説明

ワーク保持具及びそれを用いた電着塗装方法

【課題】複数の線状ワークを均等な力で保持することができるワーク保持具を提供する。
【解決手段】ワーク保持具10は、複数の線状ワークWの一端部の側面が当接して支持されるワーク支持面11aを有するベース部材11と、ベース部材11のワーク支持面11aに支持される複数の線状ワークWに対応すると共に、各々、ワーク支持面11aの法線方向に延びるように設けられた複数のピン状保持部材16と、複数のピン状保持部材16を、それぞれの先端がワーク支持面11aとの間で線状ワークWの一端部を挟持するワーク挟持位置と、ワーク挟持位置からワーク支持面11aの法線方向に離間して線状ワークWの一端部の挟持を解除するワーク挟持解除位置との間を移動させる保持部材移動手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の線状ワークを保持するのに用いられるワーク保持具、及びそれを用いた電着塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電線等の導体を絶縁層で被覆する方法として、例えば、特許文献1には、導体を電着ワニスにディッピングして電着塗装した後、これを乾燥及び焼付けすることが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、連続走行する導体を電着ワニスに通過させて電着塗装する絶縁電線の製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−276963号公報
【特許文献2】実公昭61−29729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、外径が0.03〜0.1mm程度の複数の極細ピンに同時に電着塗装を施す場合、例えば、それらの一端部を電極となる一対の金属板材で挟持して電着ワニスにディッピングすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、金属板材の面精度が高くなければ、複数の極細ピンに同様の挟持力を作用させることはできない。そして、複数の極細ピンに作用する挟持力のバラツキが大きいと、挟持部での抵抗ロス等により複数の極細ピンに均等な通電がなされず、その結果、電着被膜の厚さに差が生じるという問題がある。これに対し、一方の金属板材にゴムシート等の弾性材を貼設することにより挟持力の均等化を図ることができるが、使用回数を重ねると、弾性材にピン形状の塑性変形が生じ、そのため挟持力の均等化作用が持続しないという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、複数の線状ワークを均等な力で保持することができるワーク保持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワーク保持具は、
間隔をおいて並行に設けられた複数の線状ワークの一端部の側面が当接して支持されるワーク支持面を有するベース部材と、
上記ベース部材の上記ワーク支持面に支持される複数の線状ワークに対応すると共に、各々、該ワーク支持面の法線方向に延びるように設けられた複数のピン状保持部材と、
上記複数のピン状保持部材を、それぞれの先端が上記ワーク支持面との間で線状ワークの一端部を挟持するワーク挟持位置と、該ワーク挟持位置から該ワーク支持面の法線方向に離間して線状ワークの一端部の挟持を解除するワーク挟持解除位置と、の間を移動させる保持部材移動手段と、
を備える。
【0009】
本発明の電着塗装方法は、本発明のワーク保持具を用い、金属製の複数の線状ワークを、それぞれの一端部の側面を上記ベース部材の上記ワーク支持面で支持すると共に間隔をおいて並行に設け、次いで、上記保持部材移動手段により、上記複数のピン状保持部材を上記ワーク挟持位置に移動させることにより、それらのそれぞれの先端と該ワーク支持面との間で対応する線状ワークの一端部を挟持し、そして、上記ワーク保持具を電極として、該複数の線状ワークを他端部側から電着ワニスにディッピングして通電するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の線状ワークのそれぞれの一端部をピン状保持部材とワーク支持面との間で個別に独立して挟持するので、複数の線状ワークを均等な力で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るワーク保持具を示す平面図である。
【図2】実施形態に係るワーク保持具を示す要部断面図である。
【図3】コンタクトプローブの断面図である。
【図4】実施形態に係るワーク保持具の使用方法を示す第1の要部断面図である。
【図5】実施形態に係るワーク保持具の使用方法を示す第2の要部断面図である。
【図6】実施形態に係るワーク保持具の使用方法を示す第3の要部断面図である。
【図7】実施形態に係るワーク保持具の使用方法を示す第4の要部断面図である。
【図8】実施形態に係るワーク保持具を用いた電着塗装方法の第1の説明図である。
【図9】ワーク保持具への線状ワークのセット方法を示す説明図である。
【図10】実施形態に係るワーク保持具を用いた電着塗装方法の第2の説明図である。
【図11】線状ワークを軸支された一対の狭持部材で挟持する構成を示す説明図である。
【図12】実施形態に係るワーク保持具を用いた電着塗装方法の第3の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1及び2は本実施形態に係るワーク保持具10を示す。本実施形態に係るワーク保持具10は、金属製の複数の線状ワークWを保持し、それらに同時に電着塗装を施す際に用いられるものである。なお、このワーク保持具10で保持可能な線状ワークWの本数は例えば10〜20本である。線状ワークWは、例えば、長さが20〜100mm、及び外径が0.03〜0.1mmである。線状ワークWの形状は、例えば、円柱形、角柱形、平板形状等が挙げられる。線状ワークWとしては、具体的には、例えば、ICなどの電子部品検査用の極細ピン等が挙げられる。
【0014】
本実施形態に係るワーク保持具10は、各構成部材が例えばステンレス等の金属で形成されている。本実施形態に係るワーク保持具10は、例えば、外形寸法が80〜150mm、及び厚さが30〜50mmである。
【0015】
本実施形態に係るワーク保持具10は、長方形の平板状のベースプレート111及び長尺の位置規制プレート112で構成されたベース部材11を備えている。
【0016】
ベース部材11は、ベースプレート111の一方の長辺側がワーク保持側の前側に構成されると共に、その前側に長さ方向に沿って断面コの字状の凹溝111aが形成され、また、位置規制プレート112が断面L字状に形成されており、そして、位置規制プレート112の断面L字状の段差が前側上部に配置されると共に下部がベースプレート111の凹溝111aに嵌合固定されて構成されている。
【0017】
ベース部材11におけるベースプレート111の前側側面には、長さ方向に間隔をおいて、各々、厚さ方向に延びる複数のコの字溝111bが形成されている。ベースプレート111の上面における位置規制プレート112よりも前側の細長い部分は複数の線状ワークWの一端部の側面が当接して支持されるワーク支持面11aに構成されており、このワーク支持面11aには相互に隣接する一対のコの字溝111b間によって区画された線状ワークWの保持領域が構成されている。線状ワークWの保持領域の間隔、つまり、線状ワークWの配設ピッチは例えば4〜10mmである。また、ベース部材11における位置規制プレート112の下部の前側側面は、ベースプレート111のワーク支持面11aに連続すると共にワーク支持面11aに対して直交するように形成されており、複数の線状ワークWの一端部の端面が当接して位置揃えされるワーク位置揃え面11bに構成されている。
【0018】
ベース部材11におけるベースプレート111の位置規制プレート112の後側には上面に開口した厚さ方向に延びる有底孔11cが形成されており、その有底孔11cには第1コイルばね12が一端部を上方に突出させて収容されている。
【0019】
本実施形態に係るワーク保持具10は、ベース部材11の有底孔11cに収容された第1コイルばね12上に載置されるように設けられた長尺のコアブロック13を備えている。
【0020】
コアブロック13は、断面L字状に形成されており、その断面L字状の段差が前側下部に配置され且つ下部前側側面13aが位置規制プレート112の後側側面112cに当接するように設けられている。コアブロック13には、後側側面13bに開口した横方向に延びる有底孔13cが形成されており、その有底孔13cには第2コイルばね14が一端部を後方に突出させて収容されている。
【0021】
本実施形態に係るワーク保持具10は、ベース部材11上で位置規制プレート112及びコアブロック13を覆うと共に前後可動に設けられたプローブヘッド15を備えている。
【0022】
プローブヘッド15は、底面側に凹部15aが形成されており、その凹部15aの前側内壁15bと後側内壁15cとの間にコアブロック13が収容され、また、コアブロック13から後方に突出した第2コイルばね14が凹部15aの後側内壁15cに当接している。この凹部15aは、前後方向の寸法が位置規制プレート112の上部及びコアブロック13の下部のそれぞれの前後方向の寸法の和に等しくなるように形成されている。また、プローブヘッド15は、後側部分の上面15dが、前側から後側に向かうに従ってベース部材11側に近づく傾斜面に形成されている。
【0023】
プローブヘッド15は、前端部分に、ベースプレート111のワーク支持面11aにおける相互に隣接する一対のコの字溝111b間によって区画された線状ワークWの保持領域に対応するように、長さ方向に間隔をおいて、各々、ワーク支持面11aの法線方向、つまり、厚さ方向に延びるように複数のコンタクトプローブ(ピン状保持部材)16が設けられて貫通状態で挿通保持されている。各コンタクトプローブ16は、交換可能なように、プローブヘッド15に対して着脱可能に構成されている。なお、コンタクトプローブ16の代わりに円柱状部材でピン状保持部材が構成されていてもよい。
【0024】
図3はコンタクトプローブ16を示す。
【0025】
コンタクトプローブ16は、有底筒状のバレル161の底側にコイルばね162が収容されていると共に開口側にプランジャー163が挿し入れられ、それらがさらに筒状のソケット164に収容されている。プランジャー163は、コイルばね162の付勢によってバレル161から突出した状態となっているが、コイルばね162の付勢に抗して一定のストロークでバレル161に収容される向きに可動に構成されている。プランジャー163は、先端形状が特に限定されるものではないが、線状ワークWを挟持する観点からは、直径1〜2mm程度の円形端面を有することが好ましい。
【0026】
本実施形態に係るワーク保持具10は、ベース部材11上のプローブヘッド15の後側に前後可動に設けられたスライドブロック17を備えている。
【0027】
スライドブロック17は、前側上部にプローブヘッド15側に突出した突出部17aを有し、その突出部17aの下面17bがプローブヘッド15の後側部分の上面15dと同じ傾斜角度の傾斜面に形成され、また、そのプローブヘッド15の後側部分の上面15dに当接している。
【0028】
本実施形態に係るワーク保持具10は、プローブヘッド15及びスライドブロック17の上方への移動を規制するように設けられた天井板18を備えている。
【0029】
本実施形態に係るワーク保持具10は、初期状態では、スライドブロック17がベース部材11の後端に位置付けられ、また、プローブヘッド15がコアブロック13を介して第1コイルばね12によって天井板18に押し付けられるように付勢されると共に第2コイルばね14よって後側に付勢される。そして、これにより、プローブヘッド15の前端部分に取り付けられた複数のコンタクトプローブ16のそれぞれは、プランジャー163の先端面が位置規制プレート112の段差水平面112aに当接するように位置付けられる。
【0030】
本実施形態に係るワーク保持具10は、使用時には、図4に示すように、スライドブロック17を前方に移動させると、プローブヘッド15及びスライドブロック17が天井板18により規制されつつ、スライドブロック17の突出部17aの下面17bがプローブヘッド15の後側部分の上面15dを摺動することにより、スライドブロック17が第2コイルばね14の付勢に抗してプローブヘッド15を前方に移動させる。
【0031】
引き続いてスライドブロック17を前方に移動させると、図5に示すように、プローブヘッド15の凹部15aの後側内壁15cがコアブロック13の後側側面13bに当接することによりプローブヘッド15の前方移動が規制される。そして、これにより、プローブヘッド15の前端部分に取り付けられた複数のコンタクトプローブ16のそれぞれは、ワーク支持面11aにおける相互に隣接する一対のコの字溝111b間によって区画された線状ワークWの保持領域の上方位置に位置付けられる。また、凹部15aの前側内壁15bが位置規制プレート112の段差垂直面112bの位置に位置付けられる。
【0032】
引き続いてスライドブロック17を前方に移動させると、図6に示すように、スライドブロック17の突出部17aの下面17bがプローブヘッド15の後側部分の上面15dを摺動することにより、スライドブロック17が第1コイルばね12の付勢に抗し、凹部15aの前側内壁15bが位置規制プレート112の段差垂直面112bに、及びコアブロック13の下部前側側面13aが位置規制プレート112の後側側面112cにそれぞれ案内されつつ、プローブヘッド15を下方に移動させる。そして、これにより、プローブヘッド15の前端部分に取り付けられた複数のコンタクトプローブ16のそれぞれは、プランジャー163がワーク支持面11aにおける各コの字溝111b間によって区画された各線状ワークWの保持領域に向かって降下する。
【0033】
引き続いてスライドブロック17を前方に移動させて固定すると、図7に示すように、コアブロック13の底面がベースプレート111の上面に当接することによりプローブヘッド15の下方移動が規制される。そして、これにより、プローブヘッド15の前端部分に取り付けられた複数のコンタクトプローブ16のそれぞれは、プランジャー163が若干バレル161に収容されつつ、その先端面がワーク支持面11aにおける相互に隣接する一対のコの字溝111b間によって区画された線状ワークWの保持領域に当接する。
【0034】
従って、本実施形態に係るワーク保持具10では、図7に示すコンタクトプローブ16の位置が、その先端がワーク支持面11aとの間で線状ワークWの一端部を挟持するワーク挟持位置に、図5に示すコンタクトプローブ16の位置が、ワーク挟持位置からワーク支持面11aの法線方向に離間して線状ワークWの一端部の挟持を解除するワーク挟持解除位置に、及び図4に示すコンタクトプローブ16の位置が、ワーク挟持解除位置からワーク支持面11aに平行な方向にずれたオフセット待機位置にそれぞれ相当する。また、上記のプローブヘッド15の移動機構が、複数のコンタクトプローブ16を、ワーク挟持位置、ワーク挟持解除位置、及びオフセット待機位置間を移動させるプローブ移動手段を構成している。
【0035】
次に、本実施形態に係るワーク保持具10を用いた電着塗装方法について説明する。
【0036】
まず、図8に示すように、初期状態のワーク保持具10に対し、各線状ワークWの一端部の側面をワーク支持面11aに及び端面を位置揃え面にそれぞれ当接させる。このとき、複数の線状ワークWは、一端部の側面がワーク支持面11aに当接して間隔をおいて並行に設けられ、また、一端部の端面がワーク位置揃え面11bに当接して長さ方向に位置揃えされる。複数の線状ワークWの長さ方向の位置揃えを行うことにより、電着塗装されない部分の長さ(例えば1.5〜3mm)の精度を高めることができる。線状ワークWの端面を確実にワーク位置揃え面11bに当接させる観点からは、図9に示すように、複数の線状ワークWのそれぞれの一端部を、その側面をベース部材11のワーク支持面11aで支持すると共にその端面をワーク位置揃え面11bに当接させる際に、複数の線状ワークWのそれぞれの一端部を、ワーク支持面11aとワーク位置揃え面11bとの間の隅部に斜めに挿し入れることが好ましい。また、このとき、コンタクトプローブ16はオフセット待機位置に位置付けられ、視界を遮るものが存在しないので、線状ワークWの一端部の側面がワーク支持面11aに当接しているか否か、及び端面が位置揃え面に当接しているか否かを目視で確認することができる。
【0037】
次いで、スライドブロック17を前方に移動させて固定し、図10に示すように、コンタクトプローブ16を、オフセット待機位置からワーク挟持解除位置を経由してワーク挟持位置に位置付けることにより、プランジャー163の先端面とワーク支持面11aとの間で線状ワークWの一端部を挟持する。このとき、複数の線状ワークWのそれぞれの一端部は、コンタクトプローブ16のプランジャー163の先端面とワーク支持面11aとの間で個別に挟持されるので、ほぼ均等な力で保持されることとなる。また、図11に示すように、線状ワークWを軸支された一対の狭持部材21で挟持する構成の場合、狭持部材21が軸支位置を中心として回転するので、その回転作用によって線状ワークWの位置ずれが生じ易く、また、接触面積が小さいが、本実施形態に係るワーク保持具10では、コンタクトプローブ16のプランジャー163がワーク支持面11aの法線方向に移動して線状ワークWを挟持するので、線状ワークWの位置ずれを抑制することができる。
【0038】
続いて、図12に示すように、ワーク保持具10を一方の電極として、複数の線状ワークWを他端部側から電着ワニス30にディッピングして通電する。このとき、複数の線状ワークWのそれぞれは通電がなされて絶縁層が電着塗装される。複数の線状ワークWへの通電を同様の条件で行い、それによって電着塗装される絶縁層の厚さのバラツキを低減する観点からは、複数のコンタクトプローブ16のそれぞれを電極として、複数の線状ワークWへの通電を個別に相互に独立して行うことが好ましい。また、線状ワークW間の電界の相互作用を排除する観点からは、線状ワークW間を仕切ることが好ましい。
【0039】
そして、ワーク保持具10で保持した複数の線状ワークWを電着ワニスから引き上げた後、乾燥及び焼付けする。しかる後、スライドブロック17の固定を解除することにより、第1及び第2コイルばね12,14の付勢によってプローブヘッド15が上方及び後方に移動し、それによってコンタクトプローブ16が、ワーク挟持位置からワーク挟持解除位置を経由してオフセット待機位置に復帰し、一端部以外の部分の側面が電着塗装されて絶縁層で被覆された複数の線状ワークWを回収することができる。
【0040】
本実施形態に係るワーク保持具10によれば、複数の線状ワークWのそれぞれの一端部をコンタクトプローブ16のプランジャー163の先端面とワーク支持面11aとの間で個々に挟持するので、複数の線状ワークWを均等な力で保持することができる。そのため、これを用いた電着塗装では、複数の線状ワークWに均等な通電を行うことができ、その結果、電着被膜の厚さのバラツキを低く抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、複数の線状ワークを保持するのに用いられるワーク保持具、及びそれを用いた電着塗装方法について有用である。
【符号の説明】
【0042】
W 線状ワーク
10 ワーク保持具
11 ベース部材
11a ワーク支持面
11b ワーク位置揃え面
11c 有底孔
111 ベースプレート
111a 凹溝
111b コの字溝
112 位置規制プレート
112a 段差水平面
112b 段差垂直面
112c 後側側面
12 第1コイルばね
13 コアブロック
13a 下部前側側面
13b 後側側面
13c 有底孔
14 第2コイルばね
15 プローブヘッド
15a 凹部
15b 前側内壁
15c 後側内壁
15d 後側部分の上面
16 コンタクトプローブ
161 バレル
162 コイルばね
163 プランジャー
164 ソケット
17 スライドブロック
17a 突出部
17b 下面
18 天井板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて並行に設けられた複数の線状ワークの一端部の側面が当接して支持されるワーク支持面を有するベース部材と、
上記ベース部材の上記ワーク支持面に支持される複数の線状ワークに対応すると共に、各々、該ワーク支持面の法線方向に延びるように設けられた複数のピン状保持部材と、
上記複数のピン状保持部材を、それぞれの先端が上記ワーク支持面との間で線状ワークの一端部を挟持するワーク挟持位置と、該ワーク挟持位置から該ワーク支持面の法線方向に離間して線状ワークの一端部の挟持を解除するワーク挟持解除位置と、の間を移動させる保持部材移動手段と、
を備えたワーク保持具。
【請求項2】
請求項1に記載されたワーク保持具において、
上記ピン状保持部材がコンタクトプローブであるワーク保持具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたワーク保持具において、
上記ベース部材は、上記ワーク支持面に対して直交するように形成され上記複数の線状ワークの一端部の端面が当接して長さ方向に位置揃えされるワーク位置揃え面を有するワーク保持具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載されたワーク保持具において、
上記保持部材移動手段は、上記複数のピン状保持部材を、上記ワーク挟持解除位置と、該ワーク挟持解除位置から上記ワーク支持面に平行な方向にずれたオフセット位置と、の間を移動させるように構成されているワーク保持具。
【請求項5】
請求項1に記載されたワーク保持具を用いた電着塗装方法であって、
金属製の複数の線状ワークを、それぞれの一端部の側面を上記ベース部材の上記ワーク支持面で支持すると共に間隔をおいて並行に設け、次いで、上記保持部材移動手段により、上記複数のピン状保持部材を上記ワーク挟持位置に移動させることにより、それらのそれぞれの先端と該ワーク支持面との間で対応する線状ワークの一端部を挟持し、そして、上記ワーク保持具を電極として、該複数の線状ワークを他端部側から電着ワニスにディッピングして通電する電着塗装方法。
【請求項6】
請求項5に記載された電着塗装方法において、
上記ベース部材が上記ワーク支持面に対して直交するように形成されたワーク位置揃え面を有し、該ワーク位置揃え面に上記複数の線状ワークの一端部の端面を当接させて長さ方向に位置揃えする電着塗装方法。
【請求項7】
請求項6に記載された電着塗装方法において、
上記複数の線状ワークのそれぞれの一端部を、その側面を上記ベース部材の上記ワーク支持面で支持すると共にその端面を上記ワーク位置揃え面に当接させる際に、該複数の線状ワークのそれぞれの一端部を、該ワーク支持面と該ワーク位置揃え面との間の隅部に斜めに挿し入れる電着塗装方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載された電着塗装方法において、
上記複数の線状ワークへの通電を、上記複数のピン状保持部材のそれぞれを電極として個別に独立して行う電着塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−7198(P2012−7198A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142677(P2010−142677)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)