説明

ロッドレンズアレイの製造方法

【課題】配列ムラを生じさせずにロッドレンズを基板上で整列配置させることができ、さらに、配列ピッチやレンズ径の異なる複数種類のロッドレンズアレイを容易に製造することができるロッドレンズアレイ製造方法を提供する。
【解決手段】一方の面に複数の溝が形成された第1の基板と一方の面に複数の溝が形成された第2の基板の間に複数本のロッドレンズが平行に配列されたロッドレンズアレイの製造方法であって、前記第1の基板の各溝内にロッドレンズを配置し、前記第1の基板の一方の面上にロッドレンズ配列体を形成する工程と、前記第2の基板の一方の面に接着剤を塗布する工程と、前記ロッドレンズ配列体を前記第2の基板の一方の面に接着し転写する工程と、前記第2の基板に転写されたロッドレンズ配列体の下方面に接着剤を塗布する工程と、前記第2の基板に接着されたロッドレンズ配列体を、前記第1の基板に接着する工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドレンズアレイの製造方法に関し、より詳細には、2枚の基板間に多数の柱状レンズが並列配置されているロッドレンズアレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚の基板間に多数のロッドレンズが並列配置された状態で接着固定されているロッドレンズアレイが、複写機、ファクシミリ、スキャナ等のラインセンサ、また、LEDプリンタの書き込みデバイス等の光学部品として広く用いられている。
【0003】
このようなロッドレンズアレイを製造する際には、所定長に切断され並列状態に配置された多数のロッドレンズ(ロッドレンズ配列体)の一方の側面を、接着剤が塗布された第1の基板の表面に押圧して第1の基板に固定し、さらに、接着剤が塗布された第2の基板の面をロッドレンズ配列体の他方の側面に押圧して、第1および第2の基板間にロッドレンズ配列体を接着固定する方法が採られることが一般的である。
【0004】
このようなロッドレンズの製造において、多数のロッドレンズを並列状態に配置(配列)するロッドレンズ配列体を構成する方法として、レンズ配列用のダミー配列プレートを用いて配列する方法が知られている(特許文献1、2参照)。
この方法では、金属製のダミー配列プレートの表面に形成された多数の位置決め溝内にロッドレンズを配置することによってロッドレンズ配列体を構成する。多数の位置決め溝は、これら位置決め溝に収容された多数のロッドレンズがロッドレンズアレイ内での配列状態と同様の配列状態のロッドレンズ配列体となるように形成されている。
したがって、ダミー配列プレートの全ての位置決め溝内にロッドレンズを配置することによって、多数のロッドレンズが所定の配列状態で配置されたロッドレンズ配列体を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−301176号公報
【特許文献2】特開平6−143049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ロッドレンズアレイの製造では、ロッドレンズを収容する溝が表面に形成されている基板が使用される場合がある。このような場合、基板の表面に形成されるロッドレンズを収容する溝のピッチは、ダミー配列プレートの表面の位置決め溝のピッチと同一に設定されている。
【0007】
したがって、溝付きの基板を使用する場合には、表面の位置決め溝にロッドレンズを収容したダミー配列プレートを、ロッドレンズを収容する溝が形成されている基板の表面に押圧することによって、ダミー配列プレートの位置決め溝内で並列状態に配列されたロッドレンズを、基板の表面のロッドレンズ収容溝に転写することができる。
【0008】
しかしながら、基板は樹脂で形成されているため、寸法上の製造誤差が比較的大きく、その表面に形成されるロッドレンズを収容する溝のピッチが、設計上のピッチすなわちダミー配列プレートの位置決め溝のピッチとずれてしまうということがある。
【0009】
この結果、ダミー配列プレートの表面の位置決め溝に整列配置したロッドレンズを基板の表面のロッドレンズ収容溝に転写する際、基板の表面のロッドレンズ収容溝内の所定位置に収容されないロッドレンズがあり、製造されたロッドレンズアレイ内でのロッドレンズの配列にムラが生じ、ロッドレンズアレイが所定の光学性能を発揮できなくなる、という問題が生じる場合がある。
【0010】
また、ダミー配列プレートを用いてロッドレンズを並列配置する方法では、ロッドレンズの配列ピッチや直径が異なるロッドレンズアレイを製造する場合には、それぞれのロッドレンズアレイ毎にダミー配列プレートを準備しなくてはならず、費用と手間がかかるという問題もあった。
【0011】
さらに、ダミー配列プレート上で配列されたロッドレンズに接着剤が塗布された第1の基板を押圧するとき、余分な接着剤がダミー配列プレートに付着してしまい、これにより、次の作業でロッドレンズをダミー配列プレート上に配列する際に、配列ムラが生じたり、第1の基板との接合時に配列が崩れてしまうという問題もあった。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、配列ムラを生じさせずにロッドレンズを基板上で整列配置させることができ、さらに、配列ピッチやレンズ径の異なる複数種類のロッドレンズアレイを容易に製造することができるロッドレンズアレイ製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、
一方の面に複数の溝が形成された第1の基板と一方の面に複数の溝が形成された第2の基板の間に複数本のロッドレンズが平行に配列されたロッドレンズアレイの製造方法であって、
前記複数の溝内にそれぞれロッドレンズが配置されて一方の面上にロッドレンズ配列体が形成された第1の基板を準備する工程と、
前記第1の基板上のロッドレンズ配列体の各ロッドレンズを第2の基板の各溝に収容するためのレンズ収容位置に配置された前記第2の基板を前記レンズ収容位置から移動させ、前記第2の基板の一方の面に接着剤を塗布する工程と、
前記第2の基板を、接着剤が塗布された一方の面を下方に向けた状態で、前記レンズ収容位置に戻す工程と、
前記第2の基板の接着剤が塗布された一方の面を、前記第1の基板の一方の面上のロッドレンズ配列体の上方面に押圧し、該ロッドレンズ配列体を前記第2の基板の一方の面に接着し転写する工程と、
前記ロッドレンズ配列体が転写された前記第2の基板を、前記レンズ収容位置から移動させる工程と、
前記第2の基板に転写されたロッドレンズ配列体の下方面に接着剤を塗布する工程と、
前記ロッドレンズ配列体が転写された前記第2の基板を、前記ロッドレンズ配列体の接着剤が塗布された下方面を下方に向けた状態で、前記レンズ収容位置に配置する工程と、
前記ロッドレンズ配列体の接着剤が塗布された下方面を、前記第1の基板の一方の面に押圧し、前記第2の基板に接着されたロッドレンズ配列体を、前記第1の基板に接着する工程と、を備えている、
ことを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法が提供される。
【0014】
このような構成によれば、ロッドレンズ配列体を形成するときにダミー配列プレートを使用しないので、配列ムラ等が生じることなく、基板とロッドレンズ配列体とを高い精度で接着接合させることができる。
【0015】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記第1の基板を準備する工程は、
前記第1の基板を、溝が形成された面を上方に向けた状態で所定位置に固定する工程と、
前記第1の基板の各溝内にロッドレンズを配置し、前記第1の基板の一方の面上にロッドレンズ配列体を形成する工程と、を含む。
【0016】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記第1の基板を、溝が形成された面を上方に向けた状態で所定位置に固定する工程が、前記第1の基板を吸引機構によって所定位置に固定することによって行われる。
【0017】
このような構成によれば、簡単な構成で、基板を確実に所定位置に固定できるので、ロッドレンズアレイの配列ムラを防止することができる。
【0018】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記第2の基板の移動は、前記第2の基板を吸引機構によって吸着した状態で行われる。
【0019】
このような構成によれば、移動時に基板がずれることを防止できるので、ロッドレンズアレイの配列ムラを防止することができる。
【0020】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記接着剤の塗布は、接着剤塗布ステージ上に配置された接着剤を、前記第2の基板または前記ロッドレンズ配列体に転写することによって行われる。
【0021】
このような構成によれば、接着剤を所望位置に確実かつ均一に塗布することができ、ロッドレンズアレイの配列ムラを防止することができる。
【0022】
本発明の他の好ましい態様によれば、
複数枚の前記第1および第2の基板によって、複数のロッドレンズアレイが同時に製造されるロッドレンズアレイの製造方法であって、
前記複数枚の第1および第2の基板は、前記溝が整列するように、所定距離、離間した状態で配置され、前記各工程において、該複数枚の第1および第2の基板が同時に処理され、
前記ロッドレンズの各々は、離間した状態で配置された複数枚の第1または第2の基板の溝を貫通して延びる長さを有し、
前記複数枚のロッドレンズアレイが、各アレイ間で露出したロッドレンズによって連結した状態で製造され、
前記露出したロッドレンズ部分を切断する工程をさらに備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、配列ムラを生じさせずにロッドレンズを基板上で整列配置させることができ、さらに、配列ピッチやレンズ径の異なる複数種類のロッドレンズアレイを容易に製造することができるロッドレンズアレイ製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法によって製造されるロッドレンズアレイの構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法の工程を模式的に示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態のロッドレンズアレイの製造方法で使用されるパレットの構成を示す模式的な斜視図である。
【図4】図3のパレットの凹部に基板を収容した状態を示す模式的な斜視図である。
【図5】図4の各基板の溝にロッドレンズが収容された状態を示す模式的な斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態によって製造されたロッドレンズアレイ原板を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法について説明する。
先ず、本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法によって製造されるロッドレンズアレイ1の構成について説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法によって製造されるロッドレンズアレイ1の構成を模式的に示す斜視図である。
【0026】
図1に示されているように、このロッドレンズアレイ1では、同一形状の基板2、4の間に、所定長の円柱状のロッドレンズ6が、隣接するロッドレンズ6同士が並列状態で配置されている。第1および第2の基板2、4と各ロッドレンズ6との間の空間には、接着剤8が充填され、各ロッドレンズ6は、第1および第2の基板2、4間に接着固定されている。
【0027】
本実施形態では、第1および第2の基板2、4として、カーボンブラック、染料等の遮光剤を含有した、フェノール樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂の板が用いられている。
第1および第2の基板2、4のそれぞれは、細長い矩形形状を有し、一方の面にロッドレンズ6が収容される半円柱状の多数の平行な溝が形成されている。
したがって、ロッドレンズアレイ1は、一方の面に複数の溝が形成された第1の基板2と一方の面に複数の溝が形成された第2の基板4の間に複数本のロッドレンズ6が平行に配列された構成を備えている。
【0028】
また、各ロッドレンズ6は、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂等のプラスチックやガラスで構成された光ファイバであり、例えば、直径0.3mm乃至1mm程度の寸法を有している。
【0029】
次に、本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法について説明する。図2は、本発明の好ましい実施形態のロッドレンズアレイの製造方法の工程を模式的に示す図である。
【0030】
先ず、第1の基板2の複数の溝内にそれぞれロッドレンズ6を配置して、第1の基板2の一方の面上にロッドレンズ配列体12が形成された第1の基板2を準備する。第1の基板2を準備する方法は特に制限されないが、例えば、真空吸引孔が設けられたステージ10上に、第1の基板2を、溝が形成された面を上方に向けた状態で所定位置に配置し、真空吸引によって、第1の基板2をステージ上の所定位置に固定する。次いで、ステージ10上の所定位置に固定された第1の基板の全ての溝2a内にロッドレンズ6を配置し、第1の基板2の一方の面上に、多数のロッドレンズ6が隣接するロッドレンズ6と並列配置されているロッドレンズ配列体12を形成する。
【0031】
次いで、第2の基板4を、吸引機構を有する搬送装置14に溝4aが形成されている面が下方を向くように吸着させる。本実施形態では、搬送装置14は、吸着した基板を上下左右に搬送可能に構成されている。
【0032】
搬送装置14によって、吸着した第2の基板4を、ステージ10上の所定位置に固定されている第1の基板2の一方の面上のロッドレンズ配列体12の各ロッドレンズ6が、第2の基板4の溝4aに収容されるレンズ収容位置に配置する(図2a)。
この状態で、第1および第2の基板2、4とロッドレンズ6とが、完成品であるロッドレンズアレイの状態に仮位置決めされることになる。
【0033】
次いで、レンズ収容位置に配置されている第2の基板4を搬送装置14によって吸着し、第2の基板14をレンズ収容位置から上方に次いで側方に移動させる。さらに、第2の基板の一方の面に接着剤16を塗布する。この接着剤16の塗布は、ステージ10の側方に配置された接着剤塗布ステージ18上に配置された接着剤16に、溝4aが形成された面が下方に向くように搬送装置14によって吸着された第2の基板4の溝が形成された面を押圧し、接着剤16を第2の基板4の溝が形成された面に転写することによって行われる(図2(b))。
【0034】
次いで、溝が形成された面に接着剤16が転写され、接着剤が塗布された一方の面を下方に向けた状態で搬送装置14に吸着されている第2の基板4を、搬送装置14によって、所定位置に固定されている第1の基板2の上方に移動させ(図2(c))、さらに、レンズ収容位置に降下させる。そして、第2の基板4の接着剤16が塗布された一方の面を、第1の基板2の一方の面上のロッドレンズ配列体12の上方面12aに押圧し、ロッドレンズ配列体12を第2の基板4の一方の面に接着し転写する。
【0035】
次いで、ロッドレンズ配列体12が転写された第2の基板4を、搬送装置14によって、レンズ収容位置から上方に次いで側方に移動させる。さらに、第2の基板4に転写されたロッドレンズ配列体12の下方面に接着剤22を塗布する。
【0036】
この接着剤22の塗布は、ステージ10の側方に配置された接着剤塗布ステージ18上に配置された接着剤22に、搬送装置14によって吸着された第2の基板4に転写されたロッドレンズ配列体12の下方の面を押圧し、接着剤22を第2の基板4に転写されたロッドレンズ配列体12に転写することによって行われる(図2(d))。
【0037】
次いで、接着剤22が塗布されたロッドレンズ配列体12が転写され、ロッドレンズ配列体12を下方に向けた状態で搬送装置14に吸着されている第2の基板4を、搬送装置14によって、所定位置に固定されている第1の基板2の上方に移動させ(図2(e))、さらに、レンズ収容位置に降下させる。
【0038】
そして、レンズ収容位置において、ロッドレンズ配列体12の接着剤22が塗布された面を、第1の基板2の一方の面に押圧し、第2の基板4に接着されたロッドレンズ配列体12を、第1の基板2に接着し、第1および第2の基板2、4間にロッドレンズ6が接着剤8(16、22)によって接着されたロッドレンズ1を得る。
【0039】
このとき、第2の基板4は、第1および第2の基板2、4とロッドレンズ6とが、完成品であるロッドレンズアレイの状態に仮位置決めされる仮位置決め位置である図2(a)のレンズ収容位置に配置された状態で、第1の基板2に押圧されるので、第2の基板4に転写されているロッドレンズ配列体12の各ロッドレンズ6は、第1の基板2の表面に形成されている溝2a内に確実に収容され、ロッドレンズ6の所望の配列状態が得られる。
【0040】
最後に、ステージ10の真空吸引を停止し、搬送装置14によって、ロッドレンズアレイ1を次の最終プレス工程に移送する(図2(f))。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態のロッドレンズアレイ製造方法について説明する。第2実施形態は、複数枚の第1および第2の基板によって、複数のロッドレンズアレイが同時に製造されるロッドレンズアレイの製造方法である。
【0042】
本実施形態では、複数枚の第1および第2の基板2、4は、それぞれ、表面に形成された溝が直線的に整列するように、所定距離、離間した状態で配置され、各工程で、複数枚の第1または第2の基板が同時に処理される。
また、使用されるロッドレンズの各々は、離間した状態で配置された複数枚の第1または第2の基板の溝を貫通して延びる長さを有している。この結果、複数個のロッドレンズアレイが、各アレイ間で露出したロッドレンズによって連結した状態で製造されることになる。
そして、ロッドレンズアレイ間で露出したロッドレンズ部分を切断することによって、個々のロッドレンズアレイが得られる。
【0043】
本実施形態では、複数枚の第1の基板2は、図3に示されている様な、パレット24の表面に所定間隔で形成された複数の矩形凹部26内に収容される(図4)。各凹部26の底面には、複数の吸引孔28が設けられ、各凹部26内の第1の基板2を固定できるように構成されている。
【0044】
このようなパレット24に固定された複数枚の第1の基板2に対し、上記第1の実施形態と同様の接着剤塗布工程等の各工程が実施される。
【0045】
上述したように、本実施形態では、使用されるロッドレンズの各々は、離間した状態で配置された複数枚の第1または第2の基板の溝を貫通して延びる長さを有しているので、パレット24の各凹部26内に固定された第1の基板2の溝にロッドレンズを配置すると、図5に示されるように、離間して配置された複数枚の第1の基板2を各ロッドレンズが貫通して延びる状態となる。
【0046】
さらに、複数枚の第1の基板2のそれぞれに対して、第2の基板4が接着されると、図6に示されているような、複数個のロッドレンズアレイが、各アレイ間で露出したロッドレンズによって連結されたロッドレンズアレイ原板が製造されることになる。
【0047】
本実施形態では、ロッドレンズアレイ間で露出したロッドレンズ部分を切断することによって、個々のロッドレンズアレイが得られる。
【0048】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、たとえば基板1、2の作成精度が高ければ組み立て初期の仮位置決めの工程を省略することが可能でありサイクルタイムの向上が望め、また、たとえば最後に第1の基板を接着剤で貼りあわせるまでに、レンズ収納位置にロッドレンズ配列体を複数回投入しそれにあわせた接着剤の塗布及び転写を繰り返すことにより複数列のロッドレンズアレイを得ることが可能であり、それらも本発明の範囲内に包含される。
【符号の説明】
【0049】
1:ロッドレンズアレイ、
2,4:基板、
6:ロッドレンズ、
8,16,22:接着剤、
10:ステージ、
12:ロッドレンズ配列体、
14:搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に複数の溝が形成された第1の基板と一方の面に複数の溝が形成された第2の基板の間に複数本のロッドレンズが平行に配列されたロッドレンズアレイの製造方法であって、
前記複数の溝内にそれぞれロッドレンズが配置されて一方の面上にロッドレンズ配列体が形成された第1の基板を準備する工程と、
前記第1の基板上のロッドレンズ配列体の各ロッドレンズを第2の基板の各溝に収容するためのレンズ収容位置に配置された前記第2の基板を前記レンズ収容位置から移動させ、前記第2の基板の一方の面に接着剤を塗布する工程と、
前記第2の基板を、接着剤が塗布された一方の面を下方に向けた状態で、前記レンズ収容位置に戻す工程と、
前記第2の基板の接着剤が塗布された一方の面を、前記第1の基板の一方の面上のロッドレンズ配列体の上方面に押圧し、該ロッドレンズ配列体を前記第2の基板の一方の面に接着し転写する工程と、
前記ロッドレンズ配列体が転写された前記第2の基板を、前記レンズ収容位置から移動させる工程と、
前記第2の基板に転写されたロッドレンズ配列体の下方面に接着剤を塗布する工程と、
前記ロッドレンズ配列体が転写された前記第2の基板を、前記ロッドレンズ配列体の接着剤が塗布された下方面を下方に向けた状態で、前記レンズ収容位置に配置する工程と、
前記ロッドレンズ配列体の接着剤が塗布された下方面を、前記第1の基板の一方の面に押圧し、前記第2の基板に接着されたロッドレンズ配列体を、前記第1の基板に接着する工程と、を備えている、
ことを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法。
【請求項2】
前記第1の基板を準備する工程は、
前記第1の基板を、溝が形成された面を上方に向けた状態で所定位置に固定する工程と、
前記第1の基板の各溝内にロッドレンズを配置し、前記第1の基板の一方の面上にロッドレンズ配列体を形成する工程と、を含む、
請求項1記載のロッドレンズアレイの製造方法。
【請求項3】
前記第1の基板を、溝が形成された面を上方に向けた状態で所定位置に固定する工程が、前記第1の基板を吸引機構によって所定位置に固定することによって行われる、
請求項2に記載のロッドレンズアレイの製造方法。
【請求項4】
前記第2の基板の移動は、前記第2の基板を吸引機構によって吸着した状態で行われる、
請求項1ないし3に記載のロッドレンズアレイの製造方法。
【請求項5】
前記接着剤の塗布は、接着剤塗布ステージ上に配置された接着剤を、前記第2の基板または前記ロッドレンズ配列体に転写することによって行われる、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロッドレンズアレイの製造方法。
【請求項6】
複数枚の前記第1および第2の基板によって、複数のロッドレンズアレイが同時に製造されるロッドレンズアレイの製造方法であって、
前記複数枚の第1および第2の基板は、前記溝が整列するように、所定距離、離間した状態で配置され、前記各工程において、該複数枚の第1および第2の基板が同時に処理され、
前記ロッドレンズの各々は、離間した状態で配置された複数枚の第1または第2の基板の溝を貫通して延びる長さを有し、
前記複数枚のロッドレンズアレイが、各アレイ間で露出したロッドレンズによって連結した状態で製造され、
前記露出したロッドレンズ部分を切断する工程をさらに備えている、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロッドレンズアレイの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−80150(P2013−80150A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220891(P2011−220891)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)