説明

リニアコンベア

【課題】搬送経路に対する搬送台車の着脱時にリニアスケールを保護しながら、リニアスケールによる搬送台車の位置検出も適切に行うことができるようにする。
【解決手段】リニアコンベアであって、フレーム40(第1フレーム)を有するスライダ4と、フレーム22(第2フレーム)を有し、スライダ4が着脱可能に支持される直線搬送部2A、2Bと、リニアモータと、フレーム40に固定され、スライダ4の移動方向に並ぶ複数のネオジム磁石52を含む磁気スケール50a〜50c及びフレーム22に固定され、ネオジム磁石52の磁束を検出するセンタ52を備えるリニアスケールと、直線搬送部2A、2Bに対するスライダ4の着脱時の干渉を防止すべく、磁気スケールを覆うようにフレーム40固定されるスケールカバー56(第1保護カバー)及び磁気センサ32を覆うようにフレーム22に固定されるセンサカバー58(第2保護カバー)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモータを駆動源とするリニアコンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リニアモータを駆動源として、基台上に敷設されたレールに沿って搬送台車(スライダ)を移動させるリニアコンベアがある。例えば、特許文献1には、電磁石(電機子)がリニアモータ固定子として基台上に固定される一方で、永久磁石がリニアモータ可動子として搬送台車に固定され、電磁石を構成するコイルへの電流供給が制御されることで搬送台車が移動する可動磁石型リニアモータを用いたリニアコンベアが開示されている。
【0003】
このリニアコンベアには、搬送台車に固定される光学スケールと基台側に配置される光学ヘッド(センサ)とからなるリニアスケールが組み込まれており、このリニアスケールによる位置検出に基づき前記コイルへの電流供給が制御されることによって、特定位置への搬送台車の移動が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6191507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のリニアコンベアでは、搬送経路上を移動する搬送台車の数を必要に応じて変更することが求められる。この場合、搬送台車をレールに対して脱着することになるが、その際、光学ヘッド(センサ)と搬送台車との接触や、光学スケールと基台等との接触によりリニアスケールが損傷を受けることが考えられる。
【0006】
従って、光学ヘッドや光学スケールを何らかの形で保護する必要がある。しかし、光学ヘッドと光学スケールとの間に何らかの保護部材を設けてこれらを保護することは、光学ヘッドの受光(検出)を阻害するため困難である。仮に光の屈折率が低い透明体かなる保護部材を設けるにしても、精度確保のために光学ヘッドと光学スケールとは非常に接近した状態で組み付ける必要があるため、実際にこれらの間に保護部材を介在させることは難しい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、搬送経路に対する搬送台車の着脱時にリニアスケールを保護しながら、リニアスケールによる搬送台車の位置検出も適切に行うことができるリニアコンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、本発明のリニアコンベアは、リニアコンベアであって、第1フレームを有する搬送台車と、第2フレームを有し、前記搬送台車が移動自在にかつ着脱可能に支持される搬送部と、前記第1フレームに固定されるリニアモータ可動子及び前記第2フレームに固定されるリニアモータ固定子からなるリニアモータと、前記第1フレームに固定され、前記搬送台車の移動方向に並ぶ複数のネオジム磁石を含む磁気スケール、及び前記磁気スケールに対向するように前記第2フレームに固定され、前記ネオジム磁石の磁束を検出することで当該磁束に応じた信号を出力する磁気センタを備えるリニアスケールと、前記搬送部に対する前記搬送台車の着脱時の外部との干渉を防止すべく、前記磁気スケールを覆うように前記第1フレームに固定される第1保護カバー及び前記磁気センサを覆うように前記第2フレームに固定される第2保護カバーのうち少なくとも一方を備えるものである。
【0009】
このように、磁気式のリニアスケールを用い、その磁気スケールとして、非常に磁束密度が高いネオジム磁石を含む磁気スケールを用いた構成によれば、当該磁気スケールと磁気センサとの間に比較的大きなギャップ(隙間)を確保することが可能となり、これによって、磁気センサによる磁気検出を適正に行いながら、難なく保護カバーを設けることが可能となる。従って、リニアスケールによる搬送台車の位置検出を適切に行いながら、搬送台車の着脱時には、磁気スケールや磁気センサを外部干渉から保護することができる。
【0010】
なお、このリニアコンベアでは、ネオジム磁石を含む磁気スケールを適用することで当該磁気スケールと磁気センサとの間に比較的大きなギャップ(隙間)を確保するものであるが、このネオジム磁石は、フェライト磁石等に比べて機械的強度が低く割れやすい。そのため、上記リニアコンベアにおいては、少なくとも前記第1保護カバーを備えているものであるのが好適である。
【0011】
また、上記のリニアコンベアにおいて、前記第1フレーム及び前記第2フレームのうち前記保護カバーが取り付けられるものは、その取り付けられる保護カバーと同一材料により形成されているのが好適である。具体的には、第1保護カバーを備えるものでは、前記第1フレームは、前記第1保護カバーと同一材料により形成されており、前記第2保護カバーを備えるものでは、前記第2フレームは、前記第2保護カバーと同一材料により形成されているのが好適である。そしてこの場合、前記同一材料はアルミニウムであるのが好適である。
【0012】
このような構成によれば、保護カバーとこれが固定されるフレームの熱膨張係数が同一となる。そのため、第1保護カバーと第1フレームとの熱膨張係数が異なることによる第1保護カバーの熱変形、あるいは第2保護カバーと第2フレームとの熱膨張係数が異なることによる第2保護カバーの熱変形といった熱応力による保護カバーの変形を有効に防止することが可能となり、当該保護カバーの変形に起因する作動トラブルを未然に防止することが可能となる。
【0013】
また、上記のリニアコンベアにおいて、前記保護カバーは、前記磁気スケールと前記磁気センサとが対向する側からねじ部材により前記フレームに固定されるものであるのが好適である。具体的には、前記第1保護カバーを備えるものでは、当該第1保護カバーは、前記磁気スケールと前記磁気センサとが対向する側からねじ部材により前記第1フレームに固定され、前記第2保護カバーを備えるものでは、当該第2保護カバーは、前記磁気スケールと前記磁気センサとが対向する側からねじ部材により前記第2フレームに固定されるものであるのが好適である。
【0014】
すなわち、例えば搬送台車の移動方向と平行な方向の両側から保護カバーをねじ部材でフレームに固定してもよいが、この場合には、寸法誤差や熱膨張等により保護カバーが前記移動方向と平行な方向に圧縮されて変形することが考えられる。この点、上記構造によれば、そのような変形を伴うことなく保護カバーをフレームに固定することが可能となり、当該保護カバーの変形に起因する作動トラブルを未然に防止することが可能となる。
【0015】
なお、この場合、前記第1保護カバーを備えるものでは、前記第1フレームは、前記磁気スケールの取付面であって当該取付面から前記磁気センサ側に突出して前記搬送台車の移動方向に連続的又は断続的に延びる突出部を備える取付面を有し、当該取付面に対して、複数の前記磁気スケールが、前記搬送台車の移動方向と直交する方向に並んだ状態でかつ前記突出部の両側に分配された状態で固定されるものであり、前記第1保護カバーは、前記複数の磁気スケール及び前記突出部を覆った状態で当該突出部に固定されるものであるのが好適である。
【0016】
この構成によれば、複数の磁気スケールを広く第1保護カバーで覆う一方で、当該第1保護カバーが磁気センサ側に撓み変形することを抑制でき、これにより当該第1保護カバーの変形に起因する作動トラブルを未然に防止することが可能となる。
【0017】
また、上記のようなリニアコンベアにおいて、前記第2保護カバーを備えるものでは、前記第1フレームは、前記搬送部に支持される水平部とこの水平部から下向きに延びる垂下部とを有し、この垂下部の側面に前記磁気スケールを備えており、前記第2フレームは、前記第1フレームの水平部を支持することにより前記搬送台車を移動可能に支持する台車支持部と、この台車支持部から下向きに延びる脚部とを有し、この脚部の側方に前記磁気センサを備えており、前記リニアモータは、前記第2フレームの前記台車支持部に固定される、リニアモータ固定子としての電磁石と、この電磁石に対向するように前記第1フレームの前記水平部に固定される、リニアモータ可動子としての永久磁石とを備えており、前記電磁石は、末端にコネクタを備え、かつ当該コネクタが前記第1フレームの垂下部の下方に位置するように前記搬送部に固定的に配置される配線材を有しており、前記第2保護カバーは、前記各コネクタを露出させた状態で前記脚部の側方部分を覆う部分を有するものであってもよい。
【0018】
この構成によれば、電磁石(リニアモータ固定子)の配線用のコネクタを、搬送台車の移動の邪魔にならない位置にコンパクトに配置することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明のリニアコンベアによれば、搬送経路に対する搬送台車の着脱時にリニアスケールを保護しながら、リニアスケールによる搬送台車の位置検出も適切に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るリニアコンベアの全体像を示す斜視図である。
【図2】リニアコンベアの搬送経路(直線搬送部)を示す斜視図である。
【図3】リニアコンベアを構成するユニット部材を示す斜視図である。
【図4】ユニット部材を示す正面図(センサカバー装着状態)である。
【図5】ユニット部材を示す正面図(センサカバー未装着状態)である。
【図6】ユニット部材及びスライダを示す側面図である。
【図7】スライダを示す側面図である。
【図8】本発明に係るリニアコンベアの概要を示す模式図であり、(a)はリニアコンベア全体の平面図であり、(b)は要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
【0022】
まず、本発明に係るリニアコンベアの具体的な構成について詳細に説明する前に、図8を用いて、その概要について簡単に説明する。同図(a)は、リニアコンベアの全体を平面模式図で示している。同図に示すように、リニアコンベアは、スライダ4を循環させる環状(ループ状)のコンベアであり、リニアモータを駆動源としてスライダ4を移動させる一対の直線搬送部2A、2Bと、一般的なロボットからなり、スライダ4の移動方向を反転させる方向反転部3A、3Bとからなる。各直線搬送部2A、2Bは、スライダ4を移動自在に支持するレール6と、このレール6に沿って並ぶ多数のコイル(U相、V相、W相)からなるリニアモータ固定子7とを備えており、他方、スライダ4は、永久磁石44(リニアモータ可動子8)を備えている。そして、各直線搬送部2A、2Bは、図8(b)に示すように、例えばU相のコイルに所定方向で電流を供給すると、当該コイルの上部がS極になってスライダ4側のN極の永久磁石が引き付けられる、という具合に、U/V/Wの各コイルに供給する電流が制御されるように構成されており、これによってスライダ4がレール6に沿って移動するようになっている。
【0023】
以下、このリニアコンベアの具体的な構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記の概要において説明した箇所についても再度、詳細に説明することにする。
【0024】
図1は、本発明に係るリニアコンベアの具体的な構成の全体を斜視図で示している。同図中には、水平面上で互いに直交する二方向(X方向、Y方向)を方向指標として図示している。
【0025】
同図に示すように、リニアコンベアは、基台1と、この基台1上に設けられ、特定方向(X方向)に互いに平行に延びる一対の直線搬送部(第1直線搬送部2A、第2直線搬送部2B)及びこれら直線搬送部2A、2Bの長手方向両側にそれぞれ位置する方向反転部(第1方向反転部3A、第2方向反転部3B)と、前記各直線搬送部2A、2Bに沿って移動する複数のスライダ4(本発明の搬送台車に相当する)とを備えている。
【0026】
各直線搬送部2A、2Bは、前記スライダ4をX方向に移動させるものであり、それぞれX方向に延びるレール6を備え、当該レール6に沿ってスライダ4を移動させる。各方向反転部3A、3Bは、両直線搬送部2A、2Bの末端位置でそれらの一方から他方にスライダ4を平行移動させることでスライダ4の移動方向を反転させるものである。すなわち、このリニアコンベアでは、各スライダ4は、同図中の白抜き矢印で示すように、第1直線搬送部2Aの一端側(X方向(+)側)から他端側(X方向(−)側)に向かって移動し、第1方向反転部3Aにより第1直線搬送部2Aから第2直線搬送部2Bに移される。そして、第2直線搬送部2Bの一端側(X方向(−)側)から他端側(X方向(+)側)に向かって移動した後、第2方向反転部3Bによって第2直線搬送部2Bから第1直線搬送部2Aに移される。これにより、このリニアコンベアでは各スライダ4が周回移動する構成となっている。
【0027】
各方向反転部3A、3Bは、以下のような構成を備える。ここでは、第1方向反転部3Aについて説明する。
【0028】
第1方向反転部3Aは、上流側に位置する第1直線搬送部2Aのレール6に連続するレール12を有しかつ第1直線搬送部2Aからスライダ4を受け入れる受入部P2と、下流側に位置する第2直線搬送部2Bのレール6に連続するレール11を有しかつ第2直線搬送部2Bに対してスライダ4を送り出す送出部P1と、スライダ4の支持部14を有し、かつこの支持部14に支持されたスライダ4を当該支持部14と共に前記受入部P2に対応する位置(図示の位置)と前記送出部P1に対応する位置とに亘ってY方向にスライドさせるスライド機構15と、受入部P2にあるスライダ4をスライド機構15の前記支持部14に引き込む引込機構16と、前記支持部14に支持されているスライダ4を当該支持部14から送出部P1に引き出し、さらにこの送出部P1から第2直線搬送部2Bに押し出す送出機構18とを含む。
【0029】
つまり、第1直線搬送部2Aの末端位置に到達したスライダ4は、当該末端位置から第1方向反転部3Aの受入部P2に受け入れられ、引込機構16によって受入部P2からスライド機構15の支持部14に引き込まれる。その後、スライダ4は、スライド機構15の作動により支持部14と共に送出部P1に対応する位置に平行移動し、送出機構18の作動により、当該支持部14から送出部P1に引き出された後、第2直線搬送部2Bに押し出される。このように、第1方向反転部3Aは、各スライダ4を第1直線搬送部2Aから第2直線搬送部2Bに移すことで、スライダ4の移動方向を反転させる。
【0030】
以上は第1方向反転部3Aの構成であるが、第2方向反転部3Bも、第2直線搬送部2Bからスライダ4を受入部P2に受け入れる点、及び送出部P1から第1直線搬送部2Aにスライダ4を送り出す点が異なるだけで、第1方向反転部3Aと同等の構成を有する。
【0031】
なお、このリニアコンベアでは、各方向反転部3A、3Bにおいてスライダ4の着脱が許容されている。具体的には、送出部P1、P2の前記レール11、12に新たなスライダ4を装着することで、搬送経路内に追加的にスライダ4を挿入することができ(図1参照)、また、受入部P1、P2の前記レール11、12からスライダ4を引き出すことにより当該スライダ4を搬送経路から取り外すことが可能となっている。この構成により、このリニアコンベアでは、搬送経路内のスライダ4の数を変更することが可能となっている。
【0032】
前記各スライダ4は、各直線搬送部2A、2Bにおいて、リニアモータを駆動源として駆動される。このリニアモータは、各直線搬送部2A、2Bに備えられるリニアモータ固定子7と、各スライダ4に備えられる後記リニアモータ可動子8とからなる。以下、この点を含め、各直線搬送部2A、2B及びスライダ4の具体的な構成について図2〜図7を用いて説明する。なお、各直線搬送部2A、2Bの基本構成は略同一であるため、ここでは、第1直線搬送部2Aについて説明する。
【0033】
第1直線搬送部2Aは、図2に示すように、複数個のユニット部材20がX方向に連結されることにより構成されている。当例では、4つのユニット部材20が連結されることにより第1直線搬送部2Aが構成されている。
【0034】
各ユニット部材20は、図3〜図6に示すように、X方向に延びる細長のフレーム22と、このフレーム22(本発明の第2フレームに相当する)に固定される単位レール24、電磁石26及びセンサ基板28とを含む。
【0035】
フレーム22は、X方向に延びる長方形状の底板部23aと、この底板部23aの上方に位置し、X方向に延びる長方形状の上板部23c(本発明の台車支持部に相当する)と、これら板部23a、23cの間で上下方向に延び、当該板部23a、23c同士をそれらの長手方向に亘って連結する連結部23b(本発明の脚部に相当する)とを備え、これら各部23a〜23cがアルミニウム合金により一体に形成されている。そして、このフレーム22の上板部23cの上面に、当該上板部23cの長手方向と同方向に延びるように前記単位レール24が固定され、さらに、この上板部23cの上面であって前記単位レール24の後側(Y方向(−)側)の位置に、複数の電磁石26が当該単位レール24に沿って一列(直列)に配列された状態で固定されている。当例では、同一構造の4つの電磁石26が固定されている。これら電磁石26は、前記リニアモータ固定子7を構成するものであり、それぞれX方向に一列に並ぶ複数のコイルを含む。
【0036】
フレーム22の前記連結部23bには、図5及び図6に示すように、複数の前記センサ基板28が固定されている。当例では、前記電磁石26と同様に4つのセンサ基板28が固定されている。具体的には、前記単位レール24に沿って一列(直列)に配列された状態で、連結部23bの側壁に沿って起立姿勢で連結部23bに固定されている。
【0037】
これらセンサ基板28は、各スライダ4に固定される後記磁気スケール50a〜50cと協働してリニアスケールを構成するものであり、各電磁石26が配置された区間においてそれぞれ磁気スケール50a〜50cを検出するように、各電磁石26のそれぞれ前側(Y方向(+)側)に配置されている。
【0038】
図5に示すように、各センサ基板28は、上下方向に並ぶ3つのセンサ領域30a〜30c(上側から順に第1センサ領域30a、第2センサ領域30b、第3センサ領域30cと称す)を有する。各センサ領域30a〜30cにはそれぞれ、磁気スケール50a〜50cを検出可能なホール素子、又MR素子からなる一乃至複数個の磁気センサ32が設けられ、これら磁気センサ32がX方向に所定の配列で固定されている。
【0039】
各センサ領域30a〜30cにおける磁気センサ32の配置や数は各センサ基板28の間で共通しており、各磁気センサ32は、後述する磁気スケール50a〜50cを検出することにより、その磁束密度に応じた出力電圧(振幅)の信号を出力する。
【0040】
なお、前記ユニット部材20において、センサ基板28の前側(Y方向(+)側)の位置であって、移動中のスライダ4の後記フレーム40(垂下部41b)の下方の位置には、前記電磁石26及びセンサ基板28の配線接続部34が設けられている。
【0041】
この配線接続部34は、フレーム22の前記連結部23bの前方の位置において前記底板部23aに立設される固定プレート35と、この固定プレート35にそれぞれ保持される、前記電磁石26の配線用コネクタ27(本発明のコネクタに相当する)及び前記センサ基板28の配線用コネクタ29とを含む。これら各コネクタ27、29は、それぞれ電磁石26及びセンサ基板28から導出された配線材の末端に設けられており、相手側コネクタとの接続が可能となるように、前記固定プレート35に前向きに固定されている。
【0042】
当例では、右端(図5で右端)から数えて1番目と3番目の各センサ基板28の前側の位置にそれぞれ前記配線接続部34が設けられており、互いに隣接する2つの電磁石26の配線用コネクタ27がそれぞれ共通の配線接続部34の固定プレート35に保持されている。また、センサ基板28の配線用コネクタ29については、互いに隣接する2つのセンサ基板28について共通の1の配線用コネクタ29が設けられており、この配線用コネクタ29が各配線接続部34の固定プレート35に保持されている。
【0043】
前記第1直線搬送部2Aは、以上のような4つのユニット部材20が長手方向に直列に突き合わされた状態で配列され(連結され)、各フレーム22の底板部23aがそれぞれ前記基台1にボルト等の固定手段によって固定されることにより構成されている。そして、このように4つのユニット部材20が連結されることで、各ユニット部材20の前記単位レール24がX方向に連続して上記レール6が構成されるとともに、同様に前記電磁石26がX方向に連続して上記リニアモータ固定子7が構成されている。
【0044】
以上、第1直線搬送部2Aの構成について説明したが、第2直線搬送部2Bも、第1直線搬送部2Aと同等の構成を有している。
【0045】
前記スライダ4は、図5〜図7に示すように、フレーム40(本発明の第1フレームに相当する)と、このフレーム40にそれぞれ固定される、ガイドブロック42、リニアモータ可動子8(永久磁石44)及び磁気スケール50a〜50cとを含む。
【0046】
前記フレーム40は、スライダ4の母体となるものでありX方向に細長い形状を有する。詳しくは、このフレーム40は、前記直線搬送部2A、2Bのレール6の上方に位置する矩形板状の水平部41aと、この水平部41aの幅方向前側(Y方向の(+)側)から垂下し、前記センサ基板28に対向するように位置する矩形板状の垂下部41bとを有した断面逆L字型の形状を有し、これら水平部41aと垂下部41bとがアルミニウム合金により一体に形成されている。
【0047】
前記水平部41aの上面には、テーブルや工具等を固定することが可能な複数のねじ孔が所定の配列で設けられている。この水平部41aの下面には、ガイドブロック42が固定され、このガイドブロック42が前記レール6に装着されることにより、スライダ4が当該レール6に移動自在に支持されている。このガイドブロック42及び前記レール6(単位レール24)は、例えばリニアガイドにより構成されている。
【0048】
前記水平部41aの下面のうち前記ガイドブロック42の後側(Y方向(−)側)の位置、詳しくは、直線搬送部2A、2Bのリニアモータ固定子7(ユニット部材20の電磁石26)に対向する位置には、前記リニアモータ可動子8が固定されている。このリニアモータ可動子8は、前記水平部41aの下面に固定される板状のヨーク45と、X方向(スライダ4の移動方向)に一列に配列された状態で前記ヨーク45の下面に固定される板状の複数の永久磁石44とを含む。これら永久磁石44は、下面にN極とS極とが交互に現れるように配列されている。つまり、モータコントローラによって互いに位相が異なるu相、v相、w相のうちの何れかの相の電流が前記リニアモータ固定子7(電磁石26)のコイルに供給されることで、当該コイルに生じる磁束と永久磁石44の磁束との相互作用によりフレーム40に推進力が生成され、この推進力によりスライダ4が前記レール6に沿って移動する。
【0049】
前記磁気スケール50a〜50cは、前記センサ基板28に対向するように、フレーム40の前記垂下部41bの内側面(図6の右側面)に固定されている。
【0050】
各磁気スケール50a〜50cは上下に並んでおり(上側から第1磁気スケール50a、第2磁気スケール50b、第3磁気スケール50cと称す)、第1磁気スケール50aは前記第1センサ領域30aに、第2磁気スケール50bは前記第2センサ領域30bに、第3磁気スケール50cは第3センサ領域30cにそれぞれ対向している。
【0051】
詳細図を省略するが、各磁気スケール50a〜50cはそれぞれ、特定のスケール長内に永久磁石52がX方向に一列に、かつセンサ基板28側にN極とS極とが交互に現れるように構成されている。当例では、永久磁石52としてネオジム磁石が適用されており、このような強力な(磁束密度が高い)磁石が永久磁石52として適用されることで、各磁気スケール50a〜50cと前記磁気センサ32(センサ基板28)との間に比較的広いギャップ(当例では4mm程度)を確保しながら、前記磁気センサ32による各磁気スケール50a〜50cの検出が適切に行われて得るように構成されている。
【0052】
そして、スライダ4の移動中、各センサ領域30a〜30cの磁気センサ32が対応する磁気スケール50a〜50cを検出することで、スライダ4の位置を検出するための所定の信号が前記センサ基板28から出力されるように、各磁気スケール50a〜50cの永久磁石52の数及び配列や各センサ領域30a〜30cの磁気センサ32の数及び配列が設定されるとともに、前記センサ基板28の基板上回路が構成されている。具体的には、第1センサ領域30aの磁気センサ32による第1磁気スケール50aの検出に基づき、A相の正弦波信号及びこれと振幅及び周期が同じで位相が90°だけずれたB相の正弦波信号がセンサ基板28から出力され、また、第2センサ領域30bの磁気センサ32による第2磁気スケール50bの検出に基づき、Z相の信号がセンサ基板28から出力され、さらに、第3センサ領域30cの磁気センサ32による第3磁気スケール50cの検出に基づき、上記A相、B相よりも周期が長く、互いに位相がずれた同一振幅をもつ複数の波形信号がセンサ基板28から出力されるように、各磁気スケール50a〜50cの永久磁石52の数及び配列や各センサ領域30a〜30cの磁気センサ32の数及び配列が設定されるとともに前記センサ基板28の基板上回路が構成されている。この構成により、リニアコンベアの稼動中は、前記センサ基板28からの入力信号に基づき図外のモータコントローラがスライダ4の位置を検出するとともに当該検出位置に基づき前記電磁石26(リニアモータ固定子7)への電流供給を制御することで、スライダ4を所定速度で移動させるとともに所定の目標停止位置で停止させる。
【0053】
なお、前記スライダ4は、磁気スケール50a〜50cを保護するためのスケールカバー56(本発明の第1保護カバーに相当する)を備え、また、前記ユニット部材20は、センサ基板28(磁気センサ32)を保護するためのセンサカバー58(本発明の第2保護カバーに相当する)を備えている。
【0054】
前記スケールカバー56は、非磁性体から形成されており、当例ではアルミニウム合金製の薄板(当例では厚み0.5mm程度)から形成されている。このスケールカバー56は、図6及び図7に示すように、前記垂下部41bの壁面側に開く箱形の本体部57aと、この本体部57aの上端から垂下部41bの壁面に沿って上向きに延びるフランジ部57bとを有し、前記本体部57aの内側に磁気スケール50a〜50cを挿入させた状態で当該磁気スケール50a〜50cをセンサ基板28側から覆うように形成されている。
【0055】
このスケールカバー56は、ねじSにより前記垂下部41bに固定されている。具体的には、前記本体部57a(センサ基板28に対向する面)及びフランジ部57bのそれぞれ長手方向(X方向)両端には、その厚み方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、センサ基板28の側(Y方向(−)側;磁気スケール50a〜50cと磁気センサ32とが対向する側)からねじSがこれら貫通孔にそれぞれ挿入され、前記垂下部41bに形成されたねじ孔に螺合挿入されることで、スケールカバー56が前記本体部57a(センサ基板28に対向する面)及びフランジ部57bのそれぞれ長手方向両端部で垂下部41bに固定されている。
【0056】
なお、スケールカバー56のうち前記本体部57aは、前記磁気スケール50a〜50cのうち第2磁気スケール50bと第3磁気スケール50cとの間の位置で前記垂下部41bにねじSで固定されている。詳しくは、前記垂下部41bの内側面(本発明の取付面に相当する)には、当該内側面からセンサ基板28側に突出して垂下部41bの長手方向(X方向)に連続的(又は断続的)に延びる突条部41c(本発明の突出部に相当する)が形成されており、前記磁気スケール50a〜50cのうち第1、第2の磁気スケール50a、50bがこの突条部41cより上側に配置され、前記第3磁気スケール50cがこの突条部41cの下側に配置されている。そして、磁気スケール50a〜50c及び突条部41cが一体に前記本体部57a内に挿入された状態で、スケールカバー56の当該本体部57aがねじSによりこの突条部41cに固定されている。
【0057】
前記センサカバー58も、前記スケールカバー56と同様に非磁性体から形成されており、当例では前記センサカバー58と同様のアルミニウム合金製の薄板(当例では厚み0.5mm程度)から形成されている。
【0058】
このセンサカバー58は、図3及び図6に示すように、センサ基板28と略平行に上下方向に延びる垂直部59aと、この垂直部59aの下端部から前方(図6の左側)に延びてさらに下向きに垂直に延びる膨出部59bとを有しており、センサ基板28を磁気スケール50a〜50cの側から覆うように形成されている。当例では、図3に示すように、1つのユニット部材20について、同一形状の2つのセンサカバー58が長手方向(X方向)に並べられた状態で組み付けられることにより、当該ユニット部材20の各センサ基板28が2個ずつ1つのセンサカバー58によって覆われている。
【0059】
センサカバー58は、ねじSにより前記フレーム22等に固定されている。具体的には、前記垂直部59aのうちその長手方向両端及び膨出部59bのうち前記配線接続部34に対応する位置には、その厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、これら貫通孔にねじSがそれぞれ磁気スケール50a〜50cの側(Y方向(+)側;磁気スケール50a〜50cと磁気センサ32とが対向する側)から挿入され、前記フレーム22及び前記固定プレート35に形成されるねじ孔に螺合挿入されることで、センサカバー58が前記フレーム22等に固定されている。
【0060】
なお、センサカバー58の長手方向一端部(図3の右端部)であって前記膨出部59bには、窓部60が形成されており、この窓部60は、上記のようにセンサカバー58が固定された状態で、前記配線接続部34の各コネクタ27、29を外部に露出させるように形成されている。すなわち、当例では、センサカバー58のうち前記膨出部59bが、本発明の第2保護カバーの「各コネクタを露出させた状態で脚部の側方部分を覆う部分」に相当する。
【0061】
以上のようなリニアコンベアでは、リニアコンベアにリニアスケールが組み込まれ、このリニアスケールからの入力信号に基づき、リニアモータ固定子7の各コイルへの電流供給が図外のモータコントローラにより制御されることで、スライダ4が所定の速度で移動するとともに、所定の目標位置に位置決めされる。
【0062】
なお、このリニアコンベアでは、上記の通り、第2方向反転部3Bにおいてスライダ4をレール11、12に着脱することで、搬送経路上のスライダ4の数を変更することが可能であるが、このリニアコンベアでは、上記の通り、リニアスケールとして磁気式のもの、詳しくは、非常に磁束密度が高いネオジム磁石を具備する磁気スケール50a〜50cを備えたリニアスケールを適用し、これにより磁気スケール50a〜50cとセンサ基板28(磁気センサ32)との間に大きなギャップ(隙間)を確保した上で、非磁性体(アルミニウム合金)からなるカバー56、58(スケールカバー56、センサカバー58)を設けている。従って、リニアスケールによるスライダ4の位置情報の検出を適切に行わせる一方で、スライダ着脱時の外部干渉から磁気スケール50a〜50c及びセンサ基板28(磁気センサ32)を適切に保護することができる。
【0063】
しかも、このリニアコンベアでは、スケールカバー56及びこれが固定されるフレーム40が同じ材質(アルミニウム合金)で形成され、また、センサカバー58及びこれが固定されるフレーム22も同様に同じ材質(アルミニウム合金)で形成されている。つまり、カバー及びこれが固定されるフレームの熱膨張係数が同一である。従って、カバーとフレームとの熱膨張係数が異なることに起因するカバーの変形等を有効に防止することができ、当該変形に起因する作動トラブルを未然に防止することが可能となる。具体的には、スケールカバー56がアルミニウム合金よりも熱膨張係数の大きい樹脂材料等で形成されている場合には、スライダ4の発熱によってスケールカバー56にX方向の熱応力(圧縮応力)が作用し、当該スケールカバー56がセンサ基板28側に撓み変形して当該スケールカバー56とセンサカバー58とが接触し、これによってスライダ4の円滑な移動が妨げられることが考えられるが、上記実施形態のリニアコンベアによれば、このようなトラブルを未然に防止することができる。
【0064】
また、このリニアコンベアによれば、上記のように、スケールカバー56及びセンサカバー58がスライダ4の移動方向と直交する方向(Y方向)からねじSによってフレーム22、40に固定されているため、この点でも、上記のようなカバー56、58同士の接触が抑制される。すなわち、例えばX方向(スライダ4の移動方向と平行な方向)両側かねじSによってスケールカバー56をフレーム40の端面(X方向端面)に固定するようにしてもよいが、この場合には、スケールカバー56の取り付け位置の間隔が加工誤差によりフレーム40の端面間寸法(X方向の全長)より大きいと、熱変形の場合と同様に、スケールカバー56に圧縮応力が生じ、これによりセンサ基板28側に当該スケールカバー56が撓み変形して接触し、スライダ4の円滑な移動が妨げられることが考えられる。しかし、スライダ4の移動方向と直交する方向(Y方向)からねじSによって各カバー56、58を固定する上記構成によれば、各カバー56、58の変形を伴い難く、従って、上記のようなトラブルを未然に防止することが可能となる。
【0065】
しかも、当例では、フレーム40の垂下部41bに突条部41cを形成し、当該突条部41cの上下両側に磁気スケール50a〜50cを分配した状態で固定した上で、当該突条部41cにスケールカバー56(本体部57a)を固定するようにしているため、複数の磁気スケール50a〜50cを広範囲に亘ってスケールカバー56(本体部57a)で一体に覆いながらも、当該スケールカバー56が磁気センサ32側への撓み変形することを有効に防止することができる。従って、この点でも、スケールカバー56の変形によりスライダ4の円滑な移動が妨げられることを有効に防止することができる。
【0066】
ところで、以上説明したリニアコンベアは、本発明に係るリニアコンベアの好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態のリニアコンベアでは、スケールカバー56及びセンサカバー58の双方が設けられているが、必ずしも双方が設けられている必要はなく、何れか一方のみが設けられた構成であってもよい。但し、磁気スケール50a〜50cの永久磁石52として適用されているネオジム磁石は、フェライト磁石等に比べて機械的強度が低く割れやすいため、上記のリニアコンベアにおいては、少なくともスケールカバー56は備えられているのが好ましい。
【0068】
例えば、上記実施形態のリニアコンベアは、水平面に沿ってスライダ4が周回移動するように搬送経路が形成されているが、垂直面に沿ってスライダ4が周回移動するように搬送経路が形成されるものであってもよい。つまり、第1直線搬送部2Aと第2直線搬送部2Bとが上下方向に離間して配置され、これら直線搬送部2A、2Bの間で上下方向にスライダ4を平行移動させるように各方向反転部3A、3Bが構成されるものでもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、リニアコンベアは、互いに平行な2つの直線搬送部2A、2Bの両側にそれぞれ方向反転部3A、3Bが配置された構成であるが、例えば単一の直線搬送部と、この直線搬送部の終端位置に到達したスライダ4を始端位置に戻すベルトコンベア等の運搬手段とを備えた構成であってもよい。前記運搬手段は、直動型ロボット等であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態のリニアコンベアは、環状の搬送経路に沿ってスライダ4が周回移動する構成であるが、勿論、搬送経路は直線状のものであってもよい。すなわち、直線状の搬送経路上に配置された複数のスライダ4がそれぞれ割り当てられた一定の領域内で一体的に同方向に進退移動する、又は個別に進退移動するような構成であってもよい。
【0071】
また、上記のリニアコンベアでは、複数のユニット部材20が連結されることにより各直線搬送部2A、2Bが構成されているが、例えば、直線搬送部2A(又は2B)の長手方向全域に亘って連続する単一のフレームを備え、このフレームに複数の電磁石26及び複数のセンサ基板28がそれぞれ一列に配列された状態で固定される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 基台
2A 第1直線搬送部(搬送部)
2B 第2直線搬送部(搬送部)
3A 第1方向反転部
3B 第2方向反転部
4 スライダ(搬送台車)
6 レール
7 リニアモータ固定子(リニアモータ)
8 リニアモータ可動子(リニアモータ)
20 ユニット部材
22 フレーム(第2フレーム)
26 電磁石
28 センサ基板
32 磁気センサ(リニアスケール)
40 フレーム(第1フレーム)
50a〜50c 磁気スケール(リニアスケール)
56 スケールカバー(第1保護カバー)
58 センサカバー(第2保護カバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアコンベアであって、
第1フレームを有する搬送台車と、
第2フレームを有し、前記搬送台車が移動自在にかつ着脱可能に支持される搬送部と、
前記第1フレームに固定されるリニアモータ可動子及び前記第2フレームに固定されるリニアモータ固定子からなるリニアモータと、
前記第1フレームに固定され、前記搬送台車の移動方向に並ぶ複数のネオジム磁石を含む磁気スケール、及び前記磁気スケールに対向するように前記第2フレームに固定され、前記ネオジム磁石の磁束を検出することで当該磁束に応じた信号を出力する磁気センタを備えるリニアスケールと、
前記搬送部に対する前記搬送台車の着脱時の外部との干渉を防止すべく、前記磁気スケールを覆うように前記第1フレームに固定される第1保護カバー及び前記磁気センサを覆うように前記第2フレームに固定される第2保護カバーのうち少なくとも一方を備えることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項2】
請求項1に記載のリニアコンベアにおいて、
少なくとも前記第1保護カバーを備えていることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項3】
請求項2に記載のリニアコンベアにおいて、
前記第1フレームは、前記第1保護カバーと同一材料により形成されていることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のリニアコンベアにおいて、
前記第2保護カバーを備えるものであって、
前記第2フレームは、前記第2保護カバーと同一材料により形成されていることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のリニアコンベアにおいて、
前記同一材料はアルミニウムであることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のリニアコンベアにおいて、
前記第1保護カバーを備えるものであって、
当該第1保護カバーは、前記磁気スケールと前記磁気センサとが対向する側からねじ部材により前記第1フレームに固定されるものであることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のリニアコンベアにおいて、
前記第2保護カバーを備えるものであって、
当該第2保護カバーは、前記磁気スケールと前記磁気センサとが対向する側からねじ部材により前記第2フレームに固定されるものであることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のリニアコンベアにおいて、
前記第1フレームは、前記磁気スケールの取付面であって当該取付面から前記磁気センサ側に突出して前記搬送台車の移動方向に連続的又は断続的に延びる突出部を備える取付面を有し、当該取付面に対して、複数の前記磁気スケールが、前記搬送台車の移動方向と直交する方向に並んだ状態でかつ前記突出部の両側に分配された状態で固定されるものであり、
前記第1保護カバーは、前記複数の磁気スケール及び前記突出部を覆った状態で当該突出部に固定されていることを特徴とするリニアコンベア。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のリニアコンベアにおいて、
前記第2保護カバーを備えるものであって、
前記第1フレームは、前記搬送部に支持される水平部とこの水平部から下向きに延びる垂下部とを有し、この垂下部の側面に前記磁気スケールを備えており、
前記第2フレームは、前記第1フレームの水平部を支持することにより前記搬送台車を移動可能に支持する台車支持部と、この台車支持部から下向きに延びる脚部とを有し、この脚部の側方に前記磁気センサを備えており、
前記リニアモータは、前記第2フレームの前記台車支持部に固定される、リニアモータ固定子としての電磁石と、この電磁石に対向するように前記第1フレームの前記水平部に固定される、リニアモータ可動子としての永久磁石とを備えており、
前記電磁石は、末端にコネクタを備え、かつ当該コネクタが前記第1フレームの垂下部の下方に位置するように前記搬送部に固定的に配置される配線材を有しており、
前記第2保護カバーは、前記各コネクタを露出させた状態で前記脚部の側方部分を覆う部分を有することを特徴とするリニアコンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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