説明

レンズ鏡筒及び光学機器

【課題】更なる小型化及び軽量化が可能なレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】第1の駆動ユニット15を保持する第1の保持部材6と、第2の駆動ユニット18を保持する第2の保持部材7と、第1の保持部材6と第2の保持部材7とを光軸方向に隣接した状態で内部に収納する固定筒9と、固定筒9を内部に収納した状態で、この固定筒9の外周部に周方向において回転自在とされたカム筒10とを備え、カム筒10の回転操作により、第1及び第2の保持部材6,7が同一軌跡を描いて固定筒9内を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒及び光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レンズ鏡筒に配置された複数のレンズのうち、ズーム(バリエータ)用レンズとフォーカス用レンズとを光軸方向に移動させることによって、変倍(ズーミング)と、合焦(フォーカシング)とを行う、いわゆるインナーフォーカス式のズームレンズある。
【0003】
このようなインナーフォーカス式のズームレンズは、フォーカシングによる全長の変化がなく、小型・軽量化が可能なため、例えば、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置、プロジェクタなどの画像投影装置といった光学機器において幅広く利用されている。
【0004】
また、ズームレンズでは、一部のレンズを光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを補正する手振れ補正(像振れ補正)機能を備えたものがある。
【0005】
ところで、上述したズーム機能や手振れ補正機能を有するレンズ鏡筒では、レンズを保持するレンズ保持部材と、このレンズ保持部材を内部に収納すると共に、レンズ保持部材の外周部から突出されたガイドピンが係合されるガイドスリットを有する固定筒と、固定筒を内部に収納した状態で、この固定筒の外周部に周方向において回転自在とされると共に、ガイドスリットから突出されたガイドピンが係合されるカムスリットを有するカム筒とを備えて、このカム筒の回転操作により、ガイドピンがガイドスリット及びカムスリット内を相対的に移動することによって、レンズ保持部材を固定筒内で光軸方向に移動させることが行われている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
また、レンズ鏡筒には、フォーカス時にレンズを光軸方向に変位駆動させるためのフォーカスアクチュエータユニットや、手振れ補正時にレンズを光軸と直交する方向に変位駆動させるための防振アクチュエータユニットなどの駆動ユニットも搭載されている。
【0007】
このため、レンズ鏡筒の更なる小型・軽量化を図る上では、上述したレンズを保持するレンズ保持部材やレンズを駆動する駆動ユニットなどの部品をコンパクトにまとめて固定筒内に配置することが重要となる。
【0008】
しかしながら、これらの部品を1つにまとめてユニット化した場合には、構造の簡素化や部品点数の削減等により、レンズ鏡筒の小型・軽量化が図れるものの、例えば、上述したフォーカスアクチュエータユニットと防振アクチュエータユニットといった異なる駆動ユニットを固定筒内で隣接して配置した場合には、それぞれの駆動ユニットで発生する振動がお互いの位置検出に悪影響を与える恐れがあるため、その対策が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−224526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、更なる小型化及び軽量化が可能なレンズ鏡筒、並びにそのようなレンズ鏡筒を備えた光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るレンズ鏡筒は、第1の駆動ユニットを保持する第1の保持部材と、第2の駆動ユニットを保持する第2の保持部材と、第1の保持部材と第2の保持部材とを光軸方向に隣接した状態で内部に収納する固定筒と、固定筒を内部に収納した状態で、この固定筒の外周部に周方向において回転自在とされたカム筒とを備え、カム筒の回転操作により、第1及び第2の保持部材が同一軌跡を描いて固定筒内を移動すると共に、前記第1の駆動ユニットと前記第2の駆動ユニットとの間において、それぞれの駆動ユニットで発生する振動がお互いの位置検出に悪影響を与えることを防止した構造を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、更なる小型化及び軽量化を図ると共に、それぞれの駆動ユニットで発生する振動がお互いの位置検出に悪影響を与えることを防止したレンズ鏡筒及び光学機器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施形態として示す交換レンズの内部構造を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示す交換レンズが備えるレンズ鏡筒の外観を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示すレンズ鏡筒の内部構造を示す断面図である。
【図4】図4は、図2に示すレンズ鏡筒が備える保持ユニット(第4のレンズ保持部材及び第5のレンズ保持部材)の外観を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す保持ユニット(第4のレンズ保持部材及び第5のレンズ保持部材)の構造を示す断面図である。
【図6】図6は、第2の実施形態として示す交換レンズの内部構造を示す断面図である。
【図7】図7は、図6に示す交換レンズが備えるレンズ鏡筒の外観を示す斜視図である。
【図8】図8は、図7に示すレンズ鏡筒の内部構造を示す断面図である。
【図9】図9は、図7に示すレンズ鏡筒が備える第4のレンズ保持部材及び第5のレンズ保持部材の構造を示す断面図である。
【図10】図10は、第3の実施形態として示す交換レンズの内部構造を示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示す交換レンズが備えるレンズ鏡筒の外観を示す斜視図である。
【図12】図12は、図11に示すレンズ鏡筒の内部構造を示す断面図である。
【図13】図13は、図11に示すレンズ鏡筒が備える第4のレンズ保持部材及び第5のレンズ保持部材の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用したレンズ鏡筒及び光学機器について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態として、例えば図1に示す一眼レフカメラ用の交換レンズ(光学機器)1Aに本発明を適用した場合に挙げて説明するものとする。なお、図1は、この交換レンズ1Aの内部構造を示す断面図である。
【0016】
この交換レンズ1Aは、図1に示すように、複数(本例では15枚)のレンズL1〜L15が光軸方向に並んで配置されたレンズ鏡筒2Aを備え、このレンズ鏡筒2Aに配置された複数のレンズL1〜L15によって、インナーフォーカス式のズームレンズが構成されている。
【0017】
具体的に、このズームレンズは、物体側(交換レンズ1の正面側)から順に、レンズL1,L2,L3からなる第1レンズ群G1と、レンズL4,L5,L6,L7からなる第2レンズ群G2と、レンズL8からなる第3レンズ群G3と、レンズL9からなる第4レンズ群G4と、レンズL10,L11からなる第5レンズ群G5と、レンズL12,L13,L14,L15からなる第6レンズ群G6との6群のレンズ構成を有している。また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には絞りSPが配置されている。
【0018】
そして、このズームレンズでは、固定の第1レンズ群G1に対して、残りの第2〜第6レンズ群G2〜G6を光軸方向に移動させることによって変倍(ズーミング)を行い、第4レンズ群G4を光軸方向に移動させることによって合焦(フォーカシング)を行う。
【0019】
また、このズームレンズは、第5レンズ群G5を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを補正することが可能となっている。なお、ズームレンズの構成については、上述した6群15枚のレンズ構成に限らず、そのレンズの枚数や組み合わせなどを適宜変更して実施することが可能である。
【0020】
レンズ鏡筒2Aは、このようなズームレンズを構成するため、図1、図2及び図3に示すように、第1レンズ群G1を保持する第1のレンズ保持部材3と、第2レンズ群G2を保持する第2のレンズ保持部材4と、第3レンズ群G3を保持する第3のレンズ保持部材5と、第4レンズ群G4を保持する第4のレンズ保持部材(第1の保持部材)6と、第5レンズ群G5を保持する第5のレンズ保持部材(第2の保持部材)7と、第6レンズ群G6を保持する第6のレンズ保持部材8と、これら第1〜第6のレンズ保持部材3〜8のうち、第2〜第6のレンズ保持部材4〜8を内側に収納する固定筒9と、この固定筒9を内側に収納した状態で、固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられたカム筒10とを概略備えている。
【0021】
第1のレンズ保持部材3は、全体が筒状に形成されて、その内側に第1レンズ群G1を保持した状態で、固定筒9の前面側に取り付けられている。
【0022】
第2のレンズ保持部材4は、第2レンズ群G2を内側に保持する保持枠4aを有して、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、保持枠4aの外周部には、複数(本例では3つ)の第1のガイドピン11aが周方向に並んで設けられている。
【0023】
第3のレンズ保持部材5は、第3レンズ群G3を内側に保持する保持枠5aを有して、第4のレンズ保持部材6(後述する保持筒14)の前面側に一体的に取り付けられている。また、第3のレンズ保持部材5の背面側には、上記絞りSPの開口を調整するアイリスユニット(絞り調整機構)12が取り付けている。
【0024】
第4のレンズ保持部材6は、第4レンズ群G4を内側に保持する保持枠13と、この保持枠13を内側に収納する保持筒14と、この保持筒14内で保持枠13を光軸方向に変位駆動させるためのボイスコイルモータ(VCM)等からなるフォーカスアクチュエータユニット(第1の駆動ユニット)15とを有しており、保持筒14は、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、保持筒14の外周部には、複数(本例では3つ)の第2のガイドピン11bが周方向に並んで設けられている。
【0025】
第5のレンズ保持部材7は、第5レンズ群G5を内側に保持する保持枠16と、この保持枠16を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠17と、この支持枠17に対して保持枠16を光軸と直交する方向に変位駆動させるためのピエゾ素子(PZT)等からなる防振アクチュエータユニット(第2の駆動ユニット)18とを有している。そして、この第5のレンズ保持部材7は、第4のレンズ保持部材6(保持筒14)の背面側に一体的に取り付けられている。これにより、上記第3、第4及び第5のレンズ保持部材5,6,7は、互いに一体化されて1つの保持ユニット19Aを構成している。
【0026】
第6のレンズ保持部材8は、第6レンズ群G6を内側に保持する保持枠20と、この保持枠20を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠21とを有しており、支持枠21は、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、支持枠21の外周部には、複数(本例では3つ)の第3のガイドピン11cが周方向に並んで設けられている。
【0027】
固定筒9は、全体が略円筒状に形成されて、その内側に収納された第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19A(第3〜第5のレンズ保持部材5,6,7)及び第6のレンズ保持部材8を光軸方向に移動可能に支持している。具体的に、この固定筒9には、光軸方向に平行に延びる直線状のガイドスリット22が周方向に複数(本例では3つ)並んで設けられている。そして、固定筒9は、これらガイドスリット22に上記第2、第4及び第6のレンズ保持部材4,6,8の外周部から突出された各第1〜第3のガイドピン11a〜11cが係合されることによって、第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19A(第3〜第5のレンズ保持部材5,6,7)及び第6のレンズ保持部材8を光軸方向に移動可能に支持している。
【0028】
カム筒10は、全体が略円筒状に形成されて、その内側に収納された固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられている。具体的に、このカム筒10には、上記第2レンズ群G2の移動軌跡に対応する曲線状の第1のカムスリット23aと、上記第3〜第5レンズ群G3〜G5の移動軌跡に対応する曲線状の第2のカムスリット23bと、上記第6レンズ群G6の移動軌跡に対応する曲線状の第3のカムスリット23cとが、それぞれ周方向に複数(本例では3つ)並んで設けられている。そして、カム筒10は、これら第1〜第3のカムスリット23a〜23cに上記固定筒9の各ガイドスリット22から突出された各第1〜第3のガイドピン11a〜11cが係合された状態で、固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられている。
【0029】
以上のような構造を有するレンズ鏡筒2Aでは、カム筒10の回転操作により、各第1〜第3のガイドピン11a〜11cが各ガイドスリット22及び各第1〜第3のカムスリット23a〜23c内を相対的に移動しながら、第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19A(第3〜第5のレンズ保持部材5,6,7)及び第6のレンズ保持部材8が、各第1〜第3のカムスリット23a〜23cの形状に合わせた軌跡を描きながら、固定筒9内を光軸方向に移動することになる。
【0030】
交換レンズ1Aは、このようなレンズ鏡筒2Aに、手動又は自動でフォーカシングを行うための機構や、手振れ等を検知するための機構、一眼レフカメラに取り付けるための機構、その他の公知部品等を取り付けることによって構成されている。
【0031】
そして、この交換レンズ1Aでは、一眼レフカメラに取り付けられた状態において、上記レンズ鏡筒2Aのカム筒10を回転操作することによって、第2〜第6レンズ群G2〜G6を光軸方向に移動させながらズーミングを行うことができる。また、ズーミング時に第4レンズ群G4を光軸方向に移動させることによってフォーカシングを行うことができる。さらに、この交換レンズ1Aでは、第5レンズ群G5を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを打ち消す(キャンセル)することができる。
【0032】
本発明を適用したレンズ鏡筒2Aでは、光軸方向において隣接する第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とが同一軌跡を描いて固定筒9内を移動するように、互いに一体化された保持ユニット19Aを構成している。そして、このようにコンパクトにまとめられた保持ユニット19Aを固定筒9内に配置することで、このレンズ鏡筒2A及び交換レンズ1Aの小型・軽量化が図られている。
【0033】
また、この保持ユニット19Aは、図3、図4及び図5に示すように、第4のレンズ保持部材6に設けられた複数(本例では3つ)のネジ穴24に、第5のレンズ保持部材7に設けられた複数(本例では3つ)の貫通孔25を通して、複数(本例では3つ)のネジ26を締結することによって、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とが一体化されている。
【0034】
ところで、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とを一体化した場合、第4のレンズ保持部材6に保持されたフォーカスアクチュエータユニット15と、第5のレンズ保持部材7に保持された防振アクチュエータユニット18との間では、それぞれの駆動振動がお互いの位置検出に与える影響を少なくする必要がある。
【0035】
そこで、本発明では、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7との間に、振動を吸収するための振動吸収部材27が配置されている。この振動吸収部材27は、ゴムや樹脂等の弾性体からなり、ネジ26を貫通させる貫通孔27aを有して、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7との間に配置されている。また、振動吸収部材27は、第5のレンズ保持部材7とネジ26の頭部との間にも配置されている。
【0036】
これにより、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7との間で振動が伝わることを防止し、フォーカスアクチュエータユニット15と、防振アクチュエータユニット18とにおいて、より高精度な位置検出が可能となる。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、例えば図6に示す一眼レフカメラ用の交換レンズ(光学機器)1Bに本発明を適用した場合に挙げて説明するものとする。なお、図6は、この交換レンズ1Bの内部構造を示す断面図である。また、以下の説明では、上記交換レンズ1Aと同等の部位については、図面において同じ符号を付すものとする。
【0038】
この交換レンズ1Bは、図6に示すように、複数(本例では15枚)のレンズL1〜L15が光軸方向に並んで配置されたレンズ鏡筒2Bを備え、このレンズ鏡筒2Bに配置された複数のレンズL1〜L15によって、インナーフォーカス式のズームレンズが構成されている。
【0039】
具体的に、このズームレンズは、物体側(交換レンズ1の正面側)から順に、レンズL1,L2,L3からなる第1レンズ群G1と、レンズL4,L5,L6,L7からなる第2レンズ群G2と、レンズL8からなる第3レンズ群G3と、レンズL9からなる第4レンズ群G4と、レンズL10,L11からなる第5レンズ群G5と、レンズL12,L13,L14,L15からなる第6レンズ群G6との6群のレンズ構成を有している。また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には絞りSPが配置されている。
【0040】
そして、このズームレンズでは、固定の第1レンズ群G1に対して、残りの第2〜第6レンズ群G2〜G6を光軸方向に移動させることによって変倍(ズーミング)を行い、第4レンズ群G4を光軸方向に移動させることによって合焦(フォーカシング)を行う。
【0041】
また、このズームレンズは、第5レンズ群G5を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを補正することが可能となっている。なお、ズームレンズの構成については、上述した6群15枚のレンズ構成に限らず、そのレンズの枚数や組み合わせなどを適宜変更して実施することが可能である。
【0042】
レンズ鏡筒2Bは、このようなズームレンズを構成するため、図6、図7及び図8に示すように、第1レンズ群G1を保持する第1のレンズ保持部材3と、第2レンズ群G2を保持する第2のレンズ保持部材4と、第3レンズ群G3を保持する第3のレンズ保持部材5と、第4レンズ群G4を保持する第4のレンズ保持部材(第1の保持部材)6と、第5レンズ群G5を保持する第5のレンズ保持部材(第2の保持部材)7と、第6レンズ群G6を保持する第6のレンズ保持部材8と、これら第1〜第6のレンズ保持部材3〜8のうち、第2〜第6のレンズ保持部材4〜8を内側に収納する固定筒9と、この固定筒9を内側に収納した状態で、固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられたカム筒10とを概略備えている。
【0043】
第1のレンズ保持部材3は、全体が筒状に形成されて、その内側に第1レンズ群G1を保持した状態で、固定筒9の前面側に取り付けられている。
【0044】
第2のレンズ保持部材4は、第2レンズ群G2を内側に保持する保持枠4aを有して、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、保持枠4aの外周部には、複数(本例では3つ)の第1のガイドピン11aが周方向に並んで設けられている。
【0045】
第3のレンズ保持部材5は、第3レンズ群G3を内側に保持する保持枠5aを有して、第4のレンズ保持部材6(後述する保持筒14)の前面側に一体的に取り付けられている。すなわち、第3のレンズ保持部材5と第4のレンズ保持部材6とは、互いに一体化されて1つの保持ユニット19Bを構成している。また、第3のレンズ保持部材5の背面側には、上記絞りSPの開口を調整するアイリスユニット(絞り調整機構)12が取り付けている。
【0046】
第4のレンズ保持部材6は、第4レンズ群G4を内側に保持する保持枠13と、この保持枠13を内側に収納する保持筒14と、この保持筒14内で保持枠13を光軸方向に変位駆動させるためのボイスコイルモータ(VCM)等からなるフォーカスアクチュエータユニット(第1の駆動ユニット)15とを有しており、保持筒14は、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、保持筒14の外周部には、複数(本例では3つ)の第2のガイドピン11bが周方向に並んで設けられている。
【0047】
第5のレンズ保持部材7は、第5レンズ群G5を内側に保持する保持枠16と、この保持枠16を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠17と、この支持枠17に対して保持枠16を光軸と直交する方向に変位駆動させるためのピエゾ素子(PZT)等からなる防振アクチュエータユニット(第2の駆動ユニット)18とを有している。また、支持枠17の外周部には、複数(本例では3つ)の第4のガイドピン11dが周方向に並んで設けられている。
【0048】
第6のレンズ保持部材8は、第6レンズ群G6を内側に保持する保持枠20と、この保持枠20を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠21とを有しており、支持枠21は、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、支持枠21の外周部には、複数(本例では3つ)の第3のガイドピン11cが周方向に並んで設けられている。
【0049】
固定筒9は、全体が略円筒状に形成されて、その内側に収納された第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19B(第3及び第4のレンズ保持部材5,6)、第5のレンズ保持部材7及び第6のレンズ保持部材8を光軸方向に移動可能に支持している。具体的に、この固定筒9には、光軸方向に平行に延びる直線状のガイドスリット22が周方向に複数(本例では3つ)並んで設けられている。
【0050】
そして、固定筒9は、これらガイドスリット22に上記第2、第4、第5及び第6のレンズ保持部材4,6,7,8の外周部から突出された各第1〜第4のガイドピン11a〜11dが係合されることによって、第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19B(第3及び第4のレンズ保持部材5,6)、第5のレンズ保持部材7及び第6のレンズ保持部材8を光軸方向に移動可能に支持している。
【0051】
カム筒10は、全体が略円筒状に形成されて、その内側に収納された固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられている。具体的に、このカム筒10には、上記第2レンズ群G2の移動軌跡に対応する曲線状の第1のカムスリット23aと、上記第3及び第4レンズ群G3,G4の移動軌跡に対応する曲線状の第2のカムスリット23bと、上記第5レンズ群G5の移動軌跡に対応する曲線状の第4のカムスリット23dと、上記第6レンズ群G6の移動軌跡に対応する曲線状の第3のカムスリット23cとが、それぞれ周方向に複数(本例では3つ)並んで設けられている。
【0052】
そして、カム筒10は、これら第1〜第4のカムスリット23a〜23dに上記固定筒9の各ガイドスリット22から突出された各第1〜第4のガイドピン11a〜11dが係合された状態で、固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられている。
【0053】
以上のような構造を有するレンズ鏡筒2Bでは、カム筒10の回転操作により、各第1〜第4のガイドピン11a〜11dが各ガイドスリット22及び各第1〜第4のカムスリット23a〜23d内を相対的に移動しながら、第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19B(第3及び第4のレンズ保持部材5,6)、第5のレンズ保持部材7及び第6のレンズ保持部材8が、各第1〜第4のカムスリット23a〜23dの形状に合わせた軌跡を描きながら、固定筒9内を光軸方向に移動することになる。
【0054】
交換レンズ1Bは、このようなレンズ鏡筒2Bに、手動又は自動でフォーカシングを行うための機構や、手振れ等を検知するための機構、一眼レフカメラに取り付けるための機構、その他の公知部品等を取り付けることによって構成されている。
【0055】
そして、この交換レンズ1Bでは、一眼レフカメラに取り付けられた状態において、上記レンズ鏡筒2Bのカム筒10を回転操作することによって、第2〜第6レンズ群G2〜G6を光軸方向に移動させながらズーミングを行うことができる。また、ズーミング時に第4レンズ群G4を光軸方向に移動させることによってフォーカシングを行うことができる。さらに、この交換レンズ1Bでは、第5レンズ群G5を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを打ち消す(キャンセル)することができる。
【0056】
本発明を適用したレンズ鏡筒2Bでは、光軸方向において隣接する第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とが同一軌跡を描いて固定筒9内を移動するように、第2のカムスリット23bと第4のカムスリット23dとが同一軌跡を描くように形成されている。そして、このように同一軌跡を描いて移動する第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とを固定筒9内に隣接して配置することで、このレンズ鏡筒2B及び交換レンズ1Bの小型・軽量化が図られている。
【0057】
ところで、図9に示すように、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とを固定筒9内に隣接して配置した場合、第4のレンズ保持部材6に保持されたフォーカスアクチュエータユニット15と、第5のレンズ保持部材7に保持された防振アクチュエータユニット18との間では、それぞれの駆動振動がお互いの位置検出に与える影響を少なくする必要がある。
【0058】
これに対して、本発明では、第4のレンズ保持部材6に設けられた第2のガイドピン11bと、第5のレンズ保持部材7に設けられた第4のガイドピン11dとが、それぞれ回転筒10に設けられた第2のカムスリット11bと第4のカムスリット11bとに係合されている。この場合、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とは、非接触状態を保ちつつ、その間で伝わる振動の経路を、第2のガイドピン11bと第4のガイドピン11dとの間で延長することができる。更に、振動が伝わる方向も第2のガイドピン11bと第4のガイドピン11dとの間で切り替わるため、振動が伝わりにくい構造となっている。
【0059】
これにより、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7との間で振動が伝わることを防止し、フォーカスアクチュエータユニット15と、防振アクチュエータユニット18とにおいて、より高精度な位置検出が可能となる。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として、例えば図10に示す一眼レフカメラ用の交換レンズ(光学機器)1Cに本発明を適用した場合に挙げて説明するものとする。なお、図10は、この交換レンズ1Cの内部構造を示す断面図である。また、以下の説明では、上記交換レンズ1A,1Bと同等の部位については、図面において同じ符号を付すものとする。
【0061】
この交換レンズ1Cは、図10に示すように、複数(本例では15枚)のレンズL1〜L15が光軸方向に並んで配置されたレンズ鏡筒2Bを備え、このレンズ鏡筒2Bに配置された複数のレンズL1〜L15によって、インナーフォーカス式のズームレンズが構成されている。
【0062】
具体的に、このズームレンズは、物体側(交換レンズ1の正面側)から順に、レンズL1,L2,L3からなる第1レンズ群G1と、レンズL4,L5,L6,L7からなる第2レンズ群G2と、レンズL8からなる第3レンズ群G3と、レンズL9からなる第4レンズ群G4と、レンズL10,L11からなる第5レンズ群G5と、レンズL12,L13,L14,L15からなる第6レンズ群G6との6群のレンズ構成を有している。また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には絞りSPが配置されている。
【0063】
そして、このズームレンズでは、固定の第1レンズ群G1に対して、残りの第2〜第6レンズ群G2〜G6を光軸方向に移動させることによって変倍(ズーミング)を行い、第4レンズ群G4を光軸方向に移動させることによって合焦(フォーカシング)を行う。
【0064】
また、このズームレンズは、第5レンズ群G5を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを補正することが可能となっている。なお、ズームレンズの構成については、上述した6群15枚のレンズ構成に限らず、そのレンズの枚数や組み合わせなどを適宜変更して実施することが可能である。
【0065】
レンズ鏡筒2Bは、このようなズームレンズを構成するため、図10、図11及び図12に示すように、第1レンズ群G1を保持する第1のレンズ保持部材3と、第2レンズ群G2を保持する第2のレンズ保持部材4と、第3レンズ群G3を保持する第3のレンズ保持部材5と、第4レンズ群G4を保持する第4のレンズ保持部材(第1の保持部材)6と、第5レンズ群G5を保持する第5のレンズ保持部材(第2の保持部材)7と、第6レンズ群G6を保持する第6のレンズ保持部材8と、これら第1〜第6のレンズ保持部材3〜8のうち、第2〜第5のレンズ保持部材4〜7を内側に収納する固定筒9と、この固定筒9を内側に収納した状態で、固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられたカム筒10とを概略備えている。
【0066】
第1のレンズ保持部材3は、全体が筒状に形成されて、その内側に第1レンズ群G1を保持した状態で、固定筒9の前面側に取り付けられている。
【0067】
第2のレンズ保持部材4は、第2レンズ群G2を内側に保持する保持枠4aを有して、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、保持枠4aの外周部には、複数(本例では3つ)の第1のガイドピン11aが周方向に並んで設けられている。
【0068】
第3のレンズ保持部材5は、第3レンズ群G3を内側に保持する保持枠5aを有して、第4のレンズ保持部材6(後述する保持筒14)の前面側に一体的に取り付けられている。すなわち、第3のレンズ保持部材5と第4のレンズ保持部材6とは、互いに一体化されて1つの保持ユニット19Bを構成している。また、第3のレンズ保持部材5の背面側には、上記絞りSPの開口を調整するアイリスユニット(絞り調整機構)12が取り付けている。
【0069】
第4のレンズ保持部材6は、第4レンズ群G4を内側に保持する保持枠13と、この保持枠13を内側に収納する保持筒14と、この保持筒14内で保持枠13を光軸方向に変位駆動させるためのボイスコイルモータ(VCM)等からなるフォーカスアクチュエータユニット(第1の駆動ユニット)15とを有しており、保持筒14は、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、保持筒14の外周部には、複数(本例では3つ)の第2のガイドピン11bが周方向に並んで設けられている。
【0070】
第5のレンズ保持部材7は、第5レンズ群G5を内側に保持する保持枠16と、この保持枠16を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠17と、この支持枠17に対して保持枠16を光軸と直交する方向に変位駆動させるためのピエゾ素子(PZT)等からなる防振アクチュエータユニット(第2の駆動ユニット)18とを有している。また、支持枠17の外周部には、複数(本例では3つ)の第4のガイドピン11dが周方向に並んで設けられている。
【0071】
第6のレンズ保持部材8は、第6レンズ群G6を内側に保持する保持枠20と、この保持枠20を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠21とを有しており、支持枠21は、固定筒9内において軸線方向に移動可能な状態で収納されている。また、支持枠21の外周部には、複数(本例では3つ)の第3のガイドピン11cが周方向に並んで設けられている。
【0072】
固定筒9は、全体が略円筒状に形成されて、その内側に収納された第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19B(第3及び第4のレンズ保持部材5,6)、第5のレンズ保持部材7及び第6のレンズ保持部材8を光軸方向に移動可能に支持している。具体的に、この固定筒9には、光軸方向に平行に延びる直線状のガイドスリット22が周方向に複数(本例では3つ)並んで設けられている。
【0073】
そして、固定筒9は、これらガイドスリット22に上記第2、第4、第5及び第6のレンズ保持部材4,6,7,8の外周部から突出された各第1〜第4のガイドピン11a〜11dが係合されることによって、第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19B(第3及び第4のレンズ保持部材5,6)、第5のレンズ保持部材7及び第6のレンズ保持部材8を光軸方向に移動可能に支持している。
【0074】
カム筒10は、全体が略円筒状に形成されて、その内側に収納された固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられている。具体的に、このカム筒10には、上記第2レンズ群G2の移動軌跡に対応する曲線状の第1のカムスリット23aと、上記第3及び第4レンズ群G3,G4の移動軌跡に対応する曲線状の第1のカム部28a及び上記第5レンズ群G5の移動軌跡に対応する曲線状の第2のカム部28bを有する第2のカムスリット28と、上記第6レンズ群G6の移動軌跡に対応する曲線状の第3のカムスリット23cとが、それぞれ周方向に複数(本例では3つ)並んで設けられている。
【0075】
そして、カム筒10は、これら第1〜第3のカムスリット23a,28,23cに上記固定筒9の各ガイドスリット22から突出された各第1〜第4のガイドピン11a〜11dが係合された状態で、固定筒9の外周部に周方向において回転自在に取り付けられている。
【0076】
また、第2のカムスリット28の一方の端縁部に形成された第1のカム部28aに第2のガイドピン11bを当接させると共に、他方の端縁部に形成された第2のカム部28bに第4のガイドピン11dを当接させるため、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7との間には、これら第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とを互いに離間する方向に付勢する複数(本例では3つ)のバネ部材29が配置されている。
【0077】
以上のような構造を有するレンズ鏡筒2Cでは、カム筒10の回転操作により、各第1〜第4のガイドピン11a〜11dが各ガイドスリット22及び各第1〜第3のカムスリット23a,28,23c内を相対的に移動しながら、第2のレンズ保持部材4、保持ユニット19B(第3及び第4のレンズ保持部材5,6)、第5のレンズ保持部材7及び第6のレンズ保持部材8が、各第1〜第3のカムスリット23a,28,23cの形状に合わせた軌跡を描きながら、固定筒9内を光軸方向に移動することになる。
【0078】
交換レンズ1Cは、このようなレンズ鏡筒2Cに、手動又は自動でフォーカシングを行うための機構や、手振れ等を検知するための機構、一眼レフカメラに取り付けるための機構、その他の公知部品等を取り付けることによって構成されている。
【0079】
そして、この交換レンズ1Cでは、一眼レフカメラに取り付けられた状態において、上記レンズ鏡筒2Cのカム筒10を回転操作することによって、第2〜第6レンズ群G2〜G6を光軸方向に移動させながらズーミングを行うことができる。また、ズーミング時に第4レンズ群G4を光軸方向に移動させることによってフォーカシングを行うことができる。さらに、この交換レンズ1Cでは、第5レンズ群G5を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを打ち消す(キャンセル)することができる。
【0080】
本発明を適用したレンズ鏡筒2Cでは、光軸方向において隣接する第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とが同一軌跡を描いて固定筒9内を移動するように、第2のカムスリット28の第1のカム部28aと第2のカム部28bとが同一軌跡を描くように形成されている。そして、このように同一軌跡を描いて移動する第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とを固定筒9内に隣接して配置することで、このレンズ鏡筒2C及び交換レンズ1Cの小型・軽量化が図られている。
【0081】
ところで、図13に示すように、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とを固定筒9内に隣接して配置した場合、第4のレンズ保持部材6に保持されたフォーカスアクチュエータユニット15と、第5のレンズ保持部材7に保持された防振アクチュエータユニット18との間では、それぞれの駆動振動がお互いの位置検出に与える影響を少なくする必要がある。
【0082】
これに対して、本発明では、第4のレンズ保持部材6に設けられた第2のガイドピン11bと、第5のレンズ保持部材7に設けられた第4のガイドピン11dとが、それぞれ回転筒10に設けられた第2のカムスリット28の第1のカム部28aと第2のカム部28bとに係合されている。この場合、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7とは、非接触状態を保ちつつ、その間で伝わる振動の経路を、第2のガイドピン11bと第4のガイドピン11dとの間で延長することができる。更に、振動が伝わる方向も第2のガイドピン11bと第4のガイドピン11dとの間で切り替わるため、振動が伝わりにくい構造となっている。
【0083】
これにより、第4のレンズ保持部材6と第5のレンズ保持部材7との間で振動が伝わることを防止し、フォーカスアクチュエータユニット15と、防振アクチュエータユニット18とにおいて、より高精度な位置検出が可能となる。
【0084】
なお、本発明は、上記第1〜第3の実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第1〜第3の実施形態では、一眼レフフィルムカメラに用いられる交換レンズ1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、レンズシャッタカメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラなどの撮影装置や、プロジェクタなどの画像投影装置といった光学機器、並びにそのような光学機器が備えるレンズ鏡筒に対して、幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1A,1B,1C…交換レンズ(光学機器) 2A,2B,2C…レンズ鏡筒 3…第1のレンズ保持部材 4…第2のレンズ保持部材 5…第3のレンズ保持部材 6…第4のレンズ保持部材(第1の保持部材) 7…第5のレンズ保持部材(第2の保持部材) 8…第6のレンズ保持部材 9…固定筒 10…カム筒 11a…第1のガイドピン 11b…第2のガイドピン 11c…第3のガイドピン 11d…第4のガイドピン 12…アイリスユニット(絞り調整機構) 13…保持枠 14…保持筒 15…フォーカスアクチュエータユニット(第1の駆動ユニット) 16…保持枠 17…支持枠 18…防振アクチュエータユニット(第2の駆動ユニット) 19A,19B…保持ユニット 20…保持枠 21…支持枠 22…ガイドスリット 23a…第1のカムスリット 23b…第2のカムスリット 23c…第3のカムスリット 23d…第4のカムスリット 24…ネジ穴 25…貫通孔 26…ネジ 27…振動吸収部材 28…第2のカムスリット 28a…第1のカム部 28b…第2のカム部 29…バネ部材 L1〜L15…レンズ G1〜G…第1〜第6レンズ群 SP…絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の駆動ユニットを保持する第1の保持部材と、
第2の駆動ユニットを保持する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とを光軸方向に隣接した状態で内部に収納する固定筒と、
前記固定筒を内部に収納した状態で、この固定筒の外周部において周方向に回転自在とされたカム筒とを備え、
前記カム筒の回転操作により、前記第1及び第2の保持部材が同一軌跡を描いて前記固定筒内を移動すると共に、前記第1の駆動ユニットと前記第2の駆動ユニットとの間において、それぞれの駆動ユニットで発生する振動がお互いの位置検出に悪影響を与えることを防止した構造を有することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
第1の駆動ユニットを保持する第1の保持部材と、第2の駆動ユニットを保持する第2の保持部材とが光軸方向に隣接した状態で一体的に取り付けられた保持ユニットと、
前記保持ユニットを内部に収納すると共に、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との何れかの外周部から突出されたガイドピンが係合されるガイドスリットを有する固定筒と、
前記固定筒を内部に収納した状態で、この固定筒の外周部において周方向に回転自在とされると共に、前記ガイドスリットから突出された前記ガイドピンが係合されるカムスリットを有するカム筒とを備え、
前記カム筒の回転操作により、前記ガイドピンが前記ガイドスリット及び前記カムスリット内を相対的に移動することによって、前記保持ユニットを構成する第1の保持部材及び第2の保持部材が同一軌跡を描いて前記固定筒内を移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記保持ユニットは、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間に振動吸収部材を有することを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記保持ユニットは、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との何れか一方に設けられた貫通孔を通して他方に設けられたネジ穴にネジを締結することによって、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とが一体化された構造を有し、
前記振動吸収部材は、前記ネジを貫通させる貫通孔を有して、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
第1の駆動ユニットを保持する第1の保持部材と、
第2の駆動ユニットを保持する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材と第2の保持部材とを光軸方向に隣接した状態で内部に収納すると共に、前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材の外周部から突出された第1のガイドピン及び第2のガイドピンが係合されるガイドスリットを有する固定筒と、
前記固定筒を内部に収納した状態で、この固定筒の外周部において周方向に回転自在とされると共に、前記ガイドスリットから突出された前記第1のガイドピンが係合される第1のカムスリットと、前記ガイドスリットから突出された前記第2のガイドピンが係合される第2のカムスリットとを有して、これら第1及び第2のカムスリットが同一軌跡を描くように形成されたカム筒とを備え、
前記カム筒の回転操作により、前記第1のガイドピンが前記ガイドスリット及び前記第1のカムスリット内を相対的に移動し、前記第2のガイドピンが前記ガイドスリット及び前記第2のカムスリット内を相対的に移動することによって、前記第1の保持部材及び第2の保持部材が同一軌跡を描いて前記固定筒内を移動することを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
第1の駆動ユニットを保持する第1の保持部材と、
第2の駆動ユニットを保持する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材と第2の保持部材とを光軸方向に隣接した状態で内部に収納すると共に、前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材の外周部から突出された第1のガイドピン及び第2のガイドピンが係合されるガイドスリットを有する固定筒と、
前記固定筒を内部に収納した状態で、この固定筒の外周部において周方向に回転自在とされると共に、前記ガイドスリットから突出された前記第1のガイドピン及び第2のガイドピンが係合されるカムスリットを有して、このカムスリットの一方の端縁部に前記第1のガイドピンが当接され、他方の端縁部に前記第2のガイドピンが当接されるカム筒とを備え、
前記カム筒の回転操作により、前記第1及び第2のガイドピンが前記ガイドスリット及び前記カムスリット内を相対的に移動することによって、前記第1の保持部材及び第2の保持部材が同一軌跡を描いて前記固定筒内を移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間に配置されて、これら第1の保持部材と第2の保持部材とを互いに離間する方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記第1の駆動ユニットがフォーカスアクチュエータユニットであり、前記第2の駆動ユニットが防振アクチュエータユニットであることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のレンズ鏡筒を備えた光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−133115(P2012−133115A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284977(P2010−284977)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】