説明

ロードセンシングバルブ

【課題】圧力補償弁Cの弁体10の移動をゆっくりさせながら、安定的な制御を可能にしたロードセンシングバルブを提供することである。
また、シャトル弁13を圧力補償弁Cに組み込んで当該圧力補償弁Cをカートリッジ化して、圧力補償弁Cの組み付け等の作業が簡単にできるロードセンシングバルブを提供することである。
【解決手段】シャトル弁13のポペット部とは反対側に設けた中継室11aに最高負荷圧導入通路20を連通させ、この中継室11aと最高負荷圧導入室11との間にダンパーオリフィス19を設ける。そして、このダンパーオリフィス19を介して最高負荷圧を最高負荷圧導入室11に導く構成にしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数連接して用いる多連形のロードセンシングバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、この種のロードセンシングバルブを、特願2006−178695号にかかわる発明としてすでに提供しているが、この従来のロードセンシングバルブを本願の図2として示している。
【0003】
図2に示した従来のロードセンシングバルブは、バルブハウジング1にスプール孔1aを形成し、このスプール孔1aにスプール2を摺動自在に組み込んでいる。そして、上記バルブハウジング1には、一対のアクチュエータポート3,4を形成するとともに、これらアクチュエータポート3,4の外側にタンク連通路5を設けている。さらに、このバルブハウジング1には、ポンプに連通した一対の供給ポート6,7を形成するとともに、これら供給ポート6,7間に導入ポート8を形成している。このようにした供給ポート6,7は、図示していないポンプに連通するとともに、他のロードセンシングバルブの供給ポートと、紙面に対して垂直方向に互いに連通するものである。
【0004】
そして、上記導入ポート8は、圧力補償弁Cを介して供給通路9に連通可能にしているが、この圧力補償弁Cは、次のように構成している。すなわち、圧力補償弁Cの弁体10を円筒形状にするとともに、この円筒形にした弁体10内に仕切り壁10aを形成し、この仕切り壁10aを境にして、導入ポート8側に開口する第1円筒部10bと、最高負荷圧導入室11側に開口する第2円筒部10cとに区画している。なお、上記最高負荷圧導入室11は、図示していない他のロードセンシングバルブを含めた複数のロードセンシングバルブに接続したアクチュエータの中の最高負荷圧が導かれるようにしている。
そして、上記第1円筒部10bには連通ポート12を形成し、弁体10が導入ポート8側の圧力作用で移動したとき、この連通ポート12が供給通路9に開口する関係にしている。
【0005】
上記第2円筒部10cの内部を断面円形の弁室10dとし、この弁室10dにシャトル弁13を摺動自在に組み込んでいる。そして、このシャトル弁13は多角柱状にするとともに、この多角柱状にしたシャトル弁13を、内周を円形にした弁室10dに組み込むことによって、シャトル弁13と弁室10dとの間にすき間が形成されるが、このすき間を流通路としている。このようにして形成された流通路が上記最高負荷圧導入室11に通じる通路となる。
【0006】
また、上記シャトル弁13の一端には、上記仕切り壁10aに形成したシート部10eを開閉する円錐形のポペット部13aを形成している。そして、上記シート部10eが開かれると、上記供給通路9が、弁室10d内の上記流通路を介して最高負荷圧導入室11に連通し、シート部10eが閉じられると、供給通路9と最高負荷圧導入室11との連通が遮断される。
【0007】
なお、上記のようにシャトル弁13の両端にポペット部13a,13aを形成したのは、その組み込み時にシャトル弁13の方向性を無視できるようにするためである。
また、図中符号14,14はロードチェック弁で、アクチュエータポート3,4側の圧力が逆流するのを防止するためのものである。
【0008】
上記のようにしたバルブハウジング1に組み込んだスプール2が図示の中立位置にあるとき、このスプール2のほぼ中央に設けた第1環状溝15が導入ポート8に対応し、導入ポート8と供給ポート6,7との連通が遮断される関係にしている。
【0009】
さらに、上記スプール2の両側には第2環状溝16,17を形成しているが、スプール2が図面右方向に移動すると、一方の第2環状溝16を介して供給通路9とアクチュエータポート3とが連通し、他方の第2環状溝17を介してアクチュエータポート4とタンク連通路5とが連通する。また、スプール2が図面左方向に移動すると、他方の第2環状溝17を介して供給通路9とアクチュエータポート4とが連通し、一方の第2環状溝16を介してアクチュエータポート3とタンク連通路5とが連通する。
【0010】
そして、スプール2が図面右方向に移動すると、供給ポート7が第1環状溝15を介して導入ポート8に連通する。したがって、供給ポート7に流入した圧力流体は、導入ポート8に導かれるとともに、その導入ポート8内の圧力の作用で、圧力補償弁Cが最高負荷圧導入室11の圧力作用に抗して移動する。このように圧力補償弁Cが移動すると、その連通ポート12が供給通路9に対して開口するので、導入ポート8に導かれた圧力流体は、ロードチェック弁14および一方の第2環状溝16を経由してアクチュエータポート3から流出する。そして、他方のアクチュエータポート4から流入したアクチュエータの戻り流体は、他方の第2環状溝17を介してタンク連通路5に排出される。
【0011】
上記のように供給通路9がアクチュエータに連通すると、そのときの当該アクチュエータの負荷圧がシャトル弁13のポペット部13aに作用する。このとき、最高負荷圧導入室11に導かれている圧力よりも、上記アクチュエータポート3側の負荷圧の方が高ければ、シャトル弁13が上昇してシート部10eを開く。このようにしてシート部10eが開けば、アクチュエータポート3側の負荷圧が最高負荷圧導入室11に導かれるとともに、この最高負荷圧導入室11から図示していないレギュレータに導かれる。このレギュレータは、図示していないポンプの吐出圧が、上記最高負荷圧導入室11の負荷圧よりも設定圧以上高い圧力になるように制御する。
【0012】
ただし、上記最高負荷圧導入室11は、他のロードセンシングバルブの最高負荷圧導入室と連通しているので、最高負荷圧導入室11内の圧力は、他のロードセンシングバルブに接続した各アクチュエータのうちの最高負荷圧が導かれることになる。したがって、上記レギュレータに導かれる圧力も、各アクチュエータのうちの最高負荷圧が導かれるとともに、当該レギュレータは、ポンプの吐出圧が、上記最高負荷圧よりも設定圧だけ高い圧力に保たれるように制御されることになる。言い換えると、上記最高負荷圧導入室11に導かれる最高負荷圧によって、いわゆるロードセンシング制御がされることになる。
【特許文献1】特開2003−329152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のようにした従来のロードセンシングバルブの圧力補償弁Cの弁体10は、導入ポート8側の供給圧と、最高負荷圧導入室11側の圧力とがバランスする位置を保つが、圧力バランスが急激に変化したりすると、シャトル弁13と圧力補償弁Cが、同じ最高負荷圧導入室11の圧力で動作するので、弁体10の移動速度が速くなり、安定的な制御ができなくなるといった問題があった。
この発明の第1の目的は、圧力補償弁の弁体の移動をゆっくりさせながら、安定的な制御を可能にしたロードセンシングバルブを提供することである。
第2の目的は、シャトル弁を圧力補償弁に組み込んで当該圧力補償弁をカートリッジ化して、当該圧力補償弁の組み付け等の作業が簡単なロードセンシングバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、次のロードセンシングバルブを前提にするものである。すなわち、このロードセンシングバルブのバルブハウジングにはアクチュエータポート、ポンプ連通路、供給通路およびタンク連通路を形成するとともに、このバルブハウジングに形成したスプール孔に、複数の環状溝を形成したスプールを摺動自在に組み込んでいる。そして、このスプールが切り換ったとき、アクチュエータポートが特定の環状溝および供給通路を介して上記ポンプ連通路に接続したり、特定の環状溝を介してタンク連通路に連通したりする構成にしている。しかも、上記ポンプ連通路と供給通路との間に圧力補償弁を設け、この圧力補償弁の弁体の一方の受圧面には上記ポンプ連通路の圧力を作用させ、他方の受圧面には他のバルブとの間で決まる最高負荷圧を導く最高負荷圧導入室の圧力を作用させるようにしている。一方、上記圧力補償弁の弁体にはシャトル弁を組み込み、このシャトル弁のポペット部には上記供給通路の圧力を作用させ、ポペット部とは反対面には上記最高負荷圧導入室の最高圧を作用させる。そして、上記供給通路の圧力が上記最高負荷圧に打ち勝ったとき、シャトル弁が開弁して、当該供給通路の圧力を最高負荷圧導入室に導く構成にしている。
【0015】
そして、第1の発明は、上記のロードセンシングバルブを前提にしつつ、シャトル弁のポペット部とは反対側に設けた中継室に最高負荷圧導入通路を連通させ、この中継室と上記最高負荷圧導入室との間にダンパーオリフィスを設けるとともに、このダンパーオリフィスを介して最高負荷圧を最高負荷圧導入室に導く構成にした点に特徴を有する。
【0016】
第2の発明は、圧力補償弁の弁体に、内周を断面円形にした弁室を設け、この弁室に、ポペット部以外の部分を多角柱状にしたシャトル弁を組み込み、このシャトル弁の外周と、弁室内壁との間に形成される隙間を流通路とし、この流通路を介して、バルブハウジングに形成した最高負荷圧導入通路を最高負荷圧導入室に連通させ、しかも、シャトル弁が開弁したとき、上記流通路を介して供給通路の圧力を最高負荷圧導入室に導く構成にする一方、上記弁室を、ダンパーオリフィスを形成したプラグでふさいで、当該圧力補償弁をカートリッジ化した点に特徴を有する。
第3の発明は、シャトル弁の両端に同一形状のポペット部を形成した点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、圧力補償弁の最高負荷圧導入室には、ダンパーオリフィスを介して最高負荷圧を導くようにしたので、圧力補償弁の弁体が移動するときには、このダンパーオリフィスを介して流体が流れ、ダンピング効果を発揮させることができる。したがって、当該圧力補償弁の制御機能を安定させることができる。
第2の発明によれば、圧力補償弁は、シャトル弁を組み込んだカートリッジ化することが可能になり、その分、当該圧力補償弁の組み付け等の作業が簡単になる。
【0018】
第3の発明によれば、シャトル弁の組み込み方向を無視することができるので、その分、組み立て作業が簡単になるとともに、シャトル弁の誤組という問題も発生しない。なお、シャトル弁の一方の端部のみにポペット部を形成した場合に、当該圧力補償弁の組み付けが完了してそれをバルブハウジングに組み込んでから、シャトル弁の誤組が判明したりすると、その修復作業に多大の時間を必要とするが、この発明によればそのような問題も発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示した実施形態は、その圧力補償弁Cの弁室10dをプラグ18でふさぐとともに、このプラグ18にダンパーオリフィス19を形成した点が主な特徴である。その他の構成はおおむね従来の構成と同様であるが、以下には、従来と同一の構成も繰り返し説明するとともに、従来と同一の構成要素に関しては同一符号を付して説明する。
【0020】
図1に示した実施形態は、バルブハウジング1にスプール孔1aを形成し、このスプール孔1aにスプール2を摺動自在に組み込んでいる。そして、上記バルブハウジング1には、一対のアクチュエータポート3,4を形成するとともに、これらアクチュエータポート3,4の外側にタンク連通路5を設けている。さらに、このバルブハウジング1には、ポンプに連通した一対の供給ポート6,7を形成するとともに、これら供給ポート6,7間に導入ポート8を形成している。このようにした供給ポート6,7は、図示していないポンプに連通するとともに、他のロードセンシングバルブの供給ポートと、紙面に対して垂直方向に互いに連通するものである。なお、上記供給ポート6,7および導入ポート8が相まって、この発明のポンプ連通路を構成するものである。
【0021】
そして、上記導入ポート8は、圧力補償弁Cを介して供給通路9に連通可能にしているが、この圧力補償弁Cは、次のように構成している。すなわち、圧力補償弁Cの弁体10を円筒形状にするとともに、この円筒形にした弁体10内に仕切り壁10aを形成し、この仕切り壁10aを境にして、導入ポート8側に開口する第1円筒部10bと、最高負荷圧導入室11側に開口する第2円筒部10cとに区画している。
そして、上記第1円筒部10bには連通ポート12を形成し、弁体10が導入ポート8側の圧力作用で移動したとき、この連通ポート12が供給通路9に開口する関係にしている。
【0022】
上記第2円筒部10cの内部を断面円形の弁室10dとし、この弁室10dにシャトル弁13を摺動自在に組み込んでいる。そして、このシャトル弁13は多角柱状にするとともに、この多角柱状にしたシャトル弁13を、内周を円形にした弁室10dに組み込むことによって、シャトル弁13と弁室10dとの間にすき間が形成されるが、このすき間がこの発明の流通路となる。このようにして形成された流通路は、シャトル弁13のポペット部13aとは反対側に形成した中継室11aを介して上記最高負荷圧導入室11に通じる通路となる。
【0023】
また、上記弁体10の第2円筒部10cの周囲に環状の最高負荷圧導入通路20を形成しているが、上記最高負荷圧導入通路20は、図示していない他のロードセンシングバルブを含めた複数のロードセンシングバルブに接続したアクチュエータの中の最高負荷圧が導かれるようにしている。このようにした最高負荷圧導入通路20は、上記第2円筒部10cに形成した貫通孔21、シャトル弁13の周囲に形成された上記流通路及び中継室11aを介して最高負荷圧導入室11に連通している。
【0024】
さらに、上記弁体10の第2円筒部10cの開口部分は、前記したプラグ18でふさいでいるが、上記開口部分内周には雌ネジを形成し、プラグ18の外周には雄ネジを形成し、これら両ネジを結合してプラグ18を第2円筒部10cの開口部に固定している。このようにしたプラグ18にはダンパーオリフィス19を形成し、上記最高負荷圧導入通路20に導かれた最高負荷圧が、中継室11a及びダンパーオリフィス19を経由して最高負荷圧導入室11に導かれるようにしている。
【0025】
一方、上記実施形態では、上記シャトル弁13の一端に、上記仕切り壁10aに形成したシート部10eを開閉する円錐形のポペット部13aを形成している。そして、上記シート部10eが開かれると、上記供給通路9が、弁室10d内の上記流通路を介して最高負荷圧導入室11に連通し、シート部10eが閉じられると、供給通路9と最高負荷圧導入室11との連通が遮断される。
【0026】
そして、上記のように弁体10にシャトル弁13を組み込んだ状態で、第2円筒部10cの開口部をプラグ18でふさいで、当該圧力補償弁Cをカートリッジ化している。
なお、上記実施形態では、シャトル弁13の一端にのみポペット部13aを形成したが、従来例の図2に示すようにシャトル弁13の両端に同一形状にした一対のポペット部13a,13aを形成するようにしても良い。
【0027】
このようにシャトル弁13の両端にポペット部13a,13aを形成しておけば、シャトル弁の組み込み方向を無視することができるので、その分、組み立て作業が簡単になるとともに、シャトル弁の誤組という問題も発生しない。もし、シャトル弁の一方の端部のみにポペット部を形成した場合に、当該圧力補償弁の組み付けが完了してそれをバルブハウジングに組み込んでから、シャトル弁の誤組が判明したとき、その修復作業に多大の時間を必要とするが、上記のようにシャトル弁13の両端に同一形状のポペット部13a,13aを形成しておけば、そのような問題も発生しない。
また、図中符号14,14はロードチェック弁で、アクチュエータポート3,4側の圧力が逆流するのを防止するためのものである。
【0028】
上記のようにしたロードセンシングバルブ自体の機能は従来と同様なので、その詳細は省略し、以下には、圧力補償弁Cの動作について説明する。
当該圧力補償弁Cの弁体10は、仕切り壁10aを含んだ第1円筒部10bの端面を、この発明の一方の受圧面とし、プラグ18側をこの発明の他方の受圧面とするが、この弁体10は、これら両受圧面に対する圧力作用がバランスする位置を保つ。そして、この圧力バランスが変化したときには、弁体10が上下いずれかに移動する。このように弁体10が移動するときには、最高負荷圧導入室11と中継室11aとの間で、流体の流れが発生するが、この流体の流れはダンパーオリフィス19を経由して流通する。例えば、弁体10が図面上方に移動するときには、最高負荷圧導入室11の圧力流体がダンパーオリフィス19を経由して最高負荷圧導入通路20側に排出される。反対に、弁体10が下方に移動するときには、最高負荷圧導入通路20側の圧力流体が、ダンパーオリフィス19を経由して最高負荷圧導入室11に流入する。
いずれにしても、弁体10が移動するときには、圧力流体がダンパーオリフィス19を経由して流通することになるので、そのときに弁体10の移動速度がゆっくりとなり、安定的な制御が可能になる。
【0029】
また、シャトル弁13を組み込んだ圧力補償弁Cは、カートリッジ化したので、その分、当該圧力補償弁Cの組み付け等の作業が簡単になる。
さらに、シャトル弁13の両端に同一形状のポペット部13a,13aを設けたので、シャトル弁13の組み込み方向を無視することができる。したがって、その分、組み立て作業が簡単になるとともに、シャトル弁13の誤組という問題も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施形態を示すロードセンシングバルブの断面図である。
【図2】従来のロードセンシングバルブの断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 バルブハウジング
1a スプール孔
2 スプール
3,4 アクチュエータポート
5 タンク連通路
6,7 ポンプ連通路を構成する供給ポート
8 ポンプ連通路を構成する導入ポート
9 供給通路
C 圧力補償弁
10 弁体
10d 弁室
11 最高負荷圧導入室
11a 中継室
13 シャトル弁
13a ポペット部
16,17 第2環状溝
18 プラグ
19 ダンパーオリフィス
20 最高負荷圧導入通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブハウジングにはアクチュエータポート、ポンプ連通路、供給通路およびタンク連通路を形成するとともに、このバルブハウジングに形成したスプール孔に、複数の環状溝を形成したスプールを摺動自在に組み込み、このスプールが切り換ったとき、アクチュエータポートが特定の環状溝および供給通路を介して上記ポンプ連通路に接続したり、特定の環状溝を介してタンク連通路に連通したりする構成にし、しかも、上記ポンプ連通路と供給通路との間に圧力補償弁を設け、この圧力補償弁の弁体の一方の受圧面には上記ポンプ連通路の圧力を作用させ、他方の受圧面には他のバルブとの間で決まる最高負荷圧を導く最高負荷圧導入室の圧力を作用させる一方、上記圧力補償弁の弁体にはシャトル弁を組み込み、このシャトル弁のポペット部には上記供給通路の圧力を作用させ、ポペット部とは反対面には上記最高負荷圧導入室の最高圧を作用させるとともに、上記供給通路の圧力が上記最高負荷圧に打ち勝ったとき、シャトル弁が開弁して、当該供給通路の圧力を最高負荷圧導入室に導く構成にしたロードセンシングバルブにおいて、シャトル弁のポペット部とは反対側に設けた中継室に最高負荷圧導入通路を連通させ、この中継室と上記最高負荷圧導入室との間にダンパーオリフィスを設けるとともに、このダンパーオリフィスを介して最高負荷圧を最高負荷圧導入室に導く構成にしたロードセンシングバルブ。
【請求項2】
圧力補償弁の弁体に、内周を断面円形にした弁室を設け、この弁室に、ポペット部以外の部分を多角柱状にしたシャトル弁を組み込み、このシャトル弁の外周と、弁室内壁との間に形成される隙間を流通路とし、この流通路を介して、バルブハウジングに形成した最高負荷圧導入通路を最高負荷圧導入室に連通させ、しかも、シャトル弁が開弁したとき、上記流通路を介して供給通路の圧力を最高負荷圧導入室に導く構成にする一方、上記弁室を、ダンパーオリフィスを形成したプラグでふさいで、当該圧力補償弁をカートリッジ化した請求項1記載のロードセンシングバルブ。
【請求項3】
上記シャトル弁の両端に同一形状のポペット部を形成した請求項2記載のロードセンシングバルブ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−204086(P2009−204086A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47273(P2008−47273)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】