説明

一度に複数の砂袋を充填する装置および方法

【課題】一度にできるだけ多くの砂袋に容易に充填する装置および方法を提供する。
【解決手段】一度に複数のサンドバッグを機械的に充填するバッグ充填装置はローダ形式の設備機器のローダバケット上で用いられる。バッグ充填装置は平らな表面を持ち、その面内で、複数の充填アパーチャがその表面領域にわたって等間隔で複数の列に形成されている。各充填アパーチャはサンドバッグの開放端の周囲のスリーブ中に保持される引紐を保持するためにアパーチャの周囲にテンションリングを有する。トリガ機構は、ロック位置、ロック解除位置および開放位置に移動可能であり、ロック位置では、サンドバッグの開放端がテンションリングの適所に保持されるようにサンドバッグの引紐がきつく引っ張られており、ロック解除位置では、トリガ機構がテンションリングから引紐を持ち上げてサンドバッグに充填材料でサンドバッグを充填させることを可能にして引紐上のサンドバッグの重量によって閉じられたサンドバッグの開放端を引っ張って締め付け、開放位置では、締め付けられたサンドバッグが地面に開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治水のために砂袋(サンドバッグ)が積み重ねられる現場で複数の砂袋を機械的に充填する装置および方法に関し、特に、充填した砂袋を硬く締め付け、砂袋を地上に落とすために位置決めし、落とす態様とタイミングを制御するのを容易に行う機械的システムに関する。
【背景技術】
【0002】
予想できない洪水を制御するために、治水のために砂袋が多量に積み重ねられ、または一時しのぎの護岸に沿って積み重ねできるように、シャベルまたは人手を用いて、普通、砂袋は充填される。要求されるきつい労働と短い時間しかさけない緊急状況のために、一度にできるだけ多くの砂袋を充填する一層便利な方法が望まれていた。幾つかの先行技術のシステムは、ガーデンの米国特許3,602,402またはカバナーフの米国特許4,585,041に記載されるように、砂袋を充填するためにダンプトラックのローダ(トラックシャベル)のテールゲート(後部開閉板)上のサンドホッパを用いてた。しかしながら、洪水の現場にダンプトラックをバックさせる能力は、道路における接近可能性および(または)ダンプトラックの移動の制限によって制限される場合もある。他の提案は、ウエイトの米国特許4,184,522、ムケマの米国特許5,893,260またはリットワクの米国特許6,006,801に記載のように、1つまたはそれ以上のシュート(斜面路)またはバッグホルダの下にあるバッグを充填するためのオーバーヘッドホッパを持った充填スタンド又はコンベヤを用いることを要求している。しかしながら、この提案には、牽引するための接近可能性における制限の問題、または洪水現場の近くで充填スタンドまたはコンベヤ設備機器を組立てるのに要する時間の問題がある。
【0003】
カリソンの米国特許5,004,022、バーデンの米国特許5,827,038、ブラウンの米国特許5,829,949、スエニングソンの米国特許7,004,713、バビアアズの米国特許7,510,365、スエニングソンの米国公開特許出願2004/0253088、ジュエルの米国公開特許出願2004/0258508、またはバビアアズの米国公開特許出願2007/0243053に示されるように、ブルトーザまたはローダ型式の設備機器の油圧作動式ローダバケット(ローダバケツ)にオーガまたは充填ゲートための他の提案がなされている。ローダ型式の設備機器はサンドバッグの充填および堆積に対して洪水現場近くで操縦するには所望の運動性を有するが、先行技術の提案には、ローダバケットから一度に充填できるバッグの数に制限がある。ローダ型式の設備機器の運動性を用いながら、一度にできるだけ多くの砂袋に容易に充填する方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許3,602,402
【特許文献2】米国特許4,585,041
【特許文献3】米国特許4,184,522
【特許文献4】米国特許5,893,260
【特許文献5】米国特許6,006,801
【特許文献6】米国特許5,004,022
【特許文献7】米国特許5,827,038
【特許文献8】米国特許5,829,949
【特許文献9】米国特許7,004,713
【特許文献10】米国特許7,510,365
【特許文献11】米国公開特許出願2004/0253088
【特許文献12】米国公開特許出願2004/0258508
【特許文献13】米国公開特許出願2007/0243053
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一度にできるだけ多くの砂袋に容易に充填する装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、ローダ型式の設備機器のローダバケット上で用いる複数サンドバッグを機械的に充填する装置は、ローダ型式の設備機器がバッグ充填装置上に充填材料をすくうために操作されるようにローダ型式の設備機器のローダバケットに取り付けるためのアッタチメント機構と、複数の列で表面領域にわたって等間隔で配列された複数の充填アパーチャを有する平らな表面とを有するバッグ充填装置と、を有し、前記充填アパーチャの各々は、サンドバッグの開放端の周囲のスリーブ中に引紐(引張り紐)を保持するためにアパーチャの周囲にテンションリングと、ロック位置、ロック解除位置および開放位置に移動可能なトリガ機構とを有し、ロック位置では、サンドバッグの開放端がテンションリングの適所に保持されるようにサンドバッグの引紐がきつく引っ張られており、ロック解除位置では、トリガ機構がテンションリングから引紐を持ち上げてサンドバッグに充填材料でサンドバッグを充填させることを可能にして引紐上のサンドバッグの重量によって閉じられたサンドバッグの開放端を引っ張って締め付け、開放位置では、締め付けられたサンドバッグが地面に開放される、ことを特徴とする装置である。
【0007】
好ましい実施例では、バッグ充填装置はローダバケットの後部端に沿ってアッタチメントフックによって保持され、油圧ラムまたはローダバケットのすくい部品によって操作される。各列のアパーチャは他の列のアパーチャとずれた態様で離れている。各列のすべてのアパーチャのトリガ機構は同一の側で整列されており、バッグ充填装置の平らな表面の下側で表面の幅を横切って延びるピボットシャフトによって回転される。ピボットシャフトはそれぞれのピボットギアで終端しており、ピボットギアは所望の回転方向にピボットギアを回動するために油圧ラムによって双方向に直線的に動かされる歯付きラック又はバーと係合している。このように、すべてのサンドバッグは作業者の介在の必要なしに締め付けて閉じられ、それによって便利性と安全性を保証する。
【0008】
好ましくは、サンドバッグの上部リムには引紐(引張り紐)が配置されるスリーブが形成されている。開放、すなわち、取り付け位置では、引紐はバッグ充填装置の充填アパーチャのテンションリングの上方にある。トリガ機構は、引紐をきつく引っ張ってテンションリングの上のサンドバッグの開放端をロックするために水平(3時)位置に回転される。サンドバッグに砂が充填されると、トリガ機構は、引紐を緩めてサンドバッグの開放端がテンションリングから離れるように引っ張られ、充填したサンドバッグの重量により引紐を引張り、充填したサンドバッグの重量によって閉じられたサンドバッグの開放端を締め付けるために、直立(12時)位置に回転される。サンドバッグが落とされる領域にバッグ充填装置が位置決めされると、トリガ機構はサンドバッグを地面に開放するためにさらに反時計方向(9時の位置)に回転される。
【0009】
本発明の更なる特徴として、充填したサンドバッグの列に対するトリガ機構は、サンドバッグが地面に落とされる態様とタイミングを制御するように構成されてもよい。好ましい実施例では、トリガ機構のそれぞれの列を作動させるためのピボットギアは、第1列が開放位置に作動される一方、第2列がロック解除位置にあり、第3列がロック位置にあるように、歩進比のギア寸法を有する。このように、ローダ設備機器は、第1列のサンドバッグが開放され、次に、第2列のサンドバッグの開放のために再位置決めされる等の領域にバッグ充填装置を位置決めできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一度にできるだけ多くの砂袋に容易に充填する装置および方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一度に複数のサンドバッグを充填するためのローダ形式の設備機器のローダバケット上に取り付けられた複数サンドバッグ充填装置を示す。
【図2】図2Aおよび図2Bは標準ローダバケット上および標準4&1バケット上のバッグ充填装置をそれぞれ示す。
【図3】列のバッグ充填アパーチャ(開口)、およびサンドバッグをロックし(係止し)、アンロックし(ロック解除し)、それぞれのテンションリング(張力リング)からサンドバッグを開放するトリガ機構を作動させるためのラックアンドギア(ラック・ピニオン)を持ったバッグ充填装置の平面図を示す。
【図4】バッグ充填装置とともに使用するサンドバッグの構造を示す。
【図5】充填アパーチャ、テンションリングおよびサンドバッグ用トリガ機構を持つバッグ充填装置を示す断面側面図である。
【図6】図6Aおよび図6Bはテンションリング上の引紐によるサンドバッグの取付けをそれぞれ示す平面図および断面図である。
【図7】図7Aおよび図7Bはサンドバッグを積載位置およびロック(係止)した位置で保持するトリガをそれぞれ示す平面図および断面図である。
【図8】図8Aおよび図8Bはテンションリング上の引紐によってロックされたサンドバッグをそれぞれ示す平面図および断面図である。
【図9】テンションリングから解除されたサンドバッグをそれぞれ示す平面図および断面図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは解除位置でトリガ上の引紐によって締め付けられ、吊り下げられたサンドバッグをそれぞれ示す平面図および断面図である。
【図11】開放位置でトリガによって地面に開放されたサンドバッグを示す。
【図12】図12Aおよび図12Bはサンドバッグ用のトリガ機構の列を作動させるピボットギアのそれぞれの側面図および端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、フロントローダが示されており、ブルトーザまたはローダ型式の設備機器14の油圧作動式ローダバケット12の開放端部に取付けられた複数バッグ充填装置10を有している。バッグ充填装置10は複数の列を有し、各列は作動表面領域から上方に離して置かれた複数の充填アパーチャ(充填開口)10aを有する。ローダ型式の設備機器14は、ローダバケット12を操縦するように油圧アーム16を用いて、砂を砂の堆積からすくい上げ、砂をバッグ充填装置10に押し付ける高い運動性(移動性)を有する。ローダ設備機器はバッグ充填装置10とともにローダバケットを持ち上げることができ、充填したサンドバッグが治水のために積み上げられ、または単に最終位置にジグザグの列で落される現場で、装置から充填したサンドバッグを堆積させることができる。このことによって手でサンドバッグを充填し、堆積されるべき現場にサンドバッグを運搬することに従事する労働の必要性をなくすことができる。
【0013】
図2Aはバケットアタッチメントを制御するための油圧ラム20を有する標準のバケットローダ設備機器上のバッグ充填装置10を示す。バッグ充填装置10のバック端部10aはローダバケット12のバック端部に沿って配置されたアッタチメントフック22によって保持されており、油圧ラム20の端部はバッグ充填装置10の中間アッタッチメントポイント(中間取付け個所)に連結されている。油圧ラム20が伸ばされると、バッグ充填装置10は水平位置に置かれ、ローダバケット12は下方に回転されてバッグ充填装置10の下方の空間を開け、そこにサンドバッグが吊り下げられる。ギア作動式トリガ機構(詳細には後述する)を用いて、砂が充填されたバッグはバッグ充填装置の充填アパーチャのまわりのそれぞれのホルダリング(保持リング)から開放され、取付けた引紐のよって水平位置で重力で吊り下げられることによって締め付けられ、閉じられる。サンドバッグが落とされるべき現場の上方にローダアームが位置決めされると、トリガ機構が作動されて引紐の端部を開放し、サンドバッグは、治水作業者がサンドバッグを結び、所望の位置に堆積する地面に落とされる。
【0014】
図2Bにおいて、標準4&1型式の他のローダバケットは、持ち上げられて水平位置でバッグ充填装置10を保持するバケット12bから可動できるスコップ(シャベル)12aを有し、バケット12bは下方に回転されてサンドバッグの下方の空間を空ける。スコップ12aは中央部分に空いた空間を残した空の底部を有し、その空いた空間を通してサンドバッグは落下できる。
【0015】
図3は傾斜した前部スコップ部分10cおよびテーパ付きの側壁および平らな表面領域10dを持つバッグ充填装置10の平面図を示し、平らな表面領域上に複数列(3列)のバッグ充填アパーチャ30が平らな表面領域にわたって均等に離して置かれている。各バッグ充填アパーチャ30はサンドバッグ用の引紐のループ(詳細には後述する)を保持するためのテンションリング(張力リング)31によって囲まれており、サンドバッグは、アパーチャの中にサンドバッグを取付けて、装置10の平らな表面に押し付けられた砂を受け取るためにアパーチャ開口に挿入され、その下方で吊り下げられる。テンションリング31は切り欠き部分を除いてアパーチャ30の周囲を囲み、切り欠き部分内で、サンドバッグの引紐をロックし、解除(ロック解除)し、開放する回転可能なトリガ機構33(詳細には後述する)を取付けるためのトリガスロット32が装置の平らな表面に形成されている。
【0016】
装置10の寸法と比率は用いられるローダ型式の設備機器のローダバケットに合うように設計される。例えば、キャタピラ(Caterpillar)420E設備機器上のバケット寸法に対しては、装置10の平らな部分の好ましい全体の寸法は、30度の角度において8インチのバケットキックの端部を持つ、90インチ×38インチである。スコップ部分の深さは、4インチの平均深さを持つ、前方から後方にテーパが付けられている。装置10は3/8インチ厚さのスチール板から作られている。サンドバッグアパーチャは、好ましくは、直径が8インチであるが、スチール板の下方で10インチの直径までバッグを充填できる。アパーチャは好ましくは26の数であり、最初の列は9つのアパーチャを持ち、中間の列は8つのアパーチャを持ち、最後の列は9つのアパーチャを持つ。各テンショニングリングは8インチの外部径を持ち、リングは最大3/4インチの円形スチールから作られている。
【0017】
各列のすべてのアパーチャのトリガ機構33は、すべて同じ側に配列されており、装置10の平らな表面の下側で表面の幅を横切って横方向に延びるピボットシャフト34によって回転させられる。装置10の1つの横方向の側で、保護ボックス37(点線)内で、ピボットシャフト34はそれぞれのピボットギア35で終端しており、ピボットギア35は歯付きラックまたはバー36と係合しており、歯付きラック36はピボットギア35を所望の回転方向に回転させるように油圧ラム38によって双方向に直線的に動かされる。装置10の後方端部には、多数のアッタチメントスロット39、およびローダバケットの後方端部に取付けるための装置のロード軸受バー10eがある。
【0018】
図4はバッグ充填装置とともに用いるサンドバッグの構造を示す。サンドバッグの上部リムにはスリーブが形成されており、スリーブ内に引紐が配置されている。開放位置で、引紐は装置の充填アパーチャのテンションリングの上方にある。サンドバッグは充填時の積み上げに合う所望の重量の大きさである。
【0019】
図5はバッグ充填装置の側部断面図であり、前部スコップ10c、平らな表面領域10d、後部軸受バー10eおよびアッタチメントスロット39を示す。サンドバッグ充填アパーチャ30およびテンションリング31は装置の平らな表面領域において間隔があいている。トリガ機構は直立に回転して(12時の位置)示されており、その位置で、引紐はテンションリング31から緩められ(ロック解除され)充填したサンドバッグの落下重量によって堅く締め付けて閉じられる。引紐の両端はトリガ機構の両端の切り欠き内に保持される。サンドバッグが落とされる領域に装置が位置決めされると、トリガ機構が更に回転し(9時の位置に向かって)サンドバッグを開放する。サンドバッグの締め付けは極めて堅く、再び締め付ける必要はなく、また地上でバッグを再び結ぶ必要もない。
【0020】
バッグ充填装置は標準のバックホーバケットまたは4&1型式のローダバケットに迅速に取付けられることができ、機械の既存の油圧システムを作動するように用いる。図示の装置は一度に20のサンドバッグを充填し、重力を用いて締め付け、必要とされる地面に落下するように位置決めできる。装置の大きさを単に変えることによって、装置は任意の大きさのローダ設備機器で使用するように適合される。また、装置は容易に変更でき、より大きなサンドバッグを用いるように製造されうる。同一のシステムが、砂が手に入らないところではバッグをゴミや砂利で充填するのに用いられる。ギア作動式トリガ機構によって、危険な人の介在なしに、すべてのサンドバッグはまとめて閉じられ、地面に開放される。
【0021】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ、引紐によるテンションリング上へのサンドバッグの取付けを示す平面図および断面図である。サンドバッグの開放端はその全直径にわたって開放しており、引紐はサンドバッグ上に形成されたスリーブ内で延びており、テンションリング31の外側にあり、サンドバッグ本体が装置10の平らな表面10dび下方に吊り下がるように充填アパーチャ30に挿入される。サンドバッグスリーブの両端で露呈している引紐の部分はテンションリング31の切り欠き部分と整列しており、トリガ33の1端上のノッチ33aに嵌合している。各アパーチャ用のトリガ33は、取り付け用のアパーチャの列に対するトリガを作動させるピボットシャフトを回動するようにピボットギアがラムアクチュエータ(図3参照)によって回転されるとき、ピボットピンの軸線33bを中心にして時計方向に回転できる。トリガ33は、ロック位置(3時の位置)に回転される前に、サンドバッグの引紐がテンションリングおよびトリガに取り付けられる中間角度(図で約1時の位置)に回転される。
【0022】
図7Aおよび図7Bはテンションリング上の引紐によるサンドバッグのロックを示す詳細な断面図である。トリガ33の端部上のノッチ33aに嵌合した引紐の部分は、トリガ33がピボットピンの軸線33bを中心にして下方に回転されるにつれて、テンションリング31の周囲にぴったりと合うように引っ張られる。トリガ33が水平位置で(3時の位置)でトリガスロット32中に回転すると、トリガ端部の延長部はテンションリング31の周囲で引紐を極めてきつく引っ張り、サンドバッグをロックしてその開放端をテンションリングの適所に保持する。
【0023】
図8Aおよび図8Bはテンションリングからロック解除されたサンドバッグをそれぞれ示す平面図および断面図である。ロック位置にある引紐はテンションリング31の周囲に極めて強く引っ張られている。装置が砂の堆積から砂をすくうためにローダ設備機器によって押されるにつれてサンドバッグに充填される砂の力がバッグをぴんと張るように引張り、充填力の下でサンドバッグを取り外すのを避けるために引紐をよりきつく引っ張る。
【0024】
図9Aおよび図9Bはテンションリングからロック解除されたサンドバッグをそれぞれ示す平面図および断面図である。アパーチャの列に対するトリガを作動してシャフトを回動させるピボットギアが反対方向(図3参照)にリニアラックを移動させるラムアクチュエータによって回転されると、トリガは水平位置(3時の位置)から直立のロック解除位置(12時)へ回転される。トリガがロック位置からロック解除位置に移動するにつれて、トリガは引紐を緩め、テンションリング31の下側から先頭部分を持ち上げる。直立のトリガ位置では、トリガ33の端部の上の引紐の端部はテンションリング31の上方に十分高く持ち上げられており、サンドバッグの重量はスリーブ付きの引紐の後部部分を引っ張ってテンションリング31から離すことができる。
【0025】
図10Aおよび図10Bは、サンドバッグがロック解除位置で引紐によってトリガ機構から吊り下げられているのをそれぞれ示す平面図および断面図である。サンドバッグが引紐を引っ張ってテンションリング31から離すと、その落下重量は引紐のスリーブを引っ張って閉じ始める。サンドバッグが引紐の端部をトリガによって保持された端部で打つと、充填したバッグの重量の引張力の急な停止によって引紐の他の端部が締め付けられ、スリーブ付きの端部がきつく引っ張られる。バッグの形状のつぶれと組み合わさった重力の下での砂の圧縮により、ある容積がバッグの頭部に充填されないまま残る。バッグが地面に開放されたとき、バッグのこの充填されてない容積は引紐を締め付けて、バッグの端を結ぶための十分な余地を残している。
【0026】
図11は開放位置でトリガ機構によって地面に開放されたサンドバッグを示す。サンドバッグが落下されるべき領域の上方でローダ設備機器がバッグ充填装置を操作すると、ピボットシャフトがさらに回転され、各列のアパーチャに対するトリガが直立(12時)のロック解除位置から開放側の以前の水平(9時より下)の開放位置に反時計方向に回転される。このため、引紐の端部はトリガ33のノッチ33aから開放されてサンドバッグは地面に落下する。サンドバッグが装置から落とされると、サンドバッグはレンガ層状のパターンで互いに狭い間隔で地面に落ちる。ある積み上げ型式では、これはサンドバッグの所望の端部配置であり、作業者によってさらに余分な移動を必要としない。
【0027】
図示の実施例では、トリガの好ましい長さは、ピボット点の中心からトリガのサドルまたはノッチまで、2−1/8インチである。ピボット点の中心からのトリガの長さは2−7/8インチであり、トリガの頂部におけるノッチの深さは3/4インチである。8インチの直径のアパーチャに対して、引紐の好ましい周囲長さは、トリガがロック位置にあるときぴんと張るために約25インチである。
【0028】
サンドバッグは前述したバッグ充填装置によって用いられるように設計されている。サンドバッグは、閉じられた端部によって形成されるサンドバッグ容積、充填材料をその中に充填するためにサンドバッグ容積に連通する開放端、引紐をその中に保持するために開放端に上端に沿って形成されたスリーブ、およびスリーブ内に保持された引紐を有する。引紐は直径8インチのテンションリングおける25インチの周囲長さのような長さを有する。これにより、引紐は、開放端が充填材料を充填するためにトリガ機構によって引っ張られたとき、ぴんと引っ張られる。サンドバッグは充填されたとき20乃至0ポンドのような洪水用の積み上げに対して望ましい重量になるような大きさである。例えば、前述の代表的なバックホー設備機器に対する20アパーチャ構成とともに用いることができるサンドバッグは、充填されるときの所望の重量によって、約10インチの全長(装置より下)および約24インチの長さを有しても良い。
【0029】
図12Aおよび図12Bは、サンドバッグ用のトリガ機構の列を作動させるための他の型式のピボットギア機構をそれぞれ示す側面図および端面図である。この型式はサンドバッグが地上に落下されるときの態様とタイミングを制御するように構成されている。トリガ機構のそれぞれの列を作動させるピボットシャフト34の端部上のピボットギア35a、35b、35cは、各列が油圧ラム38によって直線的に動かされる歯付きラックまたはバー36の移動のタイミングを合わせたフェース(段階)で開放されるような歩進比のギア寸法を有する。バーガイドリテーナ41に保持されたローラガイド40はバー36を定位置に保持する。保護ボックス37は、ピボットギア、バー、およびガイド組立体を保護する。バー36の最初の開放前進において、最も小さいピボットギア35cは最初の列のトリガを開放位置に作動し、第2列はロック解除位置にあり、第3列はロック位置にある。バー36が第2開放位置にさらに前進させられると、サンドバッグの第2列は開放され、第3列はトリガをロック解除位置に動かす。バー36のさらなる前進によってサンドバッグの第3列は開放される。このように、ローダ設備機器はサンドバッグの第1列を開放すべき領域、次に、サンドバッグの第2列の開放のための再位置決め領域、等にバッグ充填装置を位置決めできる。
【符号の説明】
【0030】
10 バッグ充填装置
12 ローダバケット
14 設備機器
16 油圧アーム
20 油圧ラム
30 充填アパーチャ
31 テンションリング
32 トリガスロット
33 トリガ機構
34 ピボットシャフト
35 ピボットギア
36 歯付きラック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローダ型式の設備機器のローダバケット上で用いる複数サンドバッグを機械的に充填する装置において、
ローダ型式の設備機器がバッグ充填装置上に充填材料をすくうために操作されるようにローダ型式の設備機器のローダバケットに取り付けるためのアッタチメント機構と、複数の列で表面領域にわたって等間隔で配列された複数の充填アパーチャを有する平らな表面とを有するバッグ充填装置と、を有し、
前記充填アパーチャの各々は、サンドバッグの開放端の周囲のスリーブ中に引紐を保持するためにアパーチャの周囲にテンションリングと、ロック位置、ロック解除位置および開放位置に移動可能なトリガ機構とを有し、ロック位置では、サンドバッグの開放端がテンションリングの適所に保持されるようにサンドバッグの引紐がきつく引っ張られており、ロック解除位置では、トリガ機構がテンションリングから引紐を持ち上げてサンドバッグに充填材料でサンドバッグを充填させることを可能にして引紐上のサンドバッグの重量によって閉じられたサンドバッグの開放端を引っ張って締め付け、開放位置では、締め付けられたサンドバッグが地面に開放される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記バッグ充填装置は標準のローダ設備機器のローダバケットの後部端に沿ってアッタチメントフックによって保持され、前記バッグ充填装置のアッタチメント個所に連結された油圧ラムによって操作されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記バッグ充填装置は標準4&1型式のローダ設備機器のローダバケットの後部端に沿ってアッタチメントフックによって保持され、ローダバケットのスコップによって操作されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、前記バッグ充填装置は後部端に軸受バーに沿って複数のアッタチメントスロットを有し、ローダバケットの後部端に沿って設けられたアッタチメントフックが軸受バーに係合することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記トリガ機構の各々は、前記バック充填装置の平らな表面の下側に連結したトリガスロット内でピボットピンの軸線を中心にして回転可能な部品であり、サンドバッグの引紐の端部を保持するために自由端にノッチを有し、前記トリガ機構は引紐をきつく引張りサンドバッグの開放端をテンションリング上でロックするためにテンションリングから離れる方向で水平(3時)位置に回転可能であり、サンドバッグが砂で充填されたとき、トリガ機構は引紐を緩めてサンドバッグの開放端をテンションリングから引っ張り、引紐上で充填されたサンドバッグの重量で閉じられたサンドバッグの開放端を締め付ける直立(12時)位置に回転され、バック充填装置がサンドバッグが落下されるべき領域の上方に位置決めされたとき、トリガ機構はサンドバッグを地面に開放する開放(9時)位置に反時計方向に回転されることを特徴とする装置。
【請求項6】
ローダ型式の設備機器のローダバケットを用いて複数のサンドバッグを充填する方法において、
バッグ充填装置上に充填材料をすくうために操作されるようにローダ型式の設備機器のローダバケットにバッグ充填装置を取り付け、
複数の列で、バッグ充填装置の平らな表面領域にわたって等間隔で配列された複数の充填アパーチャを設け、
充填アパーチャの各々に、サンドバッグの開放端の周囲でスリーブ内に引紐を保持するテンションリングと、ロック位置、ロック解除位置および開放位置に移動可能なトリガ機構とを設け、ロック位置では、サンドバッグの開放端がテンションリングの適所に保持されるようにサンドバッグの引紐がきつく引っ張られており、ロック解除位置では、トリガ機構がテンションリングから引紐を持ち上げてサンドバッグに充填材料でサンドバッグを充填させることを可能にして引紐上のサンドバッグの重量によって閉じられたサンドバッグの開放端を引っ張って締め付け、開放位置では、締め付けられたサンドバッグが地面に開放される、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、各列のすべてのアパーチャの前記トリガ機構は同じ側に配置されており、一緒に操作されるように結合されていることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記トリガ機構は前記バッグ充填装置の下側で表面の幅を横切って延びるピボットシャフトに連結されていることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、ピボットシャフトはそれそれのピボットギアで終端しており、ピボットギアはピボットギアを所望の回転方向に回動するように直線的に双方向に動かされる歯付きラックまたはバーに係合していることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、前記トリガ機構の各々は前記バック充填装置の平らな表面の下側に連結したトリガスロット内でピボットピンの軸線を中心にして回転可能な部品であり、サンドバッグの引紐の端部を保持するために自由端にノッチを有することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項6記載の方法において、標準のローダ設備機器のローダバケットでの使用に適用され、前記バッグ充填装置のアパーチャは隣接する列のアパーチャから整列してないことを特徴とする方法。
【請求項12】
ローダ型式の設備機器のローダバケットを用いて機械的にサンドバッグを充填する方法において、
サンドバッグ充填装置の上面に充填材料をすくうために操作されるようにローダ型式の設備機器のローダバケットにサンドバッグ充填装置を取り付け、
サンドバッグ充填装置の上面を通るそれぞれの開口を持つ充填アパーチャを設け、
1つの側を除いてその開口の大部分を囲むテンションリングと、1つの側に配置した引紐トリガ機構とを充填アパーチャの各々に設け、
各充填アパーチャの下にサンドバッグを吊し、前記サンドバッグは、閉じた下端を有するサンドバッグによって形成される内部容積と充填材料を充填するための内部容積に連通する上部の開放端と、周囲のスリーブから離れた1つの側で引紐のループの部分を露呈するスリーブでない部分を除いて所定の周囲長さの引紐のループを保持するためにサンドバッグの開放端の周囲に形成されたスリーブと、を有し、
それによって、サンドバッグは、充填アパーチャに対してテンションリングの周囲に配置されかつ開口の1つの側の部分において引紐トリガ機構上に掛けられた引紐の露呈部分によって適所に保持されて引紐をきつく引っ張るようにトリガ機構をロックすることによって張力を加えることにより堅く保持され、サンドバッグは、サンドバッグ充填装置の上部表面にすくわれ、かつ充填アパーチャのテンションリングによって堅く保持されたサンドバッグの内部容積に充填アパーチャの開口を通して落下する充填材料によって充填され、充填されたサンドバッグはトリガ機構のロック解除によってサンドバッグ充填装置から開放される、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、充填材料が砂、ゴミ、砂利からなるグループの1つであることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、各サンドバッグは充填されたとき充填材料の20乃至30ポンドを保持する容積に適した寸法であることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法における充填アパーチャにおいて機械的に充填するように構成されたことを特徴とするサンドバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−532264(P2012−532264A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519579(P2012−519579)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/040557
【国際公開番号】WO2011/005627
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(512003722)
【氏名又は名称原語表記】HARTLEY Joseph
【Fターム(参考)】