説明

レンズ鏡筒

【課題】 レンズ鏡筒内での電子部品の位置調整を行ったときに、これに接続されるフレキシブル回路基板の撓みによるレンズ鏡筒部品との干渉を防止して小型化を図ったレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】 レンズ鏡筒内での位置調整が行われる絞りユニット2と、絞りユニット2に電気接続され、絞りユニットを位置調整する円周方向に延長配置されているフレキシブル回路基板4を備え、フレキシブル回路基板4は内周面に低反発材料からなる低反発層44を一体に有する。絞り調整を行うためのモータ3を円周方向に位置調整したときにフレキシブル回路基板4に生じる応力は低反発層44によって均等化され、フレキシブル回路基板4は長さ方向にわたって均一な内部応力が生じ、円周方向に沿って均一に撓む。フレキシブル回路基板4の一部において顕著な撓みが生じることがなく、レンズ鏡筒の他部品との干渉が防止でき、レンズ鏡筒の小径化が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラのレンズ鏡筒に関し、特に鏡筒内に配設した電子部品に電気接続を行うためのフレキシブル回路基板を内蔵したレンズ鏡筒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラの標準レンズ及び交換レンズ等のレンズ鏡筒内に絞りや各種センサ等の電子部品を内装する場合、当該電子部品をカメラ本体側に電気接続するためにレンズ鏡筒内にフレキシブル回路基板が設けられる。このようなレンズ鏡筒では、電子部品をレンズ鏡筒内で位置調整することが要求される場合があり、フレキシブル回路基板をレンズ鏡筒内に撓ませた状態で延長配置して電子部品の位置移動ができるようにしている。すなわち、電子部品が一方向に最大で移動された場合にはフレキシブル回路基板が真直状態となり、反対方向に最大で移動された場合にはフレキシブル回路基板が撓むことにより、電子部品の位置移動にかかわらず電子部品とフレキシブル回路基板との電気接続状態を確保し、電子部品の位置調整を可能とするものである。しかしながら、このようにフレキシブル回路基板に撓みが生じると、撓んだ部分がレンズ鏡筒の径方向に変形してレンズ鏡筒内の隣接する光学部品を含むレンズ鏡筒部品に干渉し、これらレンズ鏡筒部品の正常な動作の障害になるという問題が生じる。また、フレキシブル回路基板がレンズ鏡筒部品と干渉することによる機械的、電気的な要因による電気信号の不良が発生するという問題も生じる。
【0003】
このような問題に対し、特許文献1では、レンズ鏡筒内に設けた振れ検出センサにフレキシブル回路基板を接続する構成において、当該フレキシブル回路基板をレンズ鏡筒内の壁部に設けられた切欠き部に、振れ検出センサとは干渉しないようなアーチ型形状をもって配線する構成を採用しており、この構成により振れ検出センサの位置調整を可能にする一方で、フレキシブル回路基板が振れ検出センサに接触することがなく、フレキシブル回路基板の振動による機械的、電気的な要因による出力信号の不良を解消している。
【特許文献1】特開平7−168077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、フレキシブル回路基板を撓ませてレンズ鏡筒内に配設する手法では、フレキシブル回路基板に加えられる曲げ応力によってフレキシブル回路基板の撓み量が大きくなるが、この撓み量が大きくなる箇所はフレキシブル回路基板の形状、寸法、あるいはフレキシブル回路基板の初期の撓み状態等によって決まり、一義的に決めることが困難であるため、レンズ鏡筒内におけるレンズ鏡筒部品と干渉する部分を予測することができない。そのため、従来ではフレキシブル回路基板のいずれの箇所でも撓み量が大きくなってもレンズ鏡筒部品との干渉が生じないようにするためフレキシブル回路基板とレンズ鏡筒部品との間の余裕にマージンをもたせる必要があり、このマージンを確保する分だけレンズ鏡筒を小型化することが難しくなっている。
【0005】
本発明の目的は、レンズ鏡筒内での電子部品の位置調整を可能とする一方でフレキシブル回路基板の撓みによるレンズ鏡筒部品との干渉を防止して小型化を図ったレンズ鏡筒を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、レンズ鏡筒内に設けられ、当該レンズ鏡筒内での位置調整が行われる電子部品と、電子部品に接続されるフレキシブル回路基板とを備え、フレキシブル回路基板がレンズ鏡筒内の構成部材面に沿って電子部品の位置調整方向に延長配置されているレンズ鏡筒であって、構成部材面とフレキシブル回路基板の対向面との間に低反発材料からなる低反発層が介在されていることを特徴とする。ここで、低反発層は両面が構成部材面とフレキシブル回路基板の対向面のそれぞれに密接される。例えば、低反発層はフレキシブル回路基板の対向面に一体的に設けられる。あるいは、低反発層は構成部材面に一体的に設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子部品をレンズ鏡筒内で位置調整したときにフレキシブル回路基板に生じる応力は一体に設けられた低反発層によって吸収され、低反発層の全面にわたって均一な内部応力に変換される。そのため、フレキシブル回路基板には延長方向の全領域にわたって均一な内部応力が生じ、フレキシブル回路基板は全長にわたって均一に撓むことになる。したがって、一部において顕著な撓みが生じることがなく、当該一部においてフレキシブル回路基板が他のレンズ鏡筒部品と干渉することがなく、干渉を防止するために確保するスペースのマージンを縮小し、レンズ鏡筒の小型化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のレンズ鏡筒の好ましい形態としては、電子部品はレンズ鏡筒内において光軸回りに位置調整が可能であり、構成部材面はレンズ鏡筒内に設けられた筒状部材の光軸回りの円周面であり、フレキシブル回路基板は筒状部材の円周面に沿って円周方向に延長配置される。また、電子部品は、レンズ鏡筒内に設けられた絞りユニットの絞り値を変化させるためのモータであり、このモータの光軸回りの円周方向の位置を調整可能に構成する。例えば、フレキシブル回路基板は、レンズ鏡筒内に設けられた第1のレンズ枠の円周面に沿って延長配置する。また、フレキシブル回路基板の外径領域には、レンズ鏡筒内に設けられた第2のレンズ枠が進退可能に構成する。これにより、絞りユニットの近傍におけるフレキシブル回路基板の配設スペースを低減し、レンズ鏡筒の小径化が可能になる。特に、第1のレンズ枠の外径領域に第2のレンズ枠を進退可能に構成したレンズ鏡筒では、第2のレンズ枠の径寸法を縮小することが可能になる。
【実施例1】
【0009】
次に、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。図1は実施例1のレンズ鏡筒の要部を鏡筒光軸Oxに対し垂直な面で切断した断面図であり、図2はそのA−A線断面図である。また、図3は当該要部の一部の概略構成を示す分解斜視図である。実施例1では図には表れないカメラ本体のレンズマウントに着脱可能なレンズ鏡筒内に配設する電子部品として、モータを駆動源とする絞り機構に適用した例を示している。図2及び図3において、レンズ鏡筒内の固定環1には第1レンズL1が第1レンズ枠11により固定支持されている。第1レンズ枠11は光軸方向の前端寄りの位置に外径方向に突出したフランジ部111を有しており、このフランジ部111において前記固定環1に固定されている。また、第1レンズL1と光軸方向に並ぶ第2レンズL2は前記固定環1に対して光軸方向に移動可能な第2レンズ枠12を介して支持されている。この第2レンズL2は例えばフォーカスレンズとして構成されており、光軸方向の位置を調整することで撮影する被写体の焦点合わせを行うものである。ここで、第1レンズL1と第2レンズL2はそれぞれ複数のレンズで構成されるレンズ群であってもよい。また、レンズ鏡筒内には前記第1レンズL1及び第2レンズL2の他にもレンズ又はレンズ群が存在することもあるが、ここでは図示は省略している。
【0010】
実施例1のレンズ鏡筒内には前記第1レンズ枠11の光軸方向の前側位置に絞りユニット2が内装されている。図2及び図3に示すように、この絞りユニット2は前環21と、この前環21に対して光軸回りに相対回動する後環22とを備えており、後環22を前環21に対して相対回動したときに両環の間に介挿されている複数の絞り羽23をそれぞれ径方向に移動させ、後環22の回動量に対応してこれら絞り羽23で構成する絞り開口の開口径、すなわち絞り値を変化させるように構成されている。前記絞りユニット2の前環21はその外周面において取付環25によって前記固定環1に固定支持されている。また、前記後環22の円周面には円周に沿ってリングギヤ24が形成されている。なお、このリングギヤ24は必ずしも後環22の全周に形成される必要はなく、後述するピニオン31に噛合する領域にのみ形成したセクタギヤとして構成してもよい。
【0011】
前記第1レンズ枠11の前記フランジ部111には円周方向の一部に切欠部112が設けられ、この切欠部112に対して円弧状をしたモータ取付板113がビス114により固定されている。このモータ取付板113には回転出力軸を光軸方向に向けた小型のステッピングモータ3が取着されている。また、前記モータ取付板113には円周方向に沿った所要長さの一対の長穴115が設けられ、この長穴115を通して前記ビス114により前記フランジ部111に取着されている。したがって、ビス114を緩めることにより長穴115内でビス114が相対移動可能な範囲でモータ取付板113を第1レンズ枠11に対して円周方向に位置を調整することが可能である。また、前記ステッピングモータ3の回転出力軸にはピニオン31が取着されており、前記絞りユニット2の後環22のリングギヤ24に噛合されている。そのため、ステッピングモータ3が回転動作してピニオン31が回転されると、ピニオン31に噛合しているリングギヤ24、すなわち後環22が光軸回りに回転され、前環21との相対回動量の変化に追従して複数の絞り羽根23の回動角変化により絞り値が変化されることになる。
【0012】
前記ステッピングモータ3の電極部32には細帯状に形成されたフレキシブル回路基板4の一端に設けられたコネクタ41が接続されており、当該フレキシブル回路基板4に設けられている後述する配線パターン43に電気接続されている。前記フレキシブル回路基板4は他端に向けて前記第1レンズ枠11の後端部の周面に沿って光軸回り方向にほぼ3/4周程度延長され、その他端部に設けられたコネクタ42において別の回路基板5に電気接続されている。この回路基板5はここでは前記固定環1の一側面に沿って光軸Oxと平行な方向に延長されており、例えばレンズ鏡筒の後端部に設けられた図には表れないバヨネット部にまで延長され、当該バヨネット部に設けられた電極端子に電気接続されている。この電極端子はカメラ本体のレンズマウントに設けられた電極に接触してカメラ本体に対して電気接続されることは言うまでもない。
【0013】
図4に一部の斜視図を示すように、前記フレキシブル回路基板4は柔軟な樹脂製の絶縁板40の表面に導電薄膜からなる配線パターン43を形成した既存のフレキシブル回路基板4を主体に構成されているが、この絶縁板40の内面、すなわち光軸回り方向に湾曲されて前記第1レンンズ枠11の後端部の周面に対向されている対向面である内周面には低反発軟質フォーム等の低反発材料からなる低反発層44が一体に形成されている。この低反発層44を構成している低反発材料は反発係数の小さい材料であり、例えば樹脂発泡材で形成され、用途として衝撃を吸収するために用いられている。このような低反発材は既に種々の材料が提案されているのでここでは詳細な説明は省略する。実施例1ではこのような低反発材料を薄くかつ細長い帯状に形成した上で接着剤によりフレキシブル回路基板4の内周面に接着して一体化し、前記低反発層44を形成している。この低反発層44の厚さや幅寸法、及び長さ方向の寸法はフレキシブル回路基板4の幅寸法、長さ寸法、柔軟性等に基づいて適宜設定する。そして、前記フレキシブル回路基板4は、図1に示すように、レンズ鏡筒を正面方向から見たときに、ステッピングモータ3から回路基板5に向けて反時計方向(Z1方向)に延長させながら円弧状に湾曲させ、第1レンズ枠11の後端部周面に沿って延長している。なお、このフレキシブル回路基板4の長さは、モータ取付板113が図1の最も時計方向(反Z1方向)に位置されたときにフレキシブル回路基板4の内面、すなわちその内周面に設けた低反発層44が第1レンズ枠11の後端部周面にほぼ全面において接し、しかも図6(a)に一部を示すように低反発層44を径方向に弾性変形させて径寸法を縮小させた状態に配設する。また、フレキシブル回路基板4は他端部側の一部の領域(図1の領域X)において接着剤や両面テープ等によって第1レンズ枠11の当該後端部周面に接着されている。
【0014】
この構成のレンズ鏡筒は、カメラ本体のレンズマウントに装着したときには、カメラ本体からの制御信号はバヨネット部を通して回路基板5に入力され、これにコネクタ42で接続されたフレキシブル回路基板4に伝えられ、さらにコネクタ41と電極部32を介してステッピングモータ3に入力される。ステッピングモータ3は入力された制御信号に対応して所要量だけ回転し、この回転量はピニオン31からリングギヤ24に減速して伝えられ、絞りユニット2の後環22を所要角度だけ回動する。これにより、絞りユニット2は後環22の回動量に対応した絞り開口、すなわち絞り値に設定されることになる。
【0015】
ここで、カメラの絞り調整として、カメラ本体からの基準となる制御信号と、絞りユニット2で制御される基準絞り値とを一致させるための絞り調整が行われる。この絞り調整では第1レンズ枠11に対するステッピングモータ3の光軸回り方向の位置を調整することにより行っている。すなわち、モータ取付板113のビス114を緩め、モータ取付板113を長穴115に沿って移動させて円周方向の位置調整をすると、すなわち第1レンズ枠11に対する円周方向の位置を調整し、ステッピングモータ3の円周方向の位置を変化調整すると、ピニオン31とリングギヤ24とは噛合した状態のままであるのでステッピングモータ3の円周方向の位置変化に追従してリングギヤ24と一体の後環22が回動され、絞りユニット2の基準絞り値が変化される。したがって、カメラ本体からの基準制御信号が入力のときに絞りユニット2が基準の絞り値となるようにステッピングモータ3の円周方向の位置を調整する。この調整が終わった後は再びビス114を締結し、モータ取付板113を第1レンズ枠11に固定する。以降はカメラ本体からの絞りの制御信号に追従してステッピングモータ3が回動し、ピニオン31を介してリングギヤ24を回動し、絞りユニット2を制御信号に対応した絞り値に制御することは前述の通りである。
【0016】
このようにして絞り調整においてステッピングモータ3の円周方向の位置を調整するときに、ステッピングモータ3の円周方向の位置を図1の反時計方向(Z1方向)に移動させると、フレキシブル回路基板4の一端部のコネクタ41も反時計方向に移動されるため他端部のコネクタ42との間の円周方向の間隔が短くなり、フレシキブル回路基板4は全体として外径方向に膨らむような応力が発生する。この状態において、フレキシブル回路基板4の内面の低反発層44はこの応力を吸収するとともに、吸収した応力を低反発層44の全面にわたる均一な内部応力に変える。そのため、低反発層44は図6(b)に一部を示すように、自身が円周方向にわたって均一に径寸法が増大するように変形され、さらにフレキシブル回路基板4は一端部と他端部側の接着部Xとの円周方向の間において、図1に破線で示すように第1レンズ枠11の後端部周面に対して均一な間隔で外径方向に膨らむ状態となる。因みに、フレキシブル回路基板4に低反発層44が設けられていない場合には、図1に鎖線で示すように、フレキシブル回路基板4の円周方向の一部Yのみが顕著に外径方向に膨らむような撓み変形が生じてしまう。
【0017】
このようにフレキシブル回路基板4がほぼ全長にわたって均一に撓み変形することで、図5に示すように、レンズ鏡筒のフォーカス調整において第2レンズL2が光軸方向の前方方向Z2に移動し、第2レンズ枠12の一部が第1レンズ枠11の後端部周面の外径領域にまで進出移動された場合でも、第2レンズ枠12がフレキシブル回路基板4に干渉することが防止される。前述のようにフレキシブル回路基板4が円周一部Yにおいて撓んだときには、図5に示すように、フレキシブル回路基板4の一部Yが第2レンズ枠12と干渉してしまう。これを避けるためには、第2レンズ枠12が外径方向に位置するようにレンズ鏡筒を設計する必要がある。したがって、実施例1では第1レンズ枠11ないしその周囲の部品がフレキシブル回路基板4と干渉しないようなマージンを確保すべく第2レンズ枠12を大径に設計する必要はなくなり、レンズ鏡筒の小径化を進めることが可能になる。
【0018】
また、実施例1では低反発層44をフレキシブル回路基板4の湾曲した内周面に設けているので、ステッピングモータ3が図1の時計方向(反Z1方向)に最大に移動されてフレキシブル回路基板4の内周面が第1レンズ枠11の後端部周面に近接して低反発層44を縮小させることになるが、この際にも低反発層44は加えられる応力を吸収して均等に縮小されるためフレキシブル回路基板4や第1レンズ枠11に機械的なダメージを与えることもない。したがって、フレキシブル回路基板4の円周方向の長さを必要最小限の長さに設計することも可能であり、これによりフレキシブル回路基板4が外径方向に撓んだときの径寸法をさらに小さくしてレンズ鏡筒の小径化を進めることができる。
【0019】
実施例1では低反発層は低反発材料の薄膜をフレキシブル回路基板の内周面に接着しているが、溶着によって一体化してもよい。あるいは、低反発材料をフレキシブル回路基板の内周面に塗布して低反発層を形成してもよい。また、低反発層はフレキシブル回路基板を延長する筒状部材の外周面に接着、溶着、塗布等によって形成し、形成した低反発層の表面をフレキシブル回路基板の内周面に接触させるようにしてもよい。
【0020】
実施例1では本発明の電子部品として絞りユニットに適用した例を示したが、レンズ鏡筒内に内装して位置調整が要求される電子部品であれば、引用文献1のような振れ検出センサやその他のセンサ等の各種電子部品を備えるレンズ鏡筒についても本発明を同様に適用することが可能である。また、本発明は実施例1のように筒状部材の円周面に配設したフレキシブル回路基板に限られるものではなく、特許文献1のように光軸方向にほぼ真直状態に延長配置したフレキシブル回路基板についても同様に適用できる。例えば、フレキシブル回路基板を筒状部材の円周面の円周一部において光軸方向に延長したものについても適用できる。また、本発明にかかる筒状部材は実施例1のようなレンズ枠に限られるものではなく、フレキシブル回路基板を外周面に沿って延長することが可能な筒状部材であれば同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のレンズ鏡筒の光軸と垂直な方向の断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】実施例1の要部の概略構成を示す部分分解斜視図である。
【図4】フレキシブル回路基板の一部を破断した斜視図である。
【図5】フレキシブル回路基板の撓み状態を示す図2と同様の断面図である。
【図6】低反発層の径方向寸法の縮小、増大を示す模式図である。
【符号の説明】
【0022】
1 固定環
2 絞りユニット
3 ステッピングモータ
4 フレキシブル回路基板
5 回路基板
11 第1レンズ枠
12 第2レンズ枠
24 リングギヤ
31 ピニオン
41,42 コネクタ
113 モータ取付板
114 ビス
115 長穴
L1,L2 レンズ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒内に設けられ、当該レンズ鏡筒内での位置調整が行われる電子部品と、前記電子部品に接続されるフレキシブル回路基板とを備え、前記フレキシブル回路基板が前記レンズ鏡筒内の構成部材面に沿って前記電子部品の位置調整方向に延長配置されているレンズ鏡筒であって、前記構成部材面と前記フレキシブル回路基板の対向面との間に低反発材料からなる低反発層が介在されていることを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
前記低反発層は両面が前記構成部材面と前記フレキシブル回路基板の対向面のそれぞれに密接されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記低反発層は前記フレキシブル回路基板の対向面に一体的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記低反発層は前記構成部材面に一体的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記電子部品は前記レンズ鏡筒内において光軸回りに位置調整が可能であり、前記構成部材面は前記レンズ鏡筒内に設けられた筒状部材の光軸回りの円周面であり、前記フレキシブル回路基板は前記筒状部材の円周面に沿って円周方向に延長配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記筒状部材はレンズ鏡筒内に設けられたレンズ枠であることを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記電子部品は、レンズ鏡筒内に設けられた絞りユニットの絞り値を変化させるためのモータであり、前記モータの光軸回りの円周方向の位置を調整可能に構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記フレキシブル回路基板の外径領域には、レンズ鏡筒内に設けられた他のレンズ枠が進退可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記フレキシブル回路基板は一端部において前記電子部品に連結され、他端部において前記レンズ鏡筒内の一部に固定されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズ鏡筒。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−46438(P2008−46438A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222972(P2006−222972)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】