説明

ワーク支持装置

【課題】 ロッドの突出量を調節することでき、様々な形状のワークや変形し易いワークを安定的に支持できるようにする。
【解決手段】 開閉弁20を開位置に切り替え、作動媒体36が媒体室14から媒体室6に流れ込むようにすると、支持ロッド10は第1のピストン5の上面がカバー材7に当接する位置まで上昇する。次いで、支持ロッド10にワークを載置すると支持ロッド10は押し下げられ、ワークが所定の高さまで下降移動したときに、開閉弁20を閉位置に切り替えると媒体室6と媒体室14との間を作動媒体36が流動できなくなり支持ロッド10の移動は停止される。作動媒体36はワーク支持装置1の内部に封入されており外部に漏出するおそれがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワークを支持する支持ロッドの支持台からの突出量を調整することができるワーク支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物や被検査物などのワークに対し加工や検査などの所定の作業を行う際に、これらの作業の妨げとならないようにワークを下側から支持することができるワーク支持装置が用いられることがある。このワーク支持装置には、ワークの下側に当接してこれを下側から支持するロッドが往復動自在に組み込まれているものがあり、ワークを支持する際には所定の支持位置までロッドを突出させ、作業終了後には所定の退避位置までロッドを没入させることができるようになっている。加工や検査作業などの都合によりワークを水平状態で安定的に支持する必要があるときには、複数本のロッドを用いてワークを複数箇所で支持することがあり、この場合には、それぞれのロッドが接触する当接部分の凹凸に応じてロッド毎に支持位置つまりロッドの突出量を調節する必要がある。
【0003】
従来、特許文献1に開示される技術のように、底面が傾斜面となっているパッドをロッドの基端部に固定し、そのパッドの下側に配置されるくさび状ブロックをパッドの傾斜面に対して摺動させることによりロッドの突出量を調整するようにしたものがある。また、特許文献2に開示される技術のように、ロッドが固定されるピストンの下端面側に前進側の圧力室を区画形成し、その圧力室に外部に配置される作動油供給部から作動油を流し込むことによって、ワークに接触するまでロッドを突出させ、接触後に作動油の供給を停止することによりロッドの突出量を固定するようにしたものがある。
【特許文献1】特開平9−225764号公報
【特許文献2】実開平3−44534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される技術によると、くさび状ブロックを水平方向に移動させることによりロッドを上下方向に移動させることになるため、くさび状ブロックを移動させるためのスペースを水平方向に確保する必要が生じワーク支持装置が大型化してしまう。そのため、複数のロッドを狭い間隔で設置することが困難であり、凹凸の激しいワークや、薄く変形し易いワークを安定的に支持することが困難である。
【0005】
特許文献2に開示される技術によると、前進側の圧力室と外部に配置される作動油供給部とをパイプを用いて接続し、ロッドを突出させたいタイミングで作動油供給部からパイプを介して作動油を流し込むようにしているため、パイプの接続部などから作動油が漏出して周囲を汚染する可能性がある。また、前進側の圧力室に供給された油圧によってロッドがワークを下側から突き上げることになるため、ワークの支持位置が変動し易く、薄く変形し易いワークの場合には変形してしまうおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、ロッドの突出量を調節することでき、様々な形状のワークや変形し易いワークを安定的に支持することが可能なワーク支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のワーク支持装置は、第1のピストンが往復動自在に収容される第1のシリンダ室、および第2のピストンが往復動自在に収容される第2のシリンダ室を有する支持台と、前記第1のピストンに前記支持台から突出して取り付けられ、ワークを支持する支持ロッドと、前記第1のピストンにより区画形成される第1の媒体室と前記第2のピストンにより区画形成される第2の媒体室とに封入される非圧縮性の作動媒体と、前記第1の媒体室と前記第2の媒体室とを連通させ前記作動媒体を両方の前記媒体室相互間に案内する連通路と、前記第1と第2のピストンとともに前記支持ロッドに対して突出方向の押圧力を付勢する押圧部材と、前記連通路を閉じて前記支持ロッドを固定させる位置と前記連通路を開いて前記ロッドの移動を許容する位置とに作動する開閉弁とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明のワーク支持装置は、前記第1のシリンダ室および第2のシリンダ室を前記支持台に複数設け、それぞれの前記第1のシリンダ室に収容される前記第1のピストンのそれぞれに前記支持ロッドを取り付け、複数の前記支持ロッドによりワークを支持することを特徴とする。
【0009】
本発明のワーク支持装置は、前記開閉弁は前記連通路に連通して形成された弁収容孔にスプールが往復動自在に装着されたスプール弁であることを特徴とする。
【0010】
本発明のワーク支持装置は、前記支持ロッドに突出方向の押圧力を付勢する第1の押圧部材を前記第1の媒体室に組み込み、前記第2のピストンおよび前記作動媒体を介して前記支持ロッドに突出方向の押圧力を付勢する第2の押圧部材を前記支持台に設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ワークを支持する支持ロッドが取り付けられる第1のピストンを第1のシリンダ室に設ける一方、第2のシリンダ室に第2のピストンを設け、第1のピストンにより第1のシリンダ室に形成される媒体室と、第2のピストンにより第2のシリンダ室に形成される第2の媒体室に非圧縮性の作動媒体を封入するとともに両方の媒体室を連通路により連通させ、連通路を開閉弁により開閉するようにしたので、支持ロッドが所定の突出量となった状態で支持ロッドを固定することができる。したがって、支持ロッドの突出量を変化させることによりサイズが相違する複数のワークを支持ロッドにより支持することができる。
【0012】
本発明によれば、複数台のワーク支持装置を組み合わせると、複数の支持ロッドによりワークを多点で支持することができ、それぞれの支持ロッドの突出量を調節することにより、当接面が平坦でないワークや薄く変形し易いワークでも複数本のロッドで安定的に支持することができる。さらに、支持ロッドを突出させてから支持ロッドの先端部にワークを載置させることにより、支持ロッドがワークを下側から突き上げることがないため、ワークの支持位置が変動することがない。
【0013】
本発明によれば、作動媒体がワーク支持装置の内部に封入される構造となっているので作動媒体が外部に漏出して周囲を汚染することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明の一実施の形態であるワーク支持装置を示す断面図であり、図2は図1に示す第3のピストンが閉位置に移動した状態を示す拡大図である。
【0015】
このワーク支持装置1は直方体形状の支持台2を有しており、支持台2の上部には第1のシリンダ室3が区画形成されており、支持台2の下部には第2のシリンダ室4が区画形成されている。
【0016】
第1のシリンダ室3には第1のピストン5が上下方向に往復動自在に収容されており、第1のピストン5の下端面側は第1の媒体室6となっている。第1のシリンダ室3を区画形成するために嵌め込まれるカバー材7の底面は往復動する第1のピストン5のストッパ面となっており、図1に示すように、第1のピストン5がストッパ面に当接する位置が第1のピストン5の前進限位置となっている。第1のピストン5にはシール材8が装着されており、第1の媒体室6と外部との連通は遮断されている。
【0017】
カバー材7には貫通孔9が形成されており、その貫通孔9には支持ロッド10が上下方向に往復動自在に組み込まれ、支持ロッド10の基端部は第1のピストン5に固定されており、第1のピストン5の往復動と一体として支持ロッド10も往復動するようになっている。支持ロッド10の先端部は図示しないワークの下側に当接してワークを下側から支持するようになっている。
【0018】
媒体室6には、支持ロッド10の先端部を支持台2から突出させる方向に第1のピストン5を押圧する第1の押圧部材11が組み込まれており、図示する第1の押圧部材11は圧縮コイルばねであり、第1のピストン5は支持ロッド10を突出させる方向に押圧力が常時付勢されている。
【0019】
第2のシリンダ室4には第2のピストン12が往復動自在に収容されており、第2のピストン12は、第1のピストン5とにより対となってピストン対を構成している。第2のピストン12の下端面側はばね室13となっており上端面側は媒体室14となっている。第2のピストン12には、第1のピストン5と同様、シール材15が装着されており、ばね室13と媒体室14との連通は遮断されている。ばね室13には、媒体室14の容積を小さくする方向に第2のピストン12を押圧する第2の押圧部材16が組み込まれている。図示する第2の押圧部材16は、第1の押圧部材11と同様、圧縮コイルばねであり、第2のピストン12は媒体室14の容積を小さくする方向に常時付勢されている。支持台2には、第2のシリンダ室4を区画形成するとともに第2の押圧部材16を支持するカバー材17が嵌め込まれており、カバー材17にはブリード孔18が形成されている。
【0020】
支持台2には第1の媒体室6とこれと対をなす第2の媒体室14とに連通する連通路19が形成されており、更に、この連通路19を開閉する開閉弁20が支持台2に組み込まれている。開閉弁20は、支持台2に連通路19を横断させて形成された取付孔に嵌合するスリーブ21と、このスリーブ21の弁収容孔内に軸方向に往復動自在に装着されたスプール22とを有するスプール弁であり、スプール22は対をなす2つの媒体室6,14を相互に連通させる開位置と連通状態を遮断する閉位置との2位置に切り替わるようになっている。スプール22の一端面側にはばね室23が区画形成され、他端面側には図2に示されるように圧力室24が区画形成されるようになっている。
【0021】
図示する場合には、ばね室23には、スプール22を開位置に移動させる方向にスプール22を押圧する押圧部材25が組み込まれており、この押圧部材25は、第1及び第2の押圧部材11,16と同様に圧縮コイルばねであり、この押圧部材25によりスプール22には開位置に移動する方向に常時付勢されている。支持台2には、ばね室23を区画形成するとともにスプール22の端面に当接するカバー材26が嵌め込まれており、カバー材26にはブリード孔27が形成されている。
【0022】
圧力室24には、切替ポート28が形成されており、その切替ポート28には可変しぼり29及び切替弁30を介して空気圧源31が接続されている。切替弁30は切替ポート28に圧縮空気を供給する供給位置と圧縮空気の供給を停止して圧力室24を大気解放する供給停止位置との2位置に切り替えられるようになっており、切替弁30を供給位置に移動させると圧力室24に圧縮空気が供給され、スプール22が押圧部材25の付勢力に抗して閉位置に移動するようになっている。一方、切替弁30を供給停止位置に移動させると、スプール22が押圧部材25の押圧力により開位置に移動して圧力室24内の圧縮空気を外部に排出するようになっている。
【0023】
スプール22には、開位置にあるときに連通路19の連通状態を確保する連通溝32が外周面上に沿って形成されており、その連通溝32とばね室23及び圧力室24との連通を遮断するシール材33,34が連通溝32の両側に装着されており、閉位置にあるときに連通路19と圧力室24との連通を遮断するシール材35が端部に装着されている。
【0024】
このように、シール材33〜35によって外部との連通が遮断された状態となっている第1の媒体室6、第2の媒体室14および連通路19には非圧縮性の作動媒体36が封入されている。この作動媒体36としては、油液等の液体が使用されている。作動媒体36は、それぞれの媒体室6,14に連通路19を介して封入されているので、例えば、支持ロッド10にこれを後退移動させるように外力が加わって、第1のピストン5が下降移動して媒体室6の容積が減少すると、その容積減少分に対応する作動媒体36が媒体室14に流入して第2のピストン12を押圧し媒体室14の容積を増加させる。また、支持ロッド10にこれを後退移動させる方向の外力が加わらなくなると、第1の押圧部材11により支持ロッド10にはこれを突出する方向の押圧力が付勢され、第2の押圧部材16により第2のピストン12および作動媒体36を介して支持ロッド10にはこれを突出する方向の押圧力が付勢されているので、押圧力によって支持ロッド10は支持台2の外部突出する方向に前進移動する。このときには、第2の媒体室14内の作動媒体36が第1の媒体室6に流入する。つまり、対をなす第1と第2のピストン5,12は作動媒体により同期して軸方向に移動するようになっている。なお、それぞれ押圧手段としての2つの押圧部材11,16のうち一方を取り除いても支持ロッド10に対して前進方向の押圧力を付勢することはできる。また、ばね室13を圧力室としてこの中に圧縮空気を供給したり封入したりすることにより、空気などの圧縮性の流体を押圧手段とすることも可能である。
【0025】
次に、このワーク支持装置1の作動について説明する。まず、ワークを載置する前に、切替弁30を停止位置に切り替えると、圧力室24には圧縮空気が供給されず、スプール22は開位置に切り替わって、対をなす2つの媒体室6,14が連通路19を介して連通する。これにより、2つの媒体室6,14とに作動媒体36が流動することができるようになり、支持ロッド10は2つの押圧部材11,16により第1のピストン5がカバー材7に当たるまで前進移動し、作動媒体36は媒体室14から媒体室6に流れ込むことになる。このとき、作動媒体36はシール材8,15,33〜35のそれぞれによって外部に流出することはない。
【0026】
支持ロッド10の先端に図示しないワークが載置されると、支持ロッド10には、2つの押圧部材11,16に抗する方向にワークの自重が作用し、作動媒体36が媒体室6から媒体室14に流れ込むことによって支持ロッド10が押し下げられることになる。このとき、連通路19及び連通溝32の流路断面積が小さく設定されていると単位時間当たりの作動媒体36の流量も僅かなので、支持ロッド10は少しずつ押し下げられることになる。
【0027】
支持ロッド10が所定の位置まで押し下げられたときに、切替弁30を供給位置に切り替える(図2参照)と、圧力室24には圧縮空気が供給されてスプール22が閉位置に切り替わって、連通路19が閉じられて2つの媒体室6,14の連通が遮断される。これにより、2つの媒体室6,14の間を作動媒体36が流動できなくなり、支持ロッド10の移動は停止される。このとき、作動媒体36はシール材8,15,33〜35のそれぞれによって外部に流出することはない。このように、切替弁30を所定のタイミングで供給位置に切り替えることにより、ワークを所定の高さで支持することができる。ワークに対して加工や検査作業などの所定の作業を終えた後は、支持ロッド10からワークを取り除くとともに、切替弁30を閉位置に切り替えると、2つの媒体室6,14の間で作動媒体36を流動させることができ、第1のピストン5及び支持ロッド10のそれぞれを前進限位置まで上昇移動させることができる。
【0028】
図3は本発明の一実施の形態であるワーク支持装置を示す斜視図であり、図4は図3に示すA−A線に沿う方向の断面図である。なお、図3および図4において図1に示す部材と共通する部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0029】
図3に示すワーク支持装置37は、図1に示したワーク支持装置1を1ユニット1aとしてこれを組み合わせることにより構成されており、これらは基台プレート38の上に配置されている。基台プレート38には3行×4列のマトリックス状に合計12のユニット1aが配置されている。したがって、このワーク支持装置37は、第1のピストン5と第2のピストン12とからなるピストン対が12対設けられ、対をなす第1と第2の媒体室6,14も12対設けられており、それぞれの媒体室6,14には独立して作動媒体36が封入され、開閉弁20も12カ所の連通路19に対応させて12個設けられている。
【0030】
基台プレート38上に配置されるユニット1aの配置台数は、このワーク支持装置37の一例であり、支持されるワークWの形状などに応じて、任意の台数のユニット1aを基台プレート38に配置することができる。したがって、ワーク支持装置1とほぼ同一構造のユニット1aの組み合わせ台数を変化させることにより、任意のサイズのワークを支持するように種々のサイズのワーク支持装置37を組み立てることができる。ただし、例えば図3に示すユニット個数の支持台2に対応するサイズの1つのブロック材を共通の支持台としてこれに対応する数のユニット1aを構成する支持ロッド10やピストン5,12等を組み込むようにしても良く、そのブロック材に基台プレート38に対応する部分を一体に設けるようにしても良い。
【0031】
このワーク支持装置37における各々のユニット1aは、切替ポート28から基台プレート38に向けて伸び底面に開口する連通流路39が形成されている点を除き、図1及び図2に示すワーク支持装置1と同一の構造となっている。基台プレート38の内部には、図3に示すように基台プレート38の側面に開口する共通流路40と、その共通流路40から分岐して連通流路39のそれぞれに接続される分岐流路41とが形成されており、共通流路40の一端部には共通ポート42が形成されている。この共通ポート42には可変しぼり29及び切替弁30を介して空気圧源31が接続されており、切替弁30を開いて圧縮空気を共通ポート42に供給することによって、共通流路40及び連通流路39を介してそれぞれの圧力室24に同時に圧縮空気を供給することができるようになっている。このように、図3および図4に示すワーク支持装置37においては、1つの切替弁30により同時に全ての開閉弁20を作動させることができる。なお、共通流路40の他端部は図示しない閉塞部材により封止される。
【0032】
このようなワーク支持装置37においては、複数本の支持ロッド10を用いて種々のワークWを安定的に支持することができる。例えば、ワークWの下面つまり支持ロッド10が当接する当接面がA−A線に沿う部分で段階的に変化していても、それぞれの支持ロッド10の突出量を調節することにより、ワークWをその上面が水平となるように安定的に支持することができる。すなわち、ワークWを載置する前に、切替弁30を停止位置に切り替えると、図1に示すワーク支持装置1と同様、個々のユニット1aの圧力室24には圧縮空気が供給されず、12個の全てのスプール22は開位置に切り替わって、対をなすそれぞれの媒体室6,14が連通路19を介して連通する。これにより、作動媒体36は媒体室14からそれぞれの媒体室6に流れ込むことになり、それぞれの支持ロッド10は、第1のピストン5の上面がそれぞれのカバー材7に当接する前進限位置まで上昇移動する。
【0033】
次いで、支持ロッド10の先端部に対してワークWを載置すると、支持ロッド10にはワークの自重が作用して、それぞれの支持ロッド10は少しずつ押し下げられることになる。このとき、それぞれの支持ロッド10は当接する部分のワークWの厚みに対応して押し下げられることになる。なお、ワークWを載置する際には、支持ロッド10に対して表面が水平となるようにしてワークWを押し付けるようにしても良い。
【0034】
図4に示すように全ての支持ロッド10の先端部がワークWに当接した状態のもとでワークWが所定の高さまで下降移動したときに、切替弁30を供給位置に切り替える。これにより、それぞれ対をなす媒体室6,媒体室14の間を作動媒体36が流動できなくなり、それぞれの支持ロッド10の移動は停止され、複数本の支持ロッド10を用いてワークWを安定的に支持することができる。
【0035】
ワークWに対して所定の作業を終えた後は、支持ロッド10からワークWを取り除くとともに、切替弁30を閉位置に切り替えると、第1のピストン5及び支持ロッド10のそれぞれを前進限位置まで上昇移動させることができる。
【0036】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、スプール22の切替動作を圧縮空気に代えて油圧により行うようにしても良い。前記実施の形態においては、第2のピストン12は上下方向に往復動自在に収容されているが、これを水平方向に往復動自在に収容するようにしても良い。一方、スプール22は水平方向に往復動自在に収容されているが、これを上下方向に往復動自在に収容するようにしても良い。
【0037】
前記実施の形態においては、ばね室23には押圧部材25が組み込まれているが、圧縮空気をばね室23内に供給することによってスプール22を押圧するようにしても良い。このときは、圧力室24にコイルばねなどの押圧部材を組み込むようにしても良い。また、負圧空気を供給することによってスプール22を往復動するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態であるワーク支持装置を示す断面図である。
【図2】図1に示す開閉弁が閉位置に移動した状態を示す拡大図である。
【図3】本発明の他の実施の形態であるワーク支持装置を示す斜視図である。
【図4】図3に示すA−A線に沿う方向の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ワーク支持装置
2 支持台
3 第1のシリンダ室
4 第2のシリンダ室
5 第1のピストン
6 媒体室
7 カバー材
8 シール材
10 支持ロッド
11 第1の押圧部材
12 第2のピストン
13 ばね室
14 媒体室
15 シール材
16 第2の押圧部材
17 カバー材
19 連通路
20 開閉弁
21 スリーブ
22 スプール
23 ばね室
24 圧力室
25 第3の押圧部材
26 カバー材
32 連通溝
33〜35 シール材
36 作動媒体
37 ワーク支持装置
38 基台プレート
39 連通流路
40 共通流路
41 分岐流路
42 共通ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のピストンが往復動自在に収容される第1のシリンダ室、および第2のピストンが往復動自在に収容される第2のシリンダ室を有する支持台と、
前記第1のピストンに前記支持台から突出して取り付けられ、ワークを支持する支持ロッドと、
前記第1のピストンにより区画形成される第1の媒体室と前記第2のピストンにより区画形成される第2の媒体室とに封入される非圧縮性の作動媒体と、
前記第1の媒体室と前記第2の媒体室とを連通させ前記作動媒体を両方の前記媒体室相互間に案内する連通路と、
前記第1と第2のピストンとともに前記支持ロッドに対して突出方向の押圧力を付勢する押圧手段と、
前記連通路を閉じて前記支持ロッドを固定させる位置と前記連通路を開いて前記ロッドの移動を許容する位置とに作動する開閉弁とを有することを特徴とするワーク支持装置。
【請求項2】
請求項1記載のワーク支持装置において、前記第1のシリンダ室および第2のシリンダ室を前記支持台に複数設け、それぞれの前記第1のシリンダ室に収容される前記第1のピストンのそれぞれに前記支持ロッドを取り付け、複数の前記支持ロッドによりワークを支持することを特徴とするワーク支持装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のワーク支持装置において、前記開閉弁は前記連通路に連通して形成された弁収容孔にスプールが往復動自在に装着されたスプール弁であることを特徴とするワーク支持装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワーク支持装置において、前記支持ロッドに突出方向の押圧力を付勢する第1の押圧部材を前記第1の媒体室に組み込み、前記第2のピストンおよび前記作動媒体を介して前記支持ロッドに突出方向の押圧力を付勢する第2の押圧部材を前記支持台に設けることを特徴とするワーク支持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate