リールシート及び釣竿
【課題】ターゲットのコンタクトにより発生した振動の減衰を防止するリールシートの提供。振動を確実に釣人の手に伝えることができる高感度な釣竿の提供。
【解決手段】この釣竿は、リールシート13を備える。リールシート13は、第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18を備える。第2ブランク保持部18は、シート本体19を備え、両者は一体的に形成されている。第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18は、シート本体19から軸方向16に沿って外側に突出している。ブランク11がリールシート13に嵌め込まれた状態で、ブランク11は、第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18に支持され、シート本体19と接触しない。
【解決手段】この釣竿は、リールシート13を備える。リールシート13は、第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18を備える。第2ブランク保持部18は、シート本体19を備え、両者は一体的に形成されている。第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18は、シート本体19から軸方向16に沿って外側に突出している。ブランク11がリールシート13に嵌め込まれた状態で、ブランク11は、第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18に支持され、シート本体19と接触しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、釣糸リールを釣竿に固定するためのリールシートの構造、及び当該リールシートを備えた釣竿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
釣りのジャンルはさまざまであり、ターゲットとなる魚の種類や釣種に合わせてさまざまな種類の釣竿や釣糸リール(以下、単に「リール」と称される。)が提供されている。たとえば、ターゲットをブラックバス及び管理釣場でのトラウト類とするルアーを用いる釣りでは、釣竿は、一般に「キャスティング操作性」、「ライン操作性」等のほかターゲットがルアーにコンタクトしたことを釣人に伝える性能(いわゆる「感度」と称される。)に優れていることが要請される。ただし、これらの各性能は、当該釣竿の特性を決定するものであって優劣を示すものではない。すなわち、釣竿の性能は、釣竿設計者の意図に基づく設計(いわゆる「味付け」)により発揮されるものである。
【0003】
実釣において、釣人にとってターゲットのルアーへのコンタクトを敏感に認識することができれば好都合である。そのため、釣竿の設計において従来からいわゆる感度を高めるための工夫が施されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
釣竿の感度とは、ターゲットのルアーへのコンタクトにより発生する振動が当該釣竿の所定部位に伝達される割合で決定されるものである。この所定部位とは、典型的にはリールシートが設けられた部位、つまり、釣人が当該釣竿を把持する部分である。そして、ターゲットのルアーへのコンタクトにより発生した振動が、当該部位に至るまでに大きく減衰された場合には「感度が悪い」と判断され、当該振動の減衰が小さければ「感度が良い」と判断される。
【0005】
特許文献1に開示された釣竿は、釣竿本体(ブランク)及びリールシートを備えている。このリールシートの外周面の一部がシート面を構成しており、このシート面上にリールの脚が載置され固定される。このリールシートは、筒状に形成され、釣竿本体に嵌め合わされている。換言すれば、釣竿本体は、リールシートを貫通した状態で当該リールシートの両端部によって支持されており、このリールシートの内壁の一部と釣竿本体の外面との間に所定の隙間が形成されている。このような隙間が形成されることにより、釣竿本体を伝播する振動がリールシートによって減衰されることがある程度抑制され、その結果、当該釣竿の感度が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−148972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記釣竿本体は、上記リールシートの両端部分、具体的には上記シート面が形成された領域の端部で支持されているので、ターゲットのコンタクトにより発生した振動は、上記シート面及びリールを介して釣人の手に伝わる。この場合、リールシート自体の質量や釣竿本体の質量に比べてリールの質量は非常に大きいので、上記振動は大きく減衰されて釣人の手に伝わりにくい。すなわち、従来のリールシートの構造では、ターゲットのコンタクトにより発生した振動は、上記隙間が形成されていない場合に比べると減衰が抑制されるものの、その効果は十分ではなかった。また、従来のリールシートは、上記隙間を形成するために複雑に三分割された部品から構成されているので、部品コスト及び組立コストが増大するという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、リールを着脱自在に支持すると共にターゲットのコンタクトにより発生した振動の減衰を確実に防止して釣人の手に伝えることができる安価なリールシート、並びに当該リールシートを採用した高感度な釣竿を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るリールシートは、リールが載置されるシート面を形成する外周面を有し、ブランクが非接触状態で軸方向に沿って貫通する筒状シート本体を備える。さらに、当該筒状シート本体の一端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第1ブランク支持部と、上記筒状シート本体の他端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第2ブランク支持部とが備えられている。
【0010】
この構成によれば、ブランクはリールシートを貫通した状態で当該リールシートによって支持される。具体的には、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部によってブランクの二カ所が嵌合支持され、且つこのブランクは、筒状シート本体と接触することなく当該筒状シート本体を貫通している。すなわち、ブランクは、筒状シート本体から完全に離れている。このように筒状シート本体はブランクを支持していないので、当該筒状シート本体の機械的強度を高く維持する必要はなく、筒状シート本体が薄肉軽量化され得る。
【0011】
上記ブランクが筒状シート本体から完全に離れているから、上記ブランクに振動が生じた場合、当該振動は、筒状シート本体を介して釣人の手に伝わる割合よりも、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部から直接に釣人の手に伝わる割合が大きくなる。また、上記ブランクを伝わる振動波の一部は、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部から筒状シート本体に伝播するが、当該筒状シート本体が薄肉軽量化されているので、当該振動波が筒状シート本体によって減衰する割合は小さい。すなわち、上記振動は、釣人の手に伝わるまでに減衰が確実に抑制される。加えて、筒状シート本体に対してブランクが接触しない構造が採用されているから、筒状シート本体の構造がきわめて簡単である。
【0012】
(2) 上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部に、リールを固定する固定部材が上記軸方向にスライド可能な状態で螺合し得るネジが形成されていてもよい。
【0013】
このネジにリールを固定する固定部材が取り付けられる。すなわち、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部が上記固定部材を取り付けるための座を兼ねることになる。したがって、上記筒状シート本体の構造がさらに簡素化されると共に、上記振動の減衰がより効果的に抑制される。
【0014】
(3) 上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか一方が上記筒状シート本体と一体的に形成されており、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に接着されていてもよい。
【0015】
この構成では、当該リールシートは2つの部材に分割されることになる。したがって、上記筒状シート本体及びこれと一体的に形成された上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか一方は、端面が解放された器状に形成される。同様に、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方も、端面が解放された器状に形成される。これにより、当該2つの部材のそれぞれは、たとえば樹脂を用いた射出成形により簡単に製造され得る。なぜなら、端面が開放された器状に形成されることから、いわゆる抜き勾配の設定が容易だからである。
【0016】
(4) 上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に嵌合部が設けられると共に上記筒状シート本体に被嵌合部が設けられており、当該嵌合部及び被嵌合部の断面形状は、両者が嵌合することによって上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に対して位置決めされるようにD字状に形成されているのが好ましい。
【0017】
この構成によれば、上記嵌合部と上記被嵌合部とが嵌合することによって、上記筒状シート本体に上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方を接着する作業が簡単になる。しかも、上記筒状シート本体に対して上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が位置決めされるので、両者が正確且つ確実に接着される。
【0018】
(5) 上記被嵌合部は、上記筒状シート本体に設けられた嵌合凹部から構成され、上記嵌合部は、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に形成された嵌合凸部から構成されるのが好ましい。この場合、上記筒状シート本体の外周面に上記嵌合凹部に連通するスリットが設けられており、上記嵌合凸部は、上記嵌合凹部と嵌合した状態で上記スリットと重なり合うように形成されているのが好ましい。
【0019】
この構成では、上記位置決めのための嵌合部及び被嵌合部の構造が簡素化される。しかも、上記スリットが設けられることにより、上記筒状シート本体の通気性及び通水性が向上し、仮に当該筒状シート本体に水が入ったとしても、容易に排出され得る。さらに、上記嵌合凸部が上記スリットと重なるので、筒状シート本体の内部に配置されているブランクを遮蔽することができる。したがって、筒状シート本体の外観を損ねることなくデザインを含む設計の自由度が向上する。
【0020】
(6) 請求項1から5のいずれかに記載のリールシートと、単一又は複数のブランクからなる釣竿本体とにより釣竿が構成され得る。この場合、当該釣竿本体が上記筒状シート本体を貫通し且つ上記第1ブランク支持部及び上記第2ブランク支持部によって嵌合支持される。
【0021】
この構成によれば、上記ブランクによって釣竿本体が構成される。この釣竿本体は、上記リールシートを貫通した状態で当該リールシートによって支持される。前述のように、釣竿本体は、筒状シート本体と接触することなく第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部によって嵌合支持され、且つ当該筒状シート本体を貫通している。このように筒状シート本体は釣竿本体を支持していないので、当該筒状シート本体の機械的強度を高く維持する必要はなく、筒状シート本体が薄肉軽量化され得る。
【0022】
上記ブランクに振動が生じた場合、当該振動は、主として第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部から直接に釣人の手に伝わる。また、上記ブランクを伝わる振動波の一部は、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部を介して筒状シート本体に伝播するが、当該筒状シート本体が薄肉軽量化されているので、当該振動波が筒状シート本体によって減衰する割合は小さい。すなわち、上記振動は、減衰が抑制されて確実に筒状シート本体を伝播して釣人の手に伝わる。加えて、筒状シート本体に対してブランクが接触しない構造が採用されているから、筒状シート本体の構造がきわめて簡単である。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、ブランクもしくはブランクにより構成される釣竿本体に発生した振動の大部分は、筒状シート本体を介さずに直接に釣人の手に伝わる。したがって、上記振動(典型的にはターゲットとなる魚のコンタクト)が確実に釣人の手に伝わる。すなわち、当該釣竿の感度が向上する。しかも、上記振動減衰の抑制が達成されるために、ブランクが筒状シート本体から離反されているだけであるから、上記感度を向上させるための構造が簡単であり、リールシート及び釣竿の製造コストの上昇が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の要部正面図である。
【図2】図2は、リールシート13の正面図である。
【図3】図3は、リールシート13の平面図である。
【図4】図4は、図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】図5は、図3におけるV−V拡大断面図である。
【図6】図6は、シート本体19の平面図である。
【図7】図7は、図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】図8は、シート本体19の拡大左側面図である。
【図9】図9は、シート本体19の拡大右側面図である。
【図10】図10は、第1ブランク保持部17の平面図である。
【図11】図11は、図10におけるXI−XI断面図である。
【図12】図12は、第1ブランク保持部17の右拡大側面図である。
【図13】図13は、第1ブランク保持部17の左拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の好ましい実施形態が説明される。
【0026】
[釣竿の概略構成と特徴点]
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の要部正面図である。
【0028】
この釣竿10は、たとえばブラックバス及び管理釣場でのトラウト類をターゲットとするものである。釣竿10は、ブランク11(請求項に記載された「釣竿本体」に相当)及びバット12を備えている。このブランク11は、本実施形態ではいわゆるワンピースタイプであって、カーボン繊維強化樹脂により構成されている。同図ではブランク11は一部のみが図示されているが、ブランク11は、典型的にはいわゆるカーボンプリプレグがマンドレルに巻回され、所定の温度で焼成される。ブランク11の所要位置に複数のラインガイド(不図示)が配置されている。
【0029】
また、バットは、リールシート13及びグリップ14を備えている。同図が示すように、ブランク11の後端部15は、軸方向16(ブランク11の長手方向)に沿ってバット12に挿入され保持されている。具体的には、ブランク11は、リールシート13を貫通し、グリップ14の後端まで達している。グリップ14は、実釣において釣人が把持する部材である。グリップ14は、略円柱状に形成されており、釣人が握りやすい外径に設定されている。なお、グリップ14は、樹脂、ゴム、木材等から構成され得る。
【0030】
本実施形態に係る釣竿10の特徴とするところは、上記リールシート13が後述の第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18を備えており、ブランク11が第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18に支持されることによって後述のシート本体19(請求項に記載された「筒状シート本体」に相当)と接触しない構造が構成されている点である。そして、かかる構造が採用されることにより、実釣においてターゲットがルアーにコンタクトすることによって発生した振動が減衰されることなく、確実に釣人の手に伝わるようになっている。
【0031】
[リールシート]
【0032】
図2及び図3は、リールシート13の正面図及び平面図である。図4及び図5は、図3におけるIV−IV断面図及びV−V拡大断面図である。
【0033】
図1が示すように、リールシート13は、バット12の前方に配置されている。図2ないし図4が示すように、リールシート13は、シート本体19と、第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18と、固定フード20及び可動フード21(図1参照)とを備えている。図2ないし図4は、可動フード21の図示を省略している。
【0034】
図4及び図5が示すように、本実施形態では、リールシート13は二分割されている。すなわち、第1ブランク保持部17が単独の部材として構成され、シート本体19に接合されている。第1ブランク保持部17は、シート本体19の内側に嵌め込まれており、たとえば接着剤等により確実に固定されている。また、シート本体19、固定フード20及び第2ブランク保持部18は、一体的に形成されている。なお、シート本体19、第1ブランク保持部17、第2ブランク保持部18及び固定フード20が一体的に形成されていてもよいし、これらが別部材として構成され、既知の接着手段により接着され組み立てられてもよいことは勿論である。リールシート13が二分割されていることによる作用効果は後述される。
【0035】
[シート本体]
【0036】
図6は、シート本体19の平面図である。図7は、図6におけるVII−VII断面図である。図8及び図9は、シート本体19の拡大左側面図及び拡大右側面図である。
【0037】
シート本体19は、筒状に形成されている。シート本体19の内径は所定の寸法に設定されており、ブランク11の外径よりも大きい。シート本体19は、円弧状を呈する外周面22を備えており、この外周面22の一部にシート面23が形成されている。このシート面23は、図7及び図8が示すように外周面22の上部が扁平されることにより形成されている。図6及び図7が示すように、シート面23はシート本体19の上部全体に長手方向に沿って延びている。図8が示すように、シート面23の中央部24が隆起しており、これにより、シート面23に軸方向16に沿って延びる凸条が形成されている。シート面23の中央部24が隆起されることにより、リールの脚が安定的にシート面23上に載置されるという利点がある。
【0038】
また、上記シート面23が形成されることにより、本実施形態では、当該シート面23に図6が示すような楕円状の窪み38が形成されている。そして、この窪み38にたとえばステッカーが貼り付けられる。このステッカーは軟質・肉厚の樹脂シートにより構成されてもよく、その場合、当該ステッカーはシート面23の装飾も兼ねる。このステッカーの表面には、釣竿10の形式やモデル名が記入され得る。さらに、上記ステッカーの厚みは、当該ステッカーが上記中央部24の上面から隆起するように設定されていてもよい。その場合、リールがリールシート13に装着される際に、リールの脚がステッカーを押しつぶすようにしてシート面23に配置されるから、リールシート13に装着されたリールの緩みが防止されるという利点がある。もっとも、この窪み38は省略されていてもよい。
【0039】
加えて、シート本体19の断面形状はD字状に形成されている。このため、シート本体19の一端部25(請求項に記載された「被嵌合部」に相当)は、断面形状が略D字状の環状凹部を構成している。そして、図4及び図5が示すように、シート本体19の一端部25に第1ブランク保持部17の嵌合凸部26が嵌め込まれている。この嵌合凸部26については後述される。
【0040】
図6及び図7が示すように、シート本体19の一端部25の外周面22にスリット27が設けられている。本実施形態では、3つのスリット27が軸方向16に沿って並設されている。各スリット27は、シート本体19の周方向に延び且つ当該シート本体19を貫通しており、上記一端部25の内側に連通している。本実施形態では、3つのスリット27が設けられているが、スリット27の数は特に限定されない。このスリット27が設けられることにより、シート本体19の通気性及び通水性が向上する。したがって、仮にシート本体19に水が入ったとしても、容易に排出され乾燥する。なお、図7が示すように、シート本体19の内周面にリブ28が形成されている。このリブ28は、シート本体19と一体的に形成されており、シート本体19を補強している。もっとも、このリブ28は省略されていてもよい。
【0041】
[第2ブランク保持部]
【0042】
第2ブランク保持部18は、円筒状に形成されている。前述のように、本実施形態では、第2ブランク保持部18は、シート本体19と一体的に形成されている。具体的には、第2ブランク保持部18は、シート本体19の他端部29に連続し、軸方向16に沿って外向きに(図1、図7において右向きに)突出している。第2ブランク保持部18の内径は、ブランク11の外径に対応されている(図4参照)。したがって、ブランク11の後端部15は、第2ブランク保持部18に隙間なく嵌め込まれる。
【0043】
本実施形態では、第2ブランク保持部18の内面にスプライン30が形成されている。これにより、ブランク11が確実に第2ブランク保持部18と嵌合する。もっとも、上記スプライン30が省略されていてもよい。また、図9が示すように、シート本体19と第2ブランク保持部18との間に、補強板31が設けられている。この補強板31はシート本体19及び第2ブランク保持部18と一体的に形成されており、適宜、いわゆる肉抜き加工が施されている。この補強板31が設けられているので、シート本体19の他端部29の剛性及び後述の固定フード20の剛性が向上されている。
【0044】
[固定フード]
【0045】
固定フード20は、略円環状に形成されている。前述のように、本実施形態では、固定フード20はシート本体19及び第2ブランク保持部18と一体的に形成されている。図7が示すように、固定フード20は、くさび形に形成されたリール保持凹部32を備えている。この保持凹部32は、上記シート面23を臨む開口を有し、当該開口から軸方向に沿って形成されている。リールの脚の一方は、リール保持凹部32に挿入され、保持される。ただし、固定フード20は、単独でリールの脚を固定することができず、後述の可動フード21と協働してリールの脚を固定する。
【0046】
[第1ブランク保持部]
【0047】
図10は、第1ブランク保持部17の平面図である。図11は、図10におけるXI−XI断面図である。図12及び図13は、それぞれ第1ブランク保持部17の右拡大側面図及び左拡大側面図である。
【0048】
第1ブランク保持部17は、円筒状に形成されたノーズ部33と、上記嵌合凸部26とを備えている。この嵌合凸部26がシート本体19に嵌め合わされることにより、第1ブランク保持部17は、シート本体19の一端部25に連続し、当該シート本体19から軸方向16に沿って外向きに(図1、図10において左向きに)突出している。ノーズ部33の内径は、ブランク11の外径に対応している(図4参照)。したがって、ブランク11は、第1ブランク保持部17に隙間なく嵌め込まれる。
【0049】
本実施形態では、第1ブランク保持部17の内面にスプライン30が形成されている。これにより、ブランク11が確実に第1ブランク保持部17と嵌合する。もっとも、上記スプライン30が省略されていてもよい。
【0050】
ノーズ部33の外周面にネジ34が形成されている。このネジ34に上記可動フード21(図1参照)が螺合している。したがって、可動フード21が回転されることにより、当該可動フード21は、軸方向16に沿ってスライドし、固定フード20に対して接離することができる。なお、可動フード21は、既知の構造を有する。可動フード21は、図1が示すように器状に形成され、端面35にリール保持凹部(不図示)32を備えている。このリール保持凹部32の形状は、固定フード20に設けられたリール保持凹部32と同様であり、上記シート面23を臨む開口を有し、当該開口から軸方向に沿って形成されている。そして、リールの脚の他方は、可動フード21のリール保持凹部に挿入され、保持される。
【0051】
嵌合凸部26は、ノーズ部33の端部(図10、図11において右端部)に連続している。嵌合凸部26は、軸方向16に沿って延びており、その長さLは、所定の寸法に設定されている。この所定の寸法とは、図4が示すように、第1ブランク保持部17がシート本体19に嵌め合わされた状態で嵌合凸部26がスリット27と重なり合うために十分な寸法である。このように、嵌合凸部26がスリット27を覆うことによる作用効果については、後述される。
【0052】
図10及び図11が示すように、この嵌合凸部26は、上面が開放された樋状に形成されており、上端に開口36が形成されている。換言すれば、嵌合凸部26の周面は、半円形状に湾曲されており、したがって、嵌合凸部26の断面形状は略D字状に形成されている。嵌合凸部26の外径は、シート本体19の一端部25(図7、図8参照)の内径に対応している。したがって、嵌合凸部26は、シート本体19の一端部25に隙間なく嵌め込まれる。この一端部25の断面形状及び嵌合凸部26の断面形状が前述のようにD字状に形成されているから、両者が位置決めされた状態で嵌め合わされる。つまり、第1ブランク保持部17がシート本体19及び第2ブランク保持部18に対して確実に位置決めされる。
【0053】
[リールシートの組立/ブランク・バットの組立]
【0054】
リールシート13は、前述のように、シート本体19に第1ブランク保持部17が嵌め込まれることによって組み立てられる。このとき、第1ブランク保持部17は、たとえば接着剤により確実にシート本体19に固着される。これにより、図1が示すように、シート本体19の一端部25側に第1ブランク保持部17が軸方向16の外向きに突設され、シート本体19の他端部29側に第2ブランク保持部18が軸方向16の外向きに突設される。この状態で、第1ブランク保持部17の中心軸及び第2ブランク保持部18の中心軸は、軸方向16と一致する。
【0055】
第2ブランク保持部18にグリップ14が装着される。グリップ14の端面に取付凹部37が形成されている。この取付凹部37は、軸方向16に沿って延びる円形の孔であり、取付凹部37の内径は、第2ブランク保持部18の外径寸法に対応している。したがって、第2ブランク保持部18が上記取付凹部37に挿入され、接着剤等により固着されることにより、リールシート13にグリップ12が固定される。
【0056】
ブランク11は、次の要領でバット12に組み付けられる。
【0057】
ブランク11は、後端部15から第1ブランク保持部17に挿入される。図1が示すように、ブランク11が軸方向16に沿ってグリップ12側に挿入されると、ブランク11は、第1ブランク保持部17及びシート本体19を貫通し、第2ブランク保持部18に到達する。さらにブランク11がグリップ12側に挿入されると、当該ブランク11は、第2ブランク保持部18を貫通し、グリップ12の内奥部まで達する。
【0058】
つまり、ブランク11は、リールシート13を貫通した状態で第1ブランク支持部17及び第2ブランク支持部18によって嵌合支持される。しかも、シート本体19の内径はブランク11の外径よりも大きいので、第1ブランク支持部17及び第2ブランク支持部18に支持されたブランク11は、シート本体19と接触することなく当該シート本体19を貫通する。なお、ブランク11は、第1ブランク支持部17及び第2ブランク支持部18に接着剤等により固定される。
【0059】
このようにして釣竿10の組み立てが完了する。実釣では、リールがリールシート13に装着される。すなわち、リールの脚がシート本体19のシート面23に載置され、当該脚の一方が固定フード20に収容保持される。釣人は、可動フード21を操作し、可動フード21と固定フード20とによって上記脚を挟持する。これにより、リールが確実に釣竿10に固定される。釣人はリールシート13を把持し、ブランク11を操作し、ルアーをキャストし、リトリーブする。ターゲットのバイトがあると、振動が発生し、この振動は、ライン、ブランク11等を介して釣人の手に伝わる。
【0060】
この釣竿10では、シート本体19はブランク11を支持していないので、シート本体19は高い機械的強度を要求されない。したがって、シート本体19は、構造が簡素化され、薄肉軽量化され得る。また、上記バイトにより振動が生じた場合、ブランク11がシート本体19から完全に離れているから、この振動は、シート本体19を介して釣人の手に伝わる割合よりも、第1ブランク支持部17から直接に釣人の手に伝わる割合が大きくなる。加えて、ブランク11を伝わる振動波の一部は、第1ブランク保持部17及びシート本体19を介して釣人の手に伝播するが、シート本体19が薄肉軽量化されているので、この振動波がシート本体19によって減衰する割合は小さい。すなわち、上記上記バイトにより生じた振動の減衰が抑制され、確実に釣人の手に伝わる。その結果、安価で高い感度の釣竿10が実現される。
【0061】
本実施形態では、第1ブランク保持部17に可動フード21が螺合しているから、第1ブランク支持部17が可動フード21の取付座を兼ねている。したがって、シート本体19の構造がさらに簡素化されると共に、上記振動の減衰がより効果的に抑制される。
【0062】
また、本実施形態では、リールシート13が前述のように二分割されており、シート本体19に対して第1ブランク保持部17が接合されている。このため、第1ブランク保持部17と一体的に形成されたシート本体19及び第1ブランク支持部17は、端面が解放された器状に形成される。したがって、シート本体19及び第1ブランク支持部17は、樹脂を用いた射出成形により簡単に製造される。なぜなら、シート本体19及び第1ブランク支持部17がそのような器状に形成されるならば、成形品のいわゆる抜き勾配の設定が容易だからである。なお、本実施形態では、シート本体19に第2ブランク保持部18が一体的に形成され、当該シート本体19に第1ブランク保持部17が接合されるが、シート本体19に第1ブランク保持部17が一体的に形成され、このシート本体19に第2ブランク保持部18が接合されるように構成されていてもよい。
【0063】
さらに、本実施形態では、第1ブランク保持部17の嵌合凸部26がシート本体19の一端部25に嵌め込まれるだけで、簡単に両者が接合され、リールシート13が組み立てられる。また、前述のように、上記一端部25及び嵌合凸部26がD字状に形成されることにより、シート本体19に対して第1ブランク保持部17が位置決めされるから、リールシート13及びグリップ12に対してブランク11が所定の姿勢で固定される。
【0064】
加えて、前述のように、第1ブランク保持部17の嵌合凸部26がシート本体19のスリット27と重なるから(図1、図4参照)、シート本体19の内部に位置するブランク11が遮蔽される。したがって、通気性及び通水性を向上させるスリット27が設けられても、シート本体19の外観が損なわれることはない。しかも、嵌合凸部26にデザインを施すことが可能であり、シート本体19のデザインを含む設計の自由度が向上する。
【符号の説明】
【0065】
10・・・釣竿
11・・・ブランク
13・・・リールシート
15・・・後端部
16・・・軸方向
17・・・第1ブランク保持部
18・・・第2ブランク保持部
19・・・シート本体
20・・・固定フード
21・・・可動フード
22・・・外周面
23・・・シート面
25・・・一端部
26・・・嵌合凸部
27・・・スリット
29・・・他端部
34・・・ネジ
【技術分野】
【0001】
この発明は、釣糸リールを釣竿に固定するためのリールシートの構造、及び当該リールシートを備えた釣竿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
釣りのジャンルはさまざまであり、ターゲットとなる魚の種類や釣種に合わせてさまざまな種類の釣竿や釣糸リール(以下、単に「リール」と称される。)が提供されている。たとえば、ターゲットをブラックバス及び管理釣場でのトラウト類とするルアーを用いる釣りでは、釣竿は、一般に「キャスティング操作性」、「ライン操作性」等のほかターゲットがルアーにコンタクトしたことを釣人に伝える性能(いわゆる「感度」と称される。)に優れていることが要請される。ただし、これらの各性能は、当該釣竿の特性を決定するものであって優劣を示すものではない。すなわち、釣竿の性能は、釣竿設計者の意図に基づく設計(いわゆる「味付け」)により発揮されるものである。
【0003】
実釣において、釣人にとってターゲットのルアーへのコンタクトを敏感に認識することができれば好都合である。そのため、釣竿の設計において従来からいわゆる感度を高めるための工夫が施されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
釣竿の感度とは、ターゲットのルアーへのコンタクトにより発生する振動が当該釣竿の所定部位に伝達される割合で決定されるものである。この所定部位とは、典型的にはリールシートが設けられた部位、つまり、釣人が当該釣竿を把持する部分である。そして、ターゲットのルアーへのコンタクトにより発生した振動が、当該部位に至るまでに大きく減衰された場合には「感度が悪い」と判断され、当該振動の減衰が小さければ「感度が良い」と判断される。
【0005】
特許文献1に開示された釣竿は、釣竿本体(ブランク)及びリールシートを備えている。このリールシートの外周面の一部がシート面を構成しており、このシート面上にリールの脚が載置され固定される。このリールシートは、筒状に形成され、釣竿本体に嵌め合わされている。換言すれば、釣竿本体は、リールシートを貫通した状態で当該リールシートの両端部によって支持されており、このリールシートの内壁の一部と釣竿本体の外面との間に所定の隙間が形成されている。このような隙間が形成されることにより、釣竿本体を伝播する振動がリールシートによって減衰されることがある程度抑制され、その結果、当該釣竿の感度が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−148972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記釣竿本体は、上記リールシートの両端部分、具体的には上記シート面が形成された領域の端部で支持されているので、ターゲットのコンタクトにより発生した振動は、上記シート面及びリールを介して釣人の手に伝わる。この場合、リールシート自体の質量や釣竿本体の質量に比べてリールの質量は非常に大きいので、上記振動は大きく減衰されて釣人の手に伝わりにくい。すなわち、従来のリールシートの構造では、ターゲットのコンタクトにより発生した振動は、上記隙間が形成されていない場合に比べると減衰が抑制されるものの、その効果は十分ではなかった。また、従来のリールシートは、上記隙間を形成するために複雑に三分割された部品から構成されているので、部品コスト及び組立コストが増大するという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、リールを着脱自在に支持すると共にターゲットのコンタクトにより発生した振動の減衰を確実に防止して釣人の手に伝えることができる安価なリールシート、並びに当該リールシートを採用した高感度な釣竿を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るリールシートは、リールが載置されるシート面を形成する外周面を有し、ブランクが非接触状態で軸方向に沿って貫通する筒状シート本体を備える。さらに、当該筒状シート本体の一端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第1ブランク支持部と、上記筒状シート本体の他端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第2ブランク支持部とが備えられている。
【0010】
この構成によれば、ブランクはリールシートを貫通した状態で当該リールシートによって支持される。具体的には、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部によってブランクの二カ所が嵌合支持され、且つこのブランクは、筒状シート本体と接触することなく当該筒状シート本体を貫通している。すなわち、ブランクは、筒状シート本体から完全に離れている。このように筒状シート本体はブランクを支持していないので、当該筒状シート本体の機械的強度を高く維持する必要はなく、筒状シート本体が薄肉軽量化され得る。
【0011】
上記ブランクが筒状シート本体から完全に離れているから、上記ブランクに振動が生じた場合、当該振動は、筒状シート本体を介して釣人の手に伝わる割合よりも、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部から直接に釣人の手に伝わる割合が大きくなる。また、上記ブランクを伝わる振動波の一部は、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部から筒状シート本体に伝播するが、当該筒状シート本体が薄肉軽量化されているので、当該振動波が筒状シート本体によって減衰する割合は小さい。すなわち、上記振動は、釣人の手に伝わるまでに減衰が確実に抑制される。加えて、筒状シート本体に対してブランクが接触しない構造が採用されているから、筒状シート本体の構造がきわめて簡単である。
【0012】
(2) 上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部に、リールを固定する固定部材が上記軸方向にスライド可能な状態で螺合し得るネジが形成されていてもよい。
【0013】
このネジにリールを固定する固定部材が取り付けられる。すなわち、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部が上記固定部材を取り付けるための座を兼ねることになる。したがって、上記筒状シート本体の構造がさらに簡素化されると共に、上記振動の減衰がより効果的に抑制される。
【0014】
(3) 上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか一方が上記筒状シート本体と一体的に形成されており、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に接着されていてもよい。
【0015】
この構成では、当該リールシートは2つの部材に分割されることになる。したがって、上記筒状シート本体及びこれと一体的に形成された上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか一方は、端面が解放された器状に形成される。同様に、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方も、端面が解放された器状に形成される。これにより、当該2つの部材のそれぞれは、たとえば樹脂を用いた射出成形により簡単に製造され得る。なぜなら、端面が開放された器状に形成されることから、いわゆる抜き勾配の設定が容易だからである。
【0016】
(4) 上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に嵌合部が設けられると共に上記筒状シート本体に被嵌合部が設けられており、当該嵌合部及び被嵌合部の断面形状は、両者が嵌合することによって上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に対して位置決めされるようにD字状に形成されているのが好ましい。
【0017】
この構成によれば、上記嵌合部と上記被嵌合部とが嵌合することによって、上記筒状シート本体に上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方を接着する作業が簡単になる。しかも、上記筒状シート本体に対して上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が位置決めされるので、両者が正確且つ確実に接着される。
【0018】
(5) 上記被嵌合部は、上記筒状シート本体に設けられた嵌合凹部から構成され、上記嵌合部は、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に形成された嵌合凸部から構成されるのが好ましい。この場合、上記筒状シート本体の外周面に上記嵌合凹部に連通するスリットが設けられており、上記嵌合凸部は、上記嵌合凹部と嵌合した状態で上記スリットと重なり合うように形成されているのが好ましい。
【0019】
この構成では、上記位置決めのための嵌合部及び被嵌合部の構造が簡素化される。しかも、上記スリットが設けられることにより、上記筒状シート本体の通気性及び通水性が向上し、仮に当該筒状シート本体に水が入ったとしても、容易に排出され得る。さらに、上記嵌合凸部が上記スリットと重なるので、筒状シート本体の内部に配置されているブランクを遮蔽することができる。したがって、筒状シート本体の外観を損ねることなくデザインを含む設計の自由度が向上する。
【0020】
(6) 請求項1から5のいずれかに記載のリールシートと、単一又は複数のブランクからなる釣竿本体とにより釣竿が構成され得る。この場合、当該釣竿本体が上記筒状シート本体を貫通し且つ上記第1ブランク支持部及び上記第2ブランク支持部によって嵌合支持される。
【0021】
この構成によれば、上記ブランクによって釣竿本体が構成される。この釣竿本体は、上記リールシートを貫通した状態で当該リールシートによって支持される。前述のように、釣竿本体は、筒状シート本体と接触することなく第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部によって嵌合支持され、且つ当該筒状シート本体を貫通している。このように筒状シート本体は釣竿本体を支持していないので、当該筒状シート本体の機械的強度を高く維持する必要はなく、筒状シート本体が薄肉軽量化され得る。
【0022】
上記ブランクに振動が生じた場合、当該振動は、主として第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部から直接に釣人の手に伝わる。また、上記ブランクを伝わる振動波の一部は、第1ブランク支持部及び第2ブランク支持部を介して筒状シート本体に伝播するが、当該筒状シート本体が薄肉軽量化されているので、当該振動波が筒状シート本体によって減衰する割合は小さい。すなわち、上記振動は、減衰が抑制されて確実に筒状シート本体を伝播して釣人の手に伝わる。加えて、筒状シート本体に対してブランクが接触しない構造が採用されているから、筒状シート本体の構造がきわめて簡単である。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、ブランクもしくはブランクにより構成される釣竿本体に発生した振動の大部分は、筒状シート本体を介さずに直接に釣人の手に伝わる。したがって、上記振動(典型的にはターゲットとなる魚のコンタクト)が確実に釣人の手に伝わる。すなわち、当該釣竿の感度が向上する。しかも、上記振動減衰の抑制が達成されるために、ブランクが筒状シート本体から離反されているだけであるから、上記感度を向上させるための構造が簡単であり、リールシート及び釣竿の製造コストの上昇が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の要部正面図である。
【図2】図2は、リールシート13の正面図である。
【図3】図3は、リールシート13の平面図である。
【図4】図4は、図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】図5は、図3におけるV−V拡大断面図である。
【図6】図6は、シート本体19の平面図である。
【図7】図7は、図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】図8は、シート本体19の拡大左側面図である。
【図9】図9は、シート本体19の拡大右側面図である。
【図10】図10は、第1ブランク保持部17の平面図である。
【図11】図11は、図10におけるXI−XI断面図である。
【図12】図12は、第1ブランク保持部17の右拡大側面図である。
【図13】図13は、第1ブランク保持部17の左拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の好ましい実施形態が説明される。
【0026】
[釣竿の概略構成と特徴点]
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の要部正面図である。
【0028】
この釣竿10は、たとえばブラックバス及び管理釣場でのトラウト類をターゲットとするものである。釣竿10は、ブランク11(請求項に記載された「釣竿本体」に相当)及びバット12を備えている。このブランク11は、本実施形態ではいわゆるワンピースタイプであって、カーボン繊維強化樹脂により構成されている。同図ではブランク11は一部のみが図示されているが、ブランク11は、典型的にはいわゆるカーボンプリプレグがマンドレルに巻回され、所定の温度で焼成される。ブランク11の所要位置に複数のラインガイド(不図示)が配置されている。
【0029】
また、バットは、リールシート13及びグリップ14を備えている。同図が示すように、ブランク11の後端部15は、軸方向16(ブランク11の長手方向)に沿ってバット12に挿入され保持されている。具体的には、ブランク11は、リールシート13を貫通し、グリップ14の後端まで達している。グリップ14は、実釣において釣人が把持する部材である。グリップ14は、略円柱状に形成されており、釣人が握りやすい外径に設定されている。なお、グリップ14は、樹脂、ゴム、木材等から構成され得る。
【0030】
本実施形態に係る釣竿10の特徴とするところは、上記リールシート13が後述の第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18を備えており、ブランク11が第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18に支持されることによって後述のシート本体19(請求項に記載された「筒状シート本体」に相当)と接触しない構造が構成されている点である。そして、かかる構造が採用されることにより、実釣においてターゲットがルアーにコンタクトすることによって発生した振動が減衰されることなく、確実に釣人の手に伝わるようになっている。
【0031】
[リールシート]
【0032】
図2及び図3は、リールシート13の正面図及び平面図である。図4及び図5は、図3におけるIV−IV断面図及びV−V拡大断面図である。
【0033】
図1が示すように、リールシート13は、バット12の前方に配置されている。図2ないし図4が示すように、リールシート13は、シート本体19と、第1ブランク保持部17及び第2ブランク保持部18と、固定フード20及び可動フード21(図1参照)とを備えている。図2ないし図4は、可動フード21の図示を省略している。
【0034】
図4及び図5が示すように、本実施形態では、リールシート13は二分割されている。すなわち、第1ブランク保持部17が単独の部材として構成され、シート本体19に接合されている。第1ブランク保持部17は、シート本体19の内側に嵌め込まれており、たとえば接着剤等により確実に固定されている。また、シート本体19、固定フード20及び第2ブランク保持部18は、一体的に形成されている。なお、シート本体19、第1ブランク保持部17、第2ブランク保持部18及び固定フード20が一体的に形成されていてもよいし、これらが別部材として構成され、既知の接着手段により接着され組み立てられてもよいことは勿論である。リールシート13が二分割されていることによる作用効果は後述される。
【0035】
[シート本体]
【0036】
図6は、シート本体19の平面図である。図7は、図6におけるVII−VII断面図である。図8及び図9は、シート本体19の拡大左側面図及び拡大右側面図である。
【0037】
シート本体19は、筒状に形成されている。シート本体19の内径は所定の寸法に設定されており、ブランク11の外径よりも大きい。シート本体19は、円弧状を呈する外周面22を備えており、この外周面22の一部にシート面23が形成されている。このシート面23は、図7及び図8が示すように外周面22の上部が扁平されることにより形成されている。図6及び図7が示すように、シート面23はシート本体19の上部全体に長手方向に沿って延びている。図8が示すように、シート面23の中央部24が隆起しており、これにより、シート面23に軸方向16に沿って延びる凸条が形成されている。シート面23の中央部24が隆起されることにより、リールの脚が安定的にシート面23上に載置されるという利点がある。
【0038】
また、上記シート面23が形成されることにより、本実施形態では、当該シート面23に図6が示すような楕円状の窪み38が形成されている。そして、この窪み38にたとえばステッカーが貼り付けられる。このステッカーは軟質・肉厚の樹脂シートにより構成されてもよく、その場合、当該ステッカーはシート面23の装飾も兼ねる。このステッカーの表面には、釣竿10の形式やモデル名が記入され得る。さらに、上記ステッカーの厚みは、当該ステッカーが上記中央部24の上面から隆起するように設定されていてもよい。その場合、リールがリールシート13に装着される際に、リールの脚がステッカーを押しつぶすようにしてシート面23に配置されるから、リールシート13に装着されたリールの緩みが防止されるという利点がある。もっとも、この窪み38は省略されていてもよい。
【0039】
加えて、シート本体19の断面形状はD字状に形成されている。このため、シート本体19の一端部25(請求項に記載された「被嵌合部」に相当)は、断面形状が略D字状の環状凹部を構成している。そして、図4及び図5が示すように、シート本体19の一端部25に第1ブランク保持部17の嵌合凸部26が嵌め込まれている。この嵌合凸部26については後述される。
【0040】
図6及び図7が示すように、シート本体19の一端部25の外周面22にスリット27が設けられている。本実施形態では、3つのスリット27が軸方向16に沿って並設されている。各スリット27は、シート本体19の周方向に延び且つ当該シート本体19を貫通しており、上記一端部25の内側に連通している。本実施形態では、3つのスリット27が設けられているが、スリット27の数は特に限定されない。このスリット27が設けられることにより、シート本体19の通気性及び通水性が向上する。したがって、仮にシート本体19に水が入ったとしても、容易に排出され乾燥する。なお、図7が示すように、シート本体19の内周面にリブ28が形成されている。このリブ28は、シート本体19と一体的に形成されており、シート本体19を補強している。もっとも、このリブ28は省略されていてもよい。
【0041】
[第2ブランク保持部]
【0042】
第2ブランク保持部18は、円筒状に形成されている。前述のように、本実施形態では、第2ブランク保持部18は、シート本体19と一体的に形成されている。具体的には、第2ブランク保持部18は、シート本体19の他端部29に連続し、軸方向16に沿って外向きに(図1、図7において右向きに)突出している。第2ブランク保持部18の内径は、ブランク11の外径に対応されている(図4参照)。したがって、ブランク11の後端部15は、第2ブランク保持部18に隙間なく嵌め込まれる。
【0043】
本実施形態では、第2ブランク保持部18の内面にスプライン30が形成されている。これにより、ブランク11が確実に第2ブランク保持部18と嵌合する。もっとも、上記スプライン30が省略されていてもよい。また、図9が示すように、シート本体19と第2ブランク保持部18との間に、補強板31が設けられている。この補強板31はシート本体19及び第2ブランク保持部18と一体的に形成されており、適宜、いわゆる肉抜き加工が施されている。この補強板31が設けられているので、シート本体19の他端部29の剛性及び後述の固定フード20の剛性が向上されている。
【0044】
[固定フード]
【0045】
固定フード20は、略円環状に形成されている。前述のように、本実施形態では、固定フード20はシート本体19及び第2ブランク保持部18と一体的に形成されている。図7が示すように、固定フード20は、くさび形に形成されたリール保持凹部32を備えている。この保持凹部32は、上記シート面23を臨む開口を有し、当該開口から軸方向に沿って形成されている。リールの脚の一方は、リール保持凹部32に挿入され、保持される。ただし、固定フード20は、単独でリールの脚を固定することができず、後述の可動フード21と協働してリールの脚を固定する。
【0046】
[第1ブランク保持部]
【0047】
図10は、第1ブランク保持部17の平面図である。図11は、図10におけるXI−XI断面図である。図12及び図13は、それぞれ第1ブランク保持部17の右拡大側面図及び左拡大側面図である。
【0048】
第1ブランク保持部17は、円筒状に形成されたノーズ部33と、上記嵌合凸部26とを備えている。この嵌合凸部26がシート本体19に嵌め合わされることにより、第1ブランク保持部17は、シート本体19の一端部25に連続し、当該シート本体19から軸方向16に沿って外向きに(図1、図10において左向きに)突出している。ノーズ部33の内径は、ブランク11の外径に対応している(図4参照)。したがって、ブランク11は、第1ブランク保持部17に隙間なく嵌め込まれる。
【0049】
本実施形態では、第1ブランク保持部17の内面にスプライン30が形成されている。これにより、ブランク11が確実に第1ブランク保持部17と嵌合する。もっとも、上記スプライン30が省略されていてもよい。
【0050】
ノーズ部33の外周面にネジ34が形成されている。このネジ34に上記可動フード21(図1参照)が螺合している。したがって、可動フード21が回転されることにより、当該可動フード21は、軸方向16に沿ってスライドし、固定フード20に対して接離することができる。なお、可動フード21は、既知の構造を有する。可動フード21は、図1が示すように器状に形成され、端面35にリール保持凹部(不図示)32を備えている。このリール保持凹部32の形状は、固定フード20に設けられたリール保持凹部32と同様であり、上記シート面23を臨む開口を有し、当該開口から軸方向に沿って形成されている。そして、リールの脚の他方は、可動フード21のリール保持凹部に挿入され、保持される。
【0051】
嵌合凸部26は、ノーズ部33の端部(図10、図11において右端部)に連続している。嵌合凸部26は、軸方向16に沿って延びており、その長さLは、所定の寸法に設定されている。この所定の寸法とは、図4が示すように、第1ブランク保持部17がシート本体19に嵌め合わされた状態で嵌合凸部26がスリット27と重なり合うために十分な寸法である。このように、嵌合凸部26がスリット27を覆うことによる作用効果については、後述される。
【0052】
図10及び図11が示すように、この嵌合凸部26は、上面が開放された樋状に形成されており、上端に開口36が形成されている。換言すれば、嵌合凸部26の周面は、半円形状に湾曲されており、したがって、嵌合凸部26の断面形状は略D字状に形成されている。嵌合凸部26の外径は、シート本体19の一端部25(図7、図8参照)の内径に対応している。したがって、嵌合凸部26は、シート本体19の一端部25に隙間なく嵌め込まれる。この一端部25の断面形状及び嵌合凸部26の断面形状が前述のようにD字状に形成されているから、両者が位置決めされた状態で嵌め合わされる。つまり、第1ブランク保持部17がシート本体19及び第2ブランク保持部18に対して確実に位置決めされる。
【0053】
[リールシートの組立/ブランク・バットの組立]
【0054】
リールシート13は、前述のように、シート本体19に第1ブランク保持部17が嵌め込まれることによって組み立てられる。このとき、第1ブランク保持部17は、たとえば接着剤により確実にシート本体19に固着される。これにより、図1が示すように、シート本体19の一端部25側に第1ブランク保持部17が軸方向16の外向きに突設され、シート本体19の他端部29側に第2ブランク保持部18が軸方向16の外向きに突設される。この状態で、第1ブランク保持部17の中心軸及び第2ブランク保持部18の中心軸は、軸方向16と一致する。
【0055】
第2ブランク保持部18にグリップ14が装着される。グリップ14の端面に取付凹部37が形成されている。この取付凹部37は、軸方向16に沿って延びる円形の孔であり、取付凹部37の内径は、第2ブランク保持部18の外径寸法に対応している。したがって、第2ブランク保持部18が上記取付凹部37に挿入され、接着剤等により固着されることにより、リールシート13にグリップ12が固定される。
【0056】
ブランク11は、次の要領でバット12に組み付けられる。
【0057】
ブランク11は、後端部15から第1ブランク保持部17に挿入される。図1が示すように、ブランク11が軸方向16に沿ってグリップ12側に挿入されると、ブランク11は、第1ブランク保持部17及びシート本体19を貫通し、第2ブランク保持部18に到達する。さらにブランク11がグリップ12側に挿入されると、当該ブランク11は、第2ブランク保持部18を貫通し、グリップ12の内奥部まで達する。
【0058】
つまり、ブランク11は、リールシート13を貫通した状態で第1ブランク支持部17及び第2ブランク支持部18によって嵌合支持される。しかも、シート本体19の内径はブランク11の外径よりも大きいので、第1ブランク支持部17及び第2ブランク支持部18に支持されたブランク11は、シート本体19と接触することなく当該シート本体19を貫通する。なお、ブランク11は、第1ブランク支持部17及び第2ブランク支持部18に接着剤等により固定される。
【0059】
このようにして釣竿10の組み立てが完了する。実釣では、リールがリールシート13に装着される。すなわち、リールの脚がシート本体19のシート面23に載置され、当該脚の一方が固定フード20に収容保持される。釣人は、可動フード21を操作し、可動フード21と固定フード20とによって上記脚を挟持する。これにより、リールが確実に釣竿10に固定される。釣人はリールシート13を把持し、ブランク11を操作し、ルアーをキャストし、リトリーブする。ターゲットのバイトがあると、振動が発生し、この振動は、ライン、ブランク11等を介して釣人の手に伝わる。
【0060】
この釣竿10では、シート本体19はブランク11を支持していないので、シート本体19は高い機械的強度を要求されない。したがって、シート本体19は、構造が簡素化され、薄肉軽量化され得る。また、上記バイトにより振動が生じた場合、ブランク11がシート本体19から完全に離れているから、この振動は、シート本体19を介して釣人の手に伝わる割合よりも、第1ブランク支持部17から直接に釣人の手に伝わる割合が大きくなる。加えて、ブランク11を伝わる振動波の一部は、第1ブランク保持部17及びシート本体19を介して釣人の手に伝播するが、シート本体19が薄肉軽量化されているので、この振動波がシート本体19によって減衰する割合は小さい。すなわち、上記上記バイトにより生じた振動の減衰が抑制され、確実に釣人の手に伝わる。その結果、安価で高い感度の釣竿10が実現される。
【0061】
本実施形態では、第1ブランク保持部17に可動フード21が螺合しているから、第1ブランク支持部17が可動フード21の取付座を兼ねている。したがって、シート本体19の構造がさらに簡素化されると共に、上記振動の減衰がより効果的に抑制される。
【0062】
また、本実施形態では、リールシート13が前述のように二分割されており、シート本体19に対して第1ブランク保持部17が接合されている。このため、第1ブランク保持部17と一体的に形成されたシート本体19及び第1ブランク支持部17は、端面が解放された器状に形成される。したがって、シート本体19及び第1ブランク支持部17は、樹脂を用いた射出成形により簡単に製造される。なぜなら、シート本体19及び第1ブランク支持部17がそのような器状に形成されるならば、成形品のいわゆる抜き勾配の設定が容易だからである。なお、本実施形態では、シート本体19に第2ブランク保持部18が一体的に形成され、当該シート本体19に第1ブランク保持部17が接合されるが、シート本体19に第1ブランク保持部17が一体的に形成され、このシート本体19に第2ブランク保持部18が接合されるように構成されていてもよい。
【0063】
さらに、本実施形態では、第1ブランク保持部17の嵌合凸部26がシート本体19の一端部25に嵌め込まれるだけで、簡単に両者が接合され、リールシート13が組み立てられる。また、前述のように、上記一端部25及び嵌合凸部26がD字状に形成されることにより、シート本体19に対して第1ブランク保持部17が位置決めされるから、リールシート13及びグリップ12に対してブランク11が所定の姿勢で固定される。
【0064】
加えて、前述のように、第1ブランク保持部17の嵌合凸部26がシート本体19のスリット27と重なるから(図1、図4参照)、シート本体19の内部に位置するブランク11が遮蔽される。したがって、通気性及び通水性を向上させるスリット27が設けられても、シート本体19の外観が損なわれることはない。しかも、嵌合凸部26にデザインを施すことが可能であり、シート本体19のデザインを含む設計の自由度が向上する。
【符号の説明】
【0065】
10・・・釣竿
11・・・ブランク
13・・・リールシート
15・・・後端部
16・・・軸方向
17・・・第1ブランク保持部
18・・・第2ブランク保持部
19・・・シート本体
20・・・固定フード
21・・・可動フード
22・・・外周面
23・・・シート面
25・・・一端部
26・・・嵌合凸部
27・・・スリット
29・・・他端部
34・・・ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸リールが載置されるシート面を形成する外周面を有し、ブランクが非接触状態で軸方向に沿って貫通する筒状シート本体と、
筒状シート本体の一端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第1ブランク支持部と、
筒状シート本体の他端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第2ブランク支持部とを備えたリールシート。
【請求項2】
上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部に、釣糸リールを固定する固定部材が上記軸方向にスライド可能な状態で螺合し得るネジが形成されている請求項1に記載のリールシート。
【請求項3】
上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか一方が上記筒状シート本体と一体的に形成されており、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に接着されている請求項1又は2に記載のリールシート。
【請求項4】
上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に嵌合部が設けられると共に上記筒状シート本体に被嵌合部が設けられており、
当該嵌合部及び被嵌合部の断面形状は、両者が嵌合することによって上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に対して位置決めされるようにD字状に形成されている請求項3に記載のリールシート。
【請求項5】
上記被嵌合部は、上記筒状シート本体に設けられた嵌合凹部からなり、
上記嵌合部は、上記上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に形成された嵌合凸部からなり、
上記筒状シート本体の外周面に上記嵌合凹部に連通するスリットが設けられており、
上記嵌合凸部は、上記嵌合凹部と嵌合した状態で上記スリットと重なり合うように形成されている請求項4に記載のリールシート。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のリールシートと、
単一又は複数のブランクからなる釣竿本体とを備え、
当該釣竿本体が上記筒状シート本体を貫通し且つ上記第1ブランク支持部及び上記第2ブランク支持部によって嵌合支持されている釣竿。
【請求項1】
釣糸リールが載置されるシート面を形成する外周面を有し、ブランクが非接触状態で軸方向に沿って貫通する筒状シート本体と、
筒状シート本体の一端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第1ブランク支持部と、
筒状シート本体の他端に上記軸方向外向きに突設され、上記ブランクを外嵌支持する第2ブランク支持部とを備えたリールシート。
【請求項2】
上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部に、釣糸リールを固定する固定部材が上記軸方向にスライド可能な状態で螺合し得るネジが形成されている請求項1に記載のリールシート。
【請求項3】
上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか一方が上記筒状シート本体と一体的に形成されており、上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に接着されている請求項1又は2に記載のリールシート。
【請求項4】
上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に嵌合部が設けられると共に上記筒状シート本体に被嵌合部が設けられており、
当該嵌合部及び被嵌合部の断面形状は、両者が嵌合することによって上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方が上記筒状シート本体に対して位置決めされるようにD字状に形成されている請求項3に記載のリールシート。
【請求項5】
上記被嵌合部は、上記筒状シート本体に設けられた嵌合凹部からなり、
上記嵌合部は、上記上記第1ブランク支持部又は上記第2ブランク支持部のうちいずれか他方に形成された嵌合凸部からなり、
上記筒状シート本体の外周面に上記嵌合凹部に連通するスリットが設けられており、
上記嵌合凸部は、上記嵌合凹部と嵌合した状態で上記スリットと重なり合うように形成されている請求項4に記載のリールシート。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のリールシートと、
単一又は複数のブランクからなる釣竿本体とを備え、
当該釣竿本体が上記筒状シート本体を貫通し且つ上記第1ブランク支持部及び上記第2ブランク支持部によって嵌合支持されている釣竿。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−16288(P2012−16288A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153834(P2010−153834)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】
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