レーザ照準スポット識別方法及び装置
【課題】特定の小火器に関連するレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するシステム及び方法を開示する。
【解決手段】レーザ照準スポットを、レーザ照準スポット及び他のレーザ照準スポットを含む視界を撮像し、撮像した視界内の特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別し、識別したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するために撮像した視界を変更し、変更された撮像した視界を表示することによって識別することができる。
【解決手段】レーザ照準スポットを、レーザ照準スポット及び他のレーザ照準スポットを含む視界を撮像し、撮像した視界内の特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別し、識別したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するために撮像した視界を変更し、変更された撮像した視界を表示することによって識別することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗視方法及び装置を対象にし、更に具体的に言うと、レーザ照準スポットを識別する暗視方法及び装置を対象にする。
【背景技術】
【0002】
暗視システムは、暗い環境で見ることを可能にするために様々な用途で用いられる。例えば、暗視システムは、夜にグランドを巡回する軍隊の兵士によって利用される。従来の暗視システムは、暗視システムの視界内のイメージからの光を増幅するためにイメージインテンシファイア(I2)を利用する。イメージインテンシフィアは、視界内の暗い環境に存在するが人間の目に見えない赤外光スペクトルの下位部(lower portion)を含む暗い環境の微量の光を収集する。イメージインテンシファイアは、人の目がイメージを認識できるようにするためにイメージから収集した光を増幅する。そのようなイメージインテンシファイアは、ユーザの頭に装着される暗視ゴーグルすなわち単眼ゴーグル又は双眼ゴーグルにおいて一般的に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近の軍用小火器は、ターゲットに照準を合わせるのに用いられるレーザ照準装置を用いて構成される。レーザ照準装置からの放出は、イメージインテンシファイアによって検出可能である。レーザ照準装置のレーザがユーザによってターゲットに向けられると、レーザは、ターゲット上に光のスポット(レーザ照射スポット)を生成する。上述したような暗視システムは、レーザ照準スポットからの光を含む暗い環境の光を、イメージインテンシファイアを用いて増強し、その光をユーザに示す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、特定の小火器に関連するレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するシステム及び方法において実施される。レーザ照準スポットを、レーザ照準スポット及び他のレーザ照準スポットを含む視界を撮像し、撮像した視界内の特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別し、識別したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するために撮像した視界を変更し、変更された撮像した視界を表示することによって識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の態様による典型的な暗視システムの斜視図である。
【図2A】本発明の態様による小火器の図である。
【図2B】図2Aの小火器で用いられる変調レーザ光を生成する一実施の形態の概念図である。
【図2C】図2Aの小火器で用いられる変調レーザ光を生成する他の実施の形態の概念図である。
【図3A】従来のシステムの実例となる画像表示である。
【図3B】本発明の態様によるシステムの実例となる画像表示である。
【図4】本発明の一態様によるレーザ照準スポットを識別するための典型的なステップを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一態様によるレーザ照準スポットを識別するための典型的な構成要素及びステップを示すブロック図である。
【図6】本発明の態様によるパルスコードパケットのグラフである。
【図7】本発明の態様による図5の示したシステムで用いられる典型的な画像増強ビデオカメラのブロック図である。
【図8】図5の画像処理装置の一般的なタイミング制約を示すグラフである。
【図9】レーザ照準装置のレーザパルスと図5のカメラのタイミングとの間の関係を示すグラフである。
【図10】図5のレーザ照準装置及びカメラのタイミング図である。
【図11】図5のレーザ照準装置によって実行される典型的なステップのフローチャートである。
【図12】画像処理装置16によって実行される典型的なステップのフローチャートである。
【図13】従来の光学的配列技術の実例となる画像である。
【図14】従来の画像増強ビデオカメラの分解図である。
【図15】従来の画像光経路を示す本発明によって用いられるヘルメットマウントディスプレイ(HMD)モジュールの断面図である。
【図16】本発明の態様を実施する基本的なビデオ増強した暗視システムの実施の形態を示す。
【図17】本発明の態様を実施する画像増強ビデオカメラモジュール及び熱探知カメラモジュールを組み込んだ増強暗視システムの実施の形態を示す。
【図18】本発明の態様を実施する画像融合を利用する実施の形態のブロック図である。
【図19】従来の画像増強ビデオカメラ及び基本電源のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、ユーザによって装着された本発明の実施の形態を示す。本発明は、視界(FOV)内の光を収集するための画像増強(image intensified)ビデオカメラ12と、視界の画像を表示するためのユーザの目の前のビデオディスプレイ14と、を用いる。本発明による画像処理装置(image processing electronics)16は、後に詳細に説明するようにビデオディスプレイ14に対する入力信号を生成するようビデオカメラ12からの出力信号を処理するためにビデオカメラ12とビデオディスプレイ14との間で結合される。電源モジュール18、例えば、バッテリーパックは、電力をビデオカメラ12、ビデオディスプレイ14及び画像処理プロセッサ16に供給する。
【0007】
図2Aは、レーザ照準装置202を有する小火器200を示す。レーザ照準装置202は、典型的には、小火器200の照準器レール(図示せず)に取り付けられ、小火器200の銃身206が向く方向に延在するレーザ照準光204を生成するために小火器200の銃弾の軌跡に対して銃腔視線検査される(boresighted)。レーザ照準光204がターゲットの表面に当たると、(後に説明する)レーザ照準スポットがターゲット上に形成される。典型的な実施の形態において、レーザ照準装置202によって生成されるレーザ照準光204は、パルス/変調レーザビームである。パルスレーザビームは、周期的でも非周期的でもよい。他の実施の形態において、レーザ照準光204を、連続波レーザビームとすることができる。
【0008】
制御装置208は、レーザ照準装置202を制御する。レーザ照準光204がパルス状である実施の形態において、制御装置208は、パルス列(すなわち、識別シグネチャ(identification signature))を制御し、選択的にパルスの周期を制御する。パルスの周期を、制御装置208に関連したマスタクロック(図示せず)に従って設定することができる。制御装置208を、レーザ照準装置202に関連したデジタルシグネチャを送信し及び選択的にシグネチャの周期を送信するためにここでの説明から既知の方法で構成することができる。制御装置208を、個別の構成要素とし、又はレーザ照準装置202に部分的及び/又は完全に組み込むことができる。
【0009】
図2Bは、パルス/変調レーザ照準光204として用いるためにレーザ照準装置202(図2A)によって変調レーザ光216を生成する典型的な実施の形態を示す。図2Bにおいて、連続波(CW)レーザ210は、CWレーザ光212を生成する。その後、電気光学変調器214は、変調レーザ光216を生成するためにCWレーザ光212を変調する。図2Cは、レーザ照準装置202(図2A)によって変調レーザ光216を生成する他の典型的な実施の形態を示す。本実施の形態によれば、パルスレーザ220は、変調レーザ光216を生成する。本実施の形態によれば、別個の変調器を省略することができる。
【0010】
レーザ照準装置を有する複数の小火器が、所定の環境に存在し、ユーザの暗視システムの視界内にレーザ照準スポットを生成するとき、ユーザの暗視システムは、ユーザに対して複数のレーザ照準スポットを提供する。これによって、どのレーザ照準スポットがユーザの小火器に関連するかについての混乱が生じ、不所望な標的化遅延が生じる。したがって、特定の小火器に関連するレーザ照準スポットを当該レーザ照準スポットの周辺の他のレーザ照準スポットと区別できるのが有利である。
【0011】
図3Aは、ビデオディスプレイ14のようなビデオディスプレイによって表示される従来の視界の画像300を示す。この画像は、二つの識別可能なオブジェクト302a,302b及び五つのレーザ照準スポット304a〜304eを含む。五つのレーザ照準スポットが五つの関連のレーザ照準装置202のレーザ照準光によって生成されることは、ここでの説明から当業者によって理解される。三つのレーザ照準スポット302a〜302cが第1のオブジェクト302aの上に配置され、二つのレーザ照準スポット302d,302eが第2のオブジェクト302bの上に配置される。図示したように、五つのレーザ照準スポット304a〜304eは同一のものに見える。したがって、照準装置を有する小火器のユーザは、ユーザの小火器の照準装置によって生成されたレーザ照準スポットを他の小火器の照準装置によって生成された他の照準スポットと容易に区別することができない。
【0012】
図3Bは、ビデオディスプレイ14のようなビデオディスプレイによって表示される本発明の態様による視界の画像300を示す。画像340は、図3Aのレーザ照準スポット304bが図3Bの識別可能なレーザ照準スポット342である点を除いて図3Aに示す従来の画像300と同様であり、図3Bのレーザ照準スポット342は、他のレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eと区別することができる。本発明の態様によれば、レーザ照準スポット342を生成するレーザ照準装置202に関連した小火器200のユーザは、ユーザの小火器によって生成されたレーザ照準スポット342を、他の小火器に関連したレーザ照準装置によって生成されたレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eと迅速かつ容易に区別することができる。
【0013】
図示した実施の形態において、識別可能なレーザ照準スポット342は、識別不可能なレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eとは異なるパターンを有する。他の実施の形態において、スポット342は、異なる色又は「十字線」のような追加の印(indicia)を有することができる。更に別の実施の形態において、スポット342を、他のレーザ照準スポットを常に照明するときに点滅し若しくはその逆を行うこと又はスポット304a,304c,304d,304eに対するスポット342の相対輝度を増大することのような他のやり方で識別することができる。更に別の実施の形態において、識別不可能なレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eを画像処理プロセッサ16によりディスプレイから除外し、識別可能なレーザ照準スポット304b/342のみを残すこともできる。
【0014】
更に別の実施の形態において、画像処理プロセッサ16が利用可能な適切な情報を用いることによって、視界内のレーザ照準スポットのいずれかを識別し及び独自にラベル付けすることができる。この方法によって、ビデオ画像中のレーザ照準スポットは、スポットに隣接して配置される独自の識別子(例えば、名称、番号、アイコン等)を有することができる。これによって、他人、例えば、班長は、更なる戦術的優位を提供するためにビデオカメラ12(図1)FOV内の場所を指示することができる。
【0015】
図4は、特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別する典型的なステップのフローチャート400を示す。フローチャート400のステップを、説明を容易にするために図1の暗視システム(カメラ12、ディスプレイ14及び画像処理装置16)、図2の小火器及び図3Bの画像340を参照しながら説明する。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく本発明のステップを他の暗視システム、小火器及び画像を用いて実現できることをここでの記載から認識する。
【0016】
ステップ402において、視界を撮像する。典型的な実施の形態において、ビデオカメラ12は視界を撮像する。
【0017】
ステップ404において、特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別する。典型的な実施の形態において、画像処理プロセッサ16は、ビデオカメラ12によって取得した視界内のレーザ照準スポットを識別する。画像処理プロセッサ16は、小火器200に関連したレーザビーム204によって生成されたレーザ照準スポットを小火器200の制御装置208によって供給されるレーザビーム204の識別シグネチャと区別することができる。
【0018】
一実施の形態において、識別シグネチャを周期パルスとし、レーザビーム204によって生成されるレーザ照準スポットの識別を、適切に符号化されたレーザ照準スポットを視界内に存在しうる他のレーザスポットと区別するよう適切にコード化されたレーザ照準スポットの見掛けの輝度(apparent luminance)を増大するためにビデオカメラ12内の(後に説明する)ビデオカメラゲーティング(gating)をマスタクロックに基づく周期パルスに同期させることによって行う。この場合、画像処理プロセッサ16は、レーザ照準スポットを増大した輝度と区別し、識別可能なレーザ照準スポット342をビデオディスプレイ14によって提供できるようにするようレーザ照準スポットを更に処理することができる。他の実施の形態において、識別シグネチャを非周期パルスとし、レーザビーム204によって生成されるレーザ照準スポットの識別を、処理及びビデオディスプレイ14による表示のためのレーザ照準スポットを識別するレーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大するためにビデオカメラ12内のゲーティングを非周期パルスに同期させることによって行う。本実施の形態によれば、ゲーティングを、シーンを撮像するのに十分な期間に亘って可能にする。
【0019】
ステップ406において、識別されたレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するために撮像された視界を変更する。典型的な実施の形態において、画像処理プロセッサ16は、撮像された視界を変更(modify)する。
【0020】
ステップ408において、変更された視界を表示する。典型的な実施の形態において、変更された視界を、ビデオディスプレイ14に表示する。
【0021】
図5は、本発明の態様によるレーザ照準スポットを識別するための典型的な構成要素及びステップの概略を示す。本例において、レーザ照準スポットは、色の使用によって区別される。
【0022】
CW近赤外(NIR)レーザ502は、CWレーザ光504を生成するためにNIR通過帯域の光を放出し、電気光学変調器506は、変調レーザ光508を生成するためにCWレーザ光504を変調する。電気光学変調器506は、迅速なシャッター機能を効果的に提供し、これによってCW放出504は、電子論理(図示せず)によって命令されたときだけ変調器506を通過することができる。適切な電子論理は、ここでの説明から当業者によって理解される。CW NIRレーザ502及び電気光学変調器506を、例えば、レーザ照準装置202内で組み合わせて単一のハードウェア素子にすることができる。
【0023】
変調レーザ光508は、伝送路に沿って画像増強ビデオカメラ12の視界(FOV)内のオブジェクト空間に伝達する。オブジェクト空間に放出される変調レーザ光508は、光がオブジェクト510に当たるときにレーザ照準スポット342を形成するために狭ビーム内に含まれる。
【0024】
レーザ照準スポット342の一部は、オブジェクト510により伝送路に沿って拡散的に反射され、このように反射された変調レーザ光512は、(後に説明する)対物レンズを通じて画像増強ビデオカメラ12に入射する。カメラ12の(後に説明する)イメージインテンシファイアは、反射された光512を検知し、反射された光512の放射エネルギーを光電効果により電子に変換する。後に説明するように、カメラ12内で、イメージインテンシファイアの光電陰極からの小さい光電子束が、イメージインテンシファイアのマイクロチャネルプレート(MCP)に到達し、増幅され、増幅された電子束がイメージインテンシファイアの陽極に伝達される。典型的な実施の形態において、この構造及び電子束は、マイクロ秒のオーダーでレーザ光入力の時間変動に応答することができ、これによって、画像増強部は、反射された変調レーザ光512の復調器として動作することができる。レーザ信号の復調を、画像増強部を給電する高圧電源(HVPS)に統合される増幅段によって行うことができる。
【0025】
画像増強ビデオカメラ12は、二つのデータストリームを生成する。一方のデータストリームは、連続的な画像フレームを含むビデオ信号516である。他方のデータストリームは、変調レーザ光508を生成するために電気光学変調器506によって用いられるデータを再生する復調レーザ信号518である。
【0026】
画像処理装置516は、ビデオ信号516及び復調レーザ信号518を処理する。復調レーザ信号518は、レーザ照準装置202から生じる変調レーザ光508に特有の識別(ID)コード及び再帰的なデジタルカウンタによって実現することができるタイミング信号/コードを含むパケットによって構成される。画像処理装置16は、レーザ照準装置202からの変調レーザ光508に関連する反射された変調レーザ光512を識別するためにIDコードを用いる。
【0027】
反射された変調レーザ光512を識別した後、画像処理装置16は、後に説明するように画像処理装置が周期的なレーザバーストに対して同期をとるようにするためにパケット内のタイミング信号を用いる。典型的な実施の形態において、画像処理装置16は、連続的に流れるビデオフレームの群から選択した一つのビデオフレームに対してイメージインテンシファイアを「ゲートオン」(gate on)するためにこのように同期がとられたタイミング情報を用いる。「ゲートオン」の発生及び持続時間は、独自のレーザバーストに同期し、カメラ12は、反射されたレーザ光512がカメラ12の対物レンズに到達するときの光にしか応答しないようにする。このような一方のフレームからのビデオ信号は、独自の選択されたレーザバーストのビデオ画像を含む。画像処理装置16は、このフレームのFOV内のレーザスポット342の2次元的な位置を識別するデジタル分析ルーチンを実行する。その後、レーザスポット位置データは、画像処理装置16によってアクセス可能な(図示しない)メモリに格納される。
【0028】
連続するビデオフレームは、最適な露光となるように制御(gate)され、FOV内の全てのレーザスポットから戻るレーザを含む。画像処理装置16は、レーザスポットのいずれがカラー化すべき独自のスポットであるかを識別するためにメモリに格納されたレーザスポット位置を用いる。ビデオ処理機能の一部として、画像処理装置16は、独自のスポットをFOV内の他のレーザスポットと明らかに区別するよう独自のスポットをカラー化したビデオフレームを構成する。このように処理されたビデオは、例えば、他のレーザ照準スポットと区別することができるレーザスポット342(図3B参照)を有する画像を生成するためにディスプレイ14に送信される。
【0029】
画像増強ビデオカメラ12、画像処理装置16及びディスプレイ14を全て暗視ゴーグル装置(NVG)と称される単一のハードウェアエンティティ内のサブシステムとすることができる。この装置を、個人、例えば、オブジェクト空間シーンの増強された映像データを見つけようとする戦士の頭部に装着することができる。
【0030】
カラー化された照準スポットの実現によれば、レーザ照準装置202内の電気光学変調器506の独自の変調コードが動作前に画像処理装置16によって「知られている」と仮定される。このコードを、NVGがレーザスポットを独自の変調コードで変調されたレーザと区別してカラー化するために画像処理装置16に関連したメモリに入力することができる。
【0031】
図6は、電気光学変調器506(図5)によって実現される典型的なレーザパルスコードパケット600のグラフを示す。図示したレーザパルスコードパケット600は、(特定のシステムに特有の)ID番号602及びタイムコード604を表す20ビットを含む。パケットあたりの他のビット数が実現可能であるとともに本発明の範囲内であることは、ここの記載から当業者が理解することができる。パケットを、新たに送信されるレーザパケットごとに繰り返されるID番号602とともに連続的に送信することができる。レーザパケット600は、破損したデータパケットを検出して破棄するとともにシステムの全体に亘るロバストネスを向上させるために巡回冗長検査(CRC)のビットのセットを含むこともできる。
【0032】
グラフ中の灰色の縦棒は、電気光学変調器506(図5)からのレーザ放出の短いバーストを表す。縦棒間のスペースは、レーザ放出のない(例えば、変調器506によって遮断された放出)時間間隔を表す。レーザ放出を、図6に示すような「負」(negative)の波形として形成することもでき、この場合、CWレーザ光504を、オンビットを表すために一時的に遮断する。このアプローチは、著しく大きなレーザエネルギーを送出し、長距離のターゲットに対して又は復調器のサブシステムの信号対雑音比(SNR)を向上させるために用いることができる。
【0033】
図示したグラフにおいて、10ビット列(10 bit deep)に対する純2進コード化(pure binary encoding)を用いることによって、1024個のあり得る独自のIDが存在する。本例において、独自のID番号は、10進数で331である。コード化(encoding)を、純2進、16進又は任意の類似のデジタルコード化形態とすることができる。
【0034】
典型的な実施の形態において、タイムコード604は、連続するパケットごとに最下位ビット(LSB)を1増分する。タイムコード長(本例では10ビット)によって許容される最大値に到達した後、値は、「最低値に戻り」(wrap around)、0から再開する。
【0035】
図7は、画像増強ビデオカメラ12の典型的な画像増強部を示す。カメラ12は、増強菅704を有する画像増強トランスデューサ(image intensifier transducer)を有し、増強菅704は、陰極706と、マイクロチャネルプレート(MCP)708と、陽極710と、増強菅704の構成要素に電圧及び電流を供給するための第1の電圧(voltage potential)(V1)712、第2の電圧(v2)714及び第3の電圧(V3)716を生成する高圧電源(HVPS)711と、を有する。
【0036】
反射したレーザ光512は、対物レンズ702を通じてカメラ12に入射する。入射光512が陰極706に当たると、光電効果により、陰極706から放出される光電子が生成され、これらの電子は、陰極706とMCP708との間の真空ギャップの間で加速される。これらの電子は、MCP708のMCP In面によって収集される。電子の加速は、V1 712によって行われる。図7のI1電流ループにより通常の電流表示を用いて電流を表す。
【0037】
MCP708は、MCP Inノードに到達する電子束を増幅する利得段としての役割を果たす。利得機能(gain function)は、MCP708の複数の光電子倍増菅チャネルによって与えられる。この機能のための電力は、V2 714によって与えられる。図7のI2電流ループにより通常の電流表示を用いて電流を表す。
【0038】
MCP708のMCP Out面からの電子流は、V3 716により陽極710に向かって加速される。図7のI3電流ループにより通常の電流表示を用いて電流を表す。
【0039】
I3電流は抵抗R sense718を流れ、これによって抵抗718の両端間に電圧降下が生じる。この電圧降下は、電圧フォロワとして構成される演算増幅器(OpAmp)720によって検知され及びバッファリングされる。変調レーザ光によって、画像増強菅の電流I1,I2及びI3が変調される。この変調は、電圧フォロワによって検出され、電圧フォロワは、オペアンプ720の出力部で変調電圧信号を再生する。この変調電圧信号は、復調レーザコードを搬送し、反射した変調レーザ光512のソースの識別に用いるために画像処理装置16(図5)に送出される。
【0040】
復調器のSNRを、ハイパスフィルタを追加することによって向上させることができる。このフィルタを、オペアンプ720の入力部若しくはオペアンプ720の出力部に配置し又はオペアンプ720のフィードバック経路に組み入れることができる。
【0041】
典型的な実施の形態において、画像増強ビデオカメラ12(図5)によって生成される映像データは、通常の電子的な読出し構造を有するCMOS撮像装置(imaging die)によって生成される。CMOS撮像装置は、光電子画像のプリアンプとして効果的に機能する画像増強菅704から画像を受信する。このような画像増強菅704からCMOS撮像装置へのリアルタイムの画像の転送を、種々の方法で行うことができる。一つの方法は、通常の画像増強カメラで利用される溶融光ファイバの束の結合(fused fiber optic bundle bonding)の使用を伴い、この場合、フォトニックイメージ(photonic image)が溶融光ファイバの束によって装置の光子検出面に転送される。この方法において、CMOS撮像装置は、画像増強菅の物理的なエンベロープの外側に存在する。他の方法は、CMOS撮像装置の画像増強菅内への組込みを伴い、この場合、CMOS撮像装置は、画像増強菅の陽極として機能し、光子ではなく光電子を受け取る。
【0042】
図8は、CMOS撮像装置の一般的なタイミング制約を示すグラフである。グラフの最上部は、CMOS撮像装置の時間的な動作(time-wise operation)を示す。垂直破線は、ビデオフレーム時間すなわち周期を表す。各ビデオフレームの終端において、垂直ブランキング期間と称される短い期間が存在し、この期間を、周期的な論理(periodic logic)をリセットするのに用いることができ、この期間は、副タイミング波形(subordinate timing waveform)を同期させる主タイミングパルス(primary timing pulse)としての役割を果たすことができる。連続的な垂直ブランキング期間の各々の立上がり縁を、画像処理装置16における次のフレームの開始となるように規定することができる。垂直ブランキング期間の間のグラフのエリアは、ビデオ画像が統合されるとともにビデオストリームとして読み出されるフレーム時間の部分を表し、これについては後に詳細に説明する。フレームタイミングは、デジタルビデオ処理の同期がとられるタイミングフレームワーク(timing framework)を規定する固定された定期的な度数(fixed periodic frequency)である。
【0043】
図8のグラフに示すタイミング図を、一般的に「ロールシャッター」と称されるCMOS撮像装置の処理とともに用いることができる。図8の下部は、ロールシャッターの動作に伴う基本的なタイミング動作を示す。この処理を、リアルタイムのビデオデータストリームを生成するために再帰的に生じる二つの機能的なステップに分けることができる。これら二つのステップは、フレーム統合及びフレーム読出しである。一般的に、典型的には全フレーム期間から垂直ブランキング期間を減算したものであるフレーム統合期間は、利用可能な画像を生成するために用いられる。さらに、二つのフレーム期間は、一般的にビデオフレームを生成するために用いられ、一つのフレーム期間が統合のために用いられ、一つのフレーム期間がビデオデータストリームの読出しのために用いられる。
【0044】
CMOS撮像装置は、画素に当たる光子又は光電子を画素に蓄積することができる統合期間を利用する。典型的な統合期間は、ビデオフレーム時間から垂直ブランキング期間を減算したものに等しい。更に短い統合時間が実現可能であり、カメラの利得を制御する手段として時々用いられる。ロールシャッターの処理は、撮像チップ上の連続する行に対する互い違いの(staggered)順次の統合期間を伴う。これを、「フレーム統合」を付した図8の部分によって示す。CMOS撮像装置の各行を、同一の統合期間にすることができる。
【0045】
図8のフレーム統合部で観察される連続する行の互い違いの時間関係は、「フレームビデオ読出し」を付した図8の最下位部によって示される読出しタイミングに起因する。図8のこの部分内の小さい縦棒の各々は、CMOS撮像装置の所定の行から画素値を読み出すとともにこのデータを「下流の」電子機器に送信するのに要する時間を表す。行0の統合フレーム期間に続くフレーム期間の立上がり縁の直後に行0の読出しが生じることに留意されたい。次に行1が読み出され、単一のビデオ画像フレームを備えた映像データストリームとなったCMOS撮像装置の行の全てが送信されるまで、次々と行が読み出される。この例は、1024行を有するCMOS撮像装置の動作を示す。他の行数も実現可能である。
【0046】
図9は、カメラ12(図5)の映像データタイミングに対するレーザ照準装置202(図5)のレーザパケットバーストタイミングの関係を示す。図9に示すタイミング関係は、ビデオフレームタイミングとレーザバーストタイミングとの間で任意の位相関係(arbitrary phase relationship)を有する。カラー化された照準点が円滑に機能すること(successful functioning)は、CMOS撮像装置のような撮像部とレーザ照準装置202(図5)のレーザバーストタイマとの間の特定の位相関係に依存しない。画像処理装置16(図5)内の映像プロセッササブシステムは、例えば、カメラ12(図5)とレーザ照準装置202(図5)との間の位相関係を検出し、それに応じた調整を行うことができる。画像処理装置16は、カメラ12からのビデオ信号516とカメラ12内の復調器からの復調レーザ信号518の両方に含まれるタイミング情報を用いることができる。
【0047】
図9の黒い縦棒の各々は、完全なレーザパケットを表す。各レーザパケットは、図6を参照して説明したようなデジタル情報を含む。図9において見えるように、レーザパケットには、増加するパケット番号(例えば、n,n+1,N+2等)が付される。n値は、図9に示す「レーザ伝送装置(laser transmitter)タイムコード」に対応する。このタイムコードは、パケットに対して設定された最大値に到達するまで連続するレーザバーストごとに値を増加させる。次のレーザ伝送において、タイムコードは0から開始し、再帰的な計数を再開する。パケットID番号及びタイムコードの最大値は任意であり、レーザ照準装置202(図5)のパルス繰返し周波数及び特定の実現(specific implementation)に要求されるパルス周期に依存する。複数のパケットID値及びタイムコード値を含む種々の長さのパケット構造を用いることができる。
【0048】
典型的な実施の形態において、レーザ伝送装置期間は、ビデオフレーム周期と実質的に(nominally)同一である。しかしながら、これらの周期のそれぞれの整合は必要でない。カラー化された照準点の実現の一つは、物理的に分離したレーザ伝送装置及びNVG構成要素を利用(anticipate)する。これら二つの構成要素間の明示的な同期接続(explicit synchronizing connection)の代わりに、画像処理装置16(図5)のアルゴリズムは、レーザバースト期間とカメラ期間の両方を検出し及びその経過を追うことができる。これは、カラー化された照準点システムの成功の実現に十分である。レーザ伝送装置とNVGとの間の明示的な有線又は無線接続を伴うこのアプローチの変形も本発明の範囲内である。
【0049】
図10は、レーザスポットがビデオFOV内にある動作に対するレーザ照準装置202(図5)及びカメラ12(図5)のタイミング図を示す。上述したように、レーザ照準装置202は、周期的なデジタルデータのバーストを連続的に出力することができる。これらのバーストを、図10の上部の縦棒によって表す。
【0050】
ビデオ波形を図10の下部に示す。ビデオフレーム数N,N+1及びN+4は、上述した通りのものである。これらのフレームに対して示した長い(extended)立ち上がり時間は、完全な光子統合(photonic integration)が生じていることを示す。フレームN+3は、著しく異なる波形を示す。このフレームに対して許容される非常に短い統合期間は、カメラ12の画像増強部を短期間だけONにすることによって取得される。CMOS撮像装置が標準的な統合期間を実現するとしても、この短いゲート期間中に画像増強部を通過する(例えば、画像増強菅704(図7)を通過する)光電子しか画像情報をCMOS撮像装置に伝送しない。
【0051】
画像増強部のゲートタイミングは、画像処理装置16(図5)によって制御される。この電子サブシステムは、復調レーザ信号518の全てを検出し、カラー化されたレーザ照準スポットを有する唯一のレーザを識別することができる。プロセッサが唯一のレーザのバースト周波数に対して同期をとることによって、画像処理装置16は、連続的な伝送内で任意のレーザバーストを「利用」し、唯一のレーザの反射された戻りがカメラレンズに到達する短い期間内にカメラ12のゲートをオンにする。この非常に短い統合期間のタイミングは、ビデオFOV内の他のレーザからの戻りを回避するために画像処理装置16によって選択される。
【0052】
フレームN+3中にカメラ12によって検出される光エネルギーのほとんどが唯一のレーザスポットの反射された戻りからのものであるので、ビデオデータのこのフレームは、暗い背景上のレーザスポットを含む。したがって、このビデオフレームは、ビデオFOV内の唯一のレーザスポットの瞬時の位置を示す。画像処理装置は、レーザスポットの重心の行及び画素数を確立するためにこのビデオフレームの分析を実行する。この位置は、画像処理装置16によってメモリ(図示せず)に格納される。
【0053】
ビデオフレームN+4及び所定の数の連続するフレームにおいて、格納されたスポット位置データは、カラー化されたレーザスポットを形成するために用いられる。連続するフレームは、十分に統合され、シーンから利用できる全ての画像データを有する。画像処理装置16は、レーザスポット画像を、他のレーザスポットに対してコントラストをなす色のこれらの連続するビデオフレームの各々に重ね合わせる。
【0054】
短い同期統合フレームは、レーザスポットの位置を更新するために周期的に繰り返される。典型的な実施の形態において、正常なビデオフレームに対するこの短いビデオフレームの比を、約1:5〜1:20の範囲に亘って変更することができる。この比は、ビデオFOV内のカラー化されたレーザスポット位置の精度を決定する。高いパン速度のようにビデオシーンに著しい変化(dynamics)がある場合、更に小さい比(1:5)とすることによって精度が高くなる。シーンの変化が小さい場合、大きな比(1:20)で十分である。
【0055】
この基本形態に対する増強を、必要に応じて照準点精度を増大するために実現することができる。画像処理装置16の変形は、MEMS加速度計のような動き検出トランスデューサ(motion detection transducer)を含む。この装置は、NVGの動きによって生じたシーンの変化(dynamics)を検知し、照準点精度を最大にする比を自動的に選択する。シーン中の動きに起因する大きなシーンの変化を、画像処理装置16のアルゴリズムによって検出することもできる。このアルゴリズムを連続的に実行することによって、最適な精度に対して適切な比が自動的に選択される。
【0056】
図11は、電気光学変調器506(図5)によって生成されるタイムコード604(図6)のようなタイムコードを生成するためにレーザ照準装置202のレーザ伝送装置の回路によって実行される典型的なステップのフローチャート1100である。ブロック1102において、処理を開始する。ブロック1104において、パケット値xを0にリセットする。ブロック1106において、レーザパケットn+xを送信する。ブロック1108において、値xを1だけ増分する。ブロック1100において、値xに関する決定を行う。値xが1024(10ビット=210=1024の値)未満である場合、処理はブロック1106に進み、xを増分する。xが1024以上である場合、処理はブロック1104に進み、値xを0にリセットする。
【0057】
図12は、特定のレーザ照準装置に関連したレーザスポットをカラー化するために画像処理装置16(図5)によって実行される典型的なステップのフローチャート1200である。ブロック1202において、レーザパケットIDを識別するために変調レーザパケットが検出及び解読される。ブロック1204において、レーザパケットIDに関する決定を行う。ブロック1202で識別されたレーザパケットIDが、特定の照準処置に関連する格納されたレーザパケットIDに整合しない場合、処理はブロック1202に戻り、他の変調データパケットの検出及び解読を行う。ブロック1202で識別されたレーザパケットIDが、特定の照準処置に関連する格納されたレーザパケットIDに整合する場合、処理はブロック1206に進む。
【0058】
ブロック1206において、解読されたレーザパケット内のレーザ伝送装置タイムコードが読み出され、画像処理装置16と同期をとるために用いられる。ブロック1208において、次のビデオフレームの短縮した統合があるか否かについての決定を行う。この決定は、最近の短縮した統合期間からのフレーム数に基づくことができる。例えば、統合を、通常のカウンタからの入力に基づいて5フレームごとに短縮することができる。短縮した統合に対する決定が行われない場合、処理はブロック1210に進み、カメラ12は、例えば自動利得制御(AGC)論理ループに従って標準的な統合期間に対してオンになる。
【0059】
ブロック1208で短縮した統合に対する決定が行われたブロック1212において、バーストタイマを始動し、ブロック1214において、カメラ12に対するAGC論理ループを無効にする。
【0060】
ブロック1215において、読み出される最近解読したパケットからの「タイミング/信号コード」値を、例えばn+xに等しくなるように表示する。典型的な実施の形態において、これは、上述したステップ1206で読み出されたレーザ伝送装置タイムコードである。ブロック1216において、次のバーストを開始するときであるか否かに関する決定を行う。典型的な実施の形態において、画像処理装置16(図1及び5)の内部のタイマが、次のタイマバースト、例えば、n+x+1の開始時を決定するのに用いられる。レーザバーストの時間でないと決定した場合、AGC論理ループは、レーザバーストの時間であると決定されるまで無効のままである。レーザバーストの時間であると決定した場合、処理はブロック1218に進む。
【0061】
ブロック1218において、カメラ12は、ステップ1216の次のタイマバーストの開始時の決定に応答したときのみレーザバースト期間中にオンにされる。ブロック1220において、レーザバースト期間中に受信した変調レーザパケットを検出し及び解読する。
【0062】
ブロック1222において、スポットに対応する行及び画素数を生成するために、レーザスポット位置特定アルゴリズムを、短縮した統合ビデオフレームに適用する。適切なレーザスポット位置特定アルゴリズムは、ここの記載から当業者によって理解される。
【0063】
ブロック1224において、スポット位置特定アルゴリズムによって生成された行及び画素数がメモリに書き込まれる。ブロック1226において、AGC論理ループを有効にする。ブロック1228において、メモリから読み出した行及び画素数のカラー化されたスポットを、完全に統合したビデオフレームに重ねる。処理は、次の変調レーザパケットを検出し及び解読するためにブロック1202に戻る。
【0064】
本発明の態様を実施する適切な暗視システムに関連した種々の構成要素に関する更に詳しい説明をここで行う。更に詳しい説明を、ビデオ増強暗視ゴーグル(Video Enhanced Night Vision Goggle)の表題のドビー等による米国特許第6,560,029号明細書で見つけることもでき、この明細書を、参照によりここに組み込む。
【0065】
ビデオカメラ12の光軸及びビデオディスプレイ14の光軸を、図13に示すような従来技術に従って光学的に整列させることができる。この整列によって、同一の画角で出現する増強画像を、暗視システムを装着していないユーザに提供する。これによって、「現実世界」のオブジェクト空間に対する暗視システムの画像空間の偏差を最小にする。図13に示すように、これらの光軸の両方が平面40に対してほぼ垂直になるように画像増強ビデオカメラ12及びビデオディスプレイ14を適合させる。
【0066】
図14は、本発明による画像増強ビデオカメラ12(図5)として使用するためにここの記載から当業者によって理解されるように変更することができる従来の画像増強ビデオカメラの構成要素の分解図である。これらの構成要素は、対物レンズアッセンブリ50、画像増強菅52、撮像アレイ54、高圧電源(HVPS)56及びカメラハウジング55である。対物レンズアッセンブリ50は、低い光レベルのシーンの焦点画像を画像増強部の入力面(光電陰極)に提供する。画像増強部はHVPSによって給電される。画像増強部は、入力部の不鮮明な画像を増幅し、この画像の更に明るい形態をその出力面に再生する。この画像は、溶融光ファイバ束を用いることによって電子的な撮像アレイにコヒーレントに送信される。例えばCMOS又はCCDタイプとすることができる撮像アレイは、増強された画像を検知し、画像の描出(rendition)を含むリアルタイムのビデオ信号を形成する。したがって、ビデオカメラは、電力及び低光画像を受信し、低い光レベルのシーンのビデオ信号を出力する。
【0067】
ビデオ信号はディスプレイ14に供給される。ディスプレイ14は、ユーザの目にビデオ画像を提供する。従来のディスプレイの例を、画像光経路及び各構成要素の相対位置を示すディスプレイモジュールの断面図である図15に示す。ビデオ信号は、ディスプレイのプリント回路基板60によって受信される。プリント回路基板は、電力バスからの直流電圧も受信する。ドライバとみなすことができるプリント回路基板は、電気信号をフラットパネルディスプレイ62に出力し、フラットパネルディスプレイ62は、信号を2次元のビデオ画像に変換する。
【0068】
ビデオディスプレイ上のビデオ画像を、プリズムアイピース64を用いたユーザによって観察することができる。このアイピース光学素子は、ユーザの支援された目が相当な距離に対して焦点を合わせることができるようにするためにあたかもビデオ画像が相当な距離にある(光学的に無限である)かのようにビデオ画像を提供する。プリズムは、眼鏡のレンズが配置される位置を越えてユーザの目の前に配置される。プリズムアイピースは、プリズム内面(prism off surface)の内部反射によって光学的な機能を実行し、その湾曲は、共同して表示画像を無限遠に出現させる必要な屈折力を生成する。使用することができる特定のプリズムアイピースは、米国特許第5,701,202号明細書に開示されており、この明細書は、参照によりここに組み込まれる。構成要素は、相対位置で互いに保持され、ディスプレイハウジング66によって外部環境から保護される。
【0069】
図16は、本発明の一実施の形態の機能ブロック図を示す。画像増強ビデオカメラ12は、シーンからの光を検知し、シーンの電子画像を含むリアルタイムのビデオ信号を形成する。ビデオ信号は、ビデオ信号を受信するとともに人間の目によって観察することができる2次元画像を生成するビデオディスプレイ14に送信される。
【0070】
ビデオカメラ12とビデオディスプレイ14との間の画像プロセッサ16は、本発明に従ってビデオカメラ12からのビデオ信号を処理する。画像プロセッサ16は、マイクロプロセッサ、FPGA論理ゲート及びRAMを含むことができる。画像プロセッサ16は、ビデオ信号をビデオカメラ12から受信し、ビデオ信号を制御する。画像プロセッサ16は、オンボードプログラムによってビデオデータを再変換(reformat)し、「処理した」ビデオデータをビデオディスプレイ14に送信する。画像プロセッサ16を、プログラム可能な適合性を提供するプログラマブル装置とすることができる。
【0071】
画像増強ビデオカメラ12、画像プロセッサ16及びビデオディスプレイ14は、電池によって構成することができる電源18から電気エネルギーを受信する。システムに対する入力は、画像シーン光(image scene light)であり、それに対し、主な出力は、ビデオディスプレイ14によって提供されるとともにユーザによって観察される増強された画像シーンである。
【0072】
画像プロセッサ16は、識別可能な照準スポットを含むようユーザに提供される画像を向上させるためにビデオ信号のリアルタイムの画像処理を実行する性能を提供する。向上は、コントラスト伸長、エッジ検出/増強、MTFピーキング(アパーチャ補正)、統合、外部からのビデオ入力を有する増強されたビデオの混合/重ね合わせ及び他の既知の画像処理機能を含むことができるがこれらに限定されない。
【0073】
本発明による暗視ゴーグルの他の実施の形態を図17に示す。本実施の形態において、熱探知カメラ86を図1に示す基本的な実施の形態に追加し、画像処理プロセッサ87も示す。熱探知カメラは、画像増強(I2)装置とは異なる電磁スペクトルの部分に応答し、したがって、観察者に追加の情報を提供する。
【0074】
本発明の態様によれば、熱探知カメラからの画像を、画像増強ビデオカメラ12からの画像に「結合」することができ、したがって、観察者は、互いに重ね合わせた二つの画像を見る。図17は、上述した画像処理プロセッサ16の機能を提供することができる画像処理プロセッサ87を示し、図18は、そのための電子システムのブロック図である。
【0075】
図18を参照すると、ビデオカメラ12からの未処理のビデオ信号及び熱探知カメラ86からの未処理のビデオ信号が画像プロセッサ87に供給される。画像プロセッサ87は、上述した画像プロセッサ16の機能と、画像結合機能を有する。画像結合機能は、二つのビデオ画像を電子的に重ね合わせ、これらの相対輝度を調整し、カラーキュー(color cueing)情報を追加することもできる。結合機能と画像増強機能の両方を、ゴーグルの物理的な制御装置を介してユーザにより制御することができる。ビデオディスプレイ14は、増強及び結合処理の結果であるビデオ画像を提供する。
【0076】
使用できる二つの光波長帯域は、(イメージインテンシファイアに対する)400nmから900nmの帯域及び(熱探知カメラに対する)8μmから12μmの帯域である。熱探知カメラは、非冷却(uncooled)焦点面アレイ(FPA)に基づくことができ、I2カメラの視界とほぼ同一の熱探知ビデオの視界を提供するように設計されたそれ自体の対物レンズを組み込む。熱探知カメラの光軸及びI2カメラの光軸を、共通のシーンの二つのビデオ信号を重ね合わせることによる二つのビデオ画像の結合の処理タスクを単純化するためにシステムの組立中に並列に整列させる。
【0077】
図19は、画像増強カメラモジュールの基本的な機能構造の従来例を示す。この構造において、対物レンズ90は、シーンからの光を画像増強菅92の光電陰極に焦点を合わせる。画像増強菅は、電子を増幅するマイクロチャネルプレート(MCP)と、スクリーン光学系を有する。画像増強菅は、自動式遮断(auto-gating)HVPS97によって給電される。自動式遮断機(auto gate)94は、電圧をマイクロチャネルプレート及びスクリーンに供給するHVPS97を制御し、陰極電圧を供給するゲートドライバ99も制御する。自動式遮断によって、従来の非遮断ラップアラウンド(non-gated wrap-around)タイプのHVPSにおいて可能な光レベルより高い光レベルでの動作を可能にする。
【0078】
マイクロチャネルプレート電圧及びゲートデューティサイクルを決定する制御ループをHVPSに統合することができる。自動式遮断機ブロック94は、画像増強菅の線形利得特性の先端を切り取る(truncate)とともに最大輝度出力を効果的に設定する自動輝度調整(ABC)機能を有する。適切に露出されるとともに十分に明るい画像を画像増強菅から供給するために、制御回路は、画像増強菅からのスクリーン輝度を自動的に最適化する。このような画像増強菅からの画像は、スクリーンファイバ光学系95により撮像チップ(imaging chip)96に光学的にファイバ結合(fiber optically coupled)される。一例として、図19は、構造のこの位置のCMOS「カメラオンチップ」(camera-on-a-chip)を示すが、他の固体状態撮像アレイを用いることもできる。例えば、関連のカメラプリント回路基板を有するCCDチップは、CMOSカメラと同一の機能を実行することができる。
【0079】
このCMOSカメラ機能ブロックは、その画素アレイの2次元画像を検知するとともに当該画像のリアルタイムビデオ信号表示を行う目的を有する。カメラの自動利得制御(AGC)機能が集積回路に統合される。この制御ループは、ビデオ信号画像が所定の時間において最適なシーン内ダイナミックレンジ(intra scene dynamic range)を有するようにカメラ利得を効果的に調整する。AGCループをCMOSカメラオンチップに統合することができ、したがって、この制御ループを図19に示さない。特定のタイプに応じて、CMOSカメラは、デジタルビデオ信号、アナログビデオ信号又は両方のタイプの信号を出力することができる。
【0080】
図19に示すビデオカメラ構造は、二つの独立した制御ループを有する。画像増強菅利得/ゲーティングループは、直視型スクリーンにあるように動作し、画像増強菅からのみ帰還信号を受信する。CMOSカメラサブシステムは、画像増強菅/電源から独立して効果的に動作するAGCループを有する。適切に動作するためのカメラ全体に対して、二つの独立した制御ループの時間制約を異なるように設計する。そうでない場合、正帰還状態が、有用なビデオ画像の損失と共に生じることがある。
【0081】
本発明を、特定の実施の形態を参照しながらここで図示し及び説明したが、本発明は、詳細な説明に限定されない。種々の変形を、特許請求の範囲の等価物の範囲内で本発明の範囲を逸脱することなく詳細な説明において行うことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗視方法及び装置を対象にし、更に具体的に言うと、レーザ照準スポットを識別する暗視方法及び装置を対象にする。
【背景技術】
【0002】
暗視システムは、暗い環境で見ることを可能にするために様々な用途で用いられる。例えば、暗視システムは、夜にグランドを巡回する軍隊の兵士によって利用される。従来の暗視システムは、暗視システムの視界内のイメージからの光を増幅するためにイメージインテンシファイア(I2)を利用する。イメージインテンシフィアは、視界内の暗い環境に存在するが人間の目に見えない赤外光スペクトルの下位部(lower portion)を含む暗い環境の微量の光を収集する。イメージインテンシファイアは、人の目がイメージを認識できるようにするためにイメージから収集した光を増幅する。そのようなイメージインテンシファイアは、ユーザの頭に装着される暗視ゴーグルすなわち単眼ゴーグル又は双眼ゴーグルにおいて一般的に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近の軍用小火器は、ターゲットに照準を合わせるのに用いられるレーザ照準装置を用いて構成される。レーザ照準装置からの放出は、イメージインテンシファイアによって検出可能である。レーザ照準装置のレーザがユーザによってターゲットに向けられると、レーザは、ターゲット上に光のスポット(レーザ照射スポット)を生成する。上述したような暗視システムは、レーザ照準スポットからの光を含む暗い環境の光を、イメージインテンシファイアを用いて増強し、その光をユーザに示す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、特定の小火器に関連するレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するシステム及び方法において実施される。レーザ照準スポットを、レーザ照準スポット及び他のレーザ照準スポットを含む視界を撮像し、撮像した視界内の特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別し、識別したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するために撮像した視界を変更し、変更された撮像した視界を表示することによって識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の態様による典型的な暗視システムの斜視図である。
【図2A】本発明の態様による小火器の図である。
【図2B】図2Aの小火器で用いられる変調レーザ光を生成する一実施の形態の概念図である。
【図2C】図2Aの小火器で用いられる変調レーザ光を生成する他の実施の形態の概念図である。
【図3A】従来のシステムの実例となる画像表示である。
【図3B】本発明の態様によるシステムの実例となる画像表示である。
【図4】本発明の一態様によるレーザ照準スポットを識別するための典型的なステップを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一態様によるレーザ照準スポットを識別するための典型的な構成要素及びステップを示すブロック図である。
【図6】本発明の態様によるパルスコードパケットのグラフである。
【図7】本発明の態様による図5の示したシステムで用いられる典型的な画像増強ビデオカメラのブロック図である。
【図8】図5の画像処理装置の一般的なタイミング制約を示すグラフである。
【図9】レーザ照準装置のレーザパルスと図5のカメラのタイミングとの間の関係を示すグラフである。
【図10】図5のレーザ照準装置及びカメラのタイミング図である。
【図11】図5のレーザ照準装置によって実行される典型的なステップのフローチャートである。
【図12】画像処理装置16によって実行される典型的なステップのフローチャートである。
【図13】従来の光学的配列技術の実例となる画像である。
【図14】従来の画像増強ビデオカメラの分解図である。
【図15】従来の画像光経路を示す本発明によって用いられるヘルメットマウントディスプレイ(HMD)モジュールの断面図である。
【図16】本発明の態様を実施する基本的なビデオ増強した暗視システムの実施の形態を示す。
【図17】本発明の態様を実施する画像増強ビデオカメラモジュール及び熱探知カメラモジュールを組み込んだ増強暗視システムの実施の形態を示す。
【図18】本発明の態様を実施する画像融合を利用する実施の形態のブロック図である。
【図19】従来の画像増強ビデオカメラ及び基本電源のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、ユーザによって装着された本発明の実施の形態を示す。本発明は、視界(FOV)内の光を収集するための画像増強(image intensified)ビデオカメラ12と、視界の画像を表示するためのユーザの目の前のビデオディスプレイ14と、を用いる。本発明による画像処理装置(image processing electronics)16は、後に詳細に説明するようにビデオディスプレイ14に対する入力信号を生成するようビデオカメラ12からの出力信号を処理するためにビデオカメラ12とビデオディスプレイ14との間で結合される。電源モジュール18、例えば、バッテリーパックは、電力をビデオカメラ12、ビデオディスプレイ14及び画像処理プロセッサ16に供給する。
【0007】
図2Aは、レーザ照準装置202を有する小火器200を示す。レーザ照準装置202は、典型的には、小火器200の照準器レール(図示せず)に取り付けられ、小火器200の銃身206が向く方向に延在するレーザ照準光204を生成するために小火器200の銃弾の軌跡に対して銃腔視線検査される(boresighted)。レーザ照準光204がターゲットの表面に当たると、(後に説明する)レーザ照準スポットがターゲット上に形成される。典型的な実施の形態において、レーザ照準装置202によって生成されるレーザ照準光204は、パルス/変調レーザビームである。パルスレーザビームは、周期的でも非周期的でもよい。他の実施の形態において、レーザ照準光204を、連続波レーザビームとすることができる。
【0008】
制御装置208は、レーザ照準装置202を制御する。レーザ照準光204がパルス状である実施の形態において、制御装置208は、パルス列(すなわち、識別シグネチャ(identification signature))を制御し、選択的にパルスの周期を制御する。パルスの周期を、制御装置208に関連したマスタクロック(図示せず)に従って設定することができる。制御装置208を、レーザ照準装置202に関連したデジタルシグネチャを送信し及び選択的にシグネチャの周期を送信するためにここでの説明から既知の方法で構成することができる。制御装置208を、個別の構成要素とし、又はレーザ照準装置202に部分的及び/又は完全に組み込むことができる。
【0009】
図2Bは、パルス/変調レーザ照準光204として用いるためにレーザ照準装置202(図2A)によって変調レーザ光216を生成する典型的な実施の形態を示す。図2Bにおいて、連続波(CW)レーザ210は、CWレーザ光212を生成する。その後、電気光学変調器214は、変調レーザ光216を生成するためにCWレーザ光212を変調する。図2Cは、レーザ照準装置202(図2A)によって変調レーザ光216を生成する他の典型的な実施の形態を示す。本実施の形態によれば、パルスレーザ220は、変調レーザ光216を生成する。本実施の形態によれば、別個の変調器を省略することができる。
【0010】
レーザ照準装置を有する複数の小火器が、所定の環境に存在し、ユーザの暗視システムの視界内にレーザ照準スポットを生成するとき、ユーザの暗視システムは、ユーザに対して複数のレーザ照準スポットを提供する。これによって、どのレーザ照準スポットがユーザの小火器に関連するかについての混乱が生じ、不所望な標的化遅延が生じる。したがって、特定の小火器に関連するレーザ照準スポットを当該レーザ照準スポットの周辺の他のレーザ照準スポットと区別できるのが有利である。
【0011】
図3Aは、ビデオディスプレイ14のようなビデオディスプレイによって表示される従来の視界の画像300を示す。この画像は、二つの識別可能なオブジェクト302a,302b及び五つのレーザ照準スポット304a〜304eを含む。五つのレーザ照準スポットが五つの関連のレーザ照準装置202のレーザ照準光によって生成されることは、ここでの説明から当業者によって理解される。三つのレーザ照準スポット302a〜302cが第1のオブジェクト302aの上に配置され、二つのレーザ照準スポット302d,302eが第2のオブジェクト302bの上に配置される。図示したように、五つのレーザ照準スポット304a〜304eは同一のものに見える。したがって、照準装置を有する小火器のユーザは、ユーザの小火器の照準装置によって生成されたレーザ照準スポットを他の小火器の照準装置によって生成された他の照準スポットと容易に区別することができない。
【0012】
図3Bは、ビデオディスプレイ14のようなビデオディスプレイによって表示される本発明の態様による視界の画像300を示す。画像340は、図3Aのレーザ照準スポット304bが図3Bの識別可能なレーザ照準スポット342である点を除いて図3Aに示す従来の画像300と同様であり、図3Bのレーザ照準スポット342は、他のレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eと区別することができる。本発明の態様によれば、レーザ照準スポット342を生成するレーザ照準装置202に関連した小火器200のユーザは、ユーザの小火器によって生成されたレーザ照準スポット342を、他の小火器に関連したレーザ照準装置によって生成されたレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eと迅速かつ容易に区別することができる。
【0013】
図示した実施の形態において、識別可能なレーザ照準スポット342は、識別不可能なレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eとは異なるパターンを有する。他の実施の形態において、スポット342は、異なる色又は「十字線」のような追加の印(indicia)を有することができる。更に別の実施の形態において、スポット342を、他のレーザ照準スポットを常に照明するときに点滅し若しくはその逆を行うこと又はスポット304a,304c,304d,304eに対するスポット342の相対輝度を増大することのような他のやり方で識別することができる。更に別の実施の形態において、識別不可能なレーザ照準スポット304a,304c,304d,304eを画像処理プロセッサ16によりディスプレイから除外し、識別可能なレーザ照準スポット304b/342のみを残すこともできる。
【0014】
更に別の実施の形態において、画像処理プロセッサ16が利用可能な適切な情報を用いることによって、視界内のレーザ照準スポットのいずれかを識別し及び独自にラベル付けすることができる。この方法によって、ビデオ画像中のレーザ照準スポットは、スポットに隣接して配置される独自の識別子(例えば、名称、番号、アイコン等)を有することができる。これによって、他人、例えば、班長は、更なる戦術的優位を提供するためにビデオカメラ12(図1)FOV内の場所を指示することができる。
【0015】
図4は、特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別する典型的なステップのフローチャート400を示す。フローチャート400のステップを、説明を容易にするために図1の暗視システム(カメラ12、ディスプレイ14及び画像処理装置16)、図2の小火器及び図3Bの画像340を参照しながら説明する。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく本発明のステップを他の暗視システム、小火器及び画像を用いて実現できることをここでの記載から認識する。
【0016】
ステップ402において、視界を撮像する。典型的な実施の形態において、ビデオカメラ12は視界を撮像する。
【0017】
ステップ404において、特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別する。典型的な実施の形態において、画像処理プロセッサ16は、ビデオカメラ12によって取得した視界内のレーザ照準スポットを識別する。画像処理プロセッサ16は、小火器200に関連したレーザビーム204によって生成されたレーザ照準スポットを小火器200の制御装置208によって供給されるレーザビーム204の識別シグネチャと区別することができる。
【0018】
一実施の形態において、識別シグネチャを周期パルスとし、レーザビーム204によって生成されるレーザ照準スポットの識別を、適切に符号化されたレーザ照準スポットを視界内に存在しうる他のレーザスポットと区別するよう適切にコード化されたレーザ照準スポットの見掛けの輝度(apparent luminance)を増大するためにビデオカメラ12内の(後に説明する)ビデオカメラゲーティング(gating)をマスタクロックに基づく周期パルスに同期させることによって行う。この場合、画像処理プロセッサ16は、レーザ照準スポットを増大した輝度と区別し、識別可能なレーザ照準スポット342をビデオディスプレイ14によって提供できるようにするようレーザ照準スポットを更に処理することができる。他の実施の形態において、識別シグネチャを非周期パルスとし、レーザビーム204によって生成されるレーザ照準スポットの識別を、処理及びビデオディスプレイ14による表示のためのレーザ照準スポットを識別するレーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大するためにビデオカメラ12内のゲーティングを非周期パルスに同期させることによって行う。本実施の形態によれば、ゲーティングを、シーンを撮像するのに十分な期間に亘って可能にする。
【0019】
ステップ406において、識別されたレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するために撮像された視界を変更する。典型的な実施の形態において、画像処理プロセッサ16は、撮像された視界を変更(modify)する。
【0020】
ステップ408において、変更された視界を表示する。典型的な実施の形態において、変更された視界を、ビデオディスプレイ14に表示する。
【0021】
図5は、本発明の態様によるレーザ照準スポットを識別するための典型的な構成要素及びステップの概略を示す。本例において、レーザ照準スポットは、色の使用によって区別される。
【0022】
CW近赤外(NIR)レーザ502は、CWレーザ光504を生成するためにNIR通過帯域の光を放出し、電気光学変調器506は、変調レーザ光508を生成するためにCWレーザ光504を変調する。電気光学変調器506は、迅速なシャッター機能を効果的に提供し、これによってCW放出504は、電子論理(図示せず)によって命令されたときだけ変調器506を通過することができる。適切な電子論理は、ここでの説明から当業者によって理解される。CW NIRレーザ502及び電気光学変調器506を、例えば、レーザ照準装置202内で組み合わせて単一のハードウェア素子にすることができる。
【0023】
変調レーザ光508は、伝送路に沿って画像増強ビデオカメラ12の視界(FOV)内のオブジェクト空間に伝達する。オブジェクト空間に放出される変調レーザ光508は、光がオブジェクト510に当たるときにレーザ照準スポット342を形成するために狭ビーム内に含まれる。
【0024】
レーザ照準スポット342の一部は、オブジェクト510により伝送路に沿って拡散的に反射され、このように反射された変調レーザ光512は、(後に説明する)対物レンズを通じて画像増強ビデオカメラ12に入射する。カメラ12の(後に説明する)イメージインテンシファイアは、反射された光512を検知し、反射された光512の放射エネルギーを光電効果により電子に変換する。後に説明するように、カメラ12内で、イメージインテンシファイアの光電陰極からの小さい光電子束が、イメージインテンシファイアのマイクロチャネルプレート(MCP)に到達し、増幅され、増幅された電子束がイメージインテンシファイアの陽極に伝達される。典型的な実施の形態において、この構造及び電子束は、マイクロ秒のオーダーでレーザ光入力の時間変動に応答することができ、これによって、画像増強部は、反射された変調レーザ光512の復調器として動作することができる。レーザ信号の復調を、画像増強部を給電する高圧電源(HVPS)に統合される増幅段によって行うことができる。
【0025】
画像増強ビデオカメラ12は、二つのデータストリームを生成する。一方のデータストリームは、連続的な画像フレームを含むビデオ信号516である。他方のデータストリームは、変調レーザ光508を生成するために電気光学変調器506によって用いられるデータを再生する復調レーザ信号518である。
【0026】
画像処理装置516は、ビデオ信号516及び復調レーザ信号518を処理する。復調レーザ信号518は、レーザ照準装置202から生じる変調レーザ光508に特有の識別(ID)コード及び再帰的なデジタルカウンタによって実現することができるタイミング信号/コードを含むパケットによって構成される。画像処理装置16は、レーザ照準装置202からの変調レーザ光508に関連する反射された変調レーザ光512を識別するためにIDコードを用いる。
【0027】
反射された変調レーザ光512を識別した後、画像処理装置16は、後に説明するように画像処理装置が周期的なレーザバーストに対して同期をとるようにするためにパケット内のタイミング信号を用いる。典型的な実施の形態において、画像処理装置16は、連続的に流れるビデオフレームの群から選択した一つのビデオフレームに対してイメージインテンシファイアを「ゲートオン」(gate on)するためにこのように同期がとられたタイミング情報を用いる。「ゲートオン」の発生及び持続時間は、独自のレーザバーストに同期し、カメラ12は、反射されたレーザ光512がカメラ12の対物レンズに到達するときの光にしか応答しないようにする。このような一方のフレームからのビデオ信号は、独自の選択されたレーザバーストのビデオ画像を含む。画像処理装置16は、このフレームのFOV内のレーザスポット342の2次元的な位置を識別するデジタル分析ルーチンを実行する。その後、レーザスポット位置データは、画像処理装置16によってアクセス可能な(図示しない)メモリに格納される。
【0028】
連続するビデオフレームは、最適な露光となるように制御(gate)され、FOV内の全てのレーザスポットから戻るレーザを含む。画像処理装置16は、レーザスポットのいずれがカラー化すべき独自のスポットであるかを識別するためにメモリに格納されたレーザスポット位置を用いる。ビデオ処理機能の一部として、画像処理装置16は、独自のスポットをFOV内の他のレーザスポットと明らかに区別するよう独自のスポットをカラー化したビデオフレームを構成する。このように処理されたビデオは、例えば、他のレーザ照準スポットと区別することができるレーザスポット342(図3B参照)を有する画像を生成するためにディスプレイ14に送信される。
【0029】
画像増強ビデオカメラ12、画像処理装置16及びディスプレイ14を全て暗視ゴーグル装置(NVG)と称される単一のハードウェアエンティティ内のサブシステムとすることができる。この装置を、個人、例えば、オブジェクト空間シーンの増強された映像データを見つけようとする戦士の頭部に装着することができる。
【0030】
カラー化された照準スポットの実現によれば、レーザ照準装置202内の電気光学変調器506の独自の変調コードが動作前に画像処理装置16によって「知られている」と仮定される。このコードを、NVGがレーザスポットを独自の変調コードで変調されたレーザと区別してカラー化するために画像処理装置16に関連したメモリに入力することができる。
【0031】
図6は、電気光学変調器506(図5)によって実現される典型的なレーザパルスコードパケット600のグラフを示す。図示したレーザパルスコードパケット600は、(特定のシステムに特有の)ID番号602及びタイムコード604を表す20ビットを含む。パケットあたりの他のビット数が実現可能であるとともに本発明の範囲内であることは、ここの記載から当業者が理解することができる。パケットを、新たに送信されるレーザパケットごとに繰り返されるID番号602とともに連続的に送信することができる。レーザパケット600は、破損したデータパケットを検出して破棄するとともにシステムの全体に亘るロバストネスを向上させるために巡回冗長検査(CRC)のビットのセットを含むこともできる。
【0032】
グラフ中の灰色の縦棒は、電気光学変調器506(図5)からのレーザ放出の短いバーストを表す。縦棒間のスペースは、レーザ放出のない(例えば、変調器506によって遮断された放出)時間間隔を表す。レーザ放出を、図6に示すような「負」(negative)の波形として形成することもでき、この場合、CWレーザ光504を、オンビットを表すために一時的に遮断する。このアプローチは、著しく大きなレーザエネルギーを送出し、長距離のターゲットに対して又は復調器のサブシステムの信号対雑音比(SNR)を向上させるために用いることができる。
【0033】
図示したグラフにおいて、10ビット列(10 bit deep)に対する純2進コード化(pure binary encoding)を用いることによって、1024個のあり得る独自のIDが存在する。本例において、独自のID番号は、10進数で331である。コード化(encoding)を、純2進、16進又は任意の類似のデジタルコード化形態とすることができる。
【0034】
典型的な実施の形態において、タイムコード604は、連続するパケットごとに最下位ビット(LSB)を1増分する。タイムコード長(本例では10ビット)によって許容される最大値に到達した後、値は、「最低値に戻り」(wrap around)、0から再開する。
【0035】
図7は、画像増強ビデオカメラ12の典型的な画像増強部を示す。カメラ12は、増強菅704を有する画像増強トランスデューサ(image intensifier transducer)を有し、増強菅704は、陰極706と、マイクロチャネルプレート(MCP)708と、陽極710と、増強菅704の構成要素に電圧及び電流を供給するための第1の電圧(voltage potential)(V1)712、第2の電圧(v2)714及び第3の電圧(V3)716を生成する高圧電源(HVPS)711と、を有する。
【0036】
反射したレーザ光512は、対物レンズ702を通じてカメラ12に入射する。入射光512が陰極706に当たると、光電効果により、陰極706から放出される光電子が生成され、これらの電子は、陰極706とMCP708との間の真空ギャップの間で加速される。これらの電子は、MCP708のMCP In面によって収集される。電子の加速は、V1 712によって行われる。図7のI1電流ループにより通常の電流表示を用いて電流を表す。
【0037】
MCP708は、MCP Inノードに到達する電子束を増幅する利得段としての役割を果たす。利得機能(gain function)は、MCP708の複数の光電子倍増菅チャネルによって与えられる。この機能のための電力は、V2 714によって与えられる。図7のI2電流ループにより通常の電流表示を用いて電流を表す。
【0038】
MCP708のMCP Out面からの電子流は、V3 716により陽極710に向かって加速される。図7のI3電流ループにより通常の電流表示を用いて電流を表す。
【0039】
I3電流は抵抗R sense718を流れ、これによって抵抗718の両端間に電圧降下が生じる。この電圧降下は、電圧フォロワとして構成される演算増幅器(OpAmp)720によって検知され及びバッファリングされる。変調レーザ光によって、画像増強菅の電流I1,I2及びI3が変調される。この変調は、電圧フォロワによって検出され、電圧フォロワは、オペアンプ720の出力部で変調電圧信号を再生する。この変調電圧信号は、復調レーザコードを搬送し、反射した変調レーザ光512のソースの識別に用いるために画像処理装置16(図5)に送出される。
【0040】
復調器のSNRを、ハイパスフィルタを追加することによって向上させることができる。このフィルタを、オペアンプ720の入力部若しくはオペアンプ720の出力部に配置し又はオペアンプ720のフィードバック経路に組み入れることができる。
【0041】
典型的な実施の形態において、画像増強ビデオカメラ12(図5)によって生成される映像データは、通常の電子的な読出し構造を有するCMOS撮像装置(imaging die)によって生成される。CMOS撮像装置は、光電子画像のプリアンプとして効果的に機能する画像増強菅704から画像を受信する。このような画像増強菅704からCMOS撮像装置へのリアルタイムの画像の転送を、種々の方法で行うことができる。一つの方法は、通常の画像増強カメラで利用される溶融光ファイバの束の結合(fused fiber optic bundle bonding)の使用を伴い、この場合、フォトニックイメージ(photonic image)が溶融光ファイバの束によって装置の光子検出面に転送される。この方法において、CMOS撮像装置は、画像増強菅の物理的なエンベロープの外側に存在する。他の方法は、CMOS撮像装置の画像増強菅内への組込みを伴い、この場合、CMOS撮像装置は、画像増強菅の陽極として機能し、光子ではなく光電子を受け取る。
【0042】
図8は、CMOS撮像装置の一般的なタイミング制約を示すグラフである。グラフの最上部は、CMOS撮像装置の時間的な動作(time-wise operation)を示す。垂直破線は、ビデオフレーム時間すなわち周期を表す。各ビデオフレームの終端において、垂直ブランキング期間と称される短い期間が存在し、この期間を、周期的な論理(periodic logic)をリセットするのに用いることができ、この期間は、副タイミング波形(subordinate timing waveform)を同期させる主タイミングパルス(primary timing pulse)としての役割を果たすことができる。連続的な垂直ブランキング期間の各々の立上がり縁を、画像処理装置16における次のフレームの開始となるように規定することができる。垂直ブランキング期間の間のグラフのエリアは、ビデオ画像が統合されるとともにビデオストリームとして読み出されるフレーム時間の部分を表し、これについては後に詳細に説明する。フレームタイミングは、デジタルビデオ処理の同期がとられるタイミングフレームワーク(timing framework)を規定する固定された定期的な度数(fixed periodic frequency)である。
【0043】
図8のグラフに示すタイミング図を、一般的に「ロールシャッター」と称されるCMOS撮像装置の処理とともに用いることができる。図8の下部は、ロールシャッターの動作に伴う基本的なタイミング動作を示す。この処理を、リアルタイムのビデオデータストリームを生成するために再帰的に生じる二つの機能的なステップに分けることができる。これら二つのステップは、フレーム統合及びフレーム読出しである。一般的に、典型的には全フレーム期間から垂直ブランキング期間を減算したものであるフレーム統合期間は、利用可能な画像を生成するために用いられる。さらに、二つのフレーム期間は、一般的にビデオフレームを生成するために用いられ、一つのフレーム期間が統合のために用いられ、一つのフレーム期間がビデオデータストリームの読出しのために用いられる。
【0044】
CMOS撮像装置は、画素に当たる光子又は光電子を画素に蓄積することができる統合期間を利用する。典型的な統合期間は、ビデオフレーム時間から垂直ブランキング期間を減算したものに等しい。更に短い統合時間が実現可能であり、カメラの利得を制御する手段として時々用いられる。ロールシャッターの処理は、撮像チップ上の連続する行に対する互い違いの(staggered)順次の統合期間を伴う。これを、「フレーム統合」を付した図8の部分によって示す。CMOS撮像装置の各行を、同一の統合期間にすることができる。
【0045】
図8のフレーム統合部で観察される連続する行の互い違いの時間関係は、「フレームビデオ読出し」を付した図8の最下位部によって示される読出しタイミングに起因する。図8のこの部分内の小さい縦棒の各々は、CMOS撮像装置の所定の行から画素値を読み出すとともにこのデータを「下流の」電子機器に送信するのに要する時間を表す。行0の統合フレーム期間に続くフレーム期間の立上がり縁の直後に行0の読出しが生じることに留意されたい。次に行1が読み出され、単一のビデオ画像フレームを備えた映像データストリームとなったCMOS撮像装置の行の全てが送信されるまで、次々と行が読み出される。この例は、1024行を有するCMOS撮像装置の動作を示す。他の行数も実現可能である。
【0046】
図9は、カメラ12(図5)の映像データタイミングに対するレーザ照準装置202(図5)のレーザパケットバーストタイミングの関係を示す。図9に示すタイミング関係は、ビデオフレームタイミングとレーザバーストタイミングとの間で任意の位相関係(arbitrary phase relationship)を有する。カラー化された照準点が円滑に機能すること(successful functioning)は、CMOS撮像装置のような撮像部とレーザ照準装置202(図5)のレーザバーストタイマとの間の特定の位相関係に依存しない。画像処理装置16(図5)内の映像プロセッササブシステムは、例えば、カメラ12(図5)とレーザ照準装置202(図5)との間の位相関係を検出し、それに応じた調整を行うことができる。画像処理装置16は、カメラ12からのビデオ信号516とカメラ12内の復調器からの復調レーザ信号518の両方に含まれるタイミング情報を用いることができる。
【0047】
図9の黒い縦棒の各々は、完全なレーザパケットを表す。各レーザパケットは、図6を参照して説明したようなデジタル情報を含む。図9において見えるように、レーザパケットには、増加するパケット番号(例えば、n,n+1,N+2等)が付される。n値は、図9に示す「レーザ伝送装置(laser transmitter)タイムコード」に対応する。このタイムコードは、パケットに対して設定された最大値に到達するまで連続するレーザバーストごとに値を増加させる。次のレーザ伝送において、タイムコードは0から開始し、再帰的な計数を再開する。パケットID番号及びタイムコードの最大値は任意であり、レーザ照準装置202(図5)のパルス繰返し周波数及び特定の実現(specific implementation)に要求されるパルス周期に依存する。複数のパケットID値及びタイムコード値を含む種々の長さのパケット構造を用いることができる。
【0048】
典型的な実施の形態において、レーザ伝送装置期間は、ビデオフレーム周期と実質的に(nominally)同一である。しかしながら、これらの周期のそれぞれの整合は必要でない。カラー化された照準点の実現の一つは、物理的に分離したレーザ伝送装置及びNVG構成要素を利用(anticipate)する。これら二つの構成要素間の明示的な同期接続(explicit synchronizing connection)の代わりに、画像処理装置16(図5)のアルゴリズムは、レーザバースト期間とカメラ期間の両方を検出し及びその経過を追うことができる。これは、カラー化された照準点システムの成功の実現に十分である。レーザ伝送装置とNVGとの間の明示的な有線又は無線接続を伴うこのアプローチの変形も本発明の範囲内である。
【0049】
図10は、レーザスポットがビデオFOV内にある動作に対するレーザ照準装置202(図5)及びカメラ12(図5)のタイミング図を示す。上述したように、レーザ照準装置202は、周期的なデジタルデータのバーストを連続的に出力することができる。これらのバーストを、図10の上部の縦棒によって表す。
【0050】
ビデオ波形を図10の下部に示す。ビデオフレーム数N,N+1及びN+4は、上述した通りのものである。これらのフレームに対して示した長い(extended)立ち上がり時間は、完全な光子統合(photonic integration)が生じていることを示す。フレームN+3は、著しく異なる波形を示す。このフレームに対して許容される非常に短い統合期間は、カメラ12の画像増強部を短期間だけONにすることによって取得される。CMOS撮像装置が標準的な統合期間を実現するとしても、この短いゲート期間中に画像増強部を通過する(例えば、画像増強菅704(図7)を通過する)光電子しか画像情報をCMOS撮像装置に伝送しない。
【0051】
画像増強部のゲートタイミングは、画像処理装置16(図5)によって制御される。この電子サブシステムは、復調レーザ信号518の全てを検出し、カラー化されたレーザ照準スポットを有する唯一のレーザを識別することができる。プロセッサが唯一のレーザのバースト周波数に対して同期をとることによって、画像処理装置16は、連続的な伝送内で任意のレーザバーストを「利用」し、唯一のレーザの反射された戻りがカメラレンズに到達する短い期間内にカメラ12のゲートをオンにする。この非常に短い統合期間のタイミングは、ビデオFOV内の他のレーザからの戻りを回避するために画像処理装置16によって選択される。
【0052】
フレームN+3中にカメラ12によって検出される光エネルギーのほとんどが唯一のレーザスポットの反射された戻りからのものであるので、ビデオデータのこのフレームは、暗い背景上のレーザスポットを含む。したがって、このビデオフレームは、ビデオFOV内の唯一のレーザスポットの瞬時の位置を示す。画像処理装置は、レーザスポットの重心の行及び画素数を確立するためにこのビデオフレームの分析を実行する。この位置は、画像処理装置16によってメモリ(図示せず)に格納される。
【0053】
ビデオフレームN+4及び所定の数の連続するフレームにおいて、格納されたスポット位置データは、カラー化されたレーザスポットを形成するために用いられる。連続するフレームは、十分に統合され、シーンから利用できる全ての画像データを有する。画像処理装置16は、レーザスポット画像を、他のレーザスポットに対してコントラストをなす色のこれらの連続するビデオフレームの各々に重ね合わせる。
【0054】
短い同期統合フレームは、レーザスポットの位置を更新するために周期的に繰り返される。典型的な実施の形態において、正常なビデオフレームに対するこの短いビデオフレームの比を、約1:5〜1:20の範囲に亘って変更することができる。この比は、ビデオFOV内のカラー化されたレーザスポット位置の精度を決定する。高いパン速度のようにビデオシーンに著しい変化(dynamics)がある場合、更に小さい比(1:5)とすることによって精度が高くなる。シーンの変化が小さい場合、大きな比(1:20)で十分である。
【0055】
この基本形態に対する増強を、必要に応じて照準点精度を増大するために実現することができる。画像処理装置16の変形は、MEMS加速度計のような動き検出トランスデューサ(motion detection transducer)を含む。この装置は、NVGの動きによって生じたシーンの変化(dynamics)を検知し、照準点精度を最大にする比を自動的に選択する。シーン中の動きに起因する大きなシーンの変化を、画像処理装置16のアルゴリズムによって検出することもできる。このアルゴリズムを連続的に実行することによって、最適な精度に対して適切な比が自動的に選択される。
【0056】
図11は、電気光学変調器506(図5)によって生成されるタイムコード604(図6)のようなタイムコードを生成するためにレーザ照準装置202のレーザ伝送装置の回路によって実行される典型的なステップのフローチャート1100である。ブロック1102において、処理を開始する。ブロック1104において、パケット値xを0にリセットする。ブロック1106において、レーザパケットn+xを送信する。ブロック1108において、値xを1だけ増分する。ブロック1100において、値xに関する決定を行う。値xが1024(10ビット=210=1024の値)未満である場合、処理はブロック1106に進み、xを増分する。xが1024以上である場合、処理はブロック1104に進み、値xを0にリセットする。
【0057】
図12は、特定のレーザ照準装置に関連したレーザスポットをカラー化するために画像処理装置16(図5)によって実行される典型的なステップのフローチャート1200である。ブロック1202において、レーザパケットIDを識別するために変調レーザパケットが検出及び解読される。ブロック1204において、レーザパケットIDに関する決定を行う。ブロック1202で識別されたレーザパケットIDが、特定の照準処置に関連する格納されたレーザパケットIDに整合しない場合、処理はブロック1202に戻り、他の変調データパケットの検出及び解読を行う。ブロック1202で識別されたレーザパケットIDが、特定の照準処置に関連する格納されたレーザパケットIDに整合する場合、処理はブロック1206に進む。
【0058】
ブロック1206において、解読されたレーザパケット内のレーザ伝送装置タイムコードが読み出され、画像処理装置16と同期をとるために用いられる。ブロック1208において、次のビデオフレームの短縮した統合があるか否かについての決定を行う。この決定は、最近の短縮した統合期間からのフレーム数に基づくことができる。例えば、統合を、通常のカウンタからの入力に基づいて5フレームごとに短縮することができる。短縮した統合に対する決定が行われない場合、処理はブロック1210に進み、カメラ12は、例えば自動利得制御(AGC)論理ループに従って標準的な統合期間に対してオンになる。
【0059】
ブロック1208で短縮した統合に対する決定が行われたブロック1212において、バーストタイマを始動し、ブロック1214において、カメラ12に対するAGC論理ループを無効にする。
【0060】
ブロック1215において、読み出される最近解読したパケットからの「タイミング/信号コード」値を、例えばn+xに等しくなるように表示する。典型的な実施の形態において、これは、上述したステップ1206で読み出されたレーザ伝送装置タイムコードである。ブロック1216において、次のバーストを開始するときであるか否かに関する決定を行う。典型的な実施の形態において、画像処理装置16(図1及び5)の内部のタイマが、次のタイマバースト、例えば、n+x+1の開始時を決定するのに用いられる。レーザバーストの時間でないと決定した場合、AGC論理ループは、レーザバーストの時間であると決定されるまで無効のままである。レーザバーストの時間であると決定した場合、処理はブロック1218に進む。
【0061】
ブロック1218において、カメラ12は、ステップ1216の次のタイマバーストの開始時の決定に応答したときのみレーザバースト期間中にオンにされる。ブロック1220において、レーザバースト期間中に受信した変調レーザパケットを検出し及び解読する。
【0062】
ブロック1222において、スポットに対応する行及び画素数を生成するために、レーザスポット位置特定アルゴリズムを、短縮した統合ビデオフレームに適用する。適切なレーザスポット位置特定アルゴリズムは、ここの記載から当業者によって理解される。
【0063】
ブロック1224において、スポット位置特定アルゴリズムによって生成された行及び画素数がメモリに書き込まれる。ブロック1226において、AGC論理ループを有効にする。ブロック1228において、メモリから読み出した行及び画素数のカラー化されたスポットを、完全に統合したビデオフレームに重ねる。処理は、次の変調レーザパケットを検出し及び解読するためにブロック1202に戻る。
【0064】
本発明の態様を実施する適切な暗視システムに関連した種々の構成要素に関する更に詳しい説明をここで行う。更に詳しい説明を、ビデオ増強暗視ゴーグル(Video Enhanced Night Vision Goggle)の表題のドビー等による米国特許第6,560,029号明細書で見つけることもでき、この明細書を、参照によりここに組み込む。
【0065】
ビデオカメラ12の光軸及びビデオディスプレイ14の光軸を、図13に示すような従来技術に従って光学的に整列させることができる。この整列によって、同一の画角で出現する増強画像を、暗視システムを装着していないユーザに提供する。これによって、「現実世界」のオブジェクト空間に対する暗視システムの画像空間の偏差を最小にする。図13に示すように、これらの光軸の両方が平面40に対してほぼ垂直になるように画像増強ビデオカメラ12及びビデオディスプレイ14を適合させる。
【0066】
図14は、本発明による画像増強ビデオカメラ12(図5)として使用するためにここの記載から当業者によって理解されるように変更することができる従来の画像増強ビデオカメラの構成要素の分解図である。これらの構成要素は、対物レンズアッセンブリ50、画像増強菅52、撮像アレイ54、高圧電源(HVPS)56及びカメラハウジング55である。対物レンズアッセンブリ50は、低い光レベルのシーンの焦点画像を画像増強部の入力面(光電陰極)に提供する。画像増強部はHVPSによって給電される。画像増強部は、入力部の不鮮明な画像を増幅し、この画像の更に明るい形態をその出力面に再生する。この画像は、溶融光ファイバ束を用いることによって電子的な撮像アレイにコヒーレントに送信される。例えばCMOS又はCCDタイプとすることができる撮像アレイは、増強された画像を検知し、画像の描出(rendition)を含むリアルタイムのビデオ信号を形成する。したがって、ビデオカメラは、電力及び低光画像を受信し、低い光レベルのシーンのビデオ信号を出力する。
【0067】
ビデオ信号はディスプレイ14に供給される。ディスプレイ14は、ユーザの目にビデオ画像を提供する。従来のディスプレイの例を、画像光経路及び各構成要素の相対位置を示すディスプレイモジュールの断面図である図15に示す。ビデオ信号は、ディスプレイのプリント回路基板60によって受信される。プリント回路基板は、電力バスからの直流電圧も受信する。ドライバとみなすことができるプリント回路基板は、電気信号をフラットパネルディスプレイ62に出力し、フラットパネルディスプレイ62は、信号を2次元のビデオ画像に変換する。
【0068】
ビデオディスプレイ上のビデオ画像を、プリズムアイピース64を用いたユーザによって観察することができる。このアイピース光学素子は、ユーザの支援された目が相当な距離に対して焦点を合わせることができるようにするためにあたかもビデオ画像が相当な距離にある(光学的に無限である)かのようにビデオ画像を提供する。プリズムは、眼鏡のレンズが配置される位置を越えてユーザの目の前に配置される。プリズムアイピースは、プリズム内面(prism off surface)の内部反射によって光学的な機能を実行し、その湾曲は、共同して表示画像を無限遠に出現させる必要な屈折力を生成する。使用することができる特定のプリズムアイピースは、米国特許第5,701,202号明細書に開示されており、この明細書は、参照によりここに組み込まれる。構成要素は、相対位置で互いに保持され、ディスプレイハウジング66によって外部環境から保護される。
【0069】
図16は、本発明の一実施の形態の機能ブロック図を示す。画像増強ビデオカメラ12は、シーンからの光を検知し、シーンの電子画像を含むリアルタイムのビデオ信号を形成する。ビデオ信号は、ビデオ信号を受信するとともに人間の目によって観察することができる2次元画像を生成するビデオディスプレイ14に送信される。
【0070】
ビデオカメラ12とビデオディスプレイ14との間の画像プロセッサ16は、本発明に従ってビデオカメラ12からのビデオ信号を処理する。画像プロセッサ16は、マイクロプロセッサ、FPGA論理ゲート及びRAMを含むことができる。画像プロセッサ16は、ビデオ信号をビデオカメラ12から受信し、ビデオ信号を制御する。画像プロセッサ16は、オンボードプログラムによってビデオデータを再変換(reformat)し、「処理した」ビデオデータをビデオディスプレイ14に送信する。画像プロセッサ16を、プログラム可能な適合性を提供するプログラマブル装置とすることができる。
【0071】
画像増強ビデオカメラ12、画像プロセッサ16及びビデオディスプレイ14は、電池によって構成することができる電源18から電気エネルギーを受信する。システムに対する入力は、画像シーン光(image scene light)であり、それに対し、主な出力は、ビデオディスプレイ14によって提供されるとともにユーザによって観察される増強された画像シーンである。
【0072】
画像プロセッサ16は、識別可能な照準スポットを含むようユーザに提供される画像を向上させるためにビデオ信号のリアルタイムの画像処理を実行する性能を提供する。向上は、コントラスト伸長、エッジ検出/増強、MTFピーキング(アパーチャ補正)、統合、外部からのビデオ入力を有する増強されたビデオの混合/重ね合わせ及び他の既知の画像処理機能を含むことができるがこれらに限定されない。
【0073】
本発明による暗視ゴーグルの他の実施の形態を図17に示す。本実施の形態において、熱探知カメラ86を図1に示す基本的な実施の形態に追加し、画像処理プロセッサ87も示す。熱探知カメラは、画像増強(I2)装置とは異なる電磁スペクトルの部分に応答し、したがって、観察者に追加の情報を提供する。
【0074】
本発明の態様によれば、熱探知カメラからの画像を、画像増強ビデオカメラ12からの画像に「結合」することができ、したがって、観察者は、互いに重ね合わせた二つの画像を見る。図17は、上述した画像処理プロセッサ16の機能を提供することができる画像処理プロセッサ87を示し、図18は、そのための電子システムのブロック図である。
【0075】
図18を参照すると、ビデオカメラ12からの未処理のビデオ信号及び熱探知カメラ86からの未処理のビデオ信号が画像プロセッサ87に供給される。画像プロセッサ87は、上述した画像プロセッサ16の機能と、画像結合機能を有する。画像結合機能は、二つのビデオ画像を電子的に重ね合わせ、これらの相対輝度を調整し、カラーキュー(color cueing)情報を追加することもできる。結合機能と画像増強機能の両方を、ゴーグルの物理的な制御装置を介してユーザにより制御することができる。ビデオディスプレイ14は、増強及び結合処理の結果であるビデオ画像を提供する。
【0076】
使用できる二つの光波長帯域は、(イメージインテンシファイアに対する)400nmから900nmの帯域及び(熱探知カメラに対する)8μmから12μmの帯域である。熱探知カメラは、非冷却(uncooled)焦点面アレイ(FPA)に基づくことができ、I2カメラの視界とほぼ同一の熱探知ビデオの視界を提供するように設計されたそれ自体の対物レンズを組み込む。熱探知カメラの光軸及びI2カメラの光軸を、共通のシーンの二つのビデオ信号を重ね合わせることによる二つのビデオ画像の結合の処理タスクを単純化するためにシステムの組立中に並列に整列させる。
【0077】
図19は、画像増強カメラモジュールの基本的な機能構造の従来例を示す。この構造において、対物レンズ90は、シーンからの光を画像増強菅92の光電陰極に焦点を合わせる。画像増強菅は、電子を増幅するマイクロチャネルプレート(MCP)と、スクリーン光学系を有する。画像増強菅は、自動式遮断(auto-gating)HVPS97によって給電される。自動式遮断機(auto gate)94は、電圧をマイクロチャネルプレート及びスクリーンに供給するHVPS97を制御し、陰極電圧を供給するゲートドライバ99も制御する。自動式遮断によって、従来の非遮断ラップアラウンド(non-gated wrap-around)タイプのHVPSにおいて可能な光レベルより高い光レベルでの動作を可能にする。
【0078】
マイクロチャネルプレート電圧及びゲートデューティサイクルを決定する制御ループをHVPSに統合することができる。自動式遮断機ブロック94は、画像増強菅の線形利得特性の先端を切り取る(truncate)とともに最大輝度出力を効果的に設定する自動輝度調整(ABC)機能を有する。適切に露出されるとともに十分に明るい画像を画像増強菅から供給するために、制御回路は、画像増強菅からのスクリーン輝度を自動的に最適化する。このような画像増強菅からの画像は、スクリーンファイバ光学系95により撮像チップ(imaging chip)96に光学的にファイバ結合(fiber optically coupled)される。一例として、図19は、構造のこの位置のCMOS「カメラオンチップ」(camera-on-a-chip)を示すが、他の固体状態撮像アレイを用いることもできる。例えば、関連のカメラプリント回路基板を有するCCDチップは、CMOSカメラと同一の機能を実行することができる。
【0079】
このCMOSカメラ機能ブロックは、その画素アレイの2次元画像を検知するとともに当該画像のリアルタイムビデオ信号表示を行う目的を有する。カメラの自動利得制御(AGC)機能が集積回路に統合される。この制御ループは、ビデオ信号画像が所定の時間において最適なシーン内ダイナミックレンジ(intra scene dynamic range)を有するようにカメラ利得を効果的に調整する。AGCループをCMOSカメラオンチップに統合することができ、したがって、この制御ループを図19に示さない。特定のタイプに応じて、CMOSカメラは、デジタルビデオ信号、アナログビデオ信号又は両方のタイプの信号を出力することができる。
【0080】
図19に示すビデオカメラ構造は、二つの独立した制御ループを有する。画像増強菅利得/ゲーティングループは、直視型スクリーンにあるように動作し、画像増強菅からのみ帰還信号を受信する。CMOSカメラサブシステムは、画像増強菅/電源から独立して効果的に動作するAGCループを有する。適切に動作するためのカメラ全体に対して、二つの独立した制御ループの時間制約を異なるように設計する。そうでない場合、正帰還状態が、有用なビデオ画像の損失と共に生じることがある。
【0081】
本発明を、特定の実施の形態を参照しながらここで図示し及び説明したが、本発明は、詳細な説明に限定されない。種々の変形を、特許請求の範囲の等価物の範囲内で本発明の範囲を逸脱することなく詳細な説明において行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別する方法であって、
前記レーザ照準スポット及び前記他のレーザ照準スポットを含む視界を、暗視システムを用いて撮像し、
撮像された視界内の前記特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別し、
識別されたレーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと区別するために前記撮像された視界を変更し、
変更された視界を、前記暗視システムを用いて表示する方法。
【請求項2】
前記レーザ照準スポットは、前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成され、前記レーザビームは、識別シグネチャを有し、前記識別するステップは、
前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを前記レーザビームに関連した識別シグネチャと区別する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別シグネチャは周期パルスであり、前記レーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを区別するステップは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記識別シグネチャは非周期パルスであり、前記レーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを区別するステップは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記非周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと異なる色で表示するために前記視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを連続スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを連続スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを省略するために前記撮像された視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別する暗視システムであって、
視界を撮像するように構成されたカメラと、
前記カメラに結合され、前記特定の小火器に関連した視界内のレーザ照準スポットを識別するとともに識別されたレーザ照準スポットを前記視界内の他のレーザ照準スポットと区別するために撮像された視界を変更するように構成された画像処理プロセッサと、
前記画像処理プロセッサに結合され、変更された視界を表示するように構成されたディスプレイと、
を備える暗視システム。
【請求項10】
前記レーザ照準スポットは、前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成され、前記レーザビームは、識別シグネチャを有し、前記画像処理プロセッサは、
前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを前記レーザビームに関連した識別シグネチャと区別するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項11】
前記識別シグネチャは周期パルスであり、前記画像処理プロセッサは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させるように構成された請求項10に記載の暗視システム。
【請求項12】
前記識別シグネチャは非周期パルスであり、前記画像処理プロセッサは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記非周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させるように構成された請求項10に記載の暗視システム。
【請求項13】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと異なる色で表示するために前記視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項14】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを連続スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項15】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを連続スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項16】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを省略するために前記撮像された視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項17】
特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するシステムであって、
前記レーザ照準スポット及び前記他のレーザ照準スポットを含む視界を撮像する手段と、
撮像された視界内の前記特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別する手段と、
識別されたレーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと区別するために前記撮像された視界を変更する手段と、
変更された視界を表示する手段と、
を備えるシステム。
【請求項18】
前記レーザ照準スポットは、前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成され、前記レーザビームは、識別シグネチャを有し、前記識別する手段は、
前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを前記レーザビームに関連した識別シグネチャと区別する手段を備える請求項17に記載のシステム。
【請求項1】
特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別する方法であって、
前記レーザ照準スポット及び前記他のレーザ照準スポットを含む視界を、暗視システムを用いて撮像し、
撮像された視界内の前記特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別し、
識別されたレーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと区別するために前記撮像された視界を変更し、
変更された視界を、前記暗視システムを用いて表示する方法。
【請求項2】
前記レーザ照準スポットは、前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成され、前記レーザビームは、識別シグネチャを有し、前記識別するステップは、
前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを前記レーザビームに関連した識別シグネチャと区別する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別シグネチャは周期パルスであり、前記レーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを区別するステップは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記識別シグネチャは非周期パルスであり、前記レーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを区別するステップは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記非周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと異なる色で表示するために前記視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを連続スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを連続スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変更するステップは、前記レーザ照準スポットを表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを省略するために前記撮像された視界を変更する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別する暗視システムであって、
視界を撮像するように構成されたカメラと、
前記カメラに結合され、前記特定の小火器に関連した視界内のレーザ照準スポットを識別するとともに識別されたレーザ照準スポットを前記視界内の他のレーザ照準スポットと区別するために撮像された視界を変更するように構成された画像処理プロセッサと、
前記画像処理プロセッサに結合され、変更された視界を表示するように構成されたディスプレイと、
を備える暗視システム。
【請求項10】
前記レーザ照準スポットは、前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成され、前記レーザビームは、識別シグネチャを有し、前記画像処理プロセッサは、
前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを前記レーザビームに関連した識別シグネチャと区別するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項11】
前記識別シグネチャは周期パルスであり、前記画像処理プロセッサは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させるように構成された請求項10に記載の暗視システム。
【請求項12】
前記識別シグネチャは非周期パルスであり、前記画像処理プロセッサは、
前記レーザ照準スポットを識別するよう前記レーザ照準スポットの見掛けの輝度を増大させるために、前記非周期パルスに対して前記暗視システム内のカメラゲーティングを同期させるように構成された請求項10に記載の暗視システム。
【請求項13】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと異なる色で表示するために前記視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項14】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを連続スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項15】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを連続スポットとして表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを点滅スポットとして表示するために前記撮像された視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項16】
前記画像処理プロセッサは、前記レーザ照準スポットを表示するとともに前記他のレーザ照準スポットを省略するために前記撮像された視界を変更するように構成された請求項9に記載の暗視システム。
【請求項17】
特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを他のレーザ照準スポットと区別するシステムであって、
前記レーザ照準スポット及び前記他のレーザ照準スポットを含む視界を撮像する手段と、
撮像された視界内の前記特定の小火器に関連したレーザ照準スポットを識別する手段と、
識別されたレーザ照準スポットを前記他のレーザ照準スポットと区別するために前記撮像された視界を変更する手段と、
変更された視界を表示する手段と、
を備えるシステム。
【請求項18】
前記レーザ照準スポットは、前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成され、前記レーザビームは、識別シグネチャを有し、前記識別する手段は、
前記特定の小火器に関連したレーザビームによって生成されたレーザ照準スポットを前記レーザビームに関連した識別シグネチャと区別する手段を備える請求項17に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−528295(P2012−528295A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513091(P2012−513091)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/033966
【国際公開番号】WO2011/014286
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512067159)エクセリス インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/033966
【国際公開番号】WO2011/014286
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512067159)エクセリス インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
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