説明

レンズアレイ

【課題】絞りが一体に設けられるレンズを複数備えるレンズアレイにおいて、絞りの位置の自由度を高める。
【解決手段】複数の貫通孔が形成された基板と、前記複数の貫通孔の各々を埋めて前記基板に設けられた複数のレンズと、を備えるレンズアレイであって、前記貫通孔には、当該貫通孔を埋めるレンズの光軸に垂直な一平面において、当該貫通孔の内壁から前記レンズの光軸に向って当該レンズ内に延在し当該光軸を中心とする開口を形成する入射光に対して不透明な突起部が、前記開口以外の部分に入射する光を遮蔽する絞りとして設けられていることを特徴とするレンズアレイ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を結像する一つ以上のレンズと、を備えている。
【0003】
携帯端末の小型化・薄型化により、携帯端末に搭載される撮像ユニットにも更なる小型化・薄型化が要請されている。また、製造時の生産性も要請されている。かかる要請に対して、複数の固体撮像素子が配列されたセンサアレイに、複数のレンズが配列された一以上のレンズアレイを積層し、得られた積層体を、それぞれに固体撮像素子及びレンズを含むように切断して撮像ユニットを量産する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述の用途に用いられるレンズアレイとして、特許文献1には、ガラス等の光透過性材料からなる平行平板の基板の表面に樹脂材料からなるレンズ部材を接合し、基板とレンズ部材とでレンズを構成したものが記載されている。また、特許文献2には、基板に貫通孔を形成し、貫通孔を埋める樹脂材料でレンズを形成したものが記載されている。
【0005】
特許文献1に記載のレンズアレイでは、レンズの各部の厚みを基板の厚み以下とすることはできず、レンズの薄型化が阻害される。一方、特許文献2に記載のレンズアレイによれば、レンズは基板の貫通孔に設けられるので、基板よりも薄い部分を有するレンズも形成することができる。
【0006】
また、撮像ユニットには、一般に、像の明るさを調節するための開口絞りが組み込まれる(例えば、特許文献1、3参照)。特許文献1には、塗布や真空蒸着などのコーティング手法により基板の表面に絞りのパターンを形成し、レンズと一体にレンズの内部に絞りを配置した構成が記載されている。また、特許文献3には、レンズとは別部材の絞りをレンズの外部に配置した構成が記載されている。
【0007】
特許文献1に記載の構成によれば、撮像ユニットの組み立てにおいてレンズと絞りとの位置合わせが不要であり、更に、複数の撮像ユニットに一括して絞りを組み込むことができ、撮像ユニットの量産に適する。しかし、絞りの最適な位置は、光学系の構成によって異なり、例えばレンズの内部であっても入射面からの最適な距離が光学系の構成によって異なる。特許文献1に記載の構成では、絞りの位置は基板の表面に制限され、変更することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第08/102648号
【特許文献2】国際公開第09/076790号
【特許文献3】特許第3926380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、絞りが一体に設けられるレンズを複数備えるレンズアレイにおいて、絞りの位置の自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
複数の貫通孔が形成された基板と、前記複数の貫通孔の各々を埋めて前記基板に設けられた複数のレンズと、を備えるレンズアレイであって、前記貫通孔には、当該貫通孔を埋めるレンズの光軸に垂直な一平面において、当該貫通孔の内壁から前記レンズの光軸に向って当該レンズ内に延在し当該光軸を中心とする開口を形成する入射光に対して不透明な突起部が、前記開口以外の部分に入射する光を遮蔽する絞りとして設けられていることを特徴とするレンズアレイ。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、貫通孔の深さ方向に絞りの位置を変えることができる。即ち、絞りの位置の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態を説明するための撮像ユニットの一例を示す図。
【図2】本発明の実施形態を説明するためのレンズアレイの一例を示す図。
【図3】図2のレンズアレイをIII-III線断面で示す図。
【図4】図2のレンズアレイに含まれる基板の製造方法の一例を示す図。
【図5】図2のレンズアレイの製造に用いられる成形型の一例を示す図。
【図6】図2のレンズアレイの製造方法の一例を示す図。
【図7】図2のレンズアレイの変形例を示す図。
【図8】図2のレンズアレイの他の変形例を示す図。
【図9】本発明の実施形態を説明するためのレンズアレイの他の例を示す図。
【図10】図9のレンズアレイの変形例を示す図。
【図11】図1の撮像ユニットの製造方法の一例を示す図。
【図12】図11の撮像ユニットの製造方法の変形例を示す図。
【図13】図1の撮像ユニットの製造方法の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、撮像ユニットの一例を示す。
【0014】
図1に示す撮像ユニット1は、固体撮像素子22を含むセンサモジュール2と、レンズ32を含むレンズモジュール3と、を備えている。
【0015】
センサモジュール2は、ウエハ片21を有している。ウエハ片21は、例えばシリコンなどの半導体で形成されており、平面視略矩形状に形成されている。ウエハ片21の略中央部には固体撮像素子22が設けられている。固体撮像素子22は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどであり、ウエハ片21に対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、不純物添加工程、等を繰り返し、ウエハ片21上に受光領域、電極、絶縁膜、配線、等を形成して構成されている。
【0016】
レンズモジュール3は、基板片31と、レンズ32とを有している。基板片31は、センサモジュール2のウエハ片21と略同一の平面視略矩形状に形成されている。基板片31の中央部には、基板片31を厚み方向に貫通する貫通孔34が形成されている。この貫通孔34には、絞り36が設けられている。レンズ32は、貫通孔34を埋めて設けられ、基板片31に固着されている。レンズ32の光軸方向の両端にそれぞれ形成される光学面33は、図示の例ではいずれも凸形状の球面であるが、用途に応じて、凸形状の球面、凹形状の球面、非球面、又は平面の種々の組み合わせを採り得る。
【0017】
レンズモジュール3は、その基板片31とセンサモジュール2のウエハ片21との間にスペーサ35を介在させてセンサモジュール2に積層されている。レンズ32は、固体撮像素子22の受光領域に被写体像を結像させる。基板片31は、好ましくは遮光性であり、それによれば、結像に不要な光が基板片31を透過して固体撮像素子22に入射することを遮断することができる。なお、図示の例では、センサモジュール2に積層されるレンズモジュール3が一つであるが、センサモジュール2に複数のレンズモジュール3が積層される場合もある。
【0018】
スペーサ35は、センサモジュール2上でレンズモジュール3が安定する限り、その形状は特に限定されないが、好ましくは、固体撮像素子22を包囲する枠状とされる。スペーサ35を枠状とすれば、センサモジュール2とレンズモジュール3との間の空間を外より隔絶することができる。それにより、センサモジュール2とレンズモジュール3との間の空間への塵などの異物の進入を阻止し、異物が固体撮像素子22やレンズ32に付着することを防止することができる。更に、この場合に、スペーサ35を遮光性のものとすれば、結像に不要な光がセンサモジュール2とレンズモジュール3との間から固体撮像素子22に入射することを遮断することができる。
【0019】
以上のように構成された撮像ユニット1は、典型的には携帯端末の回路基板にリフロー実装される。即ち、回路基板には、撮像ユニット1が実装される位置に予めペースト状の半田が印刷され、そこに撮像ユニット1が載せられる。そして、この撮像ユニット1を含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施され、それにより半田を溶かして撮像ユニット1は回路基板に実装される。
【0020】
図2及び図3は、レンズアレイの一例を示す。
【0021】
図2及び図3に示すレンズアレイ5は、基板30と、複数のレンズ32と、を備えている。上述のレンズモジュール3は、基板30を切断し、個々にレンズ32を含むようにレンズアレイ5を分割して得られる。換言すれば、レンズアレイ5は、上述のレンズモジュール3の集合体である。
【0022】
基板30は、ウエハ状(円板状)をなし、その直径は、典型的には6インチ、8インチ、又は12インチとされる。基板30には、基板30を厚み方向に貫通する複数の貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、行列状に配列されており、上記のサイズの基板30に、典型的には数千個の貫通孔34が配列される。なお、基板30は、ウエハ状のものに限られず、例えば矩形状のものであってもよい。また、貫通孔34の配列は、行列状に限られず、例えば放射状、同心の円環状、その他の2次元の配列であってもよく、また、1次元の配列であってもよい。
【0023】
貫通孔34内には、絞り36が設けられている。絞り36は、貫通孔34を埋めるレンズ32の光軸に垂直な一平面において貫通孔34の内壁からレンズ32の光軸に関して対称に該光軸に向って突出した環状の突起部で形成されており、基板30と一体である。そして、絞り36は、レンズ32の光軸を中心とする開口を形成し、レンズ32に入射する光に対して不透明とされている。そこで絞り36は、レンズ32に入射する光線束の一部は開口37を通して透過させ、その余の光線束は遮断する。絞り36は、上述の撮像ユニット1(図1参照)における光学系の構成に応じて、貫通孔34の深さ方向の適宜な箇所に配置される。図示の例では、絞り36は、貫通孔34の深さ方向の略中央にあたる箇所に配置されている。
【0024】
レンズ32は、貫通孔34を埋めて設けられており、絞り36を包含している。レンズ32が、基板30と一体の絞り36を包含し、これを貫通孔34の深さ方向に挟み込むことによって、基板30とレンズ32との間には、貫通孔34の深さ方向へのレンズ32の変位を阻止する機械的な係合が生じる。それにより、基板30へのレンズ32の固着が安定する。
【0025】
また、貫通孔34を埋めて設けられるレンズ32は、その全体を単一の材料で形成することができ、光学性能に優れる。即ち、レンズ32の光軸上に、屈折率等の光学特性が互いに異なる材料同士の境界は形成されず、境界における反射、それによるフレアやゴーストの発生が抑制される。
【0026】
絞り36の厚さは、図示の例のように、基板30に比較して十分に薄く、好ましくは、基板30の厚さの1/10以下である。これによれば、絞り36の開口37を形成する縁部における反射、それによるフレアやゴーストの発生を抑制することができる。なお、絞り36を比較的厚くする場合にも、絞り36の縁部、若しくは絞り36の全体をテーパとして、縁部を先鋭とすることによって、フレアやゴーストの発生を抑制することができる。
【0027】
以下、図2のレンズアレイの製造方法の一例を説明する。
【0028】
図4は、図2のレンズアレイに含まれる基板の製造方法の一例を示す。
【0029】
図4に示す例は、基板素材40にブラスト加工を施して複数の貫通孔34を一括して形成し、基板30を得るものである。基板素材40は、基板30と同じ外形で、かつ同じ厚みに形成されている。基板素材40(基板30)の材料は、ガラス、シリコン、SUSなどの金属、アクリルやエポキシやPAI(ポリアミドイミド)やPES(ポリエーテルサルフォン)などの樹脂、等を用いることができる。
【0030】
FIG.4Aに示すように、ブラスト用マスク41を基板素材40の図中上側の表面(以下、上面という)及び下側の表面(以下、下面という)にそれぞれ設ける。マスク41には、基板30における複数の貫通孔34と同じ並びで複数の孔42が形成されており、マスク41は、基板素材40の表面の複数の領域を露呈させる。孔42の径は、貫通孔34(図3参照)の開口と同じ径とする。
【0031】
FIG.4Bに示すように、基板素材40の上面側、及び下面側のそれぞれからブラスト加工を施して、基板素材40の露呈した領域を除去し、基板素材40の上面、及び下面に、それぞれ複数の凹部34aを形成する。上下に並ぶ一対の凹部34aの間には、所定の厚みで仕切り部34bが残される。上面の凹部34aの深さ、及び下面の凹部34aの深さは、上面側からのブラスト加工、及び下面側からのブラスト加工それぞれの加工時間や加工圧力などの調節によって可変であり、それにより、仕切り部34bの厚み、及び基板素材40の厚み方向における位置を適宜調節する。
【0032】
FIG.4Cに示すように、各仕切り部34bの上面にブラスト用マスク43を設ける。マスク43には、孔44が形成されており、仕切り部34bの上面の中央部の領域を露呈させる。露呈させる領域は、絞り36の開口37(図3参照)と同じ径とする。
【0033】
FIG.4Dに示すように、基板素材40の上面側からブラスト加工を施して、露呈した仕切り部34bの中央部の領域を完全に除去し、仕切り部34bの中央部に連通孔34cを形成する。連通孔34cによって一対の凹部34aは連通される。一対の凹部34a、及び連通孔34cにより、貫通孔34が形成され、連通孔34cが形成された仕切り部34bが、絞り36となる。
【0034】
以上の例は、基板素材40にブラスト加工を施して貫通孔34を形成するものであるが、エッチング加工によっても貫通孔34を形成することもできる。
【0035】
絞り36は基板30と一体に形成されるが、絞り36は遮光性であることが求められる。そこで、例えば、シリコン、金属、PAIなどの樹脂、等の不透明材料を基板30の材料として用い、又はガラス、アクリルやエポキシやPESなどの樹脂、等の透明材料であっても黒色に着色したものを基板30の材料として用いれば、基板30と一体に形成される絞り36もまた遮光性とすることができる。また、基板30の材料が透明材料であるかに依らず、絞り36の表面に黒色塗料を塗布し、又はクロムでメッキすることによっても絞り36を遮光性とすることができる。
【0036】
図5は、図2のレンズアレイの製造に用いる成形型の一例を示す。
【0037】
図5に示す成形型50は、樹脂材料を圧縮してレンズ32に成形するものであり、上型51と、下型52とを備えている。
【0038】
下型52に対向する上型51の対向面には、レンズ32の一方の光学面33を反転した形状の成形面53が、レンズアレイ5における複数のレンズ32と同じ並びで複数設けられている。また、上型51に対向する下型52の対向面には、レンズ32の他方の光学面33を反転した形状の成形面54が、レンズアレイ5における複数のレンズ32と同じ並びで複数設けられている。
【0039】
上型51及び下型52は、それらの間に基板30を挟み込む。対となる上型51の成形面53、及び下型52の成形面54、並びに、それらの成形面53、54の間に位置する基板30の貫通孔34の内面とで、レンズ32を形成するためのキャビティCが形成される。
【0040】
レンズ32を形成する樹脂材料としては、例えばエネルギー硬化性の樹脂組成物を用いることができる。エネルギー硬化性の樹脂組成物は、熱により硬化する樹脂組成物、あるいは活性エネルギー線の照射(例えば紫外線、電子線照射)により硬化する樹脂組成物のいずれであってもよい。
【0041】
レンズ32を形成する樹脂組成物は、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1000〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
【0042】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物は、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。該観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂組成物にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えばシクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
【0043】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物は、形状転写精度の観点からは硬化反応による体積収縮率が小さい樹脂組成物が好ましい。樹脂組成物の硬化収縮率としては10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。硬化収縮率の低い樹脂組成物としては、例えば(1)高分子量の硬化剤(プレポリマ−など)を含む樹脂組成物(例えば特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂組成物(例えば特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂組成物(例えば、開環重合性基(例えばエポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂組成物(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂組成物(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂組成物など)が物性最適化の観点からは好ましい。
【0044】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物は、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂の混合物が望まれる。高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。このような樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば9,9’−ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開第2006/095610号パンフレット、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
【0045】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物には、屈折率を高めたり、アッベ数を調整したりするために、無機微粒子をマトリックス中に分散させることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。特に上記高アッベ数の樹脂に対しては、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂に対しては、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。また、無機微粒子には光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面層をシリカ、アルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。無機微粒子の数平均粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えばX線回折(XRD)装置あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。無機微粒子の屈折率としては、22℃、589nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。無機微粒子の樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
【0046】
樹脂組成物に微粒子を均一に分散させるためには、例えばマトリックスを形成する樹脂モノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば特開2007−211164号公報に記載)、あるいは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いて微粒子を分散させることが望ましい。
【0047】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物には、レンズ32と基板30との接合強度を向上させるために、無機材料との接着性を改良するシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、等の上記のカップリング剤が適宜配合されていてもよい。
【0048】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0049】
また、レンズ32を形成する樹脂組成物には、必要に応じて硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば特開2005−92099号公報(段落番号〔0063〕〜〔0070〕)等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合あるいはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、あるいは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には硬化反応性樹脂組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜5質量%程度がより好ましい。
【0050】
レンズ32を形成する樹脂組成物は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより硬化性樹脂組成物を製造することができる。該硬化性樹脂組成物に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。硬化性組成物が溶剤を含む場合には溶剤を乾燥させた後にモールド形状転写操作を行うことが好ましい。
【0051】
レンズ32を形成する樹脂材料として上記のエネルギー硬化性の樹脂組成物を用いる場合に、上型51、及び下型52の材料は、樹脂組成物に応じて適宜選択される。即ち、樹脂組成物として熱硬化のものを用いた場合には、型の材料は、例えばニッケル等の熱伝導率に優れる金属材料や、ガラス等の赤外線を透過する材料が用いられる。また、樹脂材料として紫外線硬化のものを用いた場合には、型の材料は、例えばガラス等の紫外線を透過する材料が用いられ、また、樹脂材料として電子線硬化のものを用いた場合には、型の材料は、その電子線を透過する材料が用いられる。
【0052】
図6は、図2のレンズアレイの製造方法の一例を示す。
【0053】
FIG.6Aに示すように、下型52に基板30をセットする。基板30の貫通孔34は、下型52の成形面54の上に配置される。そして、基板30の貫通孔34の内面、及び下型52の成形面54で形成される凹部に、レンズ32を形成するために必要な量の樹脂材料Mを供給する。
【0054】
FIG.6Bに示すように、上型51を降下させる。上型51の降下に伴い、樹脂材料Mは、上型51の成形面53と下型52の成形面54との間で加圧され、成形面53、54、及び貫通孔34の内面に倣って変形される。
【0055】
FIG.6Cに示すように、上型51が降下しきって成形型50が閉じられた状態で、キャビティは、樹脂材料Mによって充填される。この状態で、硬化のためのエネルギーEを適宜加えて樹脂材料Mを硬化させる。それにより、貫通孔34を埋めてレンズ32が形成される。
【0056】
図7は、図2のレンズアレイの変形例を示す。
【0057】
図7に示すレンズアレイ5において、絞り36は、基板30に対して比較的厚く、開口37を構成する絞り36の縁部はテーパとなっている。上述の通り、絞り36の縁部をテーパとして先鋭とすることにより、縁部での反射、それによるフレアやゴーストの発生を抑制することができる。そして、レンズ32が基板30と一体の絞り36を包含することで、基板30へのレンズ32の固着が安定するが、絞り36を比較的厚くして絞り36の強度を高めることで、基板30へのレンズ32の固着を一層安定させることができる。
【0058】
図8は、図2のレンズアレイの他の変形例を示す。
【0059】
図8に示すレンズアレイ5において、レンズ32の光軸方向の一方の端部(図中上側の端部)には、光学面33の外側に広がるフランジ38が設けられ、フランジ38は基板30の表面に重なっている。フランジ38が基板30の表面に重なることで、レンズ32と基板30との接触面積が拡大し、両者の接合強度が向上する。それにより、基板30へのレンズ32の固着を一層安定させることができる。
【0060】
なお、図示の例では、レンズ32の光軸方向の一方の端部にのみフランジ38が設けられているが、両端部にフランジ38をそれぞれ設け、基板30の両側の表面に重ねてもよい。それによれば、一対のフランジ38で基板30を挟み持つことができ、基板30へのレンズ32の固着を一層安定させることができる。
【0061】
図9は、レンズアレイの他の例を示す。
【0062】
図9に示すレンズアレイ105は、基板130と、複数のレンズ132と、を備えている。
【0063】
基板130は、ウエハ状をなし、複数の貫通孔134が形成されている。貫通孔134には、絞り136が設けられている。レンズ132は、貫通孔134内で樹脂材料を圧縮成形して形成され、貫通孔134を埋めて設けられている。
【0064】
基板130は、三枚の基板部材130a、130b、130cを積層して構成されている。基板部材130aには、レンズアレイ105における複数のレンズ132と同じ配列で、複数の孔134aが形成されている。孔134aは、基板部材130aの表面に平行な断面の形状が、孔134aの深さ方向のいずれの箇所においても略一定の径の円形である円柱状の孔となっている。同様にして基板部材130bには複数の円柱状の孔134bが形成され、基板部材130cには複数の円柱状の孔134cが形成されている。
【0065】
基板130は、基板部材130aの孔134a、基板部材130bの孔134b、及び基板部材130cの孔134cの位置を合わせて、これらの基板部材130a、130b、及び130cを積層して構成されている。そして、基板130の貫通孔134は、基板部材130aの孔134a、基板部材130bの孔134b、及び基板部材130cの孔134cがこの順に連なって構成されている。
【0066】
図中最上層に位置する基板部材130aの孔134aの径と、図中最下層に位置する基板部材130cの孔134cの径は、互いに等しく、基板部材130aと基板部材130cとの間に挟まれる基板部材130bの孔134bの径は、孔134a、134cの径より小さくなっている。よって、基板部材130bの孔134bの周辺部分が、孔134a、134cに露呈し、絞り136となる。孔134a、134b、134cのそれぞれは、円柱状のような単純な形状となっており、その形成は容易である。基板部材130a、130b、及び130cの材料に、比較的高い靭性を有する金属や樹脂を用いるようにすれば、パンチングによる機械加工によっても形成することができる。
【0067】
そして、図示の例において、絞り136を構成する基板部材130bを間に挟む基板部材130a、及び基板部材130cの厚みは互いに等しく、絞り136は、貫通孔134の深さ方向の略中央にあたる箇所に配置されている。基板部材130aの厚みTa、及び基板部材130cの厚みTcを相補的に増減させることで、基板130の厚みは一定として、絞り136の位置を容易に変更することができる。
【0068】
図10は、図9のレンズアレイの変形例を示す。
【0069】
図10に示すレンズアレイ105において、基板130は、二枚の基板部材130a、130bを積層して構成されている。基板部材130aの孔134aは、基板部材130aの表面に平行な断面の形状が、孔134aの深さ方向のいずれの箇所においても略一定の径Dの円形である円柱状の孔となっている。一方、基板部材130bの孔134bは、その断面の形状が、孔134bの深さ方向のいずれの箇所においても円形であるが、一方の開口から他方の開口に向けて次第に縮径するテーパ状の孔となっている。孔134bの両開口のうち小径の開口の径は、孔134aの径より小さく、大径の開口の径は、孔134aの径と等しくなっている。
【0070】
FIG.10Aは、孔134bの両開口のうち小径の開口が並ぶ基板部材130bの図中上側の表面に基板部材130aを積層した場合を示す。FIG.10Bは、孔134bの両開口のうち大径の開口が並ぶ基板部材130bの図中下側の表面に基板部材130aを積層した場合を示す。いずれの場合においても、孔の径が最小になっている基板部材130bの図中上側の面が、絞り136となる。
【0071】
絞り136における光線束の遮断又は透過は、その開口137の最も小径となる部分で決まり、よって、絞り136の位置は、その開口137の最も小径となる部分の位置と言える。FIG.10Aの例は、絞り136の位置は、その開口137を構成する基板部材130bの孔134bの小径の開口の位置であって、貫通孔134の深さ方向の略中央にあたる箇所となる。また、FIG.10Bは、絞り136の位置は、基板130の図中上側の表面にあたる箇所となる。絞り136の開口137を構成する基板部材130bの孔134bが、その深さ方向の略中央にあたる箇所を通って基板部材130bの表面に平行となる断面に関して非対称な形状となっていることで、二枚の基板部材130a、及び130bであっても、それらの積層順を変えることで、絞り136の位置を変化させることができる。
【0072】
以上のようにして製造されるレンズアレイ5(105)は、その基板30(130)をカッターなどで切断され、個々にレンズ32(132)を含んだ複数のレンズモジュール3(図1参照)に分割される。レンズモジュール3は、上述のとおり、センサモジュール2との組み合わせにおいて撮像ユニット1を構成する。
【0073】
図11は、図1の撮像ユニットの製造方法の一例を示す。
【0074】
FIG.11Aに示すように、行列状に配列された複数のレンズ32の行間、列間を延びる切断ラインLに沿って基板30を切断する。それにより、レンズアレイ5は、レンズ32をそれぞれ含む複数のレンズモジュール3に分割される。そして、FIG.11Bに示すように、個々のレンズモジュール3を、スペーサ35を介してセンサモジュール2に積層する。以上により、撮像ユニット1(図1参照)を得る。
【0075】
図12は、図11の撮像ユニットの製造方法の変形例を示す。図12に示す例では、センサモジュール2には2つのレンズモジュール3が積層される。
【0076】
FIG.12Aに示すように、レンズアレイ5におけるレンズ32と同じ並びで複数のスペーサ35が配列された相互に連結されたスペーサアレイ9を介して二枚のレンズアレイ5を積層し、レンズアレイ積層体6を構成する。そして、切断ラインLに沿って積層体6に含む二枚のレンズアレイ5の基板30、及びスペーサアレイ9を一括して切断する。それにより、FIG.12Bに示すように、レンズアレイ積層体6は、各々が二つのレンズモジュール3が積層されてなる複数のレンズモジュール積層体7に分割される。そして、FIG.12Cに示すように、個々のレンズモジュール積層体7を、スペーサ35を介してセンサモジュール2に積層する。以上により、撮像ユニット1を得る。
【0077】
このように、複数のレンズモジュール3を予め積層したレンズモジュール積層体7をセンサモジュール2に積層するようにすれば、それらのレンズモジュール3をセンサモジュール2に順次積層する場合に比べて、撮像ユニット1の生産性を向上させることができる。
【0078】
図13は、図1の撮像ユニットの製造方法の他の例を示す。
【0079】
図13に示す例は、レンズアレイ5をセンサアレイ4に積層して複数の撮像ユニット1の集合体である素子アレイ積層体8を構成し、その後に素子アレイ積層体8を複数の撮像ユニット1に分割するようにしたものである。
【0080】
センサアレイ4は、シリコンなどの半導体材料で形成されたウエハ20を有しており、ウエハ20には、レンズアレイ5におけるレンズ32と同じ並びで、複数の固体撮像素子22が配列されている。典型的には、ウエハ20の直径は、6インチ、8インチ、又は12インチとされ、そこに数千個の固体撮像素子22が配列される。
【0081】
スペーサアレイ9を介してレンズアレイ5をセンサアレイ4に積層し、素子アレイ積層体8を構成する。そして、切断ラインLに沿って素子アレイ積層体8に含むセンサアレイ4のウエハ20、及びレンズアレイ5の基板30、並びにスペーサアレイ9を一括して切断する。以上により、素子アレイ積層体8は、レンズ32及び固体撮像素子22をそれぞれ含む複数の撮像ユニット1に分割される。
【0082】
このように、一枚以上のレンズアレイ5をセンサアレイ4に積層し、その後に、センサアレイ4のウエハ20、及びレンズアレイ5の基板30を一括して切断して複数の撮像ユニット1に分割するようにすれば、レンズモジュール3又はそれらの積層体7をセンサモジュール2に組み付ける場合に比べて、撮像ユニット1の生産性を一層向上させることができる。
【0083】
以上説明したように、本明細書には、複数の貫通孔が形成された基板と、前記複数の貫通孔の各々を埋めて前記基板に設けられた複数のレンズと、を備えるレンズアレイであって、前記貫通孔には、当該貫通孔を埋めるレンズの光軸に垂直な一平面において、当該貫通孔の内壁から前記レンズの光軸に向って当該レンズ内に延在し当該光軸を中心とする開口を形成する入射光に対して不透明な突起部が、前記開口以外の部分に入射する光を遮蔽する絞りとして設けられていることを特徴とするレンズアレイが開示されている。
【0084】
また、本明細書には、前記基板が、複数の孔が同じ配列で設けられた複数の基板部材が積層されたものであり、前記複数の基板部材は、そのうちの一部の基板部材に設けられた前記孔の開口面積が他の基板部材に設けられた前記孔の開口面積よりも小さく形成されており、当該複数の基板部材はそれぞれの孔の位置が合うように積層されて前記基板の前記貫通孔が形成されており、前記一部の基板の少なくとも前記貫通孔内を埋めるレンズ内に延在する部分が前記入射光に対して不透明な前記突出部とされており、このように構成することにより、前記一部の基板部材の孔を前記開口とする当該突出部が前記絞りとして設けられていることを特徴とするレンズアレイが開示されている。
【0085】
また、本明細書には、前記絞りの前記開口側の縁部が先鋭となっていることを特徴とするレンズアレイが開示されている。
【0086】
また、本明細書には、上記のレンズアレイを少なくとも一つ含む複数のレンズアレイが積層されたレンズアレイ積層体が開示されている。
【0087】
また、本明細書には、上記のレンズアレイ積層体と、ウエハ上に複数の固体撮像素子が配列されたセンサアレイと、を備え、前記レンズアレイ積層体が前記センサアレイ上に積層された素子アレイ積層体が開示されている。
【0088】
また、本明細書には、上記のレンズアレイから一つの前記レンズを含んで分割されたレンズモジュールが開示されている。
【0089】
また、本明細書には、上記のレンズアレイ積層体から、積層方向に並ぶレンズを含んで分割されたレンズモジュール積層体が開示されている。
【0090】
また、本明細書には、上記の素子アレイ積層体から、積層方向に並ぶ固体撮像素子及びレンズを含んで分割された撮像ユニットが開示されている。
【符号の説明】
【0091】
1 撮像ユニット
2 センサモジュール
3 レンズモジュール
4 センサアレイ
5 レンズアレイ
6 レンズアレイ積層体
7 レンズモジュール積層体
8 素子アレイ積層体
9 スペーサアレイ
20 ウエハ
21 ウエハ片
22 固体撮像素子
30 基板
31 基板片
32 レンズ
33 光学面
34 貫通孔
34a 凹部
34b 仕切り部
34c 連通孔
35 スペーサ
36 絞り
37 開口
38 フランジ
40 基板素材
41 ブラスト用マスク
42 孔
43 ブラスト用マスク
44 孔
50 成形型
51 上型
52 下型
53 成形面
54 成形面
M 樹脂材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔が形成された基板と、前記複数の貫通孔の各々を埋めて前記基板に設けられた複数のレンズと、を備えるレンズアレイであって、
前記貫通孔には、当該貫通孔を埋めるレンズの光軸に垂直な一平面において、当該貫通孔の内壁から前記レンズの光軸に向って当該レンズ内に延在し当該光軸を中心とする開口を形成する入射光に対して不透明な突起部が、前記開口以外の部分に入射する光を遮蔽する絞りとして設けられていることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズアレイであって、
前記基板は、複数の孔が同じ配列で設けられた複数の基板部材が積層されたものであり、
前記複数の基板部材は、そのうちの一部の基板部材に設けられた前記孔の開口面積が他の基板部材に設けられた前記孔の開口面積よりも小さく形成されており、
当該複数の基板部材はそれぞれの孔の位置が合うように積層されて前記基板の前記貫通孔が形成されており、
前記一部の基板の少なくとも前記貫通孔内を埋めるレンズ内に延在する部分が前記入射光に対して不透明な前記突出部とされており、
このように構成することにより、前記一部の基板部材の孔を前記開口とする当該突出部が前記絞りとして設けられていることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のレンズアレイであって、
前記絞りの前記開口側の縁部が先鋭となっていることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズアレイを少なくとも一つ含む複数のレンズアレイが積層されたレンズアレイ積層体。
【請求項5】
請求項4に記載のレンズアレイ積層体と、ウエハ上に複数の固体撮像素子が配列されたセンサアレイと、を備え、前記レンズアレイ積層体が前記センサアレイ上に積層された素子アレイ積層体。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズアレイから一つの前記レンズを含んで分割されたレンズモジュール。
【請求項7】
請求項4に記載のレンズアレイ積層体から、積層方向に並ぶレンズを含んで分割されたレンズモジュール積層体。
【請求項8】
請求項5に記載の素子アレイ積層体から、積層方向に並ぶ固体撮像素子及びレンズを含んで分割された撮像ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−180293(P2011−180293A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43136(P2010−43136)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】