説明

一つ以上の電極を通して電磁線により木材を処理するための方法

【課題】木材の流体処理のための方法を提供する。
【解決手段】この方法は、木材を気密タンク内に置く工程、気密タンクを排気して木材のための減圧環境を確立する工程、流体を木材に付与する工程を含む。この方法は、気密タンクを加圧して木材のための加圧環境を確立する後続工程をさらに含むことができる。この方法は木材を後続加熱に供する後続工程、及び/または一つ以上の電極を通して木材を電磁線による事前加熱に供する事前工程をさらに含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明では、種々の工程で供給される減圧、高圧、及び加熱を含む、木材の流体処理のための方法が提案される。さらに、この方法は木材の熱処理のため、例えば乾燥の目的のために採用されることができる。
【背景技術】
【0002】
木材工業において、木材が特定の特質または特徴(例えば微生物に対する抵抗性、天然流体の低い含有量、変更された構造特性、または特別な色)を得るために処理されることは一般的である。しかし、木材処理の共通のコストのかかる問題は木材のそりであり、それは二つの主要な影響により説明される。第一に、そりは収縮異方性の結果であることができ、へこみ、弓そり、及びひねりをもたらす。第二に、そりは不均一乾燥の結果であることができ、破裂、外部及び内部の割れ、及び裂け目のような構造的損傷を導く。
【0003】
木材処理の一つの共通の工程は木材製品の加熱を含み、それは様々な形の電磁線を付与することにより達成されることができる。最短波長では、製品は赤外線により照射され、そこでは熱は対流または伝導を通して表面から製品の内部に到達する。マイクロ波線がまた、加熱のために付与されることができ、そこでは温度は製品の直接誘電加熱を通して上昇される。これは付与エネルギーのより深い侵入を与える。最長波長では、製品は高周波無線放射を受けさせられ、それはまた、誘電加熱を通して温度を上昇するが、マイクロ波線の侵入と比較してより深い侵入を持ち、それにより均一な加熱を可能にする。
【0004】
金属の場合、高周波無線放射は渦流を誘発し、それは物質を加熱するであろう。この電磁誘導加熱は、もし金属が強磁性であるなら最も効率的であり、それは鋼の幾つかの工業上のタイプに対しても当てはまる。
【0005】
減圧乾燥は木材処理の別の一般的な方法であり、そこでは製品は誘電加熱を受けさせられる。減圧処理の一般的な付与の例として、米国特許第5575083号を参照されたい。減圧は沸点を低下させ、一方で電磁界は温度を上昇させ、これらの技術を組合わせると、より効率的な乾燥をもたらす。
【0006】
木材処理内の別の一般的な工程は、高圧環境内での流体、例えば防腐剤による含浸を伴う。ここでは、電磁線による加熱、減圧処理及び高圧処理の工程を組合わせることにより、比較的多量の流体が木材の構造に添加されることを可能にする方法が提案される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明による目的は、木材の内部構造に流体を添加する方法を提供することである。本発明の特別な特徴は、木材に流体を供給した後の加熱によって、多量の流体が木材の内部構造に添加されることを可能にすることである。本発明の持つ利点は比較的多量の防腐液が木材に添加されることを可能にすることである。本発明による別の目的は、例えば、多量の流体が木材に添加されることを可能にするように木材の水含有量を低下させる目的のため、木材を熱で処理するための方法を提供することである。本発明の別の特別な特徴は、木材のそりを生じさせることなく流体及び/または熱処理を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的、上記の利点及び上記の特徴に加えて、多数の他の目的、利点及び特徴が、本発明による好適な実施態様の以下に与えられる一般的及び詳細な説明から明らかとなるであろう。それらの目的、利点及び特徴は、本発明の第一態様によれば、木材を気密タンク内に置き、気密タンクを排気して木材のための減圧環境を確立し、木材に流体を付与する工程を含む、木材の流体処理のための方法により得られる。
【0009】
減圧環境が確立されると、木材の内部と減圧環境の間に圧力差が存在するであろう。天然流体、例えば水と空気は、圧力差のため木材内から追い出されるであろう。そこでは木材内の流体のための天然通路及び導管が障害物を取り除かれることができ、木材中への流体のより容易な戻りを可能にする。さらに、圧力差は木材の構造に顕微鏡的破裂を作るかもしれず、それはそうでなければ達成不可能な木材の部分への流体の到達を可能にするであろう。これらの工程は、木材の内部圧力が減圧環境の圧力と平衡状態になるまで続く。木材内の天然流体の量が低下されるので、別の流体を吸収する木材の親和力は著しく増加される。
【0010】
減圧環境で流体が木材に添加されるとき、流体は、木材に対して天然であるガスまたは液体で満たされる木材構造の中空部に到達しかつ満たすことができる。これは、流体の侵入が増加し、それにより木材の構造内により多い量の液体を与えるので、明らかな利点である。
【0011】
木材は幾つかの部品、例えば角材、板材または板、心材または白太(しらた)板、仕上げまたは未仕上げ板、厚板または外側板、2分の1または4分の1製材、及び/または丸身を持つ板を構成することができる。さらに、木材は、木材の一つの部品の平坦面が木材の別の部品の平坦面に並置されるように配置されることができる。木材は幾つかの層に積み重ねられることができ、そこでは各層の木材部品は共通の縦方向を規定する。共通の縦方向は、全ての層に対し同じであることができ、または、それは隣接層に対し垂直であることができる。
【0012】
気密タンクは、凸状端キャップを持つ円筒状の形を持つことができる。ここで、気密は、長期に渡る減圧環境及び加圧環境の両方に耐える能力を持つものとして理解されることができる。当然、気密タンクは、タンク中に積み重ねられた木材の繰返しの配置または除去を可能にするために、ドア、または同様な機能を持つ工夫を持つことができる。タンクは加圧環境に耐えるべきであるので、特にもしドアが気密タンクの内部から外向きに開くなら、例えばナットとボルトによりドアをタンクに封止する方策が取られなければならないかもしれない。
【0013】
流体は液体または気体であることができるが、好ましくは液体であることが強調されるべきである。
【0014】
本発明の第一態様による方法は、木材に対する加圧環境を確立するために気密タンクを加圧する工程をさらに含むことができ、そこでは加圧工程は流体付与工程と同時に及び/またはそれに続いて行なわれる。加圧環境は、周囲雰囲気の圧力と同じかまたはそれより大きい圧力を持つことができる。減圧環境の圧力から増加した圧力により、流体は木材構造の中空部中に押しやられるであろう。それにより木材のより高い飽和が達成されることができる。当然、圧力が高いほど、より多くの流体が木材中に押しやられるであろう。提案された方法は過飽和に達するであろうことが可能であり、従って加圧環境の圧力が周囲雰囲気のそれと均しくされるとき、流体は木材から追い出されるであろう。
【0015】
本発明の第一態様による方法は、一つ以上の電極を通して電磁線により木材を後続加熱に供する工程をさらに含み、後続加熱は流体を付与する工程と同時に及び/またはそれに続いて行なわれる。もし気密タンクを加圧する工程が実施されるなら、後続加熱は、加圧の前に、それと同時に、及び/またはそれに続いて行なわれることができる。流体が液体である場合に対しては、木材の加熱は、木材内の液体が加熱され、それにより液体の粘度が低下するという利点、及び液体が木材構造中にさらに侵入することができるという利点を持つかもしれない。当然、この効果はまた、液体の予熱により得られることができる。しかしながら、これは、液体の蒸気圧が、それが減圧環境に入るときに大きいという不利を持つかもしれず、それは希望の減圧を維持することを困難にする。後続加熱はまた、木材の内圧を増加するかもしれず、それは到達していなかった液体を中空部中に押しやるかもしれない。
【0016】
流体が液体である場合に対しては、液体は加熱により硬化されることができる物質であることができ、それはその粘度を著しく増加する。当然、この種類の液体に対しては予熱は非常に不都合であるかもしれない。なぜなら増加した粘度は木材の構造中への液体の侵入能力を減少するからである。提案された方法により、木材は液体により飽和されまたは注入されることができ、それは次いで加熱により木材構造内で硬化される。
【0017】
木材を処理する方法は、一つ以上の電極を通して電磁線によって木材を事前加熱に供する工程をさらに含むことができ、そこでは事前加熱は流体を付与する工程の前に及び/またはそれと同時に行なわれる。この事前加熱は、気密タンクを排気する工程の前に、それと同時に、及び/またはそれに続いて行なわれることができる。事前加熱は、減圧環境の圧力に対して木材の内圧を増加するという利点を持つことができる。それにより、天然流体、例えば水と空気は圧力差のために木材内から追い出されることができ、そこでは木材内の流体のための天然通路及び導管が障害物を取り除かれることができ、木材中への流体のより容易な戻りを可能にする。さらに、圧力差は木材の構造に顕微鏡的破裂を作るかもしれず、それを通して天然流体が逃げることができ、かつ他の流体が入ることができる。木材内の天然流体の量が低下されるので、木材の別の流体を吸収する親和性は増加される。事前加熱は、減圧環境で実施されるときに特に有利であることができる、なぜなら低圧は木材に対して多少とも事前加熱と同じ効果を持つことができ、二つの工程作業を結合させることができるからである。さらに、減圧環境はまた、追い出された天然液体の沸点を低下し、それらを気密タンクから減圧ポンプの作用により除去することを容易にする。
【0018】
後続加熱で採用された一つ以上の電極及び事前加熱で採用された一つ以上の電極は同じであることができる。これに代えて、電極の幾つかまたはすべては同じでないこともできる。
【0019】
減圧環境は、流体に付与する前の事前ガス圧、及び流体に付与すると同時の及び/またはそれに続く後続ガス圧を規定することができ、事前ガス圧に対する後続ガス圧の比は約1から約2の範囲であることができる。このようにして圧力の増加を限定することにより、天然流体、特に空気と水蒸気が木材の構造中に押し戻されないことが保証され、それは流体が木材内の中空部に達するのを妨げるであろう。
【0020】
加圧環境は約1barから約12barの範囲のガス圧を持つことができ、それは本発明の第一態様による流体処理のための提案された方法を実施するときに特に有利なパラメーター範囲であることが見出された。
【0021】
木材は流体中に完全に浸漬されることができ、それは、流体があらゆる面から木材に入ることができるという利点を持つことができる。機械加工された木材、例えばのこぎりでひいた、かんなをかけた、または旋盤にかけた木材の場合に対しては、流体のための毛管及び天然通路の開口は木材の全ての加工された表面上に見出されることができる。さらに、機械加工は木材のあらゆる機械加工表面に小さなまたは顕微鏡的破裂を作ることができる。従って、木材が流体内に完全に沈められるとき、その天然の通路及び顕微鏡的破裂を通してより多くの流体が木材構造に入ることができる。これに代えて、流体が液体である場合に対しては、木材の機械加工された表面が液体の表面の下にあるように木材が液体に浸漬されることができる。
【0022】
流体は、気密タンクと相互連結された液溜めに貯蔵されることができる。これは、排気するときに気密タンクが流体を含まないことを可能にするという利点を持ち、もし流体が液体であるなら、液体からの蒸気が減圧環境を得がたくするであろう。さらに、それはまた、事前加熱が気密タンク内に何らの流体なしに実施されることができるという利点を持ち、それはそうでなければ幾つかの欠点を持つかもしれない。例えば、液体は減少した粘度を持って固まるかもしれず、または沸騰し始めて、確立した減圧を維持し難くするかもしれない。さらに、液溜めは流体の液溜めから気密タンクへの流れを確立及び/または増加するために加圧されることができる。もし流体が液体であるなら、これは、もし液体の粘度が高いなら特別な利点であることができる。さらに、液溜め内に確立された圧力は気密タンクを加圧する後続工程で採用されることができる。
【0023】
流体は防腐流体、染料、または特別な化学化合物、または化学化合物の混合物であることができる。一例として、流体はモノエチレングリコールにおけるジナトリウムオクタボレート−テトラボレートの20%溶液であることができ、またはそれは亜麻仁油系塗料であることができる。これに代えて、流体は木材の水含有量を増加するために供給される液状の水であることができる。
【0024】
本発明の目的、利点及び特徴は、本発明の第二態様によれば、木材の熱処理のための方法により得られ、それは木材を気密タンク内に置き、気密タンクを排気して木材のための減圧環境を確立し、一つ以上の電極を通して電磁線による加熱に木材を供する工程を含む。この方法の直接の利点は、木材の水含有量が低下されることでありうる。これは減圧環境と加熱を組合せることにより達成される。これらの両者は木材の内部と気密タンクの内部の間の圧力差を増加することに貢献するであろう。天然流体、例えば水と空気は木材内から圧力差のため追い出されるであろう。そこでは木材内の流体のための天然通路及び導管は障害物を取り除かれることができ、天然流体の木材からのより容易な脱出を可能にする。さらに、圧力差は木材の構造に顕微鏡的破裂を作るかもしれず、それを通して天然流体は脱出することができる。これらの工程は、木材の内圧が減圧環境の圧力と平衡状態になるまで続く。加熱は木材の構造的及び化学的性質を変えることができるので、加熱は本質的に利点であることができ、それはまた、木材を虫に対してさほど食欲をそそらせず、または木材により有利な湿分平衡を与えることができる。
【0025】
本発明の第一及び第二態様による方法は幾つかの追加の特徴または要素を持つことができる。減圧環境は約0.04barから約0.1barの範囲のガス圧力を持つことができる。この圧力範囲は、流体及び熱処理の両方のために特に有利であることが示されている。
【0026】
木材は複数の層を含むことができ、一つ以上の電極のうちの一つの電極は複数の層の二つの隣接層間に置かれる。これは、積み重ねた木材片の本体内への電極の配置を可能にする。電磁線は通常、放射電極の最も近くで最も強いので、これは加熱をより効率的にすることができる。さらに、積み重ねられた木材片の本体内への幾つかの電極の配置は、均一な加熱が得られるように、すなわち全ての木材片が本質的に同じ加熱を受けるように最適化されることができる。電極は長方形形状のものであることができ、かつ木材の層と同一平面の関係で置かれることができ、またはそれらは狭くて長い形状を持つことができる。追加的にまたは代替的に、木材は複数の層を含むことができ、一つ以上の電極のうちの一つの電極は複数の層の全ての二つの隣接層の間に置かれることができ、それは均一かつ効率的な加熱を可能にする。電極は複数の層間のスペーサーの追加機能を持つことができる。さらに、電極は、木材の二つの隣接層間に構成される平坦表面に本質的に等しいまたはそれより小さい長方形表面を規定することができる。
【0027】
一つ以上の電極は反対の極性を持つ二つの群の電極を構成することができる。この特別な特徴を持つ一つの利点は、電極及び関連する電力/周波数供給源の、並びに電気伝導性の気密タンクの閉じ込められた空間内の望ましくない共振が避けられまたは減らされることができることでありうる。当然、共振はまた、積み重ねられた木材片の三次元体の幾何学的配置、並びに電極及び気密タンクの形状に依存する。さらに、反対の極性の電極を持つことにより、木材を通過する電流をもたらすことができ、それは電磁線からの加熱に加えて木材の抵抗加熱を起こすであろう。追加的にまたは代替的に、一つ以上の電極の二つの隣接電極は反対の極性を持つことができる。この特別な特徴を持つ一つの利点は、それが木材を通過する電流の確率を、特にもし気密タンク及び木材のための支持体が接地されているなら、増加することである。反対の極性を持つ電極はそれらの間の木材片と共に置かれることができ、それはこの木材片の特に効率的な加熱を与えるであろう。もし全ての電極が同じ極性を持つなら、電流が最も小さな接地抵抗の経路に従う確率が高くなり、それは抵抗加熱のためには有利でないかもしれない。
【0028】
電磁線は約10から約30MHzの範囲の周波数を持つことができ、好ましくは約13.56MHzまたは約27.12MHzの周波数を持つことができる。木材の加熱はこれらの周波数で特に効率的であることが示されている。
【0029】
本発明の第一及び第二態様による方法は、木材の変形を防ぐための圧縮システムにより木材上への機械的圧力を確立する工程をさらに含むことができる。この特別な工程は、提案された方法の前述の工程のいずれかの前に、それと同時に、またはそれに続いて行なうことができる。機械的圧力を確立する工程は、事前加熱の前に、及び/または流体を付与する工程の前に行なうことができる。追加的にまたは代替的に、機械的圧力は後続加熱に継続される時点まで維持されることができる。機械的圧力の一つの利点は、木材が特に加熱により処理されるときにそれが木材のそりを防ぐことである。機械的圧力による別の利点は、木材の構造的性質、例えば引張強さが改善されることでありうる。さらに、機械的圧力は木材の容積を減らすために採用されることができる。木材の物理的寸法の一つの50%までの木材の圧縮を達成することができることが示されている。好ましくは、圧縮は木材の繊維の自然方向に垂直な方向を持つ。
【0030】
木材は平坦面を規定するように配置されることができ、圧縮システムは機械的圧力を平坦面の部分に渡ってまたは平坦面の全体に渡って分散するための平坦圧縮板を含む。この特別な特徴は、一次元の木材のそりを防ぐことができるという利点を持つ。好ましくは、平坦圧縮板は木材の繊維の自然方向に平行である。追加的にまたは代替的に、木材は直角の四つの平坦面を規定するように配置されることができ、圧縮システムは四つの平坦面を通して機械的圧力を確立するために複数の平坦圧縮板を含む。一例として、一対の水平な圧縮または支持板は、本質的に垂直な法線を持つ木材に機械的圧力成分を規定し、一方で一対の垂直な圧縮または支持板は、水平な法線を持つ木材に機械的圧力成分を規定する。この特別な特徴は、木材の二次元のそりを防ぐことを可能にする利点を持つ。好ましくは、圧縮板は木材の繊維の自然方向に平行である。
【0031】
圧縮システムは、機械的圧力の一部または全部を確立するためのクランプを含むことができる。この特徴は、気密タンク上のいずれかの永久的に取り付けられた装置に依存しない機械的圧力を可能にする。例えば、クランプは、木材が気密タンク内に置かれる前に木材に対して使用されることができ、上述の処理方法の一つの完了後に最初に除去されることができる。これに代えて、クランプは、完了後、二時間で、二日で、または二週間で除去されることができる。それにより、木材のそりは、気密タンクを占領することなしに長期にわたり防がれることができる。
【0032】
クランプの代替またはクランプへの追加として、圧縮システムは、機械的圧力を提供するための液圧式または空気圧式圧縮機を含むことができる。これは、機械的圧力が木材の処理中に変えられることができるという利点を持つ。木材の収縮または膨張は木材処理の共通現象であり、液圧または空気圧を伴う圧縮システムはこれらの効果を調整することができる。例えば、もし木材が収縮するなら、平坦圧縮板は木材との物理的接触を維持するように動かされることができ、それは一定の機械的圧力を可能にする。
【0033】
さらに、少なくとも一つの平坦圧縮板は一つ以上の電極の一つの電極の機能を追加して持つことができる。この特徴は、もし木材の境界からの加熱が好ましいなら、例えばもし木材が少数の層または単一層を規定するのみであるなら、利点を与えることができる。
【0034】
圧縮システムは、機械的圧力を提供するために、そしてさらに気密タンクを排気するために空気圧式真空ポンプを含むことができる。追加的にまたは代替的に、圧縮システムは機械的圧力を確立及び分散するための膨張可能な袋を含むことができ、またはそこでは圧縮システムは代替的に機械的圧力を確立するためのピストンまたはベローを含む。
【0035】
本発明の一つの目的は、製品、特に木材の硬化及び乾燥のための新しい多段階工程を提供することである。個々の工程では、木材は、[1]交番磁界、[2]高周波無線放射、及び[3]マイクロ波線を受けさせられる。工程[2]と[3]では木材要素は減圧タンク内に置かれることができる。これらの工程は前記順番で実施されるが、それらの一つ以上は方法から除外されることができる。
【0036】
この新しい方法の従来技術に対する利点は、それが木材のより効率的かつ均一な加熱を提供することであり、それにより、最終製品に負の構造的影響を全くなしに硬化または乾燥のために必要な時間を短くする。方法は、寸法、水分含有量及び補強スペーシングのような種々の木材性質に対し上述の工程のそれぞれにおける時間及び付与電力を変えることにより最適化されることができる。さらに、工程[1]と[2]の誘導磁界、すなわち磁界及び高周波無線磁界の周波数は、硬化及び乾燥のためのより有利な加熱を達成するために変えられることができる。
【0037】
製品の中心に接近して置かれた鋼棒補強の場合に対して、磁気誘導[1]は要素をその中心から加熱するであろう。高周波無線放射[2]は、補強材中の電磁誘導を通して及び製品の直接誘電加熱によっての両者で加熱を誘発するであろう。前者は要素をその中心から加熱するであろうが、一方、後者に対しては加熱は要素の表面で最強である。マイクロ波線[3]は、表面の近くで最強である誘電加熱を誘発するであろう。明らかに、たとえ非常に不均一な媒体であるとしても、鋼棒補強製品の温度は、上に示唆した多段工程により均一に増加されることができる。
【0038】
製品全体を通して均一に分散されかつ鋼または炭素のような導電性材料から製造された、小さな繊維、フック及びリングのような他の種類の補強材に対して、工程[1]と[2]における加熱はより均一な様式で分散されることができ、工程の一つを時代遅れにする。
【0039】
わずかに異なる見方をすると、本発明の一つの目的は、製品を減圧環境で高周波無線放射に供することによって製品の乾燥のための新しい方法を提供することである。この新しい方法の従来技術に対する利点は、それがより効率的な乾燥を提供することであり、それによりその方法のために必要な時間を短くする。この方法は、寸法、水分含有量、金属含有量、及び金属片の存在のような異なる製品性質に対し時間及び付与される加熱電力を変えることにより最適化されることができる。さらに、高周波無線放射の周波数は、より有利な加熱を達成するために変えられることができる。
【0040】
もし金属成分が製品中にあるなら、高周波無線放射は金属の電磁誘導を通して及び直接誘電加熱によっての両者で加熱を誘発するであろう。前者は、製品を金属成分が位置しているところから加熱するであろうし、一方、後者に対しては加熱は製品の表面で最強である。金属成分は、製品全体を通して均一に分散されることができる、繊維、フック及びリングのような小さな物体であることができ、それにより加熱をより均一な様式で分散する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明による追加の目的及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付請求項からより容易に明らかとなるであろう。詳細な説明は図面に関して与えられている。
【0042】
【図1】図1は、木材の流体処理のための方法の第一の好適実施態様を示す。
【0043】
【図2】図2は、木材を乾燥するための方法の第二実施態様を示す。
【0044】
【図3】図3は、木材を乾燥するための方法の第三実施態様を示す。
【0045】
【図4】図4は、乾燥の好適な方法を概略的に示す。
【0046】
【図5】図5は、乾燥の別の好適な方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の好適な実施態様による木材を乾燥するための第一装置の断面図が図1に示されている。板94の形の積み重ねられた木材のバッチは装填のための開口82を通してタンク90内に置かれている。積み重ねられた木材のバッチは上方平坦面を規定し、それに対して平坦上方支持板95が載る。同様に、積み重ねられた木材のバッチは平坦下方支持板96に対して載っている下方平坦面を規定する。タンク90内では、下方支持板はまた、ローラーコンベヤ97上に載り、木材のバッチをタンク90中にスライド可能にする。
【0048】
タンク90は、タンクドア80及び装填のための開口82の上に置かれているo−リング81により周囲から密閉されることができる。流出管92は気密タンク90を空気圧式真空ポンプ93に連結し、それにより減圧が気密タンク90内に確立されることができる。流出弁91は流出管92内に置かれ、たとえ真空ポンプ93が止められたとしてもタンク90を大気圧未満に維持することを可能にする。閉じられた流出弁91はまた、能動的な空気圧式真空ポンプ93に大き過ぎる歪を生じることなしにタンク90を開くことを可能にするであろう。気密タンク90内の圧力は約10mmHgから約100mmHgまでの典型的な範囲内に低下されることができる。
【0049】
平坦上方支持板95及び下方支持板96はクランプ88と89により連結され、それらは二つの支持板95と96を一緒に結合するように作用する圧縮力を確立する。圧縮力は、続いて、積み重ねられた木材のバッチの上及び下面にわたる機械的圧力として変換され、それは提案された方法により処理される間の木材板94のひねり及び曲がりのような変形を妨げるであろう。クランプ88と89、及び上方95及び下方96支持板は乾燥時の木材の変形を防ぐための圧縮システムを構成する。
【0050】
二つの群の電極は、積み重ねられた木材のバッチに隣接して、及び/または板94により構成された柱状体間に、垂直配向で置かれている。電極群はケーブル99と100によりHF発生器98に連結され、従って発生器98を作動するとき、第一群101は第二群102の極性とは反対の極性を持つ。電極は、二つの隣接する電極が反対の極性を持つように配置される。電極101と102、関連ケーブル99と100、及びHF発生器98は電極システムを構成し、それは約10MHzから約30MHzの周波数範囲の電磁線を作るために適している。
【0051】
防腐流体のための液溜め105は流入管108によりタンク90と相互連結されている。液溜め弁106は液溜め105からの防腐流体の流れを制御する。この特別な実施態様では、防腐流体は液体であり、流れは液溜め105内の静水圧により達成される。開いた液溜め弁106により防腐液体は流入管108を通してタンク90に流れるであろうし、それにより木材板94に達するであろう。圧縮機103は圧縮機弁104を通して流入管108と相互連結されている。圧縮機103はタンク90内に、好ましくは約1barから約12barまでの流体圧を持つ加圧環境を確立することができる。
【0052】
好適な防腐処理では、タンク90はまず、真空ポンプ93により約10から約40mmHgまでの範囲の圧力に排気される。この圧力が達成されると、木材94は減圧環境になり、その構造内に含まれたその天然流体の幾らかを追い出す。その後、それは電極101と102からの電磁線による加熱を受けさせられる。防腐液体は次いで、液溜め弁106を開くことにより液溜め105からタンク90に排出され、それにより板94に到達し、その間、タンク90内のガス圧力は約10から約40mmHgまでの範囲内に、あるいは約0.04barから約0.1barまでの範囲内に保たれる。排出は、板94が完全に液体中に浸漬された後に液溜め弁106を閉じることにより終了される。ここでの本質的な特徴は、液体が木材94に減圧環境下に供給されることである。真空ポンプ93への弁91が閉じられ、かつ液溜め弁106が開かれ、液体による均圧を可能にする。液溜め弁106が閉じられ、かつ圧縮機弁104が開かれ、圧縮機103が約1barから約12barまでの範囲の加圧環境を確立させる。説明された好ましい実施態様は、通常の方法により可能なものより約20倍までの高い木材中の防腐流体の濃度をもたらすことができる。
【0053】
本発明の特別な実施態様による木材を乾燥するための第二装置の断面図が図2に示されている。板34の形の積み重ねられた木材のバッチは装填のための開口22を通してタンク30内に置かれている。積み重ねられた木材のバッチは上方平坦面を規定し、それに対して平坦上方支持板35が載る。同様に、積み重ねられた木材のバッチは平坦下方支持板36に対して載っている下方平坦面を規定する。タンク30内では、下方支持板はまた、ローラーコンベヤ37上に載り、木材のバッチをタンク30中にスライド可能にする。
【0054】
タンク30は、タンクドア20及び装填のための開口22の上に置かれているo−リング21により周囲から密閉されることができる。流出管32は気密タンク30を空気圧式真空ポンプ33に連結し、それにより減圧が気密タンク30内に確立されることができる。流出弁31は流出管32内に置かれ、たとえ真空ポンプ33が止められたとしてもタンク30を大気圧未満に維持することを可能にする。閉じられた流出弁31はまた、能動的な空気圧式真空ポンプ33に大き過ぎる歪を生じることなしにタンク30を開くことを可能にするであろう。気密タンク30内の圧力は約10mmHgから約100mmHgまでの典型的な範囲内に低下されることができる。
【0055】
液圧式圧縮システムは、ピストン29、タンク30の壁に取り付けられたシリンダー28、管27及び液圧式圧縮機24により規定される。ピストンは平坦上方支持板35に連結され、液圧式圧縮機24を起動するとき、確立された液圧は積み重ねられた木材のバッチの上面に渡る機械的圧力に変換される。この機械的圧力は、処理される間の木材板34のねじれ及び曲がりのような変形を妨げるであろう。
【0056】
二つの群の電極は、積み重ねられた木材のバッチ中に挿入されている。電極群はケーブル39と40によりHF発生器38に連結され、従って発生器38を作動するとき、第一群41は第二群42の極性とは反対の極性を持つ。電極は、二つの隣接する電極が反対の極性を持つように配置される。電極41と42、関連ケーブル39と40、及びHF発生器38は電極システムを構成し、それは約10MHzから約30MHzの周波数範囲の電磁線を作るために適している。
【0057】
この特別な実施態様による木材を乾燥するための第二装置を作動するとき、木材がタンク30内に置かれ、減圧が真空ポンプ33により確立され、木材が圧縮システムにより機械的圧力を受けさせられ、かつ木材が電極システムを通して電磁線を受けることにより加熱される。
【0058】
本発明の特別な実施態様による木材を乾燥するための第三装置の断面図が図3に示されている。板64の形の積み重ねられた木材のバッチは装填のための開口52を通してタンク60内に置かれている。積み重ねられた木材のバッチは上方平坦面を規定し、それに対して平坦上方水平支持板65が載る。同様に、積み重ねられた木材のバッチは平坦下方水平支持板66に対して載っている下方平坦面を規定する。タンク60内では、下方支持板はまた、ローラーコンベヤ67上に載り、木材のバッチをタンク60中にスライド可能にする。
【0059】
タンク60は、タンクドア50及び装填のための開口52の上に置かれているo−リング61により周囲から密閉されることができる。流出管62は気密タンク60を空気圧式真空ポンプ63に連結し、それにより減圧が気密タンク60内に確立されることができる。流出弁61は流出管62内に置かれ、たとえ真空ポンプ63が止められたとしてもタンク60を大気圧未満に維持することを可能にする。閉じられた流出弁61はまた、能動的な空気圧式真空ポンプ63に大き過ぎる歪を生じることなしにタンク60を開くことを可能にするであろう。気密タンク60内の圧力は約10mmHgから約100mmHgまでの典型的な範囲内に低下されることができる。
【0060】
平坦上方支持板65及び下方支持板66はクランプ58と59により連結され、それらは二つの支持板65と66を一緒に結合するように作用する圧縮力を確立する。圧縮力は、続いて、積み重ねられた木材のバッチの上及び下面にわたる機械的圧力として変換され、それは加熱されかつ乾燥される間の木材板64のひねり及び曲がりのような変形を妨げるであろう。クランプ58と59、及び上方65及び下方66支持板は乾燥時の木材の変形を防ぐための圧縮システムを構成する。代替実施態様では、本質的に水平な法線を持つ機械的圧力を提供することができる追加の垂直支持板がある。
【0061】
二つの群の電極は、積み重ねられた木材のバッチ中に挿入されている。電極群はケーブル69と70によりHF発生器68に連結され、従って発生器68を作動するとき、第一群71は第二群72の極性とは反対の極性を持つ。電極は、二つの隣接する電極が反対の極性を持つように配置される。電極71と72、関連ケーブル69と70、及びHF発生器は電極システムを構成し、それは約10MHzから約50MHzの周波数範囲の電磁線を作るために適している。
【0062】
この特別な実施態様による木材を乾燥するための第三装置を作動するとき、木材がタンク60内に置かれ、減圧が真空ポンプ63により確立され、木材が圧縮システムにより機械的圧力を受けさせられ、かつ木材が電極システムを通して電磁線を受けることにより加熱される。
【0063】
提案された方法の代替的な主要な説明を与えるために、その工程の概略図が図4に描かれている。
【0064】
多段階工程の第一部分は、可変出力周波数と電力を持つ誘導装置1である。代替的に、出力周波数は固定される。装置1は、磁気誘導加熱のために適したコイル設計、例えば製品を取り巻くつるまき線を備えている。可変磁界の周波数は典型的には20から150kHzの範囲にある。初期加熱(上記の工程[1]に相当する)の後に、コンベヤベルト、カートシステムまたは同様な装置2が製品を工程内でさらに動かす。
【0065】
工程の第二部分は、可変出力電力及び周波数を持つ高周波無線装置3であり、そこでは前者は少なくとも30kW、より好ましくは少なくとも1kWであり、後者は典型的には3から30MHzの範囲にあり、最も好ましくは13.56MHzである。装置3は、製品の誘導及び誘電加熱のために適した電極設計と構成を持つ。電極は密閉可能な気密タンク内に置かれ、そこで製品の加熱が起こる。タンクを持つ目的は二つあり、すなわち無線放射を含むこと及び低圧環境のためのハウジングを提供することである。
【0066】
真空ポンプ7は配管システム4を通して室3内の圧力を低下する。製品内3から排出される水分及び空気は同じ配管システムを通して除去されるであろう。水分が真空ポンプ7に到達するのを防ぐために、乾燥器5が空気から水を分離する。この水は次いで乾燥器5から導かれ容器6に集められ、そこからそれは再循環されることができる。高周波無線加熱及び減圧処理(上記工程[2]に相当する)の後に、コンベヤベルト、カートシステムまたは同様な装置8が製品を方法の次の工程に動かす。
【0067】
工程の第三部分はマイクロ波装置9であり、それは製品の加熱のために適した構造を持つ。この一例は、一組のマグネトロンが同時に幾つかの異なる方向から製品を照射する構成であることができる。マイクロ波線の典型的な周波数は0.3から30GHzの範囲内にあり、最も好ましくは900MHzである。装置9は、有害なマイクロ波線が周囲に逃げることができないように遮蔽されている。9での加熱は上記の工程[3]に相当する。
【0068】
説明の終りに、三工程のそれぞれにおいて、製品の加熱は、実際の加熱要素(例えばコイル及び電極)と製品の間のどのような物理的接触もなしに異なる電磁現象を通して供給される。上記に引用した周波数は説明を明確にするために与えられる。提案された多段階法はまた、述べた値から有意に外れた周波数に対しても作動することは理解されよう。
【0069】
また、工程[1]と[2]の誘導加熱は製品内の電導要素を通して必ずしも付与される必要がないことは理解されよう。誘導加熱は、その代りに、製品と接触しているまたは製品に極めて接近している電導物質(例えば金属形態)を通して付与されることができる。提案された方法が適用されることができる製品の例は木材、穀粒及びれんがである。
【0070】
提案された方法の代替的な別の主要な説明を与えるために、その方法の概略図が図5に描かれている。
【0071】
コンベヤベルト、カートシステム、または同様な装置12は製品を高周波無線装置13に動かす。この装置13は可変出力と周波数を持ち、そこで前者は少なくとも30kW、より好ましくは少なくとも1kWであり、後者は典型的には3から30MHzの範囲にあり、最も好ましくは13.56MHzである。装置13は、前記製品の誘導及び誘電加熱のために適した電極設計と構成を持つ。電極は密閉可能な気密タンク内に置かれ、そこで製品の加熱が起こる。タンクを持つ目的は二つあり、すなわち無線放射を含むこと及び低圧環境のためのハウジングを提供することである。
【0072】
真空ポンプ17は配管システム14を通して室13内の圧力を低下する。13内の製品から排出される水分と空気は同じ配管システムを通して除去されるであろう。水分が真空ポンプ17に到達するのを防ぐために、乾燥器15が空気から水を分離する。この水は次いで15から導かれ容器16に集められ、そこからそれは再循環されることができる。高周波無線加熱及び真空処理後に、コンベヤベルト、カートシステムまたは同様な装置18が製品をさらに動かす。
【0073】
説明の終りに、製品は、実際の加熱要素(例えばコイル及び電極)と製品の間のどのような物理的接触もなしに電磁現象により加熱される。上記に引用した周波数は説明を明確にするために与えられる。提案された乾燥方法はまた、述べた値から有意に外れた周波数に対しても作動することは理解されよう。
【0074】
提案された方法が適用されることができる製品の例は木材、穀粒及びれんがである。誘導加熱は強化コンクリートの内側の鋼棒のような製品内の電導要素を通して必ずしも付与される必要がないことは理解されよう。誘導加熱は、その代りに、製品と接触しているまたは製品に極めて接近している電導物質(例えば金属形態)を通して付与されることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 誘導装置
2 コンベヤベルト
3 高周波無線装置
4 配管システム
5 乾燥器
6 容器
7 真空ポンプ
8 カートシステム
9 マイクロ波装置
12 コンベヤベルト
13 高周波無線装置
14 配管システム
15 乾燥器
16 容器
17 真空ポンプ
18 カートシステム
20 タンクドア
21 o−リング
22 装填のための開口
24 液圧式圧縮機
25 圧縮機弁
26 流入弁
27 流入管
28 シリンダー
29 ピストンヘッド
30 タンク
31 真空ポンプ弁
32 流出管
33 真空ポンプ
34 木材板
35 上方支持板
36 下方支持板
37 ローラーコンベヤ
38 HF発生器
39 第一極性ケーブル
40 第二極性ケーブル
41 第一極性サンドイッチ電極
42 第二極性サンドイッチ電極
50 タンクドア
51 o−リング
52 装填のための開口
58 クランプ
59 クランプ
60 タンク
61 真空ポンプ弁
62 流出管
63 真空ポンプ
64 木材板
65 上方支持板
66 下方支持板
67 ローラーコンベヤ
68 HF発生器
69 第一極性ケーブル
70 第二極性ケーブル
71 第一極性サンドイッチ電極
72 第二極性サンドイッチ電極
80 タンクドア
81 o−リング
82 装填のための開口
88 クランプ
89 クランプ
90 真空タンク
91 真空ポンプ弁
92 流出管
93 真空ポンプ
94 木材板
95 上方支持板
96 下方支持板
97 ローラーコンベヤ
98 HF発生器
99 第一極性ケーブル
100 第二極性ケーブル
101 第一極性サンドイッチ電極
102 第二極性サンドイッチ電極
103 圧縮機
104 圧縮機弁
105 防腐流体液溜め
106 液溜め弁
108 流入管



【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材の流体処理のための方法において、前記木材を気密タンク内に置く工程、前記気密タンクを排気して前記木材のための減圧環境を確立する工程、前記木材に流体を付与する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記気密タンクを加圧して前記木材のための加圧環境を確立する工程をさらに含み、前記加圧工程は前記流体を付与する工程と同時に及び/またはそれに続いて行なわれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一つ以上の電極を通して電磁線により前記木材を後続加熱に供する工程をさらに含み、前記後続加熱が前記流体を付与する工程と同時に及び/またはそれに続いて行なわれることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記木材を一つ以上の電極を通して電磁線により事前加熱に供する工程をさらに含み、前記事前加熱が前記流体を付与する工程の前に及び/またはそれと同時に行なわれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記減圧環境が前記流体の付与の前の事前ガス圧及び前記流体の付与と同時及び/または付与に続く後続ガス圧を規定し、前記事前ガス圧に対する前記後続ガス圧の比は約1から約2の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記加圧環境が約1barから約12barの範囲のガス圧を持つことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記木材が完全に前記流体に浸漬されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記流体が前記気密タンクと相互連結された液溜めに貯蔵されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記液溜めが前記液溜めから前記気密タンクへの流体の流れを確立するために及び/またはその流体の流れを増加するために加圧されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記流体が防腐流体及び/または染料であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
木材の熱処理のための方法において、前記木材を気密タンク内に置く工程、前記気密タンクを排気して前記木材のための減圧環境を確立する工程、及び一つ以上の電極を通して電磁線により前記木材を加熱に供し、それにより前記木材の水含有量を低下させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記減圧環境が約0.04barから約0.1barの範囲のガス圧力を持つことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記木材が複数の層を含み、前記一つ以上の電極のうちの一つの電極が前記複数の層の二つの隣接する層間に置かれることを特徴とする請求項3〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記木材が複数の層を含み、前記一つ以上の電極のうちの一つの電極が前記複数の層の全ての二つの隣接する層の間に置かれることを特徴とする請求項3〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記一つ以上の電極が反対の極性を持つ電極の二つの群を構成することを特徴とする請求項3〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記一つ以上の電極のうちの二つの隣接する電極が反対の極性を持つことを特徴とする請求項3〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記電磁線が約10から約30MHzの範囲の周波数を持つことを特徴とする請求項3〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記電磁線が約13.56MHzまたは約27.12MHzの周波数を持つことを特徴とする請求項3〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記木材の変形を防ぐための圧縮システムにより前記木材上に機械的圧力を確立する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記木材が平坦面を規定するように配置されており、前記圧縮システムが前記機械的圧力を前記平坦面の部分またはその全体にわたって分散するための平坦圧縮板を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記木材が直角の四つの平坦面を規定するように配置されており、前記圧縮システムが前記四つの平坦面を通して前記機械的圧力を確立するための複数の平坦圧縮板を含むことを特徴とする請求項19〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記圧縮システムが前記機械的圧力の一部またはその全体を確立するためのクランプを含むことを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記圧縮システムが前記機械的圧力を提供するための液圧式または空気圧式の圧縮機を含むことを特徴とする請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
少なくとも一つの平坦圧縮板が追加的に前記一つ以上の電極のうちの一つの電極の機能を持つことを特徴とする請求項19〜23のいずれかに記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−540276(P2010−540276A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526388(P2010−526388)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002542
【国際公開番号】WO2009/040656
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(510086246)
【Fターム(参考)】