説明

ランプ

【課題】光の利用効率の低下を防ぎつつ、周方向への光量を抑制できるランプを提供すること。
【解決手段】凹面反射鏡18と、当該凹面反射鏡18の底部開口18Bに配置されて光を放射するLED10とを基体2の先端部2Aに設け、前記凹面反射鏡18の反射面44の全面に光透過性を持たせたことを特徴とするLEDランプ1を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDや有機EL素子等の発光素子を光源に備えたランプに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDの高出力化、及び低コスト化に伴い、LEDを光源に備えた電球型のLEDランプが普及している。この種のLEDランプでは、既存設備のソケットに装着可能な口金を有し、電球の代替として利用できるようになっている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。
さらに、LEDランプにあっては、LEDを収容するホルダー、及び当該ホルダーの前端の開口を覆うカバー部材とを備え、当該カバー部材の側壁部を光透過可能に構成することで、側壁部を通じてLEDランプの光を周方向に照射して、配光をハロゲン電球や白熱電球に近付ける技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−4130号公報
【特許文献2】国際公開第2009/063655号
【特許文献3】実用新案登録第3164202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3の技術においては、カバー部材の側壁部の高さ方向の幅(ホルダー開口端部からカバーの正面端部までの幅)が狭いと、ハロゲン電球等の配光を十分に再現することはできず、また均一な配光が得られない。
そこで側壁部の高さ方向の幅を大きくすると、LEDから周方向に放射された光が、そのまま側壁部を通じて周方向に照射されてしまうことから、周方向への照射光量が多くなり過ぎてしまい、また前方への照射光量も低下する、という問題を生じる。
そこで、例えば、周方向への照射光量を抑制すべく側壁部の光透過率を低下させたとすると、その分、側壁部で遮蔽されて無駄になる光量が増えて光の利用効率が低下する、という問題を生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光の利用効率の低下を防ぎつつ、周方向への光量を抑制できるランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、凹面反射鏡と、当該凹面反射鏡の底部開口に配置されて光を放射する発光素子とを基体の一端部に設け、前記凹面反射鏡の反射面の全面に光透過性を持たせたことを特徴とするランプを提供する。
【0006】
また本発明は、上記ランプにおいて、前記凹面反射鏡を透明な基材で成形し、当該基材の内周面に誘電多層膜から成るダイクロイック膜を設けて前記反射面を形成したことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記ランプにおいて、前記基材の外周面が光拡散性を有することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記ランプにおいて、前記凹面反射鏡の先端開口を塞ぐレンズを備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記ランプにおいて、前記基体の一端部に板状のベース部材を設け、前記ベース部材の主表面に発光素子、及び凹面反射鏡を設け、前記ベース部材の縁部を前記基体の周方向に突出させ当該突出した縁部の全周に亘って前記基体の外周面に沿って延びるヒートマス部を設け、前記ヒートマス部の露出部分を覆うヒートマスカバーを設けたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記ランプにおいて、前記ヒートマスカバーが、電気絶縁性、及び前記ヒートマス部よりも低熱伝導率を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、凹面反射鏡の反射面の全面に光透過性を持たせたため、反射面の略全面から透過光が周方向に放射されることから、ハロゲン電球や白熱電球に近い配光を実現できる。特に、反射面に光透過性を持たせているため、反射面を透過しない光は反射光として、主の照射方向である光軸方向の照射に用いられることから、透過光量を抑えても無駄が生じることがなく光の利用効率を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るLEDランプの全体斜視図であり、(A)は上斜視図、(B)は下斜視図である。
【図2】LEDランプの外観構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図3の凹面反射鏡を拡大して示す図である。
【図5】LEDランプとハロゲン電球の配光を示す図である。
【図6】反射膜の光学特性の一例を示す図であり、(A)は反射膜の分光透過率を示し、(B)は反射膜の分光反射率を示す。
【図7】本実施形態のLEDランプ、既存のLEDランプ及びハロゲン電球の発光スペクトル特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、発光素子を光源に備えるランプとして、LEDを光源に備えたLEDランプを例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば有機EL等の他の発光素子を光源に備えるランプにも適用可能である。
【0014】
図1は本実施形態に係るLEDランプ1の全体斜視図であり、図1(A)は上斜視図、図1(B)は下斜視図である。また、図2はLEDランプ1の外観構成を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は側面図、図2(C)は底面図である。図3はLEDランプ1の内部構成を示す断面図である。
LEDランプ1は、既存のハロゲン電球や白熱電球と形状及び光学特性が略同じになるように構成されており、既存の電球の代替として使用可能となっている。
【0015】
すなわち、LEDランプ1は、図1に示すように、略円筒状の基体2を有し、この基体2の一端部である先端部2A(図3)に発光部4を設け、他端部である終端部2Bに口金6が設けられている。基体2は、セラミックスや樹脂等の絶縁性を有する材料から形成されている。口金6は、ソケット(図示せず)に螺合するネジ山が切られた筒状のシェル6Aと、このシェル6Aの端部の頂部に絶縁部6Bを介して設けられたアイレット6Cとを備え、これらシェル6A及びアイレット6Cは、既存のソケットに装着可能な形状寸法に構成されている。これにより、当該LEDランプ1は、天井や壁面に既設のソケットに装着でき、既存のハロゲン電球や白熱電球の代替として使用可能になる。
【0016】
発光部4は、LED10を光源に備え、図3に示すように、LED10の点灯に要するドライバ回路や電源回路等の電気回路を搭載した電気回路基板12が基体2の内部に収められている。電気回路基板12の電源回路と、口金6のシェル6A、及びアイレット6Cとは、それぞれ電気的に接続されており、口金6をソケットに装着することで、口金6のシェル6A、及びアイレット6Cを通じてソケットから電力が電気回路基板12の電源回路に供給される。
【0017】
また発光部4の構成について詳述すると、図3に示すように、発光部4は、上記LED10と、取付ベース部材16と、凹面反射鏡18と、フレネルレンズ20とを備えている。
LED10には、白色光を放射する表面実装型のLEDパッケージが用いられている。すなわち、LED10は、図示を省略するが、LEDチップと、LEDチップを収納する収納凹所が形成された平面視略矩形の薄型のパッケージとを備え、パッケージの収納凹所にLEDチップがシリコーン樹脂などの透明樹脂で封止されている。この透明樹脂の中には、LEDチップから放射された光によって励起されてLEDチップとは異なる発光色の光を放射する波長変換材料としての蛍光体(蛍光顔料、蛍光染料など)が分散されており、LEDチップの光と蛍光体の光との混合により白色が得られる。
【0018】
取付ベース部材16は、上記LED10を載置する台座、LED10のヒートシンク、及びヒートマスとして機能する部材であって、上面視略円形の板状の円板部30と、当該円板部30の略中央に凸状に設けられた台座部32と、円板部30の全周に亘って設けられたヒートマス部34とを備え、高熱伝導性を有する例えばアルミニウム材等の金属材により一体成形されている。
円板部30には、表側の主表面側にLED10、及び凹面反射鏡18が設けられ、裏側の主表面には略垂直に基体2が設けられる。円板部30は、基体2の先端部2Aを閉塞し、その縁部が基体2の先端部2Aの外まで周方向に突出する径を有し、その突出した縁部に全周に亘って、基体2の外周面に沿って上下に延びる後述のヒートマス部34が一体に設けられている。
【0019】
台座部32は、LED10を載置するものであって、円板部30の表側の主表面の略中央に一体に設けられた上面視略円形の凸状部であり、その上面には、上記LED10を嵌め込む嵌込穴32Aが設けられている。LED10が嵌込穴32Aに嵌め込まれることで、LED10の底面及び側面の両方からLED10の発熱が台座部32に移動し、放熱効率の向上が図られている。また台座部32には、上下に貫通する貫通穴32Bが2箇所に設けられており、基体2の電気回路基板12から延びる正電位及び負電位の各リード線が各貫通穴32Bを通ってLED10に接続される。
【0020】
上記ヒートマス部34は、円板部30の縁部で基体2の中心軸Kに沿って上下に延在して、高さ幅Wの側壁を形成し、LED10の発熱を吸収するための十分なヒートマス(熱容量)として機能する。またヒートマス部34の下端部34Aは、基体2の先端部2Aを受ける挿入開口39を形成する。基体2と取付ベース部材16との間には接着用の樹脂剤38が隙間無く充填されて接着、密封される。
このとき基体2と取付ベース部材16のヒートマス部34の隙間は3mm以下が好ましく、これにより、この隙間からヒートマス部34に手指が触れるのを防止できる。
またヒートマス部34の下端部34Aが挿入開口39として形成され、当該挿入開口39に基体2の先端部2Aが挿入されて固定される構成であるため、LEDランプ1の全長を短くできる。
【0021】
ここで、ヒートマス部34のヒートマスは、容積に比例して大きくなることから、高さ幅W、或いは厚みTを大きくすることでヒートマス性能を高められる。このとき、厚みTを基体2の周方向(中心軸Kに直交する方向)に平面視で後述の凹面反射鏡18よりも突出するほど大きくしてしまうと、LEDランプ1のサイズの大型化を招くため、厚みTは、平面視でヒートマス部34が凹面反射鏡18の先端開口18Aの範囲内に収まる厚みを限度とすることが望ましく、当該限度を超えてヒートマスが要求される場合には、高さ幅Wを大きくすることが望ましい。但し、高さ幅Wを大きくするときには、上端部34Bは、後述する凹面反射鏡18の形状を制限することがないように、当該凹面反射鏡18のネック部42と同程度の高さ位置であって反射面44の下端44Aと同程度の高さ位置までを限度として延ばし、ヒートマスの不足分は下端部34Aを下側に延ばして補うことが好ましい。
なお、LED10の発熱は、ヒートマス部34を含む取付ベース部材16に吸収されヒートマス部34から外部に放熱されるが、一部は基体2に熱伝導して当該基体2の全体からも外部に放熱される。
【0022】
LEDランプ1にあっては、ヒートマス部34が基体2よりも周方向に突出することからユーザが接触し易い箇所であるものの、このヒートマス部34を含む取付ベース部材16が高熱伝導性を有する金属材で形成されていることから電導性が高く、またヒートマスにより高温にもなる。そこで、当該ヒートマス部34との接触による感電や火傷を防止するために、ヒートマス部34には、高い絶縁性を有し、かつ、ヒートマス部34よりも低熱伝導率を有する樹脂材から形成され、ヒートマス部34の外側に露出する露出部分全体を覆うヒートマスカバー46が設けられている。
これにより、ヒートマス部34のヒートマスを高めLED10の冷却性能を高めた場合であっても、当該ヒートマス部34との接触による感電や火傷を防止できる。
【0023】
ヒートマスカバー46は、例えば取付ベース部材16の周囲にインサート成形により設けられており、これにより簡単に、かつヒートマスカバー46が外れることがない程度の強固な固定強度でヒートマスカバー46をヒートマス部34に固定できる。
本実施形態では、かかるヒートマスカバー46の厚み(周方向の肉厚)は、1.2kVの耐電圧と接触時の火傷を防止可能な厚み(例えば1.5mm)を下限とし、既設のハロゲン電球用のソケットホルダー等に装着可能な周方向の寸法(例えば4mm)を上限としている。
【0024】
図4は、図3のうち凹面反射鏡18を拡大して示す図である。
凹面反射鏡18は、LED10が放射する光を光軸方向に反射するとともに、反射面44の全体が光透過性を有して構成され、当該反射面44の全体から光軸に対して周方向にも光を放射するものであって、その光軸が基体2の中心軸Kと略同軸に設けられている。
具体的には、凹面反射鏡18は、底部中心に底部開口18Bを有し、この底部開口18Bから先端開口18Aまでの範囲Dの内側面の略全面が反射面44として形成されている。また底部開口18Bには後端側に延びる円筒状のネック部42が一体に設けられている。ネック部42は、取付ベース部材16の台座部32と外側のヒートマス部34とにより形成される溝部50に配設され、ヒートマス部34との間の隙間に充填された透明な樹脂材52により接着される。このように溝部50に凹面反射鏡18を挿入して固定するため、LEDランプ1の全長を短くできる。このとき、溝部50の幅は、凹面反射鏡18とヒートマス部34の隙間を3mm以下にする大きさが好ましく、これにより、この隙間からヒートマス部34に手指が触れるのを防止できる。
また、ネック部42の長さLは、取付ベース部材16の台座部32の円板部30からの高さよりも長く、これにより台座部32の上面に設けられたLED10よりも高い位置に反射面44が配置される。
【0025】
凹面反射鏡18は、LED10の光に対して透明樹脂又は透明ガラス等の透明材料で成形された基材60に、上記範囲Dに対する内側面の全面に光透過性を有する反射膜により反射面44を形成して構成されている。すなわち、図4に示すように、LED10から放射されて反射面44に入射する光M1は、当該反射面44で反射されて反射光M2として先端開口18Aを通じて外部に(中心軸K方向に)放射され、また一部は、反射面44を透過して透過光M3として周方に放射される。
これにより、反射面44の略全面から透過光M3が周方向に放射されるため、ハロゲン電球や白熱電球に近い配光を実現できる。
また、反射面44に光透過性を持たせているため、反射面44を透過しない光は反射光M2として中心軸K方向の主の照射光として無駄なく用いられることから、光の利用効率を良好にできる。
【0026】
凹面反射鏡18のネック部42には、上記反射面44は形成されておらず、無垢の透明材料のままとされている。したがって、LED10からネック部42に入射した光M4は、ネック部42を透過してヒートマス部34との間の隙間を光らせることとなり、これにより、反射面44の下端(底部開口18B)部分での周方向への光強度が補われる。さらに、ネック部42に入射した光M4の一部は、凹面反射鏡18の基材60の内部を伝播する伝播光M5となって基材60全体を発光させ、周方向への放射光量の増加に寄与することとなる。
【0027】
凹面反射鏡18の先端開口18Aには上記フレネルレンズ20が設けられている。フレネルレンズ20は、樹脂製の円板状部材の表裏のいずれかに円心円状にすべて角度の違う溝を設けたものである。本実施形態では、溝が設けられた主表面20Aを内側(LED10側)に向け他方の主表面20Bを外側に向けた姿勢でフレネルレンズ20を凹面反射鏡18の先端開口18Aに設けている。
具体的には、凹面反射鏡18の先端開口18Aには、フレネルレンズ20が嵌まり込む段部19が形成されており、当該段部19にフレネルレンズ20を嵌め込み樹脂剤で接着することで、フレネルレンズ20が凹面反射鏡18の先端開口18Aを閉塞した状態で固定される。
【0028】
かかるフレネルレンズ20が先端開口18Aを閉塞して設けられることで、フレネルレンズ20に入射する光M6のうち、溝が形成された面20Aに入射した光M6の一部が反射面44に向けて反射され、この反射された光M7が反射面44を透過して周方向に放射されることで、周方向への放射光量が増加し、光の利用効率が高められる。
これにより、図5に示すように、LEDランプ1であっても、ハロゲン電球の配光に近い配光が実現される。
【0029】
ここで、本実施形態では、凹面反射鏡18の反射面44を形成する反射膜として誘電多層膜から成るダイクロイック膜を用いることとし、透過させる光の波長選択性を反射面44に持たせることとしている。
図6は、反射膜の光学特性の一例を示す図であり、図6(A)は反射膜の分光透過率を示し、図6(B)は反射膜の分光反射率を示す。
反射面44の反射膜は、LED10の発光波長400nm〜800nmの光を反射(略非透過)するとともに、波長400nm〜800nmにおいて一部の光を透過する光学特性を有する。この反射膜を透過する一部の光により照明における間接光に適した光を周方向に放射することができ、また反射面44からの反射光を主の照射光として先端開口18Aから放射することから、図7に示すように、既存のLEDランプと同等の演色性を維持できる。
【0030】
反射面44を形成する反射膜を誘電多層膜から成るダイクロイック膜とすることで、透過光の波長選択を持たせることができ、照明デザイン等の要求に応じて自由な波長を透過させることができるものの、誘電多層膜にあっては、透過光の進行方向に波長依存性が生じるため、周方向の放射光を例えば壁面等に照射した際に色むらや照度むらが発生する。
そこで、凹面反射鏡18の外周面62には、その表面に透過光を散乱させる光散乱機能を持たせるための例えばエンボス加工が施されており、これにより、周方向に放射する光の色むらや照度むらが抑えられる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、凹面反射鏡18と、当該凹面反射鏡18の底部開口18Bに配置されて光を放射する発光素子としてのLED10とを基体2の先端部2Aに設け、凹面反射鏡18の反射面44の全面に光透過性を持たせたLEDランプ1とした。
これにより、反射面44の略全面から透過光がLEDランプ1の周方向に放射されることから、ハロゲン電球や白熱電球に近い配光を実現できる。特に、反射面44に光透過性を持たせているため、反射面44を透過しない光は反射光として主の照射方向である光軸方向の照射に用いられることから、透過光量を抑えても無駄が生じることがなく光の利用効率を良好にできる。
【0032】
また本実施形態によれば、凹面反射鏡18を透明な基材60で成形し、当該基材60の内周面に誘電多層膜から成るダイクロイック膜を設けて反射面44を形成したため、照明デザインからの要望等に合わせて、周方向に透過する光の波長を簡単かつ自由に選択でき、また周方向の照射光の色が異なるLEDランプ1のバリエーションを簡単に作ることができる。
【0033】
また本実施形態によれば、凹面反射鏡18の基材60の外周面62がエンボス加工等により光拡散性を有するため、反射面44を誘電多層膜から成るダイクロイック膜により形成されていても、周方向に放射する光の色むらや照度むらが抑えられる。
【0034】
また本実施形態によれば、凹面反射鏡18の先端開口18Aを塞ぐフレネルレンズ20を備える構成としたため、フレネルレンズ20の裏面で反射した光を周方向への照射光として効率良く利用することができる。
【0035】
また本実施形態によれば、板状のベース部材たる円板部30の表側の主表面にLED10、及び凹面反射鏡18を設け、円板部30の裏側に筒状の基体2を設け、円板部30の縁部を基体2の周方向(中心軸と直交する方向)に突出させ当該突出した縁部の全周に亘って基体2の外周面に沿って延びるヒートマス部34を設け、このヒートマス部34の露出部分を覆うヒートマスカバー46を設けるLEDランプ1とした。
この構成により、LED10の発熱を円板部30を通じてヒートマス部34に導き効率良く処理し、なおかつ、ヒートマス部34に接触したときの安全性を確保できる。
特に、ヒートマスカバー46が、電気絶縁性、及びヒートマス部34よりも低熱伝導率を有することで接触時の感電、及び火傷を防止できる。
【0036】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 LEDランプ
2 基体
2A 先端部(一端部)
6 口金
10 LED(発光素子)
16 取付ベース部材
18 凹面反射鏡
18A 先端開口
18B 底部開口
20 フレネルレンズ(レンズ)
30 円板部(ベース部)
34 ヒートマス部
42 ネック部
44 反射面
46 ヒートマスカバー
60 基材
62 外周面
K 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹面反射鏡と、当該凹面反射鏡の底部開口に配置されて光を放射する発光素子とを基体の一端部に設け、前記凹面反射鏡の反射面の全面に光透過性を持たせたことを特徴とするランプ。
【請求項2】
前記凹面反射鏡を透明な基材で成形し、当該基材の内周面に誘電多層膜から成るダイクロイック膜を設けて前記反射面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記基材の外周面が光拡散性を有することを特徴とする請求項2に記載のランプ。
【請求項4】
前記凹面反射鏡の先端開口を塞ぐレンズを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のランプ。
【請求項5】
前記基体の一端部に板状のベース部材を設け、前記ベース部材の主表面に発光素子、及び凹面反射鏡を設け、前記ベース部材の縁部を前記基体の周方向に突出させ当該突出した縁部の全周に亘って前記基体の外周面に沿って延びるヒートマス部を設け、前記ヒートマス部の露出部分を覆うヒートマスカバーを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のランプ。
【請求項6】
前記ヒートマスカバーが、電気絶縁性、及び前記ヒートマス部よりも低熱伝導率を有することを特徴とする請求項5に記載のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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