レーザ加工機
【課題】 テーブル上のワークの搬送に専用の搬送装置を要さないレーザ加工機を提供する。
【解決手段】 ローディングステーション、アイドルステーションおよびワーク位置決めステーションが前後等間隔に設けられ、テーブルには、第一受け渡し装置、第二受け渡し装置およびワーク治具が前後等間隔に設けられ、テーブルの移動により、第一受け渡し装置をローディングステーションに、第二受け渡し装置をアイドルステーションに、ワーク治具をワーク位置決めステーションに対応させて、各受け渡し装置が各ステーションからワークを受け取り、ワーク位置決め装置がワークをワーク治具に受け渡した後、テーブルの移動により、第一受け渡し装置をアイドルステーションに、第二受け渡し装置をワーク位置決めステーションに、ワーク治具を加工位置に対応させて、各受け渡し装置が各ステーションにワークを受け渡した後、ワーク治具に固定されたワークを加工する。
【解決手段】 ローディングステーション、アイドルステーションおよびワーク位置決めステーションが前後等間隔に設けられ、テーブルには、第一受け渡し装置、第二受け渡し装置およびワーク治具が前後等間隔に設けられ、テーブルの移動により、第一受け渡し装置をローディングステーションに、第二受け渡し装置をアイドルステーションに、ワーク治具をワーク位置決めステーションに対応させて、各受け渡し装置が各ステーションからワークを受け取り、ワーク位置決め装置がワークをワーク治具に受け渡した後、テーブルの移動により、第一受け渡し装置をアイドルステーションに、第二受け渡し装置をワーク位置決めステーションに、ワーク治具を加工位置に対応させて、各受け渡し装置が各ステーションにワークを受け渡した後、ワーク治具に固定されたワークを加工する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル上でワークを搬送するレーザ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前後に移動可能なテーブルと、左右および上下に移動可能な加工ヘッドとを備えるレーザ加工機であって、テーブルの上面に設けられたワーク治具と、テーブルとは独立して設けられたワーク位置決めステーションを備え、ワーク位置決めステーションのワーク位置決め装置がワークの姿勢を調整した後、ワークをワーク治具に載置し、加工ヘッドがワークを加工するものが知られている。そしてこの加工機がラインに組み込まれる場合、ラインの前工程より搬入されるワークを受けるローディングステーションと、加工前のワークを待機させるアイドルステーションを設けることで、ワークを前工程から後工程へスムーズに流すことができる。ところが、従来の加工機では、ローディングステーションからアイドルステーションへワークを移動させる第一の搬送装置と、アイドルステーションからワーク位置決めステーションへワークを移動させる第二の搬送装置とが、加工機の設置面または加工機固定部に付設されてあり、それぞれの搬送装置が個別の動力源を有し、独立して動作していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来機は、加工機に二つの搬送装置が付加されており構成が繁雑で、また、テーブルと、第一の搬送装置と、第二の搬送装置のそれぞれに動力源が必要なため、設備費が高く、メンテナンスにも手間がかかるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、ワークのローディングステーションからアイドルステーションへの移動およびアイドルステーションからワーク位置決めステーションへの移動に専用の搬送装置を要さない簡易な構成のレーザ加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうち請求項1の発明は、前後に移動可能なテーブルと、左右および上下に移動可能な加工ヘッドとを備えるレーザ加工機において、前記加工ヘッドによる加工位置より後方において、前工程より搬入されるワークを受けるローディングステーション、加工前のワークを待機させるアイドルステーションおよびワークの姿勢を調整するためのワーク位置決めステーションが、後側から前側にかけて等間隔に設けられ、各ステーションは、加工機固定部に設けられ前記テーブルより上方でワークを支持する第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置を有しており、前記テーブルには、ワークを各ステーション間で受け渡しする第一受け渡し装置および第二受け渡し装置ならびに前記加工ヘッドによる加工位置に対応してワークを固定支持するワーク治具が、後側から前側にかけて前記等間隔に設けられ、前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記ローディングステーションに、前記第二受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記ワーク治具を前記ワーク位置決めステーションに対応させたとき、前記第一受け渡し装置が前記第一ワーク受けに載置されたワークを受け取ると同時に前記第二受け渡し装置が前記第二ワーク受けに載置されたワークを受け取り、前記ワーク位置決め装置がワークを前記ワーク治具に受け渡した後、前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記第二受け渡し装置を前記ワーク位置決めステーションに、前記ワーク治具を加工位置に対応させたとき、前記第一受け渡し装置がワークを前記第二ワーク受けに受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置がワークを前記ワーク位置決め装置に受け渡した後、前記加工ヘッドがテーブルの移動を伴って前記ワーク治具に固定されたワークを加工することを特徴とする。
【0006】
本発明のうち請求項2の発明は、前記第一ワーク受けおよび前記第二ワーク受けが、それぞれ前記テーブルの左右両側に位置する一対の受け部を有し、前記ワーク位置決め装置が、前記テーブルの左右両側に位置する、ワークの前後左右方向の姿勢を調整する一対の調整部を有し、該調整部が上下動可能であり、前記第一受け渡し装置および前記第二受け渡し装置が、前記受け部より内側でワークを受けて上下動可能な把持部を有しており、前記第一受け渡し装置の把持部が上昇して前記第一ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げると同時に、前記第二受け渡し装置の把持部が上昇して前記第二ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げ、前記ワーク位置決め装置の調整部が下降してワークを前記ワーク治具に受け渡した後、前記テーブルが前側に移動し、前記ワーク位置決め装置の調整部が上昇し、前記第一受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記第二ワーク受けの受け部に受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記ワーク位置決め装置の調整部に受け渡すことを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項3の発明は、前記加工ヘッドによる加工位置より前方において、加工後のワークを搬出するためのアンローディングステーションが設けられ、該アンローディングステーションが前記ワーク治具の前側に設けられたワーク搬出装置を有し、該ワーク搬出装置が前記ワーク治具に載置された加工後のワークを後工程へ搬出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1の発明によれば、テーブルの前後移動により、ワークをローディングステーションからアイドルステーションおよびアイドルステーションからワーク位置決めステーションへと移動させるので、他の搬送装置を要さず、簡易な構成とすることができる。またそれに伴い、設備費が安く、メンテナンスも容易である。
【0009】
本発明のうち請求項2の発明によれば、特に長尺のワークについて、第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置においてその両端を支持し、第一受け渡し装置および第二受け渡し装置によって、両端を支持されたワークの中央部分を持ち上げることができ、ワークの受け渡し動作が上下動によってスムーズに行えるので、好適である。
【0010】
本発明のうち請求項3の発明によれば、アンローディングステーションを設けたので、本加工機をラインの途中に組み込み、前工程から搬入されたワークを加工し、後工程へ搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のレーザ加工機の側面図。
【図2】レーザ加工機の平面図。
【図3】ワーク位置決め装置の説明図。
【図4】図1のA−A線断面図。
【図5】ワーク治具の説明図。
【図6(a)】ワーク搬送の第一工程を示す説明図。
【図6(b)】ワーク搬送の第二工程を示す説明図。
【図6(c)】ワーク搬送の第三工程を示す説明図。
【図6(d)】ワーク搬送の第四工程を示す説明図。
【図6(e)】ワーク搬送の第五工程を示す説明図。
【図6(f)】ワーク搬送の第六工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のレーザ加工機の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。なお、前後方向とはワークが流れる方向であり(後から前へ流れる)、図1上の左右方向が前後方向に相当する。また、ワークは長尺のものを想定し、その長手方向が加工機の左右方向に一致する向きで搬入される。図1および図2に示すように、設置面Fにベッド11が固定されており、ベッド11の上面にテーブル1が前後方向に移動可能に取り付けられている。ベッド11とテーブル1の間には、テーブル1を前後に移動するための送り移動機構が設けられている(図示省略)。ベッド11の左右両側には、それぞれコラム12が立設されており、両コラム12の上端にはビーム13が横架されている。ビーム13の前側にはヘッド本体21が左右および上下方向に移動可能に取り付けられており、ヘッド本体21の下部に加工ヘッド2が設けられている。ヘッド本体21には、レーザ発振器(図示省略)が接続されており、レーザ発振器で生じたレーザ光が加工ヘッド2の先端まで導かれている。加工ヘッド2は、水平方向より下向きであれば自在な向きにレーザを照射できる。
【0013】
加工ヘッド2による加工位置より後方には、前工程より搬入されるワークWを受けるローディングステーションS1、加工前のワークWを待機させるアイドルステーションS2およびワークWの姿勢を調整するためのワーク位置決めステーションS3が、後側から前側にかけて設けられている。ローディングステーションS1は第一ワーク受け3を、アイドルステーションS2は第二ワーク受け4を、ワーク位置決めステーションS3はワーク位置決め装置5を有しており、以下に詳述する。
【0014】
ベッド11の左右両側でコラム12より後側には、それぞれ柱部材14が立設されており、両柱部材14の上端には、前後方向に延びる固定梁部材15が設けられている。両固定梁部材15の後側端には、略コ字形で上方に開口した受け部31が設けられており、両受け部31が、前工程より搬入されるワークWを受ける第一ワーク受け3を構成している。一方、両固定梁部材15の前記受け部31より前側にも、略コ字形で上方に開口した受け部41が設けられており、両受け部41が、加工前のワークWを待機させる第二ワーク受け4を構成している。
【0015】
両コラム12の対向する面には、それぞれワーク位置決め装置5が設けられている。ワーク位置決め装置5は、図3((a)は正面図、(b)は上面図である)に示すように、ワークWを載置し、かつワークWの姿勢を調整する調整部51と、調整部51を上下方向に移動させる駆動機構52とを備える。そして調整部51は、ワークWを前後から挟むクランプ53と、左右(図3(a)中では紙面垂直方向)に移動可能でワークWの端部に当接する当接板54とを有しており、左右の両調整部51のクランプ53がワークWを挟むことで前後方向の位置を調整し、当接板54がワークWの両端にそれぞれ当接することで左右方向の位置を調整する。
【0016】
なお、第一ワーク受け3、第二ワーク受け4およびワーク位置決め装置5は、前後方向に等間隔に配設されている。ただし、各部同士の間隔は、ワークWを載置した際のワークWの前後方向中心を基準としている。
【0017】
テーブル1の上面には、後側から順に第一受け渡し装置6および第二受け渡し装置7が設けられている。第一受け渡し装置6と第二受け渡し装置7は同様の構成であり、図2および図4に示すように、テーブル1の左右方向中央に設けられた上下動するシリンダ61,71と、シリンダ61,71の左右両側に設けられた伸縮する支持柱62,72と、シリンダ61,71および支持柱62,72の上端に設けられた左右に延びる可動梁部材63,73と、可動梁部材63,73の左右両端に設けられた略コ字形で上方に開口する把持部64,74からなる。シリンダ61,71の動作によって、可動梁部材63,73および把持部64,74が上下動し、両端を第一ワーク受け3または第二ワーク受け4に支持されたワークWの中央部分を把持して持ち上げる。
【0018】
そしてテーブル1の上面の第二受け渡し装置7より前側には、加工時にワークWを固定するためのワーク治具8が設けられている。ワーク治具8は、図5に示すように、ワークWを載置する受け部81と、受け部81の上面から上向きに突出するロケートピン82と、ワークWを上側から押さえる押さえ部83とを備えており、ロケートピン82がワークWに形成された孔に挿入され、押さえ部83がワークWを押さえることで、ワークWがワーク治具8に固定される。さらに、ワーク治具8には、回動装置84およびリフタ85が設けられている。回動装置84は、受け部81および押さえ部83ごとワークWを左右方向軸周りに回転割出しし、姿勢変換させることができる。一方、リフタ85はシリンダ86に駆動されてワークWを持ち上げ、ワークWの孔からロケートピン82を抜いてワークWをワーク治具8から取り外せる状態にする。
【0019】
なお、第一受け渡し装置6、第二受け渡し装置7およびワーク治具8は、前後方向に等間隔に配置されており、各部同士の間隔は、第一ワーク受け3、第二ワーク受け4およびワーク位置決め装置5の各部同士の間隔に等しい。
【0020】
ベッド11の前側には、後工程へのワーク受け渡し位置に対応してアンローディングステーションS4が設けられ、アンローディングステーションS4はワーク搬出装置9を有している。ワーク搬出装置9は、後工程へのワーク受け渡し位置に位置して左右に、受け部31,41と同様の受け部91を有し、両受け部91の内側において、前後および上下に移動可能な左右一対の搬送爪92を備える。一対の搬送爪92が加工位置へ移動し、加工後のワークWを持ち上げてワーク治具8から取り外し、前方へ移動してアンローディングステーションS4の受け部91上に降ろす。
【0021】
次に、このように構成されたレーザ加工機の動作手順について、図6(a)〜(f)に基づき説明する。図6(a)に示す第一工程(初期状態)において、第一ワーク受け3の受け部31には第一ワークW1が、第二ワーク受け4の受け部41には第二ワークW2が、ワーク位置決め装置5の調整部51には第三ワークW3がそれぞれ載置されており、第三ワークW3は既に姿勢が調整されている。テーブル1は最後部に後退しており、第一ワーク受け3の真下に第一受け渡し装置6が、第二ワーク受け4の真下に第二受け渡し装置7が、ワーク位置決め装置5の真下にワーク治具8が位置している。
【0022】
次に、図6(b)に示す第二工程において、第一受け渡し装置6の把持部64が上昇して第一ワーク受け3の第一ワークW1を持ち上げると同時に、第二受け渡し装置7の把持部74が上昇して第二ワーク受け4の第二ワークW2を持ち上げ、さらにワーク位置決め装置5の調整部51が下降する。そして調整部51のクランプ53が開き、当接板54が後退して第三ワークW3の端部から離間して、第三ワークW3を開放し、ワーク治具8の受け部81に載置する。この際、受け部81に設けられたロケートピン82が第三ワークW3に形成された孔に挿入され、さらにワーク治具8の押さえ部83が第三ワークW3を押さえて固定する。
【0023】
次に、図6(c)に示す第三工程において、テーブル1が、第二ワーク受け4と第一受け渡し装置6の前後方向位置およびワーク位置決め装置5と第二受け渡し装置7の前後方向位置が一致する地点まで前進する。そして、ワーク位置決め装置5の調整部51が上昇して初期状態の位置に戻る。
【0024】
次に、図6(d)に示す第四工程において、第一受け渡し装置6の把持部64が下降して第一ワークW1を第二ワーク受け4の受け部41に受け渡すと同時に、第二受け渡し装置7の把持部74が下降して第二ワークW2をワーク位置決め装置5の調整部51に受け渡す。その後、あらかじめ設定されたとおりにテーブル1、加工ヘッド2およびワーク治具8が動き、適宜レーザが照射されて、第三ワークW3を加工する。また、第三ワークW3の加工と並行して、調整部51のクランプ53が閉じて第二ワークW2を前後から挟んで前後方向の位置を調整し、当接板54が第二ワークW2の両端に当接して左右方向の位置を調整する。第三ワークW3の加工中にはテーブル1が移動するが、ワーク位置決め装置5はテーブル1とは独立して設けられているので、加工と位置決めは同時に行うことができる。
【0025】
次に、図6(e)に示す第五工程において、第三ワークW3の加工終了後、押さえ部83が第三ワークW3を開放し、リフタ85が第三ワークW3を持ち上げて、第三ワークW3の孔からロケートピン82を抜くと同時にテーブル1が最前部へ前進する。そしてワーク搬出装置9の搬送爪92が前側下方からワーク治具8に向かって移動し、ワーク治具8の真下に到達したら、上昇して第三ワークW3を持ち上げ、ワーク治具8から取り外す。
【0026】
次に、図6(f)に示す第六工程において、ワーク搬出装置9の搬送爪92が第三ワークW3を把持したまま前方へ移動し、下降することによって第三ワークW3を受け部91に載置して後工程への受け渡し位置に搬出する。そして、それと並行してテーブル1が最後部へ後退し、前工程から新たなワークが搬入され、第一ワーク受け3の受け部31に載置されることで、図6(a)の第一工程に戻る。
【0027】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置は、テーブルと独立して設置されていればよく、例えば設置面に直接固定されていてもよい。また、各受け部や各把持部の形状はワークの形状に合わせて自由に設定できるし、ワーク治具の構成もワークの形状や加工内容に合わせて自由に設定できる。さらに、ワーク搬出装置は、レーザ加工機のベッドと一体に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 テーブル
2 加工ヘッド
3 第一ワーク受け
4 第二ワーク受け
5 ワーク位置決め装置
6 第一受け渡し装置
7 第二受け渡し装置
8 ワーク治具
9 ワーク搬出装置
31 受け部(第一ワーク受け)
41 受け部(第二ワーク受け)
51 調整部
64 把持部(第一受け渡し装置)
74 把持部(第二受け渡し装置)
S1 ローディングステーション
S2 アイドルステーション
S3 ワーク位置決めステーション
S4 アンローディングステーション
W ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル上でワークを搬送するレーザ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前後に移動可能なテーブルと、左右および上下に移動可能な加工ヘッドとを備えるレーザ加工機であって、テーブルの上面に設けられたワーク治具と、テーブルとは独立して設けられたワーク位置決めステーションを備え、ワーク位置決めステーションのワーク位置決め装置がワークの姿勢を調整した後、ワークをワーク治具に載置し、加工ヘッドがワークを加工するものが知られている。そしてこの加工機がラインに組み込まれる場合、ラインの前工程より搬入されるワークを受けるローディングステーションと、加工前のワークを待機させるアイドルステーションを設けることで、ワークを前工程から後工程へスムーズに流すことができる。ところが、従来の加工機では、ローディングステーションからアイドルステーションへワークを移動させる第一の搬送装置と、アイドルステーションからワーク位置決めステーションへワークを移動させる第二の搬送装置とが、加工機の設置面または加工機固定部に付設されてあり、それぞれの搬送装置が個別の動力源を有し、独立して動作していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来機は、加工機に二つの搬送装置が付加されており構成が繁雑で、また、テーブルと、第一の搬送装置と、第二の搬送装置のそれぞれに動力源が必要なため、設備費が高く、メンテナンスにも手間がかかるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、ワークのローディングステーションからアイドルステーションへの移動およびアイドルステーションからワーク位置決めステーションへの移動に専用の搬送装置を要さない簡易な構成のレーザ加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうち請求項1の発明は、前後に移動可能なテーブルと、左右および上下に移動可能な加工ヘッドとを備えるレーザ加工機において、前記加工ヘッドによる加工位置より後方において、前工程より搬入されるワークを受けるローディングステーション、加工前のワークを待機させるアイドルステーションおよびワークの姿勢を調整するためのワーク位置決めステーションが、後側から前側にかけて等間隔に設けられ、各ステーションは、加工機固定部に設けられ前記テーブルより上方でワークを支持する第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置を有しており、前記テーブルには、ワークを各ステーション間で受け渡しする第一受け渡し装置および第二受け渡し装置ならびに前記加工ヘッドによる加工位置に対応してワークを固定支持するワーク治具が、後側から前側にかけて前記等間隔に設けられ、前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記ローディングステーションに、前記第二受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記ワーク治具を前記ワーク位置決めステーションに対応させたとき、前記第一受け渡し装置が前記第一ワーク受けに載置されたワークを受け取ると同時に前記第二受け渡し装置が前記第二ワーク受けに載置されたワークを受け取り、前記ワーク位置決め装置がワークを前記ワーク治具に受け渡した後、前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記第二受け渡し装置を前記ワーク位置決めステーションに、前記ワーク治具を加工位置に対応させたとき、前記第一受け渡し装置がワークを前記第二ワーク受けに受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置がワークを前記ワーク位置決め装置に受け渡した後、前記加工ヘッドがテーブルの移動を伴って前記ワーク治具に固定されたワークを加工することを特徴とする。
【0006】
本発明のうち請求項2の発明は、前記第一ワーク受けおよび前記第二ワーク受けが、それぞれ前記テーブルの左右両側に位置する一対の受け部を有し、前記ワーク位置決め装置が、前記テーブルの左右両側に位置する、ワークの前後左右方向の姿勢を調整する一対の調整部を有し、該調整部が上下動可能であり、前記第一受け渡し装置および前記第二受け渡し装置が、前記受け部より内側でワークを受けて上下動可能な把持部を有しており、前記第一受け渡し装置の把持部が上昇して前記第一ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げると同時に、前記第二受け渡し装置の把持部が上昇して前記第二ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げ、前記ワーク位置決め装置の調整部が下降してワークを前記ワーク治具に受け渡した後、前記テーブルが前側に移動し、前記ワーク位置決め装置の調整部が上昇し、前記第一受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記第二ワーク受けの受け部に受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記ワーク位置決め装置の調整部に受け渡すことを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項3の発明は、前記加工ヘッドによる加工位置より前方において、加工後のワークを搬出するためのアンローディングステーションが設けられ、該アンローディングステーションが前記ワーク治具の前側に設けられたワーク搬出装置を有し、該ワーク搬出装置が前記ワーク治具に載置された加工後のワークを後工程へ搬出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1の発明によれば、テーブルの前後移動により、ワークをローディングステーションからアイドルステーションおよびアイドルステーションからワーク位置決めステーションへと移動させるので、他の搬送装置を要さず、簡易な構成とすることができる。またそれに伴い、設備費が安く、メンテナンスも容易である。
【0009】
本発明のうち請求項2の発明によれば、特に長尺のワークについて、第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置においてその両端を支持し、第一受け渡し装置および第二受け渡し装置によって、両端を支持されたワークの中央部分を持ち上げることができ、ワークの受け渡し動作が上下動によってスムーズに行えるので、好適である。
【0010】
本発明のうち請求項3の発明によれば、アンローディングステーションを設けたので、本加工機をラインの途中に組み込み、前工程から搬入されたワークを加工し、後工程へ搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のレーザ加工機の側面図。
【図2】レーザ加工機の平面図。
【図3】ワーク位置決め装置の説明図。
【図4】図1のA−A線断面図。
【図5】ワーク治具の説明図。
【図6(a)】ワーク搬送の第一工程を示す説明図。
【図6(b)】ワーク搬送の第二工程を示す説明図。
【図6(c)】ワーク搬送の第三工程を示す説明図。
【図6(d)】ワーク搬送の第四工程を示す説明図。
【図6(e)】ワーク搬送の第五工程を示す説明図。
【図6(f)】ワーク搬送の第六工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のレーザ加工機の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。なお、前後方向とはワークが流れる方向であり(後から前へ流れる)、図1上の左右方向が前後方向に相当する。また、ワークは長尺のものを想定し、その長手方向が加工機の左右方向に一致する向きで搬入される。図1および図2に示すように、設置面Fにベッド11が固定されており、ベッド11の上面にテーブル1が前後方向に移動可能に取り付けられている。ベッド11とテーブル1の間には、テーブル1を前後に移動するための送り移動機構が設けられている(図示省略)。ベッド11の左右両側には、それぞれコラム12が立設されており、両コラム12の上端にはビーム13が横架されている。ビーム13の前側にはヘッド本体21が左右および上下方向に移動可能に取り付けられており、ヘッド本体21の下部に加工ヘッド2が設けられている。ヘッド本体21には、レーザ発振器(図示省略)が接続されており、レーザ発振器で生じたレーザ光が加工ヘッド2の先端まで導かれている。加工ヘッド2は、水平方向より下向きであれば自在な向きにレーザを照射できる。
【0013】
加工ヘッド2による加工位置より後方には、前工程より搬入されるワークWを受けるローディングステーションS1、加工前のワークWを待機させるアイドルステーションS2およびワークWの姿勢を調整するためのワーク位置決めステーションS3が、後側から前側にかけて設けられている。ローディングステーションS1は第一ワーク受け3を、アイドルステーションS2は第二ワーク受け4を、ワーク位置決めステーションS3はワーク位置決め装置5を有しており、以下に詳述する。
【0014】
ベッド11の左右両側でコラム12より後側には、それぞれ柱部材14が立設されており、両柱部材14の上端には、前後方向に延びる固定梁部材15が設けられている。両固定梁部材15の後側端には、略コ字形で上方に開口した受け部31が設けられており、両受け部31が、前工程より搬入されるワークWを受ける第一ワーク受け3を構成している。一方、両固定梁部材15の前記受け部31より前側にも、略コ字形で上方に開口した受け部41が設けられており、両受け部41が、加工前のワークWを待機させる第二ワーク受け4を構成している。
【0015】
両コラム12の対向する面には、それぞれワーク位置決め装置5が設けられている。ワーク位置決め装置5は、図3((a)は正面図、(b)は上面図である)に示すように、ワークWを載置し、かつワークWの姿勢を調整する調整部51と、調整部51を上下方向に移動させる駆動機構52とを備える。そして調整部51は、ワークWを前後から挟むクランプ53と、左右(図3(a)中では紙面垂直方向)に移動可能でワークWの端部に当接する当接板54とを有しており、左右の両調整部51のクランプ53がワークWを挟むことで前後方向の位置を調整し、当接板54がワークWの両端にそれぞれ当接することで左右方向の位置を調整する。
【0016】
なお、第一ワーク受け3、第二ワーク受け4およびワーク位置決め装置5は、前後方向に等間隔に配設されている。ただし、各部同士の間隔は、ワークWを載置した際のワークWの前後方向中心を基準としている。
【0017】
テーブル1の上面には、後側から順に第一受け渡し装置6および第二受け渡し装置7が設けられている。第一受け渡し装置6と第二受け渡し装置7は同様の構成であり、図2および図4に示すように、テーブル1の左右方向中央に設けられた上下動するシリンダ61,71と、シリンダ61,71の左右両側に設けられた伸縮する支持柱62,72と、シリンダ61,71および支持柱62,72の上端に設けられた左右に延びる可動梁部材63,73と、可動梁部材63,73の左右両端に設けられた略コ字形で上方に開口する把持部64,74からなる。シリンダ61,71の動作によって、可動梁部材63,73および把持部64,74が上下動し、両端を第一ワーク受け3または第二ワーク受け4に支持されたワークWの中央部分を把持して持ち上げる。
【0018】
そしてテーブル1の上面の第二受け渡し装置7より前側には、加工時にワークWを固定するためのワーク治具8が設けられている。ワーク治具8は、図5に示すように、ワークWを載置する受け部81と、受け部81の上面から上向きに突出するロケートピン82と、ワークWを上側から押さえる押さえ部83とを備えており、ロケートピン82がワークWに形成された孔に挿入され、押さえ部83がワークWを押さえることで、ワークWがワーク治具8に固定される。さらに、ワーク治具8には、回動装置84およびリフタ85が設けられている。回動装置84は、受け部81および押さえ部83ごとワークWを左右方向軸周りに回転割出しし、姿勢変換させることができる。一方、リフタ85はシリンダ86に駆動されてワークWを持ち上げ、ワークWの孔からロケートピン82を抜いてワークWをワーク治具8から取り外せる状態にする。
【0019】
なお、第一受け渡し装置6、第二受け渡し装置7およびワーク治具8は、前後方向に等間隔に配置されており、各部同士の間隔は、第一ワーク受け3、第二ワーク受け4およびワーク位置決め装置5の各部同士の間隔に等しい。
【0020】
ベッド11の前側には、後工程へのワーク受け渡し位置に対応してアンローディングステーションS4が設けられ、アンローディングステーションS4はワーク搬出装置9を有している。ワーク搬出装置9は、後工程へのワーク受け渡し位置に位置して左右に、受け部31,41と同様の受け部91を有し、両受け部91の内側において、前後および上下に移動可能な左右一対の搬送爪92を備える。一対の搬送爪92が加工位置へ移動し、加工後のワークWを持ち上げてワーク治具8から取り外し、前方へ移動してアンローディングステーションS4の受け部91上に降ろす。
【0021】
次に、このように構成されたレーザ加工機の動作手順について、図6(a)〜(f)に基づき説明する。図6(a)に示す第一工程(初期状態)において、第一ワーク受け3の受け部31には第一ワークW1が、第二ワーク受け4の受け部41には第二ワークW2が、ワーク位置決め装置5の調整部51には第三ワークW3がそれぞれ載置されており、第三ワークW3は既に姿勢が調整されている。テーブル1は最後部に後退しており、第一ワーク受け3の真下に第一受け渡し装置6が、第二ワーク受け4の真下に第二受け渡し装置7が、ワーク位置決め装置5の真下にワーク治具8が位置している。
【0022】
次に、図6(b)に示す第二工程において、第一受け渡し装置6の把持部64が上昇して第一ワーク受け3の第一ワークW1を持ち上げると同時に、第二受け渡し装置7の把持部74が上昇して第二ワーク受け4の第二ワークW2を持ち上げ、さらにワーク位置決め装置5の調整部51が下降する。そして調整部51のクランプ53が開き、当接板54が後退して第三ワークW3の端部から離間して、第三ワークW3を開放し、ワーク治具8の受け部81に載置する。この際、受け部81に設けられたロケートピン82が第三ワークW3に形成された孔に挿入され、さらにワーク治具8の押さえ部83が第三ワークW3を押さえて固定する。
【0023】
次に、図6(c)に示す第三工程において、テーブル1が、第二ワーク受け4と第一受け渡し装置6の前後方向位置およびワーク位置決め装置5と第二受け渡し装置7の前後方向位置が一致する地点まで前進する。そして、ワーク位置決め装置5の調整部51が上昇して初期状態の位置に戻る。
【0024】
次に、図6(d)に示す第四工程において、第一受け渡し装置6の把持部64が下降して第一ワークW1を第二ワーク受け4の受け部41に受け渡すと同時に、第二受け渡し装置7の把持部74が下降して第二ワークW2をワーク位置決め装置5の調整部51に受け渡す。その後、あらかじめ設定されたとおりにテーブル1、加工ヘッド2およびワーク治具8が動き、適宜レーザが照射されて、第三ワークW3を加工する。また、第三ワークW3の加工と並行して、調整部51のクランプ53が閉じて第二ワークW2を前後から挟んで前後方向の位置を調整し、当接板54が第二ワークW2の両端に当接して左右方向の位置を調整する。第三ワークW3の加工中にはテーブル1が移動するが、ワーク位置決め装置5はテーブル1とは独立して設けられているので、加工と位置決めは同時に行うことができる。
【0025】
次に、図6(e)に示す第五工程において、第三ワークW3の加工終了後、押さえ部83が第三ワークW3を開放し、リフタ85が第三ワークW3を持ち上げて、第三ワークW3の孔からロケートピン82を抜くと同時にテーブル1が最前部へ前進する。そしてワーク搬出装置9の搬送爪92が前側下方からワーク治具8に向かって移動し、ワーク治具8の真下に到達したら、上昇して第三ワークW3を持ち上げ、ワーク治具8から取り外す。
【0026】
次に、図6(f)に示す第六工程において、ワーク搬出装置9の搬送爪92が第三ワークW3を把持したまま前方へ移動し、下降することによって第三ワークW3を受け部91に載置して後工程への受け渡し位置に搬出する。そして、それと並行してテーブル1が最後部へ後退し、前工程から新たなワークが搬入され、第一ワーク受け3の受け部31に載置されることで、図6(a)の第一工程に戻る。
【0027】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置は、テーブルと独立して設置されていればよく、例えば設置面に直接固定されていてもよい。また、各受け部や各把持部の形状はワークの形状に合わせて自由に設定できるし、ワーク治具の構成もワークの形状や加工内容に合わせて自由に設定できる。さらに、ワーク搬出装置は、レーザ加工機のベッドと一体に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 テーブル
2 加工ヘッド
3 第一ワーク受け
4 第二ワーク受け
5 ワーク位置決め装置
6 第一受け渡し装置
7 第二受け渡し装置
8 ワーク治具
9 ワーク搬出装置
31 受け部(第一ワーク受け)
41 受け部(第二ワーク受け)
51 調整部
64 把持部(第一受け渡し装置)
74 把持部(第二受け渡し装置)
S1 ローディングステーション
S2 アイドルステーション
S3 ワーク位置決めステーション
S4 アンローディングステーション
W ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に移動可能なテーブルと、左右および上下に移動可能な加工ヘッドとを備えるレーザ加工機において、
前記加工ヘッドによる加工位置より後方において、前工程より搬入されるワークを受けるローディングステーション、加工前のワークを待機させるアイドルステーションおよびワークの姿勢を調整するためのワーク位置決めステーションが、後側から前側にかけて等間隔に設けられ、各ステーションは、加工機固定部に設けられ前記テーブルより上方でワークを支持する第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置を有しており、
前記テーブルには、ワークを各ステーション間で受け渡しする第一受け渡し装置および第二受け渡し装置ならびに前記加工ヘッドによる加工位置に対応してワークを固定支持するワーク治具が、後側から前側にかけて前記等間隔に設けられ、
前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記ローディングステーションに、前記第二受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記ワーク治具を前記ワーク位置決めステーションに対応させたとき、
前記第一受け渡し装置が前記第一ワーク受けに載置されたワークを受け取ると同時に前記第二受け渡し装置が前記第二ワーク受けに載置されたワークを受け取り、前記ワーク位置決め装置がワークを前記ワーク治具に受け渡した後、
前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記第二受け渡し装置を前記ワーク位置決めステーションに、前記ワーク治具を加工位置に対応させたとき、
前記第一受け渡し装置がワークを前記第二ワーク受けに受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置がワークを前記ワーク位置決め装置に受け渡した後、前記加工ヘッドがテーブルの移動を伴って前記ワーク治具に固定されたワークを加工することを特徴とするレーザ加工機。
【請求項2】
前記第一ワーク受けおよび前記第二ワーク受けが、それぞれ前記テーブルの左右両側に位置する一対の受け部を有し、前記ワーク位置決め装置が、前記テーブルの左右両側に位置する、ワークの前後左右方向の姿勢を調整する一対の調整部を有し、該調整部が上下動可能であり、前記第一受け渡し装置および前記第二受け渡し装置が、前記受け部より内側でワークを受けて上下動可能な把持部を有しており、
前記第一受け渡し装置の把持部が上昇して前記第一ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げると同時に、前記第二受け渡し装置の把持部が上昇して前記第二ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げ、前記ワーク位置決め装置の調整部が下降してワークを前記ワーク治具に受け渡した後、前記テーブルが前側に移動し、前記ワーク位置決め装置の調整部が上昇し、前記第一受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記第二ワーク受けの受け部に受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記ワーク位置決め装置の調整部に受け渡すことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。
【請求項3】
前記加工ヘッドによる加工位置より前方において、加工後のワークを搬出するためのアンローディングステーションが設けられ、該アンローディングステーションが前記ワーク治具の前側に設けられたワーク搬出装置を有し、該ワーク搬出装置が前記ワーク治具に載置された加工後のワークを後工程へ搬出することを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工機。
【請求項1】
前後に移動可能なテーブルと、左右および上下に移動可能な加工ヘッドとを備えるレーザ加工機において、
前記加工ヘッドによる加工位置より後方において、前工程より搬入されるワークを受けるローディングステーション、加工前のワークを待機させるアイドルステーションおよびワークの姿勢を調整するためのワーク位置決めステーションが、後側から前側にかけて等間隔に設けられ、各ステーションは、加工機固定部に設けられ前記テーブルより上方でワークを支持する第一ワーク受け、第二ワーク受けおよびワーク位置決め装置を有しており、
前記テーブルには、ワークを各ステーション間で受け渡しする第一受け渡し装置および第二受け渡し装置ならびに前記加工ヘッドによる加工位置に対応してワークを固定支持するワーク治具が、後側から前側にかけて前記等間隔に設けられ、
前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記ローディングステーションに、前記第二受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記ワーク治具を前記ワーク位置決めステーションに対応させたとき、
前記第一受け渡し装置が前記第一ワーク受けに載置されたワークを受け取ると同時に前記第二受け渡し装置が前記第二ワーク受けに載置されたワークを受け取り、前記ワーク位置決め装置がワークを前記ワーク治具に受け渡した後、
前記テーブルの移動により、前記第一受け渡し装置を前記アイドルステーションに、前記第二受け渡し装置を前記ワーク位置決めステーションに、前記ワーク治具を加工位置に対応させたとき、
前記第一受け渡し装置がワークを前記第二ワーク受けに受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置がワークを前記ワーク位置決め装置に受け渡した後、前記加工ヘッドがテーブルの移動を伴って前記ワーク治具に固定されたワークを加工することを特徴とするレーザ加工機。
【請求項2】
前記第一ワーク受けおよび前記第二ワーク受けが、それぞれ前記テーブルの左右両側に位置する一対の受け部を有し、前記ワーク位置決め装置が、前記テーブルの左右両側に位置する、ワークの前後左右方向の姿勢を調整する一対の調整部を有し、該調整部が上下動可能であり、前記第一受け渡し装置および前記第二受け渡し装置が、前記受け部より内側でワークを受けて上下動可能な把持部を有しており、
前記第一受け渡し装置の把持部が上昇して前記第一ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げると同時に、前記第二受け渡し装置の把持部が上昇して前記第二ワーク受けの受け部に載置されたワークを持ち上げ、前記ワーク位置決め装置の調整部が下降してワークを前記ワーク治具に受け渡した後、前記テーブルが前側に移動し、前記ワーク位置決め装置の調整部が上昇し、前記第一受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記第二ワーク受けの受け部に受け渡すと同時に前記第二受け渡し装置の把持部が下降してワークを前記ワーク位置決め装置の調整部に受け渡すことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。
【請求項3】
前記加工ヘッドによる加工位置より前方において、加工後のワークを搬出するためのアンローディングステーションが設けられ、該アンローディングステーションが前記ワーク治具の前側に設けられたワーク搬出装置を有し、該ワーク搬出装置が前記ワーク治具に載置された加工後のワークを後工程へ搬出することを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図6(f)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図6(f)】
【公開番号】特開2010−221251(P2010−221251A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70710(P2009−70710)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
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