説明

リモコン操作システム

【課題】従来の有線によるシステムから容易に無線によるシステムに取り替え可能なリモコン操作システムを提供することを目的とする。
【解決手段】スイッチ15と無線送信部11と有する操作送信部10と、出力機器110と、制御部120と、受信部20と、電源130と、制御ハーネス100とを備え、制御ハーネス100は、出力機器110と制御部120と受信部20と電源130とにそれぞれ接続されており、操作送信部10のスイッチ15を操作すると、操作による操作信号は無線送信部11から無線で受信部20へ送られ、無線受信部20が受けた操作信号は、制御ハーネス100を通じ、制御部120へ送られ、送られた操作信号をもとに制御部120の制御により出力機器110が制御され、このときの電力は電源130から制御ハーネス100を通じ供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン操作システムに関し、特に、従来の有線によるシステムから容易に無線によるシステムに取り替え可能なリモコン操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リモコンボックスと操作対象の機器との間で信号のやりとりをする場合、有線による方式、無線による方式のそれぞれが存在する。特許文献1には有線により操作可能な
ブーム式作業車が記載されている。特許文献2に無線通信により制御する作業機の水平制御装置が記載されている。
【0003】
一方、トラクタに装着する農作業機においてはリモコンボックスとの信号のやりとりはその確実性から通常、有線によるものが使用されている。
【0004】
図17は、従来のリモコン操作システムの配線図を示す。図18は、従来のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成図を示す。
【0005】
操作部200は、操作のためのスイッチ203が配置され、操作部ハーネス201を介して接続部201aを有している。接続ハーネス210は、両端部に接続部210aと接続部210bを有している。電源であるバッテリー130は、バッテリーハーネス131を介して接続部131aを有している。制御部120は、操作部200からの信号により出力機器110の制御を行う。例えば、必要なデバイス等をボックス内に格納して構成される。出力機器110は、操作部200の操作に基づいて制御部120の制御により稼働する機器であり、用途に合わせて各種の機器が適用される。例えば、油圧ソレノイド、リレーコイル、モーター等があげられる。制御ハーネス100は、制御部120と接続され、分岐した端部に接続部100a、接続部100b、接続部100cを有している。
【0006】
操作部200の接続部201aと接続ハーネス210の接続部210aを接続し、接続ハーネス210の接続部210bと制御ハーネス100の接続部100aを接続し、バッテリーハーネス131の接続部131aと制御ハーネス100の接続部100bを接続し、出力機器110の接続部110aと制御ハーネス100の接続部100cを接続する。これにより、操作部200のスイッチ203を操作すると、その信号は、接続ハーネス210、制御ハーネス100を通して制御部120に伝えられる。制御部120では、これらの信号をもとに出力機器110の制御を行う。また、そのとき必要な電源は、バッテリー130から、バッテリーハーネス131、制御ハーネス100を通じ出力機器110や制御部120に伝えられる。なお、接続ハーネス210を介さず、操作部200の接続部201aと制御ハーネス100の接続部100aを直接接続してもよい。
【0007】
これらの構成により、例えば図18に示すように、トラクタ1の後部に装着する作業機2に有する出力機器110を操作する場合、作業者は、トラクタ1に乗車したままトラクタ1に配置された操作部200を操作すればよいことになる。そして、そのときの電源は、トラクタ1のバッテリーをそのまま、バッテリー130として使用することができる。なお、図18においても、接続ハーネス210を介さず、操作部200の接続部201aと制御ハーネス100の接続部100aを直接接続してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−187237号公報
【特許文献2】特開2007−289131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在、従来例で示したように通常は有線によるシステムが使用されている。無線によるシステムにすれば、途中の接続ハーネス210等が必要なくなり、ハーネスの取り付け等の手間が省ける。しかし、これを無線によるシステムにする場合、制御部まで含めた、すべての部品を交換すると高価なものになってしまう。また、いざというとき、有線によるシステムで対応できるようにしておけば、確実性を確保することができる。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みて、従来の有線によるシステムから容易に無線によるシステムに取り替え可能なリモコン操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のリモコン操作システムは、スイッチと無線送信部とを有する操作送信部と、出力機器と、制御部と、受信部と、電源と、前記出力機器と前記制御部と前記受信部と前記電源とにそれぞれ接続する制御ハーネスとを備え、前記操作送信部のスイッチを操作すると、操作による操作信号は前記無線送信部から無線で前記受信部へ送られ、前記無線受信部が受けた操作信号は、前記制御ハーネスを通じ、前記制御部へ送られ、送られた操作信号をもとに前記制御部の制御により前記出力機器が制御され、このときの電力は前記電源から前記制御ハーネスを通じ供給されることを特徴とする。
さらに本発明のリモコン操作システムは、接続ハーネスを備え、前記接続ハーネスの一端は前記操作送信部と接続し、他端は前記受信部に変えて前記制御ハーネスに接続することにより有線による操作が可能となることを特徴とする。
【0012】
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記操作送信部は、トラクタ外部電源接続部を有し、前記トラクタ外部電源接続部は、トラクタが有するバッテリーからトラクタのエンジン始動のスイッチを介して電力が供給されるトラクタの外部電源のコネクタと直接又はハーネスを介して接続可能とし、前記操作送信部はトラクタの外部電源から電力を得ることを特徴とする。
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記操作送信部は、当該操作送信部に電力を供給可能な電池を有し、前記外部電源から電力が供給されているとき、前記電池が充電されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のリモコン操作システムは、スイッチを有する操作部と、前記操作部と接続される送信部と、出力機器と、制御部と、受信部と、電源と、前記出力機器と前記制御部と前記受信部と前記電源とにそれぞれ接続する制御ハーネスとを備え、前記操作部のスイッチを操作すると、前記操作部から前記送信部に送られた操作による操作信号は、前記送信部から無線で前記受信部へ送られ、前記無線受信部が受けた操作信号は、前記制御ハーネスを通じ、前記制御部へ送られ、送られた操作信号をもとに前記制御部の制御により前記出力機器が制御され、このときの電力は前記電源から前記制御ハーネスを通じ供給されることを特徴とする。
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記送信部と前記受信部に変えて、前記操作部と前記制御ハーネスとを、直接、又は、接続ハーネスを介して接続することにより有線による操作が可能となることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記送信部は、トラクタ外部電源接続部を有し、前記トラクタ外部電源接続部は、トラクタが有するバッテリーからトラクタのエンジン始動のスイッチを介して電力が供給されるトラクタの外部電源のコネクタと直接又はハーネスを介して接続可能とし、前記送信部はトラクタの外部電源から電力を得ることを特徴とする。
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記送信部は、当該送信部に電力を供給可能な電池を有し、前記外部電源から電力が供給されているとき、前記電池が充電されることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明のリモコン操作システムは、受信部電源ハーネスを備え、前記受信部電源ハーネスは、一端は前記受信部と接続され、他端は前記電源と制御ハーネスの間に接続されて、前記電源の電力が前記受信部にも供給されることを特徴とする。
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記受信部は電池を有し、前記電池により前記受信部の電力をまかなうことを特徴とする。
さらに本発明のリモコン操作システムは、前記電源はトラクタのバッテリーであり、前記出力機器はトラクタに装着される農作業機に用いるための出力機器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リモコン操作システムにおいて、従来の有線によるシステムから容易に無線によるシステムに取り替えできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1のリモコン操作システムにおける配線図を示す。
【図2】図1における操作送信部の拡大図を示す。
【図3】図1における受信部の拡大図を示す。
【図4】実施例1のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。
【図5】本発明のリモコン操作システムが適用される農作業機の一例を示す正面図である。
【図6】本発明のリモコン操作システムが適用される農作業機の一例を示す平面図である。
【図7】実施例2のリモコン操作システムにおける配線図を示す。
【図8】図7における送信部の拡大図を示す。
【図9】実施例2のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。
【図10】実施例3のリモコン操作システムにおける配線図を示す。
【図11】図10における操作送信部の拡大図を示す。
【図12】実施例3のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。
【図13】実施例4のリモコン操作システムにおける配線図を示す。
【図14】図13における送信部の拡大図を示す。
【図15】実施例4のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。
【図16】実施例5のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。
【図17】従来のリモコン操作システムの配線図を示す。
【図18】従来のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1のリモコン操作システムにおける配線図を示す。図2は、図1における操作送信部10の拡大図を示す。図3は、図1における受信部20の拡大図を示す。実施例1では、図17で説明した従来例と異なる部分について説明し、同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0020】
操作送信部10は、無線送信部11と、電池12と、充電器13と、有線優先切換回路14と、スイッチ15と、接続部16とを有している。スイッチ15は、作業者が操作するスイッチで、操作内容に応じ各種のスイッチが採用される。無線送信部11は、スイッチ15の操作による電気信号を無線で送信する。電池12は、無線送信部11の送信等のための電力を供給する電池である。接続部16は、有線用接続ハーネス30の接続部30aを接続可能とするコネクタ等の接続部である。有線優先切換回路14は有線用接続ハーネス30が接続されたとき、それを認識し無線送信部11の送信をキャンセルし有線用接続ハーネス30による有線通信に切り換えるための回路である。充電器13は、有線用接続ハーネス30が接続されたとき、有線用接続ハーネス30からの電力を電池12へ充電させるための充電器である。
【0021】
受信部20は、無線受信部21と、電池22と、接続部20aを有している。無線受信部21は、無線送信部11から無線で送られた信号を受信する。電池22は、必要に応じて設置され、無線受信部21に必要な電力が供給される。また、接続部20aに受信部電源ハーネス23の接続部23cを接続し、バッテリー130から電力が供給されてもよい。この場合、電池22がなくても無線受信部21に必要な電力が供給される。また、無線受信部21は、接続部24aを有する受信部ハーネス24へ接続されている。
【0022】
次に、図17で示した従来の有線によるシステムから、実施例1の無線によるシステムへ変更する手順について説明する。操作部200は、操作送信部10へ取り替える。接続ハーネス210は使用しないので取り外す。そして、制御ハーネス100の接続部100aと受信部20の接続部24aを接続する。また、電源を電池22でなく、バッテリー130からとる場合は、受信部20の受信部電源ハーネス23を受信部20に接続し、受信部電源ハーネス23の接続部23aをバッテリーハーネス131の接続部131aに接続し、受信部電源ハーネス23の接続部23bを制御ハーネス100の接続部100bに接続する。
【0023】
次に操作について説明する。作業者が、出力機器110の操作のため、操作送信部10のスイッチ15を操作すると、操作による操作信号は無線送信部11から無線で受信部20の無線受信部21へ送られる。無線受信部21が受けた操作信号は、受信部ハーネス24、制御ハーネス100を通じ、制御部120へ送られる。そして、この操作信号をもとに、制御部120の制御により制御ハーネス100を通じ出力機器110が制御される。そのとき必要な電源は、電源となるバッテリー130から、バッテリーハーネス131、(受信部電源ハーネス23を接続した場合は受信部電源ハーネス23を介し、)制御ハーネス100を通じ出力機器110や制御部120に伝えられる。
【0024】
一方、無線機能が故障した場合や操作送信部10の電池12が切れた場合、受信部20を取り外して、操作送信部10の接続部16に有線用接続ハーネス30の接続部30aを接続し、制御ハーネス100の接続部100aに、(受信部20の接続部24aに変えて)有線用接続ハーネス30の接続部30bに接続する。これにより、操作送信部10のスイッチ15を操作すれば有線用接続ハーネス30を介して有線による操作が可能となる。さらに、有線用接続ハーネス30、制御ハーネス100、バッテリーハーネス131を介してバッテリー130とも接続され、信号の送信に必要な電力が操作送信部10へ供給されることが可能となり、加えて、充電器13を介して電池12の充電を行える。このことにより、操作送信部10での操作と同時に電池12の充電をあわせて行うことができる。
【0025】
図4は、実施例1のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。操作送信部10をトラクタ1側に配置し、作業者は、トラクタに乗車したままスイッチ15を操作できる。一方、受信部20、制御部120等の受信側システムを作業機2側に配置することで、操作のための接続ハーネス210がいらなくなる。そして、そのときの電源は、トラクタ1のバッテリーをそのまま、バッテリー130として使用することができる。また、無線機能が故障した場合や操作送信部10の電池12が切れた場合は、有線用接続ハーネス30(二点鎖線)を接続する。さらに、受信部20の電源を電池22でなく、バッテリー130からとる場合は、受信部電源ハーネス23(二点鎖線)を接続する。
【0026】
なお、バッテリー130から電源を得る場合、上述したように受信部電源ハーネス23を接続することで、バッテリー130からの電力を受信部20に安定的に得ることができるが、これ以外の構成として、制御ハーネス100の接続部100aから電源の電力を得る構成も考えられる。この場合は、受信部電源ハーネス23は有さず、バッテリーハーネス131の接続部131aと制御ハーネス100の接続部100bを直接接続する。制御ハーネス100の接続部100aと受信部ハーネス24の接続部24aは接続されているため、バッテリー130から、バッテリーハーネス131、制御ハーネス100、受信部ハーネス24を経由して、受信部20の電力を得ることができる。この構成は、後述する実施例2でも適用可能である。
【0027】
図5は、本発明のリモコン操作システムが適用される農作業機の一例を示す正面図である。図6は、本発明のリモコン操作システムが適用される農作業機の一例を示す平面図である。図5と6の作業機2は折りたたみ機構を備えた代掻き機50であり、入力軸51側をトラクタ1に装着し、カバー52や均平板53の内で代掻き爪が回転することにより代掻き作業を行う。これを用いて、出力機器110の例について説明する。
【0028】
電動油圧シリンダ56は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構57を作用させサイド作業部55を(図5の左側のように)上側に折りたたみ、代掻き機50の全幅を短くすることができる。延長レーキ開閉装置60は、内部のモーターが回転することにより、制御バー62やワイヤ63を介して延長レーキ61を回動軸61aを中心に上下に回動させ、延長レーキ61を使用するか否かを選択することができる。土引きユニット66は、内部のモーターの回転により土引き部67等を介してレーキ65の上下動を制御し、土引きを調整することができる。
【0029】
これら、電動油圧シリンダ56や、延長レーキ開閉装置60(のモーター)、土引きユニット66(のモーター)を出力機器110として、操作することができ、効率のよい農作業を行うことができる。
【実施例2】
【0030】
図7は、実施例2のリモコン操作システムにおける配線図を示す。図8は、図7における送信部40の拡大図を示す。実施例2では、図17で説明した従来例や実施例1と異なる部分について説明し、同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0031】
送信部40は、無線送信部41と、電池42を有し、端部に接続部43aを有する送信部ハーネス43と接続される。無線送信部41は、操作部200による操作内容を無線信号で送信する。電池42は、無線送信部41や操作部200へ電力を供給するための電源である。
【0032】
次に、図17で示した従来の有線によるシステムから、実施例2の無線によるシステムへ変更する手順について説明する。操作部200は、そのまま使用する。接続ハーネス210は使用しないので取り外す。操作部ハーネス201の接続部201aに、送信部ハーネス43の接続部43aを接続する。そして、制御ハーネス100の接続部100aと受信部20の接続部24aを接続する。また、電源を電池22でなく、バッテリー130から取る場合は、受信部20の受信部電源ハーネス23を受信部20に接続し、受信部電源ハーネス23の接続部23aをバッテリーハーネス131の接続部131aに接続し、受信部電源ハーネス23の接続部23bを制御ハーネス100の接続部100bに接続する。
【0033】
次に操作について説明する。作業者が、出力機器110の操作のため、操作部200のスイッチ203を操作すると、操作信号は操作部ハーネス201を通じ送信部40の無線送信部41へ送られる。そして、無線送信部41から無線で受信部20の無線受信部21へ送られる。無線受信部21が受けた操作信号は、受信部ハーネス24、制御ハーネス100を通じ、制御部120へ送られる。そして、この操作信号をもとに、制御部120により制御ハーネス100を通じ出力機器110が制御される。そのとき必要な電力は、バッテリー130から、バッテリーハーネス131、(受信部電源ハーネス23を接続した場合は受信部電源ハーネス23を介し、)制御ハーネス100を通じ出力機器110や制御部120に伝えられる。
【0034】
一方、無線機能が故障した場合や送信部40の電池42が切れた場合、送信部40と受信部20を取り外して、操作部ハーネス201の接続部201aに従来使用していた接続ハーネス210の接続部210aを接続し、制御ハーネス100の接続部100aに、接続ハーネス210の接続部210bに接続する。これにより、操作部200のスイッチ203を操作すれば従来と同じく接続ハーネス210を介して有線による操作が可能となる。なお、接続ハーネス210を介さず、操作部ハーネス201の接続部201aと制御ハーネス100の接続部100aを直接接続してもよい。
【0035】
図9は、実施例2のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。操作部200をトラクタ1側に配置し、作業者は、トラクタに乗車したままスイッチ203を操作できる。一方、受信部20、制御部120等の受信側システムを作業機2側に配置することで、操作のための接続ハーネス210がいらなくなる。そして、そのときの電源は、トラクタ1のバッテリーをそのまま、バッテリー130として使用することができる。また、無線機能が故障した場合や送信部40の電池42が切れた場合は、接続ハーネス210(二点鎖線)を接続する。なお、図9においても、接続ハーネス210を介さず、操作部ハーネス201の接続部201aと制御ハーネス100の接続部100aを直接接続してもよい。さらに、受信部20の電源を電池22でなく、バッテリー130からとる場合は、受信部電源ハーネス23(二点鎖線)を接続する。
【0036】
なお、上記の各実施例の図4や9において、バッテリー130をトラクタ1のバッテリーとして説明したが、これに限らず、バッテリー130を作業機2側に設置されるバッテリーや、作業機2に設置される発電機とすることも可能である。この場合、バッテリー130と出力機器110や制御部120が同じ作業機2側に設置されるため、これらの接続のためのハーネスを簡略化することができる。
【実施例3】
【0037】
図10は、実施例3のリモコン操作システムにおける配線図を示す。図11は、図10における操作送信部10’の拡大図を示す。図12は、実施例3のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。実施例3は、実施例1と異なる点について説明し、同一の箇所は同一の符号を付してある。実施例3では、トラクタの外部電源から、操作送信部10’の電力をまかなえる構成としている。
【0038】
外部電源ハーネス70は、一端がトラクタに有するバッテリー130と接続され他端が接続部70aのコネクタとなっているハーネス(配線)であり、途中にスイッチ71を介している。これにより、スイッチ71がONになった時のみ、バッテリー130の電力が、接続部70a側に供給される。スイッチ71はトラクタ1のエンジン始動のスイッチと共有でき、例えば、エンジン始動のためのキーを回転させるときにONとなるキースイッチの構成とすることができる。これにより、トラクタのキースイッチ(エンジンの始動スイッチ)がONになっているとき電力を供給でき、接続部70aは外部電源として各種の機器に接続可能となっている。接続部70aの形状は、例えば、日農工規格で規定されるコネクタ形状とすることができる。
【0039】
操作送信部10’は、外部電源接続部81を有し、接続部70aのコネクタを接続(差込)可能となっている。このとき、外部電源接続部81から無線送信部11や充電器13等の操作送信部10’内へ電力が供給される構成となっている。図12では、外部電源は接続ハーネス75を介して接続されている。これは、トラクタに備えられる外部電源のハーネスの長さを考慮して延長可能にしたものである。そのため、外部電源ハーネス70の接続部70aと接続ハーネス75の接続部75aのコネクタを同形状とし外部電源接続部81と接続可能となっている。また、接続ハーネス75の接続部75bは、外部電源ハーネス70の接続部70aと接続可能となっている。
【0040】
外部電源を外部電源接続部81に接続し、外部電源から電力が供給されることにより、電池12と充電器13は有しなくても操作送信部10’を使用することができ、コストダウンや軽量化を図れる。ただし、電池12と充電器13を有しておけば、充電された電池12により、外部電源接続部81に外部電源を取り付けない使用も可能となり、離れた場所への持ち運びや、外部電源(の接続部70a)を他の機器へ接続して使用することが可能となる。また、電池12の充電は、外部電源を接続して電力が外部電源から供給されている間できるようにすれば簡単に行うことができる。
【実施例4】
【0041】
図13は、実施例4のリモコン操作システムにおける配線図を示す。図14は、図13における送信部40’の拡大図を示す。図15は、実施例4のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。実施例4は、実施例2や3と異なる点について説明し、同一の箇所は同一の符号を付してある。実施例4では、トラクタの外部電源から、送信部40’や操作部200の電力をまかなえる構成としている。
【0042】
外部電源ハーネス70の構成は、実施例3と同様である。送信部40’は、外部電源接続部82を有し、接続部70aのコネクタを接続(差込)可能となっている。このとき、外部電源の電力は、外部電源接続部82から無線送信部41や電池42等の送信部40’、操作部ハーネス201を介して操作部200へ供給される構成となっている。図15では、実施例3と同様に接続ハーネス75を使用している。
【0043】
外部電源を外部電源接続部82に接続し、外部電源から電力が供給されることにより、電池42は有しなくても送信部40’を使用することができ、コストダウンや軽量化を図れる。ただし、電池42を有しておけば、充電された電池42により、外部電源接続部82に外部電源を取り付けない使用も可能となり、離れた場所への持ち運びや、外部電源(の接続部70a)を他の機器へ接続して使用することが可能となる。また、電池42の充電は、外部電源を接続して電力が外部電源から供給されている間できるようにすれば簡単に行うことができる。
【実施例5】
【0044】
実施例3と実施例4では、外部電源を電源として送信側の電力が供給されるリモコン操作システムを説明したが、これ以外に、受信部20の電源を外部電源から供給されるリモコン操作システムとすることもできる。
【0045】
図16は、実施例5のリモコン操作システムを農作業機に適用した場合の全体構成例を示す。この実施例5では、実施例4と異なる点について説明し、同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0046】
外部電源ハーネス70(の接続部70a)は、第1ハーネス76(の接続部76b)に接続され、第1ハーネス76は途中で分岐しており、一方(の接続部76c)は、第2ハーネス77(の接続部77b)と接続され、さらに、第2ハーネス77(の接続部77a)は、受信部20に接続されている。このため、受信部20は、外部電源からトラクタ1のエンジン始動のスイッチ71がONの時のみ、電力が供給される。受信部20は、バッテリー130と直接接続していると受信部20が無線信号を受信できるようにON状態となり常に電力を消費してしまう。このため、トラクタのスイッチ71がONのときのみ受信部20に電力を供給すれば、バッテリー130の無駄な電力消費を防止できることになる。
【0047】
また、第1ハーネス76の分岐した、他方(の接続部76a)は、接続ハーネス75(の接続部75b)と接続され、さらに、接続ハーネス75(の接続部75a)は、送信部40’と接続されている。このため、実施例4と同様に外部電源から送信部40’へ電力を供給することができる。
【0048】
なお、制御部120や出力機器110の電力は、バッテリー130から直接、バッテリーハーネス131、制御ハーネス100を介して供給されるが、外部電源から供給される容量が足りれば、受信部20を介して外部電源ハーネス70側から得ることも可能である。また、受信部20は、電力を外部電源から得るため、受信部電源ハーネス23は使用せず、バッテリーハーネス131(の接続部131b)と制御ハーネス100(の接続部100b)を直接接続する。
【0049】
また、実施例5では、実施例4との違いを説明したが、同様に実施例3の受信部20の電源を外部電源にする構成も適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 トラクタ
2 作業機
10、10’ 操作送信部
11 無線送信部
15 スイッチ
20 受信部
21 無線受信部
22 電池
23 受信部電源ハーネス
24 受信部ハーネス
30 有線用接続ハーネス
40、40’ 送信部
41 無線送信部
43 送信部ハーネス
50 代掻き機
55 サイド作業部
56 電動油圧シリンダ
60 延長レーキ開閉装置
61 延長レーキ
65 レーキ
66 土引きユニット
70 外部電源ハーネス
71 スイッチ
81、82 外部電源接続部
100 制御ハーネス
110 出力機器
120 制御部
130 バッテリー
131 バッテリーハーネス
200 操作部
201 操作部ハーネス
203 スイッチ
210 接続ハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと無線送信部とを有する操作送信部と、出力機器と、制御部と、受信部と、電源と、前記出力機器と前記制御部と前記受信部と前記電源とにそれぞれ接続する制御ハーネスとを備え、
前記操作送信部のスイッチを操作すると、操作による操作信号は前記無線送信部から無線で前記受信部へ送られ、前記無線受信部が受けた操作信号は、前記制御ハーネスを通じ、前記制御部へ送られ、送られた操作信号をもとに前記制御部の制御により前記出力機器が制御され、このときの電力は前記電源から前記制御ハーネスを通じ供給されることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項2】
請求項1に記載のリモコン操作システムにおいて、
有線用接続ハーネスを備え、前記有線用接続ハーネスの一端は前記操作送信部と接続し、他端は前記受信部に変えて前記制御ハーネスに接続することにより有線による操作が可能となることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記操作送信部は、トラクタ外部電源接続部を有し、
前記トラクタ外部電源接続部は、トラクタが有するバッテリーからトラクタのエンジン始動のスイッチを介して電力が供給されるトラクタの外部電源のコネクタと直接又はハーネスを介して接続可能とし、前記操作送信部はトラクタの外部電源から電力を得ることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項4】
請求項3に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記操作送信部は、当該操作送信部に電力を供給可能な電池を有し、前記外部電源から電力が供給されているとき、前記電池が充電されることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項5】
スイッチを有する操作部と、前記操作部と接続される送信部と、出力機器と、制御部と、受信部と、電源と、前記出力機器と前記制御部と前記受信部と前記電源とにそれぞれ接続する制御ハーネスとを備え、
前記操作部のスイッチを操作すると、前記操作部から前記送信部に送られた操作による操作信号は、前記送信部から無線で前記受信部へ送られ、前記無線受信部が受けた操作信号は、前記制御ハーネスを通じ、前記制御部へ送られ、送られた操作信号をもとに前記制御部の制御により前記出力機器が制御され、このときの電力は前記電源から前記制御ハーネスを通じ供給されることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項6】
請求項5に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記送信部と前記受信部に変えて、前記操作部と前記制御ハーネスとを、直接、又は、接続ハーネスを介して接続することにより有線による操作が可能となることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記送信部は、トラクタ外部電源接続部を有し、
前記トラクタ外部電源接続部は、トラクタが有するバッテリーからトラクタのエンジン始動のスイッチを介して電力が供給されるトラクタの外部電源のコネクタと直接又はハーネスを介して接続可能とし、前記送信部はトラクタの外部電源から電力を得ることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項8】
請求項7に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記送信部は、当該送信部に電力を供給可能な電池を有し、前記外部電源から電力が供給されているとき、前記電池が充電されることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項9】
請求項1又は請求項5に記載のリモコン操作システムにおいて、
受信部電源ハーネスを備え、
前記受信部電源ハーネスは、一端は前記受信部と接続され、他端は前記電源と制御ハーネスの間に接続されて、前記電源の電力が前記受信部にも供給されることを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項10】
請求項1又は請求項5に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記受信部は電池を有し、前記電池により前記受信部の電力をまかなうことを特徴とするリモコン操作システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のリモコン操作システムにおいて、
前記電源はトラクタのバッテリーであり、前記出力機器はトラクタに装着される農作業機に用いるための出力機器であることを特徴とするリモコン操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−30188(P2011−30188A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39780(P2010−39780)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】