説明

一時介護室構築ツール

【目的】簡単に移動させることができ、数秒〜数分で一時介護室を構築することができるとともに、構築した一時介護室を無くし元に戻すことができる一時介護室構築ツールを提供すること。高齢者や障害者に嫌悪感を抱かせることなく、一時介護室を構築することができ、且つ、高齢者や障害者を見守るないし監視することができる一時介護室構築ツールを提供すること。
【解決手段】一時介護室構築ツール100は、背面側に設けられる背板110と、背板110の下側両端に垂設される下側側板120と、下側側板120に載設される下側天板130と、背板110の上側両端に垂設される上側側板140と、上側側板140に載設される上側天板150と、背板110及び/又は下側側板120の下部内側に取り付けられる取付板160の底面に設けられるキャスター170とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一時介護室構築ツールに関し、更に詳しくは、高齢者介護施設、障害者介護施設等において様々な居室又は空間(通路等)の全部又は一部を直ちに一時介護室とすることができるとともに、一般居室や介護居室に適用可能な一時介護室構築ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
厚生労働省による「有料老人ホーム設定運営標準指導指針」によれば、規模及び構造設備につき、一時的な介護サービスを提供するための居室として「一時介護室」を設けることが規定されている。この一時介護室は、(1)入居者の状況等に応じた適切な数の確保、(2)建築基準法に基づく界壁による区分け、(3)看護職員(介護職員を含む、本明細書において以下同じ)等の配置等が義務づけられている。
【0003】
また、高齢者や障害者を対象とした設備施設等について従来提案されているものとして以下の文献に記載されたものが周知である。まず、特許文献1の介護システムは、介護者の入浴補助を容易化することを目的として提案されたものである。この介護システムは、床の高さを、ほぼ床上に設置された浴槽の上縁高さとし、床上にキャスター付きのベットを配置した構成を備える。
【0004】
特許文献2の介護室装置は、患者、介護人に取って操作しやすい介護室装置を提供することを目的として提案されたものである。この介護室装置は、患者の生活に必要な設備を備えた介護室の天井に、一方向に配設した案内レールと、該案内レールに沿って自走する、該案内レールと直角方向に長い移動レールと、該移動レールに沿って走行するサドルと、該サドルに設けた巻上げ機とからなる自走式天井走行クレーンを設けた構成を備える。
【0005】
特許文献3の介護室装置は、患者、介護人にかかる精神的、肉体的負担を軽減できる介護室装置を提供することを目的として特許文献2の介護室装置を更に改良したモデルとして提案されたものである。この介護室装置は、患者の生活に必要な設備を備えた介護室に、介護室のXY平面に対しX方向に配設した案内レールと、該案内レールに沿って自走するY方向に長い移動レールと、該移動レールに沿って走行する走行台と、該走行台に設けた巻上げ機とから成る自走式天井走行クレーンを設けた構成を備える。
【0006】
特許文献4の介護室は、被介護者や車椅子の移動のための労力が多大であり、介護者や被介護者の負担が大きいことを受け、ベッドから車椅子、車椅子から風呂や便器への移動や、寝室からトイレや浴室に移動が簡便な介護室を提供することを目的として提案されたものである。この介護室は、寝室、トイレ、及び浴室の段差をなくして一室内に配置するとともに、床面と、ベッドの寝床、便器の座面、及び風呂の上縁との間のそれぞれの高さを、車椅子の座面の高さに合致させたことを特徴としたものである。
【0007】
特許文献5の介護室構造は、介護人に重度の労働を強いることなく、適正な介護が簡単且つ十分にできる構成を提供することを目的として提案されたものである。この介護室構造は、介護用の部屋のレイアウトを改良するものであり、その具体的構成としては、部屋上部にU字状のレールを設け、このレールに沿ってその下方に療養器具である療養ベッド、水洗トイレ、ユニットバスを備えると共に、レールに被介護人用吊下支持器具を懸下した構成を備えたものである。
【0008】
特許文献6の介護室構造は、介護室に寝起きする各人の占有スペースの大きさを手間無く自在に変更することを目的として提案されたものである。この介護室構造は、介護室に、ナースコール付きの仕切兼用の家具を、面積可変な占有スペースを形成し得る形で移動自在に設ける一方で、該家具の移動範囲に沿った形の壁中にコネクタユニットを複数埋設し、盲蓋を嵌着した構成を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−104436
【特許文献2】特開2000−237250
【特許文献3】特開2000−107237
【特許文献4】特開平10−339043
【特許文献5】特開平6−134008
【特許文献6】特開平6−42210
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の厚生労働省による「有料老人ホーム設定運営標準指導指針」に適合した一時介護室を設置しようとするとこれ専用の建物設計とすることが必要であるという問題がある。また、そのような専用の建物設計とすると他の用途に使えないという問題がある。従って、数秒〜2、3分で一時介護室を形成することができる移動式ツールが業界で所望されている。
【0011】
更に、高齢者や障害者は看護職員等が予測できない行動を起こすおそれがあるため24時間体制で彼等が安全で健康的な生活を送ることができるように配慮する必要がある。そうすると、一般居室や介護居室(有料老人ホームが自ら介護サービスを提供するための専用の居室であり、要介護者の健康状態、精神状態等に応じて適切な数が確保される)についても上記の一時介護室と同様の移動式ツールが業界で所望されている。しかし、全ての一般居室や介護居室にこのような移動式ツールを設置すると空間が無駄になったり、緊急事態が発生したときに邪魔になるといった問題がある。
【0012】
上記特許文献1〜6に記載の従来の介護関連設備は、介護人の労力軽減や被介護者の移動搬送を楽に行うことができることに関する技術であり、一時介護室を数秒〜2、3分で形成することができる移動式ツールに関するものではない。
【0013】
また、一時介護室、介護居室、一般居室のいずれにおいても、これらを利用する高齢者や障害者にとっては、「見られている、監視されている」という意識を起こさせないような移動式ツールであることもまた重要である。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、簡単に移動させることができる一時介護室構築ツールを提供することにある。
本発明の第二の目的は、数秒〜数分で一時介護室を構築することができるとともに、構築した一時介護室を無くし元に戻すことができる一時介護室構築ツールを提供するものである。
本発明の第三の目的は、高齢者や障害者に嫌悪感を抱かせることなく、一時介護室を構築することができ、且つ、高齢者や障害者を見守るないし監視することができる一時介護室構築ツールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明に係る一時介護室構築ツールは、
背面側に設けられる背面遮断手段と、
前記背面遮断手段の下側両端に垂設される下側側面遮断手段と、
前記下側側面遮断手段に載設される下側天板と、
前記背面遮断手段の上側両端に垂設される上側側面遮断手段と、
前記上側側面遮断手段に載設される上側天板と、
前記背面遮断手段及び/又は前記下側側面遮断手段の下部内側に取り付けられる取付手段の底面に設けられる移動手段と、を備えたことを要旨とする。
【0016】
上記構成を備えた本発明に係る一時介護室構築ツールによれば、移動手段が背面遮断手段及び/又は下側側面遮断手段の下部内側に取り付けられる取付手段の底面に設けられるため、一時介護室構築ツールを持ち上げたりすることなく、簡単に移動させることができる。そのため、本発明に係る一時介護室構築ツールは、数秒〜数分で一時介護室を構築することができるとともに、構築した一時介護室を無くし元に戻すことができる。
【0017】
本発明に係る一時介護室構築ツールは、背面側に設けられる背面遮断手段と、前記背面遮断手段の下側両端に垂設される下側側面遮断手段と、前記背面遮断手段の上側両端に垂設される上側側面遮断手段と、前記上側側面遮断手段に載設される上側天板とが、看護職員の存在の全て又は一部を、高齢者や障害者の視界から遮る。そのため、本発明に係る一時介護室構築ツールは、高齢者や障害者に嫌悪感を抱かせることなく、一時介護室を構築することができ、且つ、高齢者や障害者を見守るないし監視することができる。
【0018】
この場合に、本発明に係る一時介護室構築ツールは、前記上側天板が前記背面遮断手段と当接する部分から当該上側天板の水平外側方向に延長させた端部が形成され当該端部が曲面であることが好ましい。これにより、高齢者や障害者が一時介護室構築ツールにぶつかってもさほど痛みを感じることなく怪我等の心配もないためである。
【0019】
この場合に、本発明に係る一時介護室構築ツールは、椅子と組み合わされたものでもよい。これにより、看護職員が椅子に腰掛けて下側天板を机天板として活用して事務作業ができるとともに、当該一時介護室構築ツールの脇や上側から高齢者や障害者の様子を見守るないし監視することができる。
【0020】
この場合に、本発明に係る一時介護室構築ツールは、前記背面遮断手段と前記下側側面遮断手段とによる被囲暁部分に棚板を設けることが望ましい。
【0021】
この場合に、本発明に係る一時介護室構築ツールは、前記上側天板の端面、前記上側側面遮断手段、前記下側天板の端面、及び、前記下側側面遮断手段は凹凸のない垂直平面を構成することが望ましい。これにより、当該垂直平面を壁面へ密着させやすく配置がしやすいからである。
【0022】
この場合に、本発明に係る一時介護室構築ツールは、本発明に係る一時介護室構築ツールを複数配置したものでもよい。これにより、各々の一時介護室構築ツールに対して椅子を複数設置した場合には複数の看護職員により高齢者や障害者の介護や監視をすることができる。
【0023】
この場合に、本発明に係る一時介護室構築ツールは、前記垂直平面を互いに密着させたものであることが望ましい。これにより、横幅を必要に応じて変更させた一時介護室構築ツールを得ることができる。そのため、本発明に係る一時介護室構築ツールによって形成される一時介護室の大きさも自由自在に調整することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る一時介護室構築ツールは、背面遮断手段及び/又は下側側面遮断手段の下部内側に取り付けられる取付手段の底面に設けられる移動手段を備えたものであるため、簡単に移動させることができるという効果がある。そのため、本発明に係る一時介護室構築ツールは、数秒〜数分で一時介護室を構築することができるとともに、構築した一時介護室を無くし元に戻すことができるという効果がある。
【0025】
本発明に係る一時介護室構築ツールは、背面側に設けられる背面遮断手段と、前記背面遮断手段の下側両端に垂設される下側側面遮断手段と、前記背面遮断手段の上側両端に垂設される上側側面遮断手段と、前記上側側面遮断手段に載設される上側天板と、を備えたものであるため、高齢者や障害者に嫌悪感を抱かせることなく、一時介護室を構築することができ、且つ、高齢者や障害者を見守るないし監視することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る一時介護室構築ツール100の斜視図である。
【図2】一時介護室構築ツール100の(a)正面図、(b)左側断面図、(c)背面図である。
【図3A】一時介護室構築ツール100を食堂兼介護職員室に設置することにより一時介護室を食堂兼介護職員室側から見た例を示す図面代用写真である。
【図3B】一時介護室構築ツール100を食堂兼介護職員室に設置することにより一時介護室を当該一時介護室側から見た例を示す図面代用写真である。
【図3C】一時介護室構築ツール100を食堂兼介護職員室から出口へ向かう通路に設置することにより高齢者や障害者が勝手に施設外へ出ないようにするための活用例を示す図面代用写真である。
【図4】一時介護室構築ツール100を一般居室又は介護居室から出口へ向かう通路に設置することにより高齢者や障害者が勝手に施設外へ出ないようにするための活用例を示す図面代用写真である。
【図5】一時介護室構築ツール100を介護居室の入口横側に設置することにより高齢者や障害者に対する介護作業を見守るないし監視するときの活用例を示す図面代用写真である。
【図6】一時介護室構築ツール100を一般居室の入口前に設置することにより高齢者や障害者を24時間体制で見守るないし監視するとともに、彼等が勝手に居室から出ないようにするための活用例を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
【0027】
100 一時介護室構築ツール
110 背板(背面遮断手段)
120 下側側板(下側側面遮断手段)
130 下側天板
140 上側側板(上側側面遮断手段)
150 上側天板
151 端部
160 取付板(取付手段)
170 キャスター(移動手段)
180 棚板
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下図面を参照して本発明の一実施形態に係る一時介護室構築ツール100について説明する。
(構成)
図1及び図2に示す一時介護室構築ツール100は、背板110と、下側側板120と、下側天板130と、上側側板140と、上側天板150と、取付板160及びその底面に設けられるキャスター170と、棚板180とからなる。これらのうちキャスター170以外は、木製、プラスチック製等の材質のものが用いられる。キャスター170は本体がゴム製からなり、支持部、及び、連結部等が金属製のものにより構成されるが、その材質は特に限定されない。これらの各部材の連結は、接着剤、ボルト、釘等を用いたり、種々の組み方(いも組、トメ組、ロッキング組、あぜくら組)を用いることによりなされる。
【0029】
ここで、一時介護室構築ツール100により構築される上記の厚生労働省が規定する一時介護室は、具体的に本実施形態においては、一時介護室構築ツール100が設置されたところの背板110とは反対側の部分、下側天板130のところに椅子(図3Aの右上、図3B、図6参照)が配置された場合のその椅子側の空間をいう。
【0030】
一時介護室構築ツール100について更に詳細に説明する。
背板110は、背面側に設けられる平板であり、ポリ合板その他の化粧板からなる。下側側板120は、背板110と背板110の下側両端に垂設されるものであり、ポリ合板その他の化粧板からなり、本実施形態では背板110と同じ化粧板が用いられる。本実施形態においては、外観上の観点から背板110と、上側側板140の端面、下側天板130、及び/又は、下側側板120の端面とは化粧板で覆われる(図2(c)参照)。
【0031】
下側天板130は、下側側板120に載設される平板であり、本実施形態においては主として机としての機能を果たす平板である。下側天板130もまた、ポリ合板その他の化粧板からなり、本実施形態では背板110と同じ化粧板が用いられる。
【0032】
上側側板140は、背板110の上側両端に垂設される平板であり、本実施形態においては書籍等を載置するときの支持板となったり、一時介護室構築ツール100の前に配置される椅子に座る看護職員の目隠しとなったりする機能を果たす平板である。上側側板140もまた、ポリ合板その他の化粧板からなり、本実施形態では背板110と同じ化粧板が用いられる。
【0033】
上側天板150は、上側側板140に載設される平板であり、本実施形態においては主として種々の物を一時的に載置したり、高齢者・障害者・看護職員が支え台としたり書き物をするときの机としての機能を果たしたり、一時介護室構築ツール100の前に配置される椅子に座る看護職員の目隠しとなったりする機能を果たす平板である。上側天板150が背板110と当接する部分から上側天板150の水平外側方向に延長させた端部151は曲面形状とされている。端部151が曲面であることにより、高齢者や障害者が一時介護室構築ツールにぶつかってもさほど痛みを感じることなく怪我等の心配も少ない。上側天板150もまた、ポリ合板その他の化粧板からなり、本実施形態では背板110と同じ化粧板が用いられる。
【0034】
取付板160は、背板110及び/又は下側側板120の下部内側に対向して取り付けられる一対の角材からなり、取付板160を構成する一対の角材それぞれの前後端部底面にはストッパー付きのキャスター170が設けられる。本実施形態においては、下側側板120の下端部内側に取り付けられている。
キャスター170は、市販品を用いることができ、取付板160の前後端部底面に取り付けられる。本実施形態においては取付板160の底面の角部付近四箇所に取り付けられる。尚、キャスター170は背板110の底面左右端部に取り付けてもよい。このように、キャスター170が背板110及び/又は下側側板120の底面に設けられるため、一時介護室構築ツール100を持ち上げたりすることなく、簡単に移動させることができる。すなわち、一時介護室構築ツール100は、数秒〜数分で一時介護室を構築することができるとともに、構築した一時介護室を無くし元の状態に戻すことができる。
【0035】
棚板180は、背板110と下側側板120とによる被囲暁部分に取り付けられる平板である。本実施形態においては主として種々の物を一時的に載置する機能を備える。棚板180もまた、ポリ合板その他の化粧板からなり、本実施形態では背板110と同じ化粧板が用いられる。
【0036】
一時介護室構築ツール100は、上側天板150の左右両端面、上側側板140の表面、下側天板130の左右両端面、及び、下側側板120の表面は凹凸のない垂直平面とされる。これにより、当該垂直平面を壁面へ密着させやすく配置がしやすい。また、一時介護室構築ツール100どうしを密着させて大きさを自在に調整することができる。
【0037】
一時介護室構築ツール100は、背面側に設けられる背板110と、背板110の下側両端に垂設される下側側板120と、背板110の上側両端に垂設される上側側板140と、上側側板140に載設される上側天板とが、看護職員の存在の全て又は一部を、高齢者や障害者の視界から遮る。そのため、一時介護室構築ツール100によれば、高齢者や障害者に嫌悪感を抱かせることなく、一時介護室を構築することができ、且つ、高齢者や障害者を見守るないし監視することができる。
【0038】
(使用方法−椅子との組み合わせ)
図3A、図3B及び図6に示すように、一時介護室構築ツール100は、椅子と組み合わすとよい。この場合、看護職員は、椅子に腰掛けて下側天板130を机天板として活用して事務作業ができるとともに、当該一時介護室構築ツール100の脇や上側から高齢者や障害者の様子を見守るないし監視することができる。
【0039】
(使用方法−複数配置)
図3A〜図3C及び図4に示すように、一時介護室構築ツール100は、これを複数配置したものでもよい。各々の一時介護室構築ツール100に対して椅子を複数設置すれば複数の看護職員により高齢者や障害者の介護や監視をすることができる。また、複数配置により形成される一時介護室のスペースを大きく取ることができる。
複数配置のさせ方は特に限定されないが、垂直平面を互いに密着させたものが多く用いられる。これにより、横幅を必要に応じて変更させた一時介護室構築ツールを得ることができる。一時介護室構築ツール100によって形成される一時介護室の大きさ(横方向)も自由自在に調整することができる。
【0040】
(使用方法−一時介護室構築)
図3A及び図3Bに示す図面代用写真は、一時介護室構築ツール100を食堂兼介護職員室に設置することにより一時介護室を形成した一例を示す。背板110側が食堂兼介護職員室であり、椅子側が一時介護室である。
【0041】
(使用方法−待避防止)
図3Cに示す図面代用写真は一時介護室構築ツール100を食堂兼介護職員室から出口へ向かう通路に設置することにより、図4は一時介護室構築ツール100を一般居室又は介護居室から出口へ向かう通路に設置することにより、それぞれ、高齢者や障害者が勝手に施設外へ出ないようにするための活用例を示す。看護職員が出口側で椅子に座って待機することで一時介護室を構築するとともに監視が可能である。
【0042】
(使用方法−24時間体制での監視)
図5の図面代用写真は一時介護室構築ツール100を介護居室の入口横側に設置することにより、図6は一時介護室構築ツール100を一般居室の入口前に設置することにより、それぞれ、高齢者や障害者に対する介護作業を見守るないし監視するときの活用例を示す。
【0043】
以上のように、一時介護室構築ツール100は、単なる一時介護室の構築に留まらず種々の用途に用いることができ、看護職員等の労力を軽減するとともに介護作業の効率を高めることができる。また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る一時介護室構築ツールは、高齢者施設や障害者施設において一時介護室を直ちに構築することができる一方、これを移動させることができ、更に、一般居室及び介護居室でも使用が可能であるため、今後より一層増加する高齢者・障害者施設における需要拡大が見込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面側に設けられる背面遮断手段と、
前記背面遮断手段の下側両端に垂設される下側側面遮断手段と、
前記下側側面遮断手段に載設される下側天板と、
前記背面遮断手段の上側両端に垂設される上側側面遮断手段と、
前記上側側面遮断手段に載設される上側天板と、
前記背面遮断手段及び/又は前記下側側面遮断手段の下部内側に取り付けられる取付手段の底面に設けられる移動手段と、を備えたことを特徴とする一時介護室構築ツール。
【請求項2】
前記上側天板が前記背面遮断手段と当接する部分から当該上側天板の水平外側方向に延長させた端部が形成され当該端部が曲面であることを特徴とする請求項1に記載の一時介護室構築ツール。
【請求項3】
椅子と組み合わされることを特徴とする請求項1又は2に記載の一時介護室構築ツール。
【請求項4】
前記背面遮断手段と前記下側側面遮断手段とによる被囲暁部分に棚板を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の一時介護室構築ツール。
【請求項5】
前記上側天板の端面、前記上側側面遮断手段、前記下側天板の端面、及び、前記下側側面遮断手段は凹凸のない垂直平面を構成するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の一時介護室構築ツール。
【請求項6】
請求項1から5に記載の一時介護室構築ツールを複数配置したことを特徴とする一時介護室構築ツール。
【請求項7】
請求項5に記載の一時介護室構築ツールを複数配置する場合において前記垂直平面を互いに密着させたことを特徴とする一時介護室構築ツール。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−59547(P2013−59547A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200862(P2011−200862)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(311013340)株式会社トップウェル (1)
【Fターム(参考)】