ワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置
【課題】音声信号の送受信による遅延を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止する。
【解決手段】ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aは、デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する内符号符号化部133と、前記内符号をOFDM変調方式により変調してOFDM信号を生成するOFDM変調部14と、内符号符号化部133に入力されるブロック単位のデータのビット数をNo、前記内符号の符号化率をRi、前記OFDM信号の変調多値数をM、前記OFDM信号のデータキャリア数をNdとしたとき、No=Ri×M×Ndとなり、且つ、OFDM信号のシンボル長が音声信号のサンプリング間隔の整数倍となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定する送信パラメータ設定部18と、を備える。
【解決手段】ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aは、デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する内符号符号化部133と、前記内符号をOFDM変調方式により変調してOFDM信号を生成するOFDM変調部14と、内符号符号化部133に入力されるブロック単位のデータのビット数をNo、前記内符号の符号化率をRi、前記OFDM信号の変調多値数をM、前記OFDM信号のデータキャリア数をNdとしたとき、No=Ri×M×Ndとなり、且つ、OFDM信号のシンボル長が音声信号のサンプリング間隔の整数倍となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定する送信パラメータ設定部18と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送受信するワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤレスマイクの伝送方式として、アナログ方式とデジタル方式がある。非特許文献1には「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備」について策定された標準規格が記されており、非特許文献2には「特定小電力無線局ラジオマイク用無線設備」について策定された標準規格が記されている。
【0003】
アナログ方式のワイヤレスマイクは、遅延時間が少なく、現在広く用いられているが、障害物で途切れやすい、伝送距離が短い、干渉しやすいという問題がある。そのため、屋外やコンサートホールなどで高品質の音声を提供するには、デジタル方式のワイヤレスマイクを用いる必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、デジタル方式で音声を圧縮符号化して伝送するワイヤレスマイクシステムが開示されている。図15はこのような従来のワイヤレスマイクシステムの構成を示すブロック図である。ワイヤレスマイク送信装置3は、マイク31と、A/D変換部32と、圧縮符号化部33と、インターリーブ・誤り訂正部34と、変調部35と、D/A変換部36と、送信周波数変換部37と、送信アンテナ38とを備える。ワイヤレスマイク送信装置3は、A/D変換部32によりマイク31から入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、圧縮符号化部33によりデジタル信号を圧縮符号化し、インターリーブ・誤り訂正部34によりインターリーブ及び誤り訂正を行う。続いて、ワイヤレスマイク送信装置3は、変調部35により例えばπ/4シフトDQPSK変調方式で変調し、D/A変換部36により変調信号をアナログ信号に変換し、送信周波数変換部37により送信周波数に変換し、送信アンテナ38に出力する。
【0005】
ワイヤレスマイク受信装置4は、受信アンテナ41と、受信周波数変換部42と、A/D変換部43と、復調部44と、デインターリーブ・誤り訂正部45と、伸張復号部46と、D/A変換部47と、スピーカ48とを備える。ワイヤレスマイク受信装置4は、受信周波数変換部42により受信アンテナ41から入力される信号を周波数変換し、A/D変換部43によりデジタル信号に変換し、復調部44により、送信側で変調された変調信号を復調し、デインターリーブ・誤り訂正部45によりデインターリーブ及び誤り訂正を行う。続いて、ワイヤレスマイク受信装置4は、伸張復号部46により、送信側で圧縮された信号を伸張し、D/A変換部47により伸張信号をアナログ信号に変換し、スピーカ48に出力する。
【0006】
しかし、従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、周波数帯域を節約するために、圧縮符号化部33により圧縮処理を行い、伸張復号部46により圧縮処理された信号の伸張処理を行っており、これらの処理による遅延時間が生じている。図15に示した従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、ワイヤレスマイク送信装置3とワイヤレスマイク受信装置4で合わせて約3msの遅延時間が生じている。そのうち、圧縮符号化部33の圧縮処理及び伸張復号部46の伸張処理による遅延時間は、合計で約1msであると言われている。また、屋外や移動しながらワイヤレスマイクを使用する場合には、マルチパスによるフェージングが発生し、品質が低下する。そのため、デジタルの音声信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式により変調して伝送することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−150692
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備」、ARIB RCR STD−22、社団法人電波産業会
【非特許文献2】「特定小電力無線局ラジオマイク用無線設備」、ARIB RCR STD−15、社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、周波数帯域を節約するために、圧縮符号化部33により圧縮処理を行い、伸張復号部46により圧縮処理された信号の伸張処理を行っており、これらの処理による遅延時間が生じている。図15に示した従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、ワイヤレスマイク送信装置3とワイヤレスマイク受信装置4で合わせて約3msの遅延時間が生じている。そのうち、圧縮符号化部33の圧縮処理及び伸張復号部46の伸張処理による遅延時間は、合計で約1msであると言われている。
【0010】
また、屋外や移動しながらワイヤレスマイクを使用する場合には、マルチパスによるフェージングが発生し、品質が低下する。
【0011】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、音声信号の送受信による遅延時間を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止するワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置は、デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送信するワイヤレスマイク用OFDM送信装置であって、デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する内符号符号化部と、前記内符号をOFDM変調方式により変調してOFDM信号を生成するOFDM変調部と、前記内符号符号化部に入力されるブロック単位のデータのビット数をNo、前記内符号の符号化率をRi、前記OFDM信号の変調多値数をM、前記OFDM信号のデータキャリア数をNdとしたとき、No=Ri×M×Ndとなり、且つ、OFDM信号のシンボル長が音声信号のサンプリング間隔の整数倍となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定する送信パラメータ設定部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、前記送信パラメータ設定部は、OFDM信号の有効シンボル長が66.6μs以上、且つ、230μs以下となるように、前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、デジタルの音声信号をブロック符号化して外符号を生成する外符号符号化部を更に備え、前記内符号符号化部は、前記外符号符号化部により生成された外符号を内符号化して内符号を生成し、前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号長のビット数をNoとすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号化率をRoとしたとき、パラメータの設定モードによらず、Ro×Ri×M×Ndの値が一定となるように、前記Ro,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、前記送信パラメータ設定部は、前記Roが一定、且つ、前記Noが一定となるように、前記Ro及び前記Noを設定することを特徴とする。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置は、上述のワイヤレスマイク用OFDM送信装置により送信されるOFDM信号を受信し、デジタルの音声信号を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、音声信号の送受信による遅延時間を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】音声信号をサンプリングする例を示す図である。
【図4】本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第1のパラメータ例を示す図である。
【図7】図6に示す第1のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図8】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第2のパラメータ例を示す図である。
【図9】図8に示す第2のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図10】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第3のパラメータ例を示す図である。
【図11】図10に示す第3のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図12】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第4のパラメータ例を示す図である。
【図13】図12に示す第4のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図14】発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置により設定される圧縮処理を行う場合のパラメータ例を示す図である。
【図15】従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
[ワイヤレスマイク用OFDM送信装置]
図1は、本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aは、マイク11と、A/D変換部12と、インターリーブ・誤り訂正部13と、OFDM変調部14と、D/A変換部15と、送信周波数変換部16と、送信アンテナ17と、送信パラメータ設定部18と、水晶発振器19(19−1〜19−n)と、クロック供給部20とを備える。インターリーブ・誤り訂正部13は、外符号符号化部131と、インターリーブ部132と、内符号符号化部133とを備え、OFDM変調部14は、S/P変換部141と、キャリア変調部142と、OFDMフレーム構成部143と、IFFT部144と、GI付加部145とを備える。
【0022】
A/D変換部12は、マイク11から入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、外符号符号化部131に出力する。
【0023】
外符号符号化部131は、RS符号、BCH符号、差集合巡回符号、あるいは、CRCを付けてインターリーブ部132に出力する。これは、受信側で誤り訂正を行うため、あるいは誤り検出を行い、誤ったブロックに対してコンシールメントをかけるためである。特に、BCH符号を用いることで、遅延時間を少なくすることができる。例えば、RS(204,188)符号の場合、符号1ブロックに含まれるビット数は、204Byte=1632bitであり、符号化及び復号による遅延時間は1310μsとなる。これに対し、BCH(144,128)符号の場合、符号1ブロックに含まれるビット数が144bitであり、符号化及び復号による遅延時間は115μsである。ブロック符号化により、情報長Koのデータから符号長Noの符号が生成される場合、この符号を(No,Ko)符号と表し、Ro=Ko/Noを符号化率という。符号長Noは、外符号化後のブロック長を意味する。なお、後述する内符号の符号化率と区別するために、外符号の符号化率Roを外符号化率と称する。
【0024】
インターリーブ部132は、誤り訂正の効率を上げるために、外符号符号化部131から入力される外符号の順序を並び替え、内符号符号化部133に出力する。
【0025】
内符号符号化部133は、インターリーブ部132から入力される信号を内符号化(例えば、畳み込み符号化)し、S/P変換部141に出力する。一般に、内符号化により、情報長Kiのデータから符号長Niの符号が生成される場合、Ri=Ki/Niを符号化率という。なお、前述した外符号化率(外符号化率)と区別するために、内符号の符号化率Riを内符号化率と称する。
【0026】
S/P変換部141は、内符号符号化部133から入力される内符号を、内部に備えるメモリなどの記憶領域に一時的に記憶し、所定のデータ数に達した時点でパラレルデータに変換してキャリア変調部142に出力する。例えば、データキャリア数がNdで、各キャリアの変調方式の変調多値数がMの場合には、Mビットずつ、Nd本の信号に変換する。
【0027】
キャリア変調部142は、S/P変換部141からMビットごとにパラレル入力される信号に対し、キャリアごとに所定の変調方式(変調多値数M)に応じてIQ平面へのマッピングを行い、キャリア変調信号を生成し、OFDMフレーム構成部143に出力する。
【0028】
OFDMフレーム構成部143は、キャリア変調部142から入力されるキャリア変調信号に対して、パイロット信号を挿入して配置することによりOFDMセグメントフレームを生成し、IFFT部144に出力する。パイロット信号は、信号生成時の振幅及び位相が既知であるため、受信側において伝送路特性を推定することができる。OFDMフレーム構成部143は、パイロット信号として、分散して配置されるSP(Scattered Pilot)信号に加え、シンボル方向に連続して配置されるCP(Continual Pilot)信号を挿入してもよい。また、OFDMフレーム構成部143は、制御情報を伝送するための信号であるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号や、付加情報を伝送するための信号であるAC(Auxiliary Channel)信号を挿入してもよい。
【0029】
IFFT部144は、OFDMフレーム構成部143から入力されるOFDMセグメントフレームに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を施して有効シンボル信号を生成し、GI付加部145に出力する。
【0030】
GI付加部145は、IFFT部144から入力される有効シンボル信号の先頭に、有効シンボル信号の後半部分をコピーしたガードインターバルを挿入し、送信レート調整バッファメモリ145に出力する。ガードインターバルは、OFDM信号を受信する際にシンボル間干渉を低減させるために挿入されるものであり、マルチパス遅延波の遅延時間がガードインターバル長を超えないように設定される。
【0031】
D/A変換部15は、送信レート調整バッファメモリ145から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。送信周波数変換部16は、D/A変換部15から入力されるアナログ信号を、送信周波数に変調し、電力増幅して送信アンテナ17に出力し、送信アンテナ17を介して受信側に変調信号を送信する。
【0032】
クロック供給部20は、OFDM信号のキャリアのシンボルレートに応じて水晶発振器19を選択してクロックを生成し、インターリーブ・誤り訂正部13、及びOFDM変調部14にクロックを供給する。
【0033】
送信パラメータ設定部18は、パラメータとして、外符号符号化部131に対して情報長Ko及び符号長Noを設定し、インターリーブ部132に対してインターリーブパラメータを設定し、内符号符号化部133に対して内符号化率Riを設定し、S/P変換部141に対して変調多値数M及びデータキャリア数Ndを設定し、キャリア変調部142に変調方式の種別及びデータキャリア数Ndを設定し、IFFT部144にFFTポイント数、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを設定し、GI付加部145にガードインターバル比を設定する。なお、変調方式の種別ごとに変調多値数Mが異なる場合には、キャリア変調部142に変調多値数Mを設定してもよいのは勿論である。
【0034】
外符号符号化部131による外符号の符号長をNoとすると、外符号符号化部131から出力される1ブロックあたりのデータ量aは、No(単位はビット)と等しい。また、内符号符号化部133による内符号化率をRi、キャリア変調部142における変調方式の変調多値数をM、OFDM信号のデータキャリア数をNdとすると、OFDM信号1シンボルあたりのデータ量bは、Ri×M×Nd(単位はビット)で表される。
【0035】
a=bの場合、外符号符号化部131、インターリーブ部132からブロック単位で処理するごとに出力される符号長のaビットと、内符号符号化部133、OFDM変調部14にてシンボル単位で処理すべきデータ量のbビットが等しいため、内符号符号化部133、OFDM変調部14は、外符号符号化部131、インターリーブ部132から出力されるaビット(=bビット)のデータをバッファに蓄積後、直ちに内符号符号化処理、OFDM変調処理を実行することができる。そこで、送信パラメータ設定部18は、符号長Noが次式(1)を満たすようにパラメータを制御し、設定する。
【0036】
No=Ri×M×Nd (1)
【0037】
なお、外符号化率Ro=1とすることも可能であり、この場合には、外符号符号化部131は不要となり、内符号符号化部133は、デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する。この場合、パラメータは、内符号符号化部に入力されるブロック単位のデータのビット長をNoとして、式(1)を満たすように設定される。
【0038】
No=Ri×M×Ndとなるようにパラメータを設定することにより、OFDM信号を連続して生成することができるため、送信レート調整用のバッファメモリは不要となり、外符号符号化部131、インターリーブ部132に入力されるデータに対する、内符号符号化部133、OFDM変調部14から出力されるデータの遅延を少なくすることができる。
【0039】
また、送信パラメータ設定部18は、パラメータを設定することにより、OFDM信号のシンボル長Tsと音声信号のサンプリング周波数fsとの関係を規定する。1シンボル当たりに伝送する音声サンプル数mが整数でない場合には、受信側で次のシンボルのデータも受信しないと復号できないサンプリングデータが存在することとなる。図3は、音声信号をサンプリング周波数fs(サンプリング間隔1/fs)でサンプリングする例を示す図である。図3に示すように、1シンボル当たりに伝送する音声サンプル数mが4.3である場合、1シンボル目のデータを受信したときに時間t1〜t4におけるサンプリングデータm1〜m4を復号して再生することはできる。しかし、時間t5におけるサンプリングデータm5は、2シンボル目のデータを受信して復号した後でないと再生することができないため、1シンボル分の遅延が発生することとなる。そこで、送信パラメータ設定部18は、シンボル長Tsが次式(2)を満たすように、すなわち、OFDM信号のシンボル長Tsが音声信号のサンプリング間隔1/fsの整数倍となるように、パラメータを制御し、設定する。
【0040】
Ts=m×1/fs(m=整数) (2)
【0041】
また、シンボル長Tsは、次式(3)により求まる。ここで、Vscは1キャリアのシンボルレート、VsはOFDM信号全体のシンボルレート、Voは外符号化後のレートである。よって、パラメータVo,Ri,M,Ndの値により、シンボル長Tsを規定することができる。
【0042】
Ts=1/Vsc
=Nd/Vs
=Nd/(Vo×(1/Ri)×(1/M)) (3)
【0043】
[ワイヤレスマイク用OFDM受信装置]
次に、本発明によるワイヤレスマイク用OFDM受信装置について説明する。図2は、本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aは、受信アンテナ21と、受信周波数変換部22と、A/D変換部23と、OFDM復調部24と、デインターリーブ・誤り訂正部25と、D/A変換部26と、スピーカ27と、受信パラメータ設定部28と、水晶発振器29(29−1〜29−n)と、クロック供給部30とを備える。OFDM復調部24はGI除去部241と、FFT部242と、キャリア復調部243と、P/S変換部244とを備え、デインターリーブ・誤り訂正部25は、内符号復号部251と、デインターリーブ部252と、外符号復号部253とを備える。
【0044】
受信周波数変換部22は、受信アンテナ21で受信した変調信号を電力増幅し、データを周波数変換し、A/D変換部23に出力する。A/D変換部23は、受信周波数変換部22から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、GI除去部241に出力する。
【0045】
GI除去部241は、A/D変換部23から入力されるにデジタル信号対して、ガードインターバルを除去して有効シンボルを抽出し、FFT部242に出力する。
【0046】
FFT部242は、GI除去部241から入力される有効シンボルに対して、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を施し、キャリア復調部243に出力する。
【0047】
キャリア復調部243は、FFT部242から入力される信号に対して、キャリアごとに復調を行い、P/S変換部244に出力する。復調する際には、SP信号を抽出し、基準値(既知の振幅と位相)と比較することにより、SP信号の存在するキャリアの伝送路特性を算出し、算出した伝送路特性を時間方向および周波数方向に補間し、全てのOFDMキャリアの伝送路特性の推定値を算出する。
【0048】
P/S変換部244は、キャリア復調部243からパラレル入力される信号を、シリアル信号に変換する。
【0049】
内符号復号部251は、P/S変換部244から入力される内符号を内符号復号して外符号を生成し、デインターリーブ部252に出力する。なお、送信側で畳み込み符号化により内符号化されている場合には、内符号復号部251は、ビタビ復号を行って誤り訂正し、デインターリーブ部252に出力する。
【0050】
デインターリーブ部252は、内符号復号部251から入力される外符号に対してデータの順序を並び替え、受信レート調整バッファメモリ254に出力する。
【0051】
外符号復号部253は、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aの外符号符号化部131にてBCH符号等の外符号を用いて符号化された符号を復号する。なお、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aが、外符号化率Ro=1として外符号符号化部131を設けていない場合には、同様に外符号復号部253も不要となる。
【0052】
D/A変換部26は、外符号復号部253から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ27に出力する。
【0053】
受信パラメータ設定部28は、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aに設定するパラメータと同じパラメータを、各ブロックに設定する。例えば、GI除去部241に対してガードインターバル比を設定し、FFT部242に対してFFTポイント数、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを設定し、キャリア復調部243に対して変調方式の種別(変調多値数M)及びデータキャリア数Ndを設定し、内符号復号部251に対して内符号化率Riを設定し、デインターリーブ部252に対してインターリーブパラメータを設定する。外符号復号部253に対して情報長Ko及び符号長Noを設定する。なお、パラメータはワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aから受信するようにしてもよいし、TMCC信号からパラメータ情報を取得するようにしてもよい。
【0054】
ここで、受信パラメータ設定部28が設定するパラメータは、式(1)のNo=Ri×M×Ndという条件を満たしているため、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aと同様に、受信レート調整用のバッファメモリは不要となる。
【0055】
クロック供給部30は、OFDM信号のキャリアのシンボルレート(パラメータの設定モード)に応じて水晶発振器29を選択してクロックを生成し、OFDM復調部24、及びデインターリーブ・誤り訂正部25にクロックを供給する。
【0056】
[有効シンボル長]
次に、本発明に係るワイヤレスマイクシステムにおけるOFDM信号の有効シンボル長Tuについて、送受信間の遅延時間、すなわちワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aのマイク11に入力された音声がワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aのスピーカ27から出力されるまでの遅延時間、及びマルチパスによる基本波に対する反射波の遅延時間の観点から最適な値を検討する。
【0057】
まず、送受信間の遅延時間について検討する。主観評価によると、送受信間による遅延時間が2ms程度以下になると、遅延を検知しにくくなり、遅延はほぼ気にならなくなると言われている。そこで、本実施例では、送受信間の遅延時間が2ms以下となるように有効シンボル長Tuを決定する。A/D変換部12による遅延時間は約400μs、D/A変換部26による遅延時間が約400μsである。外符号符号化部131及び外符号復号部253による合計の遅延時間は、BCH符号を用いた場合、約115μsである。インターリーブ部132及びデインターリーブ部252による合計の遅延時間は、約125μsである。内符号符号化部133及び内符号復号部251の遅延時間の合計は、約270μsである。すると、送受信全体での遅延時間を2ms以下とするためには、OFDM変調部14及びOFDM復調部24の遅延時間の合計TOFDMを690μs以下とする必要がある。OFDM変調部14及びOFDM復調部24の処理に、3シンボル長程度の遅延時間が生じるため、有効シンボル長Tuは、次式(4)の条件を満たす必要がある。
【0058】
Tu≦TOFDM/3 (4)
【0059】
次に、マルチパスによる最大遅延時間について検討する。伝搬距離差の最大値をLとすると、反射波の最大遅延時間τは、光速cを用いて、τ=L/cで表される。ワイヤレスマイクの使用環境下では、無指向のアンテナを使用した場合でも、直接波と反射波との最大伝搬距離差Lは2000m程度である。マルチパスフェージングによるキャリアの波形ひずみを防止するためには、有効シンボル長Tuを遅延分散の10倍程度以上にする必要がある。よって、有効シンボル長Tuは、次式(5)の条件を満たす必要がある。なお、有効シンボル長Tuを遅延分散の10倍程度以上にする必要がある点については、例えば、庄納 崇、「インプレス標準教科書シリーズ WiMAX教科書」、インプレスR&D、2008年7月16日、P71の記載を参照されたい。
【0060】
Tu≧τ×10=10L/c (5)
【0061】
式(3)においてTOFDM≦690[μs]とし、式(5)においてL=2000[m]とすると、有効シンボル長Tuは、次式(6)を満たす必要がある。よって、送信パラメータ設定部18は、有効シンボル長Tuが次式(6)の範囲内となるようにパラメータを設定する。なお、具体的なパラメータ例については実施例2にて説明する。
【0062】
66.6[μs]≦Tu≦230[μs] (6)
【0063】
このように、実施例1のワイヤレスマイク用OFDM送信装置1a及びワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aによれば、OFDM変調方式を採用し、ガードインターバルを付加することにより、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止することができるようになる。また、パラメータをNo=Ri×M×Ndとするため、レート調整バッファメモリを不要とすることができ、送受信による音声信号の遅延を減少させることができる。また、OFDM信号のシンボル長Tsを音声信号のサンプリング間隔の整数倍とすることにより、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aは次のシンボルを待たずにサンプリングデータを復号・再生することができる。
【0064】
特に、有効シンボル長Tuが式(6)の範囲内となるようにパラメータを設定することにより、送受信間の遅延時間が2ms以下とすることができる。
【実施例2】
【0065】
次に、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置について説明する。なお、図1及び図2に示した実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1a及びワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aと同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。図4は、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1bは、図1に示した実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aと比較して、水晶発振器19が1つで済む点、及び送信パラメータ設定部18の動作が相違する。
【0066】
送信パラメータ設定部18は、実施例1と同様に、No=Ri×M×Ndとなるように設定し、OFDM信号のシンボル長Tsを音声信号のサンプリング間隔1/fsの整数倍に設定する。さらに、実施例2の送信パラメータ設定部18は、サブキャリアのシンボルレートがパラメータの設定モードによらず等しくなるようにパラメータを制御する。これにより、ガードインターバル比が変わらない限りは水晶発振器29が1つで済むようになる。サブキャリアのシンボルレートScは、入力情報レートVi、外符号化率Ro、内符号化率Ri、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを用いて、Sc=Vi×(1/Ro)×(1/Ri)×(1/M)×(1/Nd)と表される。よって、送信パラメータ設定部18は、次式(7)を満たすようにパラメータを制御し、設定する。
【0067】
Ro×Ri×M×Nd=一定 (7)
【0068】
さらに、送信パラメータ設定部18は、パラメータの設定モードによらず、No(=Ri×M×Nd)が一定、且つ、Roが一定となるようにパラメータを制御してもよい。このとき、式(7)は必ず成立する。外符号の符号長No及び外符号符号率Roが一定の場合、情報長Koも一定となるため、外符号符号化部131の回路を共通化でき、回路規模や回路コストを低減することができる。
【0069】
図5は、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置を示すブロック図である。実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置2bは、図2に示した実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aと比較して、水晶発振器29が1つで済む点、及び受信パラメータ設定部28の動作のみが相違する。
【0070】
受信パラメータ設定部28は、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1bと同じパラメータを各ブロックに設定する。そのため、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aと同様に、ガードインターバル比が変わらない限りは、水晶発振器29が1つで済むようになる。
【0071】
また、送信パラメータ設定部18が、符号長Noが一定、且つ、外符号化率Roが一定となるように設定する場合には、外符号復号部253の回路を共通化でき、回路規模や回路コストを低減することができる。
【0072】
このように、実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1b及びワイヤレスマイク用OFDM受信装置2bは、Ro×Ri×M×Ndが一定となるように、符号長No、外符号化率Ro、内符号化率Ri、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを制御する。このため、パラメータの設定モードによらずサブキャリアのシンボルレートScが一定となり、ガードインターバル比が変わらない限りは、水晶発振器19が1つで済むようになる。
【0073】
また、外符号率Roが一定、且つ、符号長Noが一定となるように、外符号化率Ro及び符号長Noを設定することにより、さらに外符号符号化部131及び外符号復号部253の回路規模を小さくすることができる。
【0074】
[パラメータ例]
次に、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる具体的なパラメータ例を示す。パラメータは、上述したように、以下の条件を満たしている。
・No=Ri×M×Nd(式(1))
・Ts=m×1/fs(m=整数)(式(2))
・Ts=1/Vsc(式(3))
・66.6[μs]≦Tu≦230[μs](式(6))
・パラメータの設定モードによらず、符号長No及び外符号化率Roが一定
【0075】
以下に示す例では、A/D変換部12がアナログの音声信号を、量子化ビット長Nを24bit、サンプリング周波数fsを48KHzとしてデジタル信号に変換するものとして説明する。このとき、入力情報レートViは、Vi=N×fs=24×48=1152[kbps]となる。サンプリング周波数fsが48KHzのとき、サンプリング間隔1/fsは約20.8usである。ガードインターバル比が1/16や1/32程度であるとすると、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mが4≦m≦11のとき、有効シンボル長Tuが式(6)の条件を満たす。
【0076】
[第1のパラメータ例]
図6は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第1のパラメータ例を示す図である。ここでは、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mが4の場合のパラメータ例について説明する。
【0077】
サンプル数mが4の場合、情報長Koは、Ko=24×4=96[bit]となる。図6に示すパラメータ例では、符号長Noをパラメータの設定モードによらず104bitで一定とし、Ro=Ko/No=12/13でパラメータの設定モードによらず一定としている。外符号化後のレートVoは、Vo=Vi×1/Ro=1152×13/12=1248[kbps]となる。内符号化率Ri及び変調多値数Mはパラメータ設定のモードにより異なる値となる。
【0078】
パラメータの設定モードがモード1の場合について説明すると、内符号化率Ri=1/2であり、変調多値数M=2である。よってOFDM信号全体のシンボルレートVsは、Vs=Vo×(1/Ri)×(1/M)=1248×2×1/2=1248[ksps]となる。全帯域内のデータキャリア数Ndは、式(1)により、Nd=No×(1/Ri)×(1/M)=104×2×1/2=104となる。よって、1キャリアのシンボルレートVscは、Vsc=Vs/Nd=1248/104=12[kbps]となる。シンボル長Tsは、式(2)及び式(3)より約83.3μsである。ガードインターバル比GIRが1/16のとき、有効シンボル長Tu=Ts×(16/17)≒78.4[μs]となり、式(6)の条件を満たしている。
【0079】
キャリアシンボルを複数のセグメントに分けて伝送する場合には、ヌルキャリアが発生しないようにするためには、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを、全帯域内のデータキャリア数Nd、及びセグメント数Sを用いて、次式(8)を満たすように設定する必要がある。
【0080】
Ndseg=Nd/S (8)
【0081】
図6に示すパラメータ例では、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを13とし、1セグメントあたりに挿入するSP信号のキャリア数を1、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1としており、その結果、1セグメントあたりのキャリア数は15となる。
【0082】
パラメータの設定モードがモード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が1であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8、TMCC信号のキャリア数Ntmccは8となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、104+8+8+1=121となる。なお、CP信号は、最も周波数が高いキャリアに配置されるか、セグメントのスペクトルを反転してCP信号を各チャンネルの最も周波数が低いキャリアに配置される。伝送帯域幅BWtは、全キャリア数Ncarrと有効シンボル長Tuを用いて、BWt=Ncarr×1/Tuで表される。
【0083】
図7は、図6に示す第1のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図7(a)に示す例では次式(9)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置しており、図7(b)に示す例では次式(10)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。ここで、pは非負整数、iはシンボル番号、kはSP信号が配置されるキャリアシンボル位置であり、modは剰余を意味する。なお、SP信号及びTMCC信号の配置はこれに限定されるものではない。
【0084】
k=3×(imod5)+15p (9)
k=5×(imod3)+15p (10)
【0085】
[第2のパラメータ例]
図8は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第2のパラメータ例を示す図である。図8に示す第2のパラメータ例は、図6に示した第1のパラメータ例と比較して、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数が2である点が異なる。なお、2つのTMCC信号のうちの1つをAC信号又はCP信号としてもよい。
【0086】
パラメータの設定モードがモード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が2であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8となり、TMCC信号のキャリア数Ntmccは16となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、104+8+16+1=129となる。
【0087】
図9は、図8に示す第2のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図9(a)に示す例では次式(11)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置しており、図9(b)に示す例では次式(12)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。
【0088】
k=4×(imod4)+16p (11)
k=2×(imod8)+16p (12)
【0089】
[第3のパラメータ例]
図10は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第3のパラメータ例を示す図である。図10に示すパラメータ例は、第1のパラメータ例及び第2のパラメータ例と同様に、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mは4(情報長Koは96bit)である。第3のパラメータでは、符号長Noをパラメータの設定モードによらず112bitで一定とし、Ro=Ko/No=6/7でパラメータの設定モードによらず一定としている。第1及び第2のパラメータ例に比べて外符号化率が低いため、誤り訂正能力が高くなる。外符号化後のレートVoは、Vo=Vi×1/Ro=1152×7/6=1344[kbps]となる。内符号化率Ri及び変調多値数Mはパラメータ設定のモードにより異なる値となる。
【0090】
パラメータの設定モードがモード1の場合について説明すると、内符号化率Ri=1/2であり、変調多値数M=2である。よってOFDM信号全体のシンボルレートVsは、Vs=Vo×(1/Ri)×(1/M)=1344×2×1/2=1344[ksps]となる。全帯域内のデータキャリア数Ndは、式(1)により、Nd=No×(1/Ri)×(1/M)=112×2×1/2=112となる。よって、1キャリアのシンボルレートVscは、Vsc=Vs/Nd=1344/112=12[kbps]となる。シンボル長Tsは、式(2)及び式(3)より約83.3μsである。ガードインターバル比GIRが1/16のとき、有効シンボル長Tu=Ts×(16/17)≒78.4[μs]となり、式(6)の条件を満たしている。
【0091】
図10に示すパラメータ例では、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを8、1セグメントあたりに挿入するSP信号のキャリア数を1、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1としており、その結果、1セグメントあたりのキャリア数は14となる。モード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が1であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8となり、TMCC信号のキャリア数Ntmccは8となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、112+8+8+1=129となる。
【0092】
図11は、図10に示す第3のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図11(a)に示す例では式(11)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置しており、図11(b)に示す例では式(12)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。
【0093】
[第4のパラメータ例]
図12は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第4のパラメータ例を示す図である。ここでは、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mが8の場合のパラメータ例について説明する。
【0094】
音声サンプル数mが8の場合、情報長Koは、Ko=24×8=192[bit]となる。図12に示す第4のパラメータ例では、符号長Noをパラメータの設定モードによらず216bitで一定とし、Ro=Ko/No=8/9でパラメータの設定モードによらず一定としている。外符号化後のレートVoは、Vo=Vi×1/Ro=1152×9/8=1296[kbps]となる。内符号化率Ri及び変調多値数Mはパラメータ設定のモードにより異なる値となる。
【0095】
パラメータの設定モードがモード1の場合について説明すると、内符号化率Ri=1/2であり、変調多値数M=2である。よってOFDM信号全体のシンボルレートVsは、Vs=Vo×(1/Ri)×(1/M)=1296×2×1/2=1296[ksps]となる。全帯域内のデータキャリア数Ndは、式(1)により、Nd=No×(1/Ri)×(1/M)=216×2×1/2=216となる。よって、1キャリアのシンボルレートVscは、Vsc=Vs/Nd=1296/216=6[kbps]となる。シンボル長Tsは、式(2)及び式(3)より約166.7μsである。ガードインターバル比GIRが1/16のとき、有効シンボル長Tu=Ts×(16/17)≒156.9[μs]となり、式(6)の条件を満たしている。
【0096】
第4のパラメータ例では、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを27とし、1セグメントあたりに挿入するSP信号のキャリア数を1としている。TMCC信号のキャリア数を1とすると1セグメントあたりのキャリア数は29となり、等間隔にSP信号を配置することができなくなるため、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を2とし、1セグメントあたりのキャリア数を30とする。なお、2つのTMCC信号のうちの1つをAC信号又はCP信号としてもよい。
【0097】
パラメータの設定モードがモード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が2であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8となり、TMCC信号のキャリア数Ntmccは16となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、216+8+16+1=241となる。
【0098】
図13は、第4のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図13に示す例では次式(13)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。
【0099】
k=6×(imod5)+30p (13)
【0100】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1が、インターリーブ部132を備えず、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2がデインターリーブ部252を備えない構成とすることも可能である。
【0101】
なお、音声信号の送受信による遅延時間を減少させるには、情報圧縮率を1として圧縮を行わないようにするのが好適であるが、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1a,1bは、圧縮を行った音声信号を送信し、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2a,2bは、受信した音声信号を伸張するようすることも可能である。図14は、情報圧縮率を0.25とした場合のパラメータ例を示す図である。モード1〜モード3は、第1のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを96bit、符号長Noを104bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1とした場合の例を示している。モード4〜モード6は、第2のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを96bit、符号長Noを104bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を2とした場合の例を示している。モード7〜モード9は、第3のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを96bit、符号長Noを112bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1とした場合の例を示している。モード10〜モード12は、第4のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを192bit、符号長Noを216bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を2とした場合の例を示している。
【産業上の利用可能性】
【0102】
このように、本発明によれば、音声信号の送受信による遅延時間を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止することができるので、デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送受信する任意の用途に有用である。
【符号の説明】
【0103】
1a,1b ワイヤレスマイク用OFDM送信装置
2a,2b ワイヤレスマイク用OFDM受信装置
11 マイク
12 A/D変換部
13 インターリーブ・誤り訂正部
14 OFDM変調部
15 D/A変換部
16 送信周波数変換部
17 送信アンテナ
18 送信パラメータ設定部
19 水晶発振器
20 クロック供給部
131 外符号符号化部
132 インターリーブ部
133 内符号符号化部
141 S/P変換部
142 キャリア変調部
143 OFDMフレーム構成部
144 IFFT部
145 GI付加部
21 受信アンテナ
22 受信周波数変換部
23 A/D変換部
24 OFDM復調部
25 デインターリーブ・誤り訂正部
26 D/A変換部
27 スピーカ
28 受信パラメータ設定部
29 水晶発振器
30 クロック供給部
241 GI除去部
242 FFT部
243 キャリア復調部
244 P/S変換部
251 内符号復号部
252 デインターリーブ部
253 外符号復号部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送受信するワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤレスマイクの伝送方式として、アナログ方式とデジタル方式がある。非特許文献1には「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備」について策定された標準規格が記されており、非特許文献2には「特定小電力無線局ラジオマイク用無線設備」について策定された標準規格が記されている。
【0003】
アナログ方式のワイヤレスマイクは、遅延時間が少なく、現在広く用いられているが、障害物で途切れやすい、伝送距離が短い、干渉しやすいという問題がある。そのため、屋外やコンサートホールなどで高品質の音声を提供するには、デジタル方式のワイヤレスマイクを用いる必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、デジタル方式で音声を圧縮符号化して伝送するワイヤレスマイクシステムが開示されている。図15はこのような従来のワイヤレスマイクシステムの構成を示すブロック図である。ワイヤレスマイク送信装置3は、マイク31と、A/D変換部32と、圧縮符号化部33と、インターリーブ・誤り訂正部34と、変調部35と、D/A変換部36と、送信周波数変換部37と、送信アンテナ38とを備える。ワイヤレスマイク送信装置3は、A/D変換部32によりマイク31から入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、圧縮符号化部33によりデジタル信号を圧縮符号化し、インターリーブ・誤り訂正部34によりインターリーブ及び誤り訂正を行う。続いて、ワイヤレスマイク送信装置3は、変調部35により例えばπ/4シフトDQPSK変調方式で変調し、D/A変換部36により変調信号をアナログ信号に変換し、送信周波数変換部37により送信周波数に変換し、送信アンテナ38に出力する。
【0005】
ワイヤレスマイク受信装置4は、受信アンテナ41と、受信周波数変換部42と、A/D変換部43と、復調部44と、デインターリーブ・誤り訂正部45と、伸張復号部46と、D/A変換部47と、スピーカ48とを備える。ワイヤレスマイク受信装置4は、受信周波数変換部42により受信アンテナ41から入力される信号を周波数変換し、A/D変換部43によりデジタル信号に変換し、復調部44により、送信側で変調された変調信号を復調し、デインターリーブ・誤り訂正部45によりデインターリーブ及び誤り訂正を行う。続いて、ワイヤレスマイク受信装置4は、伸張復号部46により、送信側で圧縮された信号を伸張し、D/A変換部47により伸張信号をアナログ信号に変換し、スピーカ48に出力する。
【0006】
しかし、従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、周波数帯域を節約するために、圧縮符号化部33により圧縮処理を行い、伸張復号部46により圧縮処理された信号の伸張処理を行っており、これらの処理による遅延時間が生じている。図15に示した従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、ワイヤレスマイク送信装置3とワイヤレスマイク受信装置4で合わせて約3msの遅延時間が生じている。そのうち、圧縮符号化部33の圧縮処理及び伸張復号部46の伸張処理による遅延時間は、合計で約1msであると言われている。また、屋外や移動しながらワイヤレスマイクを使用する場合には、マルチパスによるフェージングが発生し、品質が低下する。そのため、デジタルの音声信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式により変調して伝送することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−150692
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備」、ARIB RCR STD−22、社団法人電波産業会
【非特許文献2】「特定小電力無線局ラジオマイク用無線設備」、ARIB RCR STD−15、社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、周波数帯域を節約するために、圧縮符号化部33により圧縮処理を行い、伸張復号部46により圧縮処理された信号の伸張処理を行っており、これらの処理による遅延時間が生じている。図15に示した従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、ワイヤレスマイク送信装置3とワイヤレスマイク受信装置4で合わせて約3msの遅延時間が生じている。そのうち、圧縮符号化部33の圧縮処理及び伸張復号部46の伸張処理による遅延時間は、合計で約1msであると言われている。
【0010】
また、屋外や移動しながらワイヤレスマイクを使用する場合には、マルチパスによるフェージングが発生し、品質が低下する。
【0011】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、音声信号の送受信による遅延時間を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止するワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置は、デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送信するワイヤレスマイク用OFDM送信装置であって、デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する内符号符号化部と、前記内符号をOFDM変調方式により変調してOFDM信号を生成するOFDM変調部と、前記内符号符号化部に入力されるブロック単位のデータのビット数をNo、前記内符号の符号化率をRi、前記OFDM信号の変調多値数をM、前記OFDM信号のデータキャリア数をNdとしたとき、No=Ri×M×Ndとなり、且つ、OFDM信号のシンボル長が音声信号のサンプリング間隔の整数倍となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定する送信パラメータ設定部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、前記送信パラメータ設定部は、OFDM信号の有効シンボル長が66.6μs以上、且つ、230μs以下となるように、前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、デジタルの音声信号をブロック符号化して外符号を生成する外符号符号化部を更に備え、前記内符号符号化部は、前記外符号符号化部により生成された外符号を内符号化して内符号を生成し、前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号長のビット数をNoとすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号化率をRoとしたとき、パラメータの設定モードによらず、Ro×Ri×M×Ndの値が一定となるように、前記Ro,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置において、前記送信パラメータ設定部は、前記Roが一定、且つ、前記Noが一定となるように、前記Ro及び前記Noを設定することを特徴とする。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置は、上述のワイヤレスマイク用OFDM送信装置により送信されるOFDM信号を受信し、デジタルの音声信号を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、音声信号の送受信による遅延時間を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】音声信号をサンプリングする例を示す図である。
【図4】本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第1のパラメータ例を示す図である。
【図7】図6に示す第1のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図8】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第2のパラメータ例を示す図である。
【図9】図8に示す第2のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図10】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第3のパラメータ例を示す図である。
【図11】図10に示す第3のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図12】本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第4のパラメータ例を示す図である。
【図13】図12に示す第4のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。
【図14】発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置により設定される圧縮処理を行う場合のパラメータ例を示す図である。
【図15】従来のデジタル方式のワイヤレスマイクシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
[ワイヤレスマイク用OFDM送信装置]
図1は、本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aは、マイク11と、A/D変換部12と、インターリーブ・誤り訂正部13と、OFDM変調部14と、D/A変換部15と、送信周波数変換部16と、送信アンテナ17と、送信パラメータ設定部18と、水晶発振器19(19−1〜19−n)と、クロック供給部20とを備える。インターリーブ・誤り訂正部13は、外符号符号化部131と、インターリーブ部132と、内符号符号化部133とを備え、OFDM変調部14は、S/P変換部141と、キャリア変調部142と、OFDMフレーム構成部143と、IFFT部144と、GI付加部145とを備える。
【0022】
A/D変換部12は、マイク11から入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、外符号符号化部131に出力する。
【0023】
外符号符号化部131は、RS符号、BCH符号、差集合巡回符号、あるいは、CRCを付けてインターリーブ部132に出力する。これは、受信側で誤り訂正を行うため、あるいは誤り検出を行い、誤ったブロックに対してコンシールメントをかけるためである。特に、BCH符号を用いることで、遅延時間を少なくすることができる。例えば、RS(204,188)符号の場合、符号1ブロックに含まれるビット数は、204Byte=1632bitであり、符号化及び復号による遅延時間は1310μsとなる。これに対し、BCH(144,128)符号の場合、符号1ブロックに含まれるビット数が144bitであり、符号化及び復号による遅延時間は115μsである。ブロック符号化により、情報長Koのデータから符号長Noの符号が生成される場合、この符号を(No,Ko)符号と表し、Ro=Ko/Noを符号化率という。符号長Noは、外符号化後のブロック長を意味する。なお、後述する内符号の符号化率と区別するために、外符号の符号化率Roを外符号化率と称する。
【0024】
インターリーブ部132は、誤り訂正の効率を上げるために、外符号符号化部131から入力される外符号の順序を並び替え、内符号符号化部133に出力する。
【0025】
内符号符号化部133は、インターリーブ部132から入力される信号を内符号化(例えば、畳み込み符号化)し、S/P変換部141に出力する。一般に、内符号化により、情報長Kiのデータから符号長Niの符号が生成される場合、Ri=Ki/Niを符号化率という。なお、前述した外符号化率(外符号化率)と区別するために、内符号の符号化率Riを内符号化率と称する。
【0026】
S/P変換部141は、内符号符号化部133から入力される内符号を、内部に備えるメモリなどの記憶領域に一時的に記憶し、所定のデータ数に達した時点でパラレルデータに変換してキャリア変調部142に出力する。例えば、データキャリア数がNdで、各キャリアの変調方式の変調多値数がMの場合には、Mビットずつ、Nd本の信号に変換する。
【0027】
キャリア変調部142は、S/P変換部141からMビットごとにパラレル入力される信号に対し、キャリアごとに所定の変調方式(変調多値数M)に応じてIQ平面へのマッピングを行い、キャリア変調信号を生成し、OFDMフレーム構成部143に出力する。
【0028】
OFDMフレーム構成部143は、キャリア変調部142から入力されるキャリア変調信号に対して、パイロット信号を挿入して配置することによりOFDMセグメントフレームを生成し、IFFT部144に出力する。パイロット信号は、信号生成時の振幅及び位相が既知であるため、受信側において伝送路特性を推定することができる。OFDMフレーム構成部143は、パイロット信号として、分散して配置されるSP(Scattered Pilot)信号に加え、シンボル方向に連続して配置されるCP(Continual Pilot)信号を挿入してもよい。また、OFDMフレーム構成部143は、制御情報を伝送するための信号であるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号や、付加情報を伝送するための信号であるAC(Auxiliary Channel)信号を挿入してもよい。
【0029】
IFFT部144は、OFDMフレーム構成部143から入力されるOFDMセグメントフレームに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を施して有効シンボル信号を生成し、GI付加部145に出力する。
【0030】
GI付加部145は、IFFT部144から入力される有効シンボル信号の先頭に、有効シンボル信号の後半部分をコピーしたガードインターバルを挿入し、送信レート調整バッファメモリ145に出力する。ガードインターバルは、OFDM信号を受信する際にシンボル間干渉を低減させるために挿入されるものであり、マルチパス遅延波の遅延時間がガードインターバル長を超えないように設定される。
【0031】
D/A変換部15は、送信レート調整バッファメモリ145から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。送信周波数変換部16は、D/A変換部15から入力されるアナログ信号を、送信周波数に変調し、電力増幅して送信アンテナ17に出力し、送信アンテナ17を介して受信側に変調信号を送信する。
【0032】
クロック供給部20は、OFDM信号のキャリアのシンボルレートに応じて水晶発振器19を選択してクロックを生成し、インターリーブ・誤り訂正部13、及びOFDM変調部14にクロックを供給する。
【0033】
送信パラメータ設定部18は、パラメータとして、外符号符号化部131に対して情報長Ko及び符号長Noを設定し、インターリーブ部132に対してインターリーブパラメータを設定し、内符号符号化部133に対して内符号化率Riを設定し、S/P変換部141に対して変調多値数M及びデータキャリア数Ndを設定し、キャリア変調部142に変調方式の種別及びデータキャリア数Ndを設定し、IFFT部144にFFTポイント数、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを設定し、GI付加部145にガードインターバル比を設定する。なお、変調方式の種別ごとに変調多値数Mが異なる場合には、キャリア変調部142に変調多値数Mを設定してもよいのは勿論である。
【0034】
外符号符号化部131による外符号の符号長をNoとすると、外符号符号化部131から出力される1ブロックあたりのデータ量aは、No(単位はビット)と等しい。また、内符号符号化部133による内符号化率をRi、キャリア変調部142における変調方式の変調多値数をM、OFDM信号のデータキャリア数をNdとすると、OFDM信号1シンボルあたりのデータ量bは、Ri×M×Nd(単位はビット)で表される。
【0035】
a=bの場合、外符号符号化部131、インターリーブ部132からブロック単位で処理するごとに出力される符号長のaビットと、内符号符号化部133、OFDM変調部14にてシンボル単位で処理すべきデータ量のbビットが等しいため、内符号符号化部133、OFDM変調部14は、外符号符号化部131、インターリーブ部132から出力されるaビット(=bビット)のデータをバッファに蓄積後、直ちに内符号符号化処理、OFDM変調処理を実行することができる。そこで、送信パラメータ設定部18は、符号長Noが次式(1)を満たすようにパラメータを制御し、設定する。
【0036】
No=Ri×M×Nd (1)
【0037】
なお、外符号化率Ro=1とすることも可能であり、この場合には、外符号符号化部131は不要となり、内符号符号化部133は、デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する。この場合、パラメータは、内符号符号化部に入力されるブロック単位のデータのビット長をNoとして、式(1)を満たすように設定される。
【0038】
No=Ri×M×Ndとなるようにパラメータを設定することにより、OFDM信号を連続して生成することができるため、送信レート調整用のバッファメモリは不要となり、外符号符号化部131、インターリーブ部132に入力されるデータに対する、内符号符号化部133、OFDM変調部14から出力されるデータの遅延を少なくすることができる。
【0039】
また、送信パラメータ設定部18は、パラメータを設定することにより、OFDM信号のシンボル長Tsと音声信号のサンプリング周波数fsとの関係を規定する。1シンボル当たりに伝送する音声サンプル数mが整数でない場合には、受信側で次のシンボルのデータも受信しないと復号できないサンプリングデータが存在することとなる。図3は、音声信号をサンプリング周波数fs(サンプリング間隔1/fs)でサンプリングする例を示す図である。図3に示すように、1シンボル当たりに伝送する音声サンプル数mが4.3である場合、1シンボル目のデータを受信したときに時間t1〜t4におけるサンプリングデータm1〜m4を復号して再生することはできる。しかし、時間t5におけるサンプリングデータm5は、2シンボル目のデータを受信して復号した後でないと再生することができないため、1シンボル分の遅延が発生することとなる。そこで、送信パラメータ設定部18は、シンボル長Tsが次式(2)を満たすように、すなわち、OFDM信号のシンボル長Tsが音声信号のサンプリング間隔1/fsの整数倍となるように、パラメータを制御し、設定する。
【0040】
Ts=m×1/fs(m=整数) (2)
【0041】
また、シンボル長Tsは、次式(3)により求まる。ここで、Vscは1キャリアのシンボルレート、VsはOFDM信号全体のシンボルレート、Voは外符号化後のレートである。よって、パラメータVo,Ri,M,Ndの値により、シンボル長Tsを規定することができる。
【0042】
Ts=1/Vsc
=Nd/Vs
=Nd/(Vo×(1/Ri)×(1/M)) (3)
【0043】
[ワイヤレスマイク用OFDM受信装置]
次に、本発明によるワイヤレスマイク用OFDM受信装置について説明する。図2は、本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aは、受信アンテナ21と、受信周波数変換部22と、A/D変換部23と、OFDM復調部24と、デインターリーブ・誤り訂正部25と、D/A変換部26と、スピーカ27と、受信パラメータ設定部28と、水晶発振器29(29−1〜29−n)と、クロック供給部30とを備える。OFDM復調部24はGI除去部241と、FFT部242と、キャリア復調部243と、P/S変換部244とを備え、デインターリーブ・誤り訂正部25は、内符号復号部251と、デインターリーブ部252と、外符号復号部253とを備える。
【0044】
受信周波数変換部22は、受信アンテナ21で受信した変調信号を電力増幅し、データを周波数変換し、A/D変換部23に出力する。A/D変換部23は、受信周波数変換部22から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、GI除去部241に出力する。
【0045】
GI除去部241は、A/D変換部23から入力されるにデジタル信号対して、ガードインターバルを除去して有効シンボルを抽出し、FFT部242に出力する。
【0046】
FFT部242は、GI除去部241から入力される有効シンボルに対して、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を施し、キャリア復調部243に出力する。
【0047】
キャリア復調部243は、FFT部242から入力される信号に対して、キャリアごとに復調を行い、P/S変換部244に出力する。復調する際には、SP信号を抽出し、基準値(既知の振幅と位相)と比較することにより、SP信号の存在するキャリアの伝送路特性を算出し、算出した伝送路特性を時間方向および周波数方向に補間し、全てのOFDMキャリアの伝送路特性の推定値を算出する。
【0048】
P/S変換部244は、キャリア復調部243からパラレル入力される信号を、シリアル信号に変換する。
【0049】
内符号復号部251は、P/S変換部244から入力される内符号を内符号復号して外符号を生成し、デインターリーブ部252に出力する。なお、送信側で畳み込み符号化により内符号化されている場合には、内符号復号部251は、ビタビ復号を行って誤り訂正し、デインターリーブ部252に出力する。
【0050】
デインターリーブ部252は、内符号復号部251から入力される外符号に対してデータの順序を並び替え、受信レート調整バッファメモリ254に出力する。
【0051】
外符号復号部253は、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aの外符号符号化部131にてBCH符号等の外符号を用いて符号化された符号を復号する。なお、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aが、外符号化率Ro=1として外符号符号化部131を設けていない場合には、同様に外符号復号部253も不要となる。
【0052】
D/A変換部26は、外符号復号部253から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ27に出力する。
【0053】
受信パラメータ設定部28は、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aに設定するパラメータと同じパラメータを、各ブロックに設定する。例えば、GI除去部241に対してガードインターバル比を設定し、FFT部242に対してFFTポイント数、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを設定し、キャリア復調部243に対して変調方式の種別(変調多値数M)及びデータキャリア数Ndを設定し、内符号復号部251に対して内符号化率Riを設定し、デインターリーブ部252に対してインターリーブパラメータを設定する。外符号復号部253に対して情報長Ko及び符号長Noを設定する。なお、パラメータはワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aから受信するようにしてもよいし、TMCC信号からパラメータ情報を取得するようにしてもよい。
【0054】
ここで、受信パラメータ設定部28が設定するパラメータは、式(1)のNo=Ri×M×Ndという条件を満たしているため、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aと同様に、受信レート調整用のバッファメモリは不要となる。
【0055】
クロック供給部30は、OFDM信号のキャリアのシンボルレート(パラメータの設定モード)に応じて水晶発振器29を選択してクロックを生成し、OFDM復調部24、及びデインターリーブ・誤り訂正部25にクロックを供給する。
【0056】
[有効シンボル長]
次に、本発明に係るワイヤレスマイクシステムにおけるOFDM信号の有効シンボル長Tuについて、送受信間の遅延時間、すなわちワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aのマイク11に入力された音声がワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aのスピーカ27から出力されるまでの遅延時間、及びマルチパスによる基本波に対する反射波の遅延時間の観点から最適な値を検討する。
【0057】
まず、送受信間の遅延時間について検討する。主観評価によると、送受信間による遅延時間が2ms程度以下になると、遅延を検知しにくくなり、遅延はほぼ気にならなくなると言われている。そこで、本実施例では、送受信間の遅延時間が2ms以下となるように有効シンボル長Tuを決定する。A/D変換部12による遅延時間は約400μs、D/A変換部26による遅延時間が約400μsである。外符号符号化部131及び外符号復号部253による合計の遅延時間は、BCH符号を用いた場合、約115μsである。インターリーブ部132及びデインターリーブ部252による合計の遅延時間は、約125μsである。内符号符号化部133及び内符号復号部251の遅延時間の合計は、約270μsである。すると、送受信全体での遅延時間を2ms以下とするためには、OFDM変調部14及びOFDM復調部24の遅延時間の合計TOFDMを690μs以下とする必要がある。OFDM変調部14及びOFDM復調部24の処理に、3シンボル長程度の遅延時間が生じるため、有効シンボル長Tuは、次式(4)の条件を満たす必要がある。
【0058】
Tu≦TOFDM/3 (4)
【0059】
次に、マルチパスによる最大遅延時間について検討する。伝搬距離差の最大値をLとすると、反射波の最大遅延時間τは、光速cを用いて、τ=L/cで表される。ワイヤレスマイクの使用環境下では、無指向のアンテナを使用した場合でも、直接波と反射波との最大伝搬距離差Lは2000m程度である。マルチパスフェージングによるキャリアの波形ひずみを防止するためには、有効シンボル長Tuを遅延分散の10倍程度以上にする必要がある。よって、有効シンボル長Tuは、次式(5)の条件を満たす必要がある。なお、有効シンボル長Tuを遅延分散の10倍程度以上にする必要がある点については、例えば、庄納 崇、「インプレス標準教科書シリーズ WiMAX教科書」、インプレスR&D、2008年7月16日、P71の記載を参照されたい。
【0060】
Tu≧τ×10=10L/c (5)
【0061】
式(3)においてTOFDM≦690[μs]とし、式(5)においてL=2000[m]とすると、有効シンボル長Tuは、次式(6)を満たす必要がある。よって、送信パラメータ設定部18は、有効シンボル長Tuが次式(6)の範囲内となるようにパラメータを設定する。なお、具体的なパラメータ例については実施例2にて説明する。
【0062】
66.6[μs]≦Tu≦230[μs] (6)
【0063】
このように、実施例1のワイヤレスマイク用OFDM送信装置1a及びワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aによれば、OFDM変調方式を採用し、ガードインターバルを付加することにより、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止することができるようになる。また、パラメータをNo=Ri×M×Ndとするため、レート調整バッファメモリを不要とすることができ、送受信による音声信号の遅延を減少させることができる。また、OFDM信号のシンボル長Tsを音声信号のサンプリング間隔の整数倍とすることにより、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aは次のシンボルを待たずにサンプリングデータを復号・再生することができる。
【0064】
特に、有効シンボル長Tuが式(6)の範囲内となるようにパラメータを設定することにより、送受信間の遅延時間が2ms以下とすることができる。
【実施例2】
【0065】
次に、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置及び受信装置について説明する。なお、図1及び図2に示した実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1a及びワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aと同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。図4は、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置の構成を示すブロック図である。ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1bは、図1に示した実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aと比較して、水晶発振器19が1つで済む点、及び送信パラメータ設定部18の動作が相違する。
【0066】
送信パラメータ設定部18は、実施例1と同様に、No=Ri×M×Ndとなるように設定し、OFDM信号のシンボル長Tsを音声信号のサンプリング間隔1/fsの整数倍に設定する。さらに、実施例2の送信パラメータ設定部18は、サブキャリアのシンボルレートがパラメータの設定モードによらず等しくなるようにパラメータを制御する。これにより、ガードインターバル比が変わらない限りは水晶発振器29が1つで済むようになる。サブキャリアのシンボルレートScは、入力情報レートVi、外符号化率Ro、内符号化率Ri、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを用いて、Sc=Vi×(1/Ro)×(1/Ri)×(1/M)×(1/Nd)と表される。よって、送信パラメータ設定部18は、次式(7)を満たすようにパラメータを制御し、設定する。
【0067】
Ro×Ri×M×Nd=一定 (7)
【0068】
さらに、送信パラメータ設定部18は、パラメータの設定モードによらず、No(=Ri×M×Nd)が一定、且つ、Roが一定となるようにパラメータを制御してもよい。このとき、式(7)は必ず成立する。外符号の符号長No及び外符号符号率Roが一定の場合、情報長Koも一定となるため、外符号符号化部131の回路を共通化でき、回路規模や回路コストを低減することができる。
【0069】
図5は、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置を示すブロック図である。実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置2bは、図2に示した実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置2aと比較して、水晶発振器29が1つで済む点、及び受信パラメータ設定部28の動作のみが相違する。
【0070】
受信パラメータ設定部28は、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1bと同じパラメータを各ブロックに設定する。そのため、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1aと同様に、ガードインターバル比が変わらない限りは、水晶発振器29が1つで済むようになる。
【0071】
また、送信パラメータ設定部18が、符号長Noが一定、且つ、外符号化率Roが一定となるように設定する場合には、外符号復号部253の回路を共通化でき、回路規模や回路コストを低減することができる。
【0072】
このように、実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1b及びワイヤレスマイク用OFDM受信装置2bは、Ro×Ri×M×Ndが一定となるように、符号長No、外符号化率Ro、内符号化率Ri、変調多値数M、及びデータキャリア数Ndを制御する。このため、パラメータの設定モードによらずサブキャリアのシンボルレートScが一定となり、ガードインターバル比が変わらない限りは、水晶発振器19が1つで済むようになる。
【0073】
また、外符号率Roが一定、且つ、符号長Noが一定となるように、外符号化率Ro及び符号長Noを設定することにより、さらに外符号符号化部131及び外符号復号部253の回路規模を小さくすることができる。
【0074】
[パラメータ例]
次に、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる具体的なパラメータ例を示す。パラメータは、上述したように、以下の条件を満たしている。
・No=Ri×M×Nd(式(1))
・Ts=m×1/fs(m=整数)(式(2))
・Ts=1/Vsc(式(3))
・66.6[μs]≦Tu≦230[μs](式(6))
・パラメータの設定モードによらず、符号長No及び外符号化率Roが一定
【0075】
以下に示す例では、A/D変換部12がアナログの音声信号を、量子化ビット長Nを24bit、サンプリング周波数fsを48KHzとしてデジタル信号に変換するものとして説明する。このとき、入力情報レートViは、Vi=N×fs=24×48=1152[kbps]となる。サンプリング周波数fsが48KHzのとき、サンプリング間隔1/fsは約20.8usである。ガードインターバル比が1/16や1/32程度であるとすると、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mが4≦m≦11のとき、有効シンボル長Tuが式(6)の条件を満たす。
【0076】
[第1のパラメータ例]
図6は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第1のパラメータ例を示す図である。ここでは、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mが4の場合のパラメータ例について説明する。
【0077】
サンプル数mが4の場合、情報長Koは、Ko=24×4=96[bit]となる。図6に示すパラメータ例では、符号長Noをパラメータの設定モードによらず104bitで一定とし、Ro=Ko/No=12/13でパラメータの設定モードによらず一定としている。外符号化後のレートVoは、Vo=Vi×1/Ro=1152×13/12=1248[kbps]となる。内符号化率Ri及び変調多値数Mはパラメータ設定のモードにより異なる値となる。
【0078】
パラメータの設定モードがモード1の場合について説明すると、内符号化率Ri=1/2であり、変調多値数M=2である。よってOFDM信号全体のシンボルレートVsは、Vs=Vo×(1/Ri)×(1/M)=1248×2×1/2=1248[ksps]となる。全帯域内のデータキャリア数Ndは、式(1)により、Nd=No×(1/Ri)×(1/M)=104×2×1/2=104となる。よって、1キャリアのシンボルレートVscは、Vsc=Vs/Nd=1248/104=12[kbps]となる。シンボル長Tsは、式(2)及び式(3)より約83.3μsである。ガードインターバル比GIRが1/16のとき、有効シンボル長Tu=Ts×(16/17)≒78.4[μs]となり、式(6)の条件を満たしている。
【0079】
キャリアシンボルを複数のセグメントに分けて伝送する場合には、ヌルキャリアが発生しないようにするためには、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを、全帯域内のデータキャリア数Nd、及びセグメント数Sを用いて、次式(8)を満たすように設定する必要がある。
【0080】
Ndseg=Nd/S (8)
【0081】
図6に示すパラメータ例では、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを13とし、1セグメントあたりに挿入するSP信号のキャリア数を1、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1としており、その結果、1セグメントあたりのキャリア数は15となる。
【0082】
パラメータの設定モードがモード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が1であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8、TMCC信号のキャリア数Ntmccは8となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、104+8+8+1=121となる。なお、CP信号は、最も周波数が高いキャリアに配置されるか、セグメントのスペクトルを反転してCP信号を各チャンネルの最も周波数が低いキャリアに配置される。伝送帯域幅BWtは、全キャリア数Ncarrと有効シンボル長Tuを用いて、BWt=Ncarr×1/Tuで表される。
【0083】
図7は、図6に示す第1のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図7(a)に示す例では次式(9)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置しており、図7(b)に示す例では次式(10)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。ここで、pは非負整数、iはシンボル番号、kはSP信号が配置されるキャリアシンボル位置であり、modは剰余を意味する。なお、SP信号及びTMCC信号の配置はこれに限定されるものではない。
【0084】
k=3×(imod5)+15p (9)
k=5×(imod3)+15p (10)
【0085】
[第2のパラメータ例]
図8は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第2のパラメータ例を示す図である。図8に示す第2のパラメータ例は、図6に示した第1のパラメータ例と比較して、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数が2である点が異なる。なお、2つのTMCC信号のうちの1つをAC信号又はCP信号としてもよい。
【0086】
パラメータの設定モードがモード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が2であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8となり、TMCC信号のキャリア数Ntmccは16となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、104+8+16+1=129となる。
【0087】
図9は、図8に示す第2のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図9(a)に示す例では次式(11)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置しており、図9(b)に示す例では次式(12)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。
【0088】
k=4×(imod4)+16p (11)
k=2×(imod8)+16p (12)
【0089】
[第3のパラメータ例]
図10は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第3のパラメータ例を示す図である。図10に示すパラメータ例は、第1のパラメータ例及び第2のパラメータ例と同様に、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mは4(情報長Koは96bit)である。第3のパラメータでは、符号長Noをパラメータの設定モードによらず112bitで一定とし、Ro=Ko/No=6/7でパラメータの設定モードによらず一定としている。第1及び第2のパラメータ例に比べて外符号化率が低いため、誤り訂正能力が高くなる。外符号化後のレートVoは、Vo=Vi×1/Ro=1152×7/6=1344[kbps]となる。内符号化率Ri及び変調多値数Mはパラメータ設定のモードにより異なる値となる。
【0090】
パラメータの設定モードがモード1の場合について説明すると、内符号化率Ri=1/2であり、変調多値数M=2である。よってOFDM信号全体のシンボルレートVsは、Vs=Vo×(1/Ri)×(1/M)=1344×2×1/2=1344[ksps]となる。全帯域内のデータキャリア数Ndは、式(1)により、Nd=No×(1/Ri)×(1/M)=112×2×1/2=112となる。よって、1キャリアのシンボルレートVscは、Vsc=Vs/Nd=1344/112=12[kbps]となる。シンボル長Tsは、式(2)及び式(3)より約83.3μsである。ガードインターバル比GIRが1/16のとき、有効シンボル長Tu=Ts×(16/17)≒78.4[μs]となり、式(6)の条件を満たしている。
【0091】
図10に示すパラメータ例では、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを8、1セグメントあたりに挿入するSP信号のキャリア数を1、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1としており、その結果、1セグメントあたりのキャリア数は14となる。モード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が1であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8となり、TMCC信号のキャリア数Ntmccは8となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、112+8+8+1=129となる。
【0092】
図11は、図10に示す第3のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図11(a)に示す例では式(11)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置しており、図11(b)に示す例では式(12)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。
【0093】
[第4のパラメータ例]
図12は、本発明に係るワイヤレスマイクシステムで用いられる第4のパラメータ例を示す図である。ここでは、1シンボルあたりに伝送する音声サンプル数mが8の場合のパラメータ例について説明する。
【0094】
音声サンプル数mが8の場合、情報長Koは、Ko=24×8=192[bit]となる。図12に示す第4のパラメータ例では、符号長Noをパラメータの設定モードによらず216bitで一定とし、Ro=Ko/No=8/9でパラメータの設定モードによらず一定としている。外符号化後のレートVoは、Vo=Vi×1/Ro=1152×9/8=1296[kbps]となる。内符号化率Ri及び変調多値数Mはパラメータ設定のモードにより異なる値となる。
【0095】
パラメータの設定モードがモード1の場合について説明すると、内符号化率Ri=1/2であり、変調多値数M=2である。よってOFDM信号全体のシンボルレートVsは、Vs=Vo×(1/Ri)×(1/M)=1296×2×1/2=1296[ksps]となる。全帯域内のデータキャリア数Ndは、式(1)により、Nd=No×(1/Ri)×(1/M)=216×2×1/2=216となる。よって、1キャリアのシンボルレートVscは、Vsc=Vs/Nd=1296/216=6[kbps]となる。シンボル長Tsは、式(2)及び式(3)より約166.7μsである。ガードインターバル比GIRが1/16のとき、有効シンボル長Tu=Ts×(16/17)≒156.9[μs]となり、式(6)の条件を満たしている。
【0096】
第4のパラメータ例では、1セグメントあたりのデータキャリア数Ndsegを27とし、1セグメントあたりに挿入するSP信号のキャリア数を1としている。TMCC信号のキャリア数を1とすると1セグメントあたりのキャリア数は29となり、等間隔にSP信号を配置することができなくなるため、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を2とし、1セグメントあたりのキャリア数を30とする。なお、2つのTMCC信号のうちの1つをAC信号又はCP信号としてもよい。
【0097】
パラメータの設定モードがモード1の場合は、セグメント数Sは8であり、各セグメントについて、SP信号のキャリア数が1、TMCC信号のキャリア数が2であるため、全帯域内では、SP信号のキャリア数Nspは8となり、TMCC信号のキャリア数Ntmccは16となる。また、CP信号のキャリア数Ncpは全帯域内で1である。よって、全キャリア数Ncarrは、216+8+16+1=241となる。
【0098】
図13は、第4のパラメータ例における1セグメントのキャリアシンボルのSP信号及びTMCC信号の配置例を示す図である。図13に示す例では次式(13)を満たすキャリアシンボル位置にSP信号を配置している。
【0099】
k=6×(imod5)+30p (13)
【0100】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、ワイヤレスマイク用OFDM送信装置1が、インターリーブ部132を備えず、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2がデインターリーブ部252を備えない構成とすることも可能である。
【0101】
なお、音声信号の送受信による遅延時間を減少させるには、情報圧縮率を1として圧縮を行わないようにするのが好適であるが、本発明に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置1a,1bは、圧縮を行った音声信号を送信し、ワイヤレスマイク用OFDM受信装置2a,2bは、受信した音声信号を伸張するようすることも可能である。図14は、情報圧縮率を0.25とした場合のパラメータ例を示す図である。モード1〜モード3は、第1のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを96bit、符号長Noを104bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1とした場合の例を示している。モード4〜モード6は、第2のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを96bit、符号長Noを104bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を2とした場合の例を示している。モード7〜モード9は、第3のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを96bit、符号長Noを112bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を1とした場合の例を示している。モード10〜モード12は、第4のパラメータ例に対応するものであり、情報長Koを192bit、符号長Noを216bit、1セグメントあたりに挿入するTMCC信号のキャリア数を2とした場合の例を示している。
【産業上の利用可能性】
【0102】
このように、本発明によれば、音声信号の送受信による遅延時間を減少させ、且つ、マルチパスフェージングによる受信品質の低下を防止することができるので、デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送受信する任意の用途に有用である。
【符号の説明】
【0103】
1a,1b ワイヤレスマイク用OFDM送信装置
2a,2b ワイヤレスマイク用OFDM受信装置
11 マイク
12 A/D変換部
13 インターリーブ・誤り訂正部
14 OFDM変調部
15 D/A変換部
16 送信周波数変換部
17 送信アンテナ
18 送信パラメータ設定部
19 水晶発振器
20 クロック供給部
131 外符号符号化部
132 インターリーブ部
133 内符号符号化部
141 S/P変換部
142 キャリア変調部
143 OFDMフレーム構成部
144 IFFT部
145 GI付加部
21 受信アンテナ
22 受信周波数変換部
23 A/D変換部
24 OFDM復調部
25 デインターリーブ・誤り訂正部
26 D/A変換部
27 スピーカ
28 受信パラメータ設定部
29 水晶発振器
30 クロック供給部
241 GI除去部
242 FFT部
243 キャリア復調部
244 P/S変換部
251 内符号復号部
252 デインターリーブ部
253 外符号復号部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送信するワイヤレスマイク用OFDM送信装置であって、
デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する内符号符号化部と、
前記内符号をOFDM変調方式により変調してOFDM信号を生成するOFDM変調部と、
前記内符号符号化部に入力されるブロック単位のデータのビット数をNo、前記内符号の符号化率をRi、前記OFDM信号の変調多値数をM、前記OFDM信号のデータキャリア数をNdとしたとき、No=Ri×M×Ndとなり、且つ、OFDM信号のシンボル長が音声信号のサンプリング間隔の整数倍となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定する送信パラメータ設定部と、
を備えることを特徴とするワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項2】
前記送信パラメータ設定部は、OFDM信号の有効シンボル長が66.6μs以上、且つ、230μs以下となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする、請求項1に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項3】
デジタルの音声信号をブロック符号化して外符号を生成する外符号符号化部を更に備え、
前記内符号符号化部は、前記外符号符号化部により生成された外符号を内符号化して内符号を生成し、前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号長のビット数をNoとすることを特徴とする、請求項1又は2に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項4】
前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号化率をRoとしたとき、パラメータの設定モードによらず、Ro×Ri×M×Ndの値が一定となるように、前記Ro,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする、請求項3に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項5】
前記送信パラメータ設定部は、前記Roが一定、且つ、前記Noが一定となるように、前記Ro及び前記Noを設定することを特徴とする、請求項4に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置により送信されるOFDM信号を受信し、デジタルの音声信号を生成することを特徴とするワイヤレスマイク用OFDM受信装置。
【請求項1】
デジタルの音声信号をOFDM変調方式により送信するワイヤレスマイク用OFDM送信装置であって、
デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに内符号化して内符号を生成する内符号符号化部と、
前記内符号をOFDM変調方式により変調してOFDM信号を生成するOFDM変調部と、
前記内符号符号化部に入力されるブロック単位のデータのビット数をNo、前記内符号の符号化率をRi、前記OFDM信号の変調多値数をM、前記OFDM信号のデータキャリア数をNdとしたとき、No=Ri×M×Ndとなり、且つ、OFDM信号のシンボル長が音声信号のサンプリング間隔の整数倍となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定する送信パラメータ設定部と、
を備えることを特徴とするワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項2】
前記送信パラメータ設定部は、OFDM信号の有効シンボル長が66.6μs以上、且つ、230μs以下となるように、前記No,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする、請求項1に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項3】
デジタルの音声信号をブロック符号化して外符号を生成する外符号符号化部を更に備え、
前記内符号符号化部は、前記外符号符号化部により生成された外符号を内符号化して内符号を生成し、前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号長のビット数をNoとすることを特徴とする、請求項1又は2に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項4】
前記送信パラメータ設定部は、前記外符号の符号化率をRoとしたとき、パラメータの設定モードによらず、Ro×Ri×M×Ndの値が一定となるように、前記Ro,前記Ri,前記M,及び前記Ndを設定することを特徴とする、請求項3に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項5】
前記送信パラメータ設定部は、前記Roが一定、且つ、前記Noが一定となるように、前記Ro及び前記Noを設定することを特徴とする、請求項4に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のワイヤレスマイク用OFDM送信装置により送信されるOFDM信号を受信し、デジタルの音声信号を生成することを特徴とするワイヤレスマイク用OFDM受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−55373(P2013−55373A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190047(P2011−190047)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]