説明

ロールベーラの包装材巻回装置

【課題】 ロールベールの外面に巻回する包装材に常に適切な張力を付与することができるロールベーラ及びその包装材巻回装置を提供する。
【解決手段】 ロール状の巻回された包装材Nとを備え、自身が回転することでロールベールRBの外面に包装材Nを供給する包装材ロールNRと、包装材ロールNRの外面を押圧して、回転する包装材ロールNRに制動力を与え、それによりロールベールRBの外面に供給される包装材Nに張力を付与する張力付与手段12と、張力付与手段12を制御する制御装置とを備え、制御装置は、包装材ロールNRの外径に応じて張力付与手段12を調節して包装材Nに付与する張力を常に適切な範囲内に維持するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に刈り倒された牧草、麦ワラ、稲藁等の農業収穫物を拾い上げて円柱状のロールベールに成形し、そのロールベールの外面にネットやシート等の包装材を巻回するロールベーラの包装材巻回装置に係り、特に、巻回する包装材に常に適切な張力を付与することを可能にしたロールベーラの包装材巻回装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、圃場に刈り倒された牧草、麦ワラ、稲藁等の農業収穫物を拾い上げて円柱状のロールベールに成形するロールベーラにおいて、ロールベール排出時の形崩れを防止するために、成形したロールベールの外面にネットやシート等の包装材を巻回することが知られている。このようにロールベールの外面に包装材を巻回する場合、包装材に張力を付与して巻回作業を行わなければ良好な巻回ができないことが知られている。
【0003】
また、農業収穫物を短く切断するカッティング装置を備えたロールベーラでは、ロールベールを形成する農業収穫物の長さが短いため、ロールベールにおける外周面と両端面とが交差する部分(いわゆる肩部)で形崩れが生じ易い。このような場合、包装材をロールベールの外周面のみならず両端面の一部をも覆うように巻き付けることが好ましいのだが、この場合も、巻回する包装材に張力を付与しなければ、包装材の両端部をロールベールの両端面側に入り込ませることができないことが知られている。
【0004】
そこで、包装材の供給源である包装材ロールに制動力を与えて包装材に張力を付与する装置が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1に記載された包装材巻回装置は、図17に示すように、包装材ロールNRの近傍に回転自在に支持されたアームAと、アームAの先端に設けられたブレーキロッドBと、アームAの先端側を包装材ロールNR側に付勢するスプリングSとを備え、スプリングSの付勢力によりブレーキロッドBを包装材ロールNRの外面に押し付けて制動力を与えるものである。なお、図中RBは成形したロールベールを、NはロールベールRBの外面に供給される包装材を示している。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4604848号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような包装材巻回装置では、包装材Nの巻回作業が進行して包装材ロールNRの外径(直径)が変化すると、アームAの傾斜角度が変化してスプリングSの変形量(伸長量)が変化するため、包装材ロールNRに対するブレーキロッドBの押圧力、即ち、包装材ロールNRに与える制動力が変化してしまう。その結果、供給される包装材Nに適切な張力を付与できなくなる場合がある。
【0008】
具体的に説明すると、包装材Nの巻回作業が進むにつれて包装材ロールNRの外径が小さくなりスプリングSの伸長量が小さくなるため包装材ロールNRに与える制動力が低下し、包装材Nの張力が低くなる。こうなると、包装材Nの緊縛力不足や、包装材Nの両端がロールベールRBの両端面まで入り込めない等の巻回不良が発生し、ロールベールRBの排出時に形崩れが生じてしまうおそれがある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ロールベールの外面に巻回する包装材に常に適切な張力を付与することができるロールベーラの包装材巻回装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、牧草等の農業収穫物を拾い上げてロールベールに成形し、そのロールベールの外面にネットやシート等の包装材を巻回するロールベーラの包装材巻回装置において、ロール状に巻回された包装材を備え、自身が回転することで上記ロールベールの外面に包装材を供給する包装材ロールと、上記包装材ロールの外面を押圧して、回転する上記包装材ロールに制動力を与え、それにより上記ロールベールの外面に供給される包装材に張力を付与する張力付与手段と、上記張力付与手段を制御する制御装置とを備え、上記制御装置は、上記包装材ロールの外径に応じて上記張力付与手段を制御して包装材に付与する張力を常に適切な範囲内に維持するものである。
【0011】
ここで、上記張力付与手段は、上記包装材ロールの近傍に回転自在に支持されたブレーキアームと、そのブレーキアームに設けられたブレーキシューと、上記ブレーキアームを上記包装材ロール側に付勢して上記ブレーキシューを上記包装材ロールの外面に押圧するための弾性部材と、その弾性部材の変形量を調節するアクチュエータとを備え、上記制御装置は、上記包装材ロールの外径に応じて上記アクチュエータを制御して、上記包装材ロールの外面に対する上記ブレーキシューの押圧力を常に適切な範囲内に維持するようにしても良い。
【0012】
また、上記ブレーキアームの回動角度を検出する角度検出手段を備え、上記制御装置は、上記角度検出手段の検出値に基づいて上記アクチュエータを制御するようにしても良い。
【0013】
また、上記包装材ロールに巻回された包装材を上記ロールベールの外面に向かって送り出すための繰出ローラを備え、上記繰出ローラは、その長手方向中央部の外径が長手方向両端部の外径よりも大きく形成されても良い。
【0014】
また、上記包装材ロールに巻回された包装材を上記ロールベールの外面へ案内するガイドローラを備え、上記ガイドローラは、その長手方向中央部の外径が長手方向両端部の外径よりも大きく形成されても良い。
【0015】
また、上記包装材ロールと上記ロールベールとの間で上記包装材の供給方向に沿って延出し上記包装材の幅方向に間隔を隔てて複数配置されたロッドを有する櫛状ガイドロッドを備え、上記櫛状ガイドロッドのロッドは、包装材の供給方向上流側から下流側に向かって上記包装材の幅方向外側に向かうように傾斜して配置されても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、包装材ロールの外径に関わらず包装材の張力を常に適切な範囲内に維持できるので、包装材をロールベールの外面に良好に巻回でき、ロールベールの形崩れを防止できるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
(1)ロールベーラの全体構造
最初に、図1を用いて本実施形態のロールベーラの概略構造を説明する。
【0019】
図に示すように、本実施形態のロールベーラ1は、圃場等に刈り倒された牧草等の農業収穫物を拾い上げるためのピックアップ装置2と、拾い上げた農業収穫物を円柱状に圧縮してロールベールRBに成形するロールベール成形装置3とを備える。本実施形態のロールベーラ1は、図示しないトラクタと連結するための連結器5を備えており、トラクタに牽引されて圃場上を走行するものであるが、本発明はクローラ等を備えた自走式のロールベーラにも適用可能である。また、本発明はピックアップ装置2により拾い上げた農業収穫物を短く切断するカッティング装置を備えたロールベーラにも適用可能である。
【0020】
さて、ロールベール成形装置3は、連結器5の後部に取り付けられた固定機枠6と、固定機枠6に対して回動可能に連結された回動機枠7と、回動機枠7を回動させるためのアクチュエータ(例えば油圧シリンダ)8とを備えており、固定機枠6及び回動機枠7の内部空間に圧縮室(ロールベール成形室)9が形成される。圧縮室9には複数の回転ローラ10が円状に配置されており、これら回転ローラ10はトラクタのエンジン等の駆動源により回転駆動される。このように、本実施形態のロールベール成形装置3は、円状に配置された回転ローラ10を用いてロールベールRBを成形するタイプであるが、本発明はこの点において限定されず、ラドルバー方式やベルト方式のロールベール成形装置を備えたロールベーラにも適用可能である。なお、ピックアップ装置2は本発明の特徴部分と関連性がないのでその説明を省略する。
【0021】
圃場に刈り倒された農業収穫物は、ピックアップ装置2により拾い上げられて圧縮室9内に導入され、各回転ローラ10により円柱状に圧縮されてロールベールRBに成形される。このロールベールRBの密度が所定密度に達すると、以下説明する包装材巻回装置が作動してロールベールRBの外面にネットやシート等の包装材が巻回される。
【0022】
(2)包装材巻回装置
次に、本実施形態のロールベーラ1の包装材巻回装置の構造を図2〜図10を用いて説明する。図2〜図4は包装材巻回装置の側面図、図5は包装材巻回装置の平面図、図6は包装材巻回装置及び後述する包装材切断装置の平面図、図7はガイドローラの変形例を示す包装材巻回装置の平面図、図8は櫛状ガイドロッドの変形例を示す包装材巻回装置の平面図、図9は包装材巻回装置及び包装材切断装置の部分拡大側面図、図10は後述する張力付与手段の平面図である。なお、図2〜図4と図9とは互いに異なる側面から見た図を示している。つまり、図2〜図4と図9とは、各部材の位置関係が図の左右方向で反対になっている。
【0023】
図2〜図4に示すように、本実施形態の包装材巻回装置は、包装材NをロールベールRBの外面に供給するための包装材供給手段11と、その包装材供給手段11により供給される包装材Nに張力を付与するための張力付与手段12とを備える。
【0024】
(3)包装材供給手段11
まず、図2〜図8を用いて包装材供給手段11の構造を説明する。
【0025】
図2〜図4に示すように、包装材供給手段11は、ロールベール成形装置3(図1参照)の回動機枠7の後壁に取り付けられたロール受け13に回転自在に支持された包装材ロールNRから包装材Nを繰り出して圧縮室9内のロールベールRBと回転ローラ10’との間に供給するものである。包装材ロールNRは、芯材Sと、芯材Sの外周に何周にも巻回された包装材Nとを備え、自身が回転することでロールベールRBの外面に包装材Nを供給することができる。
【0026】
包装材供給手段11は、ロール受け13内に固設されたガイドバー15と、回動機枠7の上部に回転自在に支持された複数(図では二つ)のガイドローラ16,17と、それらガイドローラ16,17により案内された包装材Nを圧縮室9側に送り出す搬送手段19と、搬送手段19により繰り出された包装材NをロールベールRBの外面へ案内する櫛状ガイドロッド20(図5及び図15参照)とを備える。
【0027】
図5に示すように、本実施形態のガイドローラ16,17は長手方向に沿ってほぼ均一な外径(直径)を有するローラであるが、図7に示すように、長手方向両端部から中央部に向かって外径が徐々に大きくなり、中央部の所定領域においてほぼ均一な外径を有するように形成しても良い。このように、ガイドローラ16,17の長手方向中央部の外径を長手方向両端部の外径よりも大きく形成することで、ガイドローラ16,17により案内される包装材NをロールベールRBの幅方向外側に広げることができるため、包装材Nの両端部がロールベールRBの両端面RBa,RBb側に入り込み易くなる。
【0028】
図5に示すように、櫛状ガイドロッド20は、回動機枠7の両側に掛け渡された二本のバー21,22と、それらバー21,22間に掛け渡され、包装材Nの供給方向(矢印A方向)とほぼ平行に延出するロッド23とを備える。ロッド23は包装材Nの幅方向に所定間隔を隔てて複数配置される。搬送手段19により案内された包装材Nは櫛状ガイドロッド20の各ロッド23上を通ってロールベールRBの外面へと案内される。なお、図8に示すように、櫛状ガイドロッド20の各ロッド23を包装材Nの供給方向上流側から下流側に向かって包装材Nの幅方向外側に向かうように傾斜させて放射状に配置しても良い。このように、ロッド23を傾斜して配置することで、櫛状ガイドロッド20上を通過する包装材Nがロッド23により幅方向外側に広げられるので、包装材Nの両端部がロールベールRBの両端面RBa,RBbに入り込み易くなる。包装材Nの供給方向Aに対するロッド23の傾斜角度は、全てのロッド23で同角度として平行に配列しても良いが、図に示すように、包装材Nの幅方向外側に位置するものほど大きくするほうがより好ましい。
【0029】
図2〜図4に示すように、搬送手段19は、回動機枠7に回転自在に支持され、トラクタのエンジン等の駆動源により回転駆動される駆動プーリ25と、同じく回動機枠7に回転自在に支持された繰出ローラ26と、それら駆動プーリ25と繰出ローラ26との間に掛け渡された伝動ベルト27とを備える。繰出ローラ26の外周面には摩擦力を高めるためのゴムが被覆されており、ガイドローラ17により案内された包装材Nは繰出ローラ26の外面上に案内される。繰出ローラ26の近傍には、繰出ローラ26の回転数を検出する回転検出センサ29が設けられており、その検出値は後述する制御装置に入力される。
【0030】
本実施形態の繰出ローラ26は、それを長手方向に三等分したときに中央に位置する部分の外径(直径)が、両端部に位置する部分の外径よりも若干大きくなるように形成されている。このように、繰出ローラ26の長手方向中央部の外径を長手方向両端部の外径よりも大きく形成することで、繰出ローラ26により繰り出される包装材NをロールベールRBの幅方向外側に広げて供給することができるため、包装材Nの両端部がロールベールRBの両端面側へと入り易くなる。なお、繰出ローラ26の外径を、長手方向中央部から両端部に向かって連続的に(テーパ状に)変化させても良いことは勿論である。
【0031】
図6及び図9に示すように、搬送手段19は更に、繰出ローラ26の外面に位置した包装材Nを狭持するための狭持ローラ30を備える。狭持ローラ30は、回動機枠7に支軸31を介して回転自在に支持されたプレート32の長手方向中間部に回転自在に設けられる。
【0032】
プレート32の近傍において、ロッド33が支軸35を介して回動機枠7に回転自在に支持されており、このロッド33とプレート32とは互いにほぼ垂直に交差して配置される。なお、ロッド33と支軸35とは互いに相対回転できるようになっている。図9に示すように、プレート32の先端部側面にプレート32と直交するように(即ち、図9中紙面手前側に延出するように)固設された支持部材37と、ロッド33の外周に相対移動可能に嵌合されたストッパ36との間に付勢手段39(ここではコイルスプリング)が設けられ、この付勢手段39は支持部材37と当接する。また、ロッド33の先端部にはストッパ36の抜け止め用のナット38が設けられる。スプリング39の付勢力によりプレート32及び狭持ローラ30が支軸31を中心に図9中時計回り方向に付勢され、狭持ローラ30が繰出ローラ26の外面に押し付けられる。これにより、狭持ローラ30と繰出ローラ26とで包装材Nが狭持される。
【0033】
図2〜図4に示すように、搬送手段19は更に、上述した伝動ベルト27に張力を付与するためのテンションローラ40を備える。テンションローラ40は、回動機枠7に支軸41を介して回転自在に支持されたテンションアーム42の一端(図中左側端部)に回転自在に設けられており、テンションアーム42の他端(図中右側端部)にはテンションアーム42を回動させるためのアクチュエータ43(ここでは電動シリンダ)が接続されている。
【0034】
電動シリンダ43は図示しない制御装置(コンピュータ)により制御されるものであり、図2に示すように、電動シリンダ43のロッドが伸長してテンションアーム42を反時計回りに回動させると、テンションローラ40が伝動ベルト27を押圧して張力を付与する。これにより、駆動プーリ25の回転が伝動ベルト27を介して繰出ローラ26に伝達される。
【0035】
一方、図3に示すように、電動シリンダ43のロッドが縮退してテンションアーム42を時計回りに回動させると、テンションローラ40は伝動ベルト27を押圧しなくなり、伝動ベルト27の張力が解除される。従って、駆動プーリ25の回転が繰出ローラ26に伝わらなくなる。
【0036】
(4)張力付与手段12
次に、図2〜図4及び図10を用いて張力付与手段12の構造を説明する。
【0037】
張力付与手段12は、回転する包装材ロールNRに制動力を与えることで包装材Nに張力を付与するものであり、包装材ロールNRの上方で回動機枠7に支軸45を介して回転自在に支持されたブレーキアーム46と、ブレーキアーム46の自由端(図中左側端部)に設けられたブレーキシュー47(金属製やゴム製のロッド等が適用可能である)と、ブレーキアーム46を包装材ロールNR側(反時計回り方向)に付勢してブレーキシュー47を包装材ロールNRの外面に押圧するための弾性部材49(ここではコイルスプリング)と、スプリング49の変形量を調節するためのアクチュエータ50(ここでは電動シリンダ)とを備える。
【0038】
図10に示すように、ブレーキアーム46は回動機枠7の両側にそれぞれ設けられ、これらブレーキアーム46,46間にブレーキシュー47が掛け渡される。図3及び図4に示すように、ブレーキアーム46は基本的にその自重及びブレーキシュー47の重量により反時計回りに回動し、ブレーキシュー47が包装材ロールNRの外面と当接する。
【0039】
本実施形態では、電動シリンダ50は回動機枠7の一側にのみ設けられ、図2〜図4に示すようにブレーキアーム46よりも下方に配置される。電動シリンダ50のロッドの先端部には、回動機枠7に支軸51を介して回転自在に支持されたL字型アーム52の一端が回転自在に連結され、L字型アーム52の他端にはロッド53の一端(下端)が回転自在に連結される。ロッド53の他端はブレーキアーム46の側面に取り付けられた断面角形状の支持部材55を貫通して上方に延出しており、ロッド53の上端近傍には、ロッド53の外周に相対移動可能に嵌合された第一ストッパ56が設けられると共に、その第一ストッパ56の抜け止め用のナット58が設けられる。この第一ストッパ56と支持部材55との間に上記スプリング49が介設される。また、支持部材55よりも下側において、ロッド53に第二ストッパ57が固設される。
【0040】
電動シリンダ50は、図示しない制御装置により制御されるものであり、図2に示すように、電動シリンダ50のロッドが伸長してL字型アーム52を時計回りに回動させると、ロッド53が上昇し、第二ストッパ57が支持部材55の下面に当接して支持部材55及びブレーキアーム46を上方に押し上げる。つまり、電動シリンダ50の伸長力が、ブレーキアーム46を時計回り(ブレーキシュー47が包装材ロールNRから離れる方向)に回転させる力として作用する。
【0041】
一方、図3及び図4に示すように、電動シリンダ50のロッドが縮退してL字型アーム52を反時計回りに回動させると、ロッド53及びそれに相対移動可能に嵌合された第一ストッパ56が下降する。ブレーキシュー47が包装材ロールNRと当接している状態では、ブレーキアーム46がそれ以上反時計回りに回動できないため、第一ストッパ56が下降するとスプリング49が収縮(変形)する。つまり、電動シリンダ50の縮退力がスプリング49を収縮させる力として作用する。この収縮したスプリング49の付勢力によりブレーキシュー47が包装材ロールNRの外面に押圧され、ガイドバー15との間で包装材ロールNRを挟み込む。この結果、包装材ロールNRにはブレーキシュー47の押圧力に応じた制動力が与えられ、ロールベールRBの外面に供給される包装材Nには制動力に応じた張力が付与される。このように、本実施形態の張力付与手段12は、電動シリンダ50の伸長量を制御・調節することで、包装材Nに付与する張力を常に適切な範囲内に維持できるようになっている。
【0042】
制御装置は、ブレーキアーム46の回動角度(傾斜角度)を検出する角度検出手段59と、電動シリンダ50の実際の伸長量を検出する伸長量検出手段(図示せず)との検出値に基づいて電動シリンダ50を制御する。
【0043】
図2〜図4に示すように、角度検出手段59は、一端が回動機枠7に回転自在に支持されたアーム60と、そのアーム60の他端とブレーキアーム46の長手方向中間部とを連結するロッド61と、アーム60の回動角度(傾斜角度)を検出する角度センサ62とを備える。つまり、本実施形態の角度検出手段59は、ブレーキアーム46、アーム60、ロッド61及び回動機枠7の一部とでリンク機構を形成し、アーム60の回動角度を検出することでブレーキアーム46の回動角度を間接的に検出するものである。しかしながら、本発明はこの点において限定されず、ブレーキアーム46の回動角度を直接検出するようにしても良い。
【0044】
さて、上述したように、制御装置は角度検出手段59(より詳しくは角度センサ62)の検出値等に基づいて電動シリンダ50を制御するのであるが、ここで大事なことは、包装材ロールNRの外径変化に応じて電動シリンダ50を制御して、包装材Nに作用する張力を常に適切な範囲内に維持することである。つまり、包装材Nの巻回作業の進行に伴って包装材ロールNRの外径が小さくなりブレーキアーム46が反時計回りに回動するが、制御装置はこのブレーキアーム46の角度変化に応じて電動シリンダ50の伸長量を制御して、ブレーキシュー47が包装材ロールNRに与える制動力を常に適切な範囲内に維持する。
【0045】
より具体的に説明すると、包装材Nに適切な張力を付与するために必要な制動力、およびその制動力を得るために必要なブレーキシュー47の押圧力を予め実験やシミュレーションなどにより求め、その求めた押圧力とスプリング49のばね定数等とから、適切な押圧力を得るために必要なスプリング49の変形量(本実施形態では収縮量)を求める。
【0046】
そして、スプリング49を適切な量だけ変形させるのに必要な電動シリンダ50の伸長量を、ブレーキアーム46の回動角度毎に求めておき、演算式やマップとして制御装置に入力しておく。制御装置は、角度検出手段59の検出値とそれら演算式又はマップとに基づいて電動シリンダ50の目標伸長量を決定し、伸長量検出手段により検出される実際の伸長量が目標伸長量と一致するように電動シリンダ50をフィードバック制御する。これにより、スプリング49の変形量が常に適切な範囲内に維持される(本実施形態ではほぼ一定の値に維持される)ため、包装材ロールNRの外径変化に関わらず包装材ロールNRには常に適切な制動力が与えられる。よって、ロールベールRBの外面に供給される包装材Nに常に適切な張力が付与される。なお、適切な張力とは、充分な緊縛力が得られると共に包装材Nの両端部をロールベールRBの両端面側まで充分に入り込ませることができ、かつ巻回作業に必要とされる動力が過度に大きくはならないような張力である。
【0047】
本実施形態のロールベーラの包装材巻回装置によれば、包装材ロールNRの外径変化に関わらず常に良好な巻回作業を行うことができるため、ロールベールRBの排出時に形崩れが生じることはない。
【0048】
なお、本実施形態の包装材巻回装置は、包装材Nの巻回作業にトラブルが生じたときに作業者に通知するための図示しない警告手段(ここではブザー)を備える。
【0049】
(5)包装材切断装置
本実施形態のロールベール1は更に、包装材Nの巻回作業終了時に包装材Nを自動的に切断する包装材切断装置を備える。以下、図6、図9、図11〜図16を用いてその構造を説明する。
【0050】
図6、図15及び図16に示すように、包装材切断装置は、回動機枠7に支軸35を介して回転自在に支持されたナイフホルダ63と、そのナイフホルダ63の先端部に取り付けられたナイフ65(図15及び図16参照)とを備える。ナイフホルダ63は、二つのアーム66,67とリンク機構を構成し、付勢手段69(ここではコイルスプリング)により繰出ローラ26と櫛状ガイドロッド20との間に位置された包装材N側に付勢されている。具体的には、アーム66が回動機枠7に支軸70を介して回転自在に支持され、そのアーム66の先端部とナイフホルダ63の長手方向中間部とがアーム67により連結される。スプリング69はその一端が支軸35と係合し、他端がアーム66とアーム67とを回転自在に連結する支軸71と係合する。スプリング69は伸長された状態でこれら支軸35,71と係合しており、ナイフホルダ63を図15及び図16中時計回り方向に付勢する。
【0051】
一方、図6及び図9に示すように、ナイフホルダ63が接続された支軸35の端部にはアーム72が連結されており、アーム72とナイフホルダ63とは相対回転不可に連結されている。アーム72の下端にはラッチ73がピン75を介して回転自在に支持されており、このラッチ73は通常時(切断作業を行わないとき)は回動機枠7に固設されたストッパ76の上面と係合する。ラッチ73がストッパ76と係合することによって、アーム72及びナイフホルダ63の回転が防止され、それによりナイフホルダ63がスプリング69(図15参照)の付勢力に対向して所定位置に保持される。なお、図6では明瞭化の目的から各部材を展開して示しているため、ラッチ73とストッパ76とが離間して示されているが、図9に示すように、これらラッチ73とストッパ76とは実際には上下方向に近接して位置するものである。
【0052】
包装材切断装置は更に、切断作業を実行する際にラッチ73とストッパ76との係合を解除するためのリリース機構を備える。
【0053】
リリース機構は、図6、図9、図11〜図14に示すように、繰出ローラ26の支軸26aに対して偏心させて取り付けられたロッド77と、回動機枠7に回転自在に支持された回転軸79と、一端がロッド77に対して回転可能に取り付けられ、他端が後述するワンウェイクラッチ82を介して回転軸79と連結されたアーム80とを備える。図9に示すように、回転軸79はラッチ73の下方に配置され、それと同軸且つ相対回転不可に角付プレート81が取り付けられる。図14に示すように、アーム80と回転軸79との間には、回転軸79の回転を一方向(図9中反時計回り方向)のみ許容するワンウェイクラッチ82が設けられ、回動機枠7と回転軸79との間には回転軸79の逆転(図9中時計回り方向の回転)を防止するためのワンウェイクラッチ83が設けられる。
【0054】
繰出ローラ26が回転すると、ロッド77が往復移動しアーム80を揺動させる。回転軸79及びそれに連結された角付プレート81は回転可能な方向が一方向に限られているため、アーム80が揺動すると一方向(図9中反時計回り方向)に間欠回転する。繰出ローラ26が所定数回転して、角付プレート81の角81aがラッチ73の下部に位置すると、角81aがラッチ73を上方に押し上げてストッパ76との係合を解除する。これにより、アーム72及びナイフホルダ63の回転がフリーとなり、図12及び図16に示すように、アーム72及びナイフホルダ63がスプリング69の付勢力により時計回りに回動する。この結果、ナイフホルダ63に取り付けられたナイフ65が回動機枠7に固設されたシヤバー85との間で包装材Nを挟み込んで切断する。繰出ローラ26の支軸26aに対するアーム77の偏心量や、角付プレート81の外径等はロールベールRBの外面に包装材Nが適切な量巻回されたときにナイフホルダ63及びナイフ65が作動するように設定される。
【0055】
次に、この切断位置に位置したナイフ65及びナイフホルダ63を通常位置へと戻すための機構を図6、図11〜図13を用いて説明する。
【0056】
図に示すように、この機構は回動機枠7に支軸86を介して回転可能に支持されたアーム87と、アーム87の一端(図中上側端部)に回転可能に取り付けられたプレート89と、アーム87の他端に連結されたアクチュエータ90(ここでは電動シリンダ)とを備える。プレート89には長穴89aが形成されており、この長穴89a内に上述したアーム72に取り付けられたピン75が挿入される。電動シリンダ90は、アーム87を回動させるためのものであり、制御装置により制御される。
【0057】
通常時(切断作業前)は、図11に示すように、電動シリンダ90のロッドが縮退されアーム87が反時計回りに最も回動した位置に位置する。また、アーム72のピン75は長穴89aの右側端部近傍に位置する。
【0058】
上述したリリース機構の作用によりラッチ73とストッパ76との係合が解除されて、ナイフホルダ63及びアーム72が切断位置へと回動すると、ピン75が長穴89a内を左方向に移動する(図12参照)。
【0059】
この切断位置に位置したナイフホルダ63及びアーム72を通常位置まで戻す場合、図13に示すように、制御装置により電動シリンダ90のロッドが伸長されてアーム87が時計回りに回動される。これにより、プレート89が右方向に移動して長穴89aの左側端部とピン75とが係合し、ナイフホルダ63及びアーム72が反時計回りに回動され、通常位置まで戻される。この結果、アーム72の下端のラッチ73がストッパ76の上面と再び係合し、ナイフホルダ63及びアーム72が通常位置に保持される(図9参照)。ナイフホルダ63及びアーム72が通常位置まで戻るとアーム87の近傍に設けられた近接スイッチ91(図11参照)がONとなる。
【0060】
近接スイッチ91がONになったならば、制御装置は電動シリンダ90のロッドを今度は縮退させてアーム87及びプレート89を図11に示す通常位置まで戻す。アーム87及びプレート89が通常位置まで戻るとアーム87の近傍に設けられた近接スイッチ92がONとなり、制御装置は電動シリンダ90の縮退を停止する。
【0061】
(6)包装材Nの巻回方法
次に、以上説明してきたロールベール1の包装材巻回装置による包装材Nの巻回方法を説明する。
【0062】
図1に示すロールベール成形装置3により成形されるロールベールRBの密度が所定密度に達したときに包装材巻回装置による巻回作業が開始されるのであるが、ロールベールRBの密度が所定密度に達したか否かの判断は、例えば、ロールベールRBの外径の増大により生じる固定機枠6と回動機枠7の当接面隙間などに基づいて自動的に判断される。ロールベールRBが所定密度になったことが検出されると図示しないブザーが作動して作業者に通知する。作業者はブザー音を確認したならばトラクタを停止させ、圧縮室9への農業収穫物の供給を停止する。
【0063】
次に、作業者は繰出ローラ26の駆動スイッチ(図示せず)をONする。すると、図2に示すように、制御装置が電動シリンダ43を伸長し、テンションローラ40を伝動ベルト27に押し付けて伝動ベルト27に張力を付与する。これにより、駆動プーリ25の回転が繰出ローラ26に伝達され、予め繰出ローラ26と狭持ローラ30(図9等参照)との間に挿入されていた包装材Nの繰り出しが開始される。
【0064】
このとき、制御装置は電動シリンダ43の伸長と同時に、張力付与手段12の電動シリンダ50をも伸長させてブレーキアーム46を持ち上げ、ブレーキシュー47を包装材ロールNRから離間させる(図2参照)。これは、包装材Nの繰り出し開始時に包装材ロールNRに制動力が与えられているとスリップ等が起こりスムーズな繰り出しができなくなる可能性があるからである。
【0065】
回転検出センサ29により繰出ローラ26が所定回転数回転したことが検出されたならば、制御装置は、図3に示すように、電動シリンダ43を縮退させ、テンションローラ40による伝動ベルト27への張力付与を解除する。従って、繰出ローラ26への駆動力の伝達は断たれる。この状態では、ロールベールRBの外面と回転ローラ10’との間に包装材Nが挟まれており、ロールベールRBの回転により包装材Nの繰り出しがなされるため、繰出ローラ26の駆動を停止しても包装材Nの繰り出しは続行される。
【0066】
制御装置は、繰出ローラ26の駆動を停止すると同時に、張力付与手段12の電動シリンダ50を縮退させてブレーキシュー47を包装材ロールNRの外面に押し付けて制動力を与える(図3参照)。これにより、ロールベールRBの外面に供給される包装材Nに張力が付与される。
【0067】
上述したように、包装材Nの巻回作業を行う間、角度センサー62の検出値が制御装置に入力され、制御装置はその検出値と電動シリンダ50の実際の伸長量を検出する伸長量検出手段(図示せず)の検出値とに基づいて電動シリンダ50の伸長量を常に適切な値に制御する(図3及び図4参照)。これにより、巻回作業の間、包装材ロールNRに常に適切な制動力が与えられ、包装材Nに常に適切な張力が付与される。本実施形態では、巻回作業の間、制動力及び張力がほぼ一定の値に維持される。
【0068】
一方、繰出ローラ26の回転に伴って図9に示す角付プレート81が反時計回りに間欠回転する。この角付プレート81の角81aがラッチ73の下方に位置する直前に、制御装置は張力付与手段12の電動シリンダ50を若干伸長させてブレーキシュー47による包装材ロールNRへの制動力付与を一時的に解除し、その後、再び電動シリンダ50を縮退して包装材ロールNRにブレーキシュー47を押し付ける。
【0069】
そして、繰出ローラ26が更に回転して、角付プレート81の角81aがラッチ73を押し上げると、ラッチ73とストッパ76との係合が解除され、図16に示すように、ナイフホルダ63がスプリング69の付勢力により時計回りに回動されてナイフ65が包装材Nを切断する。
【0070】
包装材Nを切断する前に包装材ロールNRに対する制動力を一度解除する理由は、繰出時の張力を維持したまま切断を行うと張力が強すぎて包装材Nが繰出ローラ26と狭持ローラ30との間から外れてしまい、次回の巻回作業を行う前に包装材Nをこれらローラ26,30の間に挿入する作業が必要となるからである。
【0071】
切断作業が終了すると、上記ブザーが作動して作業者に巻回作業が終了したことを通知する。その後、作業者が図示しない操作レバー等を介してアクチュエータ8を縮退させると、回動機枠7が上方に回動して、包装材Nが巻回されたロールベールRBが機外に排出される。その後、作業者が図示しない操作レバー等を介してアクチュエータ8を伸長させることで、回動機枠7が下方に回動して圧縮室9が閉じられる。
【0072】
その後、制御装置は、図13に示すように、電動シリンダ90を伸長してアーム72及びナイフホルダ63を通常位置へと戻す。近接スイッチ91によりナイフホルダ63等が通常位置まで戻ったことが確認されたならば、制御装置は電動シリンダ90を縮退させる。そして、近接スイッチ92によりアーム87及びプレート89が通常位置まで戻ったことが確認されたならば、電動シリンダ90の縮退を停止する(図11参照)。
【0073】
以上説明した一連の作業が終了したならば、作業者は再度トラクタを走行させて次のロールベールRBの成形作業を開始する。
【0074】
本実施形態のロールベーラの包装材巻回装置によれば、包装材ロールNRの外径変化に関わらず包装材Nの張力を常に適切な範囲内に維持できるので、包装材Nの十分な緊縛力が得られると共に、包装材Nの両端をロールベールRBの両端面まで十分に入り込ませることが可能となり、ロールベール排出時に形崩れが生じることはない。
【0075】
以上説明した実施形態は、本発明の一例として示したものであり、本発明を限定するものではない。
【0076】
例えば、上記実施形態では各付勢手段としてコイルスプリングを用いたが、本発明はこの点において限定されず、皿バネやゴム等、他の様々な弾性部材が付勢手段として適用可能である。
【0077】
また、上記実施形態では、巻回作業を行う間、スプリング49の変形量、包装材ロールNRに与える制動力及び包装材Nに付与する張力をほぼ一定の値に維持するとしたが、本発明はこの点において限定されず、包装材ロールNRの外径に応じてこれら各値を適切な範囲内で変化させても良い。
【0078】
また、上記実施形態では、張力付与手段における電動シリンダ50、L字型アーム52、ロッド53及びスプリング49等を回動機枠7の一側のみに設けるとしたが、両側に設けても良い。
【0079】
また、上記実施形態では、張力付与手段12のスプリング49を収縮させることで、ブレーキシュー47を包装材ロールNRに押圧するとしたが、スプリング49を伸長させて押圧するように構成しても良い。
【0080】
また、上記実施形態では各アクチュエータとして電動シリンダを用いたが、本発明はこの点において限定されず、油圧シリンダ等、他の様々な装置がアクチュエータとして適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係るロールベーラの側面図である。
【図2】図1のロールベーラの包装材巻回装置の側面図である。
【図3】図1のロールベーラの包装材巻回装置の側面図である。
【図4】図1のロールベーラの包装材巻回装置の側面図である。
【図5】図1のロールベーラの包装材巻回装置の平面図である。
【図6】図1のロールベーラの包装材巻回装置及び包装材切断装置の平面図である。
【図7】ガイドローラの変形例を示す包装材巻回装置の平面図である。
【図8】櫛状ガイドロッドの変形例を示す包装材巻回装置の平面図である。
【図9】図1のロールベーラの包装材巻回装置及び包装材切断装置の部分拡大側面図である。
【図10】図1のロールベーラの張力付与手段の平面図である。
【図11】図1のロールベーラの包装材巻回装置及び包装材切断装置の側面図である。
【図12】図1のロールベーラの包装材巻回装置及び包装材切断装置の側面図である。
【図13】図1のロールベーラの包装材巻回装置及び包装材切断装置の側面図である。
【図14】包装材切断装置の部分拡大正面図である。
【図15】包装材切断装置の側面図である。
【図16】包装材切断装置の側面図である。
【図17】従来のロールベーラの包装材巻回装置の側面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 ロールベーラ
3 ロールベール成形装置
11 包装材供給手段
12 張力付与手段
15 櫛状ガイドロッド
16 ガイドローラ
17 ガイドローラ
23 ロッド
26 繰出ローラ
46 ブレーキアーム
47 ブレーキシュー
49 付勢手段(コイルスプリング)
50 アクチュエータ(電動シリンダ)
59 角度検出手段
62 角度センサ
N 包装材
NR 包装材ロール
RB ロールベール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
牧草等の農業収穫物を拾い上げてロールベールに成形し、そのロールベールの外面にネットやシート等の包装材を巻回するロールベーラの包装材巻回装置において、
ロール状に巻回された包装材を備え、自身が回転することで上記ロールベールの外面に包装材を供給する包装材ロールと、上記包装材ロールの外面を押圧して、回転する上記包装材ロールに制動力を与え、それにより上記ロールベールの外面に供給される包装材に張力を付与する張力付与手段と、上記張力付与手段を制御する制御装置とを備え、
上記制御装置は、上記包装材ロールの外径に応じて上記張力付与手段を制御して包装材に付与する張力を常に適切な範囲内に維持することを特徴とするロールベーラの包装材巻回装置。
【請求項2】
上記張力付与手段は、上記包装材ロールの近傍に回転自在に支持されたブレーキアームと、そのブレーキアームに設けられたブレーキシューと、上記ブレーキアームを上記包装材ロール側に付勢して上記ブレーキシューを上記包装材ロールの外面に押圧するための弾性部材と、その弾性部材の変形量を調節するアクチュエータとを備え、
上記制御装置は、上記包装材ロールの外径に応じて上記アクチュエータを制御して、上記包装材ロールの外面に対する上記ブレーキシューの押圧力を常に適切な範囲内に維持する請求項1記載のロールベーラの包装材巻回装置。
【請求項3】
上記ブレーキアームの回動角度を検出する角度検出手段を備え、
上記制御装置は、上記角度検出手段の検出値に基づいて上記アクチュエータを制御する請求項2記載のロールベーラの包装材巻回装置。
【請求項4】
上記包装材ロールに巻回された包装材を上記ロールベールの外面に向かって送り出すための繰出ローラを備え、
上記繰出ローラは、その長手方向中央部の外径が長手方向両端部の外径よりも大きく形成される請求項1〜3いずれかに記載のロールベーラの包装材巻回装置。
【請求項5】
上記包装材ロールに巻回された包装材を上記ロールベールの外面へ案内するガイドローラを備え、
上記ガイドローラは、その長手方向中央部の外径が長手方向両端部の外径よりも大きく形成される請求項1〜4いずれかに記載のロールベーラの包装材巻回装置。
【請求項6】
上記包装材ロールと上記ロールベールとの間で上記包装材の供給方向に沿って延出し、上記包装材の幅方向に間隔を隔てて配置された複数のロッドを有する櫛状ガイドロッドを備え、
上記櫛状ガイドロッドの上記ロッドは、包装材の供給方向上流側から下流側に向かって上記包装材の幅方向外側に向かうように傾斜して配置される請求項1〜5いずれかに記載のロールベーラの包装材巻回装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−34194(P2006−34194A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220372(P2004−220372)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000107653)スター農機株式会社 (36)
【Fターム(参考)】