説明

ワイヤ送給装置

【課題】コンパクトで応答性能が高いワイヤ送給装置を提供する。
【解決手段】溶接ワイヤをアーク溶接トーチ3に送出するワイヤ送給装置6において、ワイヤ送給用ローラ22は、手首部端面11からワイヤ送給軸23の方向に沿って延長した位置に配置され、ワイヤ送給用モータ14は、シャフト14bがワイヤ送給軸23に対して平行な軸24上にあり、減速機構は、複数の減速ギアを有するギアボックスであり、このギアボックスによって平行軸を回転軸心とするワイヤ送給用モータ14の回転トルクがワイヤ送給軸23に直交する軸を回転軸心とするワイヤ送給用ローラ22に伝達され、ワイヤ送給用ローラ22及びワイヤ送給用モータ14及び減速機構が、手首部端面11からワイヤ送給軸23の方向に延長した位置に形成される略円柱状の空間内に収まるように配置されたことを特徴とするワイヤ送給装置6である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接ロボットの手首部に取り付けられ溶接ワイヤをアーク溶接トーチに送給するためのワイヤ送給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のアーク溶接ロボットにおいては、ワイヤ送給装置をロボットアームの基端部に取り付け、プッシュ方式と呼ばれる送給方式によってアーク溶接トーチに送給していた。すなわち、溶接ワイヤをロボットアーム基端部に取り付けたワイヤ送給装置によって送り出し、ロボットアームに沿って這わせた溶接ケーブルを介してアーク溶接トーチに送給していた。しかしながら、プッシュ方式では、ロボットの動作に伴って溶接ケーブル内における溶接ワイヤの送給経路が変化するために送給速度が一定にならないという問題があった。また、溶接ケーブル内における摩擦抵抗又は溶接ケーブルそのものの曲り癖が原因で、特に細径の溶接ワイヤ、アルミニウムの溶接ワイヤ等は、溶接ケーブル内部においてたるみ又は曲げが生じやすいという問題もあった。すなわち、安定した溶接状態を維持することができなかった。
【0003】
この問題を解決するために、近年のアーク溶接ロボットにおいては、ワイヤ送給用のACサーボモータ(以下、ワイヤ送給用モータという)を備えたワイヤ送給装置をロボット手首部に取り付けて、溶接ワイヤを引き込んでアーク溶接トーチに送給するプル方式が慣用されている(例えば特許文献1及び2参照)。この方式によれば、溶接点により近い位置で溶接ワイヤを送給制御することができるので安定した送給速度を実現することができる。さらに、引き込み時に溶接ワイヤのたるみ又は曲げを矯正することができるので、溶接ワイヤを安定して送給することができる。
【0004】
図6は、ワイヤ送給装置をロボット手首部に取り付けたアーク溶接ロボットの一般的な構成を示す図である。同図において、マニピュレータ1の手首部2の先端にアーク溶接トーチ3が取り付けられ、ワイヤリール4に巻かれた溶接ワイヤ5がマニピュレータ1の手首部2に取り付けられたワイヤ送給装置6によってアーク溶接トーチ3に送給される。また、溶接電源7からアーク溶接トーチ3に電力が供給され、ガスボンベ8からアーク溶接トーチ3にシールドガスが供給される。ティーチペンダント9からロボット制御装置10に指令信号が入力され、このロボット制御装置10からの信号がマニピュレータ1に入力されて、第1軸乃至第6軸から成る6つの軸を回転させて、アーク溶接トーチ3の先端位置が制御される。
【0005】
図7及び図8は、ワイヤ送給装置6の従来構造を説明するための概略図である。図7は特許文献1記載のワイヤ送給装置、図8は特許文献2記載のワイヤ送給装置をそれぞれ簡略化して示している。図7及び図8に示すように、ワイヤ送給装置6は、ワイヤ送給用ローラ22、回転トルクを発生するワイヤ送給用モータ14及び回転トルクをワイヤ送給用ローラ22に伝達する減速機構21を備えている。そして、図6記載の溶接電源7又はロボット制御装置10からの指令信号によって、ワイヤ送給用モータ14を回転駆動し回転トルクを発生させ、この回転トルクを減速機構21によってワイヤ送給用ローラ22に伝達する。その結果、ワイヤ送給用ローラ22が回転され、摩擦力によって溶接ワイヤがアーク溶接トーチ3に送出される。
【0006】
ところが、図7のワイヤ送給装置6においては、ワイヤ送給用モータ14、減速機構21及びワイヤ送給用ローラ22が直列に配置されている。このために、ワイヤ送給装置6全体の直列方向長さが長くなり、ワーク、周辺治具等と干渉しやすいという課題を有していた。
【0007】
この課題を解決するために、図8のワイヤ送給装置6においては、ワイヤ送給用モータ14、減速機構21及びワイヤ送給用ローラ22が「コ」字型に配置されたコンパクト構造となっている。しかしながら、このワイヤ送給装置6であっても後述する課題を有している。
【0008】
【特許文献1】特開2001−287033号公報
【特許文献2】特開2005−066610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ワイヤ送給装置をロボット手首部に取り付ける以上、ワイヤ送給装置がワーク、周辺治具等と干渉することのないよう、できるだけコンパクトな構造にすることが求められる。特許文献2のワイヤ送給装置は、ワイヤ送給用モータ14、減速機構21及びワイヤ送給用ローラ22の配置を考慮することによって特許文献1よりもコンパクトな構造を実現している。しかしながら、図8(a)に示すように、ワイヤ送給装置6全体のワイヤ送給軸23の方向に直交する幅が手首フランジ面12の直径よりも大きく、ワイヤ送給用モータ14が手首フランジ面12の外側に完全に突出している。このことは、手首部2を回転させると手首部回転軸心を中心にワイヤ送給用モータ14が手首フランジ面12の外側に大きく旋回することを示している。このために、特に狭い箇所にアーク溶接トーチ3を入り込ませてロボット手首部を回転させながらアーク溶接を行う場合は、ワイヤ送給用モータ14がワーク、周辺治具等と干渉する可能性が高い。
【0010】
また、コンパクトな構造にするためには、配置を考慮することと同時にワイヤ送給用ローラ22、ワイヤ送給用モータ14及び減速機構21のそれぞれをコンパクトにすることも必要である。従来技術においては、コンパクトなワイヤ送給用ローラ22及びワイヤ送給用モータ14が採用されているが、コンパクトな減速機構21は採用されていない。例えば、ワイヤ送給用モータ14の回転トルクをワイヤ送給用ローラ22に伝達するために、図8(b)に示すような小平ギア28と大平ギア29とによる1段減速機構を採用することが多い。大平ギア29は図示しているように非常に大きいため、ワイヤ送給装置6全体がコンパクトとは言い難い。
【0011】
このように、狭い箇所にアーク溶接トーチを入り込ませてロボット手首部を回転させながらアーク溶接を行う場面等において、従来技術のワイヤ送給装置は、ワーク、周辺治具等と干渉する可能性が高い。干渉を回避するために、実際の溶接作業現場では、ロボットを動作させ干渉しない位置までトーチ姿勢を変更することで対処している。しかしながら、トーチ姿勢を変更することにより溶接性が少なからず影響を受けるため、ビード形状の不均一、溶け込み不良等の原因になる。
【0012】
さらに、減速機構のギアは大きければ大きいほど、その回転イナーシャが大きくなる性質を持つ。回転イナーシャが大きいということは、溶接電源又はロボット制御装置からの指令信号に対する応答性能が低いことを示している。例えば、溶接電源又はロボット制御装置からワイヤ送給用モータに対して正回転指令信号が与えられている途中で回転停止指令信号が与えられた場合、減速機構の回転イナーシャが大きいと、ワイヤ送給用ローラが完全に回転を停止するまで時間がかかる。すなわち、応答遅れ時間が発生する。
【0013】
ところで、近年では、アークスタート性を高めると同時にスパッタを低減するためのリトラクトスタート制御、ワーク開先に深い溶け込みを与えるためのウィービング同期ワイヤ送給制御等が注目されており、ユーザから高いニーズと期待を得ている。これらの制御に求められるのは、溶接電源又はロボット制御装置からのワイヤ送給指令に対する高い応答性能を有したワイヤ送給装置である。例えば、リトラクトスタート制御においては、アークスタート時にワイヤ送給方向を前進送給の正回転から後退送給の逆回転に瞬時に切り替える必要がある。また、ウィービング同期ワイヤ送給制御においては、アーク溶接トーチ先端がウィービング端点に達したときにワイヤ送給速度を瞬時に増加させる必要がある。
【0014】
このように、高い応答性能が求められているにも関わらず、従来技術のワイヤ送給装置は応答性能が低いままである。
【0015】
そこで、本発明は、コンパクトで応答性能が高いワイヤ送給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、第1の発明は、ワイヤ送給用ローラと、回転トルクを発生するモータ本体及び回転トルクを外部に出力するシャフトを有するワイヤ送給用モータと、前記回転トルクを前記ワイヤ送給用ローラに伝達する減速機構と、を備え、アーク溶接ロボットの手首部端面に取り付けられ溶接ワイヤを前記ワイヤ送給用モータの回転駆動によってアーク溶接トーチに送出するワイヤ送給装置において、
前記ワイヤ送給用ローラは、前記手首部端面からワイヤ送給軸方向に沿って延長した位置に配置され、
前記ワイヤ送給用モータは、前記シャフトが前記ワイヤ送給軸に対して平行な軸上にありこの平行軸に沿って前記シャフト及び前記モータ本体の順になるように配置され、
前記減速機構は、複数の減速ギアを有するギアボックスであり、このギアボックスによって前記平行軸を回転軸心とする前記ワイヤ送給用モータの回転トルクが前記ワイヤ送給軸に直交する軸を回転軸心とする前記ワイヤ送給用ローラに伝達され、
前記ワイヤ送給用ローラ及び前記ワイヤ送給用モータ及び前記減速機構が、前記手首部端面から前記ワイヤ送給軸方向に延長した位置に形成される略円柱状の空間内に収まるように配置されたことを特徴とするワイヤ送給装置である。
【0017】
第2の発明は、前記ワイヤ送給用ローラ及び前記ワイヤ送給用モータ及び前記減速機構は、一体的にユニット化されており、容易に脱着可能であることを特徴とする請求項1記載のワイヤ送給装置である。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、ワイヤ送給用モータ、減速機構及びワイヤ送給用ローラをコンパクトに配置したワイヤ送給装置を、手首部端面からワイヤ送給軸方向に延長した位置に形成される略円柱状の空間内に収まるように配置したので、ワーク、周辺治具等との干渉を回避することができる。また、減速機構として回転イナーシャの小さい複数のギアを有するギアボックスを採用したので、ワイヤ送給用モータの回転トルクをワイヤ送給用ローラに効率良く伝達し且つ応答性能を高めることができる。したがって、アークスタート性を高めスパッタを低減するためのリトラクトスタート制御、深い溶け込みを得るためのウィービング同期ワイヤ送給制御等にも適応することができる。
【0019】
第2の発明によれば、ワイヤ送給用モータ、減速機構及びワイヤ送給用ローラを一体的にユニット化することによって容易に脱着可能にしたので、故障時の交換作業等に要する時間を低減することができる。例えば、ワイヤ送給装置が故障し交換のために取り外す場合、手首部に取り付けられている取付け部材、ワイヤ送給装置、アーク溶接トーチ等を全て取り外すことなく、ワイヤ送給装置のみを取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[実施の形態1]
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明のワイヤ送給装置を手首部に取り付けたアーク溶接ロボットを示した図である。同図において、マニピュレータ1の手首部2の端面11に取付部材13が取り付けられ、この取付部材13に、ワイヤ送給装置6、アーク溶接トーチ3及びショックセンサ16が取り付けられている。ワイヤリール4に巻かれた溶接ワイヤは、溶接ケーブル17を挿通して手首部2まで引き込まれ、ワイヤ送給装置6によってアーク溶接トーチ3に供給される。
【0022】
図2(a)及び(b)は、図1の手首部2付近を拡大した図である。同図(a)は、図1のA方向から手首部2付近を見た図であり、同図(b)は、図1のB方向(紙面手前から奥に向かう方向)から手首部2付近を見た図である。なお、図2(a)及び(b)において、図1と同一のものについては同符号を付与している。
【0023】
同図(b)において、溶接ケーブル17は内部に溶接ワイヤが挿通されており、ワイヤリール4(図1参照)に巻かれた溶接ワイヤは手首部2まで引き込まれる。第1ワイヤ挿通経路18は、手首部2内部の回転中心近傍に設けられた筒状の経路である。手首部2まで引き込まれた溶接ワイヤは第1ワイヤ挿通経路18から挿通され、アーク溶接トーチ側に引き出される。溶接ワイヤはさらに取付部材13に設けられた第2ワイヤ挿通経路19を経てワイヤ送給装置6に引き込まれる。そして、ワイヤ送給装置6によって最終的にアーク溶接トーチ3に送給される。ワイヤ送給軸23は、溶接ワイヤが手首部2から第1ワイヤ挿通経路18及び第2ワイヤ挿通経路19を通り、アーク溶接トーチ3へ送給される方向を示す軸である。ワイヤ送給用ローラ22は、手首部端面11からワイヤ送給軸23の方向に沿って延長した位置に配置されている。
【0024】
同図(a)において、モータ本体14a及びシャフト14bから成るワイヤ送給用モータ14は、シャフト14bがワイヤ送給軸23に平行な軸24(以下、平行軸24という)上になるように配置されている。そして、このときの配置は、平行軸24に沿って手首部端面11に近い方からシャフト14b、モータ本体14aの順としている。
【0025】
図3(a)及び(b)は、図2(a)及び(b)に記載のワイヤ送給装置6の内部構造を説明するための図である。図3(a)は図2(a)のワイヤ送給装置6を、図3(b)は図2(b)のワイヤ送給装置6をそれぞれ拡大し、内部構造を示している。図3において、ワイヤ送給用ローラ22、ワイヤ送給用モータ14、ワイヤ送給軸23及び平行軸24は、図2と同一であるので説明を省略する。
【0026】
同図(a)において、減速機構21は、回転イナーシャの小さい複数の減速ギア21a乃至21cを有したギアボックスである。このギアボックスによって、平行軸24を回転軸心とするワイヤ送給用モータ14の回転トルクが、ワイヤ送給軸23に直交する軸25を回転軸心とするワイヤ送給用ローラ22に伝達される。
【0027】
図4は、本発明のワイヤ送給装置の配置スペースを説明するための図である。同図に示すように、ワイヤ送給用ローラ22及びワイヤ送給用モータ14及び減速機構21は、手首部端面11からワイヤ送給軸23の方向に延長した位置に形成される略円柱状の空間31(網掛け部)の内部に完全に収まるように配置されている。
【0028】
このように、ワイヤ送給用モータ、減速機構及びワイヤ送給用ローラをコンパクトに配置したワイヤ送給装置を、手首部端面からワイヤ送給軸方向に延長した位置に形成される略円柱状の空間内に収まるように配置したので、ワーク、周辺治具等との干渉を回避することができる。また、減速機構として回転イナーシャの小さい複数のギアを有するギアボックスを採用したので、ワイヤ送給用モータの回転トルクをワイヤ送給用ローラに効率良く伝達し且つ応答性能を高めることができる。したがって、アークスタート性を高めスパッタを低減するためのリトラクトスタート制御、深い溶け込みを得るためのウィービング同期ワイヤ送給制御等にも適応することができる。
【0029】
[実施の形態2]
次に本発明の第2実施形態について説明する。図5は、ユニット化されたワイヤ送給装置を脱着する様子を説明するための図である。同図に示すように、ワイヤ送給用ローラ22及びワイヤ送給用モータ14及び減速機構21は、一体的にユニット化されたワイヤ送給装置6となっている。ワイヤ送給装置6は、ネジ32を用いて固定する等の簡単な方法によって取付部材13に取付可能になっている。
【0030】
このように、ワイヤ送給用モータ、減速機構及びワイヤ送給用ローラを一体的にユニット化することによって容易に脱着可能にしたので、故障時の交換作業等に要する時間を低減することができる。例えば、ワイヤ送給装置が故障し交換のために取り外す場合、手首部に取り付けられている取付け部材、ワイヤ送給装置、アーク溶接トーチ等を全て取り外すことなく、ワイヤ送給装置のみを取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のワイヤ送給装置を手首端面に取り付けたアーク溶接用のマニピュレータを示した図である。
【図2】本発明のワイヤ送給装置を取り付けたマニピュレータの手首部付近を拡大した図である。
【図3】本発明のワイヤ送給装置の内部構造を説明するための図である。
【図4】本発明のワイヤ送給装置の配置スペースを説明するための図である。
【図5】本発明のユニット化されたワイヤ送給装置を脱着する様子を説明するための図である。
【図6】ワイヤ送給装置をロボット手首部に取り付けたアーク溶接ロボットの一般的な構成を示す図である。
【図7】従来技術1のワイヤ送給装置の構造を説明するための図である。
【図8】従来技術2のワイヤ送給装置の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
1 マニピュレータ
2 手首部
3 アーク溶接トーチ
4 ワイヤリール
5 溶接ワイヤ
6 ワイヤ送給装置
7 溶接電源
8 ガスボンベ
9 ティーチペンダント
10 ロボット制御装置
11 手首部端面
12 手首フランジ面
13 取付部材
14 ワイヤ送給用モータ
14a モータ本体
14b シャフト
16 ショックセンサ
17 溶接ケーブル
18 ワイヤ挿通経路
19 ワイヤ挿通経路
21 減速機構
21a-21c 減速ギア
22 ワイヤ送給用ローラ
23 ワイヤ送給軸
24 ワイヤ送給軸に平行な軸
25 ワイヤ送給軸に直交する軸
28 小平ギア
29 大平ギア
31 略円柱状の空間
32 ネジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ送給用ローラと、回転トルクを発生するモータ本体及び回転トルクを外部に出力するシャフトを有するワイヤ送給用モータと、前記回転トルクを前記ワイヤ送給用ローラに伝達する減速機構と、を備え、アーク溶接ロボットの手首部端面に取り付けられ溶接ワイヤを前記ワイヤ送給用モータの回転駆動によってアーク溶接トーチに送出するワイヤ送給装置において、
前記ワイヤ送給用ローラは、前記手首部端面からワイヤ送給軸方向に沿って延長した位置に配置され、
前記ワイヤ送給用モータは、前記シャフトが前記ワイヤ送給軸に対して平行な軸上にありこの平行軸に沿って前記シャフト及び前記モータ本体の順になるように配置され、
前記減速機構は、複数の減速ギアを有するギアボックスであり、このギアボックスによって前記平行軸を回転軸心とする前記ワイヤ送給用モータの回転トルクが前記ワイヤ送給軸に直交する軸を回転軸心とする前記ワイヤ送給用ローラに伝達され、
前記ワイヤ送給用ローラ及び前記ワイヤ送給用モータ及び前記減速機構が、前記手首部端面から前記ワイヤ送給軸方向に延長した位置に形成される略円柱状の空間内に収まるように配置されたことを特徴とするワイヤ送給装置。
【請求項2】
前記ワイヤ送給用ローラ及び前記ワイヤ送給用モータ及び前記減速機構は、一体的にユニット化されており、容易に脱着可能であることを特徴とする請求項1記載のワイヤ送給装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−30021(P2007−30021A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−220263(P2005−220263)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)