放電発光管は回路部1からランプ部2を分離させ、ランプ部2のみを新しいものに交換することによって、再び良好な点灯状態を取り戻すことができる。その結果、回路部1を長期間使用することができる。
【0022】
図3は本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプのランプ部を示す図で、(a)は接続ピン側の平面図、(b)は一部を切り欠いた側面図である。図4はそのランプ部の接続ピン設置面からみた拡大図である。応用したP21口金の一対の接続ピン設置面に略垂直方向の一対の接続ピン中心軸間の距離17は、本来のP21口金の一対の接続ピン中心軸間の距離である12.5mm〜12.9mmを除いた、5.0mm〜100.0mmとすることが好ましいが、さらに好適には13.0mm〜100.0mmである。ここで下限の13.0mmはP21口金の一対の接続ピン中心軸間の距離より大きい値としたものであり、上限の100.0mmはこの種のランプの100Wのものの外径の値に基づくものである。
【0023】
図5は本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプの回路部を示す図で、(a)は一部を切り欠いた側面図、(b)は受金側の平面図である。図6はその回路部の受金の内部からみた、接続ピンと受金の係合状態を示す図で、(a)は未接続状態、(b)は接続状態を示す。未接続状態では、各接続ピン7が受金の溝18に挿入された状態のみで、各接続ピン7と各導電接続金具6は電気的に未接続状態である。接続状態では、各接続ピン7が受金の溝18に挿入されたうえ、回転軌道に沿って受金の溝18内を移動して各導電接続金具6と電気的接続状態となる。
【実施例2】
【0024】
図7は本発明の第2の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプのランプ部を示す図で、(a)は接続ピン側の平面図、(b)は一部を切り欠いた側面図である。図8はそのランプ部の接続ピン設置面からみた拡大図である。図9は本発明の第2の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプの回路部を示す図で、(a)は一部を切り欠いた側面図、(b)は受金側の平面図である。図10はその回路部の受金の内部からみた、接続ピンと受金の係合状態を示す図で、(a)は未接続状態、(b)は接続状態を示す。
回路部19とランプ部20は後述する構造によって着脱自在である。本発明の第2の実施例では、予熱回路構成部品である予熱コンデンサとサーミスタは回路部19内に設置しており、ランプ部20のインナーケース10内には収納されていない。このため、ランプ部20の放電発光管の一対の電極に接続された4本のリード線の全てを接続ピン7にそれぞれ接続させる必要があり、P21口金を1つ応用した上、応用したP21口金の一対の接続ピン設置面における一対の接続ピン間距離の中心点を基点として一対の接続ピン間距離からの設置角度21が90°の場所にもう1つのP21口金を応用した。この構成により、放電発光管と回路部への電気的接続のための接続ピン7は4本となる。
【0025】
このように、接続ピン7と導電接続金具6とが電気的に接続した状態で係合することにより、回路部19とランプ部20とが一体に接合し、蛍光ランプとして点灯できる状態になる。逆に、これらの接続ピン7と導電接続金具6との接続を外すことにより、回路部19とランプ部20とが分離し、ランプ部20の交換が可能になる。
未接続状態では、各接続ピン7が受金の溝18に挿入された状態のみで、各接続ピン7と各導電接続金具6は電気的に未接続状態である。接続状態では、各接続ピン7が受金の溝18に挿入されたうえ、回転軌道に沿って受金の溝18内を移動して各導電接続金具6と電気的接続状態となる。
【実施例3】
【0026】
図11は本発明の第3の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図である。図において、回路部22とランプ部2は後述する構造によって着脱自在である。回路部22は、電源ソケットに接続されるE26口金3と、これに固着されたアダプターケース4と、このケース内に収納されたインバータ式点灯駆動回路5を備えている。ランプ部2は、一対の電極を有し内面に蛍光体が塗布された放電発光管11と予熱回路構成部品である予熱コンデンサとサーミスタ(図示せず)と、これを保持するインナーケース10とを備えている。放電発光管11はその両端部でインナーケース10に保持され、予熱コンデンサとサーミスタはインナーケース10の円筒状部分に収納されている。
【0027】
放電発光管11の両端部の一対の電極にはランプ部接続手段としてP21口金を応用した接続ピン7が接続され、この接続ピン7に係合する回路部接続手段として導電接続金具6が回路部22の対応個所に備えられている。放電発光管11の両端部の他の一対の電極には予熱回路構成部品である予熱コンデンサとサーミスタが並列に接続されている。この構成により、放電発光管と回路部への電気的接続のための接続ピン7は2本、すなわちP21口金は一対で済む。
【0028】
このように、接続ピン7と導電接続金具6とが電気的に接続した状態で係合することにより、回路部22とランプ部2とが一体に接合し、蛍光ランプとして点灯できる状態になる。逆に、これらの接続ピンと導電接続金具との接続を外すことにより、回路部22とランプ部2とが分離し、ランプ部2の交換が可能になる。
【0029】
ここで、電源に接続される回路部の片口金がE形口金であるため、ランプ部を握って本発明品をE形ソケットから外す際、回路部に取り付けられていたランプ部も連動して回路部から外れてしまう場合がある。そこで、応用したP21口金に係合するP21受金には、P21口金の接続ピン7をロックする機構を備えており、回路部22へのランプ部2の着脱の際、接続ピンのロック部材23が可動する。すなわち、P21受金におけるP21口金の回転軌道上に弁の機能を有する接続ピンのロック部材23を設けることにより、回路部へのランプ部2装着の場合はロック状態にならず、取り外す場合はロック状態となる。ロック状態を解除することにより取り外しが可能となる。
【0030】
図12は、接続ピンのロック部材23の展開図である。接続ピンのロック部材23は、接続ピン7と接触することから、絶縁性であり、さらに強度や耐熱性や耐候性を持ち合わせた、樹脂やセラミックなどの材料で形成されていることが望ましい。爪部24は略直角三角形状とすることで、弁の機能を有することができる。また、このロック機構の動作原理としてばねの作用を利用していることから、ばね保持部25を有する。
【0031】
図13は本発明の第3の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプの回路部を示す図で、(a)は一部を切り欠いた側面図、(b)はロック状態の受金側の平面図、(c)はロック解除状態の受金側の平面図である。図14はその回路部の受金の内部からみた、接続ピンと受金の係合状態を示す図で、(a)は未接続かつロック状態、(b)は接続かつロック状態、(c)は接続かつロック解除状態、(d)は未接続かつロック解除状態を示す。
【0032】
ランプ部2を回路部22に装着する際、未接続かつロック状態の図14(a)では、各接続ピン7が受金の溝18に挿入された状態のみで、各接続ピン7と各接続金具6は電気的に未接続状態である。次にこの状態から接続ピン7を受金の溝18の回転軌道にそって回転させると、接続ピン7は溝18の回転軌道上で、接続ピンのロック部材23を構成する爪部24の略直角三角形状の斜辺に接触する。すると、接続ピン7は爪部24の斜辺を滑るように接続ピンのロック部材23を押し退けて回転を継続し、導電接続金具6に到達する。一方、接続ピンによって押し退けられたロック部材23はばねの作用によりロック部材を保持するリブ27に沿って所定の位置に戻る。これが接続かつロック状態の図14(b)となる。
【0033】
ランプ部2を回路部22から取り外す際、接続かつロック解除状態の図14(c)では、アダプターケース4から外部にはみ出ているロック部材23を内部に押し込むことによって、ロックが解除される。ロックが解除されていない状態で接続ピン7を受金の溝18の回転軌道にそって回転させようとすると、接続ピン7はロック部材23を構成する爪部24の略直角三角形状の一辺に接触する。すると、接続ピン7は爪部24の略直角三角形状の一辺とはほぼ垂直に位置するためロック部材23を押し退けることができずロックされる。未接続かつロック解除状態の図14(d)では、ロックが解除されて、接続ピン7を受金の溝18の回転軌道にそって回転させた状態である。
【0034】
以上のように、本発明に係るランプ装置によれば、例えば蛍光ランプにおいて、電源に接続される口金(片口金)と、一対の電極を有し内面に蛍光体が塗布された放電発光管と、その放電発光管を点灯するためのインバータ式点灯駆動回路を備え、着脱自在に組み合わされたランプ部及び回路部から成る蛍光ランプは、ランプ接続手段としてP21口金とP21受金を1つもしくは2つ応用し、応用したP21口金の一対の接続ピン中心軸間の距離は12.5mm〜12.9mmを除く、5.0mm〜100.0mmとし、さらに、応用したP21口金に係合するP21受金には、P21口金の接続ピンをロックする機構を備えることによりランプ部と回路部とが円滑に着脱することができる蛍光ランプを得ることができる。
なお、上記実施例では放電発光管を用いた蛍光ランプについて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、発光体として例えばHID管やLEDを用いたランプ装置にも適用することができる。また、ガラスグローブ12を設けないランプ装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、発光体及びそれを点灯するための例えばインバータ式点灯駆動回路を備え、着脱自在に組み合わされたランプ部と回路部とを有するランプ装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図である。
【図2】予熱方式のインバータ点灯駆動回路における予熱回路構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプのランプ部を示す図で、(a)は接続ピン側の平面図、(b)は一部を切り欠いた側面図である。
【図4】図3に示すランプ部の接続ピン設置面からみた拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプの回路部を示す図で、(a)は一部を切り欠いた側面図、(b)は受金側の平面図である。
【図6】図5に示す回路部の受金の内部からみた、接続ピンと受金の係合状態を示す図で、(a)は未接続状態、(b)は接続状態を示す。
【図7】本発明の第2の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプのランプ部を示す図で、(a)は接続ピン側の平面図、(b)は一部を切り欠いた側面図である。
【図8】図7に示すランプ部の接続ピン設置面からみた拡大図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプの回路部を示す図で、(a)は一部を切り欠いた側面図、(b)は受金側の平面図である。
【図10】図9に示す回路部の受金の内部からみた、接続ピンと受金の係合状態を示す図で、(a)は未接続状態、(b)は接続状態を示す。
【図11】本発明の第3の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図である。
【図12】接続ピンのロック部材23の展開図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係る着脱自在に組み合わされた回路部及びランプ部から成る蛍光ランプの回路部を示す図で、(a)は一部を切り欠いた側面図、(b)はロック状態の受金側の平面図、(c)はロック解除状態の受金側の平面図である。
【図14】図13に示す回路部の受金の内部からみた、接続ピンと受金の係合状態を示す図で、(a)は未接続かつロック状態、(b)は接続かつロック状態、(c)は接続かつロック解除状態、(d)は未接続かつロック解除状態を示す。
【符号の説明】
【0037】
1 本発明の第1の実施例に係る蛍光ランプの回路部
2 本発明の第1の実施例と第3の実施例に係る蛍光ランプのランプ部
3 E26口金
4 アダプターケース(収納手段)
5 インバータ式点灯駆動回路
6 導電接続金具(回路部接続手段)
7 接続ピン(ランプ部接続手段)
8 接続ピンと発光管電極部との接続リード線
9 アウターケース
10 インナーケース(発光体保持手段)
11 放電発光管(発光体)
12 ガラスグローブ
13、14 放電発光管の電極
15 予熱コンデンサ
16 サーミスタ
17 P21口金の一対の接続ピン中心軸間の距離
18 接続ピンに係合する受金の溝
19 本発明の第2の実施例に係る蛍光ランプの回路部
20 本発明の第2の実施例に係る蛍光ランプのランプ部
21 二対の接続ピンの設置角度
22 本発明の第3の実施例に係る蛍光ランプの回路部
23 接続ピンのロック部材
24 爪部
25 ばね保持部
26 ばね
27 ロック部材を保持するリブ
30 商用交流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体を有するランプ部と、電源に接続される口金および前記発光体を点灯するための点灯駆動回路を有する回路部とを着脱自在に組み合わせたランプ装置であって、前記ランプ部は、前記発光体を保持する発光体保持手段と、前記発光体の電極に接続されたランプ部接続手段とを備え、前記回路部は、前記ランプ部接続手段に係合し前記駆動回路に接続される回路部接続手段と、前記点灯駆動回路を収納する収納手段とを備え、前記ランプ部接続手段がP21口金と同構造の一対の接続ピンを有し、前記回路部接続手段が前記接続ピンを受けるP21受金と同構造の受金を有することを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記一対の接続ピンのピン中心軸間の距離が13mmより大きいことを特徴とする請求項1に記載のランプ装置。
【請求項3】
前記一対の接続ピンと同構造の別の一対の接続ピンを有し、前記二対の接続ピンの4つの接続ピンがそれぞれ平面上で正方形の角部に位置するように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のランプ装置。
【請求項4】
前記回路部接続手段が、前記ランプ部接続手段の前記接続ピンをロックする機構を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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