説明

ロール紙ホルダ及び記録装置

【課題】ロール紙ホルダの軸部の軸芯方向とロール紙のロール芯の中心線方向とが一致しない場合であっても容易に前記軸部を前記ロール芯の芯口に挿入することができ、もってロール紙の装着作業を簡単に行えるようにすること。
【解決手段】ロール紙使用装置に取り付けられているロール紙ホルダであって、前記ロール紙ホルダ3は、ロール紙Rの側端面4に接触するフランジ部9と、該フランジ部から突設されてロール紙のロール芯11の芯口12内に挿入される軸部13を備え、前記軸部は球面形状であり、該軸部の最大径Dは前記芯口12の内径dより僅かに大きく形成され又は前記内径とほぼ同じに形成され、前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記軸部の外面の少なくとも一部を前記ロール芯の芯口内面に押し付ける押付機構部51が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部の一部をロール紙のロール芯の芯口内に挿入させてロール紙を保持するロール紙ホルダ及び該ロール紙ホルダを備えた記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型インクジェットプリンター等の記録装置では、下記の特許文献1に示すようにロール紙の重量が重い。
そのためロール紙を一旦、記録装置の仮置き台に置いてから、該記録装置に取り付けられているロール紙ホルダに装着することが行われている。前記ロール紙ホルダには円板状のフランジ部から軸部が水平に突設されており、該軸部がロール紙のロール芯の芯口に挿入されることで当該ロール紙は前記ロール紙ホルダに装着される。その際、前記ロール紙の側端面が前記フランジ部に接触することで当該ロール紙の軸方向の位置決めが行われるようになっている。
【0003】
従来は、前記ロール紙を仮置き台に置いてから、ロール紙ホルダの軸部の高さ位置まで、ユーザーが手でロール紙の一端部を約2〜5cm程度持ち上げてロール芯の芯口と前記軸部との位置合わせをロール紙を傾けた姿勢で行っていた。
そして、その後ロール紙或はロール紙ホルダを水平方向にスライドさせて前記軸部を前記芯口に挿入して当該ロール紙をロール紙ホルダに装着していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−23171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記のようにロール紙は傾斜姿勢であり、ロール紙ホルダの軸部は水平姿勢であると、ロール紙ホルダの軸部の軸芯方向とロール紙のロール芯の中心線方向とが一致しないため前記装着作業が簡単ではなかった。
【0006】
本発明の課題は、ロール紙ホルダの軸部の軸芯方向とロール紙のロール芯の中心線方向とが一致しない場合であっても容易に前記軸部を前記ロール芯の芯口に挿入することができ、もってロール紙の装着作業を簡単に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、ロール紙使用装置に取り付けられているロール紙ホルダであって、前記ロール紙ホルダは、ロール紙の側端面に接触するフランジ部と、該フランジ部から突設されてロール紙のロール芯の芯口内に挿入される軸部を備え、前記軸部は球面形状であり、該軸部の最大径は前記芯口の内径より僅かに大きく形成され又は前記内径とほぼ同じに形成され、前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記軸部の外面の少なくとも一部を前記ロール芯の芯口内面に押し付ける押付機構部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
ここで、「軸部の最大径は前記芯口の内径より僅かに大きく形成され」とは、本願明細書においては、軸部の最大径がロール紙のロール芯の芯口内に軸部を押し込むことが可能な範囲で大きいことを意味する。具体的には、軸部が弾性材の弾性変形によって小さくなることが可能であり、その弾性変形によって径を小さくすることで前記芯口内に軸部を押し込むことが可能な範囲で大きいことを意味する。
また、「軸部の最大径は前記内径とほぼ同じに形成され」とは、厳密に同一である場合に限定されず、実質的に同じといえる場合と、更に軸部の最大径が前記内径より小さいが後述する押付機構部によってロール紙を使用可能に保持できる範囲で小さい場合も含む意味で使われている。
【0009】
また、「ロール紙」とは、ロール芯の周りにロール状に巻かれた用紙のことを一般に意味するが、本明細書では、前記ロール状に巻かれた用紙とロール芯とを明確に区別し、両者を含めたものを「ロール紙」と定義することにする。
また、ロール紙を構成する前記「用紙」は、本明細書においては普通紙、専用紙、写真用の光沢紙の他、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムを含み、更に紙の範囲を越えて布等も含む意味で用いている。これにより表現の複雑化を避けている。
また、「ロール芯」には、大型インクジェットプリンター等で一般的に使用されている2インチ紙管と3インチ紙管が含まれる。
【0010】
本態様によれば、ロール紙ホルダの軸部が球面形状であるので、ロール紙ホルダの水平姿勢の軸部の軸心方向と前記ロール芯の中心線方向とが一致しなくても前記ロール芯の芯口内に前記軸部を容易に挿入することができる。よってロール紙の装着作業を簡単に行うことができる。
【0011】
また、前記軸部が前記芯口内に挿入された状態では、押付機構部によって前記軸部の外面が前記ロール芯の芯口内面に押し付けられるので、その押し付け力によって軸部とロール紙を強固に一体化することが可能となる。従って、ロール紙ホルダの回転が前記軸部を介してロール紙に確実に伝達され、両者が一体となって回転する状態を実現することができる。
その際、前記軸部は球面形状であるので、その球面軸部の外面が前記ロール芯の芯口内面に接触する接触位置は、ロール紙の軸方向におけるほぼ同じ位置となる円周上の位置となる。言い換えると、軸部の外面は前記ロール芯の芯口内面に円形の線接触状態となる。従って、ロール紙の軸方向におけるほぼ同じ位置で前記軸部に接触して保持されていることになるので、ロール紙の各一回転において該ロール紙を接触支持する位置が軸方向にばらつくことが無く、ロール紙の回転を安定させることができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係るロール紙ホルダにおいて、前記押付機構部は、少なくとも前記軸部の表面の一部の径が弾性材の弾性変形によって小さくなることが可能であり、且つ該弾性変形が可能な部分の最大径が前記芯口の内径より僅かに大きく形成された軸部を備え、前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記径の差に基づいて前記弾性材に弾性変形が生じ、該弾性変形による圧縮に対する弾性反発力によって該軸部の外面がロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするものである。
【0013】
本態様によれば、球面形状の軸部は弾性材の弾性変形によって径を小さくすることが可能で且つ該弾性変形が可能な部分の最大径が前記芯口の内径より僅かに大きく形成されている。
従って、前記第1の態様の作用効果に加えて、前記軸部を前記芯口内に押し込むことで該軸部は弾性変形によって縮径し、その縮径状態で前記芯口内に挿入することで、前記径の差に基づく前記弾性材の弾性変形(圧縮)に対する弾性反発力が自動的に発生し、該軸部の外面がロール芯の芯口内面に自動的に押し付けられる効果が得られる。
【0014】
本発明の第3の態様は、前記第2の態様に係るロール紙ホルダにおいて、前記弾性材は、少なくとも前記軸部の表面の一部に設けられたゴム材で構成され、前記軸部は、前記ゴム材部分の最大径が前記芯口の内径より僅かに大きく形成されており、前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記径の差に基づいて前記ゴム材に圧縮変形が生じ、該圧縮変形によって生ずる弾性反発力によって前記ゴム材がロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするものである。
【0015】
本態様によれば、軸部を成すゴム材自身が前記芯口内面に接触し、且つゴム材自身が直接前記径差に基づいて弾性変形(圧縮変形)するので、前記線接触の線の幅が広くなる。更に、その幅広の線の中央部における押し付け力が最も大きく、その両側では徐々に押し付け力が小さくなる接触状態となる。従って、前記第2の態様の作用効果に加えて、ロール紙の回転を一層安定させることができる。
また、弾性材をゴム材によって構成するだけで、構造簡単にして、前記第2の態様の作用効果を得ることができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、前記第1の態様に係るロール紙ホルダにおいて、前記押付機構部は、拡径可能に形成され、且つ拡径前の前記最大径が前記芯口の内径とほぼ同じに形成された軸部と、前記軸部を拡径する拡径機構部を備え、前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記拡径機構部によって前記軸部が拡径されて該軸部の外面がロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするものである。
【0017】
本態様によれば、球面形状の軸部の最大径は前記芯口の内径とほぼ同じに形成されているので、該軸部をロール紙の芯口内に挿入しやすい。加えて、拡径可能な軸部を拡径機構部によって拡径して、球面形状の前記軸部の外面をロール芯の芯口内面に押し付ける構成であるので、ロール紙ホルダの回転が前記拡径された軸部を介してロール紙に確実に伝達され、両者が一体となって回転する状態を実現することができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、前記第1の態様に係るロール紙ホルダにおいて、前記押付機構部は、前記芯口の内径とほぼ同じに形成された軸部と、前記軸部内に回動支点を介して回動可能に設けられた揺動片であって、前記回動支点より前記フランジ部側に設けられた回動作用部と、前記回動支点より前記フランジ部と反対側に設けられた当接作用部を備えた揺動片を備え、前記軸部が前記芯口内に挿入される際に、前記揺動片の回動作用部がロール紙の側端面に押されて該揺動片が回動して前記当接作用部が前記軸部の外表面より外方に出てロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするものである。
【0019】
本態様によれば、軸部が前記芯口内に挿入される際に、揺動片の回動作用部がロール紙の側端面に押されて該揺動片が回動して当接作用部が前記軸部の外表面より外方に出てロール芯の芯口内面に押し付けられる構成である。
従って、軸部の最大径は前記芯口の内径とほぼ同じに形成されているので、該軸部をロール紙の芯口内に挿入しやすいと共に、球面形状の軸部をロール紙の芯口内に挿入する際に、ロール紙の側端面が揺動片を自動的に回動させて該揺動片の当接作用部を前記軸部の外表面より外方に出させ、自動的にロール芯の芯口内面に押し付ける状態を実現することができる。これにより、本態様によっても前記第1の態様の作用効果を得ることができる。
【0020】
本発明の第6の態様は、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの態様に係るロール紙ホルダにおいて、前記球面形状の軸部がロール芯の芯口内面に押し付けられて前記押付機構部の押し付け力が前記芯口内面に作用する位置は、前記フランジ部から離間した位置であることを特徴とするものである。
【0021】
本態様によれば、フランジ部の内側面(ロール紙側端面と対向する面)と、球面形状の軸部の表面と、ロール芯の芯口内面とによって囲まれた部分に空間が形成されることになる。その空間部分では、ロール紙のロール芯がロール紙ホルダによって拘束されていない。従って、ロール紙をロール紙ホルダに装着する際に該ロール紙が本来の位置から少しずれた位置に装着された場合でも、本態様によれば、前記空間の存在によってロール紙の回転駆動時にロール紙の装着位置のセルフ調整(修正)機能が期待できる。
【0022】
本発明の第7の態様は、前記第1の態様から第6の態様のいずれか一つの態様に係るロール紙ホルダにおいて、前記軸部には大径球部と、該大径球部の軸芯線上の先端位置に設けられる小径球部とが備えられていることを特徴とするものである。
【0023】
本態様によれば、2インチ紙管と3インチ紙管のようにロール芯の内径が異なる2種類のロール紙に対して一種類のロール紙ホルダで対応できるようになる。従って、ロール芯の内径の異なる2種類のロール紙を使用しているユーザーは、前記第1の態様から第6の態様のいずれか一つの態様の作用効果に加えて、ロール紙ホルダを交換することなく、そのまま現在のロール紙ホルダを使用してロール芯の内径の異なる他のロール紙を装着することが可能になる。
【0024】
本発明の第8の態様は、フランジ部をロール紙の側端面に接触させ、軸部をロール紙のロール芯の芯口内に挿入させてロール紙を保持するロール紙ホルダを備えた記録装置であって、前記ロール紙ホルダは、前記第1の態様から第7の態様のいずれか1つの態様のロール紙ホルダであることを特徴とするものである。
【0025】
本態様によれば、前記第1の態様から第7の態様のいずれか1つの態様の作用効果を記録装置において得ることが可能となり、円滑なロール紙の交換により速やかにまた安定した記録の実行を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るロール紙ホルダを適用した記録装置の概略を示す側断面図。
【図2】ロール紙ホルダの第1の実施例を示す斜視図。
【図3】ロール紙ホルダの第1の実施例を示すロール紙位置合わせ時の正面図。
【図4】ロール紙ホルダの第1の実施例を示すロール紙装着時の正面図。
【図5】ロール紙ホルダの第2の実施例を示す大径球部を使用してロール紙を位置合わせしている時の正面図。
【図6】ロール紙ホルダの第2の実施例を示す大径球部を使用してロール紙を装着した時の正面図。
【図7】ロール紙ホルダの第2の実施例を示す小径球部を使用してロール紙を位置合わせにしている時の正面図。
【図8】ロール紙ホルダの第2の実施例を示す小径球部を使用してロール紙を装着した時の正面図。
【図9】押付機構部を異ならせた他の実施例を示す側断面図。
【図10】押付機構部を更に異ならせた他の実施例を示す側断面図。
【図11】押付機構部を更に異ならせた他の実施例を示す側断面図。
【図12】押付機構部を更に異ならせた他の実施例を示す側断面図。
【図13】押付機構部を更に異ならせた他の実施例を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1〜図4に示す第1の実施例と、図5〜図8に示す第2の実施例を例にとって、本発明のロール紙ホルダ3の構造とロール紙Rの位置合わせ時及び装着時の作動態様について説明する。また、該ロール紙ホルダ3の説明に先立って当該ロール紙ホルダ3を備えた本発明のロール紙使用装置の一例である記録装置1の概略を図1に基づいて簡単に説明する。
尚、本実施例のロール紙ホルダ3は、ロール紙Rの側端面4に接触するフランジ部9と、該フランジ部9から突設されてロール紙Rのロール芯11の芯口12内に挿入される軸部13とによってロール紙Rを保持する部材で、図1に示したように大型インクジェットプリンター等の記録装置1の一例として後部上方位置に設けられている。
【0028】
図1に本発明の記録装置の実施例として大型のインクジェットプリンター1の概略の構成が図示されている。このインクジェットプリンター1は、下端部に移動用のキャスター15を有する側面視逆T字形の支持フレーム17を対向するように左右両端部に備えている。
前記支持フレーム17の上部には、プリンター本体19が設けられており、該プリンター本体19の内部には、キャリッジガイド軸21に沿って主走査方向となる用紙幅方向Bに往復移動可能なキャリッジ23が配設されている。
【0029】
また、前記キャリッジ23の一例として下面には、用紙Pの被記録面に各色のインクを吐出して記録を実行する記録ヘッド25が設けられており、該記録ヘッド25の下方には所定のギャップPGを隔てて用紙Pの下面を支持して用紙Pの搬送を案内する支持部材27が設けられている。
また、前記記録ヘッド25と支持部材27の用紙搬送方向Aの上流位置には、一対のニップローラーによって構成されている搬送用ローラー29が設けられている。そして、後述する本発明の実施例のロール紙ホルダ3から繰り出された用紙Pは、前記搬送用ローラー29に挟持されることで用紙Pに搬送力が付与されるようになっている。
【0030】
また、前記プリンター本体19の用紙搬送方向Aの上流位置となる後方位置には、予備加熱用のプレヒーター31が設けられており、前記プリンター本体19の用紙搬送方向Aの下流位置となる前方位置には、インク乾燥用のアフターヒーター33が設けられている。
そして、前記プレヒーター31の用紙搬送方向Aの上流位置に本発明の実施例のロール紙ホルダ3が設けられており、該ロール紙ホルダ3の下方に支持フレーム17から延びるサブフレーム35によって支持されているロール紙Rの仮置き台5が設けられている。
【0031】
仮置き台5は、図1、図2に示すように、ロール紙Rを仮置きした時にロール紙Rが落下しない間隙を隔てて平行に配設されている2本のシャフト7A、7Bを備えることによって基本的に構成されている。
この他、前記アフターヒーター33の用紙搬送方向Aの下流位置には、巻取り装置37が設けられており、巻き取られるロール紙Rは用紙支持構造39に支持されている。
【0032】
また、ロール紙ホルダ3は、ロール紙Rの両端部を保持する部材で、向い合わせで一対配設されている。そして、そのうち少なくとも一方のロール紙ホルダ3がロール紙Rの幅寸法の違いに対応して用紙幅方向Bにスライドできるように構成されている。
具体的には、ロール紙Rの側端面4に接触するフランジ部9と、該フランジ部9から内方に向かって水平に突設され、ロール紙Rのロール芯11の芯口12内に挿入される軸部13と、を備えることによって本実施例のロール紙ホルダ3は構成されている。
【0033】
また、本実施例において特徴的構成の一つとして、前記軸部13は球面形状であり、該軸部13の最大径Dは前記芯口12の内径dより僅かに大きく形成され又は前記内径dとほぼ同じに形成されている。
また、前記軸部13には他の特徴的構成の一つである押付機構部51が設けられており、該押付機構部51は、前記軸部13が前記芯口12内に挿入された状態で、前記軸部13の外面(表面)13aの少なくとも一部を前記ロール芯11の芯口12の内面12aに押し付けるように構成されている。
【0034】
[第1の実施例](図1〜図4参照)
第1の実施例に係るロール紙ホルダ3Aは、円板状のフランジ部9Aと、該フランジ部9Aの内側面9a側に突設される球面形状の球体14によって構成されている軸部13Aとを備えている。
また、前記フランジ部9Aは、本実施例では、図示しない駆動装置の出力軸に接続される回転軸41の先端部に取り付けられており、前記軸部13Aと一体になって軸芯L1を中心にして回転し得るように構成されている。
【0035】
前記フランジ部9Aの直径は、使用を想定される最大径のロール紙Rの側端面4における全領域を保持できるようにロール紙Rの直径よりも幾分大きめに形成されている。また、前記軸部13Aの最大径Dは、使用するロール紙Rのロール芯11における芯口12の内径dよりも、本実施例では僅かに大きく形成されている。
【0036】
また、前記ロール芯11の芯口12の内面12aに当接する前記軸部13Aの少なくとも表面13aの一部は、弾性変形が可能なゴム材によって形成されている。そして、前記ゴム材の圧縮変形によって前記軸部13Aの前記芯口12内への挿入を可能にし、前記ゴム材の圧縮変形に伴う反発力によって前記ゴム材が前記ロール芯11の芯口12における内面12aに押し付けられてロール紙Rを前記芯口12側からも保持できるように構成されている。
【0037】
すなわち、本実施例における押付機構部51Aは、少なくとも前記軸部13Aの表面13aの一部がゴム材で構成され、前記ゴム材部分の最大径Dが前記芯口12の内径dより僅かに大きく形成されている軸部13Aを備え、該軸部13Aは、前記ゴム材部分の最大径Dが前記芯口12の内径dより僅かに大きく形成されており、前記軸部13Aが前記芯口12内に挿入された状態で、前記径の差(D−d)に基づいて前記ゴム材に圧縮変形が生じ、該圧縮変形によって生ずる弾性反発力によって前記ゴム材がロール芯11の芯口12内面に押し付けられる構成である。
【0038】
尚、ゴム材としては合成ゴムやポリウレタンエラストマー等の合成樹脂弾性材が一例として使用可能である。ゴム材の表面には摩擦力を向上させる凹凸やスリット等を形成することも可能である。
【0039】
このようなゴム材を軸部13Aの表面素材として使用した場合には、素材と形状(球面形状)によってもたらされる大きな摩擦力と、ゴム材の弾性変形に伴う反発力によってロール紙Rには該ロール紙ホルダ3Aからの回転がロスなく伝達されるようになる。
【0040】
また、本実施例では、前記球面形状の軸部13Aがロール芯11の芯口12内面に押し付けられて前記押付機構部51の押し付け力が前記芯口12内面に作用する位置Gは、前記フランジ部9Aの内側面9aから離間した位置となっている。すなわち、前記フランジ部9Aの内側面9aと球面形状の軸部13A(押付機構部51A)の表面13aと、ロール芯11の芯口12における内面12aとによって囲まれた部分に空間Sが形成されている(図4)。
【0041】
次に、第1の実施例に係るロール紙ホルダ3Aの作動態様を、(1)ロール紙を位置合わせする時と、(2)ロール紙の両端の装着完了時とに分けて説明する。
【0042】
(1)ロール紙を位置合わせする時(図2、図3参照)
ロール紙Rのロール芯11における芯口12にロール紙ホルダ3Aの軸部13Aを位置合わせする場合には、仮置き台5に支持されているロール紙Rの一端部を、図2、図3に示すように、約2〜5cm程度持ち上げてロール紙Rの中心線L2が傾斜している傾斜姿勢にする。
【0043】
一方、ロール紙ホルダ3Aは、支持フレーム17によって当初から軸芯L1が水平に保たれているから、前記ロール紙Rの中心線L2とロール紙ホルダ3Aの軸芯L1とは一致していない。
続いて、傾斜姿勢のロール紙Rとロール紙ホルダ3Aのいずれか一方を移動させて両者を接近させて、図3に示したように球面形状の軸部13Aの表面13aにロール紙Rの芯口12を押し付ける。これにより、ロール紙Rの中心線L2がロール紙ホルダ3Aの軸部13Aにおける球面14の中心Oを通る相対配置となり、ロール紙Rのロール紙ホルダ3Aに対する第一段階の位置決めが完了する。
【0044】
そして、前記ロール紙Rの中心線L2が前記球面14の中心Oを通る状態で前記ロール紙Rの側端面4を前記軸部13Aの球面14に押し付けると、該軸部13Aはゴム材の弾性力によって圧縮変形して縮径する。
前記軸部13Aの縮径によって、当該軸部13Aは当該ロール紙Rのロール芯11における芯口12内に挿入できるようになり、ロール紙Rのロール紙ホルダ3Aに対する片側の装着が完了する。
【0045】
(2)ロール紙の両端の装着完了時(図4参照)
同様にしてロール紙Rの他端部におけるロール芯11の芯口12内に当該ロール紙ホルダ3Aの他方の軸部13Aを挿入して装着すれば、当該ロール紙Rの左右の側端面4、4は、左右に配置されている一対のロール紙ホルダ3A、3Aにおけるそれぞれのフランジ部9A、9Aによって挟まれて保持されるようになる。
尚、この状態ではロール紙Rの中心線L2がロール紙ホルダ3Aの軸芯L1と一致して一直線上になる水平姿勢でロール紙Rは保持されることになる。
【0046】
この時、前記圧縮変形しているゴム材の反発力によりゴム材の圧接位置Gでは当該ロール芯11の芯口12を拡げる方向の押し付け力Fが発生している。従って、当該ロール紙Rは前記左右のフランジ部9A、9Aによる挟持力と前記軸部13Aからの押し付け力Fとによってロール紙ホルダ3Aに確実に保持される状態になっている。
また、ロール紙Rの装着位置がロール紙ホルダ3Aの軸芯L1から多少ずれて装着されていても、ロール紙Rとロール紙ホルダ3A間に形成されている前記空間Sの存在によってロール紙Rの回転駆動時にロール紙Rの装着位置のセルフ調整(修正)機能が働いて前記ロール紙Rは本来の装着位置に自動的に移動することができる。
【0047】
そして、このようにして構成される実施例1に係るロール紙ホルダ3Aによれば、ロール紙ホルダ3Aの軸部13Aが球面形状であるので、ロール紙ホルダ3Aの水平姿勢の軸部13Aの軸心方向L1と前記ロール芯11の中心線方向L2とが一致しなくても前記ロール芯11の芯口12内に前記軸部13Aを容易に挿入することができる。
【0048】
また、前記軸部13Aが前記芯口12内に挿入された状態では、押付機構部51によって前記軸部13Aの外面13aが前記ロール芯11の芯口12内面に押し付けられるので、その押し付け力によって軸部13Aとロール紙Rを強固に一体化することが可能となる。従って、ロール紙ホルダ3の回転が前記軸部13Aを介してロール紙Rに確実に伝達され、両者が一体となって回転する状態を実現することができる。
【0049】
その際、前記軸部13Aは球面形状であるので、その球面軸部13Aの外面13aが前記ロール芯11の芯口12内面に接触する接触位置(G)は、ロール紙Rの軸方向におけるほぼ同じ位置となる円周上の位置となる。すなわち、軸部13Aの外面13aは前記ロール芯11の芯口12内面に円形の線接触状態となる。従って、ロール紙Rの軸方向におけるほぼ同じ位置で前記軸部13Aに接触して保持されていることになるので、ロール紙Rの各一回転において該ロール紙Rを接触支持する位置(G)が軸方向にばらつくことが無く、ロール紙Rの回転を安定させることができる。
【0050】
また、前記軸部13Aを前記芯口12内に押し込むことで該軸部を成すゴム材が圧縮変形によって縮径し、その縮径状態で前記芯口12内に挿入することで、前記径の差(D−d)に基づく前記ゴム材の弾性変形(圧縮)に対する弾性反発力が自動的に発生し、該軸部13Aの外面13aがロール芯11の芯口12内面に自動的に押し付けられる。
【0051】
また、軸部13Aを成すゴム材自身が前記芯口12内面に接触し、且つゴム材自身が直接前記径差(D−d)に基づいて圧縮変形するので、前記線接触の線の幅が広くなる。更に、その幅広の線の中央部における押し付け力が最も大きく、その両側では徐々に押し付け力が小さくなる接触状態となる。従って、ロール紙Rの回転を一層安定させることができる。
【0052】
[第2の実施例](図5〜図8参照)
第2の実施例に係るロール紙ホルダ3Bは、軸部13Bの構成を除いて前記第1の実施例に係るロール紙ホルダ3Aと基本的に同様の構成を有している。従って、ここでは前記第1の実施例と相違する軸部13Bの構成を中心にして説明する。
即ち、本実施例では前記軸部13Bが大きさの異なる2つの球体を軸芯L1が一致するように一部オーバーラップさせ、一体化させて配置することによって構成されている。
【0053】
具体的には、前記軸部13Bはフランジ部9Bの内側面9a寄りの基端側に設けられる大径球部43と、該大径球部43の軸芯線L1上の先端位置に設けられる小径球部45と、を備えることによって構成されている。
そして、前記大径球部43の最大径D1は、使用が想定されるロール芯11のうち大きい径のもの(例えば3インチ紙管)の芯口12における内径d1よりも僅かに大きめに形成されている。
一方、前記小径球部45の最大径D2は、使用が想定されるロール芯11のうち小さい径のもの(例えば2インチ紙管)の芯口12における内径d2よりも僅かに大きめに形成されている。
【0054】
また、前記大径球部43と小径球部45の少なくとも表面は、前記第1の実施例と同様にゴム材によって構成されている。
図6に示すように、大径球部43使用時には、前記第1の実施例と同様、フランジ部9Bの内側面9aと、大径球部43の表面43aと、ロール芯11の芯口12の内面12aと、によって囲まれた空間S1が形成されている。
一方図8に示すように、小径球部45使用時には、大径球部43の内側面43bと、小径球部45の表面45aと、ロール芯11の芯口12の内面12aと、によって囲まれた空間S2が形成されている(図8中の拡大図)。
また、前記小径球部45が設けられている大径球部43の内側面43bは、フランジ部9Bの内側面9aと平行な平滑面によって一例として形成されている。
【0055】
次に、第2の実施例に係るロール紙ホルダ3Bの作動態様を、(1)ロール紙を位置合わせする時と、(2)ロール紙の両端の装着完了時とに分けて説明する。
【0056】
(1)ロール紙を位置合わせする時(図5、図7参照)
図5に示すように、大径球部43を使用してロール紙Rを位置合わせする場合には、ロール紙Rの中心線L2が軸部13Bの大径球部43における球面14Aの中心Oを通るように位置合わせをし、この状態でロール紙Rを大径球部43の球面14Aに押し付けて当該大径球部43を圧縮変形させて当該ロール芯11における芯口12内に挿入させる。
【0057】
一方、小径球部45を使用してロール紙Rを位置合わせする場合には、図7に示すように、ロール紙Rの中心線L2が軸部13Bの小径球部45における球面14Bの中心Oを通るように位置合わせをし、この状態でロール紙Rを小径球部45の球面14Bに押し付けて当該小径球部45を圧縮変形させて当該ロール芯11における芯口12内に挿入させる。
【0058】
(2)ロール紙の両端の装着完了時(図6、図8参照)
図6に示すように、大径球部43を使用して当該ロール紙ホルダ3Bにロール紙Rを装着した場合には、ロール紙Rの側端面4はフランジ部9Bの内側面9aに接触することによって左右のフランジ部9B、9Bから挟持力を受けて当該ロール紙Rは保持されるようになっている。
また、当該フランジ部9Bの内側面9aから空間S1を隔てた離間位置にある接触位置(押し付け力の作用する位置)G1では、圧縮変形している大径球部43からの弾性反発力によって大径球部43から当該芯口12の内面12aに押し付け力Fが作用して当該ロール紙Rは保持されるようになっている。
また、前記空間S1の存在によって前記実施例1と同様にロール紙Rの装着位置のセルフ調整(修正)機能も発揮される。
【0059】
図8に示すように、小径球部45を使用して当該ロール紙ホルダ3Bにロール紙Rを装着した場合には、ロール紙Rの側端面4は大径球部43の内側面43bに接触することによって左右の大径球部43、43から挟持力を受けて当該ロール紙Rは保持されるようになっている。
また、当該大径球部43の内側面43bから空間S2を隔てた離間位置にある接触位置(押し付け力の作用する位置)G2では、圧縮変形している小径球部45からの反発力によって小径球部45から当該芯口12の内面12aに押し付け力Fが作用して当該ロール紙Rは保持されるようになっている。
また、前記空間S2の存在によって前記実施例1と同様にロール紙Rの装着位置のセルフ調整(修正)機能も発揮される。
【0060】
そして、このような構造の第2の実施例に係るロール紙ホルダ3Bによっても、前記第1の実施例と同様の作用、効果が発揮される。
更に、本実施例によれば、ロール紙Rのロール芯11における芯口12の内径dの違いに応じてロール紙ホルダ3Bを交換する必要がないからロール紙Rの交換がより速やかに容易に実行されるようになる。
【0061】
[第3の実施例](図9参照)
図9は、球面形状の軸部13Dが複数の硬質材で形成された分割要素57a、57bによって構成されている。これら分割要素57a、57bは、図示しない蝶番によってフランジ部9Dに回動可能に取り付けられている。
押付機構部51Dは、前記分割要素57a、57bと、該分割要素57a、57b内に設けられた付勢部材59を備えている。そして、軸部13Dの最大径Dは、常時はロール芯11の芯口12における内径dよりも大きいものとなっている。
ロール紙Rの装着時には、前記付勢部材59の付勢力に抗して軸部13Dの最大径Dが縮径し、当該軸部13Dが芯口12内に挿入され、前記付勢部材59の前記縮径に基づく反発力によって芯口12の内面12aに押し付け力Fが作用するようになっている。
【0062】
[第4の実施例](図10参照)
本実施例では、軸部13の最大径Dを当初は芯口12の内径dとほぼ同じに形成されている。そして、ロール紙Rをロール紙ホルダ3に装着することにより軸部13の最大径Dが拡径されて芯口12の内面12aに押し付け力Fが作用するように押付機構部51が構成されている。
【0063】
具体的には、図10に示すように、フランジ部9Cの内側面9aに拡径機構部となるテーパ状の突起53を設け、一方、軸部13Cのフランジ部9Cと対向する面13bには前記突起53と係合するテーパ穴状の凹部55が設けられている。更に、前記突起53の先端には抜け止め部54が設けられ、軸部13C側には前記抜け止め部54を受け入れる受け入れ凹部56が設けられている。
軸部13Cが芯口12内に挿入された状態で、ロール紙ホルダ3Cとロール紙とを互いに押し付けることによって、前記テーパ状の突起53がテーパ状の凹部55に進入して当該軸部13Cの最大径Dを拡径させる。これにより押付機構部51の押し付け力Fを得る構造になっている。
【0064】
[第5の実施例](図11参照)
また、ロール紙Rの装着時の動作を利用するのではなく、軸部13をロール紙Rに装着後に行う別の拡径動作によって該軸部13の最大径Dを拡径できるようにした押付機構部51を採用することも可能である。
【0065】
図11に示す押付機構部51Fは、フランジ部9Fに対して雌ネジ部71を設けておき、該雌ネジ部71と螺合する雄ネジ部73と、該雄ネジ部73の基端部に設けられる操作ハンドル75と、前記雄ネジ部73の先端部に設けられるテーパ状の押圧部77とを備えている。更に前記押圧部77の先端が延長されて該延長部58が軸部13Fを貫通し、前記延長部58の先端に軸部13Fの球面形状の一部をなして該軸部13Fが外れることを防止する外れ止め部60が設けられている。
軸部13Fは、前記図9に示す実施例と同様、複数の分割要素57a、57bによって構成されている。軸部13Fの最大径Dは、常時は付勢部材59からの付勢力によって前記芯口12の内径dとほぼ同じになっている。
【0066】
軸部13Fをロール紙Rに装着後に、ユーザーが操作ハンドル75を所定の方向に回すことによって雄ネジ部73先端の押圧部77を軸部13F内に突出させることで軸部13Fの最大径Dを付勢部材59の付勢力に抗して拡径するようになっている。
【0067】
[第6の実施例](図12参照)
一方、図12に示す押付機構部51Gは、一例として90度回動できる回動軸79と、該回動軸79の基端部に設けられる図示しない操作ハンドルと、前記回動軸79の先端部に設けられるカム板81とを備えている。
また、軸部13Gは、前記図9に示す実施例と同様、複数の分割要素57a、57bによって構成されている。軸部13Gの最大径Dは、常時は付勢部材59、59からの付勢力によって前記芯口12の内径dとほぼ同じになっている。
【0068】
軸部13Gをロール紙Rに装着後に、ユーザーが操作ハンドルを所定角度回すことによって軸部13Gに作用するカム板81のカム高さを変えることで軸部13Gの最大径Dを拡径している。
【0069】
[第7の実施例](図13参照)
図13に示すように、押付機構部51を軸部13Eと別部材によって構成することも可能である。
具体的には、軸部13Eに対して回動支点61を中心に拡径ないし縮径方向に回動する拡径部材となる揺動片63を複数設けておき、常時は付勢部材65の付勢力によって揺動片63の当接作用部67が軸部13Eの表面13a上に突出しない状態にしておく。
そして、ロール紙Rの装着時に揺動片63の回動作用部69がロール紙Rに押されて揺動片63を回動させ、前記当接作用部67を軸部13Eの表面13aから突出させてロール芯11の芯口12を保持するようになっている。
【0070】
本実施例では、軸部の13E最大径Dは、前記芯口12の内径dとほぼ同じに形成されているので、該軸部13Eをロール紙Rの芯口12内に挿入しやすいと共に、球面形状の軸部13Eをロール紙Rの芯口12内に挿入する際に、ロール紙Rの側端面4が揺動片63を自動的に回動させて該揺動片63の当接作用部67を前記軸部13Eの外表面より外方に出させ、自動的にロール芯11の芯口12内面に押し付ける状態を実現することができる。
【0071】
本発明に係るロール紙ホルダ3及び該ロール紙ホルダ3を備えた記録装置1は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
また、本発明のロール紙ホルダ3は、記録装置1用のロール紙Rに限らずカッティングマシン用のロール状に巻かれたカッティングシート等、種々のロール紙Rの保持部材として使用することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 インクジェットプリンター(記録装置)、 3 ロール紙ホルダ、
4 側端面、 5 仮置き台、 7A シャフト、 7B シャフト、
9 フランジ部、 9a 内側面、 11 ロール芯、 12 芯口、
12a 内面、 13 軸部、 13a 表面、 13b 対向する面、
14 球面、 15 キャスター、 17 支持フレーム、 19 プリンター本体、
21 キャリッジガイド軸、 23 キャリッジ、 25 記録ヘッド、
27 支持部材、 29 搬送用ローラー、 31 プレヒーター、
33 アフターヒーター、 35 サブフレーム、 37 巻取り装置、
39 用紙支持構造、 41 回転軸、 43 大径球部、 43a 表面、
43b 内側面、 45 小径球部、 45a 表面、 51 押付機構部、
53 突起、 54 抜け止め部、 55 凹部、 56 受け入れ凹部、
57 分割要素、 58 延長部、 59 付勢部材、 60 外れ止め部、
61 回動支点、 63 揺動片、 65 付勢部材、 67 当接作用部、
69 回動作用部、 71 雌ネジ部、 73 雄ネジ部、 75 操作ハンドル、
77 押圧部、 79 回動軸、 81 カム板、 R ロール紙、 P 用紙、
A 用紙搬送方向、 B 用紙幅方向、 L1 軸芯、 L2 中心線、
PG ギャップ、 D 最大径、 d 内径、 O 中心、 S 空間、
F 押し付け力(圧接力)、 G 接触位置(押し付け力の作用する位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙使用装置に取り付けられているロール紙ホルダであって、
前記ロール紙ホルダは、ロール紙の側端面に接触するフランジ部と、該フランジ部から突設されてロール紙のロール芯の芯口内に挿入される軸部を備え、
前記軸部は球面形状であり、該軸部の最大径は前記芯口の内径より僅かに大きく形成され又は前記内径とほぼ同じに形成され、
前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記軸部の外面の少なくとも一部を前記ロール芯の芯口内面に押し付ける押付機構部が設けられていることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載されたロール紙ホルダにおいて、
前記押付機構部は、
少なくとも前記軸部の表面の一部の径が弾性材の弾性変形によって小さくなることが可能であり、且つ該弾性変形が可能な部分の最大径が前記芯口の内径より僅かに大きく形成された軸部を備え、
前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記径の差に基づいて前記弾性材に弾性変形が生じ、該弾性変形による圧縮に対する弾性反発力によって該軸部の外面がロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項3】
請求項2に記載されたロール紙ホルダにおいて、
前記弾性材は、少なくとも前記軸部の表面の一部に設けられたゴム材で構成され、
前記軸部は、前記ゴム材部分の最大径が前記芯口の内径より僅かに大きく形成されており、
前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記径の差に基づいて前記ゴム材に圧縮変形が生じ、該圧縮変形によって生ずる弾性反発力によって前記ゴム材がロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項4】
請求項1に記載されたロール紙ホルダにおいて、
前記押付機構部は、
拡径可能に形成され、且つ拡径前の前記最大径が前記芯口の内径とほぼ同じに形成された軸部と、
前記軸部を拡径する拡径機構部を備え、
前記軸部が前記芯口内に挿入された状態で、前記拡径機構部によって前記軸部が拡径されて該軸部の外面がロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項5】
請求項1に記載されたロール紙ホルダにおいて、
前記押付機構部は、
前記芯口の内径とほぼ同じに形成された軸部と、
前記軸部内に回動支点を介して回動可能に設けられた揺動片であって、前記回動支点より前記フランジ部側に設けられた回動作用部と、前記回動支点より前記フランジ部と反対側に設けられた当接作用部を備えた揺動片を備え、
前記軸部が前記芯口内に挿入される際に、前記揺動片の回動作用部がロール紙の側端面に押されて該揺動片が回動して前記当接作用部が前記軸部の外表面より外方に出てロール芯の芯口内面に押し付けられる構成であることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載されたロール紙ホルダにおいて、
前記球面形状の軸部がロール芯の芯口内面に押し付けられて前記押付機構部の押し付け力が前記芯口内面に作用する位置は、前記フランジ部から離間した位置であることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載されたロール紙ホルダにおいて、
前記軸部には大径球部と、該大径球部の軸芯線上の先端位置に設けられる小径球部とが備えられていることを特徴とするロール紙ホルダ。
【請求項8】
フランジ部をロール紙の側端面に接触させ、軸部をロール紙のロール芯の芯口内に挿入させてロール紙を保持するロール紙ホルダを備えた記録装置であって、
前記ロール紙ホルダは、請求項1から7のいずれか一項に記載されたロール紙ホルダであることを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−86967(P2012−86967A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236454(P2010−236454)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】